スキマ時間で進むWordPress構築の工程と、まとまった時間が要る工程


この記事のポイント
- ✓WordPress構築はスキマ時間だけで完結しません
- ✓2時間以上まとめないと進まない工程を分けて整理し
- ✓細切れの時間で何ができるか
結論から書きます。WordPress構築は、スキマ時間だけでは完結しません。ただし、工程の6割から7割はスキマ時間で進みます。問題は、残りの3割をどこに置くかです。
「通勤の電車で15分、昼休みに20分、寝る前に30分」という時間の使い方でWordPressサイトを組もうとして、いつまでも公開に至らない。この失敗はパターンが決まっています。分割できない工程を、分割できる工程と同じ扱いで細切れの枠に押し込んでいるからです。
この記事では、WordPress構築の各工程を「細切れで進むもの」と「まとめないと進まないもの」に分類します。そのうえで、スキマ時間側の生産性を上げる準備と、まとまった時間を確保する現実的な作り方を書きます。時間の総量ではなく、時間の形の話です。
そもそも「5分でインストール」は本当なのか
WordPressには古くから「5分でインストールできる」という言い方があります。この表現が、初心者の時間感覚を狂わせている面はあると思います。
実際に検証した記録もあります。
もう100回くらい(?) WordPress をインストールしているぼくですが、WordPress のキャッチコピー「5分でインストール」というのは検証したことがありませんでした。 いまこのフレーズ言っているか分からないですが、たしか昔はそんなだったような・・・。 ということで挑戦は受けて立つ、やってみようじゃないか!! :-)。 出典: another.maple4ever.net
正直なところ、この5分という数字は、インストール作業そのものを指しています。サーバーを契約し、ドメインを取得し、DNSが浸透するのを待ち、SSLを設定し、テーマを選び、初期設定を済ませる。ここまで含めれば5分では終わりません。
つまり、WordPress構築の時間を語るときは「どの工程の話をしているか」を毎回はっきりさせる必要があります。この記事もその原則で書きます。
分類の基準は「文脈の再構築コスト」
工程を分類する基準は、作業時間の長さではありません。中断したときに、再開のために何を思い出す必要があるかです。
たとえば記事本文の流し込みは、中断しても再開が楽です。どこまで貼ったかは画面を見ればわかる。頭の中に保持しておくべき情報がほとんどありません。
一方、表示崩れの原因を追っている最中の中断は致命的です。「プラグインAを止めたら直った、でもプラグインBを戻したらまた崩れた、だから疑わしいのはCSSの読み込み順序」という仮説が頭の中にあり、これは画面に残りません。10分中断すると、その仮説を組み立て直すのにまた10分かかる。実質、進みません。
この「再開時に思い出さなければならない量」を、ここでは文脈の再構築コストと呼びます。これが小さい工程はスキマ時間向き、大きい工程はまとまった時間が必要、という分け方をします。
スキマ時間で進む工程
まず、細切れの時間で確実に前に進む工程を挙げます。目安として15分から30分の枠で扱えるものです。
コンテンツの投入と整形
固定ページや投稿へのテキスト流し込み、見出しの階層整理、リストの整形。ここは典型的なスキマ時間向きです。1ページぶん入れて閉じても、次に開けば続きが見えます。
画像の差し替えと代替テキストの設定も同様です。1枚ずつ処理でき、途中で止めても被害がない。
画像の下準備
アップロード前の画像圧縮、リサイズ、ファイル名の整理。これは作業自体が単純で、しかも枚数で区切れます。10枚ぶん処理したら閉じる、という進め方ができます。
サイトの表示速度に効く工程でもあるので、後回しにされがちな割に価値が高い。スキマ時間の使い道としては優秀です。
プラグインとテーマの調査
「この要件を満たすプラグインは何があるか」を調べるのは、まとまった時間を必要としません。公式ディレクトリを眺め、更新日と有効インストール数を確認し、候補を3つ書き出す。これは移動中でも進みます。
ただし、調べたことを必ずメモに残すのが条件です。残さないと、次のスキマ時間でまた同じ検索をすることになります。
文言の校正とチェック
公開前の誤字確認、リンク切れの目視チェック、フォームの送信テスト。1項目ずつ独立しているので、途中で止められます。
チェックリストを作っておけば、残り何項目かも見えます。細切れの時間との相性がいちばんいい工程かもしれません。
依頼主とのやり取り
修正依頼への返信、確認事項の質問、進捗の共有。これは分単位で処理できます。
むしろ、まとまった時間の中でやると集中が切れるので、意識的にスキマ時間に寄せたほうが全体の効率が上がります。返信をまとめて処理する時間帯を決めておくのが定石です。
学習とインプット
新しいテーマの仕様を読む、ブロックエディタの新機能を確認する、他社サイトの構成を観察する。これも細切れで問題ありません。
副業として構築を続けるなら、この学習時間をどこかに確保しないと、数年で扱える範囲が古くなります。スキマ時間の使い道としては、実は最も長期のリターンが大きい部類です。
まとまった時間が必要な工程
ここからが本題です。次の工程は、細切れの時間に押し込むと進まないどころか、品質が落ちます。
サイト全体の設計
ページ構成を決める、階層を切る、どの情報をどこに置くかを決める。この工程は、サイト全体を頭の中に載せた状態でないと判断できません。
15分で「トップページの構成だけ決める」ことは可能に見えますが、実際にはトップの構成は下層の構成に依存します。部分だけ決めると、後で全体の整合が取れなくなり、やり直しになります。
目安として2時間以上のまとまりが要ります。
テーマのカスタマイズとデザインの当て込み
見た目を整える作業は、細かい調整の連続です。余白を調整して確認し、また調整する。この往復のリズムが切れると、感覚が戻らない。
しかも、細切れで進めると全体のバランスが崩れます。今日は見出しの余白を広げ、3日後にボタンの色を変え、1週間後に文字サイズを変える。それぞれの判断は正しくても、並べたときにちぐはぐになります。
不具合の切り分け
最も分割できない工程です。先ほど書いたとおり、仮説を頭に保持したまま検証を繰り返す作業なので、中断すると振り出しに戻ります。
しかも、切り分けは終わりが読めません。20分で片づくこともあれば、4時間かかることもある。だからスキマ時間に着手してはいけない。「30分あるから調べてみよう」と手をつけて、中途半端なところで閉じると、次に開いたときの状態がわからなくなり、かえって時間を失います。
本番環境への切り替えと移行
ドメインの切り替え、データベースの移行、リダイレクトの設定。この工程は、途中で止まった状態がそのまま「サイトが表示されない状態」になり得ます。
作業を始めたら最後まで通す。これが鉄則です。逆に言えば、通せるだけの時間が確保できていないなら着手しない。
更新作業の実行と、その後の確認
WordPress本体やプラグインの更新は、ボタンを押すだけなら数分です。問題は更新後です。表示が崩れていないか、フォームが動くか、決済が通るかを確認する必要があります。
更新自体はスキマ時間でできますが、更新と確認はセットです。確認する時間がないタイミングで更新ボタンを押すのは、避けたほうがいい。
なお、管理画面に更新の通知が出るタイミングは、新しいバージョンが公開された瞬間とは限りません。通知の確認は一定の間隔で行われるため、サイトによって表示されるタイミングにずれが出ます。「通知が出ていないから最新版だ」と判断せず、複数サイトを預かっている場合はバージョンを一覧で管理しておくほうが確実です。
実際の時間配分は、案件の種類で変わる
工程の分類はわかっても、案件によって比率が違います。
新規で小規模なサイトを1本作る場合、まとまった時間が必要な工程は全体の3割程度に収まることが多い。設計とデザイン当て込みと公開作業だけがまとまりを要求し、残りはコンテンツ投入なのでスキマ時間で処理できます。
一方、既存サイトのリニューアルや移行が絡むと、この比率が逆転します。現状の把握、依存関係の確認、移行の検証、切り替え。ほとんどがまとまった時間を要求する工程です。副業でスキマ時間中心に動いている人が、移行案件を受けて破綻する典型がこれです。
保守運用の月額契約は、また性質が違います。日常の作業はほぼスキマ時間で足りますが、障害が起きたときだけ突発的にまとまった時間を要求されます。しかもその発生タイミングは選べません。
つまり、自分の時間の形に合う案件を選ぶ、という発想が要ります。まとまった時間が取れない生活をしているなら、移行案件は受けない。これは技術力の問題ではなく、時間の構造の問題です。
スキマ時間の質を上げる、3つの準備
同じ15分でも、準備の有無で進む量が変わります。
準備1:次にやることを、閉じる前に書いておく
作業を終えるとき、次に開いたら何をするかを1行書いてから閉じる。これだけで、再開時の立ち上がりが劇的に速くなります。
書かないと、次に開いたときにまず「どこまでやったっけ」から始まります。15分のうち5分がそこで消える。3分の1です。無視できません。
準備2:作業の粒度をあらかじめ砕いておく
「トップページを作る」はスキマ時間には大きすぎます。「トップのファーストビューの見出しテキストを確定する」「実績セクションの画像を3枚差し替える」まで砕いておく。
この砕く作業自体は、まとまった時間があるときにやります。設計の時間の最後に、タスクを砕いておく。そうすると、その後のスキマ時間が全部使えるようになります。
準備3:環境の立ち上がりを速くする
管理画面のURLをブックマークしておく、パスワード管理を整えておく、よく使うファイルをすぐ開ける場所に置いておく。地味ですが効きます。
回線環境も同じ理由で効いてきます。管理画面の読み込みが遅い、画像のアップロードで待たされるという状態だと、15分の枠が実質8分になります。在宅で作業する比率が高いなら、回線の見直しは費用対効果が高い部類です。この判断材料は在宅ワークに最適なネット回線|光回線vsホームルーターの選び方で整理されています。
スマートフォンでできることと、できないこと
スキマ時間の話をすると必ず出るのが、スマートフォンでどこまでできるかという質問です。
現実的にできるのは、依頼主とのやり取り、記事の下書き、公開済みページの目視確認、プラグインの情報収集あたりです。WordPressの公式アプリを使えば投稿の編集もできますが、レイアウトを伴う編集は厳しい。
できないのは、テーマの編集、CSS の調整、プラグインの検証、不具合の切り分けです。画面の情報量が足りず、複数のタブを行き来する作業に向きません。
正直なところ、スマートフォンでの作業は「進める」より「詰まりを取る」用途で考えたほうがいい。依頼主からの質問に返信して相手のボールにしておく、次の作業のためのメモを整理しておく。これだけでも、次にパソコンを開いたときの効率が変わります。
1週間の中に、時間のかたまりをどう置くか
ここまでの分類を踏まえると、やるべきことははっきりしています。1週間の中に、まとまった時間を置く場所を先に決めることです。
週に1回、2時間から3時間のブロックを固定する
理想は週に2回ですが、副業として続けるなら週1回の固定でも成立します。重要なのは、毎週同じ曜日、同じ時間帯に置くことです。
「時間が空いたらやろう」では絶対に確保できません。空いた時間は必ず他のことで埋まります。予定として先に入れて、そこを動かさない。これは意志の問題ではなく、仕組みの問題です。
このブロックには、設計、デザイン当て込み、不具合の切り分けといった、分割できない工程だけを入れます。ここで記事の流し込みをしてはいけない。それはスキマ時間でできることだからです。貴重なまとまり時間を、細切れでもできる作業に使ってしまうのが、最もよくある浪費です。
ブロックの直前に、材料を揃えておく
まとまった時間の価値を下げるもうひとつの要因が、準備不足です。デザインを当て込む時間になってから素材を探し始めると、そこで40分消えます。
だから、ブロックの前のスキマ時間で材料を集めておく。画像を用意する、参考にするサイトを3つ選んでおく、依頼主に確認すべきことを先に聞いて回答をもらっておく。この準備をスキマ時間側に寄せると、ブロックの実効時間が伸びます。
言い換えると、スキマ時間の最も価値ある使い道は「まとまった時間の準備」です。この関係を意識できるかどうかで、同じ生活リズムでも進む量がまったく変わります。
ブロックが取れない週の扱い
現実には、まとまった時間が取れない週も来ます。仕事が忙しい、家族の予定が入る、体調を崩す。
このとき無理に着手しないことが重要です。特に不具合の切り分けと移行作業は、中途半端に手をつけると状態が悪化します。取れない週は、コンテンツ投入と学習だけに絞る。翌週にブロックが取れるなら、そこまで待つほうが結果的に速い。
この判断を最初から計画に織り込んでおくために、納期には「ブロックが1回飛んでも間に合う」余裕を持たせておきます。日数ではなく、ブロックの回数で余裕を数えるのがコツです。
記録が、細切れの時間を繋ぐ
細切れで作業を進める人にとって、作業ログは道具ではなく必需品です。
記録すべきなのは3つ。どこまで進んだか、次に何をするか、そして途中で気づいた懸念です。3つめが意外と重要で、「ここのプラグイン、更新したら怪しいかもしれない」といった直感は、記録しないと次に開いたときに消えています。
形式は凝る必要がありません。テキストファイル1枚でも十分です。重要なのは、作業を閉じるときに必ず書く習慣にすること。
この記録は、副次的な効果もあります。案件が終わったあとに読み返すと、自分がどの工程にどれだけ時間を使ったかが見えます。次の案件の見積り精度が上がるのは、この記録があるからです。感覚で見積もっている限り、精度は上がりません。
もうひとつ、依頼主への進捗共有にもそのまま使えます。細切れで作業していると、依頼主からは進んでいるように見えにくい。週に1回、記録をもとに「今週はここまで進みました、来週はここをやります」と送るだけで、相手の不安が消えます。これはスキマ時間で処理できる作業でありながら、関係の維持に最も効く部分です。
見積りに、時間の形を反映させる
ここは実務の話です。案件の見積りを出すとき、多くの人は総作業時間だけを計算します。それだと、副業で細切れに動く人は必ず遅れます。
見積りには、次の3つを分けて書くのが実務的です。
ひとつめが、実作業時間の合計。ふたつめが、まとまった時間が必要な工程の内訳と、その時間をいつ確保できるか。みっつめが、そこから逆算した納期。
たとえば「実作業30時間」の案件で、うち10時間がまとまった時間を要求する工程だとします。平日に確保できるのがスキマ時間だけで、まとまった時間は土日にしか取れないなら、その10時間は最低でも週末2回分が必要です。つまり納期は最短でも2週間後になる。
この計算をせずに「30時間ぶんだから1週間で」と答えると、そこで詰みます。
報酬の水準を考えるときも、時間の形は無視できません。職種としての相場感はソフトウェア作成者の年収・単価相場で確認できますが、副業で細切れに動く場合、同じ案件でも実際に拘束される期間は長くなります。単価だけでなく、案件が自分の時間をどれだけの期間占有するかまで見て判断するほうが実態に合います。
小さな案件で試す、2週間の進め方の例
ここまでの考え方を、実際の案件に当てはめてみます。例として、5ページほどの小規模な紹介サイトを既存テーマで構築する案件を取り上げます。平日は1日に15分から30分のスキマ時間が2回ほど、土曜日に3時間のブロックが1回取れる人を想定します。
1週目の平日 材料を集め、判断を先に済ませる
平日のスキマ時間では、依頼主から原稿と画像を受け取り、足りない素材を一覧にして返します。画像はサイズをそろえて圧縮し、ファイル名を付け直しておきます。テーマの候補は2つまでに絞り、デモ画面をスマートフォンで見比べて、どちらを使うかを決めておきます。
ここで大事なのは、判断の要る作業を平日に済ませておくことです。どのテーマを使うか、どのプラグインを入れるか、ページの並び順をどうするか。こうした決めごとが残っていると、週末のブロックが迷う時間に消えます。
1週目の土曜日 骨組みを一気に作る
3時間のブロックでは、テーマを入れ、固定ページを5つ作り、メニューとトップページの構成までを進めます。平日に材料と判断がそろっていれば、この時間は手を動かすことだけに使えます。ブロックの最後の10分で、次にやることを書き出してから閉じます。
2週目の平日 流し込みと確認を細かく進める
骨組みができれば、原稿の流し込み、見出しの整形、画像の差し込みは1ページずつ進められます。1回のスキマ時間で1ページと決めておくと、どこまで進んだかが分かりやすくなります。スマートフォンで表示を確かめ、崩れている箇所をメモしておくのも平日の作業です。
2週目の土曜日 仕上げと公開の準備
2回目のブロックでは、平日にメモした表示の崩れを直し、お問い合わせフォームの送信を確かめ、バックアップを取ります。公開の切り替えは、依頼主と日時を合わせたうえで、このブロックの中で行います。公開後の確認に時間を残しておけるよう、ブロックの前半で修正を終えるつもりで進めてください。
この例では、実作業は合計で10時間ほどですが、納期は2週間になります。見積りのときに依頼主へ伝えるのは、作業時間ではなくこの2週間という期間のほうです。
依頼主には、進め方を先に伝えておく
スキマ時間中心で進める場合、依頼主への伝え方も工夫が要ります。平日は返信が夜になること、大きな作業は週末に進めること、確認をお願いする日をあらかじめ決めておくこと。この3点を最初に伝えておけば、平日に作業の手が止まって見えても、依頼主が不安になることはありません。
確認をお願いする日を決めておくと、依頼主の側も予定を立てやすくなります。「1週目の日曜に骨組みの確認、2週目の金曜に全ページの確認をお願いします」のように、日付で示しておくのが確実です。
スキマ時間中心で働く人が、実際に選んでいる仕事
WordPress構築だけに絞らず、周辺の仕事も含めて考えると選択肢は広がります。
構築の周辺には、記事の執筆や編集の仕事が多くあります。これは工程の分割がしやすく、スキマ時間との相性が良い部類です。水準は著述家,記者,編集者の年収・単価相場で見られます。
逆に、まとまった時間を確保できる環境が作れるなら、開発寄りの仕事に踏み込む選択もあります。どんな内容の仕事があるかはアプリケーション開発のお仕事が具体的です。近年は業務の自動化やAI活用の支援も案件として増えており、AIコンサル・業務活用支援のお仕事やAI・マーケティング・セキュリティのお仕事を見ると、制作の隣にどんな領域が広がっているかがわかります。
学習を体系立てて進めたい場合、サーバーやネットワークの知識は不具合の切り分け速度に直結します。CCNA(シスコ技術者認定)の学習範囲は、その基礎を押さえるのに使えます。見積書や進捗報告の書き方に自信がない人には、ビジネス文書検定で扱う内容が実務にそのまま効きます。
在宅で働く選択肢を全体として見比べたい場合は在宅でできる仕事おすすめ【2026年版】|スキル別ランキングを、育児の合間という前提で時間を組んでいる場合は育児中にできる在宅副業10選|スキマ時間で月3万円を目指すを見ておくと、自分の時間の形に合う仕事の判断がしやすくなります。
見積りが外れやすい典型的な場面
既存サイトのリニューアル案件を例に考えます。
作業量を積み上げると、実作業は40時間程度と見積もれたとします。総量としての数字は、大きく外れていないことが多いものです。外れやすいのは、その40時間の中に「まとまっていないと進まない部分」がどれだけあるかの把握です。
既存サイトからの移行が絡む案件では、確認と検証に長い連続時間が必要になり、細切れの時間ではほとんど進みません。総量は合っているのに、納期は大きくずれる。これがよくある外れ方です。
ここから言えるのは、見積りで数えるべきなのは時間の量ではなく、確保できる時間のかたまりの数だということです。案件を受ける前に「この案件で、2時間以上の連続時間が何回必要か」を数える習慣にしておくと、この外れ方はかなり防げます。
運営者として見てきたこと
在宅ワークと業務委託の市場を20年運営してきた立場から、時間の使い方について観察していることがあります。
スキマ時間を武器にできている人は、時間を細かく使っているのではなく、細かく使える仕事だけを選んでいます。順番が逆なんです。まず自分の時間の形を把握して、それに合う案件だけを受けている。
逆に続かなくなる人は、案件を先に受けてから時間を捻出しようとします。そして、まとまった時間が要る工程で必ず詰まる。技術力の差ではなく、選び方の差です。
もうひとつ、長く続いている人ほど「この人に任せると楽だ」という状態を作るのに時間を使っています。連絡が早い、確認事項が整理されている、聞かれる前に前提が書いてある。この積み上げは、実はスキマ時間で作れる部分が大きい。手を動かす時間が細切れでも、信頼の積み上げは細切れで進みます。
そして、収入の面で見過ごされがちなのが、報酬から何が引かれるかという点です。仲介を経る取引では成約額から一定割合が差し引かれるのが一般的で、細切れの時間で1件ずつ積み上げる働き方ほど、この差し引きの影響が重くなります。手数料0%で依頼主と直接つながる形であれば、同じ作業量でも手元に残る厚みが変わります。金額の大小以上に、この厚みが「続けられるかどうか」を左右する場面を、運営者として何度も見てきました。
時間の総量は増やせません。増やせるのは、時間の形に合わせて仕事を選ぶ精度のほうです。
よくある質問
Q. スキマ時間だけでWordPressサイトを1本完成させられますか?
新規の小規模サイトであれば、工程の大半はスキマ時間で進みます。ただし、サイト全体の設計、デザインの当て込み、本番環境への切り替えの3つは、2時間以上のまとまった時間が必要です。この部分だけは週末などにブロックで確保する前提で計画を立ててください。完全に細切れの時間だけで完結させるのは現実的ではありません。
Q. 15分の空き時間で、具体的に何ができますか?
記事本文の流し込み、画像の圧縮とリサイズ、代替テキストの設定、プラグインの候補調査、公開前の誤字確認、依頼主への返信などです。共通点は、途中で止めても再開時に思い出す必要がある情報が少ないこと。逆に、表示崩れの原因調査は15分では着手しないほうが結果的に速く終わります。
Q. スマートフォンだけでWordPress構築の作業はできますか?
やり取りへの返信、記事の下書き、公開済みページの目視確認、情報収集までは可能です。テーマの編集、CSSの調整、プラグインの検証、不具合の切り分けは画面の情報量が足りず現実的ではありません。スマートフォンは作業を進める道具ではなく、次にパソコンを開いたときの効率を上げる準備の道具と考えると使いやすくなります。
Q. 細切れの時間しか取れない場合、どんな案件を選べばいいですか?
新規の小規模サイト構築、ページ追加、記事投稿代行、画像最適化のように、工程が独立していて範囲が区切られた案件が向いています。避けたほうがよいのは、既存サイトの移行やリニューアルです。現状把握と検証にまとまった連続時間が必要で、細切れの時間では進まないうえ、途中で止まると表示に影響が出る場合があります。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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