家庭菜園を副業につなげる|作るものの選び方と売り先の見つけ方

中西 直美
中西 直美
家庭菜園を副業につなげる|作るものの選び方と売り先の見つけ方

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この記事のポイント

  • ✓家庭菜園副業を考えている方へ
  • ✓収入の目安を順番に整理しました
  • ✓趣味のまま楽しむ場合との違いや

「せっかく育てた野菜が余るので、売れたらいいのに」。そう思って調べ始めた方が、この記事にたどり着いていると思います。

大丈夫ですよ。家庭菜園で作ったものを売ることは、条件を守れば個人でもできます。ただ、趣味として育てることと、お金をいただいて渡すことの間には、いくつか越えなければならない線があります。そこを知らずに始めると、あとで困ることになります。

この記事では、作るものの選び方、売り先の見つけ方、必要な手続き、収入の目安を順番にお話しします。同時に、無理をしないための線引きにも触れます。土に触れる時間は本来、心を整えてくれるものです。それを収入の手段に変えたときに、楽しさが消えてしまう方もいます。そうならない進め方を一緒に考えましょう。

趣味の菜園と、副業の菜園はどこが違うのか

最初に、この違いをはっきりさせておきます。ここが曖昧なまま始める方が多く、途中でつらくなる原因になっています。

趣味の菜園では、うまくできた分だけ食べて、失敗したものは土に返せます。収穫の時期がずれても誰にも迷惑をかけません。品種を気分で選べますし、虫に食われた葉があっても気になりません。

副業になると、この自由がなくなります。売ると決めたら、買う人がいる時期に、買う人が求める形と量で、揃えて出す必要が出てきます。虫食いの葉は売れません。収穫が2週間ずれたら、約束していた納品ができません。

つまり副業の菜園で必要になるのは、栽培の腕より「計画どおりに揃えること」です。これは性質のまったく違う能力です。だから、栽培が好きでも副業に向かない方もいますし、逆に段取りが得意な方は栽培の経験が浅くても回せます。

ここで、ご自分に問いかけてみてください。「予定どおりに収穫できなかったときに、買う人に頭を下げる立場になれるか」。これが引き受けられるなら副業として進められます。それが重荷に感じるなら、趣味のまま続けて、余った分だけ気軽に譲る形のほうが幸せだと思います。

規模と収入の目安を、現実的に見ておく

数字の話をします。期待をふくらませすぎないためにも、先に見ておいたほうがいいです。

家庭菜園の広さでよくあるのは、庭の一角で10〜30平方メートルほど、市民農園の区画で1区画あたり15平方メートルから30平方メートル程度です。この広さで育てられる量は、家族が食べるぶんに少し余りが出る程度です。

この規模で売った場合、月の売上は数千円から2万円程度に収まることが多いです。品目を絞って直売所に定期的に出せる方でも、家庭菜園の広さでは月数万円が上限になります。ここから種苗代、肥料代、資材代、出荷用の袋代、直売所の手数料が引かれます。

つまり、家庭菜園の規模で生活費を作ることはできません。これは正直にお伝えしておきます。そのかわり、次のような形なら十分に意味があります。種と肥料の代金を自分で回収する。趣味の道具代を菜園の売上で払う。将来的に規模を広げるかどうかを、小さく試して判断する。

規模を広げるなら、借りる農地の話になります。ただし農地を借りるには手続きがあり、貸し手を見つけることも簡単ではありません。まずは市民農園や貸し菜園で区画を増やして、自分が管理できる広さの限界を知るのが安全な順番です。管理できない広さに手を出すと、草に負けて全部だめになります。これは本当によくある失敗です。

管理できる広さの目安を、時間から逆算してみてください。夏場に草取りだけで必要になる時間は、30平方メートルでおよそ週2時間から3時間です。これに水やり、収穫、出荷の準備が加わります。週に使える時間が5時間なら、30平方メートルでいっぱいです。広さを倍にすれば、時間も倍かかります。ここを甘く見積もった方が、7月に手が回らなくなって諦めています。

そしてもうひとつ、収入を目的にしすぎないほうがいいという話をさせてください。家庭菜園の収支は、天候ひとつで大きく動きます。豊作の年に3万円の売上があっても、翌年に長雨で半分になることがあります。この振れ幅を、生活の当てにしてはいけません。菜園の収入は「あったら嬉しいもの」として扱い、生活の土台は別に置く。この線を引いておけば、不作の年も落ち着いていられます。

作るものを選ぶ4つの基準

何を育てるかで、結果の半分が決まります。基準を4つに整理します。

基準1:日持ちするかどうか

これがいちばん大事です。収穫してすぐ傷むものは、売り先までの時間と手間に追われます。葉物は朝採って午前中に出さないと形が崩れます。一方で、いも類、かぼちゃ、玉ねぎ、にんにくのように日持ちするものは、収穫と出荷の時期をずらせます。

副業として始めるなら、まず日持ちするものから入るのがお勧めです。時間の自由度が高いぶん、生活との両立がしやすくなります。

基準2:スーパーで買いにくいものかどうか

普通のきゅうりやトマトは、スーパーのほうが安く並んでいます。ここで勝負しても難しいです。選ばれるのは、スーパーに並びにくいものです。

例えば、収穫してすぐでないとおいしくないもの、色や形が珍しい品種、少量しか作られていない在来の品種、地域の料理に使われる野菜。こうしたものには、買う理由が生まれます。

基準3:手間が集中しないかどうか

品目によって、手をかける時期が違います。同じ時期に手間が集中する組み合わせを選ぶと、仕事や家庭の都合とぶつかったときに破綻します。

春に植えて夏に収穫するもの、秋に植えて春に収穫するもの。この2つを組み合わせると、手間が年間に散らばります。逆に夏野菜ばかりにすると、7月と8月に作業が集中します。お子さんの夏休みと重なる方は、ここを考えておいたほうがいいです。

基準4:自分が食べたいかどうか

意外に思われるかもしれませんが、これは実用的な基準です。売れ残ったときに自分で食べられるものなら、損になりません。売る前提だけで品目を決めると、余ったときに処分することになり、精神的にこたえます。

「売れたら嬉しい、売れなくても食べる」。この構えで始めると、続けやすくなります。

この4つの基準を当てはめると、最初に選ぶ品目はだいぶ絞られます。具体的に挙げるなら、じゃがいも、さつまいも、里いも、玉ねぎ、にんにく、かぼちゃ。このあたりは日持ちがして、手間が集中しにくく、余っても家で食べられます。逆に最初から避けたほうがいいのは、いちご、なす、とうもろこしのように手間が重いもの、それに葉物全般です。葉物は鮮度が命で、収穫から出荷までの時間に追われます。

ハーブ類は少し事情が違います。育てるのは楽で、乾燥させれば日持ちもします。ただし買う人が限られるので、売り先を先に見つけておかないと余ります。近くに飲食店やパン屋があるなら、声をかけてみる価値はあります。

品目を決めたら、最初のシーズンは2種類か3種類に絞ってください。あれこれ植えたくなる気持ちは分かりますが、記録が取れなくなります。2種類なら、うまくいった理由と失敗した理由がはっきり分かれます。これが翌年の判断材料になります。

売り先の選び方と、それぞれの向き不向き

育てたものをどこに出すか。選択肢を整理します。

売り先 向いている点 注意する点
農産物直売所 少量から出せる。値決めを自分でできる場合がある 登録や出荷の決まりがあり、手数料が引かれる
マルシェ・朝市 買う人と直接話せる。値段を高く設定しやすい 出店料と当日の拘束時間がかかる
ネット販売 遠方にも届く。少量の珍しい品目が強い 送料と梱包の手間が大きい。傷みへの対応が必要
飲食店への直接納品 定期的な取引になりやすい 量と時期の約束を守る必要がある
加工して売る 日持ちする。単価を上げられる 食品の製造にあたるため許可や設備が必要になる

家庭菜園の規模で最初に試すなら、直売所かマルシェが現実的です。どちらも少量から始められて、買う人の反応がその場で分かります。この反応を知ることが、次に何を作るかの判断材料になります。

ネット販売は魅力的に見えますが、送料が壁になります。野菜は重くてかさばるので、送料が商品代を超えることがあります。少量で単価の高いもの、例えば乾燥させたハーブや希少な品種の種いもなどでないと、計算が合いにくいです。

飲食店への納品は、うまくいけば安定します。ただし「毎週このくらい欲しい」という求めに応える必要があるので、家庭菜園の規模では難しいことが多いです。まずは「余ったときに声をかける」という緩い関係から始めて、量が読めるようになってから約束するのが安全です。

加工についてはひとつ注意があります。野菜をそのまま売るのは原則として許可が要りませんが、ジャムや漬物、乾燥品などに加工して売る場合は、食品衛生法上の営業許可や届出が必要になります。家庭の台所では許可が下りないことが多く、設備を整えた場所が必要です。※お住まいの地域の保健所に確認してから進めてください。判断を自己流でやると、後から止められます。

手続きと決まりで、先に確認しておくこと

安心して続けるために、確認しておく点をまとめます。

売る場所の決まり。 直売所ごとに、登録の方法、袋詰めの形、表示する内容、手数料の率が決まっています。出す前に必ず確認します。表示には生産者の名前と住所を書くよう求められることが多く、ここを気にされる方もいます。事前に確認しておけば、心づもりができます。

農薬の扱い。 使った農薬の種類と時期を記録するよう求める直売所もあります。家庭菜園で使える薬剤と、販売する作物に使える薬剤は違う場合があります。ここは製品の表示をよく読んでください。

種苗の扱い。 品種によっては、種や苗を自分で増やして売ることが制限されている場合があります。登録されている品種の自家増殖には決まりがあるため、購入した種苗の説明をよく確認してください。

農地の扱い。 自宅の庭で作る分には問題ありませんが、農地を借りて作る場合には手続きが必要です。市民農園や貸し菜園は、その手続きが済んだ形で区画を貸してくれる仕組みなので、個人が始めるならこちらが入りやすいです。

副業としての扱い。 お勤めの会社に副業の規定がある場合は、先に確認してください。会社員の副業を制限する規定が就業規則にある場合、届け出が必要になることがあります。2024年11月に施行されたフリーランス保護新法のように、個人で仕事を受ける人を守る制度も整ってきています。制度の内容は厚生労働省や公正取引委員会の案内で確認できます。

公務員の方については、少し事情が違います。

公務員は副業を禁止されてるイメージがあるかもしれません。しかし、最近では副業で農業に従事することが認められ始めています。これは近年における農業人口の減少が原因といえるでしょう。副業で農業をするときは本業に支障をきたさないことが原則ですが、ある程度自由に営農できると言われています。副業農業では扱える作物の品種や就労期間を決めている自治体もあるのでチェックしてみてください! 出典: agrijob.jp

ただしこれは自治体や職種によって扱いが異なります。※公務員の方は必ず、所属先の規定と人事担当への確認を先に行ってください。ここを飛ばすと、収入の話ではなく身分の話になってしまいます。

支援制度や補助金は、どういう位置づけなのか

農業には支援の仕組みがいくつかあります。

副業農業を始めるとき、補助金を活用すると初期費用が大いに削減できます!たとえば、農業次世代人材投資資金(経営開始資金)と呼ばれるものがあります。これは国が発行する補助金であり、新規就農者を支援するための補助金となっています。農業経営を始めてから経営が安定するまでの3年間、最大年間150万円を受け取ることができます。 出典: agrijob.jp

ただし、ここは冷静に見ておく必要があります。こうした就農支援の仕組みは、基本的に「農業を仕事として始める人」を対象としています。年齢の条件、就農計画の提出、一定規模以上の経営、専従することなどの要件が付くことが多く、家庭菜園の規模で副業として関わる方が対象になるとは限りません。

また、制度の名称や要件は改定されます。名前が変わったり、別の枠組みに統合されたりします。ですから、こうした記事の説明をそのまま信じず、必ず最新の情報を確かめてください。国の制度の検索はe-Govから入れますし、地域ごとの支援は自治体の農政担当の窓口が把握しています。

補助金を前提にして計画を立てるのは避けたほうがいいと思っています。受けられるかどうかが決まるまで時間がかかり、要件を満たすために無理な規模に広げてしまう方がいるからです。まずは自分の手持ちの範囲でできることを試して、続けられると分かってから制度を調べる。この順番が安全です。

始める前に経験を積む方法があります

知識が足りないことが不安な方に、実際的な方法をお伝えします。

副業農業をスタートさせる予定の人のうち農業を全く新しく始める人はその知識不足に悩むかもしれません。しかし、農家さんへのお手伝いやボランティア、バイトなどにより農業にまつわる知識を身に着けることができます。特に農業バイトは給与を得ながら農業知識を身に着けることができる点が魅力となっています。 出典: agrijob.jp

これは本当に効率のいい方法です。収穫や出荷の繁忙期には、短期の手伝いを募集している農家があります。そこで一日働くと、本やインターネットでは分からないことが身につきます。どのくらいの速さで収穫するのか、どういう形のものを出荷し、どういうものを外すのか、箱にどう詰めるのか。

とくに「出荷できる形」の基準は、実際に見ないと分かりません。自分では立派だと思っていた野菜が、出荷の基準では外れることもあります。この感覚を先に持っておくと、自分で売り始めたときの見立てが正確になります。

地域の農業に関わる人とのつながりもできます。困ったときに聞ける相手がいるかどうかは、続けられるかどうかに直結します。在宅で完結する仕事と違って、菜園は天候と土という自分で制御できないものを相手にします。相談できる人がいることの価値は、想像以上に大きいです。

市民農園に入るのも同じ効果があります。区画が並んでいると、隣の方のやり方が見えます。声をかけてみると、その土地の気候に合った時期や品種を教えてもらえることがあります。教科書に書いてある「5月上旬に植える」が、その地域では合わないこともあるんです。

値段をどう決めるか

ここで悩む方がとても多いんです。「素人が作ったものにお金をもらうなんて」と思ってしまう方もいます。

その気持ちは分かりますが、値段を低くつけすぎるのは、実はまわりにも影響します。同じ直売所に出している専業の農家さんがいた場合、相場より大きく安い値段が並ぶと、その方の売り上げに響きます。地域の中でやっていく以上、極端な安売りは避けたほうがいいです。

決め方の手順をお伝えします。まず、近くのスーパーと直売所で同じ品目の値段を見ます。次に、自分が出すものがどちらに近いかを考えます。形が揃っていて量もあるならスーパーの価格帯、珍しい品種や採りたての鮮度が売りならそれより高めに置ける余地があります。

そして、かかった費用を数えます。種苗代、肥料代、袋代、交通費。これを収穫できた量で割ると、1袋あたりの原価が出ます。この原価を下回る値段はつけません。趣味の延長だからと原価を無視すると、続けるほど手持ちが減ります。

値段を上げたいときに効くのは、値札に書く情報です。品種の名前、収穫した日、食べ方のひとこと。これだけで、同じ野菜が選ばれる確率が変わります。「今朝採りました」「生のままサラダで食べられます」。買う人は判断の材料を求めているので、それを渡してあげると迷わずに手に取ってもらえます。

反対に、書かないほうがいいこともあります。効能や健康への効果をうたう表現です。食品の表示には決まりがあり、根拠のない効果をうたうと問題になります。おいしさや使い方を伝えるだけにとどめてください。

1年の流れを、あらかじめ書き出しておく

続けられるかどうかは、年間の見通しを持てているかで決まります。

菜園の作業は、時期によって量がまったく違います。植え付けと収穫の時期は忙しく、その間は水やりと草取りだけの時期もあります。この波を先に紙に書き出しておくと、生活との衝突を避けられます。

書き方は簡単です。1月から12月まで縦に並べて、各月に「やること」と「かかる時間の目安」を書く。そこに仕事の繁忙期や家族の行事を重ねます。重なっている月が見えたら、そこに手間のかかる品目を置かない。それだけで、追われる感覚がずいぶん減ります。

とくに気をつけたいのは夏です。暑さで作業できる時間が朝と夕方に限られ、そのうえ雑草の伸びが速い。この時期に品目を増やしすぎると、管理できなくなります。夏は品目を減らして、秋と春に寄せるほうが、家庭菜園の規模では安定します。

もうひとつ、天候による失敗を計画に織り込んでください。長雨、猛暑、台風。どれかは毎年起きます。「予定どおりに収穫できないことがある」という前提で売り先と話しておくと、いざそうなったときに気持ちが追い込まれません。「今年は不作なので少ないです」と言える関係を先に作っておくことが、続けるための備えになります。

収入が出たあとの手続きと、記録の残し方

売上が出たら、記録をつけてください。後からまとめようとすると必ず漏れます。

記録するのは、売った日、品目、数量、金額、そして支出です。種苗代、肥料代、資材代、直売所の手数料、出店料、交通費。これらは経費として扱える可能性があります。

給与以外の所得が年間20万円を超える場合は、確定申告が必要になるのが原則です。所得は売上から経費を引いた金額なので、売上が20万円を超えていても所得が20万円以下なら状況が変わります。扱いの詳細は国税庁の案内で確認してください。※家庭の状況や他の収入によって判断が変わるため、迷う場合は税務署の相談窓口や税理士に確認することをお勧めします。

記録は紙のノートでも構いませんが、表計算ソフトや会計サービスを使うと集計が楽です。freeeのような会計サービスは、収支を品目ごとに分けて見られるので、「どの品目が利益になっているか」の判断にも使えます。

そして、この記録がもうひとつの役に立ちます。1年目の記録があると、2年目の計画が立てられるんです。いつ植えたものが、いつ収穫できて、いくらで売れたか。この1年分のデータは、どんな栽培の本より自分の土地に合った情報になります。

在宅の仕事と組み合わせるという考え方

家庭菜園だけで収入を作るのは難しい、という話をしました。では、どうするか。

現実的なのは、在宅でできる仕事と組み合わせることです。菜園は天候に左右され、季節によって手間の量が大きく変わります。手が空く時期に別の収入があると、全体が安定します。

在宅で始められる仕事を探すにあたって、必要になるのはまず環境です。在宅ワークに最適なネット回線|光回線vsホームルーターの選び方では回線の選び方が整理されており、郊外で菜園を持っている方が回線をどう選ぶかの参考になります。集中が続かないと感じる方には在宅ワークの集中力アップ|ポモドーロ以外に効く7つのテクニックが、作業時間の使い方の工夫を紹介しています。

何か資格を足しておきたい方には在宅ワークに強い資格10選|自宅で稼げるスキルを身につけるが、自宅で活かせる資格を目的別に整理しています。書類のやり取りを正確にしたい方にはビジネス文書検定のような資格も選択肢になります。直売所への申込書や、飲食店とのやり取りでも、書類を整える力は効いてきます。

文章を書く仕事は、菜園との組み合わせが良いです。育てている作物のことを書くこともできますし、時間の自由が利きます。報酬の水準は著述家,記者,編集者の年収・単価相場で確認できます。パソコンを使った作業を効率化したい方にはAIコンサル・業務活用支援のお仕事のような仕事の内容も見ておくと、選択肢が広がります。

20年この市場を見てきた立場からの観察

運営者として在宅ワークの市場を長く見てきた立場から、感じていることをお話しします。

長く続けている方に共通しているのは、単発の取引を積み上げるのではなく、「この人から買いたい」という関係を作っていることです。菜園でも同じことが起きます。直売所に並べた野菜が売れるかどうかは、値段だけで決まりません。名前を覚えてもらえた生産者の棚から先に売れていきます。

これは技術の話ではなく、続けた時間の話です。毎週同じ曜日に同じ場所に出す。それだけで、買う人の側に「あの人の野菜」という認識が生まれます。派手なことをしなくても、続けることそのものが差になる。この構造は、在宅の仕事でも農産物でも変わりません。

もうひとつ、額面と手取りの話をさせてください。仲介が入る取引では、買う人が払ったお金の一部が手数料として抜けます。買う人は同じ予算で買える量が減り、作る人は同じ労力で手取りが薄くなる。両方が少しずつ損をしている構造です。

直売所やマルシェで自分で売ることの価値は、ここにあります。中間が入らないぶん、買う人はより安く手に入り、作る人はより多く受け取れる。手数料0%の取引が持つ意味は、単価が上がるという話ではなく、この「双方が得をする」構造そのものです。在宅の仕事でも、実績を作る場所と、関係ができた相手と直接取引する場所を分けている方が、結果として手取りを確保しています。

そして最後に、これはずっと変わらないと感じていることをお伝えします。菜園を副業にして苦しくなる方は、たいてい「やめる基準を持たなかった方」です。今年は忙しいから品目を減らす、体調が悪いから今シーズンは休む。この判断ができる方は、何年も続けています。逆に、始めたからには続けなければと思い込むと、季節が来るたびに追われることになります。

土に触れる時間が、あなたを支えてくれるものであってほしいと思います。売ることが目的になって、その時間が苦しいものに変わってしまったら、いったん立ち止まっていいんです。趣味に戻す選択も、立派な判断です。小さく試して、合っていたら続ける。その順番で進めてみてください。

よくある質問

Q. 家庭菜園で作った野菜を売るのに許可は必要ですか?

収穫した野菜をそのまま売る場合、原則として許可は不要です。ただしジャムや漬物、乾燥品などに加工して売る場合は、食品衛生法上の営業許可や届出が必要になり、家庭の台所では許可が下りないことが多いです。売り先ごとに登録や表示の決まりもあるため、出す前に直売所と保健所に確認してください。

Q. 家庭菜園の規模だと、どのくらいの収入になりますか?

庭の一角や市民農園の1区画という広さでは、月の売上は数千円から2万円程度に収まることが多いです。ここから種苗代、肥料代、資材代、直売所の手数料が引かれます。生活費を作る規模ではないため、道具代や種代を回収する、規模拡大を小さく試す、という位置づけで考えるのが現実的です。

Q. 副業で売るなら、どんな品目を選べばいいですか?

日持ちするもの(いも類、かぼちゃ、玉ねぎ、にんにくなど)から始めるのがお勧めです。収穫と出荷の時期をずらせるので、生活との両立がしやすくなります。加えて、スーパーに並びにくい珍しい品種や在来種は、買う理由が生まれやすいです。売れ残っても自分で食べられるものを選ぶと、損になりません。

Q. 公務員でも家庭菜園を副業にできますか?

農業については認める方向に動いている自治体もありますが、扱いは所属先や職種によって大きく異なります。作物の品種や就労期間に条件を設けている自治体もあります。収入の話の前に身分の話になるため、必ず所属先の規定を確認し、人事担当に相談してから進めてください。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年7月26日最終更新:2026年9月20日
中西 直美

この記事を書いた人

中西 直美@SOHO編集部

産業カウンセラー・キャリアコンサルタント

大手人材会社でキャリアカウンセラーとして15年間従事した後、フリーランスの産業カウンセラーとして独立。在宅ワーカーのメンタルヘルスケアを専門に活動しています。

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