Web運営支援の実績の見せ方|出せない仕事をどう伝えるか


この記事のポイント
- ✓Web運営支援は実績が表に出しにくい仕事です
- ✓守秘義務で社名を出せない案件をどう見せるか
- ✓成果の数字がないときに何を書くか
結論から書きます。Web運営支援の実績は、「何を作ったか」ではなく「どんな状況の相手を、どう前に進めたか」で見せると通ります。制作の実績はビジュアルで見せられますが、運営支援の仕事は表に出るものが少ない。更新作業、レポート、社内調整、細かい改善。これらは完成形の画像1枚では伝わりません。
そして、多くの人が最初にぶつかるのが守秘義務の壁です。社名を出せない、画面も出せない、数字も出せない。この状態でどう実績を見せるのか。この記事では、出せない仕事を伝える具体的な書き方と、実績を並べる順番、掲載の許可の取り方までを扱います。
Web運営支援の実績が伝わりにくい理由
まず、なぜ運営支援の実績は伝えにくいのかを構造から整理します。
成果物が「変化」であって「物」ではない
サイト制作なら、完成したサイトのスクリーンショットが実績になります。見た目で伝わるし、URLを貼れば相手が自分で確認できる。
運営支援は違います。やっているのは、毎週の記事更新、商品ページの整備、フォームの改善、アクセス解析の報告、キャンペーンごとのバナー差し替え。どれも単体では地味で、しかも成果は「半年後にサイトが機能している状態」という形でしか現れません。この「変化」を1枚の画像で示すのは、原理的に難しい。
さらに厄介なのは、運営支援の成果が「何も起きなかったこと」として現れる場合があることです。障害が起きなかった、更新が止まらなかった、問い合わせフォームが動き続けた。この種の成果は、依頼した本人ですら評価しにくい。だから、実績として書くときは、こちらから明示的に言語化する必要があります。
発注側が実績を見るときの視点
発注側が実績ページで何を見ているのかについて、受託開発の現場からこんな指摘があります。
受託開発の発注側は、最初から細かな技術を読み込みません。先に見ているのは「同じような状況の会社を、ちゃんと前に進めた経験があるか」です。実績の見せ方が整うと、初回の問い合わせで説明する量が減り、商談が早く進みます。 出典: myajo.net
この指摘は、実績づくりの方向を決めます。発注側が探しているのは、技術の一覧ではなく「自分と似た状況の事例」です。つまり、実績に書くべきは、使ったツールの名前よりも、相手が置かれていた状況のほうです。
正直なところ、多くのフリーランスの実績ページは逆になっています。扱えるツールと技術が並んでいて、どんな状況の相手を助けたのかが書かれていない。これでは、発注側は自分に当てはまるかどうかを判断できません。
実績が少ないうちほど、見せ方の差が出る
実績の数についても目安があります。ホームページで信頼を作る観点から、掲載する実績は6件以上あるのが望ましいとされています。数が少ないと、たまたま1件うまくいっただけに見えるからです。
ただし、これは「6件書けるまで実績ページを作るな」という意味ではありません。数が少ないうちは、1件あたりの書き込みを厚くすることで補えます。1件を300字で薄く書いた6件より、800字で状況から結果まで書いた3件のほうが、実務では反応が良い傾向があります。
実績1件をどう書くか
ここが記事の中心です。実績1件の構成を、順番ごとに決めます。
書く順番は「状況、課題、やったこと、変化、担当範囲」
実績1件の構成は、この5つで固定します。順番にも意味があります。
1つ目に状況。 どんな会社が、どんな体制で、どういう状態だったか。「社員20名ほどの製造業。Webサイトの更新は総務の担当者が兼務しており、更新が半年止まっていた」という書き方です。読み手は、ここで自分に当てはまるかどうかを判断します。
2つ目に課題。 何が問題だったのか。表面的な課題ではなく、その裏にある構造まで書けると強い。「更新が止まっていたのは時間がないからではなく、原稿の承認に社内で3人の確認が必要で、そこで滞留していた」といった記述です。
3つ目にやったこと。 具体的な作業を並べます。ここは箇条書きで構いません。ただし「更新作業」のような抽象的な単語ではなく、「月4本の記事更新と、公開前の校正、公開後の表示確認」と粒度を落とします。
4つ目に変化。 何がどう変わったか。数字が出せるなら数字で、出せないなら状態の変化で書きます。
5つ目に担当範囲。 自分がどこまでやったのかを明示します。運営支援はチームで動くことも多いので、ここを書かないと誇張と受け取られるリスクがあります。自分が担当していない工程も、どこを誰が担ったのかを併記しておくと、案件全体の規模を伝えつつ、自分の役割を正確に示せます。「デザインは別の担当者が行い、記事の制作と公開作業を担当」と書けば、正確さが伝わります。
数字が出せないときは「状態の変化」を書く
成果の数字を出せない案件は多い。契約で数字の公開が禁じられている場合もあれば、そもそも計測されていない場合もあります。
このとき使えるのが、状態の変化を書く方法です。数字ではなく、運用の状態がどう変わったかを記述します。
たとえば、「更新が半年止まっていた状態から、毎月定期的に更新される状態になった」「社内の担当者が毎回3時間かけていた画像の準備作業がなくなった」「問い合わせの内容が電話中心からフォーム中心に移った」。これらは数字を出さずに、変化を具体的に示せます。
もう1つ有効なのが、依頼者の言葉を引用する方法です。「担当者から『社内の確認が1回で済むようになった』という声をいただいた」という記述は、数字がなくても説得力があります。ただし、引用する場合は必ず本人の許可を取ります。
事実と推測を混ぜない
実績を書くときに最も注意すべきは、成果の帰属です。
サイトの問い合わせが増えたとして、それが自分の作業の結果なのか、その時期に打った広告の結果なのか、季節的な要因なのかは、厳密には切り分けられないことが多い。ここで「運用を改善した結果、問い合わせが増えました」と書くと、事実としては言い過ぎになります。
安全な書き方は、やったことと起きたことを並べて書き、因果を断定しないことです。「記事の更新を月4本のペースで継続し、同期間に検索からの流入が増加した」と書けば、事実の記述として正確です。読み手は自分で因果を推測します。
誇張した実績は、初回の打ち合わせで必ずばれます。「この件、具体的にどうやったんですか」と聞かれて答えられなければ、そこで終わりです。実務では、控えめに書いてある実績のほうが、質問されたときに強い。
守秘義務がある案件の見せ方
ここが、Web運営支援で最も相談が多い部分です。
社名を伏せて、条件だけを書く
社名を出せない場合、業種、規模、事業の形態だけを書きます。
「都内の食品メーカー、社員50名規模、自社ECと卸売の両方を持つ」という書き方なら、社名を特定されずに状況が伝わります。読み手が自分と照らし合わせるのに必要な情報は、社名ではなく条件のほうです。
ここで注意が必要なのは、特定できる情報の組み合わせです。業種と地域と規模と時期を全部書くと、業界の人には特定できてしまうことがあります。守秘義務の対象になっている案件では、条件を1つか2つ抽象化します。「都内の」を「首都圏の」に、「社員50名」を「社員数十名規模」にする。この程度で特定は難しくなります。
なお、業種すら書けない契約もあります。その場合は「BtoBの製造業向けサービスを展開する企業」といった、さらに抽象度を上げた表現になります。ここまで来ると情報量は落ちますが、それでも「やったこと」の記述が具体的であれば、実績として機能します。
画面が出せないなら、構成図か文章で示す
画面のスクリーンショットが出せない場合、代わりの見せ方があります。
1つ目が、構成図です。実際のデザインではなく、どういう情報設計にしたのかを線と四角で示す。「トップページから商品カテゴリ、商品詳細、問い合わせという導線を作り直した」という内容を図にすれば、画面そのものを出さずに設計の考え方が伝わります。
2つ目が、作業の一覧です。月次でどんな作業をしていたかを表にして見せる。「第1週に記事の企画と原稿確認、第2週に制作、第3週に公開と表示確認、第4週にレポート作成」という運用のリズムを示すと、依頼を検討している側は自分の会社での運用を想像できます。
3つ目が、成果物の一部を加工して見せる方法です。実際のレポートから、社名と数値を伏せて、フォーマットだけを見せる。レポートの構成そのものが、こちらの仕事の質を示します。ただし、加工した場合でも掲載の許可は取ります。
掲載の許可は「契約時」に取っておく
最も確実な方法は、契約の段階で実績掲載の可否を決めておくことです。
契約書に「本業務の内容について、受託者は社名を伏せた形で実績として公開できる」という一文を入れておく。この一文があるだけで、後から気まずい交渉をせずに済みます。
すでに終わった案件について許可を取る場合は、掲載する文面を作ってから依頼します。「実績としてこのような形で掲載させていただきたいのですが、問題ないかご確認いただけますか」と、実物を見せる。抽象的に「実績に載せていいですか」と聞くより、承諾を得られる確率が上がります。
断られた場合は、当然掲載しません。ただし、断られた案件でも、初回の打ち合わせの場で口頭で説明することは可能な場合があります。書面に残さず、その場限りで話す形です。この線引きは、契約書の秘密保持の条項によって変わるので、条項を読んで判断します。判断がつかない場合は、掲載を見送るのが安全です。
匿名の実績を並べるときの注意
社名を伏せた実績ばかりが並ぶと、それはそれで信頼性が下がるという問題があります。「本当にやったのか」という疑いが出るからです。
対策は2つあります。1つは、社名を出せる案件が1件でもあれば、それを最初に置くこと。1件でも実名の事例があると、他の匿名の事例にも信憑性が生まれます。
もう1つは、匿名でも検証可能な要素を入れることです。「公開されているサイトなので、ご興味があれば個別にお伝えします」と書いておく。これは、初回の打ち合わせで口頭なら伝えられる案件がある場合に使えます。
実績を並べる順番と見せ方
1件ずつの書き方が決まったら、次は並べ方です。
最初の3件で判断される
実績ページを開いた人が全部を読むことは、まずありません。上から3件ほど見て、自分に関係がありそうかを判断します。
だから、並べる順番は「新しい順」ではなく「取りたい仕事に近い順」にします。今後、EC運営の支援を増やしたいなら、EC関連の事例を上に置く。時系列は気にしなくて構いません。
そして、上位に置く3件は、書き込みを特に厚くします。下のほうの事例は簡潔でも構いません。全部を同じ密度で書こうとすると、更新が続かなくなります。
見出しだけで内容が分かるようにする
実績一覧の見せ方について、こんな指摘があります。
今回は、実績の見せ方やLP(ランディングページ)の構成、見出しの工夫など、改善ポイントを具体的にご紹介します! 出典: hachimakivenda.com
見出しの工夫は、実績ページで最も効く改善です。多くの人が「株式会社A様のサイト運用」といった見出しをつけますが、これでは中身が分かりません。
代わりに、状況と結果を見出しに入れます。「更新が半年止まっていた製造業サイトを、月次で回る運用に切り替えた」という見出しなら、クリックしなくても内容が分かります。読み手は、自分に近い状況の見出しだけを開きます。
見出しに入れる要素は、業種、状況、やったこと、この3つのうち2つです。全部入れると長くなりすぎるので、2つに絞ります。
スマートフォンでの表示を前提に組む
実績ページを見る人の多くは、スマートフォンから見ています。パソコンの画面で横並びに美しく組んだレイアウトが、スマートフォンでは縦に潰れて読みにくくなることがよくあります。
対策は単純で、実績1件を縦に読める順番で書くことです。画像、見出し、状況、やったこと、変化、という縦の流れにする。左右に情報を配置する構成は、スマートフォンでは順番が崩れます。
また、実績の画像も、スマートフォンで見て内容が分かるサイズかを確認します。パソコンの画面全体を撮ったスクリーンショットは、スマートフォンでは文字が読めません。重要な部分を切り出した画像のほうが機能します。
実績を探せる形にする
実績が10件を超えたら、絞り込みの仕組みを用意します。業種別、作業内容別、規模別といったタグをつけて、読み手が自分に近いものを探せるようにする。
制作会社の実績の見せ方を扱ったサービスでは、次のような整理がされています。
good productionsでは様々な業界のWebサイトの制作実績のある制作会社を企業情報や実績から調べることができます。今回は、実際にgood productionsに掲載されている制作会社の中で実績の見せ方を工夫している制作会社をご紹介します。 出典: goodproductionsjp.com
業界や企業情報から実績を探せるという構造は、個人の実績ページにもそのまま応用できます。件数が増えたら、業種のタグをつけるだけで、読み手の探しやすさが大きく変わります。
実績を作るための日々の記録
実績は、案件が終わってから書こうとすると書けません。記憶が薄れているからです。
案件中に「実績の素材」を集めておく
案件が動いている間に、後で実績として書くための材料を集めておきます。集めるのは、着手前の状態、依頼された背景、実際にやった作業の一覧、途中で起きた問題とその対応、終了時の状態です。
特に「着手前の状態」は、後から思い出せません。案件が始まった時点でサイトのスクリーンショットを撮り、更新頻度と主要なページの構成をメモしておく。これがあると、後で「どう変わったか」を書けます。
作業の記録も、日々つけておきます。日付、作業内容、かかった時間の3項目で十分です。この記録があると、実績を書くときに「月に何本の記事を扱ったか」といった具体的な数字を出せます。
私自身、編集の仕事を始めた頃、この記録を取っていませんでした。1年分の仕事を実績としてまとめようとしたとき、何をやったのかを思い出すのに丸2日かかった。しかも思い出せたのは大きな案件だけで、日々の細かい改善作業は全部消えていました。運営支援の価値は、実はその細かい部分に宿っているのに、記録がないと消えてしまいます。
依頼者の言葉を残しておく
案件中に、依頼者から出た言葉をメモしておきます。「助かりました」「これで社内の説明が楽になります」といった一言です。
これらは、後で実績に載せる推薦の言葉の候補になります。案件の終了時にあらためて「一言いただけますか」と頼むより、その場で出た自然な言葉のほうが、内容が具体的です。
もちろん、掲載する場合は許可を取ります。「以前おっしゃっていた□□という言葉を、実績として掲載してもよろしいでしょうか」と、具体的に確認する。抽象的に「推薦の言葉をください」と頼むより、相手の負担が小さくなります。
終わった案件も定期的に見直す
実績は、書いたら終わりではありません。時間が経つと状況が変わります。
サイトがリニューアルされて、自分がやった仕事の痕跡が消えていることがあります。この場合、実績のリンク先が別物になっているので、掲載を続けるかどうかを判断します。少なくとも「掲載時点の内容です」という注記は必要です。
また、契約が終了した案件については、掲載の許可が続いているかを確認しておきます。契約書の秘密保持の条項は、契約終了後も一定期間続くことが一般的です。終了したから自由に書けるわけではありません。
職種によって、見せるべき実績は変わる
実績の作り方は、狙う仕事の種類によって変わります。
コンサルティングに近い仕事では、成果物よりも「どう考えたか」を見せる必要があります。AIコンサル・業務活用支援のお仕事のように、企業の業務プロセスに踏み込む仕事では、最終的な納品物が資料1本ということも珍しくない。この場合、実績として書くべきは、どんな課題をどう分解して、どういう順番で手をつけたかという思考の過程です。
マーケティングやセキュリティが絡む領域では、数字の扱いに一層の注意が必要です。AI・マーケティング・セキュリティのお仕事の分野では、施策の成果が企業の競争情報そのものであることが多く、公開できる数字がほとんどありません。この領域では、施策の設計思想と、運用の体制づくりを実績として書くほうが現実的です。
開発が絡む仕事では、コードそのものを見せられないことが大半です。アプリケーション開発のお仕事の領域では、GitHubの公開リポジトリがある人は強いですが、受託の案件はほぼ非公開になります。代わりに、扱った規模、使った技術、担当した工程を書くことで補います。
自分の実績が市場でどう評価されるかの目安としては、公的統計にもとづくソフトウェア作成者の年収・単価相場や著述家,記者,編集者の年収・単価相場が参考になります。実績を積んだ結果として自分がどの水準にいるのかを把握しておくと、次に取るべき案件の方向が見えてきます。
資格も、実績を出せない期間の補強になります。守秘義務で事例を書けない状態が続くと、実績ページが薄くなります。この期間にビジネス文書検定やCCNA(シスコ技術者認定)のような、内容が明確な資格を取っておくと、提案の場で説明する材料が増えます。資格は実績の代わりにはなりませんが、「何ができるか」の説明を補強する役割は果たします。
直接取引の現場で見えてきた実績の使われ方
ここからは、フリーランスと在宅ワークの市場を20年運営してきた立場からの観察を書きます。
運営者として見てきた限りでは、依頼が続いている人の実績ページには、共通する特徴があります。派手な成果ではなく、「どういう相手と、どんなやり取りをしてきたか」が書かれていることです。発注側は、能力の高さより「一緒に仕事をしたときに面倒が起きないか」を見ています。だから、作業の進め方や報告の仕方が書かれている実績のほうが、成果の数字だけが並んだ実績より反応が良い。
もう1つ、直接取引ならではの構造があります。仲介が入る取引では、実績はプラットフォーム上の評価スコアや案件の完了件数に置き換えられます。数字は分かりやすいのですが、「どんな状況の相手を助けたか」という質の情報は落ちます。一方、手数料0%の直接取引では、実績を自分の言葉で説明する場が最初から用意されています。中間マージンが乗らないぶん、依頼側は同じ予算でより多くを頼めて、受け手の手取りは厚くなる。ただし、この形で本当に効いているのは金額ではなく、自分の仕事の中身を自分の言葉で伝えられることのほうです。
長く続いている人は、実績を「営業の材料」ではなく「相手が判断するための情報」として扱っています。良く見せることより、正確に伝えることを優先する。結果として、条件が合わない依頼が最初から来なくなり、無駄な打ち合わせが減っています。
実績の見せ方を変えたあとに起きること
最後に、実績の書き方を整えると何が変わるのかを整理します。
まず、初回の打ち合わせで説明する量が減ります。相手が事前に実績を読んでいれば、「何ができる人か」の説明を省けます。その分の時間を、相手の状況を聞くことに使えます。
次に、条件の合わない依頼が減ります。実績に担当範囲や作業の進め方が書いてあれば、それを読んで合わないと判断した人は問い合わせてきません。これは機会損失に見えますが、実際には打ち合わせの時間の節約になります。
そして、価格の交渉が楽になります。何をどこまでやるのかが実績で示されていれば、見積もりの根拠を一から説明せずに済みます。「以前の案件ではこの範囲でこの進め方をしました」と示せる状態は、値段の議論を具体的にします。
働く場所や形が変わっても、この構造は同じです。Webマーケティング フリーランスで海外ノマド!年収、スキル、成功への道では、離れた場所から仕事を受ける場合の進め方が整理されています。対面で会えない相手に仕事を頼んでもらうには、実績の記述だけで判断してもらう必要があるので、書き方の精度がそのまま受注の可否に直結します。
経歴を重ねてから独立する場合も、実績のまとめ方が課題になります。定年後のフリーランス独立|退職金を活かした起業プランと注意点では、組織での経験を独立後にどう位置づけるかが整理されています。会社員時代の仕事は、多くが会社の実績であって個人の実績としては書きにくい。この転換をどう扱うかを早めに決めておくと、独立後の立ち上がりが速くなります。
実績が出せないことを理由に、実績ページを作らないままにしている人は多い。しかし、出せない仕事でも、状況と作業と変化は書けます。書けない部分を数えるより、書ける部分を積み上げるほうが、結果として早く次の仕事につながります。
よくある質問
Q. 守秘義務で社名を出せない案件は、実績に書けませんか?
書けます。社名を伏せて、業種、規模、事業の形態だけを記載する方法が一般的です。「首都圏の食品メーカー、社員数十名規模、自社ECと卸売の両方を持つ」といった書き方なら、状況は伝わり特定はされにくくなります。ただし、業種と地域と時期を全部具体的に書くと業界内で特定されることがあるので、条件を1つか2つ抽象化しておくのが安全です。
Q. 成果の数字を出せないとき、何を書けばよいですか?
状態の変化を書きます。「更新が半年止まっていた状態から、毎月定期的に更新される状態になった」「担当者が毎回3時間かけていた画像準備の作業がなくなった」といった記述です。数字がなくても変化は具体的に示せます。依頼者から出た言葉を許可を得て引用するのも有効で、数値以上に説得力を持つことがあります。
Q. 実績は何件くらい必要ですか?
掲載する実績は6件以上あると、たまたま1件うまくいっただけには見えにくくなります。ただし件数が揃うまで待つ必要はありません。1件300字で薄く書いた6件より、800字で状況から結果まで書いた3件のほうが反応が良い傾向があります。件数が少ないうちは、1件あたりの書き込みを厚くして補うのが現実的です。
Q. 実績掲載の許可はいつ取るべきですか?
契約の段階が最も確実です。契約書に「社名を伏せた形で実績として公開できる」という一文を入れておけば、後から交渉せずに済みます。終わった案件について取る場合は、掲載する文面を先に作って「この形で掲載してよいか」と実物を見せて依頼します。抽象的に許可を求めるより、承諾を得られる確率が上がります。
Q. 実績ページで最初に整えるべき箇所はどこですか?
見出しです。実績ページを開いた人は上から3件ほどしか見ないので、見出しだけで中身が分かる必要があります。「株式会社A様のサイト運用」ではなく「更新が半年止まっていた製造業サイトを月次で回る運用に切り替えた」のように、状況と結果を入れます。並べる順番も新しい順ではなく、今後取りたい仕事に近い順にします。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
朝比奈 蒼@SOHO編集部
ITメディア編集者
IT系メディアで編集・ライティングを担当。クラウドソーシング業界の動向やサービス比較など、客観的な視点での記事を執筆しています。
関連記事
カテゴリから探す

クラウドソーシング入門
クラウドソーシングの基礎知識・始め方・サイト比較

職種別ガイド
職種・スキル別の案件獲得方法と単価相場

副業・在宅ワーク
副業・在宅ワークの始め方と対象者別ガイド

お金・税金
確定申告・節税・経費・ローンなどお金の知識

スキルアップ
プロフィール・提案文・単価交渉などのテクニック

比較・ランキング
サービス比較・おすすめランキング

AI活用
職種別にChatGPT・生成AIを活用して業務効率化・収益化するノウハウ

最新トレンド
市場動向・法改正・AIなど最新情報

発注者向けガイド
クラウドソーシングで外注・人材探しをする企業・個人向け

転職・キャリア
転職エージェント・転職サイト比較・キャリアチェンジ

看護師の転職・求人
看護師の転職・派遣・単発バイト・副業など働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

薬剤師の転職・求人
薬剤師・登録販売者の転職・派遣・パートなど働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

介護職の転職・求人
介護職・介護福祉士・ケアマネジャー・訪問介護員の転職・派遣・夜勤など働き方のガイド

保育士の転職・求人
保育士・保育補助・幼稚園教諭の転職・派遣・パートなど働き方のガイド

医療職の転職・求人
医師・産業医・リハビリ職・歯科衛生士・管理栄養士・医療事務の転職や働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

保険
生命保険・医療保険・フリーランスの保険設計

採用・求人
無料求人掲載・採用コスト削減・人材募集の方法

オフィス・ワークスペース
バーチャルオフィス・コワーキング・レンタルオフィス

法律・士業
契約トラブル・士業独立開業・フリーランス新法

シニア・50代
シニア世代のキャリアチェンジ・副業・年金

セキュリティ
サイバーセキュリティ・脆弱性対策・情報保護

金融・フィンテック
暗号資産・決済・ブロックチェーン・金融テクノロジー

経営・ビジネス
経営戦略・ガバナンス・事業承継・知財

ガジェット・機材
フリーランスに役立つPC・デバイス・周辺機器

子育て×働き方
子育てと在宅ワークの両立・保育園・時間管理

補助金・助成金
個人事業主・フリーランスが使える公的補助金・助成金・給付金の申請ガイド

アウトソーシング・外注ガイド
SNS運用・経理・広告など、業務のアウトソーシング(外注)を検討する企業・個人向け。費用相場・依頼の流れ・失敗しない選び方







