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フリーランスのエンジニアの求人|案件の探し方

@SOHO編集部
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フリーランスのエンジニアの求人|案件の探し方

この記事のポイント

  • ✓フリーランスのエンジニアが求人や案件を探す方法を
  • ✓SNSや技術ブログの5つに分けて説明します
  • ✓フリーランス法で守られることまで整理します

フリーランスのエンジニアとして独立したい、または独立したばかりで次の案件をどこで探せばよいか分からない、という人に向けて、求人や案件の探し方を整理します。先に答えを書くと、フリーランスのエンジニアの案件の探し方は、エージェント、案件の検索サイト、クラウドソーシングなどの仲介サイト、知人の紹介や直接の営業、SNSや技術ブログで見つけてもらう方法の5つに分かれます。どれか1つに絞るよりも、経験と働き方の希望に合わせて2つか3つを組み合わせるほうが、案件が途切れにくくなります。この記事では、それぞれの探し方の特徴、案件の契約の形、求人票で確かめる項目、応募から契約までの流れ、トラブルのときの相談先までを順に説明します。

フリーランスのエンジニアの求人は5つの道で探す

まず、探し方の全体を一覧で見ておきます。それぞれの道に向いている人が違います。

5つの探し方の比較

探し方 向いている人 案件の傾向
エージェント 実務経験が3年程度以上あり、月単位の長い案件を探す人 企業の開発チームに入る準委任の案件が中心
案件の検索サイト 複数のエージェントの案件を比べたい人 掲載元のエージェントの案件が並ぶ
クラウドソーシングなどの仲介サイト 小さな案件から実績を作りたい人、在宅で単発の仕事を受けたい人 請負の単発案件から継続の業務委託まで幅広い
知人の紹介・直接の営業 前職や取引先とのつながりがある人 条件の交渉がしやすく、長く続きやすい
SNS・技術ブログ・GitHub 発信を続けられる人 声がかかるまで時間がかかるが、得意分野の案件が来やすい

組み合わせ方の考え方

独立直後は、エージェントで月単位の案件を1つ確保して収入の土台を作り、空いた時間で仲介サイトの小さな案件や発信を続ける、という組み合わせがよく見られます。反対に、子育てや介護で働く時間が限られている人は、在宅で受けられる仲介サイトの案件を中心にし、エージェントはリモートの案件だけを紹介してもらう形が合います。

発注する側の目線を知っておく

案件を出す企業の側から見ると、フリーランスのエンジニアに求めているのは「すぐに開発に加わってもらえること」と「やり取りに手間がかからないこと」です。どの探し方を選んでも、この2つが伝わる書類と受け答えを用意できると、案件は決まりやすくなります。後半の「応募から契約までの流れ」で具体的に説明します。

案件の形を先に知る

探し方を選ぶ前に、フリーランスのエンジニアの案件にどんな形があるかを知っておくと、求人票の読み違いを防げます。

準委任と請負の違い

フリーランスのエンジニアの案件の多くは、業務委託契約の中でも「準委任」か「請負」のどちらかです。民法では、請負を次のように定めています。

請負は、当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。 出典: laws.e-gov.go.jp

請負は、アプリやWebサイトなど決められたものを完成させて納め、その成果に対して報酬を受け取る形です。完成しなければ報酬を受け取れず、納めた後に不具合が見つかれば直す責任が出ることがあります。準委任は、決められた期間に開発や運用の作業をすること自体を引き受け、作業した時間や期間に対して報酬を受け取る形です。エージェント経由の月単位の案件の多くは準委任です。

常駐とリモート

働く場所の面では、取引先の事務所に通う常駐、自宅などから作業するリモート、週に数日だけ出社する一部リモートの3つがあります。求人票に「リモート可」と書かれていても、最初の1か月は出社、週1回は出社、といった条件が付いていることがあるので、面談で具体的な日数を確かめてください。

月単価と時間の幅

準委任の案件は、「月単価」と「稼働の時間の幅」で条件が書かれます。たとえば「月単価70万円、精算幅140〜180時間」のように書かれていれば、その月の作業時間が140時間から180時間の間なら70万円、それを下回ると減額、上回ると追加の報酬が出る、という意味です。幅のない「固定」の案件もあります。どの方式かで、実際に受け取る額が変わります。

単価の相場を調べる

言語や経験年数ごとの単価の相場は、フリーランスエンジニアの年収データ|言語・経験年数別の相場【2026年版】で整理しています。応募する前に相場を知っておくと、提示された単価が妥当かを判断しやすくなります。

エージェントで探す

フリーランスのエンジニアの案件探しで、もっとも多く使われているのがエージェントです。

エージェントの仕組み

エージェントは、案件を持つ企業とフリーランスのエンジニアの間に入り、案件の紹介、面談の日程の調整、条件の交渉、契約の手続き、報酬の支払いまでを代わりに行います。エンジニアはエージェントと契約し、エージェントが企業と契約する形が一般的です。企業が払う金額からエージェントの取り分(マージン)を引いた額が、エンジニアの報酬になります。

登録から案件が決まるまで

  1. エージェントの公式サイトから登録し、経歴とスキルを入力する
  2. 担当者と面談し、希望の単価、働く場所、稼働の日数、使いたい技術を伝える
  3. 担当者から条件に合う案件の紹介を受ける
  4. 応募する案件を決め、企業との面談(商談)に進む
  5. 条件が合えば契約し、作業を始める

面談から案件の開始まで、早ければ1、2週間ほどで進むことがあります。前の案件が終わる1か月前には次の案件を探し始めると、空白の期間ができにくくなります。

エージェントを使うときに確かめること

  • マージンの割合を公開しているか、聞けば教えてくれるか
  • 報酬の支払日(月末締めの翌月何日払いか)
  • 案件の間に何社が入っているか(商流の深さ)
  • 案件が途中で終わったときに、次の案件を紹介してもらえるか
  • 福利厚生や、確定申告の手伝いなどの付帯サービスの有無

商流とは、案件を最初に出した企業から自分までの間に何社が入っているかのことです。間に入る会社が多いほど、同じ案件でも手元の単価は下がり、仕様の変更などの連絡も届きにくくなります。

案件の検索サイトで探す

エージェントごとに登録しなくても、複数のエージェントの案件をまとめて検索できるサイトがあります。

まとめて比べられる

案件の検索サイトの1つは、自らのサービスを次のように説明しています。

「フリーランスHub」は全国のフリーランスエージェントの保有案件をまとめて掲載しているエンジニア・クリエイター向けのフリーランス案件・求人メディアです。 38万件以上のフリーランス案件から、自分にあった案件・求人を探し、サイト内ですぐに応募することができます。 会員登録(無料)をすることで、マイページ上でプロフィールの保存やプロフィールの内容から最適な新着案件をおすすめするメールを受け取ることが可能です。 出典: freelance-hub.jp

このような検索サイトでは、開発言語、フレームワーク、職種、都道府県、リモートの可否、単価などの条件で絞り込み、複数のエージェントの案件を横に並べて比べられます。どのエージェントにどんな案件が多いかを知る手がかりにもなります。

人材サービスの会社が運営するサイト

大手の人材サービスの会社が運営するフリーランス向けのサイトもあります。ある運営会社は、自社のサイトについて次のように書いています。

世界最大の人財サービス会社あるAdecco GroupがAdeccoフリーランスを運営をしています。信頼と実績があるAdecco Groupだからこそ、取引できる企業も多数あります。さらに毎月2,000件以上の新規案件を掲載しているので、案件探しに困ることはありません。 出典: freelance.adecco.co.jp

検索サイトの使い方のコツ

検索サイトに載っている案件は、実際には掲載元のエージェントが持っている案件です。応募すると、そのエージェントとの面談に進むのが一般的です。気になる案件が同じエージェントに集まっているなら、そのエージェントに直接登録して担当者と話すほうが、非公開の案件も含めて紹介を受けられることがあります。検索サイトは、どこに登録するかを決めるための地図として使うと効率的です。

クラウドソーシングや業務委託の仲介サイトで探す

実務経験がまだ浅い人や、在宅で単発の仕事を受けたい人には、クラウドソーシングや業務委託の仲介サイトが向いています。

どんな案件があるか

仲介サイトには、WordPressのサイトの修正、業務の自動化のスクリプト作成、小さなWebアプリの開発、スマートフォンアプリの不具合の修正、既存システムの保守など、数日から数か月で終わる案件が多く並びます。請負の形で、決められた機能を完成させて納める案件が中心です。月単位で継続する業務委託の案件が出ていることもあります。

手数料と取引の形を確かめる

仲介サイトによって、受け取る報酬から差し引かれる手数料の割合が違います。受注側から手数料を取らず、発注者と直接やり取りする形のサイトもあります。同じ報酬額でも、手数料の有無で手元に残る額は変わるので、登録する前に料金のページを確かめてください。

実績づくりに使う

仲介サイトで受けた案件は、納品した成果物と取引先の評価が残ります。独立したばかりでエージェントに紹介できる実績が少ない人も、仲介サイトで小さな案件を積み重ねると、職務経歴書やスキルシートに書ける実績が増えていきます。どんな分野の案件が出ているかは、アプリケーション開発のお仕事で仕事の中身と求められるスキルを確かめられます。

小さく始めて広げる

最初から大きな開発を一人で請け負うと、見積もりの読み違いで作業が膨らみ、時間あたりの報酬が大きく下がることがあります。最初は数万円規模の修正や機能の追加から受け、取引先との進め方に慣れてから、規模の大きい案件に広げていくのが安全です。

知人の紹介や直接の営業で探す

前の勤め先や、仕事で知り合った人からの紹介は、条件の良い案件につながりやすい探し方です。

前の勤め先から業務委託で受ける

会社員のときに担当していたシステムを、退職後に業務委託として引き続き担当する形は珍しくありません。仕組みをよく知っている人に任せたいという発注側の事情と、すぐに仕事を始めたいエンジニアの事情が合うためです。退職の前に、就業規則の競業避止の決まりや、退職後の取引に制限がないかを確かめておくと、後でもめずに済みます。

知人や勉強会のつながり

勉強会、技術系のイベント、以前の案件で一緒に働いた人からの紹介も、案件の入り口になります。紹介の案件は間に会社が入らない直接の取引になることが多く、単価の交渉もしやすい反面、契約書を交わさずに口約束で始めてしまいがちです。紹介であっても、業務の範囲、報酬、支払日、成果物の権利の扱いを書面に残してください。

直接の営業

自分から企業に連絡して仕事を取る方法もあります。地域の中小企業のWebサイトの改修や、業務の効率化のためのツールの開発など、エージェントが扱わない小さな案件は、直接の営業で見つかることがあります。いきなり大きな提案をするより、「既存の業務の困りごとを聞かせてほしい」と相談の形で話を始めるほうが、発注側も応じやすくなります。

SNS・技術ブログ・GitHubで見つけてもらう

自分から探すだけでなく、企業や人から声をかけてもらう道もあります。

発信が案件につながる仕組み

技術ブログの記事、GitHubに公開したコード、SNSでの技術の話題への発信は、企業の採用担当者や開発の責任者が目にします。特定の技術について深く書いている人には、その技術を使う案件の相談が来やすくなります。経歴書だけでは伝わりにくい「どう考えて、どう作るか」が伝わるのが強みです。

発信するときに気をつけること

前の勤め先や取引先の情報、公開してよいか分からないコードは載せないでください。業務で書いたコードの権利は、契約によっては取引先にあります。発信する内容は、自分で一から作ったものや、公開の許可を得たものに限ります。

時間がかかる前提で続ける

発信から案件の相談が来るまでには、数か月から1年以上かかることもあります。収入の柱にするのではなく、他の探し方と並行して続ける入り口の1つと考えると、焦らずに続けられます。

求人票で確かめる項目

案件の求人票には、契約の前に必ず確かめておきたい項目があります。発注する側が書き忘れていることもあるので、書かれていなければ面談で聞いてください。

確かめる項目の一覧

項目 確かめる内容
契約の形 準委任か請負か
単価 月単価か、時間単価か、成果物ごとの固定額か
稼働 週何日、1日何時間、精算幅の有無
場所 常駐、リモート、一部リモートの出社日数
期間 開始日、契約の更新の単位(1か月ごと、3か月ごとなど)
支払い 締め日と支払日
開発の環境 言語、フレームワーク、使うパソコンの貸与の有無
体制 チームの人数、自分の役割、指示を出す人

発注する側が気にしていること

発注する側は、求人票の「必須スキル」と「歓迎スキル」を分けて書いています。必須スキルは、これがないと任せられないという条件です。必須を満たしていないのに応募すると、面談に進めないか、進んでも途中で合わないと判断されやすくなります。歓迎スキルは、あれば加点という条件なので、すべて満たしていなくても応募してかまいません。

指揮命令の関係に注意する

準委任の案件でも、取引先の社員から勤務の時間や作業の進め方を細かく指示され、会社員と同じような働き方になっている場合があります。厚生労働省は、フリーランスであっても、働き方によっては労働基準法上の「労働者」に当たる可能性があると案内しています。労働者に当たるかどうかは、契約の名前ではなく、実際の働き方で判断されます。

職種ごとの探し方の違い

エンジニアと一口に言っても、職種によって案件が多い探し方が違います。

Webやアプリの開発

Webアプリやスマートフォンアプリの開発は、エージェントにも仲介サイトにも案件が多く、もっとも探しやすい分野です。言語の人気によって単価の相場も動くので、案件の検索サイトで言語ごとの件数を比べておくと、どの技術を伸ばすかを決める参考になります。Pythonを使う案件に応募するなら、基礎の知識を示す方法としてPython3エンジニア認定基礎試験のような資格もあります。

インフラやネットワーク

サーバーやネットワークの構築と運用の案件は、常駐や一部リモートの案件が比較的多い分野です。資格が評価されやすく、ネットワークの資格を足がかりにフリーランスになる道は、CCNA取得でフリーランスネットワークエンジニアに|案件単価と需要で、案件の単価と需要を含めて説明しています。

機械学習やAI

機械学習やAIの案件は、データの分析、モデルの開発、AIを業務に取り入れる支援など、幅が広がっている分野です。機械学習の案件の相場と、未経験から進む道は機械学習エンジニアのフリーランス案件相場|未経験からの道筋で整理しています。AIを業務に取り入れる相談役としての仕事は、AIコンサル・業務活用支援のお仕事で中身を確かめられます。

PMやPMO、社内SEの代わり

開発の進行を管理するPMやPMO、企業の社内SEの業務を業務委託で担う案件もあります。技術の深さよりも、関係者との調整や、要件をまとめる力が評価されます。会社員のときにチームをまとめた経験がある人は、エージェントに伝えると紹介の幅が広がります。

応募から契約までの流れ

ここでは、エージェント経由の案件を例に、応募から契約までの流れと、用意する書類を説明します。

スキルシートを用意する

スキルシートとは、これまで関わった案件ごとに、期間、役割、使った技術、担当した工程を書いた一覧のことです。企業は、職務経歴書よりもこのスキルシートを見て、面談に進めるかを判断します。次のような形で書くと伝わります。

【案件】ECサイトの会員機能の改修(小売業・自社サイト)
期間:2024年4月〜2025年3月(12か月)
役割:バックエンドの開発担当(チーム5名中)
使った技術:PHP 8、Laravel 10、MySQL 8、AWS(EC2、RDS)、GitHub
担当した工程:詳細設計、実装、単体テスト、結合テスト、リリース後の保守
取り組んだこと:会員登録の画面の表示を速くするため、データベースの検索の仕方を見直し、
ページの表示にかかる時間を短くした。テストコードを書く決まりをチームに提案し、
リリース後の不具合の件数を減らした。

使った技術はバージョンまで書き、担当した工程は設計からテストのどこまでを担当したかを具体的に書きます。「取り組んだこと」には、自分が考えて変えたことを1つか2つ書くと、発注側が仕事の進め方を想像しやすくなります。

企業との面談で聞かれること

面談では、スキルシートに書いた案件の中身、チームでの役割、困ったときにどう対応したか、稼働の開始日と稼働できる日数を聞かれます。最後に質問の時間があるので、チームの体制、開発の進め方、リモートの日数、評価の方法などを聞いておくと、案件が始まってからの行き違いを防げます。

面談のあとにすること

面談が終わったら、その日のうちにエージェントの担当者に感想を伝えます。案件に入りたいか、気になった点は何かを具体的に伝えておくと、担当者が企業との条件の交渉に使えます。断る場合も早めに伝えるのが礼儀です。複数の案件の面談を同時に進めているときは、どの案件の結果をいつまでに出してほしいかを担当者に伝え、返事の期限が重ならないように調整してもらいます。

結果を待っている間に、面談で聞かれて答えに詰まった質問を書き出しておくと、次の面談の準備になります。技術の質問に答えられなかった場合は、その技術について調べ直しておきます。同じ質問は別の企業の面談でも聞かれることが多いからです。

契約書で確かめること

契約の前に、業務の範囲、報酬の額と支払日、契約の期間と更新の方法、途中で契約を終えるときの予告の期間、成果物の権利の扱い、秘密を守る決まりを確かめます。分からない条項があれば、署名する前にエージェントや取引先に聞いてください。

フリーランス法で守られること

フリーランスのエンジニアとして案件を受けるときは、2024年11月に施行された法律で守られることを知っておくと安心です。

発注する側の義務

厚生労働省は、この法律について次のように説明しています。

個人で働くフリーランスに業務委託を行う発注事業者に対し、業務委託をした際の取引条件の明示、給付を受領した日から原則60日以内での報酬支払、ハラスメント対策のための体制整備等が義務付けられます。 出典: mhlw.go.jp

取引条件の明示とは、業務の内容、報酬の額、支払期日などを、書面やメールなどではっきり示すことです。成果物を納めた日から60日以内に報酬を払うことも原則として決められています。この法律の正式な名前は「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」で、フリーランス・事業者間取引適正化等法とも呼ばれます。

募集の情報に書かなければならないこと

厚生労働省は、SNSなどを通じてフリーランスを募集する場合、募集する人の氏名(名称)、住所、連絡先、業務の内容、業務をする場所、報酬を書く必要があると案内しています。これらが欠けた募集は、誤解を生じさせる表示に当たるとされています。連絡先や報酬が書かれていない募集には、応募する前に問い合わせて確かめるのが安全です。

困ったときの相談先

報酬が払われない、契約にない作業を求められる、取引先から嫌がらせを受けるといったトラブルのときは、厚生労働省が設けている「フリーランス・トラブル110番」で弁護士に無料で相談できます。案件の求人票、契約書、メールのやり取りなど、経緯が分かるものを手元に用意してから相談すると、話が早く進みます。

案件を探す前に済ませておく手続きとお金の準備

会社を辞めてフリーランスのエンジニアになる場合は、案件探しと並行して、税金と保険の手続きを済ませておく必要があります。案件が決まってから慌てないように、流れを押さえておきます。

税務署に開業届を出す

個人で事業を始めたら、税務署に「個人事業の開業・廃業等届出書」(開業届)を出します。提出の期限は、開業した年分の確定申告の期限までです。あわせて青色申告の承認申請書を出しておくと、帳簿を付ける手間は増えますが、確定申告で青色申告特別控除を受けられます。国税庁の案内では、控除額は原則55万円で、電子帳簿保存か e-Tax で申告すると65万円です。屋号を決めておくと、取引先への請求書や銀行の口座の名前にも使えます。

年金と健康保険を切り替える

会社を辞めると厚生年金と会社の健康保険から外れるので、退職日の翌日から14日以内に、住所地の市区町村で国民年金の第1号被保険者の手続きをします。令和8年度の国民年金保険料は1か月あたり17,920円です。健康保険は、国民健康保険に入る、前の会社の健康保険を任意継続する、家族の扶養に入るのいずれかを選びます。どれが得かは前年の所得や家族の状況で変わるので、市区町村の窓口で保険料の見込みを聞いてから決めてください。

取引先から聞かれやすいこと

エージェントや企業と契約するときに、インボイス(適格請求書)を発行できる事業者として登録しているかを聞かれることがあります。インボイスとは、消費税の額や登録番号を書いた請求書のことで、発注する側が消費税の計算で使います。登録するかどうかは売上の規模や取引先によって判断が分かれるので、税務署や税理士に相談して決めてください。

生活費の蓄えを用意する

準委任の案件は、月末に締めて翌月末や翌々月に払われる形が多く、最初の報酬が振り込まれるまで1か月から2か月ほどかかることがあります。独立する前に、少なくとも数か月分の生活費と、国民年金や国民健康保険、住民税の支払いの分を蓄えておくと、焦って条件の悪い案件を受けずに済みます。

複数の案件を掛け持ちするとき

フリーランスのエンジニアとして慣れてくると、週3日の案件と小さな請負の案件を組み合わせるなど、複数の案件を同時に受けることもできます。

稼働の時間を先に決める

掛け持ちで一番多い失敗は、それぞれの案件の作業量を甘く見積もって、どちらの納期にも間に合わなくなることです。週にどれだけの時間をどの案件に使うかを先に決め、その時間に収まらない案件は断るか、開始の時期をずらしてもらいます。準委任の案件の精算幅の下限を割ると報酬が減るので、月単位の案件を優先して時間を確保し、残りの時間で請負の案件を受けるのが安全です。

取引先に掛け持ちを伝える

準委任の案件では、契約によって他の案件との掛け持ちや、競合する会社の仕事を受けることに制限がある場合があります。契約書の条項を確かめ、必要なら掛け持ちしていることを取引先に伝えておきます。打ち合わせの時間が重ならないように、対応できる曜日と時間帯を最初に共有しておくと、やり取りがスムーズです。

更新するかを早めに決める

月単位の案件は、1か月や3か月ごとに契約を更新する形が多いです。次の更新で続けるか、別の案件に移るかは、更新の1か月ほど前に決めて伝えるのが一般的な礼儀です。続けない場合も、引き継ぎの資料を残して終えると、別の機会にまた声がかかりやすくなります。

最初の案件が決まらないとき

独立したばかりで、なかなか最初の案件が決まらないこともあります。そのときに見直すところを整理します。

条件を一度に詰め込みすぎていないか

フルリモート、高い単価、週3日の稼働、使いたい技術のすべてを最初から求めると、当てはまる案件は大きく減ります。最初の案件は、どれか1つか2つの条件をゆるめて実績を作り、2件目以降で条件を上げていくほうが、結果として早く希望の働き方に近づきます。

スキルシートの書き方を見直す

面談にさえ進めないときは、スキルシートが原因のことが多いです。担当した工程が書かれていない、使った技術のバージョンがない、案件の規模が分からない、といった書き方だと、発注する側は判断できません。エージェントの担当者に添削を頼むと、どこが伝わりにくいかを教えてもらえます。

資格や個人の開発で空白を埋める

実務の経験が浅い分野の案件に応募したいときは、資格や個人で作ったアプリで、その分野の力を示す方法があります。ディープラーニングの分野なら、E資格(JDLA ディープラーニング エンジニア)のような資格が、学んだ範囲を示す材料になります。

運営者として見てきた、案件が途切れない人の共通点

在宅ワークとフリーランスの仲介を20年以上続けてきた運営者として見てきた限りでは、案件が途切れないエンジニアには共通点があります。

「この人に任せると楽」という関係を作っている

長く仕事が続く人は、技術の高さだけでなく、進み具合をこまめに伝える、分からないことを早めに聞く、納期の遅れが見えたらすぐに相談する、といった発注する側の手間を減らす動き方をしています。こうした関係ができると、次の案件も同じ取引先から声がかかり、探す手間そのものが減っていきます。

手元に残る額で比べている

案件を比べるときに、額面の単価だけを見るのではなく、間に入る会社の数や手数料を差し引いて、手元にいくら残るかで比べる人ほど、無理のない働き方を続けています。仲介の手数料がかからない直接の取引なら、発注する側は同じ予算でより多くの作業を頼め、受ける側は手取りが厚くなります。双方が得をする形の取引を少しずつ増やしていくことが、フリーランスとして長く働くための土台になります。どんな分野で業務委託の募集が出ているかは、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事のような仕事の案内で、分野ごとの仕事の中身から確かめられます。

よくある質問

Q. 実務経験がなくてもフリーランスのエンジニアの案件は受けられますか?

受けられる案件はありますが、選べる幅は狭くなります。エージェントの月単位の案件は、実務経験を条件にしているものが多いのが実情です。経験が浅いうちは、クラウドソーシングなどの仲介サイトで小さな修正や機能の追加の案件を受け、納品の実績を積むのが現実的な始め方です。個人で作ったアプリや資格も、力を示す材料になります。

Q. エージェントと仲介サイトはどちらを使えばよいですか?

月単位で安定した収入を得たいならエージェント、在宅で単発の仕事を受けたい、実績を作りたいなら仲介サイトが向いています。どちらか1つに絞る必要はありません。エージェントで収入の土台になる案件を確保し、空いた時間で仲介サイトの案件を受けるなど、組み合わせると案件が途切れにくくなります。手数料やマージンも比べてください。

Q. 準委任と請負の案件はどう違いますか?

請負は、決められた成果物を完成させて納め、その成果に対して報酬を受け取る契約です。完成しないと報酬が受け取れず、納品後の不具合の修正を求められることがあります。準委任は、決められた期間に作業すること自体を引き受け、作業の時間や期間に対して報酬を受け取る契約です。エージェント経由の月単位の案件は準委任が多くなっています。

Q. 報酬が支払われないときはどこに相談すればよいですか?

厚生労働省が設けているフリーランス・トラブル110番で、弁護士に無料で相談できます。2024年11月に施行されたフリーランス・事業者間取引適正化等法では、発注する側に取引条件の明示や、成果物を受け取ってから原則60日以内の報酬の支払いが義務付けられています。相談の前に、契約書やメールのやり取りなど経緯が分かるものをそろえておいてください。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年10月19日最終更新:2026年10月26日
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