占術レクチャーの修正を何回まで受けるか|先に決めておく


この記事のポイント
- ✓占術レクチャーの修正対応は
- ✓回数と範囲を先に決めておかないと終わりません
- ✓誤りの訂正と仕様変更の切り分け
占術レクチャーの仕事を受けたあと、いちばん揉めるのが修正対応です。タロットや占星術の講座資料を作る、鑑定の読み方を教える動画を収録する、受講者向けのテキストを書き下ろす。どれも納品して終わりではなく、そこから「もう少しこうしてほしい」が始まります。その「もう少し」に終わりがないまま作業を続けてしまい、気づけば当初の想定を大きく超えて時間を使っていた、という相談は本当に多いです。
結論から書きます。修正対応は、回数を決めるより先に範囲を決めてください。回数だけを決めても、1回にどれだけ詰め込まれても文句が言えない状態になります。範囲を定義したうえで回数を置き、依頼の出し方と期限を決める。この3点セットを着手前に文章にしておくと、修正のやり取りは驚くほど静かになります。この記事では、占術レクチャーという仕事の性質に沿って、その決め方を具体的に整理します。
占術レクチャーの仕事で、修正が起きる場面を分解する
まず、どこで直しが発生するのかを場面ごとに見ます。場面によって、直しの重さも、防ぎ方も違うからです。
講座テキストや教材の修正
もっとも件数が多いのがここです。カードの意味の解説文、ハウスやアスペクトの説明、演習問題の例題。文章量が多いぶん、直しの指摘も細かく多くなります。「この表現だと初心者には難しい」「例が抽象的すぎる」といった読み手目線の指摘は妥当なものが多く、受ける側としても直す価値があります。問題は、この種の指摘に上限がないことです。文章は、読み返すたびに直したい箇所が出てきます。依頼者に悪気がなくても、往復が5回、6回と続きます。
カリキュラムや講座構成の修正
全何回の講座にするか、どの順番で教えるか、初回に何を持ってこさせるか。この骨組みの部分は、作業量に対して直しの影響が最も大きい箇所です。第3回の内容を入れ替えると、前後の回の説明もつながらなくなり、結果として教材全体を書き直すことになります。構成の変更は、見た目には一言の指摘でも、実作業は最初からやり直しに近くなります。ここを「修正1回」として数えてしまうと、割に合いません。
収録した動画や音声の修正
オンライン講座の形で納品する場合、収録後の直しは物理的に重くなります。冒頭のあいさつを変えたいという指摘ひとつで、その回全体を録り直すことになる場合があります。編集で対応できる範囲と、再収録が必要な範囲は、作業量が桁違いです。ここも切り分けを事前に伝えていないと、依頼者は同じ「ちょっとした修正」だと思って言ってきます。
鑑定文や添削課題の修正
受講者に返す鑑定文の見本を作る仕事、あるいは受講者の提出物を添削する仕事では、依頼者の流派や解釈と食い違うことがあります。占術は流派によって読み方が違うので、これは技術の優劣ではなく、どちらに合わせるかという話です。着手前に、どの流派、どの教本の解釈に寄せるかを確認していないと、納品後にまるごと書き換えることになります。
回数を決めずに始めると、何が起きるか
決めなかった場合の帰結を先に見ておきます。ここを理解しておくと、事前に決める作業を後回しにしなくなります。
直しが終わらない構造ができる
修正の上限がない状態は、依頼者にとっても実は困った状態です。どこまで頼んでよいか分からないので、思いついたことを都度送ってきます。送るほうにコストがないので、思いつきの頻度が上がります。受ける側は都度対応するため作業が細切れになり、まとまった時間が取れなくなります。これ、知らない人が本当に多いのですが、上限を決めることは断るためではなく、依頼者に「ここまでにまとめて出そう」という枠を渡すための仕組みです。
感覚が違うという理由に、対処できなくなる
占術の分野で特に多いのが、「言葉の雰囲気が違う」「もっと寄り添う感じにしてほしい」という抽象的な指摘です。技術的な誤りとは違い、どこを直せば合格なのかが分かりません。範囲の定義がないと、この指摘に何度でも付き合うことになります。対処法は、抽象的な指摘を受けたら必ず具体化してもらうことです。合格例を1つ出してもらう、あるいはNGの表現を挙げてもらう。この一手間で、往復の回数は明確に減ります。
単発のはずが、無償の伴走に変わる
納品後も相談に乗り続ける形になると、当初の合意とは別の仕事が始まります。受講者から質問が来たので答えてほしい、来期の内容も相談したい、といった依頼が修正の延長で入ってくるケースです。関係が良好だからこそ断りにくくなりますが、線を引かないままだと、次に正式に発注する理由が相手から消えてしまいます。無償で続く関係は、双方にとって続きません。
修正を3つに切り分ける
ここが本題です。修正という言葉をひとまとめにせず、3つに分けます。この切り分けを合意しておくと、回数の数え方で揉めなくなります。
誤りの訂正は、回数に数えない
誤字脱字、事実の誤り、指示した内容と違う納品物。これらは受けた側の責任なので、回数に含めず無償で直します。占術レクチャーの文脈でいえば、カードの正位置と逆位置を取り違えている、惑星の記号が違う、指定した回数と違う構成になっている、といったものです。ここを回数に含めると、依頼者からの信頼を失います。無条件で直すと明記しておくほうが、結果として信用が上がります。
指示範囲内の修正が、回数の対象になる
当初の指示に沿って作ったうえで、依頼者の好みや読み手への配慮から表現や順番を変えるもの。これが回数を数える対象です。「この説明をもう少しやさしく」「例題を別のものに差し替えたい」「この節を前に持ってきたい」といった指摘が該当します。ここに回数の上限を設けます。
仕様変更は、別の見積もりにする
当初の指示になかった要素を足す、成果物の量や形式を変える、構成の骨組みを組み替える。これは修正ではなく、新しい作業です。全6回の講座を全8回に増やしたい、テキストだけの納品に動画を追加したい、扱う占術をタロットから西洋占星術に変えたい。こうした依頼は、修正の回数とは別に見積もりを出します。つまり、追加料金の話をするのではなく、そもそも別の依頼として扱うということです。この整理を先に伝えておけば、追加費用の話が突然の値上げに聞こえなくなります。
何回にするか、決め方の基準
上限の数字は、成果物の性質から逆算します。一律に決めるものではありません。
成果物の性質で変える
文章中心の教材なら、初稿への修正と、その反映後の確認で合計2回が基本形になります。文章は往復のコストが低いので、回数を多く取る必要がありません。一方、動画や音声を含む場合は、編集での対応を含めて1回に絞り、再収録が必要な変更は仕様変更として扱うのが現実的です。作業量の重い成果物ほど、回数は少なく、範囲は厳しく設定します。
相手の意思決定者の人数で変える
依頼者が個人の占い師なのか、スクールを運営する法人なのかで、修正の出方が変わります。法人の場合、担当者、講師陣、監修者と、意見を出す人が複数いることがあります。人数が増えるほど、後出しの指摘が増えます。この場合は回数を増やすより、「修正依頼は関係者の意見をまとめて1通で送ってください」と依頼の形を指定するほうが有効です。バラバラに届いた指摘に個別対応すると、矛盾した指示で作業が往復します。
納品形式で変える
編集可能な形式で納品するか、確定形式で納品するかでも変わります。編集可能な形で渡す場合、依頼者側で直せる部分は自分で直してもらえるので、修正の依頼自体が減ります。ただし、直した結果の責任範囲があいまいになるので、納品後に依頼者が編集した部分についてはこちらの責任外だと書き添えておきます。
事前に文章にしておく項目
口頭やチャットの流れで決めるのではなく、着手前に文章にします。契約書の形でなくても、メッセージに条件をまとめて送り、了承の返事をもらえば記録になります。
修正の回数と、数え方の定義
「修正は2回まで」だけでは足りません。「誤りの訂正は回数に含まない」「構成の変更は仕様変更として別途お見積もり」「1回の修正依頼はまとめて1通でお送りください」まで書きます。数え方を書かない回数制限は、必ず解釈で揉めます。
修正依頼の期限
納品後いつまで受け付けるかを決めます。目安として、納品から14日を過ぎた依頼は別案件として扱う、といった形です。期限がないと、半年後に「あの教材、少し直したい」と連絡が来ます。そのときに断りにくくなるのは、期限を決めていなかった側の問題になってしまいます。
依頼の方法と、記録の残り方
どこに送ってもらうかを1本に決めます。チャット、メール、共有ドキュメントのコメント欄が混在すると、対応漏れが起きます。漏れは信用を直接損ないます。連絡経路を1つに絞り、そこに来たものだけを正式な依頼として扱うと明示します。
支払いのタイミング
修正の途中で支払いが止まると、作業を続ける根拠が弱くなります。報酬の支払期日については、発注者側に法律上の義務が定められています。物品や役務を受け取った日から起算して60日以内のできる限り短い期間内に支払期日を定めることが求められており、修正対応が長引いていることは支払いを遅らせる理由にはなりません。制度の詳細は公正取引委員会の案内で確認できます。念のため書き添えますが、個別の契約で不利益な扱いを受けている場合は、早めに専門家に相談してください。
修正のやり取りを、記録として残す
修正の履歴を残す習慣は、揉め事の予防だけでなく、次の仕事の質も上げます。何を直したかを一覧にして残しておくと、同じ指摘を繰り返さずに済みます。参考になるのが、占い系のアプリが公開している更新履歴の書き方です。
v2.12.1 体験改善:AI問占がより快適に。レポートとチャットの行き来、リストのスクロール、レポート選択と検索を改善。毎日一卦は卦象の四層解読と吉凶バッジに対応。風水羅盤はコンパスの動きがより滑らかに、水準器も安定。小六壬レポートが保存後に重複生成される問題を修正しました。 出典: apps.apple.com
注目したいのは、改善したことと、不具合を直したことが分けて書かれている点です。修正対応でも同じ形が使えます。依頼を受けて変えた箇所と、こちらの誤りを直した箇所を分けて報告すると、回数の数え方が自然に共有されます。報告の文面がそのまま記録になり、後から「あれは何回目だったか」で揉めることがなくなります。
書面や報告文の作法に不安がある人は、社外文書の基本を体系的に扱うビジネス文書検定の出題範囲を確認しておくと、押さえるべき項目が整理できます。占術の技術とは別に、やり取りの文章の質が仕事の継続を左右します。
条件を伝える1通の書き方
条件を決めても、伝え方が硬すぎると相手が身構えます。実務では、進め方の説明として自然に書くのが通りやすいです。構成としては、工程、確認の点、修正の扱い、期限の順に並べます。
工程の説明では、構成案の提出、初稿の提出、修正の反映、最終納品という流れを先に見せます。次に、構成案の段階で一度確認をお願いしたい旨を書きます。ここで止めることが、あとの大きな作り直しを防ぐと添えると、依頼者にも利点が伝わります。
修正の扱いは、3行で書けます。1行目に、誤りや指示との相違はいつでも無償で直すこと。2行目に、表現や順番の調整は初稿後に何回まで受けること。3行目に、回数や構成の変更にあたる内容は別途あらためて見積もること。この3行が入っていれば、あとで解釈が割れる余地はほぼ消えます。
最後に、修正のご依頼はこの連絡先にまとめてお送りください、納品後いつまでを目安にお願いします、と書きます。全体で10行に満たない分量です。この1通を送って了承の返事をもらう作業が、修正対応で消耗する時間をいちばん減らします。着手前の数分で済む作業なので、面倒に感じても必ず入れてください。
扱う占術によって、修正の出方は変わる
同じ占術レクチャーでも、扱う体系によって直しの出やすい箇所が違います。事前に予測しておくと、確認しておくべき点が絞れます。
タロットやオラクルカード
カードの解釈は、使うデッキと参照する教本で変わります。同じカードでも、依頼者が拠り所にしている本と、こちらが学んだ体系で意味の重心が違うことがあります。着手前に、どのデッキを前提にするか、参照する書籍や講師の系統があるかを確認します。ここを合わせておかないと、内容そのものを書き直す修正が出ます。逆位置を扱うか扱わないかも、初めに決めておくべき項目です。
西洋占星術
用語と記号の表記が最大の火種になります。ハウスの表記、アスペクトの許容度の設定、天体の日本語名。さらに、どのハウスシステムを使うかで説明が変わります。教材の中で計算例を出す場合は、使用するソフトや算出の前提もそろえます。数値や図が絡む教材は、あとから前提が変わると全部作り直しになるので、構成案の段階で必ず確認します。
東洋系の占術
四柱推命や紫微斗数のような体系は、流派による差が大きい分野です。立春を年の切り替えとするか、蔵干の取り方をどうするか。ここは正解がひとつではないため、依頼者の流派に合わせるという合意を先に取ります。合意なしに一般的な説明を書くと、監修者の確認段階で全面的な指摘が入ります。
依頼者のタイプ別に、決めておくこと
相手によって、修正の出方も、条件の伝え方も変えます。
個人で活動する占い師からの依頼
決定が早い代わりに、思いつきでの追加が出やすい傾向があります。関係が近くなりやすいぶん、条件の話をしづらくなりがちですが、むしろ最初に決めておくほうが関係は長続きします。伝え方としては、堅い文面より、進め方の説明として自然に混ぜるのが向いています。「構成案の段階で一度確認をいただき、その後の修正は2回まででお願いしています」といった書き方です。
スクールや教室の運営者からの依頼
意見を出す人が複数いるため、後出しの指摘が増えます。ここでは回数より、依頼のまとめ方を指定するのが効きます。窓口を1人に決めてもらい、関係者の意見を集約したうえで送ってもらう形にします。加えて、監修者がいるかどうかを必ず確認します。監修が入る案件は、確認の工程を最初から工程表に入れておかないと、納品後に大きな指摘が来ます。
企業のコンテンツ担当者からの依頼
占いを扱うメディアやアプリの運営会社が発注するケースです。この場合、社内の校閲や法務の確認が入ることがあり、表現の修正が出ます。断定的な表現を避けてほしい、健康や金銭に関する記述に条件を付けてほしいといった指摘は、担当者の好みではなく社内基準です。これは仕様として先に共有してもらうべき情報なので、着手前に「表現上の禁止事項や社内ガイドラインはありますか」と聞いておきます。
受講者からの反応を、どう扱うか
納品後に、受講者からの感想や質問が依頼者経由で回ってくることがあります。これを修正依頼として受けるかどうかも、先に決めておきます。
受講者の反応は、教材の質を上げる材料としては価値があります。ただし、それに応じて内容を作り替える作業は、当初の依頼には含まれていません。ここは、フィードバックの共有はありがたく受け取り、内容の改訂は別の依頼として扱う、と切り分けます。実際に改訂を受けることになったときは、改訂版として別に見積もりを出します。教材は継続的に更新されるものなので、この形にしておくと、次年度の改訂が定期的な仕事につながります。
上限を超えたときの伝え方
回数を決めていても、超える場面は来ます。そのときに関係を壊さない伝え方があります。
断らずに、条件を出す
「もうできません」ではなく、「この内容は当初の範囲を超えるので、別途お見積もりします」と伝えます。断りではなく条件の提示にすると、相手は判断できます。多くの場合、依頼者は費用がかかると分かった時点で、本当に必要な直しだけに絞ってきます。上限は、依頼者に優先順位をつけてもらうための道具として機能します。
事実を並べて、感情を入れない
何回目の依頼か、当初の合意はどうだったか、今回の依頼はどの分類に当たるか。この3点だけを淡々と書きます。「何度も言っていますが」のような言葉は入れません。記録に残る文章なので、後から読み返したときに冷静に読めるかどうかを基準にします。
次の依頼につなげる一文を添える
「今回の内容は別案件として承れます。ご希望であれば納期と条件をお送りします」と書き添えます。断った印象で終わらせず、次の入口を残します。継続で仕事を受けている人ほど、この一文を必ず入れています。
そもそも修正が減る、納品の仕方
上限の設定は防御ですが、根本的には修正が出にくい作り方をするほうが効きます。
途中に確認の点を作る
完成品を一度に出すのではなく、構成案の段階で一度確認を取ります。占術レクチャーであれば、扱う占術の範囲、各回のテーマ、受講者の想定レベル、参照する教本や流派。この4点を先に合意しておくと、完成後の大きな作り直しがほぼ消えます。構成の段階での直しは、文章にすれば数行の作業です。完成後の直しとは重さがまったく違います。
見本を先に1つ出す
全体を書く前に、1節分だけ書いて見せます。文体、説明の細かさ、例の出し方が合っているかを確認できます。この見本での合意は、あとで表現の好みが理由の修正が出たときの基準にもなります。
用語と表記をそろえる
占術は表記のゆれが多い分野です。カード名の日本語表記、星の名称、専門用語の漢字とカタカナの使い分け。着手前に一覧を作り、依頼者に確認してもらいます。表記ゆれの指摘は件数が多くなりやすく、しかも防げる種類の修正です。
修正依頼が届いてからの手順
依頼が来るたびにその場で判断していると、対応が場当たりになります。受け取ってから返すまでの流れを決めておくと、迷う時間がなくなり、記録も自然に残ります。
まず受領だけを返す
依頼が届いたら、中身を検討する前に、受け取ったことと回答の期日だけを返します。占術レクチャーの依頼者は、講座の開講日や受講者への告知の予定を抱えていることが多く、返事がない時間そのものが不安になります。内容の返事は後でよいので、受領の一行を先に送ります。
分類して番号を振る
1通の連絡に複数の指摘が並んでいることがほとんどです。届いた文章のまま返信せず、指摘を1件ずつに割って番号を振ります。番号ごとに、誤りの訂正か、指示範囲内の修正か、仕様変更かを書き添えます。まとめて「対応します」と答えてしまうと、あとで何件分の作業だったのかを説明できなくなります。
判断を書いてから着手する
番号ごとに、対応するかどうか、着手できる時期、完了の見込みを一行ずつ書いて先に送ります。仕様変更に当たるものには、別途の見積もりの対象になる旨をその場で書きます。あとから持ち出すと交渉に見えますが、その場で書けば、着手前に決めておいた運用どおりの処理になります。
完了の連絡も番号で返す
直し終わったら、番号ごとに何をどう変えたかを一行で書きます。「ご指摘の点はすべて直しました」で済ませると、依頼者は自分で照合する手間を負い、確認の往復がかえって増えます。番号で返せば、その連絡がそのまま履歴になり、残りの回数も共有できます。
条件を書き込むときの文言
決めた内容を実際にどう書くかを見ておきます。硬い契約文ではなく、進め方の説明として書ける形を用意しておくと、送るときの心理的な負担が下がります。
修正の扱いは、3つの文で足ります。「ご指示の内容との相違や誤記は、回数に含めず無償で修正いたします」「表現や構成の調整は、初稿のご確認後に2回までを目安にお願いしております」「講座の回数や納品形式の変更にあたるご希望は、あらためてお見積もりいたします」。この3つを並べておけば、あとで解釈が割れる余地はほとんど残りません。
依頼の出し方については、「ご修正のご依頼は、関係の方のご意見をおまとめのうえ1通でお送りください」「こちらの窓口にいただいたご連絡を、正式なご依頼として扱います」と書きます。窓口を書かずに送ると、チャットとメールに指摘が散り、対応漏れが起きます。
期限については、「ご確認とご修正のご依頼は、納品から2週間を目安にお願いしております」と添えます。あわせて、期限を過ぎた依頼は断るのではなく、別の依頼として受けられることも書いておきます。断りではなく受け口として示すほうが、次の相談につながります。
これらの文言は案件ごとに書き直す必要はありません。一度作って手元に残し、成果物の種類に応じて回数と期限の数字だけを差し替えます。教材の分量が多い案件では期限を長めに、収録を含む案件では回数を少なめに置くのが実務の目安になります。
依頼者が確認しやすい形で渡す
初稿を渡すときの形も、修正の件数に影響します。文書をそのまま送るだけでなく、どこを見てほしいかを3点ほど添えます。「用語の表記がご指定と合っているか」「演習の難易度が受講者の想定に合っているか」「各回の分量が講座の時間に収まるか」といった具合です。見る観点を指定しないと、依頼者は目についた箇所から順に指摘するため、重要でない直しが先に来ます。
あわせて、確認をお願いしたい期日も書き添えます。期日がないと確認そのものが後回しになり、こちらの作業が止まった時間が、あとから納期の遅れとして扱われます。確認の期日を書いておけば、遅れの経緯を事実として説明できます。
現場を長く見てきた立場からの観察
フリーランスと在宅ワークの市場を20年見てきた立場から言うと、修正対応で消耗している人と、そうでない人の差は、技術ではなく最初の1通にあります。着手前に条件を送っている人は、その後の往復が短い。送っていない人は、良い仕事をしていても揉めます。占術のように、成果物の良し悪しに主観が入りやすい分野ほど、この差が開きます。
もうひとつ見えてくるのは、条件を明示する人のほうが継続で選ばれているという事実です。依頼する側からすると、条件が書かれている相手は予算と工程を組み立てやすい。逆に、何でも受けてくれる相手は、頼みやすいようでいて社内の説明がしづらいのです。線を引くことは、取引を狭めるのではなく、次の発注をしやすくする行為だと考えてください。
手取りの話も添えておきます。継続で受ける仕事は、月ごとに積み上がる構造をしています。そこに仲介の手数料が乗るかどうかは、年間で見ると小さくない差になります。手数料0%で直接やり取りできる場が選ばれているのは、同じ予算で依頼側はより多く頼めて、受ける側は手取りが厚くなるからです。修正対応の条件を自分で決められるのも、間に立つ仕組みの制約が少ない直接契約のほうが動きやすい部分があります。
占術を教える仕事は、海外の受講者を相手にする形にも広がっています。言語や時差の条件が加わると、修正のやり取りはさらに往復しにくくなるため、条件の明文化はより重要になります。海外案件の進め方についてはUpworkの使い方ガイド|日本人フリーランスが海外案件を取る方法が参考になります。また、教える仕事は年齢を重ねてからのほうが説得力が増す分野でもあり、定年後のフリーランス独立|退職金を活かした起業プランと注意点で扱われているように、長い経験がそのまま強みになります。文章を書いて教える仕事全般の相場観をつかみたい場合は、著述家,記者,編集者の年収・単価相場のような職種別のデータを見ておくと、条件を提示するときの基準が持てます。
よくある質問
Q. 占術レクチャーの修正は何回までにするのが一般的ですか?
成果物の形で変わります。文章中心の教材なら、初稿への修正と反映後の確認で2回が基本形です。動画や音声を含む場合は編集での対応を1回に絞り、再収録が必要な変更は仕様変更として別に扱うのが現実的です。回数だけを決めても揉めるので、誤りの訂正は数えない、構成の変更は別見積もりにする、という数え方の定義を必ずあわせて決めてください。
Q. 「イメージと違う」という理由の修正には応じる必要がありますか?
指示どおりに作っているなら、無条件で応じる義務はありません。ただし断る前に、具体化を求めてください。合格例を1つ挙げてもらう、避けたい表現を挙げてもらうといった形です。抽象的な指摘のまま直すと何度も往復します。着手前に見本を1節分出して合意しておくと、この種の指摘そのものが起きにくくなります。
Q. 修正の途中で報酬の支払いを止められた場合はどうなりますか?
発注者には、成果物を受け取った日から60日以内のできる限り短い期間内に支払期日を定める義務があります。修正対応が続いていることは、支払いを遅らせる正当な理由になりません。まずは受領日と合意した支払期日を記録から確認し、書面やメッセージで支払期日を確認してください。解決しない場合は公的な相談窓口や弁護士への相談を検討してください。
Q. 修正依頼の受付期限は設けたほうがよいですか?
設けてください。納品から14日程度を目安に、それを過ぎた依頼は別案件として扱うと伝えておきます。期限がないと、数か月後に連絡が来たときに断る根拠がなくなります。期限は依頼者を縛るためではなく、双方が案件をいつ終わりとみなすかを合わせるためのものです。着手前の条件提示にあわせて1行入れておけば足ります。
Q. 構成の作り直しを求められたら、追加料金を請求してよいですか?
講座の回数を増やす、テーマを入れ替える、扱う占術そのものを変えるといった依頼は、修正ではなく新しい作業です。追加料金という言い方より、別の依頼として見積もりを出す形にすると伝わりやすくなります。ただし、この扱いは着手前に合意していないと後出しに見えます。条件を送る段階で、仕様変更は別見積もりになると書いておいてください。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
長谷川 奈津@SOHO編集部
行政書士・元企業法務
企業法務で数多くのフリーランス契約を扱った経験を活かし、フリーランス向けの法律・契約・権利に関する記事を執筆。「法律はあなたの味方です」がモットー。
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