介護福祉士の履歴書と職務経歴書|書く順番と、埋めにくい欄の扱い


この記事のポイント
- ✓介護福祉士の履歴書で迷いやすい資格欄の書き方
- ✓埋めにくい本人希望記入欄の扱いを整理しました
- ✓職務経歴書の構成や送り方の注意点まで
「介護福祉士って、資格欄にどう書けばいいんでしょうか」。書類作成の相談を受けていると、この質問が本当に多いんです。資格の正式名称、取得年月、登録番号を書くかどうか。細かい部分で手が止まって、そこから先に進めなくなる。
結論から書きます。履歴書は、書く順番を決めておけば迷う時間がほとんど消えます。事実の欄を先に全部埋めて、文章の欄を最後に回す。これだけで、白紙のまま何日も置いておく状況はなくなります。
この記事では、介護福祉士の履歴書と職務経歴書について、書く順番、資格欄の表記、職歴欄の書き方、埋めにくい欄の扱いを整理します。書式の選び方や送り方の注意点、書類に関して気をつけておきたい法的な論点にも触れます。書類は自分を守る道具でもあるので、そこまで含めて見ていきます。
履歴書と職務経歴書は、役割がはっきり違う
まず前提の整理からです。この2つを同じものだと思って作ると、内容が重複して読みにくい書類になります。
履歴書は、あなたが誰であるかを示す書類です。氏名、連絡先、学歴、職歴、資格。事実を定型の枠に収めて示すもので、書式もある程度決まっています。読む側は、経歴の全体像を数十秒で把握するために使います。
職務経歴書は、あなたが何をしてきたかを示す書類です。どの施設でどんな業務を担当し、どんな役割を果たしてきたのかを、自由な書式で説明します。履歴書の職歴欄に書ききれない中身を、ここで展開する。
つまり、履歴書は「枠」、職務経歴書は「中身」です。この役割分担が分かっていれば、どちらに何を書くかで迷わなくなります。
介護職の応募では、履歴書だけを求められることもあれば、両方を求められることもあります。求人票や募集要項に指定があるので、まずそこを確認してください。指定がない場合、経験が2年以上ある方は職務経歴書も添えたほうが伝わります。未経験の場合は、履歴書だけで問題ありません。
なお、応募書類は施設側が個人情報として管理する対象になります。個人情報の取り扱い方針が明示されている施設が多いので、気になる場合は確認しておくといいでしょう。書類の返却や廃棄について定めがある施設もあります。
採用の現場で、書類がどう扱われているか
書類の書き方を考える前に、それがどう読まれるかを知っておくと、力の入れどころが変わります。
介護業界の採用では、書類選考にかける時間が他業種より短い傾向があります。慢性的に人手を求めている施設が多く、書類で細かく絞り込むより、面接で人物を見て判断する流れになりやすいためです。
つまり、履歴書の役割は「落とされないこと」に近い。凝った表現で目立とうとするより、必要な情報が正確に、抜けなく書かれていることのほうが重要になります。
ここを誤解すると、労力の配分を間違えます。志望動機に何日もかけて、職歴欄の日付が間違っている書類。読む側から見ると、後者のほうがずっと気になります。事実の欄の正確さが土台で、文章はその上に乗るものです。
もうひとつ知っておきたいのが、書類が面接の台本になるという点です。面接官は履歴書と職務経歴書を手元に置いて質問します。書類に書かれていることが、そのまま質問の素材になる。
これは使い方次第で有利に働きます。話したいことを書類に書いておけば、そこを聞かれる確率が上がります。逆に、聞かれたくないことを詳しく書くと、そこを掘られます。書類は、面接の話題をこちらから設計できる道具でもあるんです。
書類は入職後も残ります。人事記録として保管され、配属やシフトの検討で参照されることがあります。勤務条件の希望を書いておくと、その情報が引き継がれる場合もある。提出して終わりの紙ではないと考えてください。
書く順番は、事実の欄から先に埋める
書類作成で手が止まる原因の大半は、順番の問題です。志望動機から書き始めて固まってしまう。これ、本当によくあるパターンです。
順番はこうしてください。第1に、氏名や連絡先などの基本情報。第2に、学歴と職歴。第3に、資格と免許。第4に、通勤時間や扶養家族といった事務的な欄。ここまでが事実の欄で、調べれば埋まります。
そのうえで、第5に志望動機、第6に本人希望記入欄という順に、文章の欄を書きます。
なぜこの順番かというと、事実の欄を埋めていく作業そのものが、志望動機の材料集めになるからです。職歴を書き出すと「この施設では何をしていたか」を思い出しますし、資格欄を埋めると「何を学んできたか」が見えてきます。その状態で志望動機に取りかかると、書く材料が手元にある。
逆に、白紙の状態でいきなり志望動機を書こうとすると、材料がないまま言葉をひねり出すことになります。そりゃ止まります。
もうひとつの利点として、事実の欄は「作業」なので、気分に左右されずに進められます。とりあえず手を動かして、書類が半分埋まった状態を作る。そこから文章に入ったほうが、心理的にずっと楽です。
資格欄で迷ったときの書き方
相談が集中するのがこの欄です。順に整理します。
まず、資格は正式名称で書きます。介護福祉士は国家資格なので、略称ではなく正式な名称をそのまま記載してください。取得年月は、資格証や登録証に記載されている日付に合わせます。
「介護福祉士って資格欄にどう書けばいい?」 出典: co-medical.com
この疑問が繰り返し出てくるのは、資格欄のルールが直感的でないからです。運転免許は「普通自動車第一種運転免許」、介護系の研修は修了証に記載された名称というように、それぞれ正式な表記が決まっています。手元の証書を見ながら書くのが確実です。
書く順番は、取得年月の古いものから順に並べるのが一般的です。免許と資格を分けて記載する書式もありますが、時系列で並べておけば読み違えられることはありません。
登録番号を書くかどうかは、指定がなければ書かなくて構いません。ただし、応募先から求められた場合や、書式に記入欄がある場合は記載します。入職時には資格証の原本確認が行われるのが通例なので、いずれ提示することにはなります。
複数の研修を修了している場合、すべて書くべきか迷う方がいます。基本的には書いて問題ありませんが、欄が足りない場合は応募先の業務に関係が深いものを優先してください。認知症介護実践者研修、喀痰吸引等研修、福祉用具専門相談員などは、施設によって評価の重みが変わります。
これから取得予定の資格については、「取得に向けて勉強中」と書き添える形が使われます。ただし、受験資格の要件や必要な実務経験の年数は制度で定められており、改正されることもあります。自分がどのルートに該当するかは、厚生労働省や試験の実施機関が公表している案内で必ず確認してください。ここは思い込みで書くと、後で食い違いが出る部分です。
注意点をひとつ。取得していない資格を「取得済み」と書くのは、事実と異なる記載になります。入職後に発覚した場合、施設との信頼関係の問題にとどまらず、雇用契約上の問題に発展する可能性があります。書類は自分を守る道具でもあるので、事実を正確に書いてください。
学歴と職歴の欄を、正確に書くために
この欄は事実を書くだけなのですが、表記のルールで迷う箇所がいくつかあります。
学歴は、一般的には中学校卒業から書き始めます。高等学校以降は、学校名を正式名称で書き、学部や学科まで記載します。「高校」ではなく「高等学校」と書くのが正式な表記です。
職歴は、入職と退職を1行ずつ書きます。施設名は正式名称で、運営法人がある場合は法人名から書くのが丁寧です。「社会福祉法人〇〇会 特別養護老人ホーム△△」という形になります。
同じ法人内で異動があった場合は、入職の行の下に異動先を追記します。転職ではないので、退職として書かないよう気をつけてください。
派遣で働いていた期間は、派遣元の会社名を職歴として書き、派遣先を補足として添えるのが一般的です。「株式会社〇〇に派遣社員として入社(△△病院に就業)」といった書き方になります。派遣元と派遣先を取り違えると事実と異なる記載になるので、ここは確認してください。
パートやアルバイトの経験も、介護に関係するものは書いたほうが有利です。雇用形態を明記したうえで記載します。無関係な短期のアルバイトまで全部書く必要はありませんが、書かないと空白期間になる場合は、書いておいたほうが説明が楽になります。
ブランクがある場合、隠す必要はありません。育児、家族の介護、療養、資格取得のための学習など、理由を簡潔に書き添えれば十分です。空白のまま出すと面接で必ず聞かれるので、先に書いておくほうが効率的でもあります。
退職理由の書き方については、自己都合か会社都合かで表記が変わります。自己都合であれば「一身上の都合により退職」、施設の閉鎖や契約期間の満了であればその旨を書きます。ここも事実に基づいて書いてください。雇用保険の手続きなどで記録と照合される場面があります。
埋めにくい欄を、どう扱うか
履歴書には、書き方に正解が見えにくい欄がいくつかあります。順に見ていきます。
志望動機の欄は、応募先を選んだ理由に必ず触れてください。理念、ケアの方針、施設形態、研修体制。何かひとつでも応募先固有の要素が入っていれば、使い回しの書類ではないことが伝わります。
貴施設を志望いたしましたのは、全室個室の少人数ユニット型かつ手厚い人員配置で、「個別ケア」を真に大切にされている理念に強く惹かれたためです。 出典: co-medical.com
この例文が機能しているのは、施設の構造(全室個室のユニット型)と、そこから読み取れる方針(個別ケア)の2段階で書かれている点です。理念の言葉を引き写すだけでは共感の表明になりませんが、施設の具体的な特徴に触れたうえで理念に結びつけると、調べたことが伝わります。
本人希望記入欄は、書くことがないからと「特になし」で終わらせる方が多い欄です。ただ、勤務条件に希望がある場合は、ここが唯一の記載場所になります。
夜勤の可否、勤務可能な時間帯、通勤手段、入職可能な時期。制約があるなら、遠慮せず書いてください。書かずに入職して条件が食い違うほうが、双方にとって問題になります。特に家庭の事情で勤務時間に制約がある場合、後から「聞いていない」となるより、最初に伝えておくべきです。
希望が特にない場合は、「貴施設の規定に従います」と書くのが定型です。空欄のまま提出するのは避けてください。
通勤時間の欄は、実際にかかる時間を書きます。乗り換えや徒歩の時間を含めた実測値です。短く見せようとして片道の乗車時間だけを書くと、シフトの調整段階で食い違いが出ます。
扶養家族の欄は、社会保険の手続きに関わる情報です。制度上の扶養の範囲は税と社会保険で異なるため、迷う場合は日本年金機構の案内や、加入している健康保険の窓口で確認してください。この欄の記載だけで手続きが確定するわけではないので、入職時に改めて確認されます。
賞罰欄がある書式では、原則として賞罰がなければ「なし」と書きます。ここに書くべき「罰」の範囲は限定的で、交通違反の反則金などは通常含まれません。判断に迷うケースがあれば、弁護士や専門の窓口に相談してください。無理に自己判断で書く欄ではありません。
職務経歴書は、要約から書くと読まれる
職務経歴書には決まった書式がありません。自由だからこそ、構成を自分で設計する必要があります。
推奨する構成は、冒頭の要約、経験した施設の一覧、担当業務の詳細、資格と研修歴、自己PRという順番です。
冒頭の要約は、3行から5行程度で経歴の全体像を示します。「介護職として通算〇年、デイサービスと特別養護老人ホームで勤務。身体介助全般に対応し、直近ではユニットリーダーとして新人教育を担当」といった形です。ここを読むだけで人物像が掴めるようにしておくと、以降が読まれやすくなります。
経験した施設の一覧では、期間、施設形態、定員規模、職員体制を簡潔に書きます。施設形態と規模が分かると、読む側はどんな環境で働いてきたかを想像できます。
担当業務の詳細は、施設ごとに箇条書きで並べます。身体介助、生活援助、記録、送迎、レクリエーションの企画、家族対応、新人指導。実際に担当していた業務を具体的に書いてください。
ここで数値を使えると説得力が上がりますが、正確に把握していない数字を書くのは避けてください。定員や職員数など、施設の公開情報から確認できるものだけを使うのが安全です。
自己PRの欄では、履歴書の志望動機と重複しないようにします。志望動機が応募先に向けた話であるのに対し、自己PRは自分に向けた話です。何ができるかを、行動の形で書いてください。
分量は、A4用紙で1枚から2枚が目安です。3枚を超えると読まれにくくなります。経験が長い方ほど絞り込みが必要で、応募先の業務に関係の深い経験から順に並べる作業が効いてきます。
書類の書き方については、他の専門職の例も参考になります。看護師の転職用履歴書の書き方|志望動機と自己PRの例文では、資格職が経歴と志望動機をどう書き分けるかが例文つきで整理されています。介護職の書類にもそのまま応用できる考え方です。
立場によって、書き方の重心が変わる
同じ介護職の応募でも、あなたの状況によって書類の力点は変わります。ケース別に整理します。
未経験から介護職を目指す場合、職歴欄には介護以外の経験が並びます。ここで大事なのは、前職の経験を介護の現場で使える形に翻訳することです。接客業なら相手の要望を汲み取る経験、事務職なら記録を正確に残す経験、営業職なら初対面の人と関係を築く経験。職務経歴書の担当業務欄に、そうした行動を具体的に書いてください。
介護職の求人には、資格や経験を問わない募集が一定数あります。介護職員として入職して実務経験を積み、そのあとで介護福祉士の資格取得を目指すルートを想定した書き方になります。書類の段階で、その道筋を持っていることが伝わると評価につながります。
経験が浅い方、たとえば実務が1年から2年程度の場合は、経験の量より学ぶ姿勢を前面に出します。担当していた業務を正確に書き、そのうえで受けた研修や、先輩から教わって身についたことを書き添える。量で勝負しようとすると、かえって薄く見えます。
経験が長い方は、逆に絞り込みが必要です。10年以上のキャリアがあると、書きたいことが多すぎて職務経歴書が3枚を超えてしまう。読まれない書類になります。応募先の業務に関係が深い順に並べ、直近の経験を厚く、古い経験は簡潔にまとめてください。
リーダーや主任、サービス提供責任者などの役職経験がある方は、その内容を具体的に書きます。何人のチームを見ていたか、シフト作成を担当していたか、新人教育をどう進めていたか。管理的な業務の経験は、施設側から見て価値の高い情報です。
ブランクからの復職では、離れていた期間と理由を簡潔に書いたうえで、復帰に向けて何をしているかを添えます。研修を受けている、資格を更新した、関連する情報を追っている。何かひとつでも書けると、受け入れる側の不安が減ります。
家庭の事情で勤務時間に制約がある方は、本人希望記入欄でその範囲を明確に伝えてください。制約があること自体が不利になるわけではなく、伝えていないことのほうが問題になります。実際、勤務時間の希望が明確な人のほうが、シフトを組む側にとっては扱いやすい場合もあります。
職務経歴書の書き方を、もう少し具体的に
構成の話をしたので、各パートの中身をもう少し詳しく見ていきます。
冒頭の要約は、読み手が最初に目にする部分です。ここで経歴の全体像が掴めないと、以降を丁寧に読んでもらえません。勤務した施設形態、通算の経験年数、対応できる業務の範囲、直近の役割。この4点を3行から5行に収めるイメージで書きます。
経験施設の記載では、期間と施設形態に加えて、規模が分かる情報を入れると読み手が状況を想像できます。定員数、ユニット数、職員体制。ただし、正確に把握していない数字を推測で書くのは避けてください。施設が公表している情報から確認できる範囲にとどめます。
担当業務は、箇条書きにするのが読みやすい形です。身体介助(食事、入浴、排泄、移乗)、生活援助、記録と申し送り、送迎、レクリエーションの企画と進行、家族対応、新人の指導。実際に担当していたものだけを並べてください。
ここで意識したいのが、業務名だけで終わらせないことです。「記録」とだけ書くより、「介護記録の作成と、看護職への申し送り。日中の変化を記録に残し、翌日の担当者に引き継ぐ運用を担当」まで書いたほうが、何をしていたかが伝わります。
実績の書き方は、介護職では悩ましい部分です。営業職のように数字で示せる成果が少ないためです。無理に数字を作る必要はありません。代わりに、取り組んだことと、その結果起きた変化を書きます。「入浴の順番を利用者の生活リズムに合わせて組み直し、拒否が減った」といった形です。
資格と研修歴は、履歴書と重複しますが、職務経歴書にも書いて構いません。履歴書は枠が限られているため、書ききれなかった研修をここで補える利点があります。
自己PRは、最後に置きます。長く書く必要はなく、200字から400字程度で十分です。自分の強みを1つに絞り、それを裏づける行動を1つ添える。この形が最も伝わります。複数の強みを並べると、どれも印象に残りません。
書式については、応募先から指定がなければ自由です。見出しを立てて項目を整理し、余白を確保して読みやすくする。凝ったデザインは不要で、A4用紙に横書き、明朝体かゴシック体で統一するのが標準的です。
提出前の見直しで、確認しておきたいこと
書き上げたら、必ず一晩置いてから読み返してください。書いた直後は誤りが見えません。
確認する項目を挙げておきます。まず、氏名と連絡先の誤りです。電話番号やメールアドレスを1文字間違えるだけで、連絡が取れなくなります。実際にこれが原因で選考が進まなかったケースがあります。
次に、日付の整合性です。学歴と職歴の年月が前後していないか、在籍期間が重なっていないか。和暦と西暦が混在していないかも確認してください。書類全体でどちらかに統一します。
施設名や法人名の表記も確認します。「株式会社」と「(株)」が混在していないか、正式名称になっているか。応募先の名称を間違えるのは最も避けたい誤りなので、募集要項と照合してください。
誤字脱字は、画面上で読むだけでは見落とします。印刷して読む、声に出して読む、翌日に読み返す。このどれかを必ず入れてください。
写真の貼り忘れ、押印欄がある書式での押印忘れも、実際によく起きます。近年は押印を不要とする書式が増えていますが、欄がある場合は指示に従ってください。
複数の施設に応募している場合、志望動機に別の施設名が残っていないかは必ず確認します。差し替えの作業でこれが起きると、致命的です。
最後に、指定された提出書類がすべて揃っているかを確認します。履歴書のみか、職務経歴書も必要か、資格証の写しを求められているか。募集要項に戻って一つずつ照合してください。
手書きかパソコンか、書式をどう選ぶか
介護業界では、手書きの履歴書を求める施設が今も一定数あります。一方で、パソコン作成を前提とする施設も増えています。
判断基準は単純で、求人票や募集要項に指定があればそれに従います。指定がない場合、どちらでも構いません。手書きだから評価が上がる、パソコンだから熱意がないといった判断は、実務上ほとんどされていません。
ただ、実務的な差はあります。手書きは書き損じたときに最初から書き直しになりますし、複数の施設に応募する場合の負担が大きい。パソコン作成なら、応募先ごとに志望動機だけを差し替えて出せます。
修正液や修正テープの使用は避けてください。書き損じたら新しい用紙に書き直すのが原則です。訂正印での修正も、応募書類では推奨されません。
書式については、市販の一般用履歴書で問題ありません。JIS規格に準拠したものや、転職者向けに職歴欄が広いものなど種類がありますが、経歴が長い方は職歴欄の広い書式を選ぶと収まります。
写真は、3か月以内に撮影したものを使います。スナップ写真の切り抜きは避け、証明写真として撮影されたものを使ってください。服装はスーツが無難です。清潔感が最も重視される項目なので、髪型や襟元まで整えてから撮影します。
日付欄には、提出日または投函日を書きます。作成した日ではありません。
送り方と、添える書類
書類の送り方によって、必要なものが変わります。
郵送の場合は、添え状(送付状)を同封するのが一般的です。宛先、日付、氏名と連絡先、応募の意思、同封書類の一覧を簡潔に書きます。長い文章は必要ありません。
封筒はA4サイズの書類が折らずに入るものを選び、書類はクリアファイルに入れてから封入します。宛名は正式名称で書き、「採用ご担当者様」または担当者名を記載します。「行」と書かれた返信用封筒を使う場合は、「行」を二重線で消して「御中」に直してください。
メールで送る場合は、本文に添え状に相当する内容を書き、書類はPDFで添付します。ファイル名は「履歴書_氏名.pdf」のように、開かなくても内容が分かる形にしてください。パスワードを設定するよう指定されている場合は、その指示に従います。
Webの応募フォームから送る場合は、指定された形式を守ります。アップロードできるファイル形式やサイズに制限があることが多いので、送信前に確認してください。
送付後の確認連絡は、通常は不要です。書類選考の結果連絡の目安が示されていれば、その期間は待ちます。示されていない場合、2週間程度経っても連絡がなければ問い合わせて構いません。
書類の返却を希望する場合は、その旨を添え状に書き添えることができます。ただし、返却しない方針の施設もあります。個人情報の取り扱いについて不安がある場合は、応募前に方針を確認しておくと安心です。
書類作成で気をつけたい、法的な論点
行政書士として書類の相談を受けている立場から、いくつか注意点を書いておきます。これ、知らない人が本当に多いんです。
まず、経歴の記載は事実に基づいている必要があります。在籍期間を実際より長く書く、担当していない業務を書く、取得していない資格を書く。こうした記載は経歴詐称にあたる可能性があり、発覚した場合に解雇事由とされることがあります。
ただし、書かなかったことがすべて問題になるわけではありません。書く義務のない事項を書かなかったのと、事実と異なることを書いたのとでは、法的な扱いが違います。判断に迷うケースがあれば、弁護士や労働相談の窓口に相談してください。
次に、応募書類に含まれる個人情報の扱いです。施設側は、応募目的の範囲で個人情報を利用する義務を負います。選考に関係のない情報の取得や、目的外の利用については、法令で制限があります。
面接や書類で、本籍地、家族の職業、思想信条、支持政党といった事項を聞かれた場合、それが選考に必要とは考えにくい項目です。答えにくいと感じたら、その旨を伝えて構いません。困った場合は、労働局や公共職業安定所の相談窓口が使えます。
制度や法令の具体的な運用については、e-Govなどの公式な情報源で条文を確認するのが確実です。ネット上の解説は、改正前の内容が残っていることがあります。
もうひとつ。書類に書いた勤務条件の希望は、それだけで契約になるわけではありません。実際の労働条件は、採用が決まった段階で書面等により明示されます。この書面の内容と、面接で聞いていた話が食い違う場合は、入職前に確認してください。後から争うより、その場で確認するほうがずっと簡単です。
法律は、知っていれば自分を守る道具になります。書類は、その最初の一枚です。
資格を活かす選択肢を、書類作成のついでに考える
書類を作る作業は、自分のキャリアを棚卸しする作業でもあります。せっかくなので、働き方の選択肢についても触れておきます。
介護福祉士の資格を持つ方の中には、現場勤務と並行して在宅の仕事を組み合わせる人が増えています。夜勤の負担を調整したい、家庭の事情がある、体力面の不安が出てきた。理由はさまざまですが、選択肢として現実的になってきました。
在宅ワーク市場を20年運営してきた立場から見ていると、介護や医療の現場経験を持つ人が在宅の仕事に入ってくる流れは、この数年ではっきり強まっています。現場を知っている人が書いた文章や、監修に入った内容は、経験のない人が作ったものと信頼性が違う。専門知識を持つ書き手を探している発注者は常にいます。
具体的にどんな仕事があるかは、介護福祉士の副業ガイド|資格を活かせる在宅ワーク5選で職種ごとに整理されています。現場を離れずに始められる形が中心なので、書類選考の結果を待っている期間に眺めておくと選択肢が広がります。
資格取得の費用面で足踏みしている方には、修学資金の貸付制度をまとめた介護福祉士の資格取得を助成金で|2026年に使える修学資金貸付制度まとめが参考になります。制度の要件は自治体や年度によって異なるので、記事で全体像を掴んだうえで、必ず実施主体の窓口に確認してください。
在宅の仕事の相場を把握したい場合は、職種別のデータが使えます。文章を書く仕事は著述家,記者,編集者の年収・単価相場、技術系はソフトウェア作成者の年収・単価相場で水準を確認できます。数字を見ておくと、時間の配分を決めやすくなります。
書類作成の力そのものを伸ばしたいなら、ビジネス文書検定の学習内容が実務に直結します。記録や報告書を書く場面は介護の現場でも毎日あるので、無駄になりません。技術系に進む道を考えるならCCNA(シスコ技術者認定)が入り口になりますが、学習期間は長めに見ておく必要があります。
在宅の仕事の種類を眺めておきたい方は、分野別のガイドが参考になります。AIコンサル・業務活用支援のお仕事、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事、アプリケーション開発のお仕事には、それぞれどんな作業が発注されているかがまとまっています。
最後に、契約形態の違いについて一点だけ。雇用契約で働く場合と、業務委託で仕事を受ける場合では、適用される法律が変わります。労働基準法が適用されるのは雇用契約のほうで、業務委託には別の枠組みが適用されます。この違いを知らないまま業務委託を始めると、条件面で不利益を受けることがあります。
そのうえで、仲介に手数料が乗る形と、発注者と直接やり取りする形では、同じ報酬額でも手元に残る金額が変わります。手数料0%で直接つながる仕組みは、依頼する側も受ける側も、間で差し引かれる分がないぶん条件を良くできる。20年この市場を見てきた実感として、長く続く方ほど、単発の作業ではなく「この人に任せると楽だ」という関係づくりに時間を使っています。
書類作成は、その関係づくりの最初の一歩でもあります。丁寧に作った書類は、必ず読まれます。
よくある質問
Q. 介護福祉士の資格は、履歴書にどう書けばいいですか?
資格の正式名称で書き、取得年月は資格証や登録証に記載されている日付に合わせます。書く順番は取得年月の古いものから並べるのが一般的です。登録番号は、指定がなければ記載しなくて構いませんが、入職時には資格証の原本確認が行われるのが通例です。
Q. 履歴書は手書きとパソコンのどちらがいいですか?
求人票や募集要項に指定があればそれに従います。指定がなければどちらでも構いません。実務上は、複数の施設に応募する場合、パソコン作成のほうが志望動機だけを差し替えられるため負担が軽くなります。手書きの場合、書き損じたら新しい用紙に書き直すのが原則です。
Q. ブランク期間は履歴書に書くべきですか?
書いたほうが説明が楽になります。育児、家族の介護、療養、資格取得のための学習など、理由を簡潔に添えれば十分です。空白のまま提出すると面接で必ず理由を聞かれるので、先に書いておくほうが効率的です。隠す必要はまったくありません。
Q. 本人希望記入欄には何を書けばいいですか?
勤務条件に希望や制約がある場合は、この欄が唯一の記載場所になります。夜勤の可否、勤務可能な時間帯、入職可能な時期などを具体的に書いてください。希望が特にない場合は「貴施設の規定に従います」と書くのが定型で、空欄のまま提出するのは避けたほうがよいです。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
長谷川 奈津@SOHO編集部
行政書士・元企業法務
企業法務で数多くのフリーランス契約を扱った経験を活かし、フリーランス向けの法律・契約・権利に関する記事を執筆。「法律はあなたの味方です」がモットー。
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