50代60代からアイコン・LINEスタンプ制作に入るとき、絵柄より納品形式が壁


この記事のポイント
- ✓50代60代からアイコン・LINEスタンプ制作を始めたい方へ
- ✓つまずくのは絵柄ではなく
- ✓透過PNGやサイズ規定といった納品形式です
「この年から絵の仕事なんて、無理でしょうか」
こういうご相談を、本当によくいただきます。50代、60代になってから、アイコンやLINEスタンプの制作を始めたい。でも自分の絵柄は今どきの若い人の絵とは違うし、そもそもパソコンの操作に自信がない。だから踏み出せない。そんなお気持ちです。
大丈夫ですよ。まずお伝えしたいのは、この年代の方がつまずく場所は、ほとんどの場合「絵」ではないということです。実際に手が止まるのは、描いた絵をどういう形で相手に渡すか、という部分です。透過、サイズ、ファイル名、圧縮。この4つの言葉に心当たりがなければ、そこが最初の壁になります。そして、ここは絵の才能とは無関係に、順番どおりに覚えれば越えられる場所です。
この記事では、その越え方を順に整理します。焦らなくて大丈夫です。ひとつずつ見ていきましょう。
50代60代の相談で最初に出てくるのは、絵柄ではなくファイルの話
ご相談を伺っていると、この年代の方の悩みは、おおむね3つに分かれます。
1つ目は「自分の絵柄が古いのではないか」という不安。2つ目は「パソコンやアプリの操作についていけるか」という不安。3つ目は「今から始めて間に合うのか」という時間の不安です。
このうち、実際に作業が止まる原因になっているのは2つ目だけです。しかも、その2つ目の中身をさらに細かく見ると、操作全般が難しいのではなく、納品に関わる一部の手順だけが分からないというケースが大半を占めます。絵を描く操作そのものは、皆さん驚くほど早く覚えられます。指で線を引くという行為は、感覚で身につくからです。
「絵柄が古い」という不安の正体
まず1つ目の不安から解きほぐしていきます。
絵柄に年代差があるのは事実です。ただ、それが不利かどうかは、誰に向けた仕事かで変わります。アイコンやスタンプを依頼する人は、若い人ばかりではありません。同年代の方が、家族や友人とのやり取りで使うスタンプを欲しがることもあります。地域の商店や町内の集まりで使うスタンプを作りたい、というご相談も現実に存在します。
そして、同年代の依頼者に向けた仕事では、同年代の感覚が分かることが強みになります。どんな言葉をスタンプにすると使いやすいか。どんな場面で送りたくなるか。ここは若い制作者には見えにくい部分です。
参考までに、インターネット上の相談の場では、こんなやり取りが交わされています。
質問者からのお礼コメントやっぱり、相当珍しいですよね。 「私のアイコンは自分の顔よ」と言ってる60代女性がいたので珍しく感じました。 見ようによっては若い時はお綺麗だったのかな?と思われる人なので、 本人的には今でも自慢の容姿なのかもしれません。 「加工も一切無しよ」と言ってました笑 出典: detail.chiebukuro.yahoo.co.jp
このやり取りが示しているのは、同年代の中でも、自分の顔写真をそのまま出すことに抵抗のない人と、そうでない人が分かれているという事実です。抵抗がある方は、写真の代わりになるものを探します。似顔絵風のアイコンや、雰囲気だけを伝えるイラストです。ここに小さな需要があります。
つまり、絵柄が古いかどうかより、誰に向けて描くかを決めるほうが大切です。今どきの絵柄に寄せようと無理をする必要はありません。
「操作についていけるか」という不安が現実になる場所
2つ目の不安に進みます。ここが本題です。
パソコンやタブレットの操作といっても、範囲は広いです。この仕事で実際に必要になるのは、次の作業だけです。
絵を描くアプリを開いて、線を引き、色を塗る。描いたものを決められた形式で書き出す。書き出したファイルに順番の分かる名前を付ける。それらをひとまとめにする。相手に渡す。
このうち、前半の「描く」部分は感覚で覚えられます。難しいのは後半です。書き出し、名前付け、まとめ方、渡し方。この4つは、言葉の意味を知らないと何をしているのか分からないまま手だけ動かすことになり、そこで自信を失う方が多いのです。
ですから、この4つを先に理解してしまいましょう。1つずつ、日常の言葉に置き換えて説明します。
納品形式という壁を、4つの部品に分解する
「納品形式」という言葉自体が硬くて、それだけで身構えてしまいますよね。中身は難しくありません。
透過というのは、背景を抜いた状態のこと
LINEスタンプは、トーク画面の上に貼られます。トーク画面の背景は人によって違いますし、壁紙を設定している人もいます。もし絵の周りに白い四角が残っていたら、その白い四角ごと画面に貼られてしまいます。だから、絵の周囲は「何もない状態」にしておく必要があります。これを透過と呼びます。
日常の感覚で言えば、切り抜いたシールのようなものです。紙のシールも、絵の形に沿って切り抜いてあるから、どこに貼っても違和感がありません。四角い紙のまま貼ると、四角が見えてしまいます。それと同じことです。
そして、この切り抜いた状態を保存できるファイルの種類が決まっています。JPEGという形式では、切り抜いた部分が白く埋まってしまいます。PNGという形式なら、切り抜いた状態のまま保存できます。だからスタンプはPNGで書き出します。覚えるのはこれだけです。
絵を描くアプリには、背景を非表示にしてから書き出す設定が必ずあります。最初の1回だけ、手順をメモしておいてください。次からは同じ操作を繰り返すだけになります。
画像サイズは、決められた枠に合わせる
次はサイズです。スタンプには、縦横の大きさに規定があります。決められた大きさで作らないと、受け付けてもらえません。
ここでよくあるつまずきが、「大きく描いてしまってから、どうしたらいいか分からなくなる」というものです。大きく描いた絵を小さくすることはできます。逆に、小さく描いた絵を大きくすると、輪郭がぼやけます。ですから、迷ったら大きめに描いてから縮める。この順番だけ覚えてください。
正確な数字は、LINE Creators Marketの公式ガイドラインに書かれています。ガイドラインは更新されることがあるので、作り始める前に必ず現行の数字を確認してください。人から聞いた数字や、古い解説記事の数字をそのまま使うと、作り直しになります。これは年齢に関係なく、多くの方が一度は通る失敗です。
ファイル名は、順番が分かるように付ける
これは技術の話ではなく、整理の話です。
スタンプは1セットで複数枚を納品します。そのとき、ファイル名が「新規キャンバス」「新規キャンバス(1)」「コピー2」のようになっていると、受け取った側はどれが何番目か分かりません。
ですから、01、02、03と番号を先頭に付けます。ここで大切なのは、1桁の数字にも0を付けることです。1、2、3……10と付けると、並べ替えたときに1の次に10が来てしまいます。01、02、03……10なら、正しい順番に並びます。
こうした細かい約束は、一度知ってしまえば何でもありません。でも、知らないまま納品して指摘されると、自分は向いていないのではないかと落ち込んでしまう。だから先にお伝えしておきます。
まとめて渡す方法を1つだけ覚える
最後は受け渡しです。複数のファイルをそのままメールに添付すると、枚数が多いときに送れません。容量の制限にかかるからです。
そこで、ファイルをひとまとめの箱に入れます。これがZIPです。フォルダを1つ作って、そこに書き出した画像を全部入れ、フォルダを右クリックして圧縮する。それだけです。パソコンでもタブレットでも、標準の機能で作れます。
さらに枚数が多い場合や、依頼者から指定があった場合は、クラウドストレージを使います。ファイルをインターネット上の置き場に上げて、そのURLを相手に伝える方式です。相手はURLを開いてダウンロードします。ここも、最初の1回だけ手順をメモしておけば、次からは同じ操作です。
透過、サイズ、名前、まとめ方。この4つが納品形式の中身です。絵を1枚描く時間より、覚える時間のほうが短いはずです。
覚える順番を間違えないための学習設計
ここからは、どういう順番で進めると挫折しにくいか、という話です。
絵の練習より先に、書き出しの練習を1日だけやる
意外に思われるかもしれませんが、最初にやるべきは絵の練習ではありません。書き出しの練習です。
やり方は簡単です。丸を1つ描いてください。上手でなくて構いません。その丸を、透過PNGで書き出して、01という名前を付けて、フォルダに入れて、ZIPにする。この一連を1回通してみる。
これができれば、納品の道筋は通ったことになります。あとは丸を絵に差し替えるだけです。逆に、絵を何十枚も描いてから書き出しでつまずくと、疲労が大きくなります。先に道を通しておくほうが、心が楽です。
私がカウンセリングでお会いした方の中に、3か月かけて40点のスタンプ案を描き上げてから、書き出しの設定が違っていたことに気づいて、全部やり直しになった方がいらっしゃいました。その方は結局、そこで一度手を止めてしまいました。技術ではなく、疲れが原因でした。順番を変えるだけで防げたことです。
使うソフトは1つに絞る
情報を集めていると、いろいろなアプリの名前が出てきます。無料のもの、月額のもの、買い切りのもの。どれが良いか比べ始めると、それだけで時間が過ぎます。
最初は1つに絞ってください。選ぶ基準は、機能の多さではなく、日本語の解説が多いことです。困ったときに調べやすいものを選ぶ。それだけで進みが変わります。
そして、決めたら他のアプリの情報は見ないでください。比較を続けている間は、手が動きません。これは年齢に関係なく、多くの方が陥る足止めです。
分からない言葉は、自分の言葉に置き換えてメモする
レイヤー、キャンバス、解像度、ラスタライズ。こうした言葉が次々に出てきます。全部を正確に理解する必要はありません。
おすすめしているのは、自分なりの言い換えをメモに残すことです。「レイヤーは透明な下敷きを重ねること」「解像度は絵の細かさ」というように、自分が分かる言葉で書く。正確でなくても構いません。あとで正確な意味が必要になったときに、自然と修正されていきます。
このメモは、後から人に説明するときにも役立ちます。同年代の依頼者とやり取りするとき、専門用語を日常の言葉に置き換えて説明できる人は重宝されます。
手元の環境と、体への負担を軽くする工夫
長く続けるためには、環境の話も避けて通れません。
画面の大きさと、目の負担
細かい絵を小さな画面で描き続けると、目が疲れます。50代以降は、手元のピントが合いにくくなる方が増えます。これは自然な変化で、努力で解決するものではありません。
対策は2つあります。1つは、絵を拡大して描く癖をつけること。実寸で描こうとすると目を近づけてしまいます。画面上で大きく表示して描き、最後に縮めれば同じことです。
もう1つは、時間を区切ることです。30分描いたら遠くを見る。タイマーを使ってください。集中していると、自分では気づけません。
なお、目の疲れが続く場合や見え方に変化を感じる場合は、無理をせず眼科で相談してください。作業環境の工夫で対処できる範囲と、そうでない範囲があります。
回線とデータの受け渡し
ファイルの受け渡しが増えると、インターネット回線の速さが作業のストレスに直結します。特にクラウドストレージへのアップロードは、上りの速度が影響します。在宅で仕事をする環境をこれから整える方は、在宅ワークに最適なネット回線|光回線vsホームルーターの選び方に、光回線とホームルーターの違いや選び方の基準がまとまっています。今の回線で不便を感じていないなら、そのままで問題ありません。
1日の作業時間を先に決める
この年代の方から「何時間くらいやればいいですか」と聞かれることがあります。逆です。何時間まで、と上限を先に決めてください。
体力の配分は、若い頃とは違います。無理をした翌日に何もできなくなると、結果として進みません。1日2時間と決めて、それを週4日。このくらいから始めて、余裕があれば増やす。減らすより増やすほうが、気持ちが続きます。
依頼者とのやり取りで、年齢が有利に働く場面
不安の話ばかりしてきましたので、ここからは有利な面をお話しします。
まず、期日を守る意識が高い方が多いです。長く勤めてこられた方は、締切を守ることが当たり前として身についています。これは、依頼する側から見ると大きな安心材料です。絵の巧拙よりも、約束の日に届くかどうかを心配している依頼者は多いのです。
次に、言葉のやり取りが丁寧です。依頼の内容を確認する、認識をすり合わせる、報告を入れる。こうした所作が自然にできる方は、それだけで信頼されます。制作の仕事は、絵を描いている時間より、やり取りしている時間のほうが長い場合すらあります。
ただし、1点だけ意識していただきたいことがあります。返信の速さです。
丁寧な文章を書こうとして、返信までに2日かかってしまう方がいらっしゃいます。依頼者から見ると、これは不安です。おすすめしているのは、まず「確認しました。詳しくは明日お返事します」という短い一報を入れることです。中身は後で構いません。反応があるかどうかが、相手の安心につながります。
こうしたやり取りの型は、ビジネス文書検定で扱われる範囲と重なります。資格を取ることが目的ではなく、見積もりや報告の書式を知っているだけで、初回のやり取りが締まります。
収入の考え方と、始める前に整理しておくこと
お金の話も、曖昧なままにしないほうが安心です。
この仕事の収入には、大きく2つの経路があります。1つは、自分でスタンプを作って販売し、売れた分を受け取る経路。もう1つは、依頼を受けて制作し、納品して報酬を受け取る経路です。
始めたばかりの段階では、後者のほうが見通しが立ちます。自作販売は、売れなければ収入がゼロのままになるからです。時間をかけた分が必ず戻ってくるとは限りません。一方、受託は納品すれば報酬が確定します。
副業として始める場合の全体像は、LINEスタンプ制作の副業|AIイラスト活用で効率よく稼ぐ方法に、制作の効率化の観点からまとまっています。アイコン制作のほうに関心がある方は、アイコンデザイン副業|SNSアイコン・アプリアイコンで稼ぐ方法【2026年版】が用途別の需要を整理しています。
なお、収入が一定額を超えると、確定申告や配偶者の扶養の扱いに関わってきます。年金を受け取りながら働く場合の扱いも、状況によって変わります。ここは2026年時点の制度で判断が分かれる部分があり、ご家庭の状況によっても答えが違います。金額が見えてきた段階で、税務署や年金事務所の窓口、あるいは税理士に確認してください。事前に一度確認しておくと、後から慌てずに済みます。
同年代に向けて作るなら、題材の選び方が変わる
絵柄の話を先に片づけたので、次は中身の話をします。誰に向けるかを決めたら、次は何を描くかです。
使われる言葉は、世代によって違う
スタンプは、会話の中で送られるものです。ですから、その世代が実際に使う言葉でないと使われません。
若い世代向けのスタンプには、短い言い回しや略語が並びます。一方、同年代の方がよく使うのは、もう少し丁寧な言葉です。「ありがとうございます」「お疲れさまでした」「了解しました」「体に気をつけて」。こうした言い回しは、若い制作者が作るスタンプではあまり選ばれません。だから、同じ場所に同じ商品が並んでいない。ここが入り込める隙間になります。
依頼を受ける場合も同じです。同年代の依頼者が「こういう言葉を入れてほしい」と言ってきたとき、その言葉が使われる場面を想像できるかどうかで、提案の精度が変わります。想像できれば、「この言葉なら、こういう表情のほうが使いやすいと思います」と一言添えられます。この一言が、次の依頼につながります。
場面から先に決めると、点数がそろう
スタンプは8点や16点といった単位で作ります。この点数を絵柄の思いつきで埋めようとすると、途中で手が止まります。
おすすめしているのは、場面から先に決めることです。あいさつ、返事、お礼、謝り、誘い、断り、待ち合わせ、体調の心配。こうした場面を先に紙に書き出して、それぞれに絵を割り当てる。この順番なら、点数の穴が見えるので迷いません。
そして、この作業は絵を描く力がなくてもできます。50代60代の方は、この年代までに交わしてきた会話の蓄積があります。どんな場面で言葉に困るか、どんな一言があると助かるか。それを思い出して並べるだけで、構成案になります。私がお会いした方の中には、絵を描き始める前に場面の一覧を作ったことで、迷いが減って作業が進むようになった方がいらっしゃいました。手を動かす前に紙に書くという、それだけのことでした。
依頼を探す前に、渡せる形を1つ作っておく
最初の1件をどう見つけるか、という質問もよくいただきます。
探す場所は複数ありますが、探し始める前にやっておいたほうがいいことがあります。自分の作例を、誰かに見せられる形に1つまとめておくことです。
絵が数枚あるだけでは、依頼者は判断できません。それぞれの絵に「想定した用途」と「納品できる形式」を短く添えてください。「架空のカフェを想定した自主制作」「PNG(透過)・8点・規定サイズで納品可能」といった具合です。この一行があるだけで、依頼者は自分の依頼に置き換えて考えられるようになります。
そして、まとめる場所は1か所にしてください。あちこちに分散していると、そこで見るのをやめられてしまいます。無料で使える置き場でも構いません。URLを1つ渡せば全部見られる状態にしておく。準備としては、これで十分です。
運営者の視点で見た、50代60代から始めた方の続き方
在宅の仕事と依頼者をつなぐ場を20年運営してきた立場から、この年代の方について感じていることをお話しします。
まず、立ち上がりはゆっくりです。最初の数か月は、操作を覚えることに時間が取られます。若い方に比べて、ここは正直に言って時間がかかります。
ただ、いったん納品の流れが身につくと、その後の落ち方が少ない。若い方は伸びが速い代わりに、他のことに関心が移って離れていく割合も高いです。この年代の方は、始めるまでが長い分、始めた後の継続が安定しています。運営者として見てきた限りでは、3年以上続いている方の中に、この年代から入った方が相当数含まれています。
もう1つ、お伝えしておきたいことがあります。手取りの話です。
制作の仕事には、仲介の手数料が引かれる経路と、依頼者と直接やり取りする経路があります。同じ5万円の仕事でも、手数料が引かれれば手元に残る額は減ります。手数料0%で直接やり取りする形なら、依頼者は同じ予算でより多くの点数を頼めますし、受け手は同じ作業量で手取りが厚くなります。どちらが得か、という単純な比較ではなく、同じ労力に対して残る額が変わるという話です。
始めたばかりのうちは、仲介の場で経験を積むほうが安全です。案件が集まる場所で数をこなし、やり取りに慣れる。そのうえで、続けて依頼をくださる方が現れたら、直接のやり取りに移していく。この移り方をしている方が、無理なく長く続いています。
職種データから見た、この仕事の位置づけ
最後に、この仕事が在宅の仕事全体のどこに位置するかを整理しておきます。
アイコンやLINEスタンプの制作は、キャラクター・アイコン・LINEスタンプのお仕事にまとまっている通り、1件あたりの規模は小さめですが、依頼の発生頻度が高い領域です。季節ごとの追加、キャンペーン用の差し替え、アイコンの更新といった形で、単発では終わりにくい性質があります。この性質は、時間をかけてゆっくり進めたい方に向いています。
報酬の水準を客観的に確かめたいときは、職種別の統計が参考になります。制作職に近い水準はソフトウェア作成者の年収・単価相場、文章やコンテンツ寄りの水準は著述家,記者,編集者の年収・単価相場にまとまっています。イラスト制作そのものの統計ではありませんが、在宅の制作職がどのあたりにあるかの目安にはなります。
将来的に扱う範囲を広げたくなったときには、画像生成や広告の知識と組み合わせる道がAI・マーケティング・セキュリティのお仕事に、音の素材と組み合わせる道が作曲・編曲・効果音・ジングルのお仕事に整理されています。技術寄りの依頼者と関わる機会が増えたときには、CCNA(シスコ技術者認定)のような知識が会話の土台になる場面もあります。ただ、これらは今すぐ必要なものではありません。頭の隅に置いておく程度で十分です。
透過、サイズ、名前、まとめ方。この4つを覚えたら、あとは丸を1つ描いて、書き出して、渡してみる。そこまで来れば、絵の部分は皆さんが元々持っているものです。焦らず、順番どおりに進めてください。
よくある質問
Q. 50代60代から始める場合、最初に覚えるべきことは何ですか?
絵の練習より先に、書き出しの手順を覚えてください。丸を1つ描いて、透過PNGで書き出し、01という名前を付けて、フォルダに入れてZIPにする。この一連を1回通しておくと、後で作り直しになる事態を防げます。何十枚も描いてから書き出しでつまずくと、疲労が大きく手が止まりやすくなります。
Q. 自分の絵柄が今どきではないのですが、不利になりますか?
誰に向けた仕事かで変わります。同年代の方が家族や友人とのやり取りで使うスタンプ、地域の商店や集まりで使うスタンプといった需要は現実にあります。同年代の感覚が分かることは、若い制作者には出しにくい強みです。絵柄を無理に寄せるより、向ける相手を決めるほうが先です。
Q. パソコン操作に自信がないのですが、続けられますか?
この仕事で実際に必要な操作は限られています。描く、透過PNGで書き出す、連番の名前を付ける、ZIPにまとめる、相手に渡す。この5つです。描く部分は感覚で覚えられます。残りは最初の1回だけ手順をメモしておけば、次からは同じ操作の繰り返しになります。
Q. 1日にどのくらい作業すればいいですか?
何時間やるかではなく、何時間までにするかを先に決めてください。1日2時間、週4日程度から始めて、余裕があれば増やすやり方をおすすめしています。無理をした翌日に何もできなくなると、結果として進みません。また、30分ごとに遠くを見て目を休める習慣も併せて作ってください。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
中西 直美@SOHO編集部
産業カウンセラー・キャリアコンサルタント
大手人材会社でキャリアカウンセラーとして15年間従事した後、フリーランスの産業カウンセラーとして独立。在宅ワーカーのメンタルヘルスケアを専門に活動しています。
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