【重要】PHPの脆弱性、うちのサイトは大丈夫?今すぐチェック

業務委託で働く人の社会保険|加入先と納める額

@SOHO編集部
@SOHO編集部
業務委託で働く人の社会保険|加入先と納める額

この記事のポイント

  • ✓業務委託で働く人の社会保険は
  • ✓国民健康保険と国民年金に自分で加入するのが基本です
  • ✓退職後の任意継続や家族の扶養との比べ方

業務委託で働く人は、会社の健康保険と厚生年金には入れません。代わりに、住んでいる市区町村の国民健康保険と、国民年金に自分で加入し、保険料も自分で納めるのが基本です。会社を辞めて業務委託に切り替えた直後なら、国民健康保険の代わりに前の会社の健康保険を最長2年続ける「任意継続」や、家族の健康保険の扶養に入る道もあります。

この記事では、業務委託で働く人の社会保険について、どこに加入するのか、毎月いくら納めるのか、どんな手続きが必要かを順に整理します。会社員と比べて保障が薄くなる部分と、その備え方もあわせて取り上げます。副業として業務委託の仕事を受けている会社員や、家族の扶養に入りながら働いている人が、どこで扱いが変わるのかも節を分けて説明します。

業務委託で働く人が会社の社会保険に入れない理由

社会保険という言葉は、一般に健康保険、厚生年金保険、雇用保険、労災保険、介護保険をまとめた呼び方です。会社員はこのうち健康保険と厚生年金に会社を通じて加入し、保険料を会社と半分ずつ負担しています。

業務委託で働く人がこれらに入れないのは、会社と「雇用契約」を結んでいないからです。業務委託は、仕事の完成や業務の処理を引き受ける契約で、働く人は会社の従業員ではなく、独立した事業者として扱われます。健康保険法や厚生年金保険法は「事業所に使用される人」を加入の対象にしているため、雇われていない業務委託の人は対象から外れます。

その結果、業務委託で働く人が自分で入る制度は次のようになります。

制度 会社員 業務委託で働く人
健康保険 会社の健康保険(協会けんぽ、健康保険組合) 国民健康保険(または任意継続、家族の扶養)
年金 厚生年金(国民年金の上乗せ) 国民年金のみ
雇用保険 加入 加入できない
労災保険 加入 原則なし(特別加入の道あり)
保険料の負担 会社と折半 全額自分

ここで大切なのが、契約書の名前が業務委託でも、実態が雇用と変わらない場合です。勤務時間や場所を細かく指示され、仕事を断る自由がなく、報酬が働いた時間で決まるような働き方は、実質的に「労働者」と判断されることがあります。その場合、本来は会社の社会保険に加入させるべきだった、と扱われる可能性があります。働き方が雇用に近いと感じたら、契約の内容を見直し、年金事務所や労働基準監督署に相談できます。

健康保険の加入先は3つから選ぶ

業務委託で働き始めたときの健康保険は、次の3つのどれかになります。会社を辞めて独立した人は、3つすべてを比べて選べます。最初から業務委託で働いている人は、国民健康保険か家族の扶養のどちらかです。

全国健康保険協会(協会けんぽ)は、退職後の選択肢をこう案内しています。

退職後の健康保険には、「健康保険任意継続」、「国民健康保険」、「ご家族の健康保険(被扶養者)」の3つの選択があります。 毎月納める保険料などを比較の上、選択された健康保険にお手続ください。 出典: 全国健康保険協会「任意継続」

3つの違いを一覧にします。

項目 国民健康保険 任意継続 家族の扶養
手続き先 住んでいる市区町村 住んでいる都道府県の協会けんぽ支部(健康保険組合なら組合) 家族の勤務先
期限 資格が変わってから14日以内 退職日の翌日から20日以内 家族の勤務先の定めによる
保険料 前年の所得と世帯の人数で決まる 退職時の保険料のおよそ2倍(上限あり) 本人の負担なし
加入できる期間 制限なし 最長2年 収入要件を満たす間

家族の扶養に入れるなら、本人の保険料はかかりません。ただし収入の条件があり、業務委託で一定以上稼ぐと外れます。扶養に入れない場合は、国民健康保険と任意継続の保険料を比べて安いほうを選ぶのが基本です。

選ぶときに見落としやすいのが、扶養している家族の扱いです。国民健康保険には扶養という考え方がなく、家族の人数に応じて保険料が加算されます。任意継続なら、条件を満たす家族を被扶養者にでき、家族の分の保険料はかかりません。配偶者や子どもを扶養している人ほど、任意継続が有利になりやすい傾向があります。

国民健康保険の保険料と手続き

国民健康保険は、住んでいる市区町村が運営する健康保険です。業務委託で働く人の多くが最終的に加入するのがこの制度です。

保険料は、市区町村ごとに計算方法と料率が違います。一般には、前年の所得に応じてかかる「所得割」と、加入者1人あたりにかかる「均等割」を組み合わせ、市区町村によっては1世帯あたりの「平等割」が加わります。40歳から64歳の人は介護保険の分も上乗せされます。前年の所得で決まるため、独立した1年目は会社員だった年の給与をもとに計算され、高く感じやすい点に注意が必要です。

手続きは、会社の健康保険の資格を失った日から14日以内に、住んでいる市区町村の窓口で行います。持ち物は市区町村によって違いますが、一般には次のようなものです。

  • 健康保険の資格を失ったことが分かる書類(会社が発行する資格喪失証明書など)
  • 本人確認の書類
  • マイナンバーが分かる書類

14日を過ぎても加入はできますが、保険料は資格を失った月までさかのぼって納めることになります。加入していない間に病院にかかると、いったん全額を自分で支払うことになるため、早めに手続きをしておきましょう。

職種によっては、市区町村の国民健康保険の代わりに、同じ業種の人が集まって運営する国民健康保険組合に入れる場合もあります。保険料が所得に関係なく定額のところもあり、所得が高い人ほど市区町村の国民健康保険より負担が軽くなることがあります。ただし、組合ごとに加入できる業種や地域、加入の条件が決まっており、所属する団体の推薦が必要なこともあります。自分の職種に合う組合があるかは、それぞれの組合の案内で確かめましょう。

保険料の目安を知りたいときは、市区町村のホームページにある試算表を使うか、窓口で前年の所得を伝えて計算してもらえます。独立する前に試算しておくと、任意継続と比べる材料になります。

保険料を下げる手段として、所得が一定以下の世帯には、均等割や平等割を7割、5割、2割の割合で軽くする仕組みがあります。会社の倒産や解雇など、自分の都合でなく会社を辞めた人には、前年の給与所得を少なく見なして計算する軽減もあります。これらは申告が前提になる場合が多いため、確定申告や住民税の申告を毎年きちんと済ませておくことが大切です。

任意継続を選ぶときのポイント

任意継続は、会社を辞めた後も、それまで入っていた健康保険に最長2年加入し続けられる制度です。業務委託に切り替える前に会社員だった人だけが選べます。

協会けんぽの任意継続に入る条件は、退職日までに継続して2か月以上被保険者だったことと、退職日の翌日から20日以内に申し出ることです。20日を過ぎると加入できないため、退職が決まったら早めに保険料を確かめておきましょう。

保険料は、会社が負担していた分も自分で払うため、在職中に給与から引かれていた額のおよそ2倍になります。ただし上限があり、協会けんぽでは、退職時の標準報酬月額が32万円を超えていた人も、32万円として計算されます。標準報酬月額とは、月々の給与を区切りのよい幅に当てはめた、保険料計算のもとになる額のことです。給与が高かった人ほど、この上限のおかげで任意継続の保険料が国民健康保険より安くなることがあります。

保険料の計算には、都道府県ごとの健康保険料率に、子ども・子育て支援金の率も含まれます。40歳から64歳の人は介護保険料も加わります。保険料は原則として2年間変わりませんが、料率が変わった場合などは見直されます。

任意継続で気をつけたいのは、保険料を納付期限までに納めないと、その時点で資格を失う点です。毎月の納付を忘れないよう、口座振替を選んでおくのが確実です。また、2年たつと自動的に資格が終わるため、その後は国民健康保険に切り替える手続きが必要になります。

国民健康保険は前年の所得で決まるため、独立した1年目は高く、収入が落ち着いた2年目以降は下がることがあります。1年目は任意継続、2年目からは国民健康保険、という切り替えを考える人もいます。任意継続をやめたいときは、申し出れば途中で資格を失うことができます。

家族の扶養に入れる収入の目安

配偶者や親が会社員で、その健康保険に被扶養者として入れれば、本人の保険料はかかりません。業務委託の収入が少ないうちは、まず扶養に入れるかを確かめるのが近道です。

日本年金機構が示している協会けんぽなどの被扶養者の収入要件は、次のとおりです。

  • 年間収入が130万円未満(60歳以上または障害のある人は180万円未満)
  • 同居なら、扶養する人の収入の半分未満。別居なら、扶養する人からの仕送り額未満
  • 19歳以上23歳未満の人(配偶者を除く)は、令和7年10月1日以降の認定から年間収入150万円未満

年間収入は、過去の実績ではなく、扶養に入る時点からこの先1年間の見込みで判断されます。給与の場合は月額108,333円以下が目安とされています。

業務委託の収入で迷いやすいのが、売上と所得のどちらで判断するかです。扱いは加入している健康保険によって異なり、売上から経費を差し引いた額で見る健康保険もあれば、認められる経費の範囲を限っている健康保険組合もあります。扶養する家族の勤務先を通じて、その健康保険の基準を確かめるのが確実です。

扶養に入っている間に収入が増え、基準を超える見込みになったら、扶養から外れる手続きが必要です。外れたら、国民健康保険と国民年金への加入手続きを自分で行います。

なお、健康保険の扶養と、税金の扶養(配偶者控除や扶養控除)は別の制度で、基準の額も違います。令和8年分の税金の扶養では、給与だけなら収入136万円以下が目安です。業務委託の収入は所得で判断するため、経費を差し引いた所得が62万円以下かどうかを見ます。どちらの扶養を指しているのかを分けて考えましょう。

国民年金の保険料と、厚生年金との差

業務委託で働く20歳以上60歳未満の人は、国民年金の第1号被保険者として、国民年金に加入します。会社員の厚生年金から切り替える場合は、退職日の翌日から14日以内に、住んでいる市区町村の窓口で手続きします。マイナポータルから電子申請できる場合もあります。

国民年金の保険料は、所得に関係なく全員同じ額です。日本年金機構によると、令和8年度は1か月あたり17,920円です。

国民年金保険料の金額は、1カ月あたり17,920円です(令和8年度)。 出典: 日本年金機構「国民年金保険料」

1年分では215,040円になります。前もってまとめて納める前納や、口座振替の早割を使うと、少し割り引かれます。

会社員との最大の違いは、将来受け取る年金の額です。会社員は国民年金に厚生年金が上乗せされますが、業務委託で働く人は国民年金(老齢基礎年金)だけです。老齢基礎年金の満額は、令和8年4月分から年847,300円(昭和31年4月1日以前生まれの人は844,900円)で、40年間すべて納めた場合の額です。

この差を埋める方法として、次のような制度があります。

  • 付加年金:月額400円の付加保険料を上乗せして納めると、将来の年金が増えます
  • 国民年金基金:第1号被保険者が入れる、公的な上乗せの年金です
  • iDeCo(個人型確定拠出年金):自分で掛金を積み立てて運用する年金で、掛金は所得から差し引けます

付加年金と国民年金基金は同時に入れないなど、組み合わせの制限があります。上乗せを考えるときは、年金事務所や各制度の案内で確かめてから申し込みましょう。

毎月いくら納めるかを試算してみる

業務委託の社会保険料は、会社員のように給与から自動で引かれるわけではありません。納付書や口座振替で自分で納めるため、毎月の売上から先に取り分けておく習慣が大切です。

ここでは、独身で、会社員を辞めて業務委託に切り替えた人を例に、1年間の負担の組み立てを確かめます。

項目 1年間の負担 決まり方
国民年金 215,040円 全国一律(令和8年度)
国民健康保険 市区町村の試算による 前年の所得と世帯の人数
任意継続を選んだ場合 退職時の保険料のおよそ2倍の12か月分 退職時の標準報酬月額(上限あり)

国民健康保険の額は住んでいる市区町村で大きく変わるため、ここで一律の金額は示せません。市区町村の試算表に前年の所得を入れて、任意継続の保険料と並べると、どちらが安いかが見えてきます。

売上からの取り分け方の目安としては、国民年金と健康保険の保険料、それに所得税と住民税を合わせて、売上の一定の割合を毎月別の口座に移しておく方法が使われます。割合は所得の水準や経費によって変わるため、1年目は多めに取り分け、確定申告で実際の額が分かってから調整すると安全です。

社会保険料は、全額が所得から差し引ける「社会保険料控除」の対象です。国民年金と国民健康保険、任意継続の保険料は、確定申告で控除として申告できます。国民年金の保険料には、日本年金機構から控除証明書が届くので、申告のときに使います。

労災保険の特別加入で仕事中のけがに備える

業務委託で働く人は、原則として労災保険の対象外です。会社員なら、仕事中や通勤中のけがや病気は労災保険から治療費や休業中の補償が出ますが、業務委託の人はそれが無い状態で働いています。

これを補う仕組みが、労災保険の「特別加入」です。これまでは一部の業種や職種に限られていましたが、厚生労働省によると、令和6年11月1日から、企業などから業務委託を受けているフリーランスは、業種や職種を問わず特別加入できるようになりました。

加入の条件と手続きのポイントは次のとおりです。

  • 企業などから業務委託を受けていること(消費者だけから仕事を受けている人は対象外。企業から受ける見込みがある場合は加入できる)
  • 都道府県労働局長の承認を受けた特別加入団体を通じて申し込むこと
  • 保険料は、自分で選んだ給付基礎日額(補償の計算のもとになる1日あたりの額)に応じて決まる

在宅のデスクワークでも、作業中の転倒や、取材や打ち合わせへの移動中の事故など、けがの危険はゼロではありません。業務委託の働き方で特に心配な人は、厚生労働省のフリーランスの特別加入の案内で、加入団体の一覧と補償の内容を確かめておきましょう。

労災保険の特別加入でカバーできるのは、仕事中や通勤中のけがや病気です。取引先に損害を与えたときの賠償は対象外なので、こちらは民間の損害保険で備えることになります。業務委託の人が入る損害保険の考え方はフリーランスが入るべき損害保険|賠償リスクに備える【2026年版】で詳しく取り上げています。

病気や出産で働けないときの備え

会社の健康保険と国民健康保険の大きな違いは、働けない間の収入の補償です。会社の健康保険には、病気やけがで働けない間に給与のおよそ3分の2が出る傷病手当金や、出産で休む間の出産手当金があります。国民健康保険には、原則としてこれらがありません。

業務委託で働く人が病気で休むと、その分の収入がそのまま減ります。備え方としては次のようなものがあります。

  • 生活費の数か月分を、すぐに引き出せる貯蓄として別にしておく
  • 民間の就業不能保険や所得補償保険を検討する
  • 取引先が1社だけにならないよう、複数の取引を持っておく

一方で、国民年金には業務委託の人が使える免除の制度があります。出産の予定日か出産日が属する月の前月から4か月間は、届け出れば国民年金保険料が免除されます(多胎の場合は3か月前から6か月間)。免除された期間も、保険料を納めたものとして年金額に反映されます。

さらに、2026年10月からは、子どもを育てている第1号被保険者について、子どもが1歳になるまでの期間の国民年金保険料が、所得に関係なく免除される育児免除の制度が始まりました。届け出が必要で、免除された期間は納めたものとして年金額に反映されます。業務委託で働きながら子育てをしている人は、日本年金機構の案内で手続きを確かめておきましょう。

国民健康保険にも、出産する人の保険料を出産予定月の前後の一定期間、軽くする仕組みがあります。手続きは市区町村の窓口で行います。

保険料が払えないときの免除と猶予

業務委託の収入は月によって増減します。売上が落ちて保険料を納めるのが苦しい時期には、未納のまま放置せず、免除や猶予の申請を使うことが大切です。

国民年金には、前年の所得が一定以下の場合や失業した場合に、保険料の全額、4分の3、半額、4分の1を免除する制度があります。50歳未満の人には、本人と配偶者の所得が一定以下なら納付を先送りできる納付猶予の制度もあります。申請は市区町村の窓口や年金事務所、マイナポータルからできます。

免除や猶予を受けた期間と、ただの未納の期間とでは、大きな違いがあります。免除の期間は、将来の年金額に一部が反映され、障害年金や遺族年金を受け取る資格の計算にも入ります。未納のままだと、障害を負ったときに障害年金を受け取れないおそれがあります。免除や猶予の期間の保険料は、10年以内なら後から納める「追納」もできます。

国民健康保険にも、災害や事業の休廃止、失業などで所得が大きく減った場合の減免制度があります。条件や割合は市区町村ごとに違うため、払えないと分かった時点で早めに窓口に相談しましょう。滞納が続くと、医療機関の窓口でいったん医療費の全額を支払う扱いに切り替わることがあります。

会社を辞めて業務委託に切り替えるときの手続きの順番

会社員から業務委託に切り替えるときは、健康保険と年金の手続きに短い期限があります。退職の前から順番を決めておくと、期限を逃さずに済みます。

退職の1か月ほど前にやっておきたいのが、保険料の比較です。

  1. 給与明細で、いま引かれている健康保険料と標準報酬月額を確かめる
  2. 協会けんぽや加入している健康保険組合の案内で、任意継続の保険料を計算する
  3. 住んでいる市区町村の試算表で、国民健康保険の保険料を計算する
  4. 家族の勤務先に、扶養に入れるかと必要な書類を問い合わせる

退職した後は、次の順に手続きします。

  1. 退職日の翌日から20日以内:任意継続を選ぶなら、申出書を協会けんぽの支部などに提出する(郵送なら20日以内に必着)
  2. 退職日の翌日から14日以内:国民健康保険を選ぶなら、市区町村の窓口で加入する
  3. 退職日の翌日から14日以内:市区町村の窓口かマイナポータルで、国民年金の第1号被保険者への切り替えを届け出る
  4. 家族の扶養に入るなら、家族の勤務先を通じて届け出る(国民年金は配偶者の扶養なら第3号被保険者の手続きになる)

国民年金の切り替えは、健康保険の選び方に関係なく必要です。任意継続を選んだ人も、年金は自分で国民年金に切り替えます。配偶者が会社員で、その扶養に入る場合だけは、国民年金の第3号被保険者になり、本人の保険料はかかりません。

あわせて、開業届を出す人は税務署への手続きも必要になります。社会保険とは別の手続きですが、同じ時期に重なるため、退職前に一覧を作っておくと漏れを防げます。会社から受け取る書類のうち、健康保険の資格喪失証明書、源泉徴収票、雇用保険の離職票は、どれも手続きに使うため、届いたらまとめて保管しておきましょう。

副業で業務委託をしている会社員の場合

会社員として働きながら、副業で業務委託の仕事を受けている人は、社会保険の扱いが変わりません。本業の会社の健康保険と厚生年金に入ったままで、副業の業務委託の分について国民健康保険や国民年金に加入する必要はありません。

これは、業務委託の収入が給与ではないためです。社会保険料は会社から受け取る給与(標準報酬月額)をもとに計算されるため、業務委託の報酬がいくら増えても、本業の社会保険料は変わりません。副業がアルバイトなど雇用の形で、そちらでも社会保険の加入条件を満たす場合は、2つの会社の給与を合わせて保険料を計算する手続きが必要になりますが、業務委託ならこの手続きはありません。

ただし、税金は別です。業務委託の所得が年間20万円を超える場合は、所得税の確定申告が必要になります。20万円以下でも住民税の申告は必要で、所得に応じて住民税が増えます。

配偶者の扶養に入りながら業務委託の仕事をしている人は、注意が必要です。業務委託の収入が増えて、健康保険の扶養の基準(年間収入130万円未満など)を超える見込みになると、扶養から外れ、自分で国民健康保険と国民年金に加入することになります。扶養を外れると、本人の保険料の負担が新たに生まれるため、収入が基準の近くにある人は、扶養のまま働くか、外れても手取りが増えるところまで仕事を広げるかを考えておきましょう。

また、パートタイムで雇われて働きながら業務委託の仕事をしている人は、勤め先の規模と労働時間によって、勤め先の社会保険に加入することがあります。2026年10月には、短時間で働く人の社会保険の加入条件から月額8.8万円以上という賃金の要件が外れました。週20時間以上で働くパートの人は、勤め先の規模の条件を満たせば加入の対象になります。

雇用保険が無いことへの備え

業務委託で働く人は雇用保険に入れないため、仕事が途切れても失業保険(基本手当)は受け取れません。会社員なら離職後に受け取れる給付が無い分、自分で備えておく必要があります。

備えの1つが、個人事業主のための退職金制度である小規模企業共済です。国の機関である中小企業基盤整備機構(中小機構)が運営しており、月々の掛金は1,000円から70,000円まで500円単位で選べ、加入した後も増やしたり減らしたりできます。掛金は全額を所得から差し引けるため、税金の負担を抑えながら積み立てられます。事業をやめたときなどに共済金を受け取れ、積み立てた額の範囲で事業資金を借りる制度もあります。詳しい条件は中小機構の小規模企業共済の案内で確かめられます。

もう1つは、取引先を分けておくことです。売上の大半を1社に頼っていると、その契約が終わった時点で収入がほぼ無くなります。取引先が複数あれば、1社との契約が終わっても、次の仕事を探す間の生活を支えられます。

業務委託をやめて会社員に戻る場合は、雇用保険に再び加入します。基本手当を受け取るには、原則として離職の日以前2年間に、被保険者だった期間が通算12か月以上あることが必要です。業務委託の期間が長くなってから会社員に戻った場合、以前の会社員の期間はこの2年間の外に出てしまうため、改めて加入の期間を積む必要があります。会社員に戻ってすぐに辞めると、基本手当を受け取れないことがある点も覚えておきましょう。

業務委託で働く期間に、仕事が途切れて会社員として働くことを考える場面もあります。その場合は、ハローワークの職業相談や求人検索を使えます。雇用保険に入っていない人でも、ハローワークの職業紹介は無料で利用できます。業務委託と雇用のどちらで働くかを行き来する人は、それぞれの制度がいつから適用され、いつ終わるのかを、切り替えのたびに確かめる習慣をつけておくと安心です。

業務委託の契約で確かめておきたいこと

社会保険を自分で組み立てる業務委託の働き方では、契約の段階で確かめておくことが、結果として保険料の負担や働けない時期の備えにも関わってきます。

まず、報酬の額が社会保険料を自分で負担する前提で決まっているかを確かめます。会社員なら会社が負担していた保険料の半分や、雇用保険、有給休暇の分も、業務委託では自分で用意する必要があります。会社員のときの月給と同じ額の報酬では、実質的な手取りは下がります。単価の交渉では、この差を説明の材料にできます。

次に、働き方が雇用に近くないかを確かめます。勤務時間や場所が固定され、仕事の進め方まで指示されるなら、本来は雇用契約を結ぶべき関係かもしれません。2024年11月に施行されたフリーランス法では、企業がフリーランスに仕事を頼むとき、業務の内容や報酬の額、支払期日などを書面やメールで示すことが義務になりました。契約書に入れておきたい項目はフリーランスの業務委託契約書テンプレート|最低限入れるべき10項目で、契約前の確認の手順はフリーランスの業務委託契約のチェックポイント10選で整理しています。

社会保険の手続きを自分で回せるようになるために

業務委託で働く人の社会保険は、会社員のように誰かが手続きしてくれるものではありません。退職した直後の14日と20日の期限、毎年の保険料の見直し、収入が変わったときの扶養の手続きなど、節目ごとに自分で動く必要があります。

フリーランスや在宅ワークの市場を2004年から見てきた運営者として感じるのは、独立して長く続く人ほど、売上より先に「毎月の固定の支払い」を把握しているということです。国民年金と国民健康保険の額を最初に確かめ、その分を差し引いた手取りで単価を考える人は、無理な安売りをせずに済みます。同じ予算でも中間の手数料が乗らない取引なら、受け手の手取りが厚くなり、保険料の負担にも余裕が生まれます。

社会保険の仕組みそのものを深く理解したい人や、将来は手続きの代行を仕事にしたい人には、社会保険と労働法の専門家である社会保険労務士の資格も選択肢になります。業務委託で受けられる仕事の幅を広げたい人は、業務の効率化を手伝うRPA・業務自動化ツールのお仕事のように、企業のバックオフィスに関わる分野も候補になります。

まずは、自分が今どの健康保険とどの年金に入っているかを確かめ、国民健康保険の試算と任意継続の保険料を並べるところから始めてみてください。数字を一度並べておけば、毎年の見直しも短い時間で済むようになります。

よくある質問

Q. 業務委託でも会社の社会保険に入れることはありますか?

業務委託契約のままでは、原則として会社の健康保険と厚生年金には入れません。ただし、勤務時間や場所を細かく指示されるなど、実態が雇用と変わらない場合は労働者と判断され、本来は加入すべきだったと扱われることがあります。働き方が雇用に近いと感じたら、年金事務所や労働基準監督署に相談できます。

Q. 国民健康保険と任意継続はどちらが安いですか?

人によって変わります。国民健康保険は前年の所得と世帯の人数で、任意継続は退職時の標準報酬月額で決まり、協会けんぽでは32万円が上限です。給与が高かった人や扶養家族がいる人は任意継続が安くなりやすい傾向があります。市区町村の試算と協会けんぽの保険料を並べて比べましょう。

Q. 業務委託の収入が少ないうちは家族の扶養に入れますか?

入れる場合があります。協会けんぽなどでは、年間収入の見込みが130万円未満(60歳以上や障害のある人は180万円未満、19歳以上23歳未満は150万円未満)で、扶養する人の収入の半分未満などの条件があります。業務委託の収入を売上と所得のどちらで見るかは健康保険によって違うため、家族の勤務先で確かめてください。

Q. 国民年金の保険料が払えないときはどうすればよいですか?

未納のまま放置せず、免除や納付猶予を申請しましょう。前年の所得が一定以下なら、全額、4分の3、半額、4分の1の免除が受けられる場合があります。免除の期間は年金額に一部が反映され、障害年金を受け取る資格の計算にも入ります。10年以内なら後から納める追納もできます。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年10月20日最終更新:2026年10月24日
@SOHO編集部

この記事を書いた人

@SOHO編集部

フリーランス・在宅ワークの専門メディア

@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。

@SOHOで仕事を探してみませんか?

手数料0%・登録無料のクラウドソーシング。フリーランスの方も企業の方も、今すぐ始められます。

関連記事

カテゴリから探す

クラウドソーシング入門

クラウドソーシング入門

クラウドソーシングの基礎知識・始め方・サイト比較

職種別ガイド

職種別ガイド

職種・スキル別の案件獲得方法と単価相場

副業・在宅ワーク

副業・在宅ワーク

副業・在宅ワークの始め方と対象者別ガイド

お金・税金

お金・税金

確定申告・節税・経費・ローンなどお金の知識

スキルアップ

スキルアップ

プロフィール・提案文・単価交渉などのテクニック

比較・ランキング

比較・ランキング

サービス比較・おすすめランキング

AI活用

AI活用

職種別にChatGPT・生成AIを活用して業務効率化・収益化するノウハウ

最新トレンド

最新トレンド

市場動向・法改正・AIなど最新情報

発注者向けガイド

発注者向けガイド

クラウドソーシングで外注・人材探しをする企業・個人向け

転職・キャリア

転職・キャリア

転職エージェント・転職サイト比較・キャリアチェンジ

看護師の転職・求人

看護師の転職・求人

看護師の転職・派遣・単発バイト・副業など働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

薬剤師の転職・求人

薬剤師の転職・求人

薬剤師・登録販売者の転職・派遣・パートなど働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

介護職の転職・求人

介護職の転職・求人

介護職・介護福祉士・ケアマネジャー・訪問介護員の転職・派遣・夜勤など働き方のガイド

保育士の転職・求人

保育士の転職・求人

保育士・保育補助・幼稚園教諭の転職・派遣・パートなど働き方のガイド

医療職の転職・求人

医療職の転職・求人

医師・産業医・リハビリ職・歯科衛生士・管理栄養士・医療事務の転職や働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

保険

保険

生命保険・医療保険・フリーランスの保険設計

採用・求人

採用・求人

無料求人掲載・採用コスト削減・人材募集の方法

オフィス・ワークスペース

オフィス・ワークスペース

バーチャルオフィス・コワーキング・レンタルオフィス

法律・士業

法律・士業

契約トラブル・士業独立開業・フリーランス新法

シニア・50代

シニア・50代

シニア世代のキャリアチェンジ・副業・年金

セキュリティ

セキュリティ

サイバーセキュリティ・脆弱性対策・情報保護

金融・フィンテック

金融・フィンテック

暗号資産・決済・ブロックチェーン・金融テクノロジー

経営・ビジネス

経営・ビジネス

経営戦略・ガバナンス・事業承継・知財

ガジェット・機材

ガジェット・機材

フリーランスに役立つPC・デバイス・周辺機器

子育て×働き方

子育て×働き方

子育てと在宅ワークの両立・保育園・時間管理

補助金・助成金

補助金・助成金

個人事業主・フリーランスが使える公的補助金・助成金・給付金の申請ガイド

M&A・事業売却

M&A・事業売却

会社売却・事業承継・事業譲渡を考える経営者向け。売却の流れ、税金、従業員への伝え方、仲介会社の選び方

アウトソーシング・外注ガイド

アウトソーシング・外注ガイド

SNS運用・経理・広告など、業務のアウトソーシング(外注)を検討する企業・個人向け。費用相場・依頼の流れ・失敗しない選び方