Webサイト保守で月5万円に届く人は契約を何件持っているのか

長谷川 奈津
長谷川 奈津
Webサイト保守で月5万円に届く人は契約を何件持っているのか

この記事のポイント

  • Webサイト保守・分析でいくら稼げるのか気になる方へ
  • 月5万円に届く人が実際に何件の契約を掛け持ちしているのか
  • 費用相場と契約の考え方を法務の視点から解説します

先日、Webサイトの保守を副業で始めたばかりの方からご相談を受けました。「月5万円くらい稼ぎたいんですが、Web保守っていくらもらえるものなんでしょうか」というご質問です。結論から言うと、単発の作業単価だけを見ていては、月5万円という金額には届きません。実際に月5万円を安定して得ている人の多くは、複数の依頼主と契約を結び、その本数を積み重ねています。この記事では、Webサイト保守・分析の仕事でいくら稼げるのか、そして月5万円に届く人がどれくらいの契約数を持っているのかを、費用相場のデータと法務の視点から解説します。

Webサイト保守・分析の費用相場

まず、Webサイト保守・分析の市場全体の費用相場を確認しておきましょう。制作会社が企業向けに提供している保守サービスの料金相場は、月額1万円から3万円程度が一般的とされています。

10,000円〜30,000円程度が相場。保守業務の相場は、1ヶ月で10,000円〜30,000円程度だといわれています。保守業務にはさまざまな作業が含まれているため、ある程度の費用はかかってきます。ただし、保守業務を外注している会社の中には、「どういった作業が保守業務に含まれているかわかっていない」というケースもあります。このケースでは、実際に行われている業務以上の費用がかかっている可能性もあるため、注意が必要です。 出典: lancers.jp

分析やコンサルティングまで含む場合は、さらに単価が上がります。

アクセス解析レポートはあくまで参考程度で、集客のためのアドバイスをもらうなら、最低でも5万円は必要です。社内にマーケターがいる場合、レポート作成だけをお願いして、分析や施策の企画などは社内で行うという利用方法もあります。 出典: shift-jp.net

この2つの引用から分かるのは、Webサイト保守という言葉が指す業務範囲が非常に幅広いということです。単純な更新代行なのか、分析やコンサルティングまで含むのかによって、費用相場は数倍単位で変わります。

制作会社が企業向けに提示している金額は、あくまで法人対法人の取引における相場です。個人が副業として請け負う場合は、これよりも小さい単位の契約から始まることがほとんどですが、業務の中身自体は共通しています。つまり、法人向けの相場観を知っておくことは、個人として適正な価格を設定するうえでの重要な参考情報になるということです。相場より極端に低い金額で受注してしまうと、後から単価を引き上げることが難しくなるため、最初の価格設定は慎重に検討する価値があります。

企業によって、ホームページの保守費用は大きく異なりますので一概には言えませんが、相場としては10,000円〜100,000円程度です。依頼している制作会社のプランにもよりますが、マーケティング施策や毎月のレポート提出、コンサルティング支援なども合わせると月100,000円を超えることもあります。 出典: plan-b.co.jp

つまり、個人が副業として請け負う保守案件は、この相場のうち比較的シンプルな更新代行の部分、月1万円前後から始まることが多いということです。これ、知らない人が本当に多いんですが、「保守」の一言で契約すると、実際にどこまでの作業が含まれるのかが曖昧なまま進んでしまうことがあります。契約書や見積書に「作業範囲」を明記しておくことは、後々のトラブルを避けるうえで欠かせません。

行政書士として日々法務相談を受けている立場から見ても、「保守」という言葉の曖昧さは、トラブルの火種になりやすい典型例だと感じています。依頼主は「保守料金を払っているのだから、何でもやってくれるはず」と考えがちで、受注者は「更新作業だけの契約のはず」と考えている。このズレに気づかないまま数ヶ月が経ち、ある日突然「これもやってもらえると思っていました」という依頼主の言葉で、認識のズレが表面化するケースを何度も見てきました。契約件数が増えるほど、この種のズレが同時多発的に起きるリスクも高まるため、最初の取り決めが何よりも重要になります。

月5万円に届く人は何件の契約を持っているのか

先ほどの費用相場を踏まえると、答えは見えてきます。1件あたりの契約が月1万円から2万円程度だとすれば、月5万円に届くには、単純計算で3件から5件の継続契約を並行して持つ必要があります。1件の高額案件を追いかけるよりも、複数の中小規模の契約を積み重ねる方が、現実的に到達しやすい水準だという点は、最初に押さえておいていただきたい前提です。

これは、1件の大きな案件に依存するモデルではなく、複数の小さな契約を積み重ねるモデルだということを意味します。実際にこの働き方をしている人の多くは、依頼主ごとの作業内容や更新頻度を管理表にまとめ、月のどのタイミングでどの作業が発生するかを可視化しています。契約が1件、2件のうちは単価交渉の余地も少ないですが、3件、4件と積み重なっていくと、収入の安定性が大きく増していきます。

法務の観点から付け加えると、契約件数が増えるほど、契約書や見積書の管理も煩雑になります。フリーランス保護新法(正式名称:特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)では、業務を委託する事業者に対して、業務内容や報酬額、支払期日などを書面またはメールなどの電磁的方法で明示することが義務付けられています。

つまり、口約束だけで作業を始めてしまうと、後から「言った、言わない」のトラブルになりやすいということです。契約件数が増えるほど、この管理の重要性は増していきます。

収入シミュレーション:契約数別の月収イメージ

具体的なシミュレーションで考えてみましょう。あくまで一般的な相場に基づく試算であり、個々の案件の単価は依頼主や業務範囲によって大きく異なる点にご留意ください。

契約が1件のみの場合、月1万円から2万円程度の収入にとどまることが一般的です。これは「お小遣い程度」の水準であり、副業としてはまだ助走段階と言えます。

契約が3件になると、単純計算で月3万円から6万円程度になります。この段階から、副業としての実感が出てくる人が多い水準です。ただし、3件を掛け持ちすると、それぞれの更新頻度や連絡窓口が異なるため、スケジュール管理の負担も増えてきます。

契約が5件を超えてくると、月5万円から10万円程度の収入が視野に入ります。ただし、この段階になると、単なる更新代行だけでなく、簡単な分析やレポート作成といった、単価の高い業務を一部の依頼主から任されるようになっているケースも多く見られます。契約件数の増加と、業務範囲の広がりが同時に進んでいくのが、この仕事の収入の伸ばし方の特徴です。

このシミュレーションで注意していただきたいのは、契約件数が増えるほど、単純な掛け算通りには収入が伸びない場合があるという点です。1件あたりの作業時間が想定より長引いたり、依頼主ごとに求められる対応の頻度が異なったりすると、体感の負担は契約件数の増加以上に大きくなることがあります。実際に月5万円を安定して得ている人の多くは、契約数を増やす前に、1件あたりの作業を効率化する工夫を先に済ませています。

また、契約1件あたりの単価は、業務範囲によって大きく変わります。単純な文字更新のみの契約と、画像加工やレイアウト調整まで含む契約とでは、同じ「更新代行」という名称でも、適正な単価は数倍の差が出ることがあります。契約を増やす際は、金額の大小だけでなく、その金額が何の作業に対する対価なのかを、依頼主と自分の双方で明確にしておくことが欠かせません。

契約件数を増やすための実務的な手順

手順1:1件あたりの作業時間を記録する

契約件数を増やす前に、まず1件あたりにどれくらいの時間がかかっているかを記録しておくことが重要です。これを把握しないまま契約数だけを増やしてしまうと、対応しきれずに納期遅れや品質低下を招くリスクがあります。時間単価を意識した管理は、契約件数を増やす前提条件と言えます。

具体的には、作業を開始した時刻と終了した時刻を、簡単な表計算ソフトやメモアプリに記録するだけで構いません。1ヶ月ほど記録を続けると、「この依頼主は想定より時間がかかる」「この作業は思ったより早く終わる」といった傾向が見えてきます。この記録が、次に契約を増やす際の受け入れ可能な件数を判断する材料になります。

手順2:定型作業をテンプレート化する

複数の依頼主に共通する作業(お知らせの更新、画像の差し替えなど)は、手順をテンプレート化しておくと、契約件数が増えても対応時間を圧縮できます。この効率化は、契約数を増やしながら品質を落とさないための実務的な工夫です。

例えば、依頼主への作業完了報告のメール文面をテンプレート化しておく、更新作業のチェックリストを共通フォーマットで用意しておくといった工夫だけでも、1件あたりの事務作業にかかる時間は大きく短縮できます。この積み重ねが、契約件数を増やしても破綻しない働き方につながります。

手順3:契約書・見積書のフォーマットを統一する

契約件数が増えると、依頼主ごとに契約書や見積書のやり取りが発生します。基本フォーマットを自分で用意しておき、依頼主ごとに条件を差し替える形にしておくと、事務作業の負担を大きく減らせます。フリーランス保護新法の観点からも、書面で作業内容と報酬額を明示する習慣は、自分自身を守るうえで大切です。

つまり、毎回ゼロから契約書を作成するのではなく、業務内容、報酬額、支払期日、対応時間帯といった基本項目をあらかじめ雛形にしておき、依頼主ごとに数値だけを差し替える形にしておくということです。この準備をしておくだけで、新しい契約を結ぶたびに発生する事務負担を大幅に軽減できます。

手順4:単価の高い業務へ段階的に広げる

更新代行だけを続けていても、単価は大きくは上がりません。信頼関係ができた依頼主から、簡単な分析やレポート作成を任されるようになると、同じ作業時間でも単価が上がります。マーケティングやレポート業務に関心がある場合は、マーケ戦略・分析・レポート作成のお仕事の求人情報を確認しておくと、隣接する職種の単価感がつかめます。Webサイトの保守と分析をまとめて扱う案件については、Webサイトコンサル・保守・分析のお仕事にまとまった情報があります。

選び方とおすすめの案件の探し方

契約件数を増やしていく際、どの依頼主と契約すべきかの選び方も重要です。個人的には、支払い条件が明確で、業務範囲がはっきりしている依頼主を優先することをおすすめしています。支払いサイトが極端に長い、あるいは業務範囲が曖昧なまま契約を急がせる依頼主には注意が必要です。

フリーランス保護新法では、発注事業者は原則として、給付を受領した日から60日以内のできるだけ早い時期に報酬を支払う義務があるとされています。これは書面やメールで契約条件を確認しておけば、後から支払いの遅延を指摘する根拠にもなります。契約前にこの点を確認しておくことは、複数契約を安心して積み重ねていくための土台になります。

つまり、依頼主が「今月は忙しいので支払いを待ってほしい」と口頭で伝えてきた場合でも、契約時に取り決めた支払期日があれば、それを根拠に支払いを求めることができるということです。これ、知らない人が本当に多いんですが、フリーランス側が「催促するのは気まずい」と遠慮してしまい、結果的に支払いが数ヶ月遅れてしまうケースも実際にあります。契約件数が増えるほど、こうした遅延が積み重なると資金繰りに直結するため、支払期日の確認と、必要であれば毅然とした催促は、複数契約を回すうえで欠かせないスキルの一つです。

依頼主を選ぶ際のもう一つの視点として、業務範囲の拡大を無償で求めてくるかどうかも確認しておきたいポイントです。継続契約を結んでいると、依頼主から「ついでにこれもお願いできますか」と、当初の契約範囲を超える依頼が来ることがあります。これ自体は決して悪いことではありませんが、無償対応が常態化してしまうと、契約件数を増やしても収入が比例して伸びないという事態に陥ります。追加の依頼を受ける際は、その都度、追加料金の発生有無を確認する習慣をつけておくことをおすすめします。

SNS運用と組み合わせて仕事の幅を広げたいという方には、SNS運用代行・SNS広告のお仕事も参考になります。Webサイトの保守と合わせて、SNSの更新代行も請け負えるようになると、1つの依頼主から得られる契約単価そのものを底上げできる可能性があります。

単発案件と継続契約、どちらが有利か

単発の作業(スポットでの修正対応など)と、月額契約による継続的な保守業務を比較すると、収入の安定性という点では継続契約の方が圧倒的に有利です。単発案件は1件あたりの単価がやや高めに設定されることもありますが、次の依頼が来る保証がないため、収入が不安定になりがちです。

一方で継続契約は、単価そのものは控えめでも、毎月安定した収入が見込めます。月5万円という目標を目指す場合は、単発案件で単価の高さを追うよりも、継続契約の本数を積み重ねる方が、再現性のある戦略だと言えます。

両者を組み合わせる戦略も現実的です。基本となる収入は継続契約で確保しつつ、余裕のある時期にスポット案件を受けて収入の上乗せを狙う、という組み立て方です。ただし、スポット案件を受けすぎると、継続契約先への対応がおろそかになるリスクがあるため、優先順位は明確にしておく必要があります。個人的には、まず継続契約を3件程度確保してから、余力のある範囲でスポット案件を検討するという順番をおすすめしています。

もう一点、比較の視点として重要なのが「契約解除のしやすさ」です。単発案件は1回限りで完結するため、依頼主との相性が合わなかった場合の影響が小さく済みます。一方で継続契約は、一度結ぶと解除の手続きや引き継ぎが発生するため、契約前の見極めがより重要になります。トライアル的に1〜2ヶ月の短期契約から始め、双方の相性を確認したうえで本契約に移行するという進め方も、リスクを抑える一つの方法です。

契約時に確認しておきたい注意点

契約件数を増やしていく過程で、最も注意すべきなのが「契約内容の書面化」です。これは私が法務相談の中で繰り返しお伝えしていることですが、口頭での約束だけに頼ると、後になって「そんな話は聞いていない」というトラブルに発展しやすくなります。

以前、あるWeb保守の受託者の方から、こんな相談を受けたことがあります。複数の依頼主と口約束だけで契約を進めていたところ、ある依頼主から「今月は業務範囲外の大規模な修正を無償でやってほしい」と言われ、断ったところ、報酬の支払いが遅れてしまったというケースです。※このケースのように、支払い遅延が発生した場合は、契約内容によって対応が異なるため、必要に応じて弁護士や行政書士などの専門家に相談することをおすすめします。

こうしたトラブルを防ぐためにも、契約件数が増えるほど、書面での取り決めを徹底することが大切です。作業範囲、報酬額、支払期日、対応時間帯。これらを最初に明文化しておくことは、複数契約を安心して回していくための基本のキです。

もう一つ、契約時に見落とされがちな注意点があります。それは、複数の依頼主の情報を同時に扱うことになるため、機密保持の意識が必要になるという点です。依頼主のサイトのログイン情報や、業務上知り得た社内情報を、他の依頼主との会話の中で無意識に話してしまう、といったことがないよう注意が必要です。契約書にNDA(秘密保持契約)の条項が含まれている場合は、その範囲をきちんと確認しておきましょう。複数契約を抱える働き方では、こうした情報管理の意識も、単発案件のとき以上に重要になってきます。

契約解除の際の取り決めも、事前に確認しておくべき事項です。継続契約は双方の合意でいつでも解除できるのが原則ですが、解除の際の予告期間(1ヶ月前に申し出るなど)を契約書に明記しておくと、突然の契約終了によって収入計画が狂うリスクを減らせます。逆に、依頼主側から突然契約を打ち切られた場合の対応についても、あらかじめ心づもりをしておくと安心です。

必要なスキルとキャリアの広がり

契約件数を増やしながら単価を上げていくには、更新代行の基本スキルに加えて、簡単な分析や文章作成のスキルがあると有利です。文書作成の基礎を確認したい方は、ビジネス文書検定のような資格を通じて基本を押さえておくのも一つの方法です。サイトの表示不具合やサーバー周りの相談にも対応したいという方には、ネットワークの基礎を学べるCCNA(シスコ技術者認定)も選択肢になります。

将来的にシステム開発の領域まで踏み込みたいと考える方は、ソフトウェア作成者の年収・単価相場を確認しておくと、キャリアの延長線上にある選択肢の年収水準がイメージできます。文章作成の比重を高めたい方には、著述家、記者、編集者の年収・単価相場の情報も参考になります。

これらの年収データベースを確認する際に注意していただきたいのは、正社員としての年収水準と、副業・フリーランスとしての契約単価は、単純に比較できないという点です。正社員の年収には賞与や福利厚生が含まれる一方、フリーランスの契約単価はそこから経費や税金、社会保険料を自分で差し引く必要があります。数字の大小だけを見て一喜一憂せず、手取りベースでどれくらいの水準になるかを、自分自身で試算しておくことをおすすめします。

スキルアップの方向性としては、更新代行の延長線上にある「簡単な分析」を身につけることが、最も費用対効果の高い選択肢だと考えています。高度な統計解析やプログラミングの習得には時間がかかりますが、基本的なアクセス解析ツールの読み方であれば、数週間の学習でも実務に活かせるレベルに到達できます。この段階的なスキルアップこそが、契約件数を増やしながら単価も上げていく、現実的な戦略です。

複数契約と時間管理の両立

契約件数が増えると、避けて通れないのが時間管理の課題です。特に本業を持ちながら副業として複数契約を回している場合、限られた時間の中でどう作業を組み立てるかが収入の伸びを左右します。在宅ワークを続けている方の実際の1日のスケジュールについては、在宅ワーク主婦の1日のタイムスケジュール公開が参考になります。

複数の作業を並行してこなすうえで、集中力の維持も重要な課題です。作業の合間に気が散ってしまい、結果的に作業時間が延びてしまうという悩みを抱える方には、在宅ワークの集中力アップで紹介されている工夫が役立つはずです。また、これから新たに契約を増やしたいと考えている方は、在宅ワークの求人の探し方5選も合わせて確認しておくと、案件探しの視野が広がります。

契約件数が増えてくると、依頼主ごとの締め日や支払日がバラバラになるため、資金繰りの見通しを立てにくくなるという課題も出てきます。この対策として、契約ごとの入金予定日をカレンダーやスプレッドシートで一覧化しておくことをおすすめします。特に副業として本業と両立している場合、本業の給与日と副業の入金日がずれることで、月内の資金繰りが読みにくくなることがあります。あらかじめ入金予定を可視化しておくことで、こうした不安を減らすことができます。

体調管理の面でも、契約件数の増加には注意が必要です。複数の依頼主に対応する責任を同時に抱えることは、精神的な負荷も増やします。「対応が遅れたら信頼を失うのではないか」という不安から、休むべき時間に作業をしてしまう人も少なくありません。契約件数を増やす際は、自分が無理なく対応できる上限を事前に見極め、それを超える依頼は丁寧に断る、あるいは他の受注者を紹介するといった判断も、長く働き続けるためには必要です。

@SOHO独自データの考察

在宅ワークの案件データを見渡すと、Webサイト保守の求人は「単発の更新代行」から「月額契約の保守運用」まで、実にさまざまな形態で掲載されています。応募する側からすると、どの案件が継続契約につながりやすいのかを見極めることが、収入を安定させるうえでの最初の分かれ目になります。

20年この在宅ワーク市場を見てきた立場から言えば、月5万円という水準に安定して届いている人には共通する行動パターンがあります。それは、1件の大きな契約に依存せず、複数の依頼主との関係を並行して育てていることです。単発の作業をこなすだけの人よりも、継続的に「この人に任せると楽」と思ってもらえる関係づくりに時間を使っている人の方が、結果として契約数を積み重ねやすい傾向が見られます。

もう一つ運営者として見てきた実感を挙げると、仲介の手数料が発生しない直接取引の構造は、契約件数を積み重ねる働き方と特に相性が良いという点です。複数の契約を抱えるほど、手数料の差は積み重なって効いてきます。中間マージンが乗らない分、依頼主は同じ予算でより多くの作業を依頼でき、受注する側は同じ契約件数でも手取りが厚くなります。この構造は、金額の大小だけでなく「複数契約を長く続けやすい」という質的な違いを生みます。手数料0%という条件は、契約件数を積み重ねる戦略の土台として、特に大きな意味を持つのです。

契約件数を軸にしたデータを俯瞰すると、収入が伸び悩む人と着実に伸びていく人の違いは、単価交渉のうまさよりも、依頼主との関係を長く維持できるかどうかにあることが見えてきます。1件契約が終わるたびにゼロから新しい依頼主を探すのではなく、既存の契約を安定して続けながら、少しずつ新しい契約を積み増していく。この地道な積み重ねこそが、月5万円という水準に無理なく到達するための、最も現実的な道筋です。

法務の視点から補足すると、契約を積み重ねる過程で最も避けたいのは、契約解除時のトラブルによって、それまで積み上げてきた信頼や実績が損なわれてしまうことです。これは金額の損失以上に、長期的なキャリアへの影響が大きい問題です。円満に契約を終えられれば、その依頼主が別の企業を紹介してくれる可能性もありますし、時間を置いて再び契約が復活することもあります。逆に、対応の不備や連絡不足で契約を打ち切られてしまうと、悪い評判が思わぬところで広がるリスクもあります。特に地域や業界が近い依頼主同士では、意外なところで評判が伝わることも珍しくありません。一つ一つの契約を丁寧に扱う姿勢は、目先の収入だけでなく、将来の契約数にも影響を与えるという点を忘れないでいただきたいと思います。長く続けている人ほど、この基本を徹底しています。

さらに付け加えると、契約件数を積み重ねる働き方は、リスク分散の観点からも理にかなっています。1件の大きな契約だけに依存していると、その契約が終了した瞬間に収入がゼロになってしまいます。一方で複数の契約を並行して持っていれば、1件が終了しても他の契約が収入の土台として残ります。この構造は、正社員が1社に雇用されている状態とは異なる、フリーランスならではのリスクマネジメントだと言えます。

法律はあなたの味方です。契約件数を増やすことに不安を感じる方も多いと思いますが、一つ一つの契約を書面で丁寧に取り決めていけば、複数契約を抱えることは決して危険な選択ではありません。むしろ、単発の高単価案件に一喜一憂するよりも、着実に契約を積み重ねていく方が、長期的には安定した副業収入につながります。月5万円という目標は、一足飛びに到達するものではなく、1件ずつ丁寧に信頼関係を積み重ねた先にある結果だということを、最後にもう一度お伝えしておきたいと思います。焦らず、一つ一つの契約を大切にしていってください。それが結果的に、最も遠回りに見えて、最も確実な近道になります。

よくある質問

Q. Webサイト保守で月5万円稼ぐには何件の契約が必要ですか?

1件あたり月1万円から2万円程度の契約であれば、3件から5件程度の継続契約を並行して持つことで、月5万円に届く水準になります。

Q. 契約書は必ず作成した方がいいですか?

はい。フリーランス保護新法では業務内容や報酬額、支払期日の明示が求められています。口約束だけでは後々のトラブルにつながりやすいため、書面での取り決めをおすすめします。

Q. 支払いが遅れた場合、どう対応すればいいですか?

契約内容によって対応が異なるため、まずは契約書やメールでの取り決めを確認しましょう。解決が難しい場合は、弁護士や行政書士などの専門家への相談をおすすめします。

Q. 単発案件と継続契約、どちらを優先すべきですか?

収入の安定性を重視するなら継続契約の本数を増やす方が再現性が高い戦略です。単発案件は単価が高めでも、次の依頼が保証されない点に注意が必要です。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年8月11日最終更新:2026年9月20日
長谷川 奈津

この記事を書いた人

長谷川 奈津@SOHO編集部

行政書士・元企業法務

企業法務で数多くのフリーランス契約を扱った経験を活かし、フリーランス向けの法律・契約・権利に関する記事を執筆。「法律はあなたの味方です」がモットー。

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