大学生が職場・転職相談を仕事にできるのは、就活の当事者である今だけ


この記事のポイント
- ✓職場・転職相談を大学生が仕事にする方法を
- ✓職業安定法の線引きから料金設計まで解説
- ✓就活の当事者であるうちしか売れない価値と
「職場・転職相談 大学生」で検索する人には、二つのタイプがあります。ひとつは、自分の就職先や内定先について誰かに相談したい大学生。もうひとつは、就活で得た知識や経験を使って、相談する側ではなく相談を受ける側になれないかと考えている大学生です。この記事は後者に向けて書きます。結論から言うと、大学生が職場・転職相談を仕事として引き受けることは可能ですが、引き受けてよい範囲と、法律上引き受けてはいけない範囲がはっきり分かれています。そして、大学生ならではの強みには賞味期限があります。
これ、知らない人が本当に多いんです。相談を受けてお金をもらう行為には、資格が要らない領域と、許可が要る領域が同居しています。線を越えていることに気づかないまま募集をかけてしまう学生を、実際に何度も見てきました。だからこそ最初に法律の話をします。ただし堅苦しくはしません。つまり何をしてよくて何が駄目なのか、その一点だけを持ち帰ってもらえれば充分です。
大学生に相談の需要が生まれている構造的な理由
まず市場の話をします。転職や就職の相談は、長いあいだ「エージェントに無料で相談する」ものでした。人材紹介会社は求人企業から成功報酬を受け取るビジネスモデルなので、求職者側からは料金を取らないのが一般的です。この構造は今も変わっていません。
「第二新卒エージェントneo」は主に20代に特化した就職・転職エージェントで、約8万人の20代が利用しています。
平均113万円の年収UP、書類選考通過率94.7%という実績を誇り、一人ひとりの状況に合った就職・転職活動を細かくサポートしてもらえます。
未経験歓迎求人が多く、最短2日で内定が出るケースもあります。 出典: neo-career.co.jp
無料で使える大規模なサービスがあるのに、なぜ有料の個人相談に需要があるのか。理由は単純で、無料のサービスには構造上できないことがあるからです。紹介会社は自社が扱う求人の中から提案します。求人を持っていない相談、たとえば「今の内定を辞退すべきか」「院進と就職のどちらがよいか」「このまま就活を続けるか一度休むか」といった、求人紹介につながらない相談は、ビジネスとして受け止めにくい。ここに空白が生まれます。
もうひとつ、相談相手の選び方そのものが難しいという問題があります。身近な人に相談すると別の問題が起きる。この点は転職市場で長く指摘されてきました。
職場の関係者に転職相談をするのも避けるのがベターです。本来、転職(退職)の意思表示はまず直属の上司に口頭で伝えるのがマナーとなっています。
しかし、職場の関係者に相談したことがきっかけで噂になり、直接伝える前に退職したいことが上司の耳に入ると失礼になってしまいます。
円満退職を実現させるためにも、職場の同僚などには転職相談をしないようにしましょう。 出典: neo-career.co.jp
大学生の就活でも、これとまったく同じ現象が起きます。同じゼミの友人に「この企業の選考、どこまで進んだ」と話すのが気まずい。サークルの先輩に本音を言うと、翌週には別の人が知っている。親に相談すると、親の世代の就職観で答えが返ってくる。結果として、利害関係がなく、かつ状況を理解している相手が誰もいない、という状態になります。
つまり大学生の相談需要は「情報がない」ことから生まれているのではなく、「利害関係のない聞き手がいない」ことから生まれています。ここが理解できると、大学生が相談を受ける仕事の輪郭が見えてきます。売っているのは情報ではなく、利害から切り離された時間です。
資格が要らない範囲と、許可が要る範囲を先に切り分ける
ここが今日いちばん大事な部分です。相談業を始めようとする学生が、いちばん最初につまずくところでもあります。
まず前提として、日本には「キャリア相談を有料で行うには国家資格が必要」という法律はありません。キャリアコンサルタントは名称独占資格なので、資格を持たない人が「キャリアコンサルタント」を名乗ることは禁止されていますが、相談に乗る行為そのものが禁止されているわけではありません。つまり、名乗り方を間違えなければ、相談を受けて対価をもらうこと自体は可能です。
問題はその隣にある領域です。職業安定法は、求職者と求人企業のあいだに立って職業を紹介する事業、いわゆる有料職業紹介事業について、厚生労働大臣の許可を必要としています。ここを踏み越えると、資格の話ではなく許可の話になります。つまり「相談に乗る」のと「求人を紹介して手数料を得る」のは、法律上まったく別の行為です。
具体的に線を引くとこうなります。引き受けてよいのは、話を聞いて整理する、書類を読んで改善点を伝える、面接の練習相手になる、業界や企業の公開情報を調べてまとめる、選択肢を並べて判断材料を渡す、といった行為です。避けるべきなのは、特定の求人に応募させるために企業と求職者を引き合わせて報酬を得る、企業から採用に対する成功報酬を受け取る、といった行為です。
2026年時点の制度を前提に書いていますが、法令や運用は改正されることがあります。自分の予定しているサービス設計が許可の要る事業に当たるかどうか判断がつかない場合は、必ず厚生労働省の窓口や労働局の需給調整事業部門に事前に確認してください。※このあたりの線引きが微妙なケースでは、行政書士や弁護士など専門家への相談をおすすめします。書面で問い合わせて回答を残しておくと、後から揉めたときに自分を守ってくれます。参考として制度全体の入り口は厚生労働省で確認できます。
もうひとつ注意しておきたいのが、医療と法律の領域です。相談を受けていると、必ずと言っていいほどメンタル不調の話や、ハラスメント、未払い賃金の話が出てきます。うつ状態かどうかを判断する、この行為は違法だから訴えられる、といった発言は、それぞれ医師と弁護士の領域です。相談を受ける側は、そこに踏み込まず、適切な窓口を案内する役に徹する。これができるかどうかが、素人と実務家を分ける最初の分岐点になります。
先日、就活支援を始めたばかりの学生から相談を受けたことがあります。相談者から「内定先がブラックかもしれない」と言われて、つい「その労働時間なら違法ですね」と答えてしまった。結論から言うと、この一言は避けたほうがよかった。労働時間が違法かどうかは、労使協定の有無や業種、変形労働時間制の適用など、複数の条件を確認しないと判断できません。断定した瞬間に責任が発生します。正しい返し方は「その働き方に不安があるなら、労働基準監督署に匿名で相談できます」と窓口を渡すことです。こういうケース、実は本当に多い。
就活の当事者であるうちしか売れないもの
大学生が相談を受ける仕事に入るとき、社会人経験がないことを弱みだと思いがちです。しかし、この仕事に関しては、当事者であること自体が独自の在庫になります。
いま現在エントリーシートを書き、いま現在面接を受け、いま現在その企業の選考フローを通過している。この状態の人が持っている情報は、二年前に就活を終えた社会人には再現できません。選考の順番が変わった、Web面接のツールが変わった、グループディスカッションの出題形式が変わった、といった変化は毎年起きます。当事者はそれを体感として知っています。
さらに大きいのが、感情の解像度です。就活中の不安は、内容が同じでも重さが年ごとに違います。三年前に終えた人は「そんなに気にしなくていい」と言えてしまう。同学年か一年上の人は「そこ、しんどいですよね」から始められる。相談を受ける仕事において、この最初の一言が持つ意味は大きい。相談者が本音を出すかどうかは、この一言でほぼ決まります。
ただし、ここに賞味期限があります。当事者性は、卒業した瞬間から目減りしていきます。1年で情報の鮮度が落ち、3年もすれば「少し上の先輩」から「別の世代の人」に変わります。だから「今だけ」なのです。この期間に何をするかで、卒業後に残るものが決まります。
残せるものは三つあります。ひとつは、相談を受けた回数そのものです。何人と話し、どんな相談があったかという記録は、経験としてあとから使えます。ふたつめは、相談の型です。どういう順番で聞き、どこで整理し、何を渡して終えるか。この手順を自分の言葉で説明できるようになると、扱うテーマが変わっても通用します。三つめは、相談者からもらった評価です。文章で残しておくと、後の営業材料になります。
大学生が相談相手として選ばれる具体的な場面
需要がある場面を、もう少し細かく分解します。相談を受ける仕事は「就活相談」とひとくくりにすると、何をどう売ればいいのか分からなくなります。実際に発生するのは、もっと粒の細かい依頼です。
書類を読んで具体的に指摘してほしいという依頼
エントリーシートや履歴書、職務経歴書の添削は、相談業のなかでもっとも輪郭がはっきりした依頼です。成果物が目に見えるので、依頼する側も何を頼んでいるか理解しやすい。
大学生が引き受ける場合、強みは通過実績の具体性にあります。「この構成で書いたら通った」「この書き出しは読まれなかった」という、直近の選考で得た手触りを持っています。一方で気をつけるべきなのは、代筆にならないことです。本人が書いていない書類は、面接で必ず破綻します。指摘して書き直させる、この距離を守ることが結果的に相談者のためになります。
書類の書き方そのものを体系的に学びたいなら、文書の基本を扱う検定を通すのも手です。ビジネス文書検定は、社会人向けの文書作成の型を扱う資格で、相談を受ける側が「なぜこの書き方が読みにくいのか」を説明できるようになります。感覚で指摘するのと、理由を添えて指摘するのとでは、相談者の納得度がまったく違います。
面接の練習相手という依頼
面接練習は、相手がいないと成立しない領域です。大学のキャリアセンターでも受けられますが、予約が埋まる時期があり、回数にも上限があります。ここに隙間が生まれます。
大学生が引き受けるときの利点は、回数を重ねやすいことです。30分単位で気軽に頼めて、翌日も頼める。この機動力は、予約制の窓口には出せません。オンライン会議ツールで完結するため、場所の制約もありません。
注意点は、練習の記録を残すことです。何を聞いて、どう答えて、どこが弱かったか。口頭で伝えるだけだと相談者は覚えていられません。終わったあとに要点を文章で渡すと、それだけで満足度が変わります。この記録を作る作業は地味ですが、相談業を続けるうえで最も差がつくところです。
調べて整理してほしいという依頼
業界研究、企業研究、選考フローの整理。これらは調査と要約の仕事です。相談というより、リサーチ業務に近い。
この領域は、相談業のなかで唯一、当事者性がなくても成立します。つまり、卒業後も続けられる。就活期に相談で入って、調査と文章の仕事に横展開する経路は現実的です。文章で対価を得る職種の相場感については、著述家,記者,編集者の年収・単価相場に職種全体の統計がまとまっています。相談から書く仕事へ移る場合、自分の作業がどのくらいの水準で値付けされているのかを確かめる材料になります。
料金の決め方と、受け方の現実
料金の話をします。ここで多くの学生が迷います。
まず、無料で始めるかどうか。実績ゼロの状態で有料にすると誰も来ない、という不安があると思います。ただ、無料相談には固有の問題があります。無料だと相談者が準備をしません。準備のない相談は雑談になり、雑談は記録に残らず、実績にもなりません。結果として、時間だけが消えます。
現実的なのは、金額を低く設定して有料で始めることです。30分で1,000円から3,000円程度、書類添削なら1件あたり2,000円から5,000円程度が、学生同士のやり取りとして成立しやすい水準です。ここから始めて、記録が溜まってきたら上げていく。
料金設計で必ず決めておくべき項目は四つあります。一回あたりの時間、含まれる作業の範囲、追加で発生する場合の条件、そしてキャンセルの扱いです。特に最後のキャンセル規定は、書いていないと必ず揉めます。前日までなら無料、当日は半額、無断欠席は全額。この程度の一文でも、あるとないとでは大違いです。
支払い方法も先に決めます。学生同士だと「終わってから振り込みます」で流れがちですが、前払いにしておくほうが双方のためになります。お金の話を先に済ませておくと、相談の時間中にその話題が邪魔をしません。
受注経路についても触れておきます。SNSで募集をかける方法、大学内の掲示や紹介、業務委託のマッチングサービスを使う方法があります。仲介サービスを使う場合、注意して見るべきは手数料の水準です。仲介手数料が高い場所では、3,000円の相談から千円近くが引かれます。単価の低い相談業では、この差が積み上がると無視できません。手数料0%で直接取引できる場が使えるなら、同じ料金でも手元に残る額が変わります。
トラブルを避けるために先に決めておくこと
法務の視点から、相談業で起きやすい問題を挙げます。相談を受ける仕事は、成果物が形にならない分、認識のズレが起きやすい仕事です。
いちばん多いのが、期待値のズレです。相談者は「内定が取れる方法を教えてもらえる」と思っている。受ける側は「一緒に考える時間を売っている」と思っている。この差が埋まらないまま進むと、最後に「役に立たなかった」と言われます。防ぐ方法は単純で、申し込み時点で「できること」と「できないこと」を文章で示すことです。合否を保証しない、企業への口利きはしない、といった一文を入れておきます。
次に、秘密の扱いです。相談内容には、選考の状況、現在の勤務先、家庭の事情など、外に出せない情報が含まれます。これを守る約束を、口頭ではなく文章で交わす。NDAという形をとらなくても、「相談内容は第三者に開示しません」という一文があるだけで、相談者の安心感が変わります。逆に、事例として発信したいときは、事前に許可を取るか、個人が特定されない形まで抽象化する。ここを雑にすると、一件の失敗で評判が終わります。
三つめが、返金です。相談が終わったあとに「思っていたのと違うので返してほしい」と言われる場面は起こります。あらかじめ「役務の提供が完了した時点で返金は行わない」と決めておくか、あるいは「開始から一定時間以内に中止を申し出た場合は返金する」といった条件を決めておく。どちらでも構いませんが、決めていないのが最悪です。
四つめが、連絡が途絶えるケースです。日程を約束したのに現れない、書類を送ると言ったまま音沙汰がない。これも規定がないと対応に困ります。何日連絡がなければ案件を終了とみなすか、そのときの料金はどうするか。ここまで決めておけば、感情的にならずに処理できます。
法律はあなたの味方です。ただし、味方になってくれるのは、事前に取り決めを残していた人に対してだけです。※金額が大きい取引や、企業を相手にした契約では、契約書の内容を専門家に確認してもらうことをおすすめします。
大学生の副業として見たときの位置づけ
相談業を、他の学生向けの副業と比べてみます。
時給換算での効率は、決して高くありません。30分の面談に対して、事前の資料確認と事後の記録作成で同じくらいの時間がかかります。つまり実働は倍です。ここを理解せずに料金を決めると、アルバイトより条件の悪い仕事になります。
一方で、他の副業にない性質もあります。ひとつは、在庫も設備も要らないこと。もうひとつは、やった内容がそのまま自分の就活力になること。他人のエントリーシートを20件読むと、自分の書類の弱点が見えます。面接練習の相手を務めると、自分が面接で何をされているのか客観的に分かるようになります。この副次効果は、他のアルバイトでは得られません。
他の選択肢と比較検討したい人は、学生向けの在宅仕事を一覧で見てから決めるのが早いです。大学生におすすめの副業15選|バイトより稼げる在宅ワークランキング【2026年版】には、在宅で完結する仕事が種類別に整理されています。相談業だけにこだわらず、複数を組み合わせるほうが収入は安定します。
SNSの運用代行など、成果が数字で出る仕事と組み合わせる手もあります。大学生のSNSマーケティング副業|Instagram・TikTok運用代行の始め方では、運用代行の入り方が説明されています。相談業は数字で示しにくい仕事なので、数字が出る仕事を並行して持っておくと、実績の見せ方に幅が出ます。
仕事の探し方そのものが分からない段階なら、大学生がクラウドソーシングで稼ぐ方法|バイトよりも将来に役立つスキルが身につくを先に読んでおくと、案件の受け方の全体像がつかめます。相談業も、受注のプロセス自体は他の在宅仕事と大きく変わりません。
大学の窓口や既存サービスとどう住み分けるか
大学生が相談を受ける仕事を始めるとき、必ず問われるのが「キャリアセンターがあるのに、なぜあなたに頼むのか」という点です。ここに答えを持っていないと、料金を提示した瞬間に断られます。
大学のキャリアセンターは、その大学の学生に対して無料で提供されます。求人票も持っていますし、OBやOGの名簿も持っています。情報量では個人が勝てる相手ではありません。ただし、いくつか構造的な制約があります。予約が必要で、混む時期には枠が取れない。担当者が毎回変わることがあり、前回の話を最初から説明し直すことになる。そして、大学の看板を背負っている以上、大学が推奨できない選択肢について踏み込んだ話がしにくい。
個人が入れるのは、この制約の隙間です。予約なしで短時間、同じ相手が継続して聞く、そして大学の立場では言いにくい選択肢も一緒に並べる。この三点が住み分けの軸になります。「大学の代わり」ではなく「大学に相談する前後の整理」として位置づけると、競合しません。
エージェントとの関係も同じ考え方です。人材紹介会社は求人を持っているので、応募する段階では圧倒的に強い。しかし、応募する前の段階、つまり「そもそもどの方向に進むか」を決める場面では、求人を持っていることが逆に制約になります。ここが個人の相談が入れる領域です。相談者に対しても、「求人の紹介は私の役目ではないので、その段階になったら紹介会社を使ってください」と最初に言い切ってしまうほうが、信頼されます。できないことを先に言う人のほうが、できることを信じてもらえる。これは相談業に限った話ではありません。
もうひとつ、大学生特有の注意点として、所属大学との関係があります。大学の名前を使って集客する、大学の施設で有料の面談を行う、大学が提供している資料をそのまま配布する。これらは、大学の規程に触れる可能性があります。学業以外の営利活動について、届出や制限を設けている大学もあります。始める前に、学生便覧や学生課で確認しておくほうが安全です。トラブルになってから知るのが、いちばん損をします。
学業との両立と、お金まわりで先に押さえること
学生が副業として相談を受けるとき、見落とされがちなのが税と扶養の扱いです。ここは法律の話なので、丁寧に書きます。
まず知っておいてほしいのが、アルバイトの給与と、業務委託で受け取る報酬は、税務上まったく別の扱いになるということです。アルバイトは給与所得として扱われ、勤務先が源泉徴収と年末調整を行います。一方、相談業のように個人として仕事を請け負って受け取る報酬は、事業所得または雑所得になります。つまり、自分で集計して申告する必要が出てきます。
この違いが効いてくるのが、経費の扱いです。給与所得では個別の経費を引けませんが、業務委託の報酬では、その仕事のために使った費用を経費として差し引けます。オンライン会議ツールの利用料、通信費のうち業務で使った割合、参考書籍、面談用のヘッドセット。こうした支出は記録しておく価値があります。領収書を残す習慣は、始めた初日からつけておいてください。あとから遡って集めるのは、ほぼ不可能です。
扶養の範囲や、申告が必要になる所得の水準については、制度改正が続いています。金額の要件は年によって変わるため、この記事で数字を書くことはしません。必ず国税庁の最新の案内を確認するか、住んでいる地域の税務署に問い合わせてください。※親の扶養に入っている場合、自分の所得が変わると親の税負担にも影響します。始める前に家族に一言伝えておくと、後から気まずくなりません。
記録の残し方も先に決めておきます。誰から、いつ、いくら受け取ったか。この三点を一覧にしておくだけで、申告が必要になったときの作業量がまったく違います。表計算ソフトのシート一枚で充分です。請求書を発行する習慣もつけておくと、相手にとっても記録が残り、支払いの遅れが減ります。
学業との両立については、面談の枠を先に固定してしまうことをおすすめします。「空いている時間に入れる」やり方だと、試験期間や課題の締切と衝突したときに、相談者との約束のほうを優先してしまいがちです。週のうち、この曜日のこの時間だけ受ける、と決めておけば、履修の組み方も変えられます。相談を受ける仕事は、時間を細切れにできない性質があるため、枠の設計が生活全体を左右します。
独自データから見える、相談業の実像
在宅・業務委託の仕事情報を扱う立場から見ると、相談・カウンセリング系の依頼には特徴的な傾向があります。職場・転職・キャリア相談のお仕事には、この分野で実際に発生している業務の種類がまとめられています。面談だけでなく、書類の添削、研修資料の作成、記事執筆、アンケート設計といった周辺業務が同じ枠の中に入っている。相談業を「面談を売る仕事」と定義してしまうと、この周辺の依頼を取り逃します。
近接する領域も見ておくと視野が広がります。たとえばAI・マーケティング・セキュリティのお仕事には、生成AIを使った業務支援の依頼が並んでいます。相談内容の記録整理や、資料の下書き作成といった作業は、こうしたツールと相性がよい。効率を上げれば、面談そのものに使える時間が増えます。
まったく違う分野に目を移すのも、料金設計の参考になります。作曲・編曲・効果音・ジングルのお仕事のような制作系の仕事は、成果物が明確な分、単価の根拠が説明しやすい。相談業がなぜ値付けに苦労するのかが、比較すると見えてきます。成果物がないなら、記録や資料という形で「残るもの」を作るしかない。この発想の転換が、相談業の単価を上げる唯一の道です。
技術職の相場と比べておくのも無駄ではありません。ソフトウェア作成者の年収・単価相場を見ると、専門技能が価格に反映される仕組みが分かります。相談業でも、汎用的な傾聴だけでなく、特定の業界や職種に絞った知識を持つほど単価は上がります。逆に言えば、絞らないかぎり上がりません。技術系の相談に対応したいなら、CCNA(シスコ技術者認定)のようなネットワーク分野の認定を持っておくと、その業界を志望する相談者に対して話が通じるようになります。資格そのものが相談業の免許になるわけではありませんが、共通言語を持っているかどうかは相談者に伝わります。
この市場を20年見てきた立場から言うと、相談業で長く続く人には共通点があります。単発の面談を積み重ねるのではなく、「この人に聞けば整理がつく」という関係を作ることに時間を使っている。一回の面談で全部を解決しようとする人ほど、疲れて早く辞めます。相談者の側も、一回で人生が決まるとは思っていません。何度か話せる相手がいることのほうが、実際には価値がある。
もうひとつ、運営者として見てきた限りでは、中間マージンの厚さが受け手の行動を変えます。手数料が高い場では、受け手は単価を上げるために案件を選び、依頼者は予算内で頼める回数を減らします。手数料が乗らない直接の取引では、同じ予算でも依頼者はより多く相談でき、受け手の手取りは厚くなる。金額が増えるのではなく、双方の使える回数が増える。相談業のように継続が価値を生む仕事では、この差がそのまま関係の深さに変わっていきます。
大学生が相談を受ける側に回れる期間は、実際には二年から三年しかありません。その期間に何人と話し、どんな記録を残したか。これが卒業後の自分に渡せる唯一の資産になります。当事者であることは、そのうち必ず終わります。終わる前に、当事者でなくても通用する型を作っておくこと。それが、今この時期に始める意味です。
よくある質問
Q. 大学生が有料で就職・転職の相談を受けても法律上問題ありませんか?
相談に乗って対価を得ること自体を禁じる法律はありません。ただしキャリアコンサルタントは名称独占資格なので無資格で名乗れません。また求人企業と求職者を引き合わせて手数料を得る職業紹介は厚生労働大臣の許可が必要です。2026年時点の制度が前提なので、事業設計が許可対象か迷う場合は労働局に確認してください。
Q. 相談料はいくらに設定すればよいですか?
学生同士のやり取りでは30分1,000円から3,000円程度、書類添削なら1件2,000円から5,000円程度が成立しやすい水準です。無料で始めると相談者が準備をせず記録も残らないため、低額でも有料にするほうが実績になります。時間・作業範囲・追加条件・キャンセル規定の4項目を先に決めてください。
Q. 社会人経験がないのに相談を受けて役に立てますか?
いま就活の当事者であること自体が情報の鮮度になります。選考フローの変化や面接ツールの変更は毎年起きるため、数年前に就活を終えた人には再現できません。ただし当事者性は卒業後1年で鮮度が落ち、3年で別世代になります。その間に相談の型と記録を作っておくことが重要です。
Q. 相談中にメンタル不調や違法な労働条件の話が出たらどうしますか?
判断せず窓口を案内してください。うつ状態かどうかの判断は医師、違法かどうかの判断は弁護士の領域です。労働時間の適法性は労使協定や変形労働時間制の有無で変わるため断定できません。「労働基準監督署に匿名で相談できます」と伝える形が安全です。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
長谷川 奈津@SOHO編集部
行政書士・元企業法務
企業法務で数多くのフリーランス契約を扱った経験を活かし、フリーランス向けの法律・契約・権利に関する記事を執筆。「法律はあなたの味方です」がモットー。
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