Webマーケティングの修正を何回まで受けるか|先に決めておく


この記事のポイント
- ✓Webマーケティングの修正対応は
- ✓回数を決めずに受けると終わりません
- ✓修正と追加作業の切り分け
Webマーケティングの案件で最も揉めるのは、納品物の出来ではなく修正対応の範囲です。バナーの色を変えたい、見出しの言い回しを変えたい、やっぱり前のほうがよかった。こうした依頼が繰り返されるうちに、作業時間だけが伸びていきます。結論から書くと、修正回数は着手前に決めておくもので、依頼が来てから交渉するものではありません。
この記事では、Webマーケティングの修正対応を何回まで受けるかをどう決め、見積書と契約書にどう書き、実際に依頼が来たときにどの順序で処理するかを整理します。回数を数字で切るだけでは足りず、「何を修正と数えるか」の定義をそろえないと同じ問題が起きるので、そこから始めます。
修正回数を決めていない契約は、なぜ壊れるのか
修正で消耗する案件には共通の構造があります。作業者と依頼者が、同じ「修正」という言葉で別のものを指しているという構造です。
「修正は無制限で対応します」が招くこと
受注を取りたい段階では、修正無制限という条件を出したくなります。実際、そう書いてある提案書は少なくありません。ただ、この条件は依頼者にとっても不利益になります。回数の上限がないと、依頼者は「とりあえず思いついたことを全部伝える」という行動を取るようになるからです。
上限があると、依頼者は自分の中で優先順位をつけます。この修正は本当に必要か、次回にまとめられないか、と考える。この思考が働くかどうかで、指示の質がまったく変わります。結果として、上限を設けたほうが、双方の作業時間が短くなり、成果物の完成度も上がります。
制作会社の運用でも、無制限の対応ではなく、範囲と条件を示したうえで柔軟性を確保する形が一般的です。
当社では、お客様のニーズに合わせて柔軟な修正対応を行っています。1ページ単位での部分的な修正から、WEBサイト全体のリニューアルまで、幅広い要望にお応えします。また、定額制の保守管理プランも用意しており、継続的なサイト運営をサポートいたします。経験豊富なスタッフが、的確なアドバイスと迅速な対応で、お客様のホームページの価値向上をサポートします。 出典: markernet.co.jp
ここで示されているのは、部分修正から全体のリニューアルまでを同じ「修正」として扱わず、規模ごとに枠組みを分けているという設計です。個人で受ける場合も、考え方は同じです。
修正と追加作業の境目が曖昧なまま進む
もう一つの原因は、修正と追加の区別が定義されていないことです。広告バナーの文言を直すのは修正ですが、「もう一パターン別案も見たい」は追加制作です。ランディングページの見出しを整えるのは修正ですが、「セクションを一つ足したい」は追加です。
この線引きが契約に書かれていないと、依頼者は悪意なく追加を修正として依頼してきます。相手は制作の工数感を知らないので、当然といえば当然です。線を引くのは、工数を知っている側の仕事です。
終わりが見えない状態が品質を下げる
回数が無制限だと、作業者側にも副作用が出ます。「どうせまた直すことになる」という前提で作業するようになり、初稿の作り込みが甘くなります。締め切りの効果が消えるからです。
回数の上限は、依頼者を縛るためのものではありません。制作の工程に区切りを入れ、各段階で合意を確定させるための道具です。
「修正」を三つに分けて数える
回数を決める前に、何を回数に数えるかを決めます。ここを飛ばして数字だけ決めても機能しません。実務では次の三分類が扱いやすいです。
誤りの訂正は回数に数えない
誤字脱字、リンク切れ、指示書と違う内容、表示崩れ。これらは作業者側の不備なので、回数には数えず無償で直します。ここを回数に含めると、依頼者から見て不誠実な条件に映りますし、実際に不誠実です。
契約書には「成果物の瑕疵の修補は修正回数に含まない」と一行入れておきます。この一行があるだけで、依頼者の警戒心はかなり下がります。回数制限は品質を担保しないための逃げではない、と示せるからです。
表示崩れについては、確認環境を先に決めておきます。どのブラウザ、どの画面幅、どのOSまでを保証範囲にするか。ここが未定義だと、古い環境での崩れを瑕疵として無限に指摘されることがあります。
表現の調整が、本来の「修正」
色味、文言、画像の差し替え、余白、順序の入れ替え。方針は変えず、表現の水準を上げる作業です。これが回数に数えるべき修正です。
依頼者にとっては最も要望が出やすい領域でもあります。ここに2回程度の枠を用意し、1回あたりに指摘をまとめて出してもらう運用にすると、往復が減ります。
方針の変更は修正ではなく再制作
ターゲットが変わった、訴求軸が変わった、掲載媒体が変わった。これらは指示の前提が変わっているので、修正ではなく別作業です。ここを修正として受けてしまうと、案件は必ず赤字になります。
契約書では「企画方針、ターゲット、訴求軸、掲載媒体の変更を伴う依頼は、修正ではなく追加業務として別途見積もる」と書きます。表現がきつく感じるなら、「方針変更が生じた場合は、あらためてスケジュールと費用をご相談させてください」という書き方でも効果は同じです。
Webマーケティングの業務範囲は広く、そもそも何を請け負っているかの認識合わせが必要になる場面が多くあります。Webマーケティング全般のお仕事では、この分野で発注される業務の種類が整理されているので、自分の契約範囲がどこに位置するかを確認する材料になります。
何回にするかの決め方
回数の決め方には、いくつかの型があります。案件の性質で使い分けます。
工程ごとに回数を割り当てる
一つの制作物に対して総回数を決めるのではなく、工程ごとに割り当てる方法です。構成案の段階で2回、デザインの段階で2回、実装後の段階で1回、というように配分します。
この方法の利点は、後戻りを防げることです。構成が確定していないままデザインに進むと、デザイン段階での修正が構成のやり直しを引き起こします。工程ごとに回数枠を置くと、各工程で確定させる動機が生まれます。
配分の考え方は、上流ほど厚く、下流ほど薄くです。上流の合意が取れていれば、下流の修正は表現の微調整で済みます。
段階の締めを設ける
回数と併せて、「この段階の承認をもって、前工程には戻らない」という取り決めを入れます。構成案の承認後は構成に戻らない、デザイン承認後はデザインの方針に戻らない、という形です。
これは依頼者にとって厳しく見えますが、実際には依頼者を守る仕組みでもあります。段階の締めがないプロジェクトは納期が読めなくなり、公開日が動きます。広告出稿やキャンペーンの日程が絡んでいる場合、納期が動くほうがはるかに損失が大きい。この説明を最初にしておくと、締めの導入は受け入れられやすくなります。
回数より「差し戻しの単位」を決める
実は、回数そのものよりも重要なのが、1回の差し戻しに何を含めるかです。依頼者が思いついた順にチャットで10件送ってきたら、それは10回なのか1回なのか。
ここを決めておかないと、回数制限は形骸化します。運用としては、「修正指示は一覧にまとめて1回でお送りください。それを1回分として扱います」と定義するのが現実的です。指示をまとめる作業自体が依頼者側の整理になり、矛盾した指示が減るという副次効果もあります。
チャットで断片的に届く指示を、こちらで一覧に転記して「この内容で1回分として着手します」と返す運用も有効です。転記の手間はかかりますが、指示の解釈違いを潰せるので、結果的には早く終わります。
見積書と契約書への書き方
決めたことは、口頭ではなく書面に落とします。書き方には型があります。
見積書に必ず書く四項目
第一に、修正回数と、その回数がどの工程を対象にしているか。第二に、回数に含まれない作業の定義(瑕疵の修補、方針変更、追加制作)。第三に、上限を超えた場合の扱い。第四に、修正依頼の受付期限です。
四つ目を忘れる人が多いのですが、これが抜けていると納品から数か月後に修正依頼が来ます。「納品後14日以内にご連絡ください」といった期限を入れておきます。
上限を超えたときの扱いの書き方
「上限を超えた場合は対応しません」と書くのは得策ではありません。実務では上限を超える場面は普通に発生します。書くべきなのは、超えた場合にどうするかです。
現実的な文面は「所定の回数を超える修正が必要な場合は、内容を確認のうえ、追加のお見積もりとスケジュールをご提示します」です。断らず、条件を提示する形にしておくと、関係を壊さずに済みます。
検収の定義を入れる
修正の話は、検収の定義とセットです。何をもって納品完了とするかが決まっていないと、修正回数の上限にも意味が生まれません。「納品データの送付後、7日以内に検収の可否をご連絡ください。期間内にご連絡がない場合は検収完了とみなします」といった条項が一般的です。
契約書や見積書の文書作法に自信がない場合は、書式の基本を学べるビジネス文書検定のような検定の出題範囲が、そのまま実務の型として使えます。文書で条件を示せるかどうかは、この仕事では継続的な差になります。
修正依頼を受けたときの処理手順
条件を決めていても、実際の運用でぶれると意味がありません。依頼が届いてからの手順を固定します。
受け取ったら、まず分類する
届いた指示を、瑕疵の修補、表現の調整、方針の変更の三つに仕分けます。この作業を最初にやるかどうかで、その後の展開が変わります。
仕分けた結果は依頼者に共有します。「いただいた8件のうち、2件は当方の不備ですのですぐ直します。5件は修正の枠内で対応します。残りの1件はターゲット変更を伴うため、別途ご相談させてください」という返し方です。
この返信の効果は大きいです。全部まとめて「追加費用がかかります」と返すと関係が悪化しますが、内訳を示せば、依頼者は納得しやすくなります。
疑問点は着手前に一度で聞く
指示に曖昧な部分があるまま着手すると、直したものがまた差し戻されます。着手前に、解釈が分かれる箇所をまとめて質問します。ばらばらに聞くと相手の時間を奪うので、一覧にして一度で送ります。
「この見出しを目立たせたい、という指示について、文字サイズを大きくする方向と、色を変える方向のどちらをご希望でしょうか。両方を試した案をお出しすることもできますが、その場合は回数を1回分として扱わせてください」といった聞き方です。
やりとりの記録を残す
修正のやりとりは、チャットではなく記録が残る形にまとめ直します。指示の日付、内容、対応の可否、対応した日付。表形式で管理し、案件終了時に一緒に渡すと信頼につながります。
揉めたときにこの記録があるかどうかで、結論がまったく変わります。記録がなければ「言った・言わない」になり、立場の弱い側が折れることになります。
指示の受け取り方と版の管理
条件を書面にしても、指示が届く経路がばらばらだと運用は崩れます。受け取り方の型を先に決めます。
窓口と経路を一本化する
メール、チャット、電話、打ち合わせの口頭。経路が複数あると、どこかの指示が抜けます。抜けた指示は「対応してもらえなかった」という記憶だけが残り、信用を落とします。
着手前に「修正のご連絡はこちらにまとめてお送りください」と経路を一つ指定します。他の経路で届いた場合も、こちらで指定の経路に転記し、「この内容で受け付けました」と返します。記録の置き場所を一つに寄せておけば、後から履歴をたどれます。
依頼者側の担当者が複数いる場合は、指示を取りまとめる人を決めてもらいます。二人から反対の指示が届く状態は、作業者の判断では解決できません。取りまとめ役が決まらない案件では、届いた指示の矛盾点を並べて返し、社内で結論を出してもらってから着手します。
指示票に入れる項目
指示を受け取る書式を用意しておくと、往復が減ります。入れる項目は、対象の箇所、現状、どう変えたいか、そう考えた理由、優先度の五つです。
効くのは理由の欄です。「見出しを大きく」という指示の裏に「スマートフォンで読みにくい」という事情があるなら、文字サイズ以外の解決策も出せます。理由が書かれていれば、指示の字面ではなく目的に沿った直し方を選べます。
優先度の欄は、枠を超えそうなときに使います。全部は入らないと分かった時点で、優先度の低いものを次の枠に送る相談ができます。優先度が付いていないと、この相談ができず、全件を無理に押し込むか、全件を断るかの二択になります。
版数を付けて、どの版への指示かを確認する
修正が二往復を超えると、依頼者がどの版を見て指示しているのかがずれ始めます。古いファイルを開いたまま指摘が届くこともあります。
ファイル名に版数と日付を入れ、共有時に「今回ご確認いただくのは第2版です」と明記します。指示が届いたら、それがどの版に対するものかを確認してから着手します。すでに直してある箇所への指摘なら、対応済みである旨と該当箇所を返すだけで一件減ります。
修正を減らすための前工程
修正回数の設計は防御策です。攻めの手は、そもそも修正が出にくい進め方をすることです。
打ち合わせで確定させる項目を決めておく
最初の打ち合わせで、確定させる項目を先にリスト化しておきます。目的、ターゲット、訴求の優先順位、避けたい表現、参考にしたい事例、決裁者は誰か、公開日。とくに最後の二つが重要です。
決裁者が打ち合わせに出ていない案件は、高い確率で後から方針が覆ります。担当者と合意した内容が、上長の一言で戻る。これを防ぐには、着手前に「最終的にご判断されるのはどなたでしょうか」と確認し、可能なら初回の合意にその人を巻き込みます。
参考事例を先に見せる
言葉だけで方向性をすり合わせるのは無理があります。「シンプルに」「かっこよく」「今っぽく」という言葉は、人によって指すものが違うからです。
着手前に、方向性の異なる参考事例を3点ほど並べて、どれが近いかを選んでもらいます。選んでもらうだけなら依頼者の負担は小さく、しかも認識のずれは大幅に減ります。この一手間が、後の修正2回分を消すことは珍しくありません。
中間の共有を挟む
完成してから見せると、方針レベルの差し戻しが起きます。粗い段階で一度見せると、方針のずれを早く発見できます。粗い段階のものを見せるのは気が引けますが、完成品を作り直すコストと比べれば軽い。
中間共有の際は「この段階では配色と文言は仮です。構成の方向性だけご確認ください」と、見てほしい観点を限定して伝えます。限定しないと、仮の部分に指摘が集中して時間を浪費します。
修正が多くなりやすい案件の見分け方
すべての案件が同じ条件でよいわけではありません。着手前の段階で、修正が膨らみやすい兆候はいくつか読み取れます。兆候が見えたら、回数の設定を厳しめにするか、進め方そのものを変えます。
依頼内容が形容詞で語られている
「もっと今っぽく」「もう少し高級感を」「なんとなく物足りない」という言葉が最初の説明の中心を占めている場合、判断基準が言語化されていません。この状態で作ると、出したものに対して感覚で反応が返り、着地点が見つからないまま往復が続きます。
対処は、判断基準を数値と事実に置き換えることです。誰に向けたものか、どの媒体に載るのか、何をしてほしいのか。この三つを文章にして共有し、承認をもらいます。感覚の言葉が出たときは、「その方向でいくと、こういう見せ方になります」と具体例に置き換えて確認します。
社内に決まった意思決定の場がない
依頼者側で誰が決めるのかがはっきりしない案件は、修正が増えます。担当者が持ち帰るたびに新しい意見が加わり、以前の合意が上書きされるからです。
着手前に、決裁の流れを聞いておきます。「社内でご確認いただく際、どなたまで回覧されますか」と聞くだけで、後の展開が予測できます。回覧先が多い場合は、中間共有の回数を増やし、方針の段階で関係者の目を通してもらう進め方に切り替えます。
前任者や前の制作会社との経緯がある
引き継ぎ案件では、前の制作物への不満が判断基準になっていることがあります。この場合、依頼者は「前と違うこと」を求めますが、何がよくなかったのかを言語化できていないことが多い。
着手前に、前の成果物のどこに不満があったのかを具体的に聞き出します。速度なのか、見た目なのか、成果が出なかったことなのか。不満の中身が分かれば、避けるべき方向が定まり、無駄な往復が減ります。
Webマーケティングに限らず、成果物の評価軸が主観に寄りやすい分野では同じ問題が起きます。音や映像のように評価が感覚に依存する領域、たとえば作曲・編曲・効果音・ジングルのお仕事のような分野でも、着手前に参考事例で方向性をそろえる手順が定着しています。分野をまたいで通用する型だと考えてよいものです。
運用型の業務で「修正」をどう数えるか
Webマーケティングでは、制作物を納めて終わりではなく、公開後の数値を見ながら調整を続ける業務が多くあります。この形の業務には、制作案件と同じ数え方が使えません。
改善のための変更と、指示による差し戻しを分ける
配信結果を見て、こちら側の判断で見出しや画像を差し替えるのは業務そのものです。回数に数えるものではありません。一方、依頼者の意向で表現を元に戻す、別案を作るといった依頼は、作業の追加にあたります。
契約の文面では、「運用上の最適化として当方が行う変更は回数に含まない」「ご依頼にもとづく制作物の変更は所定の枠内で対応する」と分けて書きます。この二つを混ぜると、成果を出すための改善に手を出しにくくなり、業務の目的そのものが損なわれます。
定例の場を置いて、指示を集約する
運用型の業務では、日々思いついたことが断続的に届きます。都度対応していると作業が細切れになり、集中を要する分析や設計の時間が失われます。
週ごとまたは月ごとに確認の場を設け、そこで次の期間の変更内容を決める形にします。表示の不具合、誤記、法令や広告媒体の規定に関わる表現だけを随時対応と定義し、それ以外は定例で扱う。この区分を最初に共有しておけば、随時の依頼が届いたときにも「次回の定例であわせてご相談させてください」と返せます。
修正対応を「保守」として設計し直す
単発の制作案件として修正回数を切る以外に、もう一つの選択肢があります。継続的な修正を前提に、月ごとの保守として設計する方法です。
単発と保守で、条件の作り方が変わる
単発の制作では、納品が終点なので回数制限が意味を持ちます。一方、公開後も更新が続くサイトや、広告運用のように継続的な調整が前提の業務では、回数で区切ること自体が実態に合いません。
継続前提の業務では、回数ではなく時間か作業量で枠を決めます。月あたりの対応時間の目安、対応する業務の種類、緊急対応の扱い、連絡可能な時間帯。この四つを決めると運用できます。
継続契約に切り替える提案の仕方
単発で受けた案件に修正依頼が続く場合、その状態を放置すると無償の作業が積み上がります。かといって、一件ごとに追加見積もりを出すのは双方にとって煩雑です。
このときの提案は、「今後も定期的にご要望が発生しそうですので、月ごとの保守という形にまとめませんか」という切り出し方になります。依頼者にとっては、都度の見積もり承認が不要になり、予算も読めるようになります。制作側にとっては、収入が安定し、細かな依頼に一つずつ交渉する負担が消えます。
制作会社の側でも、迅速な対応そのものを価値として位置づける考え方が示されています。
「お客さまに届きやすいホームページ」が集客に繋がるとクリエイトアコードは信じています。 そのため、お客さまからのご報告・ご相談に対して、WebマーケティングやSEO、ホームページなどの専門的視点を活かし、迅速な修正対応でホームページを最適な状態に保つサポートを行っています。 出典: create-accord.com
修正対応を「面倒な後始末」ではなく「サイトを良い状態に保つ業務」として位置づけ直すと、条件の話もしやすくなります。値切られる対象ではなく、継続的に価値を出す業務として扱えるからです。
保守の範囲外を明示する
保守契約にしても、範囲の定義は必要です。含まれるのはテキストと画像の差し替え、既存ページの部分修正、動作確認と不具合対応。含まれないのは、新規ページの制作、デザインの刷新、システムの追加開発、他社ツールの導入作業。
この線引きを最初に文書で渡しておくと、月の途中で大きな依頼が来たときにも、断らずに「これは範囲外なので別途お見積もりします」と自然に返せます。
揉めてしまったときの考え方
条件を決めていても、行き違いは起こります。そのときにどう振る舞うかで、その後の関係が決まります。
まず、感情の応酬にしないことです。「契約書にこう書いてあります」と正面から突きつけるのは、法的には正しくても関係を壊します。先に事実の整理を示し、そのうえで条件に触れる順序にします。
次に、こちらの説明不足がなかったかを確認します。回数の条件を伝えたのが見積書の隅の一行だけだった、着手前の説明では触れなかった、という状況なら、相手が把握していなくても無理はありません。伝え方の問題であれば、そこは譲る判断もあります。
最後に、同じ問題を繰り返さないための修正を、自分の契約書と説明手順に反映します。トラブルは、条件設計の穴を教えてくれる情報でもあります。実際、契約書の条項は一度作って終わりではなく、案件を重ねるたびに追記されていくものです。受付期限の一行も、検収みなしの一行も、たいていは一度痛い目を見た人が足したものです。
どうしても折り合わない場合は、これ以上の対応範囲と、そこまでで一度区切ることを、感情を交えずに文面で提示します。書面で示された条件は、担当者が社内で説明する材料にもなります。口頭で押し切ろうとするより、相手が上長に見せられる形で出したほうが、話は早く収束します。
案件によっては、契約条件よりも取引形態そのものを見直したほうが早い場合もあります。海外の取引先や、円建て以外の報酬で仕事をする選択肢を含めて考えるなら、円安時代に海外案件で稼ぐ|ドル建て報酬のフリーランス案件の探し方のような視点も参考になります。
市場を長く見てきた立場からの観察
在宅ワークと業務委託の市場を20年見てきた運営者の視点で言うと、修正で消耗している人と、そうでない人の差は、技術力ではありません。着手前にどれだけ言葉を尽くしているかの差です。
長く続いている人ほど、作業の前の説明に時間を使っています。何を修正と呼ぶか、どこで確定させるか、いつまで受け付けるか。この説明は面倒に見えますが、依頼者にとっても親切な情報です。段取りが明示されている相手には、依頼側も安心して任せられる。「この人に任せると自分の管理の手間が減る」という評価が積み重なり、継続の依頼につながっていきます。
もう一つ、取引の構造の話をしておきます。仲介を挟む取引では、依頼者が支払った金額から一定割合が中間で差し引かれます。同じ予算でも、手数料0%の直接取引なら、依頼側は同じ費用でより多くの作業を頼めますし、受け手の手取りは厚くなります。運営者として見てきた限りでは、直接取引の関係になっている人ほど、修正の条件についても率直に話しています。仲介越しでは伝わりにくい細かな段取りを、直接やりとりして詰められるからです。修正回数の交渉は、条件闘争ではなく、進め方の共有だという性質を持っています。
Webマーケティングの領域は、広告運用、SEO、SNS運用、データ分析と隣接分野が広く、担当範囲の定義そのものが揺れやすい分野です。AI・マーケティング・セキュリティのお仕事で扱われている職種の広がりを見ると、同じ肩書きでも案件によって業務内容が大きく違うことが分かります。だからこそ、修正の定義を含めた業務範囲の書面化が、この分野では特に効きます。
働き方の設計を長い時間軸で考えるなら、独立後の収入構造そのものを見直す視点も必要になります。Webマーケティング フリーランスで海外ノマド!年収、スキル、成功への道では、この分野で独立した場合の働き方が整理されています。修正対応の条件設計は、目の前の案件を守る技術であると同時に、長く続けるための土台でもあります。
よくある質問
Q. 修正回数は何回に設定するのが一般的ですか?
案件の規模によりますが、工程ごとに割り当てる方法が扱いやすいです。構成の段階で2回、デザインの段階で2回、実装後に1回といった配分にすると、後戻りを防げます。総回数だけを決めると上流の合意が甘くなり、下流で大きな差し戻しが起きます。上流ほど厚く、下流ほど薄く配分するのが基本の考え方です。
Q. 誤字や表示崩れの直しも修正回数に含めますか?
含めません。作業者側の不備による修補は無償で対応し、回数には数えないのが筋です。契約書に「成果物の瑕疵の修補は修正回数に含まない」と明記しておくと、依頼者の警戒心が下がります。ただし表示崩れについては、対応するブラウザや画面幅の範囲を先に決めておかないと、保証範囲が無限に広がるので注意が必要です。
Q. 上限を超える修正依頼が来たらどう返せばよいですか?
断るのではなく、条件を提示します。「所定の回数を超える修正が必要な場合は、内容を確認のうえ追加のお見積もりとスケジュールをご提示します」という形が現実的です。あわせて、届いた指示を瑕疵の修補、表現の調整、方針の変更に仕分けて内訳を示すと、依頼者は納得しやすくなります。
Q. チャットで少しずつ届く指示は1回と数えてよいですか?
事前に定義しておく必要があります。運用としては「修正指示は一覧にまとめて1回でお送りください。それを1回分として扱います」と決めるのが現実的です。断片的に届く場合は、こちらで一覧に転記し、「この内容で1回分として着手します」と返す方法も有効で、指示の解釈違いを潰せます。
Q. 納品後しばらく経ってから修正を求められた場合はどうしますか?
見積書に修正依頼の受付期限を入れていなかったことが原因なので、次回から必ず記載します。目安は納品から14日以内です。あわせて検収の条項も入れ、「納品データ送付後7日以内に検収の可否をご連絡ください。ご連絡がない場合は検収完了とみなします」と定めておくと、区切りが明確になります。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
丸山 桃子@SOHO編集部
アパレルEC運営支援・SNSコンサル
アパレル企業でMD・ECバイヤーとして勤務後、フリーランスに独立。アパレルブランドのEC運営支援・SNS運用を手がけ、ファッション・EC系の記事を執筆しています。
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