50代の女性に向く副業|働き方の選び方と始めるまでの準備


この記事のポイント
- ✓50代の副業を探す女性に向けて
- ✓選び方の4つの軸と在宅でできる仕事の種類
- ✓経験を仕事に変える手順
結論から書きます。50代の女性が副業を選ぶときの分かれ目は、職種そのものではなく「使える時間の形」と「経験の棚卸しがどこまでできているか」の2つです。逆に言えば、この2つを先に決めずに求人を見始めると、条件だけが目に入って迷い続けることになります。この記事では、選び方の軸、在宅で成り立つ仕事の種類、始めるまでの準備、収入が増えたときの手続き、そして避けたい勧誘の型を、順番に並べていきます。
50代の女性が副業を探し始める背景に起きていること
50代で副業を考え始める理由は、ひとつではありません。相談の中身を並べてみると、だいたい4つの流れに分かれます。ひとつめは、定年後の収入設計です。60歳以降は再雇用で賃金が下がる勤務先が多く、いまのうちに勤務先以外の収入の道を持っておきたい、という動機があります。ふたつめは、時間の空きです。子どもの手が離れる時期と重なり、平日の夜や土日にまとまった時間が生まれます。みっつめは、介護です。親の通院や見守りが始まると、通勤を前提にした働き方が急に難しくなります。よっつめは、勤務先の変化です。異動や組織の統合で仕事の内容が変わり、これまで積み上げてきたものを別の場で使いたいと考えるケースです。
この4つは、求める副業の形がまったく違います。定年後の収入設計が動機なら、単発の作業よりも5年先まで続けられる仕事のほうが合います。介護が動機なら、締切が固定された仕事より、自分の都合で着手時間をずらせる仕事が向きます。同じ「50代の副業」という言葉でも、中身が入れ替わるという特徴があります。
市場の側の変化も押さえておきたいところです。在宅で完結する業務委託の募集は、2020年以降に定着しました。オンラインでの打ち合わせが当たり前になり、発注側が「出社できる人」という条件を外したためです。その結果、年齢よりも「その作業を任せて安心できるか」で選ばれる場面が増えました。正直なところ、年齢を理由に門前払いされる募集はまだ残っています。ただ、在宅の業務委託に限れば、募集要項に年齢を書かない案件のほうが多数派です。
副業を紹介する記事の書き方にも、ひとつ特徴があります。たとえば物販を勧める解説では、次のような説明が置かれています。
商品選定や販売ノウハウを身に付ける必要はありますが、50代でも月10万円以上の副収入が狙える副業です。今までの経験・知識を活かせる商品ジャンルがあればおすすめの副業です。 出典: value-domain.com
正直なところ、この書き方には注意が必要だと考えています。「狙える」という言葉の前に置かれた条件、つまり商品選定と販売の手順を身につける部分に、実際はいちばん時間がかかります。物販は在庫を抱える形になれば仕入れの資金も必要で、売れ残りの損失も自分で負います。収入の上限が高い仕事は、たいてい引き受けるリスクも大きいという関係になっています。この対応関係を飛ばして金額だけを見ると、選び方を誤ります。
いっぽうで、期待をふくらませすぎない見方も必要です。在宅の副業は、始めた月から生活が変わるような収入にはなりません。作業単位の仕事は、慣れるまでの数か月は時間あたりの効率が上がらず、実質の時給が最低賃金を下回ることもあります。これは能力の問題ではなく、手順を覚える時間が必要なだけです。この期間を見込んでおくかどうかで、続くか途中でやめるかが変わります。
副業を選ぶ前に決めておきたい4つの軸
求人を見る前に、次の4つを紙に書き出してください。順番も大事です。
第1の軸は、使える時間の「形」です。週あたりの合計時間ではなく、どんな塊で取れるかを書きます。平日夜に2時間ずつ取れるのか、土日にまとめて6時間取れるのか、あるいは平日の日中に細切れで30分ずつしか取れないのか。細切れしか取れない人が、長時間の集中を要する制作系の仕事を受けると、納期前に必ず苦しくなります。逆に、細切れの時間はデータ入力や校正のように区切りやすい作業と相性が良いという傾向が見られます。
第2の軸は、場所です。完全に在宅で終わるのか、月に何度か出向けるのか。出向けるなら、講師や採点、イベント運営の補助といった選択肢が増えます。介護や家事の都合で家を離れにくいなら、最初から在宅で完結する仕事に絞ったほうが、探す時間を節約できます。
第3の軸は、収入の形です。時間で支払われる仕事(時給・稼働時間ベース)と、成果で支払われる仕事(1件いくら、1文字いくら)のどちらを選ぶかで、性質が変わります。時間ベースは金額が読めますが、上限も読めます。成果ベースは慣れると時間あたりが伸びますが、最初は読めません。両方を少し試して、自分の性格に合うほうへ寄せるのが現実的です。
第4の軸は、続けられるかどうかです。ここを軽く見る人が多いのですが、副業の収入は継続の関数です。半年でやめると、覚えた手順も、相手との関係も、次に持ち越せません。興味が持てない分野を「単価が高いから」という理由だけで選ぶと、まず続きません。
この4つを決めてから求人を見ると、条件の読み方が変わります。「週20時間以上」と書かれた募集は、第1の軸に合わなければその場で外していい、という判断ができるようになります。
在宅で成り立つ仕事の種類と、それぞれの向き不向き
在宅の副業は、作業の性質で大きく5つに分けると整理しやすくなります。
ひとつめは、事務系の代行です。データ入力、経費の仕訳の下準備、受発注の処理、問い合わせメールの一次対応などが含まれます。会社員として事務をしてきた人は、いちばん移行しやすい領域です。募集の数も安定しています。注意点は単価で、作業そのものの難易度が低い仕事は、報酬も低い水準に落ち着きます。件数で稼ぐ形になるため、時間の形が合っていないとつらくなります。
ふたつめは、文章系です。記事の執筆、体験のレポート、商品説明文、文字起こし、校正、編集の補助。文字単価は案件により0.5円から3円程度まで幅があり、専門領域の知識が必要な記事は上のほうに寄ります。医療、介護、金融、法務のように、経験がないと書けない分野を持っている人は有利です。文章の仕事の相場感は著述家,記者,編集者の年収・単価相場に業種全体の水準がまとまっているので、自分の提示額を決める前に一度見ておくと基準ができます。
みっつめは、オンラインでの秘書や運営補助です。スケジュール調整、資料の整え、SNSの投稿の下書き、請求書の発行など、ひとりの担当者の手を借りる形の仕事です。時間ベースの契約が多く、月あたりの稼働時間を決めて受けます。金額が読みやすいのが利点です。ビジネス文書の書き方に自信をつけたい人は、ビジネス文書検定のように書式と敬語の型を体系で確かめられる試験を、勉強の目安として使う手があります。資格が受注の条件になることはほぼありませんが、独学の順番を決めるには役立ちます。
よっつめは、教える仕事です。オンラインでの語学、資格試験の指導、趣味の講座、社会人向けの相談。50代までに積んだ経験が、そのまま値段になりやすい領域です。ただし、生徒を集める部分を自分でやるか、プラットフォームに任せるかで、手取りも手間も変わります。
いつつめは、制作系です。画像の加工、簡単な資料デザイン、動画の切り出し、Webページの更新。ここは道具の習熟が必要で、立ち上がりに時間がかかります。前提となるパソコンの操作に不安があるなら、50代・60代のパソコンスキルアップ|在宅ワークに必要な最低限のスキルで、最低限どこまで触れれば仕事が受けられるのかを確かめてから決めるほうが早いです。
資格の扱いについても整理しておきます。在宅の副業では、資格が応募の条件になることはほとんどありません。ただし、勉強の範囲を区切る道具としては有効です。たとえばネットワークの基礎を体系で押さえたいならCCNA(シスコ技術者認定)の試験範囲が目安になります。試験に合格するかどうかより、出題範囲を見て「自分が知らない領域はどこか」を把握するために使うのが実用的です。50代から新しい分野に入るとき、独学はどこから手を付けるかで挫折します。範囲が決まっている試験は、その順番を決めてくれます。
技術寄りの領域に興味がある場合は、業務の中身を先に見てください。AIコンサル・業務活用支援のお仕事のように、ツールの操作そのものよりも「業務のどこに使うか」を整理する役割の募集も増えています。これは長く事務や管理をしてきた人の経験が効く領域です。
経験を「売れる形」に置き換える手順
50代の強みは経験ですが、経験はそのままでは売れません。相手が読める形に置き換える作業が必要です。手順は4つです。
第1段階は、棚卸しです。これまでの仕事を、肩書きではなく「動作」で書き出します。「経理課で主任をしていた」ではなく、「毎月300件の請求書の内容を確認し、会計ソフトに入力し、月次の締めまでを担当した」と書きます。動作で書くと、発注側は「自分の仕事を任せられるか」を判断できます。肩書きだけでは判断できません。
第2段階は、翻訳です。書き出した動作を、副業の募集に出てくる言葉に置き換えます。「請求書の確認と入力」は「経理事務の補助」「請求データの照合」に、「新人の教育担当」は「マニュアル作成」「研修資料の作成」に対応します。求人票をいくつか読んで、使われている単語を拾うのが早いです。
第3段階は、見せ方の準備です。文章の仕事なら、1,000字程度の文章を2本か3本。事務なら、架空のデータで作った集計表や、整えたマニュアルの1ページ。実績がない状態でも、手を動かした見本があると、応募の通過率は変わります。過去の勤務先の資料をそのまま使うのは避けてください。守秘義務の問題になります。架空のデータで作り直すのが正しい手順です。
第4段階は、値段の決め方です。最初の1件目だけは相場より低く受けて、2件目から相場に戻す。この進め方が現実的です。ただ、低い金額で受けたことを相手に伝えないと、そのまま継続単価になります。「初回は試しの条件で、継続時は改めて相談させてください」と、受ける前に一文入れておくだけで、後の交渉が楽になります。
私が編集の仕事を受け始めた頃、この一文を入れずに安い金額で3か月続けてしまい、値上げの相談をするタイミングを完全に失いました。結局その案件は途中で降りることになりました。最初の条件は後から変えづらい、というのは身についた教訓です。
応募のときに書くべきこと、書かないほうがいいこと
応募の文面で結果が変わります。読まれる文面には型があります。
冒頭には、募集に書かれた業務のうち「自分が経験したこと」を1つだけ挙げてください。複数並べると焦点がぼやけます。次に、その経験を数字で補います。「請求書の処理を毎月300件担当していた」「12名の予定調整を3年続けた」といった具合です。3つめに、稼働できる時間帯と曜日を具体的に書きます。「柔軟に対応できます」は情報量がゼロなので、発注側は判断できません。「平日は21時から23時、土曜は午前中に作業できます」と書くほうが、はるかに通ります。4つめに、使える道具を書きます。表計算ソフト、会計ソフト、チャットツール、オンライン会議ツールの名前です。
逆に、書かないほうがいいことがあります。ひとつは、年齢や家庭の事情を最初に持ち出すことです。「50代ですが」「主婦ですが」という前置きは、自分で条件を下げる働きをします。稼働できる時間を正確に書けば、事情そのものは伝わります。ふたつめは、意欲だけを長く書くことです。「一生懸命がんばります」は評価の対象になりません。みっつめは、自信のなさの表明です。「未経験で不安ですが」と書くと、発注側は不安の部分だけを受け取ります。できることとできないことを事実として分けて書けば、それで足ります。
もうひとつ、返信の速さは想像以上に効きます。応募後に質問が来たとき、当日か翌日の午前までに返せるかどうかで、印象が変わります。副業は相手の業務の隙間に入る仕事なので、待たせない人が選ばれやすいという傾向が見られます。
介護や家庭の予定と両立させるための組み方
50代は、自分の都合だけで予定を組めない時期と重なります。親の通院、家族の入院、子どもの就職に関わる用事。これらは日程が読めないことが多く、締切と衝突します。両立させるには、仕事の受け方を工夫する必要があります。
第1に、納期に余裕がある仕事を選びます。「今日中」「翌営業日まで」という条件の仕事は、単価が高めに設定されていることもありますが、予定が崩れた瞬間に信用を落とします。「週内に納品」「月末までに10件」のように、自分で配分できる形の仕事が合います。
第2に、受ける量を実際の余力の7割までにとどめます。満杯にすると、突発の予定が入ったときに逃げ場がありません。断ることを前提に量を決めておくと、結果として継続できます。
第3に、事情を隠さないことです。抱えている事情を最初から全部説明する必要はありませんが、「急な家庭の用事で半日連絡が取れない日が月に数回あります」と伝えておくと、相手は予定を組めます。何も言わずに連絡が途切れるほうが、はるかに信用を損ないます。実際、進行が止まったときに困るのは相手の業務なので、事前の共有は配慮ではなく業務上の必要事項です。
第4に、作業の記録を残します。どこまで終わったかをファイルやメモに書いておけば、数日空けても自分が戻れます。中断が前提の働き方では、この記録が生産性そのものになります。
私自身、家族の入院と締切が重なった時期に、進行中の案件を何も引き継げる形にしていなかったため、丸ごと相手に迷惑をかけたことがあります。それ以来、着手した時点で「いまここまで」を1行書き残すようにしました。地味な習慣ですが、崩れにくさが変わりました。
収入が増えたときに必要になる手続き
副業の収入が出始めると、税金と社会保険の話が避けられなくなります。仕組みを先に知っておくと、あわてません。
まず確定申告です。勤務先1か所から給与を受けていて、給与以外の所得の合計が年間20万円を超える場合、確定申告が必要になります。ここで言う所得は売上そのものではなく、売上から必要経費を引いた後の金額です。通信費や書籍代、業務で使う機器の費用は、業務に使った割合の分を経費に入れられます。制度の詳細と申告の手順は国税庁の案内が一次情報です。なお、20万円以下で所得税の申告が不要な場合でも、住民税の申告は必要になることがあります。ここは市区町村の扱いになるので、住んでいる自治体に確認してください。
次に、勤務先の就業規則です。副業を許可制にしている会社、届出制にしている会社、原則自由にしている会社があります。厚生労働省はモデル就業規則を副業を認める方向で見直しており、考え方の整理は厚生労働省の副業・兼業に関する資料にまとまっています。ただし、実際に適用されるのは自社の規則です。就業規則を読んでから動くのが順序です。
社会保険については、働き方で扱いが変わります。他社にパートとして雇われる形なら、労働時間と賃金の条件によって、その勤務先で社会保険に加入する話が出てきます。いっぽう、業務委託で仕事を受ける形なら、その報酬で勤務先以外の社会保険に入ることはありません。ただし、配偶者の被扶養者になっている場合は、被扶養の判定に収入が影響します。業務委託の場合、判定に使われるのは売上から必要経費を引いた額ですが、経費として認める範囲は健康保険の運営主体によって扱いが分かれます。加入している健康保険の窓口に、実際の数字で確認するのが確実です。
副業が継続的な事業の形になってきた場合は、開業届を出して青色申告の承認申請をする選択肢が出てきます。青色申告にすると、帳簿をきちんと付けることを条件に控除が受けられます。ただし、単発の作業を年に数回受ける程度の規模では、手間のほうが大きくなります。売上が安定して毎月続く形になってから検討するのが、順番としては無理がありません。判断に迷う規模なら、税務署の相談窓口で自分の数字を出して聞くのがいちばん早いです。
住民税の納め方も知っておくと安心です。副業の所得にかかる住民税は、確定申告のときに「自分で納付する」を選べば、勤務先を経由せずに自分で納めることができます。手続きを知らないまま進めると、勤務先経由の納付になります。
見分けておきたい勧誘の型と、つまずきやすいところ
在宅の副業を探す過程で、必ず目に入るのが「誰でもできる」「スマホだけで」という種類の広告です。見分ける基準は、金額の話ではなく構造の話です。
まず、仕事を始める前に金銭の支払いを求められる形は、副業ではありません。教材費、登録料、システム利用料、初期費用。名前は変わりますが、受け手が先に払う構造は共通です。仕事の対価は、受け手に支払われるものです。次に、収入の数字が先に出てくる募集は、業務内容が薄い可能性が高いです。募集要項に「何を、どのくらいの量、いつまでに」が書かれていないなら、応募する前に質問してください。答えられない相手とは契約しないことです。
3つめに、高額の講座を勧められる流れに注意が必要です。無料の説明会から始まり、個別面談を経て、数十万円の受講料の案内に進む型です。学ぶこと自体は悪くありません。ただ、同じ内容が書籍や公的機関の職業訓練で足りることも多いので、支払う前に比較してください。判断に迷ったら、消費生活センターに相談する選択肢もあります。
つまずきやすいところも挙げておきます。ひとつは、稼働時間の管理です。在宅は境界がないので、気づくと深夜まで作業しています。50代以降は回復に時間がかかるため、体調を崩すと数週間止まります。開始時刻と終了時刻を決めて、終わりの時刻を守るほうが、長期の収入は安定します。
もうひとつは、通信環境です。オンラインの打ち合わせが切れる、ファイルの送信に失敗する、といった問題は、相手からの評価に直接ひびきます。回線の選び方は在宅ワークに最適なネット回線|光回線vsホームルーターの選び方に条件別の判断がまとまっているので、仕事を受ける前に整えておくほうが安全です。
求人の並びから見える、選び方の現実
在宅ワークの求人を横に並べて見ると、募集の内容には偏りがあります。作業を細かく切った単発の仕事は数が多く、いつでも見つかります。いっぽう、月ごとに決まった業務を任せる継続の仕事は数が少なく、埋まるのも早い。つまり、探し方を変えないと、単発の仕事ばかりに当たり続けることになります。
20年この市場を見てきた立場から言えば、長く続いている人には共通点があります。案件を探す時間より、いま関わっている相手との関係を整える時間のほうが長いのです。連絡への返事が早い、進み具合を聞かれる前に報告する、できないことを早い段階で言う。これだけで「この人に任せると楽だ」という評価になり、次の依頼が向こうから来ます。募集を探し続ける働き方と、依頼が来る働き方では、同じ時間でも手元に残る金額が違ってきます。
もうひとつ、運営者として見てきた限りでは、手取りの差を生むのは単価よりも仲介の構造です。発注と受注の間に手数料が乗る仕組みでは、依頼側が出した予算の一部が途中で抜けます。同じ10万円の予算でも、手数料0%の直接契約なら、依頼側はより多くの作業を頼めて、受け手の手元にはより厚く残ります。金額の大小の話ではなく、同じ予算でどちらの側にも余裕が生まれるという構造の話です。50代から始めて長く続けるつもりなら、この差は年を追うごとに効いてきます。
職種ごとの報酬水準を確かめたいときは、公的な統計をもとにしたソフトウェア作成者の年収・単価相場のような職種別のデータを基準にしてください。副業の募集で提示される金額が、その職種の相場に対してどのあたりにあるのかを知っておくと、安く受けすぎることを防げます。
分野を絞りきれない場合は、50代 副業の成功ガイド!経験を収入に変える職種と始め方に職種ごとの始め方が並んでいるので、自分の経験に近いところから読み進めるのが効率的です。最後にもう一度書くと、決め手になるのは職種の人気ではなく、時間の形と経験の棚卸しです。この2つが決まっていれば、選択肢は自然に3つか4つまで絞られます。
月3万円を目標にしたときに手元へ残る額
金額の話は、売上ではなく手元に残る額で見ておくと判断を誤りません。文章の仕事で月3万円を目標にした場合の並びは次のようになります。文字単価1.2円で2,500字の記事を10本書くと、売上は30,000円です。原稿料は源泉徴収の対象に挙げられていて、1回の支払金額が100万円以下なら10.21パーセントが引かれます。30,000円なら3,063円が引かれ、振り込まれるのは26,937円です。ここから業務で使った通信費の按分1,500円と資料の書籍代1,000円を差し引くと、その月に手元へ残るのは24,437円になります。税率と計算式は国税庁タックスアンサー No.2795に記載があります。
同じ月3万円を事務代行で目標にすると、内訳が変わります。時間あたり1,200円の契約で週4時間、月16時間なら19,200円です。データ入力や事務の代行は源泉徴収が必要な報酬として列挙されていないため、請求額がそのまま振り込まれます。振込額が多く見えますが、その分の税は先に引かれていないだけで、申告のときにまとめて出てきます。手取りの比較をするときは、源泉徴収の有無をそろえてから並べてください。
年単位で見ると、売上360,000円に対して経費が30,000円なら、所得は330,000円です。給与以外の所得が年間20万円を超えるので確定申告が必要になり、1年で源泉徴収された36,756円は申告で精算します。実際に納める額は給与と合算した課税所得や各種の控除で変わるため、確定申告書等作成コーナーに自分の数字を入れて確かめるか、税務署の窓口で聞くのが確実です。
着手から最初の入金までを日付で並べる
準備の順番が分かっていないと、最初の1か月が空回りします。日付で並べると次のようになります。
1日目から3日目は、経験の棚卸しです。肩書きを書かず、担当した動作を40行を目標に書き出します。4日目から7日目は、見本を作ります。文章なら1,000字の原稿を2本、事務なら架空のデータで作った集計表を1枚です。2週目は登録と応募に充てます。10件出して返信が2件から3件という水準が目安なので、1件や2件で結論を出さないことです。3週目に初回の受注と着手が来ます。最初の1件は見積もりの1.5倍の時間がかかる前提で予定を組んでください。4週目は納品と請求書の発行です。請求書には振込先、金額、消費税の扱い、源泉徴収の有無を書きます。
入金は、月末締めの翌月末払いという条件が多く見られます。つまり着手から入金までは2か月近く空きます。始める前に押さえておきたいのはこの時間差で、副業の入金を目先の生活費に当て込む組み方をすると、支払いの順番が崩れます。最初の3か月は入らない前提で予定を立てるほうが安全です。
確定申告のときに何をどう書くか
副業の所得は、規模と継続の度合いによって雑所得か事業所得に分かれます。年に数回の単発なら雑所得、帳簿を付けて継続しているなら事業所得の扱いを検討する形です。どちらに当たるかは個々の事情で変わるので、自分の状況を税務署に伝えて確かめてください。
売上360,000円の年で、書き方の例を挙げます。
・収入金額 360,000円 ・通信費 18,000円(自宅の回線と携帯の料金を、業務で使った割合3割で按分した額) ・新聞図書費 6,000円(資料として買った書籍4冊) ・消耗品費 4,000円(プリンタのインクと用紙) ・支払手数料 2,000円(負担した振込手数料) ・差引金額 330,000円 ・源泉徴収税額 36,756円
按分の割合は、使った時間や部屋の面積のように、後から説明できる根拠で決めます。感覚で決めた数字は、質問されたときに答えられません。領収書とレシートには保存の義務があるので、月ごとに封筒へ入れておくだけでも申告のときの手間が変わります。
帳簿を複式で付けてe-Taxで期限までに送る形にすれば、青色申告特別控除65万円の対象になります。ただし複式簿記と貸借対照表の作成が条件で、単発の作業を年に数回受ける規模では手間のほうが大きくなります。売上が毎月続く形になってから、開業届と青色申告の承認申請を検討する順番で足ります。
よくある質問
Q. 50代から副業を始めるのは遅すぎませんか?
在宅の業務委託では、年齢よりも「その業務を任せて問題ないか」で選ばれる場面が増えています。事務、文章、教える仕事などは、これまでの経験がそのまま判断材料になります。ただし立ち上がりに数か月かかるため、最初から大きな収入を見込まず、続けられる形で始めるのが現実的です。
Q. 副業の収入はいくらから確定申告が必要ですか?
勤務先1か所から給与を受けていて、給与以外の所得の合計が年間20万円を超えると確定申告が必要です。所得は売上から必要経費を引いた額なので、通信費や機器代のうち業務で使った割合は差し引けます。20万円以下でも住民税の申告が必要になる場合があるため、自治体の窓口で確認してください。
Q. パソコンが得意ではなくても在宅の副業はできますか?
文字入力、表計算の基本操作、ファイルの整理と送受信、オンライン会議の接続ができれば、事務代行や文字起こしなどの仕事は受けられます。逆に、画像や動画の制作は道具の習熟に時間がかかるので後回しが無難です。まず何を覚えるべきかの順番を決めてから練習すると、遠回りを避けられます。
Q. 勤務先に副業を知られたくない場合はどうすればよいですか?
まず就業規則を確認し、許可制や届出制になっていないかを見てください。規則に反する形で始めると、後から問題になります。税の面では、確定申告のときに住民税を自分で納付する方法を選ぶと、勤務先を経由しない納付にできます。手続きは申告書の該当欄で選択します。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
朝比奈 蒼@SOHO編集部
ITメディア編集者
IT系メディアで編集・ライティングを担当。クラウドソーシング業界の動向やサービス比較など、客観的な視点での記事を執筆しています。
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