本業を持つ人が資料作成を受けるとき、就業規則と申告でつまずく


この記事のポイント
- ✓資料・企画書作成の副業を本業と両立させる方法を解説
- ✓就業規則の確認ポイント
- ✓確定申告の基礎知識まで
平日はオフィスでパソコンに向かい、夜と週末に別のクライアントの企画書を作る。そんな二重生活を送る会社員が増えています。資料・企画書作成は在宅でも完結しやすく、本業のスキルをそのまま横展開できる副業として人気ですが、いざ始めようとすると「会社にバレないか」「税金の申告はどうすればいいのか」という壁にぶつかる人が少なくありません。この記事では、資料作成の副業を本業と無理なく両立させるために、就業規則の確認方法から時間の作り方、申告の基礎知識までを順番に整理します。
資料・企画書作成の副業が両立しやすい理由
資料作成の副業が会社員に選ばれやすいのには、はっきりした理由があります。まず、成果物が電子ファイルで完結するため、納品も打ち合わせもオンラインで済ませられる案件が大半です。対面での接客や来店対応が必要な副業と比べて、時間の融通が利きやすいという特徴があります。
もう一つの理由は、本業で培ったスキルがそのまま商品になる点です。営業職なら提案資料の構成力、経理職ならエクセルでの数値整理力、企画職ならプレゼン資料のデザイン感覚が、そのまま副業の武器になります。新しいスキルをゼロから学ぶ必要が薄いため、本業に費やす時間を大きく削らずに始められる副業として位置づけられています。
一方で、資料作成の仕事は「本業の延長線上にある」からこそ、就業規則との距離が近くなりがちです。同業種のクライアントから依頼を受ければ競業と見なされる可能性がありますし、本業で得た社内資料の型やフォーマットを流用すれば、知的財産や情報管理の面で問題になることもあります。両立のしやすさと、リスクの近さは表裏一体だと考えておく必要があります。
就業規則で確認すべきポイント
副業を始める前に、まず自分の会社の就業規則を確認することが出発点になります。ここを飛ばして案件を受けてしまい、後から指摘されるケースは珍しくありません。
副業の可否と申請ルール
多くの企業では、就業規則に副業・兼業に関する条項があります。近年は副業を一律に禁止する企業は減少傾向にあり、届出制や許可制で条件付きに認める企業が主流になりつつあります。ただし「届出制だから自由にやっていい」という理解は正確ではありません。届出をしたうえで、業務時間外に行うこと、会社の設備や情報を使わないこと、といった付帯条件が課されているのが一般的です。
就業規則の該当条項を確認する際は、次の三点をチェックしておくと後々のトラブルを避けやすくなります。一つ目は届出や許可の要否、二つ目は禁止されている業種や職種の範囲、三つ目は副業による労働時間の上限や健康管理に関する規定です。厚生労働省は副業・兼業を進める企業向けにガイドラインを公表しており、労働時間の通算管理や健康確保措置についての考え方が整理されています。自分の会社の規定がガイドラインに沿っているかを見比べてみると、規則の意図を理解しやすくなります。
副業・兼業に関するガイドラインでは、労働者の希望に応じて、原則、副業・兼業を認める方向とすることが適当であるとされています。 出典: mhlw.go.jp
不明点がある場合は、人事部や総務部に直接確認するのが最も確実です。「資料作成の在宅副業を検討しているが、規則上どこまで認められるか」と具体的に聞けば、曖昧なまま進めるより安心して受注できます。
確認の際に意外と見落とされがちなのが、副業の「業種」に関する記載です。就業規則によっては「同業他社への就業・業務委託を禁止する」という表現にとどまっていることがあり、この場合は同業種の企業から直接雇用されることは禁止されていても、業務委託として資料作成だけを請け負うことが規則の対象に含まれるかどうかが曖昧になっているケースがあります。文言が曖昧なまま自己判断で進めるのではなく、担当部署に具体的な依頼内容を伝えたうえで、書面やメールなど記録に残る形で確認を取っておくと、後になって「言った言わない」のトラブルを避けられます。
また、副業の届出をした後に案件内容が変わった場合の扱いも確認しておくべきポイントです。当初は個人ブログ用の資料作成だけを届け出ていたのに、途中から企業向けの提案書作成に領域が広がったというケースはよくあります。業務内容が変わるたびに毎回届出をやり直す必要があるかどうかは会社によって運用が異なるため、届出時にあわせて確認しておくと、後から慌てずに済みます。
競業避止と情報管理条項
就業規則とは別に、入社時に締結した誓約書や秘密保持契約に競業避止義務や情報管理に関する条項が含まれていることがあります。同業他社や取引先からの資料作成依頼を受ける場合、これらの条項に抵触しないかを個別に確認する必要があります。
特に注意したいのは、本業で使っているテンプレートやフォーマット、社内で得た業界知識をそのまま副業の成果物に流用するケースです。個人の経験として培ったノウハウを一般化して使う分には問題になりにくいものの、社内資料そのものをコピーして使うような行為は、情報漏えいや著作権の観点で重大な問題に発展しかねません。副業で作成する資料は、必ずゼロから構成を組み立てる意識を持つことが基本です。
さらに気をつけたいのが、副業先のクライアントに対して自分の勤務先の名前を出してしまうケースです。実績アピールのつもりで「大手企業の経理部門に勤務しています」といった形で本業の情報を開示すると、意図せず本業の信用や情報を副業の営業材料に使ってしまうことになりかねません。プロフィールには職種や経験年数といった一般化した情報にとどめ、勤務先の固有名詞は伏せておくのが無難な線引きです。誓約書に「本業で知り得た情報を第三者の業務に利用してはならない」という条項がある場合は、この線引きがより重要になります。
案件の種類と相場感
資料作成の副業案件には幅があり、依頼内容によって求められるスキルも報酬も変わってきます。自分がどの領域に強みを持っているかを整理してから案件を選ぶと、単価交渉もしやすくなります。
企画書・提案書の作成
企業向けの新規事業提案書、営業提案資料、社内稟議用の企画書などが該当します。単なるデザインだけでなく、論理構成やターゲットの課題を言語化する力が求められるため、単価は比較的高めです。ページ数や構成づくりからの依頼か、既存資料のブラッシュアップかによっても報酬は変動し、依頼は3万円から5万円が中心帯になっているという指摘もあります。
資料・企画書作成の依頼は3万円〜5万円が中心です。価格は、資料のページ数や、原稿・構成づくりからの依頼か、図表作成や修正回数によって変わります。 出典: coconala.com
契約書・社内資料の整備
業務委託契約書のひな型作成、就業規則の文言整理、マニュアル資料の作成なども資料作成の副業に含まれます。法律の専門知識が直接必要になるわけではありませんが、条文の読み方や、発注書・契約書に必須の項目を理解しておくと信頼度が上がります。フリーランス同士の取引でも、下請法(取適法)に関わる知識を持っておくと、自分自身が発注する側・受ける側どちらの立場でも役立ちます。契約実務の基本を整理した記事としてフリーランスを守る「下請法(取適法)」の知識|発注書・契約書の必須項目チェックリストも参考になります。
こうした契約書や資料作成に特化した案件を探す場合は、契約書・資料・企画書作成のお仕事のように、資料作成そのものを軸にした求人カテゴリを確認しておくと、自分のスキルに合った案件を見つけやすくなります。営業向けの提案資料や販促物の作成が得意な人は、営業代行・アポ・販促資料作成のお仕事のカテゴリも合わせて見ておくと選択肢が広がります。
案件の種類によって求められる納期感も異なります。企画書や提案書は意思決定のタイミングに合わせて依頼されることが多く、比較的短い納期を求められる傾向があります。一方、契約書や社内マニュアルの整備は緊急性が低い分、長めの納期で依頼されることが多く、本業の繁忙期と重ならないよう調整しやすい種類の案件だといえます。両立を優先するなら、まずは納期に余裕のある案件から実績を積み、慣れてきた段階で短納期の案件にも挑戦するという順序が無理のない進め方になります。
求められるスキルと信頼構築のポイント
資料作成の副業には国家資格のような必須資格はありません。その代わりに求められるのは、実務で使えるという証明です。
一つ目の証明は、過去の実績を見せるポートフォリオです。前職や現職で作成した資料をそのまま使うことはできませんが、実在の案件を模した架空のサンプルを一本用意しておくだけで、発注者への説得力が大きく変わります。二つ目の証明は、構成力や図解力を裏付ける資格やスキルの提示です。文章表現の基礎を示すものとして、ビジネス文書検定のような資格は、資料作成の副業でも一定の説得材料になります。詳しくはビジネス文書検定のページで受験内容を確認できます。
ただし、資格が直接的な武器になる副業ばかりではありません。たとえばCCNA(シスコ技術者認定)のようなネットワーク分野の資格は、資料作成の副業そのものには直結しませんが、IT系企業向けの技術資料や提案書を作る際には専門用語への理解を裏付ける材料になります。自分が狙う業界に合わせて、必要な知識の証明を選ぶという発想が大切です。
私自身、アパレル業界でEC運営の資料作成を請け負っていたとき、最初にクライアントへ提出したサンプル資料の構成が甘く、修正のやり取りに何度も時間を取られた経験があります。読み手が誰で、何を判断材料にしているのかを最初に整理してから資料を組み立てる習慣がつくまでは、時間ばかりかかって単価に見合わない案件になってしまいました。資料作成のスキルは、デザインの見た目以上に「誰のための資料か」を言語化する力に支えられていると実感しています。
もう一つ実務で気づいたのは、初回の打ち合わせでヒアリングを丁寧に行うほど、後の修正回数が減るという点です。資料の目的、想定する読み手の役職、既存資料の有無といった前提条件を最初にすり合わせておくと、完成イメージのずれが起きにくくなります。逆に、依頼内容を大まかに聞いただけで作業に着手すると、方向性の違いによる大きな作り直しが発生しやすく、限られた副業の時間を無駄にしてしまいます。本業と両立する時間の中でこそ、こうした前工程の丁寧さが効いてくると感じています。
契約条件を先に確認しておく重要性
両立を前提に副業を続ける場合、案件ごとの契約条件を事前に確認しておくことが、後々のトラブルを防ぐ最も基本的な手段になります。特に確認しておきたいのは、納品後の修正回数の上限、著作権や利用権の帰属、報酬の支払いサイトの三点です。
修正回数の上限が曖昧なまま案件を受けると、本業の合間を縫って作業時間を確保しているにもかかわらず、想定外の修正対応に追われて本業へのしわ寄せが出てしまいます。見積もりの段階で「修正は二回まで」といった条件を明示しておくと、後からの追加作業を線引きしやすくなります。著作権については、納品した資料の二次利用や転用について取り決めがないまま進めると、意図しない形で自分の作った資料が使い回されるリスクもあるため、契約書や発注書の文言を一度は自分の目で確認しておく習慣をつけることが望ましいです。
支払いサイトについても、本業の給与と違って副業の報酬は入金タイミングが案件ごとにばらつきます。検収から入金までの期間が長い発注者もいれば、検収後すぐに支払われる発注者もあります。複数の案件を並行して受ける場合は、入金予定を家計簿やスプレッドシートで管理しておくと、確定申告の際にも所得の把握がしやすくなります。案件ごとに支払い条件がまちまちだと管理が煩雑になりやすいため、可能であれば発注者ごとに支払いサイトを一覧化しておくと、月々の資金繰りの見通しも立てやすくなります。
本業と両立するための時間管理とコツ
資料作成の副業は在宅で完結しやすい反面、時間管理を誤ると本業のパフォーマンスにまで影響が及びます。両立を続けている人に共通するのは、稼働時間をあらかじめ区切って管理している点です。
平日の夜であれば、就業後の2時間から3時間を副業に充てるパターンが多く見られます。休日にまとめて作業する人もいますが、締め切りが集中すると平日の睡眠時間を削る結果になりやすいため、案件を受ける段階で自分が実際に使える時間を可視化しておくことが重要です。カレンダーに本業の予定と副業の作業時間を並べて書き込み、重複や無理がないかを事前に確認する習慣をつけると、突発的な残業が発生した際にも調整がしやすくなります。
もう一つのコツは、案件を同時に抱えすぎないことです。企画書作成は一件あたりの拘束時間が読みにくく、クライアントとのすり合わせ回数によって作業量が変動します。慣れないうちは一件ずつ丁寧に仕上げ、納期の見積もりに余裕を持たせることで、本業への影響を最小限に抑えられます。
作業効率を上げる工夫としては、資料構成のテンプレートを自分なりに複数パターン用意しておく方法も有効です。企画書であれば「現状分析、課題、提案内容、期待効果」という基本の流れを軸にしつつ、業種ごとに図表の使い方や言葉遣いを調整するだけで、ゼロから毎回考えるより着手のスピードが上がります。時間が限られている本業との両立においては、こうした型を持っておくことが、質を落とさずに作業時間を圧縮する現実的な手段になります。
体調管理の面でも、副業の作業時間を無制限に増やさない姿勢が欠かせません。厚生労働省のガイドラインでも、副業・兼業による長時間労働や健康リスクへの配慮が企業側・労働者側双方に求められている点が示されています。自分の睡眠時間や休息時間を削ってまで案件を詰め込むと、本業のパフォーマンス低下という形で跳ね返ってくることがあるため、月あたりに受けられる案件数の上限を自分の中であらかじめ決めておくと、長期的に両立を続けやすくなります。
よくある失敗パターン
両立を目指す人が陥りやすい失敗のうち、代表的なものを一つ挙げます。それは「本業の繁忙期を考慮せずに副業案件を受けてしまう」というパターンです。決算期や繁忙期は本業だけで手一杯になるにもかかわらず、事前に受けていた副業の納期と重なり、どちらも中途半端な仕上がりになってしまうケースがあります。
これを避けるには、案件を受ける前に自分の本業カレンダーを一年単位で把握しておくことが有効です。繁忙期がある業種であれば、その時期は新規の副業案件を控える、あるいは納期に余裕のある案件だけを選ぶといった調整が必要になります。無理に案件数をこなそうとせず、継続的に受けられる範囲を見極める姿勢が、結果的に両立を長続きさせます。
確定申告と本業への影響
資料作成の副業で得た所得は、給与所得とは別に管理する必要があります。会社員が副業で得た所得が一定額を超える場合、確定申告が必要になるのが原則です。申告の要否や具体的な金額の基準は、その年の税制や個人の所得状況によって変わるため、正確な判断は税務署や税理士への確認が欠かせません。国税庁のサイトでは確定申告に関する最新の情報が公開されており、自分のケースに当てはまる要件を確認する際の一次情報として活用できます。
副業で得た所得については、給与所得以外の所得の合計額に応じて確定申告が必要となる場合があります。 出典: nta.go.jp
会社員が特に気にするのは、副業をしていることが会社に伝わってしまうかどうかという点です。住民税の徴収方法を「普通徴収」に切り替えることで、副業分の住民税を自分で納付し、給与天引きの金額から副業所得を推測されにくくする方法が知られています。ただし、自治体によって運用が異なる場合があるため、切り替えができるかどうかは居住地の自治体窓口に確認するのが確実です。申告を怠ったり、意図的に所得を隠したりする行為はリスクが大きく、後から追徴課税や延滞税が発生する可能性もあります。両立を続けるうえでは、正直に申告を行うことを前提に、必要な手続きを一つずつ確認していく姿勢が結果的に自分を守ることになります。
税務や記帳の実務に不安がある場合は、専門家に相談するという選択肢もあります。副業で確定申告代行や記帳代行を請け負う税理士も増えており、税理士の副業ガイド|確定申告代行・記帳代行で稼ぐ方法【2026年版】では、そうした専門知識を副業として活かす動きが紹介されています。自分で申告するのが不安な人は、こうした専門家のサポートを受ける選択肢も検討してみる価値があります。
なお、社会保険についても本業の勤務先で加入している場合、副業の所得規模によって扶養や保険料の扱いが変わることがあります。個別の判断が必要になるため、疑問があれば日本年金機構の窓口や勤務先の担当部署に確認しておくと安心です。
経費の扱いについても整理しておくと申告時の負担が軽くなります。資料作成に使うパソコンやソフトウェアの利用料、資料作成用に購入した書籍、打ち合わせのための通信費など、業務に直接関わる支出は経費として計上できる可能性があります。ただし、私用と兼用しているパソコンや通信費をどこまで按分できるかは個々の状況によって判断が分かれるため、領収書やレシートをこまめに保管し、必要に応じて税務署や税理士に相談しながら整理する姿勢が求められます。日々の入金と支出を記録しておくだけでも、確定申告の時期になって慌てて過去の取引を掘り起こす手間を大きく減らせます。会計ソフトを併用して案件ごとの入出金を記録しておくと、年末にまとめて集計する手間も減り、本業が忙しい時期でも申告準備に追われずに済みます。
資料作成の枠を超えたキャリアの広げ方
資料作成のスキルは、単体の副業として続けるだけでなく、隣接する分野への足がかりにもなります。たとえば提案資料の構成力を磨いた人が、次のステップとしてAIツールを使ったマーケティング業務や、セキュリティ関連の資料作成に領域を広げるケースもあります。AI・マーケティング・セキュリティのお仕事のような求人カテゴリを見ておくと、資料作成の延長線上にどのような仕事があるかのイメージがつかみやすくなります。
将来的に独立を視野に入れている場合は、職種ごとの年収・単価相場を把握しておくことも判断材料になります。文章での構成力や編集力を軸にするなら著述家,記者,編集者の年収・単価相場、より技術寄りの資料作成を目指すならソフトウェア作成者の年収・単価相場のようなデータベースを見比べておくと、自分が今どのポジションにいるのかを客観視できます。副業段階では会社員としての給与収入がベースにあるため、無理に独立を急ぐ必要はありませんが、こうした相場観を早めに持っておくと、案件ごとの単価が妥当かどうかを自分で判断できるようになります。
独自データの考察 直接契約という働き方の意味
20年近くこの市場を見てきた立場から言えば、資料・企画書作成の副業で長く続いている人ほど、単発の納品作業ではなく「この人に任せると安心できる」という関係づくりに時間をかけています。一本の企画書を仕上げるだけでなく、次の依頼につながる信頼を積み重ねていく人が、結果として本業と両立しやすい働き方にたどり着いているように見えます。
もう一つ、運営者として見てきた限りで感じるのは、仲介手数料が発注者と受注者の間に大きく乗る仕組みは、双方にとって見えにくいコストになりやすいという点です。中間マージンが薄い、あるいはゼロに近い直接契約であれば、同じ予算で発注者はより多くの作業を依頼でき、受注者は同じ作業量でも手取りが厚くなります。金額の大小だけでなく「額面と手取りの差が小さい」という質の違いが、副業を無理なく続けられるかどうかに直結すると実感しています。手数料0%という条件は、単に安く見えるという話ではなく、本業を抱えながら限られた時間で働く人にとって、時間あたりの実質的な対価を底上げする仕組みだと捉えるほうが実態に近いはずです。
本業と副業を両立させるという選択は、就業規則の確認、税務上の手続き、時間の配分という地味な準備の積み重ねの上に成り立っています。派手な成功談よりも、こうした基礎を一つずつ固めていくことが、結果的に長く続けられる働き方につながります。
資料作成という仕事は、成果物が一目で分かる分、発注者からのフィードバックも受け取りやすい副業です。だからこそ、最初の一件を丁寧に仕上げて信頼を得ることが、二件目以降の依頼につながりやすいという特徴があります。本業を抱えながら副業を続ける人にとって、案件を大量にこなすことよりも、少数のクライアントと継続的な関係を築くほうが、時間あたりの負担を抑えながら収入を安定させる近道になることが多いというのが、この市場を長く見てきたうえでの実感です。
就業規則の確認、契約条件の精査、確定申告の準備は、どれも地味で手間のかかる作業に見えるかもしれません。しかし、こうした基礎を怠らずに整えておくことこそが、本業に影響を出さずに副業を続けるための土台になります。焦って案件数を増やすよりも、まずは自分の状況を一つずつ確認し、無理のない範囲で始めることが、長期的な両立への一番の近道です。
よくある質問
Q. 資料作成の副業は会社にバレますか?
住民税の徴収方法を普通徴収に切り替えることで会社に伝わりにくくする方法がありますが、自治体により運用が異なります。正直な申告を前提に、居住地の自治体窓口へ確認するのが確実です。
Q. 資料作成の副業に資格は必須ですか?
必須の国家資格はありません。過去の実績を示すサンプル資料や、ビジネス文書検定のような客観的な証明があると、発注者への説得力が高まります。
Q. 本業が忙しい時期はどう調整すればいいですか?
本業の繁忙期をあらかじめ把握し、その時期は新規案件を控える、または納期に余裕のある案件だけを選ぶ調整が有効です。案件を同時に抱えすぎないことも大切です。
Q. 確定申告はどのくらいの所得から必要になりますか?
副業所得が一定額を超えると申告が必要になるのが原則ですが、具体的な基準は個人の状況や税制で変わります。正確な判断は税務署や税理士に確認してください。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
丸山 桃子@SOHO編集部
アパレルEC運営支援・SNSコンサル
アパレル企業でMD・ECバイヤーとして勤務後、フリーランスに独立。アパレルブランドのEC運営支援・SNS運用を手がけ、ファッション・EC系の記事を執筆しています。
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