クラウドワークスで仕事が取れない原因と直す順番|発注者の見方から逆算 2026


この記事のポイント
- ✓クラウドワークスの公開プロフィール1,074人と仕事1,146件を調べると
- ✓取れない原因は応募文の冒頭・実績・単価・応募の数と速さのどこかにありました
- ✓応募者の少ない仕事の選び方から
クラウドワークスで公開されているプロフィール1,074人と仕事1,146件を私が調べてみると、仕事が取れない原因は、たいてい応募文の最初の数行、見せている実績、単価の出し方、応募の数と速さのどこかにあると分かりました。契約の多い人ほど、最近ログインしていて、本人確認と写真がそろっています。一方で、募集が終わった仕事の59%は契約0人のまま終わっており、応募者が5人以下の仕事は、21〜50人の仕事より応募者1人あたりの契約数が約4倍でした。まず直すべきは応募文の最初の数行で、次に応募する仕事の選び方です。発注者は応募者の一覧から1人ずつメッセージを開いて読みますが、冒頭で「この人は募集文を読んでいる」と分からなければ、プロフィールや実績まで見てもらえないことが多いからです。
私は @SOHO の運営会社、株式会社ライフスケープの代表の平城寿です。会社員をしながら副業で仕事を受け始め、2年ほどで独立しました。会社は2004年の創業から22年続いており、2011年から2023年までの12年間は海外で暮らしながら仕事をしていました。駆け出しのころは、1日100件くらい応募していました。いまは @SOHO を運営する立場で、発注者がどう応募者を選んでいるかも日々見ています。
この記事の芯は、私がクラウドワークスの公開ページを数字で調べた結果です。受注している人は何が違うのか、どんな仕事なら競合に埋もれにくいのかを、発注者の側から見た選び方と合わせて見ていきます。発注者が何を見て絞っているかが分かれば、直す場所と順番が自然に決まるからです。
調べ方
2026年10月18日に、クラウドワークスのログインしなくても見られる公開ページだけを見て、私が集計しました。ワーカーは、記事執筆、Illustrator、Premiere Pro、WEBライター、AI動画制作、画像作成のスキルの一覧に載っていた1,074人です。契約の件数で分けると、0件が86人、1〜9件が185人、10〜99件が390人、100件以上が413人でした。完了率、評価の件数、登録年は、各グループ7人ずつ(計28人)を見ています。仕事は、ライティング、デザイン、動画の1,146件(募集終了386件、募集中760件)です。個人を特定できる情報は使っていません。
「応募しても返事が来ない」は多くの人が通る道
Threads や X を見ていると、クラウドワークスについて似た声を何度も目にします。「応募しても返事が1件も来ない」「面談やテスト案件まで進んだのに、最後に不採用になった」「100件近く応募したのに0件だった」。どれも、始めたばかりの人だけでなく、別の仕事では実績がある人からも聞こえてくる声です。
ここで覚えておいてほしいのは、返事が来ないことと、能力が足りないことは別の話だということです。発注者は限られた時間の中で応募者を絞り込んでいます。その絞り込みの最初の段階で外れてしまうと、どれだけ力があっても伝わりません。逆に言えば、最初の段階を通るように応募の形を整えるだけで、結果が変わることがあります。
私自身、駆け出しのころは1日100件くらい応募していました。数を打てば当たるという考え方だけでは続かず、どこで外れているのかを考えるようになってから、応募のやり方が変わりました。その話は後の節で書きます。
発注者は応募をどの順で見て絞っているか
クラウドワークスの公式の「カンタンご利用ガイド」には、発注者(クライアント)がプロジェクト形式で仕事を依頼する流れが載っています。それによると、発注者は「相談」や「応募」をクリックして応募者の一覧を開き、「詳細へ」を押して応募者のメッセージを確認し、メッセージからプロフィールや実績などを確かめます。そのうえで、応募者ごとにメッセージで依頼内容や納期、金額をすり合わせ、条件に合意した人と契約します。
応募者のメッセージからプロフィールや実績などを確認しましょう。
つまり発注者の目は、一覧、メッセージ、プロフィールと実績、条件のすり合わせ、という順に動きます。どこか1か所で引っかかると、次の段階に進みません。順に見ていきます。
一覧で最初に目に入るもの
応募者の一覧で発注者がまず目にするのは、プロフィールの写真と名前、評価、そしてメッセージの冒頭です。この時点では、まだ1人ひとりの応募文を最後まで読んでいません。写真が未設定だったり、名前が意味の分からない文字列だったりすると、それだけで後回しにされやすくなります。
ここで大事なのは、一覧の段階では「読む価値がありそうか」だけが判断されているということです。評価がまだ無い人は、写真と名前とメッセージの冒頭で勝負するしかありません。写真は顔写真でなくても構いませんが、人柄や仕事の雰囲気が伝わるものにしておくと、開いてもらえる確率が上がります。プロフィールの整え方は「クラウドワークスのプロフィールを受注につながる形に整える」で詳しく書いています。
募集文を読んだかどうかが分かる一言
メッセージを開いた発注者が最初に確かめるのは、この人が募集文を読んでいるかどうかです。発注者は、時間をかけて募集文を書いています。その内容に触れていない応募は、ほかの案件にも同じ文面を送っているのだろうと受け取られます。
クラウドワークスの公式ガイドでも、ワーカー向けに「定型文ではなく案件に合わせた記述をすることで採用率がアップしやすくなります」と書かれています。また、募集文に応募時に書いてほしい内容が指定されている場合は、忘れずに書くよう案内されています。
メッセージに経歴やスキル、応募動機を記載し、定型文ではなく案件に合わせた記述をすることで採用率がアップしやすくなります。
発注者の側から見ると、指定した項目に答えていない応募は、それだけで候補から外す理由になります。指示どおりに書けない人に仕事を任せるのは不安だからです。
質問への答えと、納期と連絡の取りやすさ
募集文に「過去の実績URLを添えてください」「対応できる時間帯を書いてください」といった質問がある場合、発注者はその答えを並べて比べます。答えが具体的な人ほど、仕事を頼んだ後の姿が想像しやすくなります。
最後に効いてくるのが、納期と連絡の取りやすさです。発注者がいちばん困るのは、途中で連絡が取れなくなることです。いつ作業できるのか、メッセージにはどのくらいで返せるのかが書いてあると、発注者は安心して次のやり取りに進めます。
発注者が抱えている不安を知っておく
発注者の側に立つと、応募者を選ぶときに抱えている不安は大きく3つに分けられます。頼んだものがきちんと仕上がるか、約束した日に届くか、やり取りが滞らないか、です。発注者は応募者の顔も声も知らないまま、画面に出ている情報だけでこの3つを見極めなければなりません。
一覧での写真と名前、メッセージの冒頭、プロフィールと実績、質問への答え、納期と連絡の書き方は、どれもこの3つの不安のどれかに答える材料です。応募文を書くときは、自分が書いた一文が、発注者のどの不安を減らしているかを考えてみてください。どの不安にも答えていない文は、削っても困らない文です。
また、発注者は応募を最初から最後まで均等に読むわけではありません。応募者が多い募集ほど、一覧とメッセージの冒頭で候補を数人に絞り、その数人だけを丁寧に読む形になりやすくなります。後半にどれだけ良いことが書いてあっても、冒頭で外れてしまえば読まれません。応募文の重みが前に偏っているのは、このためです。
受注している人は何が違うか
発注者の見方が分かったところで、実際に契約を重ねている人のプロフィールが、契約の少ない人とどう違うのかを見ます。契約の件数で4つのグループに分けて比べた結果が次の表です。
| 項目 | 契約0件 | 1〜9件 | 10〜99件 | 100件以上 |
|---|---|---|---|---|
| 7日以内にログイン | 14% | 26% | 34% | 51% |
| 最終ログインの中央値 | 276日前 | 60日前 | 23日前 | 1日前 |
| 本人確認済み | 65% | 81% | 90% | 92% |
| 稼働時間31時間以上 | 21% | 23% | 33% | 48% |
| 写真あり | 65% | 70% | 86% | 88% |
| NDA締結(各7人中) | 1人 | 3人 | 4人 | 6人 |
最近動いていて、信頼の材料がそろっている
契約の多い人ほど、最近ログインしています。7日以内にログインしていた人は、契約0件のグループで14%、100件以上のグループで51%でした。最終ログインの中央値は、0件の人が276日前、100件以上の人が1日前です。本人確認済みの人は65%から92%に、写真がある人は65%から88%に上がっていきます。稼働時間を31時間以上と書いている人も、21%から48%に増えます。
先ほど書いた発注者の3つの不安に当てはめると、本人確認と写真は、画面の向こうにいる相手が実在し、安心して頼めるかを判断する材料です。最近ログインしていることは、発注者からの連絡にすぐ気づけること、つまり「やり取りが滞らないか」への答えになります。どれも、今日からそろえられるものです。
長い自己紹介とスキルの多さは、差にならなかった
逆の向きの結果もありました。自己紹介文の文字数の中央値は、契約0件の人が711字でいちばん長く、100件以上の人は593字でした。スキルを8個以上並べている人は、0件で35%、100件以上で18%です。ポートフォリオがある人の割合は、どのグループも35〜41%で、差がありませんでした。
自己紹介を長く書き、スキルを多く並べれば選ばれる、というわけではありません。何でもできると書くより、得意な仕事に絞って短くまとめたほうが、発注者には伝わりやすいのかもしれません。
読むときの注意
この数字はすべて相関で、原因は分かりません。ログインの頻度や稼働時間は、仕事が多いから増えている面が大きいと考えられます。また、一覧に出るのは自己紹介と時給を入力済みの人だけで、300ページ目より先は表示されないため、件数の多い分野は上位の人に偏っています。契約0件の人の69%(59人)は AI動画制作のスキルの人でした。NDAの比較は各7人だけの参考値です。
応募文の1行目は、募集文のどこに答えるか
ここからは、受注する側が直せるところを順に書きます。最初は応募文の1行目です。
1行目で書くべきなのは、募集文の中で発注者がいちばん困っていることへの答えです。募集文には、たいてい「何をしてほしいか」のほかに「なぜ頼むのか」「何に困っているのか」が書かれています。その部分を拾って、1行目で応えます。
例として、架空の募集を1つ考えます。
架空の募集の例: 「地域の工務店です。施工事例のブログ記事を月4本お願いしたいです。これまで社員が書いていましたが、忙しくて更新が止まっています。写真と現場メモはこちらで用意します。住宅の知識がある方だと助かります。」
この募集で発注者が困っているのは、更新が止まっていることです。住宅の知識があると助かる、という希望も書かれています。
悪い例は次のような1行目です。
悪い例: 「はじめまして。Webライターの○○と申します。ご縁があればぜひよろしくお願いいたします。」
丁寧ではありますが、募集文のどこにも触れていません。どの案件にも送れる文面なので、発注者は読んだかどうかを判断できません。
良い例は次のような1行目です。
良い例: 「止まっている施工事例の更新を、いただく写真と現場メモから月4本、毎週決まった曜日に納める形で引き受けられます。」
この1行には、募集文の「更新が止まっている」「月4本」「写真と現場メモを用意する」という3つの内容への答えが入っています。発注者は1行目を読んだだけで、この人は募集文を読み、こちらの状況を分かったうえで応募していると判断できます。2行目以降で、住宅に関わる知識や経験があればそれを書き、無ければどう調べて補うかを書きます。
2行目から先に書くこと
1行目で読んでもらえたら、2行目から先では、1行目の約束を信じてよい理由を書きます。順番は、関連する経験か作品、作業の進め方、作業できる時間と連絡の取り方、の順にすると、発注者が知りたい順に沿います。
工務店の例でいえば、住宅や建築に関わる経験があればそれを1行で書き、近い内容の記事を書いた作品があればURLを添えます。次に、写真と現場メモを受け取ってから何日で下書きを出し、修正をどう受けるかを書きます。最後に、平日の何時ごろ作業し、メッセージにはどのくらいで返せるかを書きます。
全体は長くしすぎないほうが読まれます。発注者は多くの応募を読むので、要点が短くまとまっている応募ほど比べやすくなります。書きたいことが多いときは、募集文の内容に関わるものだけを残し、それ以外はプロフィールに任せます。
応募文の全体の型や、受注した後のメッセージの例文は「クラウドワークス メッセージ 例文」にまとめています。この記事では、1行目だけは毎回その案件のために書く、という点を覚えておいてください。
実績が無いときのポートフォリオの作り方
一覧とメッセージを通ると、発注者はプロフィールと実績を見ます。ここで「できます」と書いてあるだけで、見せられるものが無いと、発注者は判断に困ります。
実績が無いときは、応募したい仕事に近いものを自分で作って見せます。先ほどの工務店の例なら、架空の施工事例の記事を1本書いておけば、発注者は仕上がりを想像できます。デザインなら架空の店のバナー、動画編集なら自分で撮った素材を編集した短い動画、といった形です。大事なのは、作品が応募する仕事に近いことです。どんなに出来の良い作品でも、募集の内容とかけ離れていると判断の材料になりません。
作品には、短い説明を添えます。誰に向けて、何を目的に作ったか、どこを工夫したかを書いておくと、発注者は作品の見方が分かります。また、実案件ではなく自主制作であることは正直に書いておきます。後から分かると信頼を損ねるからです。
作品は数より並べ方
作品の数は、最初から多くなくて構いません。応募したい仕事に近いものが2つか3つあれば、発注者は仕上がりの幅を見られます。それよりも大切なのは、応募する案件に合わせて、いちばん近い作品を先頭に出すことです。発注者は最初の1つか2つを見て判断することが多いので、関係の薄い作品が先頭にあると、近い作品まで見てもらえないことがあります。
応募文には、作品の一覧のURLだけでなく、その案件にいちばん近い作品を名指しして添えます。「施工事例に近い内容として、こちらの記事をご覧ください」と一言書いておけば、発注者は迷わずに見られます。
受注して実績ができたら、発注者の了承が得られた範囲で、自主制作の作品と入れ替えていきます。公開してよいかどうかは発注者に確かめてから載せてください。
ポートフォリオの具体的な作り方や登録の手順は「クラウドワークス ポートフォリオ 作り方」で、職種ごとに詳しく書いています。
単価の決め方と、クラウドワークスの手数料
応募のときに出す金額も、採否に関わります。高すぎれば候補から外れ、安すぎれば手取りが合わず、続けられなくなります。
手数料の仕組みを先に知っておく
クラウドワークスでは、受注したワーカーの側にシステム利用料がかかります。公式の「ワーカーシステム利用料」のページによると、料率は報酬額の帯ごとに決まっています。
| 報酬額 | システム利用料 |
|---|---|
| 10万円以下の部分 | 20% |
| 10万円超20万円以下の部分 | 10% |
| 20万円超の部分 | 5% |
| タスク形式の場合 | 20% |
同じページには計算例も載っています。契約金額が税抜1万円の仕事では、税込の契約金額は1万1,000円です。そこに20%をかけたシステム利用料が2,200円、その消費税が220円で、システム利用料は税込2,420円になります。ワーカーが受け取る額は、1万1,000円から2,420円を引いた8,580円です。報酬を自分の口座に振り込むときには、別に振込手数料(楽天銀行は税込100円、他行は税込500円)がかかります。
手取りから逆算して金額を出す
この計算例から分かるのは、10万円以下の帯では、税抜の契約金額のおよそ85.8%が受け取る額になるということです。ここから逆算すると、手取りで1万円ほどほしい仕事なら、税抜の契約金額を1万1,700円前後にすれば届きます。公式ページにもあるとおり、小数点以下の切り捨てで多少の誤差は出ますので、最後は応募画面に出る金額で確かめてください。
金額の目安は、作業にかかる時間から考えます。その仕事に何時間かかるかを見積もり、自分が守りたい時給をかけ、そこから契約金額に戻します。始めたばかりで評価が無いうちは、相場より少し抑えた金額で入る人もいますが、手取りが時給に直して極端に低くなる金額は避けたほうが続きます。
発注者の公式ガイドには、「相談」は金額や納期などの条件を出さない応募、「応募」は条件を出した応募として一覧に表示されると書かれています。金額がはっきりしている募集なら、条件を出して応募したほうが、発注者は比べやすくなります。金額の根拠を1行添えると、発注者は高いか安いかではなく、妥当かどうかで判断できます。
金額は契約の前ならすり合わせられる
公式のワーカー向けガイドには、金額の条件は何度でも修正でき、変えたいときは「新しい条件を提示する」から行うと書かれています。応募のときに出した金額がそのまま最後まで決まるわけではありません。作業の範囲がはっきりしない募集では、まず根拠をつけた金額を出し、発注者とのやり取りで範囲が決まったところで条件を出し直す、という進め方ができます。
同じガイドには、発注者が仮払いを行ってから業務を始めるようにと書かれています。金額と範囲がまだ決まっていないうちに作業を始めると、後から条件が合わなくなったときに困ります。単価を決めることは、どこまでの作業をいくらで引き受けるかを決めることでもあります。
受注額ごとの手取りの具体的な計算は「クラウドワークス 手数料 いくら」に、受注額1万円から10万円までのケースで載せています。職種ごとの収入の目安を知りたいときは、ライター・編集者の年収と仕事の相場も参考になります。
「熱意」を具体的な行動に言い換える
独立する前、私を採用してくれた発注者に、なぜ選んでくれたのかを聞いたことがあります。返ってきたのは「なんか熱意を感じてね」という一言でした。
当時は少し拍子抜けしましたが、いまは発注者の側を見る立場になって、この言葉の意味が分かります。発注者は応募者の熱意を、気持ちの強さで測っているわけではありません。応募文や返信のしかたに表れる、いくつかの行動から感じ取っています。「熱意があります」「精一杯頑張ります」と書いても、熱意は伝わりません。伝わるのは次のような行動です。
募集文を読んだ証拠を残す
1つ目は、募集文を読んだ証拠です。先ほどの1行目の書き方がそれにあたります。募集文の言葉を拾って答えると、発注者は「この人はちゃんと読んでくれた」と感じます。これが、発注者の言う熱意のいちばん大きな部分だと私は考えています。
相手の事業に一言触れる
2つ目は、相手の事業への一言です。発注者が会社やお店であれば、そのサイトやサービスを見たうえで、感じたことを一言書きます。お世辞を並べる必要はありません。「施工事例の写真が多く、記事にしやすい素材がそろっていると感じました」のように、仕事に関わる具体的な一言で十分です。
すぐに返す
3つ目は、返信の速さです。応募した後に発注者から質問が来たら、できるだけ早く返します。発注者は複数の応募者と同時にやり取りしていることが多く、返事が早い人ほど話が先に進みます。すぐに答えられない内容でも、「確認して今日の夜までにお返事します」と一報を入れるだけで印象は変わります。
質問に先回りして答える
4つ目は、発注者が聞きたくなることへの先回りです。いつから始められるか、週に何時間作業できるか、連絡がつく時間帯はいつか、修正には何回まで対応するか。発注者が次に聞きそうなことを応募文に書いておけば、やり取りの手間が1往復減ります。発注者にとっては、それ自体が「仕事を進めやすい人だ」という判断材料になります。
この4つに共通しているのは、どれも発注者の手間を減らす行動だということです。募集文を読んだ証拠があれば、発注者は読んだかどうかを確かめる手間が省けます。返事が早く、質問に先回りしてあれば、やり取りの往復が減ります。発注者が「なんか熱意を感じる」と言うとき、その中身は、この人となら仕事が進めやすそうだという手応えなのだと思います。
応募の数と速さ、数を打つときに質を落とさない工夫
駆け出しのころ、私は1日100件くらい応募していました。いま振り返っても、数を打つこと自体は間違っていなかったと思います。評価も実績も無いうちは、選んでもらえる機会を増やすしかないからです。
ただし、数を打つほど、1件ごとの応募文が雑になりやすくなります。同じ文面を貼り付けるだけになると、先ほどの発注者の見方でいう最初の段階で外れてしまい、何件送っても結果が出ません。数と質を両立させるために、私が意識していたのは次のようなことです。
変えるところと、変えないところを分ける
応募文を、毎回書き直す部分と使い回す部分に分けます。毎回書き直すのは、1行目と、募集文の質問への答えです。使い回すのは、自己紹介、作業できる時間、連絡の取り方といった、どの案件でも変わらない部分です。こうすれば、1件にかける時間を抑えながら、発注者が最初に見るところは毎回その案件のために書けます。
応募する仕事の種類を絞る
何でも応募するのではなく、得意な仕事やポートフォリオで見せられる仕事に絞ります。種類が絞られていると、ポートフォリオも応募文の使い回す部分も、その仕事に合わせて磨けます。結果として、数を打っても1件ごとの質が落ちにくくなります。
新しい募集を早めに見る
発注者は、早く仕事を任せたいと考えていることが多いものです。新しい募集を見る時間を1日の中で決めておき、合う募集を見つけたら早めに応募します。クラウドワークスでは、仕事の絞り込みの条件を保存して、定期的に確かめることができると公式ガイドに書かれています。応募したい仕事の条件を保存しておけば、探す時間を短くできます。
応募した記録を残して見直す
数を打つなら、応募した記録を簡単な表に残しておくと役に立ちます。応募した日、仕事の種類、出した金額、1行目に何を書いたか、返事が来たかどうか。これだけでも、何十件か続けると傾向が見えてきます。返事が来た応募の1行目と、来なかった応募の1行目を並べると、自分の書き方のどこが発注者に届いていたのかが分かります。
記録を見て、返事が来ない仕事の種類が続いているなら、そこは応募を減らして、返事が来やすい種類に寄せます。金額で外れていそうなら、出し方を見直します。数を打つことの本当の価値は、件数そのものよりも、見直すための材料が早くたまることにあります。
1回ごとの結果に落ち込まず、記録をもとに1か所ずつ直していけば、同じ件数を打っても結果は少しずつ変わっていきます。
競合に埋もれないための打ち手
応募文を整えても、応募者が何十人もいる仕事では埋もれやすくなります。ここでは、募集が終わった386件の仕事から、どんな仕事なら競合に埋もれにくいかを見ます。
まず知っておきたいのは、募集が終わった仕事の59%が、契約0人のまま終わっているということです。応募して返事が来なかったとき、その仕事では誰も選ばれていなかった可能性があります。自分だけが落ちたとは限りません。
応募者の少ない仕事を選ぶ
応募者の人数ごとに、応募者1人あたりの契約数を比べると、次のようになりました。
| 応募者の人数 | 応募者1人あたりの契約数 |
|---|---|
| 3〜5人 | 0.17 |
| 6〜10人 | 0.11 |
| 21〜50人 | 0.042 |
| 51人以上 | 0.014 |
応募者が5人以下の仕事は、21〜50人の仕事の約4倍です。応募の一覧に出ている応募者の人数を見て、少ない仕事を優先するだけでも、選ばれる見込みは変わります。
早く応募しても、選考には間に合う
応募数の中央値は、掲載から6時間未満の仕事で6人、24〜72時間の仕事で14人でした。掲載から6時間以内に契約が出ていた仕事は2%(41件中1件)です。新しい募集に早く応募すれば、応募者が少ないうちに目に留まり、しかも選考にはまだ間に合います。前の節で書いた「新しい募集を早めに見る」習慣は、この数字とも合っています。
複数人を募集する仕事と、募集期間の長い仕事
3人以上を募集する仕事は、1〜2人を募集する仕事より、応募者1人あたりの契約数が2.8倍でした(0.056と0.020)。デザインの仕事では約4倍です(0.055と0.014)。
募集期間が8〜14日の仕事は、応募数の中央値が14人で、4〜7日の仕事(22人)より少なく、契約が出た割合は49%でした(4〜7日は36%)。
| 仕事の条件 | 比べた結果 |
|---|---|
| 3人以上を募集 | 応募者1人あたりの契約数が1〜2人募集の2.8倍 |
| 募集期間8〜14日 | 応募数の中央値14人、契約が出た割合49% |
| 募集期間4〜7日 | 応募数の中央値22人、契約が出た割合36% |
発注者のレビューと発注ルールチェックを見る
契約が出た仕事では、発注者のレビュー件数の中央値が35.5件で、出なかった仕事は17件でした。発注ルールチェックに回答済みの発注者は、契約が出た10件のうち6件、出なかった10件では2件です。募集文の長さには差がありませんでした。こちらは各10件の比較なので参考値ですが、応募する前に発注者のレビューと発注ルールチェックを確かめておくと、契約まで進む仕事を選びやすくなります。
ここでも数字はすべて相関で、原因までは分かりません。それでも、応募者の少なさ、募集の新しさ、募集人数、発注者の実績という4つは、応募する前に画面で確かめられます。応募文を直すのと同じくらい、どの仕事に応募するかを選ぶことが大切です。
返事が来ないときの次の一手
ここまで直しても、返事が来ないことはあります。発注者の側で選考が止まっていたり、募集そのものが取り下げられていたりすることもあるからです。
応募してから日数が経っても返事が無いときは、選考の状況を短く確かめるメッセージを送る方法があります。何日待つか、どう書けば角が立たないかは「在宅ワーク 応募 返信こない」に例文つきでまとめています。
クラウドワークスに限らず、クラウドソーシング全体で案件が取れないときの原因を見直したいときは「クラウドソーシングの案件が取れない7つの原因と今日からできる対策」も参考にしてください。
応募先の選択肢を1つ増やしておく
クラウドワークスでの応募を続けながら、ほかの応募先を持っておくのも1つの方法です。応募先によって、集まる発注者の種類も、募集の書き方も違います。同じ応募文の型が、別の場所ではそのまま通じることもあります。
私が運営している @SOHO も、その選択肢の1つです。@SOHO では発注者が仕事の募集を掲載し、受注したい人が応募します。運営する立場から発注者の動きを見ていても、選ばれる応募は、この記事で書いてきたことと同じく、募集文を読んだ証拠があり、質問に答え、返事が早い応募です。クラウドワークスで身につけた応募の書き方は、@SOHO でもそのまま使えます。@SOHO の仕事の一覧から、どんな募集があるかを見てみてください。
まとめ
クラウドワークスで仕事が取れないときは、発注者の見る順番に合わせて直します。発注者は一覧で写真と名前と冒頭を見て、メッセージで募集文を読んだかを確かめ、プロフィールと実績を見て、条件をすり合わせて契約します。
直す順番は、まず応募文の1行目、次に見せる実績、そして手数料を踏まえた単価、最後に応募の数と速さです。「熱意」は気持ちの強さではなく、募集文を読んだ証拠、相手の事業への一言、すぐ返すこと、質問への先回りという行動で伝わります。
今日できることは、次に応募する1件の1行目を、募集文の中で発注者が困っていることへの答えに書き直すことです。そこから始めてみてください。
よくある質問
Q. クラウドワークスで応募しても返事が来ないのは普通ですか?
返事が来ないことは珍しくありません。発注者は多くの応募者の中から絞り込んでおり、選ばなかった人に連絡しないこともあります。返事が無いことが続くときは、応募文の1行目で募集文に答えているか、指定された項目に漏れなく答えているかを見直してください。
Q. 実績がゼロでもクラウドワークスで仕事は取れますか?
実績がゼロでも、応募したい仕事に近い作品を自分で作って見せれば、発注者は仕上がりを想像できます。作品には誰に向けて何を目的に作ったかの説明を添え、自主制作であることは正直に書いておきます。
Q. 応募するときの金額はどう決めればよいですか?
作業にかかる時間と自分が守りたい時給から手取りを決め、システム利用料を踏まえて契約金額に戻します。公式の計算例では、10万円以下の帯で税抜1万円の契約の受け取る額は8,580円です。最後は応募画面に出る金額で確かめてください。
Q. 1日に何件くらい応募すればよいですか?
決まった件数はありません。私は駆け出しのころ1日100件くらい応募していましたが、数を打つときは、1行目と質問への答えだけは毎回その案件のために書き、それ以外の部分を使い回すようにすると、質を落とさずに続けられます。
Q. 面談やテスト案件まで進んだのに不採用になるのはなぜですか?
最後の段階では、複数の候補者を条件や進めやすさで比べていることが多いです。返信の速さ、作業できる時間や連絡の取りやすさ、質問への答えの具体さを見直すと、次の機会で差がつきやすくなります。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
平城寿@SOHO編集部
@SOHO運営者・株式会社ライフスケープ代表取締役
会社員をしながら副業で仕事を始め、2年ほどで独立。2004年に@SOHOを始め、2005年に株式会社ライフスケープを設立しました。2011年から2023年までの12年間は、海外で暮らしながら仕事を続けました。
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