両学長がすすめる副業を確かめる|自分に向くかの見極め方


この記事のポイント
- ✓両学長おすすめ副業として名前が挙がるものを
- ✓3つの系統に分けて整理しました
- ✓就業規則と公務員の制約
「おすすめされている副業の一覧は見たんです。でも、自分がどれをやればいいのか分からなくて」。こういうご相談、本当に多いんです。両学長おすすめ副業と検索してたどり着いたページを見比べて、10種類ほどの選択肢を前にして止まってしまう。これは、皆さんの決断力の問題ではありません。一覧は「世の中にどんな副業があるか」を教えてくれますが、「あなたがどれを選ぶべきか」は教えてくれないからです。
この記事では、名前で選ばずに済むように、よく挙げられる副業を3つの系統に分けて整理します。そのうえで、契約と税金の目から見た向き不向きの判断材料をお出しします。なお、おすすめの内容そのものは発信者の側で随時更新されるものですから、最新の見解は必ず本人の発信を確認してください。ここでお伝えするのは、どの一覧を見るときにも使える「読み方」です。
名前で選ぶと外れる。まず3つの系統に分ける
副業の名前は数十種類ありますが、収入が生まれる仕組みで分けると3つしかありません。この分け方を覚えておくと、新しい副業の名前を聞いても慌てなくなります。
系統1、物を売る。 仕入れて売る、作って売る。せどりや転売、ハンドメイドの販売、農産物や食品の販売などが入ります。売上は立ちやすいのですが、仕入れの資金が先に出ていきます。そして、扱う物によって許可や表示の義務が発生します。ここが一番見落とされる点です。
系統2、技能を売る。 自分の時間と技術を提供します。Webライティング、動画編集、デザイン、プログラミング、翻訳、事務代行などです。仕入れがゼロで始められ、単価は技能の水準で決まります。一方で、自分が働いた時間を超える収入にはなりません。
系統3、作品や情報を売る。 一度つくったものを繰り返し売ります。ブログやアフィリエイト、教材やテンプレートの販売、写真やイラストの素材販売などです。立ち上がりは遅く、半年から1年は収入がほとんど出ません。ただし、育った後は働いた時間と収入が切り離されます。
多くの一覧では、この3系統が混ざって並んでいます。だから比べにくいのです。「せどりと動画編集とブログ、どれがいいですか」という質問は、「自転車と英会話と株、どれがいいですか」と聞いているのに近い。まず自分がどの系統を選ぶかを決めてから、その中で具体的な種類を選んでください。
系統ごとの向き不向きを、法務と税務の目で見る
私の仕事は契約と手続きの相談ですので、そちらの視点から3系統を並べてみます。楽しいかどうかではなく、面倒が起きやすいかどうかの話です。
| 系統 | 初期費用 | 収入までの期間 | 手続きの重さ |
|---|---|---|---|
| 物を売る | 数万円から数十万円 | 数日から数週間 | 重い(許可・表示義務) |
| 技能を売る | ほぼゼロ | 数週間から2か月 | 軽い(契約書のみ) |
| 作品や情報を売る | ほぼゼロ | 6か月から12か月 | 中(表示義務・権利処理) |
まず、物を売る系統です。ここには法律上の入口があります。中古品を仕入れて売る場合、古物営業法の古物商許可が必要です。許可は都道府県の公安委員会に申請します。「メルカリで売るだけだから」と考えて始める方が多いのですが、自分が使っていた物を手放すのと、利益を出す目的で仕入れて売るのは、法律上まったく別の行為です。つまり、後者は許可が要ります。
それから、通信販売として物を売る場合、特定商取引法にもとづいて事業者の氏名や住所、連絡先を表示する義務があります。これ、知らない人が本当に多いんです。自宅の住所を出したくないという声は当然出てきます。
一部の副業については法律で氏名・住所・連絡先をネットで公開することが定められており、多くの人が危険性を感じ、どうすればいいか悩んでしまうようです。 出典: virtualoffice-lab.com
この悩みは正当なものです。対処としては、事業用の住所を別に借りる方法が取られています。ただし、業種によっては実際の営業所として認められない場合もありますので、許可が必要な事業を営む場合は、申請先に先に確認してください。
次に、技能を売る系統です。手続きは一番軽く、必要なのは契約条件をはっきりさせておくことだけです。ただし軽いからこそ、条件を口約束で済ませてトラブルになる例が多い。ここは後の章で詳しく書きます。
最後に、作品や情報を売る系統です。広告を使う場合は景品表示法とステルスマーケティング規制、人の写真やイラストを扱う場合は著作権と肖像権の確認が入ります。手続きというより、書く内容の一つ一つに注意が必要な系統です。
自分に向くかを見極める5つの問い
ここからは、具体的に自分がどれを選ぶかの話です。次の5つに正直に答えてみてください。答えが出た時点で、選ぶべき系統はほぼ絞られます。
問い1、いま自由に使えるお金がいくらありますか。 貯金が数万円しかないなら、物を売る系統は外してください。仕入れが売れ残ったときに生活が傾きます。技能を売る系統から入るのが安全です。
問い2、収入が出るまで何か月待てますか。 3か月が限界なら、作品や情報を売る系統は外します。半年から1年は無収入だと覚悟できる方だけが選べる系統です。
問い3、1週間に何時間使えますか。 5時間未満なら、締め切りのある受注仕事は危険です。納期に遅れることは、信用を一番早く失う行為です。時間が読めないうちは、期限のないものから始めてください。
問い4、いま仕事で使っている技能は何ですか。 これが一番大事な問いです。経理をやっている方なら経理代行、営業資料を作っている方なら資料作成の代行が、いきなり始められます。ゼロから新しい技能を覚える前に、いま持っている札を数えてください。
問い5、人とやりとりするのは苦ではありませんか。 苦手な方が受注仕事を選ぶと、修正のやりとりで消耗します。その場合は、作品や素材を売る形のほうが合います。
この5つに答えると、たとえば「貯金は少ない、3か月しか待てない、週10時間使える、資料作成ができる、やりとりは平気」という方なら、技能を売る系統の資料作成代行が第一候補になります。名前の知られた副業を選ぶより、この順番で絞ったほうが外れません。
続けられるかどうかも、見極めの対象です。こんな声があります。
副業を始めてみたけど、「思ったより楽しくない」「なんかしっくりこない」…そんなふうに感じたことはありませんか? 出典: library.libecity.com
しっくりこない理由は、多くの場合、作業の内容ではなく系統の選び間違いです。人と話すのが好きな方が黙々と作業する副業を選べば、当然つまらない。系統を変えるだけで、同じ人が続けられるようになることはよくあります。
始める前に確かめる3つの規定
選ぶ前に、確かめておくべき規定が3つあります。順番に見ていきます。
1つ目、勤務先の就業規則。 副業を禁止している会社、届け出を求めている会社、自由にしている会社があります。国は副業と兼業を進める方向で指針を出しており、厚生労働省の副業・兼業のページに、企業側と働く側それぞれの留意点が整理されています。ただし、国の方針と個々の会社の規則は別ものです。まずは自社の規則を読んでください。
2つ目、公務員の方の制約。 公務員には法律上の制限があります。国家公務員法と地方公務員法で、営利企業の役員を兼ねることや、報酬を得て事業や事務に従事することについて、任命権者などの許可を必要とする定めがあります。つまり、会社員より制約が強い。ご自身の所属先の人事に確認するのが唯一の正解です。※このケースは自己判断せず、必ず所属先に確認してください。
3つ目、許認可が必要な業種か。 先に書いた古物商許可のほか、食品を作って売るなら営業許可、人の髪や肌に触れる仕事なら別の免許が必要です。「ネットで売るだけだから要らないだろう」という判断は、ほぼ外れます。
この3つを確かめないまま始めて、後から止めることになるのが一番つらいパターンです。順番を逆にしてください。確かめてから始める。これだけで防げます。
住民税と確定申告。会社に知られる仕組みを正しく理解する
「副業が会社にバレるのが怖い」というご相談も多いので、仕組みを正確に書きます。憶測で語られている部分が多い領域です。
会社員の方が副業で得た収入は、多くの場合、雑所得または事業所得として扱われます。給与を1か所から受けていて、給与以外の所得の合計が20万円を超える場合、確定申告が必要になります。ここでいう20万円は、入ってきた金額ではなく、経費を引いた後の所得です。区分の考え方は国税庁の雑所得の説明に、申告が必要になる条件は給与所得者で確定申告が必要な人にまとまっています。
つまり、経費をきちんと記録していれば、所得は売上より小さくなります。パソコン、通信費、書籍、仕入れ代。事業に使った分は経費です。記録がなければ経費にできませんから、レシートを1か所に集める習慣を最初の月からつけてください。
知られる経路として、よく挙がるのが住民税です。
会社の経理担当の人が「やたらこの人住民税高いな」と感じれば、副業しているとバレるかもしれません。(よほど副業で稼いだ金額が大きくないと気づかれません) 出典: virtualoffice-lab.com
この説明は、仕組みとしては正確です。住民税は給与から差し引かれるため、副業分が合算されると金額が変わります。ただし、実務では給与担当者が個人の税額を一件ずつ見比べているわけではありません。それよりも大事なのは、隠すことより先に規則を確認しておくことです。届け出れば通る会社であれば、隠す理由はありません。
もう一点。所得税の確定申告が不要な場合でも、住民税の申告は別に必要になることがあります。「20万円以下なら何もしなくていい」という説明は所得税に限った話です。お住まいの自治体の案内を確認してください。
契約でつまずかないために。支払われないときの根拠を持つ
技能を売る系統を選ぶ方に、必ずお伝えしていることがあります。報酬が支払われないトラブルは、いまだに起きています。
たとえば、納品したのに「イメージと違う」と言われて支払いを拒まれる。修正を無限に求められる。最初に聞いていた作業範囲が、途中で膨らんでいく。こういうご相談を受けてきました。結論から言うと、これらには法律上の根拠があります。
2024年11月に施行された、いわゆるフリーランス保護新法(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)では、発注する側の義務が定められています。取引条件を書面や電子メールなどで明示すること、そして物品を受け取った日や役務の提供を受けた日から起算して60日以内のできる限り短い期間内に報酬を支払うこと。つまり、「イメージと違う」は支払いを止める正当な理由になりません。
この法律が自分を守るためには、条件が明示されていることが前提になります。ですから、始めるときは必ず、作業の範囲、修正の回数、納期、報酬額、支払期日の5つを文字で残してください。メールのやりとりでも構いません。口約束だけは避けてください。※実際に支払われない事態になった場合は、行政の相談窓口や弁護士への相談を検討してください。
法律はあなたの味方です。ただし、味方になってもらうには、何を約束したかが分かる記録が必要です。
系統ごとに、最初の1か月でやること
系統が決まったら、最初の1か月の動き方が変わります。ここを間違えると、動いているのに前に進まない状態になります。
物を売る系統を選んだ方。 1か月目は仕入れをしません。まず、扱う商品に許可や表示義務があるかを調べます。次に、売る場所を決めます。フリーマーケットのアプリか、自分のネットショップか、両方か。そして、1点だけ試しに売ってみます。手数料、送料、梱包にかかる時間を実測するためです。ここを実測せずに数十点仕入れると、売れても利益が残らないことに後から気づきます。
技能を売る系統を選んだ方。 1か月目は、実績になる成果物を2つ作ります。依頼を受けてからではなく、自分で題材を決めて作ります。過去に仕事で作ったものは、社内資料なのでそのまま出せないことが多い。だから、見せられる形のものを自分で用意する必要があります。そのうえで、単価の下限を先に決めます。この金額以下では受けない、という線です。線がないと、安い依頼に時間を取られて抜け出せなくなります。
作品や情報を売る系統を選んだ方。 1か月目は、30本分の題材を書き出します。書き出せなければ、その分野は自分の持ち札ではありません。そして、収益が出るまでの期間を紙に書いて、家族に見せておきます。半年間ほぼ無収入という前提を共有しておかないと、途中で必ず摩擦が起きます。
どの系統でも共通してやることが一つあります。収支の記録をつける場所を作ることです。表計算のシート1枚でいい。売上、経費、使った時間の3列だけ。これがあると、3か月後に「続けるか、系統を変えるか」を数字で判断できます。感覚で判断すると、だいたい続けるほうに寄ります。
つまずきやすい失敗と、手前で止める方法
相談としてよく届く失敗を、起きる順に並べます。どれも、手前で止められるものです。
失敗1、道具と教材に先にお金を使う。 高い講座を申し込み、機材をそろえ、そこで力が尽きる。順番が逆です。無料の範囲で1件納品してから、足りないものだけ買ってください。何が足りないかは、やってみないと分かりません。
失敗2、安すぎる条件で受けてしまう。 最初の実績が欲しい気持ちは分かります。ただ、一度決めた単価を後から上げるのは、新しい相手を探すより難しい。実績づくりのために安く受けるなら、期間か件数を先に区切ってください。「最初の3件だけ」と決めておけば、抜け出せます。
失敗3、作業範囲を決めずに始める。 「ちょっと直して」が何度も来る。これは相手が悪いというより、範囲を決めていないのが原因です。修正は2回まで、それ以降は別料金、と最初に書いておく。たった1行で防げます。
失敗4、複数の副業を同時に始める。 一覧を見ると全部やりたくなりますが、同時に3つ始めた方が3つとも中途半端に終わる例を何度も見てきました。1つに絞って3か月。合わなければ次の1つ。この回し方が結局早いです。
失敗5、記録を残さない。 経費のレシートを捨ててしまう。何時間かけたか覚えていない。この状態では、確定申告のときに困るだけでなく、自分の時間単価が分かりません。時間単価が分からないと、次に受ける依頼が得なのか損なのかも判断できません。
失敗6、勤務先の規則を後回しにする。 これが一番痛い失敗です。3か月続けて手応えが出てきた頃に、就業規則で禁じられていたと分かる。最初の1日で確かめられることを、最後に確かめてしまっている。順番を変えるだけで避けられます。
収入が増えてきたら考えること
副業の所得が年間で数十万円を超えてくると、手続きの選択肢が増えます。ここも先に知っておくと、慌てません。
まず、開業届です。事業として継続的に営むのであれば、税務署に個人事業の開業届を出します。これを出すと、青色申告を選べるようになります。青色申告には、複式簿記で記帳することを条件に所得から一定額を控除できる仕組みや、赤字を翌年以降に繰り越せる仕組みがあります。控除の金額や条件は改正されることがあるため、申請の前に国税庁の案内で最新の内容を確認してください。
つまり、記帳の手間を増やす代わりに、税の負担を軽くする道が用意されているということです。手間と効果が釣り合うのは、おおよそ所得が年50万円を超えてきた頃からと言われますが、これは記帳にかかる手間をどう見るかで変わります。会計ソフトを使えば手間はかなり減りますので、早めに切り替えておく方も少なくありません。
もう一つ、社会保険の扱いです。会社員として勤めながらの副業では、副業分の所得で社会保険料が別に増えるわけではありません。ただし、副業先で雇用される形を取り、一定の労働時間を超えると、そちらでも社会保険の加入対象になる場合があります。業務委託として受ける形なのか、雇われる形なのかで扱いが変わりますので、契約の形を確かめておいてください。
集中して作業する時間を確保する工夫も、収入が増えてくると効いてきます。勤務のあとに数時間だけ手を動かす形では、集中の質が成果を左右します。実務で試された進め方は在宅ワークの集中力アップ|ポモドーロ以外に効く7つのテクニックに手順としてまとまっています。
技能を売る系統が広がっている理由
3系統のうち、いま募集が増え続けているのは技能を売る系統です。理由は単純で、企業側が業務の一部を外に出す流れが続いているからです。
特に伸びているのが、AIの業務活用まわりです。社内で使い始めたけれど、何をどこまで任せていいか分からない。この整理を外部に頼む動きが出ています。どんな依頼が動いているかはAIコンサル・業務活用支援のお仕事に工程ごとの整理があるので、自分の実務経験が当てはまるか確かめてみてください。広告運用やセキュリティまで含めた周辺の募集はAI・マーケティング・セキュリティのお仕事にまとまっています。
開発の側に強みがある方であれば、業務システムやアプリの部分的な受注から入る道があります。案件の形と進め方はアプリケーション開発のお仕事を見ると、どの規模から個人で受けられるかが見えてきます。
単価の物差しも持っておいてください。文章まわりの収入水準は著述家,記者,編集者の年収・単価相場に、開発職の水準はソフトウェア作成者の年収・単価相場に、公的な統計をもとにした数字が整理されています。自分の時間単価を決めるとき、この数字を下回っていないか確かめるのに使えます。
技能を証明する手段として、資格を足すのも一つの手です。文書のやりとりが多い仕事ならビジネス文書検定で報告書やメールの型を押さえておくと、初回の依頼で信頼を得やすくなります。在宅の仕事につながる資格の選び方は在宅ワークに強い資格10選|自宅で稼げるスキルを身につけるに、費用と期間の目安を含めて整理してあります。
一覧に載っていない選択肢も数えておく
副業のおすすめ一覧には、どうしても載りにくい種類があります。紹介しづらいだけで、実際には向いている人が多い分野です。三つ挙げておきます。
一つ目、自分の職種そのものの業務委託。 経理、人事、法務、総務、品質管理。こうした職種は「副業」の一覧に出てきません。華やかさがないからです。けれども、実務経験がそのまま価値になる分野で、覚え直す時間がいりません。勤務先と競合しない範囲であれば、いちばん立ち上がりの速い選択肢になります。
二つ目、地域や現場に根ざした仕事。 近隣の店の販促物を作る、地域の団体の会計や事務を手伝う、施設の点検記録をまとめる。全国に募集が出ているわけではないので一覧には載りませんが、競合がほとんどいません。単価の交渉もしやすい。ネットの募集だけを見ていると、この層はまったく視界に入りません。
三つ目、既存の仕事の一部を引き受ける形。 自分が普段お世話になっている取引先や、知り合いの事業者が抱えている面倒な作業を引き受ける形です。営業をしなくても始まりますし、相手が困っている内容が分かっているので、初回から外しません。ただし、勤務先の取引関係と重なる場合は利益相反になりますので、そこだけは必ず確かめてください。
つまり、一覧は「知らない選択肢を教えてくれるもの」として使えばよく、「ここから選ばなければならないもの」ではありません。自分の周囲にすでにある需要を数えるほうが、多くの場合は近道です。
技能を証明する手段として、資格を足すのも一つの手です。文書のやりとりが多い仕事なら、報告書やメールの型を体系で押さえられる検定が、初回の依頼で信頼を得る助けになります。
時間と家庭の折り合いをつける
副業が止まる理由は、収入が出ないことよりも、時間が確保できないことのほうが多いです。ここは制度の話ではありませんが、相談としてはいちばん多く届きます。
まず、作業の時間を「余った時間」に置かないでください。余りは出ません。週の予定表に、先に枠として書き込みます。平日の夜に2時間を3日、あるいは土日の午前に3時間ずつ。どちらでも構いませんが、決めた枠の外では手を出さないことがむしろ大事です。いつでもやれる状態にしておくと、休む時間がなくなって半年で疲れ切ります。
次に、家族への説明です。何のために、どれくらいの期間、いくらを目標にやるのかを言葉にして共有してください。「収入を増やしたいから」だけでは伝わりません。住宅費の補填なのか、教育費なのか、勤め先を辞めるための準備なのか。目的がはっきりしていれば、家の中で応援に回ってもらえます。逆に説明がないと、画面に向かう時間そのものが不満の種になります。
それから、締め切りのある仕事を受けるなら、家庭側の予定と重ならないかを先に見ます。子どもの行事、家族の通院、親の用事。こうした予定は動かせません。動かせない予定を先に置いて、その残りで受ける量を決める。順番を逆にすると、必ずどこかで無理が出ます。
最後に、うまくいかない時期の扱いです。3か月やって数字が動かないと、たいてい落ち込みます。そのとき見るべきは収入の額ではなく、記録した作業時間と成果物の数です。手は動いていたのか、単価が低すぎたのか、そもそも需要のない分野だったのか。記録があれば切り分けられます。切り分けられれば、次に直す場所が決まります。感情で判断すると、全部を投げ出すことになりやすい。表に残した数字が、そこで効いてきます。
市場を長く見てきた立場からの観察
在宅とフリーランスの取引を20年見てきた立場から、二つお伝えします。
一つ目。長く続いている方は、副業の種類を途中で変えています。最初に選んだものを意地で続けた人ではなく、3か月やって合わないと判断したら別の系統へ移った人が残っています。おすすめの一覧を見て最初の一つを決めるのは、正解を当てる作業ではなく、試す順番を決める作業です。合わなかったら次に行けばいい。そう思えると、最初の一歩が軽くなります。
二つ目。手取りの話です。依頼が仲介をいくつも経由すると、そのたびに手数料が抜けていきます。同じ予算でも、中間に乗るものが少なければ、依頼する側はより多く頼めますし、受ける側の手元に残る割合は厚くなります。手数料0%で直接やりとりする形が効くのはここです。単価が上がるという話ではなく、同じ仕事量で残る割合が変わるという話です。運営として取引を見てきた限り、この差は1か月では小さく、1年では無視できません。
そして、直接やりとりする形を選ぶなら、条件を文字で残す力がそのまま自分を守る力になります。ここは契約の話に戻ってきます。誰に何をいくらで、いつまでに納めて、いつ支払ってもらうのか。この5つを書ける人は、系統がどれであっても、トラブルになりにくい。副業選びの最後の見極めは、実はここなのかもしれません。
よくある質問
Q. おすすめされている副業の中から、どれを選べばいいですか?
名前で選ばず、まず系統で選んでください。物を売る、技能を売る、作品や情報を売るの3つです。貯金が少なく早く収入が欲しい方は技能を売る系統、半年以上待てる方は作品や情報を売る系統が合います。そのうえで、いま仕事で使っている技能に近いものを選ぶと、立ち上がりが早くなります。
Q. 副業の収入がいくらから確定申告が必要ですか?
給与を1か所から受けている方で、給与以外の所得の合計が年間20万円を超える場合に確定申告が必要です。この20万円は売上ではなく、経費を引いた後の所得です。なお、所得税の申告が不要でも住民税の申告が別に必要になることがあるため、お住まいの自治体の案内を確認してください。
Q. 転売やハンドメイドを始めるときに必要な手続きはありますか?
中古品を利益目的で仕入れて売る場合は、古物営業法の古物商許可が必要です。許可は都道府県の公安委員会に申請します。また、通信販売として売る場合は特定商取引法にもとづき事業者の氏名や住所、連絡先を表示する義務があります。食品を作って売る場合は別に営業許可が必要です。
Q. 報酬を支払ってもらえないとき、何を根拠に交渉できますか?
2024年11月施行のフリーランス保護新法では、発注側に取引条件を明示する義務と、物品の受領日や役務の提供を受けた日から60日以内に報酬を支払う義務が定められています。そのため「イメージと違う」は支払いを止める正当な理由になりません。作業範囲、修正回数、納期、報酬額、支払期日を文字で残しておくことが前提になります。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
長谷川 奈津@SOHO編集部
行政書士・元企業法務
企業法務で数多くのフリーランス契約を扱った経験を活かし、フリーランス向けの法律・契約・権利に関する記事を執筆。「法律はあなたの味方です」がモットー。
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