アクセサリー販売を本業と両立させるなら就業規則と確定申告が先

前田 壮一
前田 壮一
アクセサリー販売を本業と両立させるなら就業規則と確定申告が先

この記事のポイント

  • 副業アクセサリー制作を本業と両立させたい会社員向けに
  • 確定申告と住民税の考え方
  • 時間配分のコツを実務目線で解説します

まず、安心してください。会社員を続けながらアクセサリー制作を副業にすることは、多くの方が実践している一般的な働き方です。ただし「両立できるかどうか」は、始める前に確認すべき手順を踏んでいるかどうかで大きく変わります。手順を飛ばして走り出してしまうと、後から就業規則の条項に気づいて慌てたり、確定申告の時期になって記録が不十分なことに気づいたりと、余計な手戻りが発生しがちです。

「副業アクセサリー制作 本業と両立」で検索されている皆さんは、おそらくすでに材料を揃え始めていたり、フリマアプリへの出品を試したりしている段階かもしれません。あるいは、まだ構想段階で「そもそも会社にバレずにできるのか」「税金はどうなるのか」という不安が先に立っている方もいるでしょう。この記事では、就業規則の確認方法から確定申告の考え方、時間の作り方、経費の管理まで、本業を守りながらアクセサリー制作を続けるための実務的な手順を順番に整理します。

副業アクセサリー制作の市場動向と、いま両立が現実的である理由

ハンドメイド市場は、フリマアプリやハンドメイドマーケットの普及によってここ数年で個人が参入しやすい環境が整いました。会社員が本業を持ちながら週末や平日の夜にアクセサリーを制作し、オンラインで販売するという働き方自体は、もはや特別なものではありません。

実際に、ハンドメイド作家として副業をしている人を対象にした調査では、次のようなデータも報告されています。

出典:「minne byGMOペパボ」で副業として活動するハンドメイド作家の約80%が「収入を得ている」と回答 ~『ハンドメイド作家における副業調査』を実施~ | GMOペパボ株式会社 出典: baseu.jp

このデータが示しているのは「稼げるかどうか」よりも「継続できるかどうか」の方が本質的な論点だという点です。アクセサリー制作は、洋裁や陶芸に比べて初期投資を抑えやすく、平日の隙間時間でも部品加工が進められる副業です。だからこそ、本業のスケジュールを崩さずに続けられるかどうかが、収入の多寡以上に重要な判断軸になります。

私自身、43歳でメーカーを辞める1年前から、ライティングの副業を平日夜の1時間だけと決めて続けていました。アクセサリー制作とは分野が違いますが、「本業の後にどれだけ集中できる時間を確保できるか」という悩みは共通していると感じます。最初の数ヶ月は疲れて手が止まる日も多かったのですが、作業を工程ごとに小分けにしてからは、10分単位でも進められるようになりました。皆さんも、いきなり大きなブロックの時間を確保しようとせず、工程を分解するところから始めるとよいと思います。

この記事では、以下の4つの観点から両立の進め方を整理していきます。まず社内ルールの確認、次に時間配分の考え方、続いて税務上の判断基準、最後に長く続けるための仕組みづくりです。順を追って読み進めていただければ、始める前に不安に感じていた点の多くは解消できるはずです。

会社員がアクセサリー副業を始める前に踏むべき3つの確認ステップ

本業と副業の両立でもっとも多いトラブルは、収入や税金の問題よりも「会社の就業規則に反していたことに後から気づく」ケースです。まず着手すべきは、制作を始める前の社内ルール確認です。

ステップ1 就業規則の副業禁止・許可条項を読む

多くの企業では、就業規則の中に副業・兼業に関する条項が置かれています。近年は国の働き方改革の流れを受けて副業を許可する企業が増えていますが、依然として「事前許可制」「届出制」「原則禁止」など、会社ごとに扱いが異なります。まずは自社の就業規則を実際に開き、副業に関する条文の有無と内容を確認してください。就業規則が手元にない場合は、人事部や総務部に問い合わせれば閲覧できるはずです。

条文が見つからない、あるいは曖昧な表現になっている場合は、自己判断で「書いていないから大丈夫」と解釈するのは避けたほうが安全です。人事担当者に直接確認し、口頭ではなくメールなど記録が残る形で回答をもらっておくと、後々のトラブルを防げます。

ステップ2 会社に申請が必要か確認する

副業が許可制になっている場合、申請書の提出が必要になることが一般的です。申請書には副業の内容、想定する稼働時間、収入の見込みなどを記載する欄が設けられていることが多く、アクセサリー制作という業態そのものが問題視されるケースは稀です。むしろ会社側が気にするのは「本業に支障が出ないか」「情報漏洩や利益相反のリスクがないか」という点です。

申請の際は、稼働時間を控えめに申告するのではなく、実態に近い時間を正直に書くことをおすすめします。後から「申請内容と実態が違う」と指摘されるほうが、信頼関係を損なうリスクが大きいためです。

ステップ3 情報漏洩・競業避止条項に触れないか確認する

アクセサリー制作は本業の業務内容と競合しにくい副業ではありますが、就業規則には「競業避止義務」や「秘密保持義務」の条項が別途設けられていることがあります。本業で得た顧客情報や取引先の情報を副業の宣伝・販売に流用しない、本業の勤務時間中にSNSでの副業告知や受注対応を行わないといった基本的な線引きは、業種を問わず守るべき最低限のルールです。

副業に関する相談窓口を社内に作っておく

就業規則の確認や申請が済んだ後も、状況が変わるたびに再確認する姿勢が大切です。例えば、副業の受注が想定より増えて稼働時間が伸びた場合や、取引先から企業案件を打診された場合など、当初の申請内容と実態が変わるタイミングがあります。そのたびに黙って続けるのではなく、上長や人事担当者に軽く報告しておくと、後から「話が違う」と指摘されるリスクを避けられます。私自身、副業のライティング案件が増えた際、上司に稼働時間の変化を一言伝えるようにしていました。結果的に「きちんと報告してくれるなら問題ない」という信頼につながったと感じています。

副業アクセサリー制作にかかる時間を本業とどう両立させるか

就業規則の確認が済んだら、次は現実的な時間配分の設計です。アクセサリー制作は「デザイン」「材料の裁断・加工」「組み立て」「撮影」「梱包・発送」という複数の工程に分かれており、それぞれ必要な集中度が異なります。

平日の隙間時間の使い方

平日は本業の後に疲労が残っている状態で作業することになるため、集中力が必要な工程(デザイン決めや繊細な組み立て)は週末にまとめ、平日の夜はパーツの下準備や梱包資材の補充など、単純作業に振り分けるのが現実的です。1日30分から1時間程度でも、工程を細かく区切っておけば着実に進みます。

週末にまとめて作業する場合の注意点

週末にまとめて制作時間を確保する場合、作業時間が長時間化しやすく、翌週の本業に疲労を持ち越すリスクがあります。あらかじめ「土曜午前3時間、日曜午後2時間」のように上限を決めておき、受注を詰め込みすぎないようにすることが、長く続けるコツです。受注が集中する繁忙期には、あらかじめ納期を長めに提示しておくことも本業への支障を避ける上で有効です。

繁忙期・閑散期に応じた作業計画の立て方

本業には決算期や繁忙期があるように、アクセサリー制作にも季節による需要の波があります。母の日や年末年始、卒業・入学シーズンなどはギフト需要が高まりやすく、逆に真夏や年明けは注文が落ち着く傾向が見られます。本業の繁忙期と副業の繁忙期が重なると、心身の負担が一気に増すため、あらかじめ自分の本業のスケジュールを年間で見渡し、副業側で受注を絞る時期をあらかじめ決めておくと計画が立てやすくなります。SNSやショップのプロフィール欄に「繁忙期は納期が長くなる」旨を明記しておくだけでも、購入者との認識のズレを防げます。

家族の理解を得る

本業と副業の両立は、本人だけでなく家族の協力があってはじめて成立します。作業スペースの確保、休日の時間配分、材料や在庫の保管場所など、家庭内での調整が必要になる場面は少なくありません。私自身、副業を始めた当初は妻に「本業が疎かにならないか」と何度も聞かれました。結果的には、毎週の作業時間をあらかじめ共有し、家事や子どもの予定と重ならないよう調整したことで、家庭内の摩擦を減らせたと感じています。皆さんも、家族に副業の目的や時間配分を早い段階で共有しておくことをおすすめします。

販売チャネルの選び方と、それぞれの作業負荷の違い

アクセサリー制作の販売チャネルは、大きく分けてハンドメイドマーケット、フリマアプリ、SNS経由の個人取引、業務委託マッチングサービス経由の企業案件の4種類があります。それぞれ作業負荷や本業との相性が異なるため、両立を優先するなら自分の生活リズムに合ったチャネルを選ぶことが重要です。

ハンドメイドマーケットは、出品後の問い合わせ対応や梱包発送が比較的落ち着いたペースで進むため、平日は本業に集中し週末にまとめて対応するというリズムを作りやすい特徴があります。一方でフリマアプリは即時性の高いやり取りが求められる場面が多く、本業中に通知が来ても対応できないストレスを感じる方も少なくありません。SNS経由の個人取引は、値引き交渉やオーダーメイドの細かい要望への対応が発生しやすく、時間的な負荷が読みにくいという側面があります。企業案件については、フリーランスを守る「下請法(取適法)」の知識で解説されているように、発注書や契約条件を事前に確認しておくことで、納期の見通しを立てやすくなります。

自分の生活リズムに合わないチャネルを選んでしまうと、対応に追われて本業への支障が出やすくなります。まずは1つのチャネルに絞って半年ほど試し、無理なく続けられるかどうかを見極めてから、必要に応じて他のチャネルを追加するという進め方をおすすめします。

確定申告は「所得20万円」の考え方を正しく理解する

副業アクセサリー制作で本業と両立する際、多くの方が気にするのが税金の扱いです。ここは正確な理解が特に重要な領域なので、一般的な考え方を整理した上で、最終判断は必ず税務署や税理士に確認してください。

給与所得者の確定申告不要ルールとその例外

給与所得者は、給与以外の所得(副業による所得)が20万円以下であれば、所得税の確定申告が不要になる制度があります。ここでいう「所得」は売上そのものではなく、売上から材料費や送料などの必要経費を差し引いた金額です。アクセサリー制作の場合、材料費や梱包資材、送料、販売手数料などを差し引いた後の利益で判定する点に注意してください。

ただし、この20万円ルールには例外や細かい条件があり、給与を2か所以上から受けている場合や、他の所得と合算する必要がある場合など、個別の事情によって取り扱いが変わります。正確な判定は自分だけで完結させず、必ず税務署や税理士に相談してください。

住民税は別ルールなので申告が必要になるケース

所得税の確定申告が不要な場合でも、住民税には別のルールが適用される点は見落とされがちです。多くの自治体では、所得税の申告要件を満たさない場合でも住民税の申告が必要になるケースがあります。この点を放置すると、副業の存在が住民税の通知を通じて会社に伝わり、結果的に就業規則違反を疑われるという事態にもつながりかねません。住民税の申告要否は自治体によって運用が異なるため、お住まいの市区町村の窓口に直接確認することをおすすめします。

開業届を出すかどうかの判断基準

アクセサリー制作の売上が継続的に発生し、事業としての実態が伴ってきた場合は、開業届の提出を検討する段階に入ります。開業届を出すと青色申告特別控除などのメリットを受けられる可能性がある一方で、事業所得として扱われることによる手続きの手間も増えます。副業の規模がまだ小さいうちは無理に開業届を出す必要はありませんが、売上が安定して増えてきたタイミングで、税理士に相談しながら判断するとよいでしょう。

確定申告が必要になったときの流れ

実際に確定申告が必要と判断された場合、翌年の2月中旬から3月中旬にかけての申告期間に、前年1年分(1月から12月)の所得を申告することになります。副業の場合、給与所得と合わせて申告する必要があるため、勤務先から発行される源泉徴収票と、副業の売上・経費の記録を両方準備しておく必要があります。国税庁の公式サイトでは、確定申告書等作成コーナーを通じてオンラインで申告書を作成できる仕組みが用意されているので、初めて申告する方でも比較的取り組みやすくなっています。

確定申告に関する制度や手続きの詳細は、必ず国税庁の公式情報や税務署の窓口で最新の内容を確認してください。 出典: nta.go.jp

申告そのものが初めてで不安な場合は、無理に自分だけで完結させようとせず、税理士に相談する、あるいは税務署が実施する申告相談会を利用するという選択肢もあります。特に副業の所得区分(事業所得か雑所得か)の判断は、継続性や規模によって扱いが変わるため、迷った場合は専門家の判断を仰ぐのが安全です。

副業アクセサリー制作の経費と帳簿管理の基本

確定申告が必要になった場合、正確な経費計上が納税額に直結します。日頃から記録をつけておく習慣が、後の作業を大きく楽にします。

材料費・送料・梱包資材の経費計上

ビーズやパーツ、金具、テグス、樹脂などの材料費はもちろん、発送に使う梱包資材、緩衝材、送料も経費として計上できます。領収書やレシートは必ず保管し、何のために購入したかをメモしておくと、確定申告の際にスムーズです。フリマアプリやハンドメイドマーケットの販売手数料も経費として認められるのが一般的なので、月ごとの手数料明細も保存しておきましょう。

家事按分で計上できるもの

自宅の一室を作業スペースとして使っている場合、家賃や光熱費の一部を「家事按分」として経費に計上できる場合があります。按分の考え方は、作業スペースの面積割合や使用時間の割合を根拠に算出するのが一般的ですが、按分の妥当性については税務署によって判断が分かれることもあるため、不安がある場合は税理士に相談してから計上することをおすすめします。帳簿づけを効率化したい場合は、税理士の副業ガイドでも紹介されている記帳代行サービスの利用を検討する方法もあります。会計freeeやマネーフォワードなどのクラウド会計ソフトを使えば、レシートの読み込みから仕訳まで自動化できるため、本業で忙しい方の負担を大きく減らせます。

材料と在庫の管理を仕組み化しておく

本業と両立する上で意外と見落とされがちなのが、材料や完成品の在庫管理です。制作のたびに必要なパーツを探す時間がかかると、限られた作業時間がどんどん圧迫されていきます。ビーズやパーツは種類ごとに仕切りケースで分類し、よく使う素材は目につく場所に配置しておくなど、探す手間を減らす工夫が積み重なると、1回あたりの作業時間を大きく短縮できます。

また、完成品の在庫を抱えすぎると、保管スペースの問題だけでなく、売れ残った在庫が資金を圧迫するリスクにもつながります。受注生産に近い形で「注文が入ってから制作する」スタイルを取るか、あらかじめ売れ筋の型だけを少量ストックしておくスタイルを取るか、自分の作業ペースに合わせて在庫方針を決めておくとよいでしょう。受注生産スタイルは在庫リスクを抑えられる一方、納期に追われやすいという弱点があるため、本業が忙しい時期は納期を長めに設定するなどの調整が必要です。

材料の仕入れについても、まとめ買いで単価を下げる方法と、必要な分だけ都度購入する方法のどちらが自分に合っているかを見極めることが大切です。まとめ買いは経費計上のタイミングにも影響するため、購入した年にすべて経費算入してよいのか、在庫として翌年に繰り越す扱いになるのかは、金額や数量によって判断が分かれることがあります。判断に迷う場合は税理士に確認しておくと安心です。

社会保険・雇用保険への影響を確認する

副業の所得が増えてくると気になるのが、社会保険への影響です。会社員として社会保険に加入している場合、通常は副業のアクセサリー制作による所得だけを理由に社会保険の扱いが変わることは多くありません。ただし、副業の規模が大きくなり、個人事業として国民健康保険や国民年金への加入義務が生じるケースなど、状況によって扱いが異なります。社会保険料や年金の取り扱いについて不安がある場合は、日本年金機構の窓口や年金事務所に直接相談すると、個々の状況に応じた正確な案内を受けられます。

各種手続きや制度の詳細は、必ず公的機関の窓口で最新情報を確認してください。 出典: nenkin.go.jp

契約・取引先とのトラブルを避けるための基本

アクセサリー制作を続けていく中で、個人向けの販売だけでなく、ショップや企業からの制作依頼を受けるようになる方もいます。企業や個人事業主から仕事を発注される場合、支払い条件や納品条件を口頭だけで済ませず、書面やメッセージのやり取りで残しておくことがトラブル回避の基本です。発注書や契約書に盛り込むべき項目については、フリーランスを守る「下請法(取適法)」の知識でも解説されているとおり、納期、報酬額、支払期日、検収条件を事前に明確にしておくことが重要です。副業であっても、継続的に仕事を受けるようになれば、これらの基本を押さえておくことで不要なトラブルを避けられます。

他の副業ジャンルと組み合わせて収入源を分散する

アクセサリー制作を本業と両立させる中で、制作に使える時間には限りがあることに気づく方も多いはずです。制作の合間や、材料の乾燥待ちなどの手待ち時間を使って、別のスキルを活かした副業を組み合わせる選択肢もあります。例えば、文章を書くのが得意な方であれば著述家,記者,編集者の年収・単価相場を参考にライティングの案件を並行して受けることもできますし、パソコン作業に慣れている方であればアプリケーション開発のお仕事のような分野に挑戦する道もあります。

また、資格を活かしてスキルの幅を広げたい場合は、文書作成のスキルを証明できるビジネス文書検定や、IT分野の登竜門であるCCNA(シスコ技術者認定)のような資格取得を検討する方法もあります。いずれもアクセサリー制作とは異なる分野ですが、本業の合間の時間をどう配分するかという課題は共通しており、複数の副業を組み合わせることでリスクを分散させる考え方は参考になるはずです。IT・AIの知見を活かしたい場合はAIコンサル・業務活用支援のお仕事AI・マーケティング・セキュリティのお仕事といった分野もあり、単価相場を知りたい場合はソフトウェア作成者の年収・単価相場も参考になります。

独自データ考察 副業の継続率を左右するのは収入額より仕組み化

在宅ワーク・フリーランスの求人マッチングの現場を長く見てきた立場から言えば、アクセサリー制作に限らず、副業を本業と長く両立できている人には共通点があります。それは、収入の多寡よりも「仕組み化」を先に整えている点です。制作工程を細かく分解し、平日と週末で作業内容を分けている人ほど、繁忙期の本業と重なっても破綻しにくい傾向が見られます。逆に、受注が増えるたびに場当たり的に対応している人ほど、どこかで本業とのバランスを崩し、副業自体をやめてしまうケースが目立ちます。

もう一つの観察は、直接取引の仕組みを使う受け手ほど「手取りの厚さ」を実感しやすいという点です。仲介手数料が発生しないプラットフォームで発注者と直接やり取りをする場合、同じ予算であっても発注者側はより多くの制作を依頼でき、受け手側はその分の手取りが厚くなります。手数料0%という条件は、単に金額が増えるという以上に、限られた副業時間の中でどれだけ効率よく収入を積み上げられるかという「質」の違いとして表れます。本業と両立する副業だからこそ、少ない稼働時間の中でいかに手取りを最大化するかという視点は、収入の絶対額以上に重要になってくると感じています。

制作技術そのものは独学やワークショップで身につく方が多い一方で、就業規則の確認や確定申告の判断といった手続き面でつまずき、結果的に副業自体を諦めてしまう方も少なくありません。本記事で紹介した手順を、始める前に一通り確認しておくことで、そうした遠回りを避けられるはずです。

さらに付け加えるなら、長く両立を続けている人ほど「収入の天井を無理に上げようとしない」傾向があります。本業がある以上、アクセサリー制作に割ける時間には物理的な上限があります。その上限を認めた上で、限られた時間の中でどう効率化するか、どの工程を削るか、どのチャネルに絞るかを考えている人ほど、結果的に3年、5年と長く続けられているという印象を持っています。逆に、短期間で収入を最大化しようとして受注を詰め込みすぎた人ほど、体調を崩したり本業とのバランスを崩したりして、途中で撤退してしまうケースが目立ちます。

両立を前提にする以上、「稼げるだけ稼ぐ」ではなく「無理なく続けられる規模を保つ」という発想への切り替えが、結果的に最も安定した副業運営につながります。就業規則の確認、確定申告の準備、時間配分の仕組み化。この3つを始める前に整えておくことが、遠回りに見えて実は一番の近道です。

よくある質問

Q. 会社に副業を申請する際、アクセサリー制作という内容だけで不許可になることはありますか?

一般的に業態そのものが理由で不許可になるケースは少なく、会社が懸念するのは本業への支障や情報漏洩リスクです。申請書には稼働時間や販売方法を正直に記載し、不明点は人事担当者に確認しましょう。

Q. 副業の所得が20万円以下なら住民税の申告も不要ですか?

所得税の確定申告が不要でも、住民税は別ルールで申告が必要になる自治体があります。所得税と住民税の要件は別物なので、必ずお住まいの市区町村の窓口で確認してください。

Q. 材料費が売上を上回った月は申告する必要がありますか?

所得(売上から経費を引いた金額)がマイナスの場合、その月単体では申告義務が生じないことが多いですが、年間を通じた損益の扱いは個別の事情によって異なります。税務署や税理士に確認するのが確実です。

Q. 本業が忙しい時期は副業の受注をどう調整すればよいですか?

あらかじめ納期に余裕を持たせた案内をしておき、繁忙期には新規受注を一時的に絞る対応が現実的です。工程を細かく分解しておくと、忙しい週でも少しずつ進められます。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年8月12日最終更新:2026年8月18日
前田 壮一

この記事を書いた人

前田 壮一@SOHO編集部

元メーカー管理職・43歳でフリーランス転身

大手電機メーカーで品質管理を20年間担当した後、42歳でフリーランスに転身。中高年のキャリアチェンジや副業の始め方を、自身の経験をもとに発信しています。

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