ブランク明けの主婦が動画の字幕づくりで最初に触るのは無料ソフト

中西 直美
中西 直美
ブランク明けの主婦が動画の字幕づくりで最初に触るのは無料ソフト

この記事のポイント

  • ✓ブランクのある主婦が動画の字幕づくりを在宅で始めるための手順を
  • ✓練習の進め方まで順を追って解説します
  • ✓何年働いていなくても始められる理由と

「ブランクのある主婦でも、動画の字幕づくりを在宅で仕事にできるでしょうか」。カウンセリングの現場で、こういうご相談をよく受けます。何年も働いていない、パソコンは家計簿くらいしか使っていない、でも家で少しずつ働きたい。そんな状態から始めたい方に向けて、この記事を書きます。

結論からお伝えします。できます。しかも、在宅ワークの中では珍しく、ブランクの長さがほとんど影響しない仕事です。

理由は追ってご説明します。まず、一番お伝えしたいことを。あなたが「自分にできるだろうか」と不安になっているその感覚は、ごく自然なものです。長く現場を離れると、誰でも自分の力を実際より低く見積もるようになります。これは心理学で自己効力感が下がっている状態と呼ばれますが、平たく言えば「やってみる前から無理だと思ってしまう」ということです。大丈夫ですよ。この記事では、その感覚をほぐしながら、具体的な手順をお話しします。

動画の字幕づくりという仕事が、いま増えている理由

まず、この仕事の需要がなぜ伸びているのかを整理します。ここが分かると、「今から始めても遅くないか」という不安が少し和らぎます。

動画を音なしで見る人が、もう多数派になっている

電車の中、寝かしつけのあと、職場の休憩時間。スマートフォンで動画を見るとき、音を出さない場面のほうが多いです。SNSのタイムラインを流し見しているとき、いちいち音を出す人はほとんどいません。

音がない状態で動画を成立させるには、字幕が要ります。何を話しているのかが文字で見えなければ、視聴者は数秒でスクロールしてしまう。だから、動画を作る側にとって字幕は「あったほうがいいもの」ではなく「ないと見てもらえないもの」になりました。

この変化が、字幕づくりという作業の需要をまるごと押し上げています。企業のSNS投稿、商品紹介、採用動画、YouTubeの解説動画、オンラインセミナーの記録。ほぼすべてに字幕がついています。

動画そのものの本数が増え続けている

もうひとつは、動画を作る主体が増えたことです。以前は動画を作るのはテレビ局や広告代理店でした。今は、中小企業も、個人事業主も、自治体も、学習塾も動画を作ります。

作る側の数が増えれば、字幕をつける作業の総量も増えます。しかも、動画1本あたりの制作予算はそれほど大きくありません。専属のスタッフを抱えるより、必要なときに外部の在宅ワーカーに頼むほうが合理的です。この構造が、在宅で字幕づくりを引き受ける人の入り口を広げています。

実際の募集内容を見ると、この領域が未経験者を前提に組まれていることがよく分かります。

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「PC操作から丁寧な研修」と書かれていることに注目してください。募集する側が、パソコンの基本操作からのスタートを想定しているということです。これは、他の在宅ワークではあまり見られない条件です。

AIが自動で字幕をつけられるのに、なぜ人の仕事が残るのか

ここは、多くの方が気にされる点です。「AIが自動で字幕をつけてくれるなら、人がやる意味はないのでは」と。

正直にお答えすると、自動生成は確かに精度が上がりました。動画をアップロードすれば、数分で字幕案が出てきます。ただ、その字幕案をそのまま公開している動画は、ほとんどありません。

理由は3つあります。ひとつ、固有名詞と専門用語を間違えること。会社名、商品名、人名、業界用語は、聞き取れても正しい表記にはなりません。ふたつ、話し言葉をそのまま文字にすると読みにくいこと。「えー、あの、そうですね」といった言い淀みが全部入ってしまいます。三つ、改行位置と表示のタイミングが不自然なこと。文の途中で不自然に折り返されると、読みづらさが視聴体験を損ないます。

つまり、AIが下書きを作り、人が仕上げるという分業になっているということです。この「仕上げ」の部分が、在宅で引き受けられる仕事として残っています。むしろ、ゼロから文字起こしをする時代より作業効率が上がったので、初心者が参入しやすくなったとも言えます。

「字幕づくり」の中身を、作業単位で分解する

ひとくちに字幕づくりと言っても、実務ではいくつかの工程に分かれています。募集要項を読んだときに「自分にできる範囲かどうか」を判断できるよう、工程ごとに見ていきます。

文字起こし

動画の音声を聞いて、話している内容を文字にする作業です。もっとも基本的で、もっとも案件数が多い工程です。

現在は、AIによる自動文字起こしをベースにして、それを聞きながら修正していく形が主流です。ゼロから全部打ち込むわけではありません。おおよそ8割から9割は自動で正しく出てくるので、残りを直していく作業になります。

必要なのは、日本語を正しく聞き取れる耳と、正しい表記を調べる手間を惜しまない姿勢です。特別な技術は要りません。パソコンで日本語入力ができれば足ります。

タイムコードを合わせる作業

文字にしただけでは字幕になりません。「この文章を、動画の何分何秒から何秒まで表示するか」を指定する必要があります。この作業をスポッティングと呼びます。

専用のソフトやオンラインのツールを使えば、波形を見ながら区切りを調整できます。難しそうに聞こえますが、実際にやってみると単純な繰り返し作業です。1時間ほど触っていれば操作は覚えられます。

ここで問われるのは、丁寧さです。表示が0.3秒早いだけで、視聴者は違和感を覚えます。細かい調整を面倒がらずにできるかどうかが、評価の分かれ目になります。

読みやすく整える作業

文字起こししたものは、そのままでは字幕に使えません。話し言葉は、書き言葉より圧倒的に冗長だからです。

「えーと、それでですね、まあ、いわゆる、その、コストの部分なんですけども」を、「コストの面についてです」に整える。この作業を整文と呼びます。

ここには判断が必要です。話者の言い回しをどこまで残すか、意味を変えずにどこまで削るか。この匙加減が、発注者ごとに違います。だから、最初の案件では必ず「どのくらい整えますか」と確認してください。ほぼ全文そのままを望む発注者もいれば、大幅に削ってほしい発注者もいます。

この工程は、文章を扱う仕事の基本と重なる部分が大きいです。文章を読みやすくする技術そのものについては著述家,記者,編集者の年収・単価相場に、文章を扱う職種全般の報酬構造と求められる力がまとまっています。字幕づくりから文章仕事へ広げていくときの参考になります。

見た目を作る作業(テロップ)

字幕の中には、いわゆる「テロップ」と呼ばれる装飾されたものもあります。バラエティ番組で見る、色や縁取りのついた文字です。

こちらは動画編集ソフトの操作が必要になり、デザインの感覚も少し問われます。ただ、多くの案件ではテンプレートが用意されていて、そこに文字を流し込むだけです。ゼロからデザインを考える案件は、報酬が高い代わりに経験者向けです。

最初は装飾なしの字幕から入り、慣れてきたらテロップに広げる。この順序が現実的です。

単価の相場と、時間あたりの考え方

お金の話をします。ここを曖昧にしたまま始めると、後で「思ったより割に合わない」と感じてしまうので、先に整理しておきます。

案件の値付けの型

字幕づくりの案件は、主に3つの型で値段がつきます。

動画の分数あたりの単価。「動画1分あたり200円から500円」といった形です。文字起こしのみか、タイムコード合わせまで含むかで幅があります。

動画1本あたりの固定額。「10分程度の動画1本で3,000円」といった形です。SNS向けの短い動画だと1,000円前後の案件もあります。

時給制。企業に業務委託や短時間勤務の形で入る場合はこの形が多く、求人票では時給1,200円から1,900円程度の幅で募集されています。

慣れるまでは時間がかかることを前提にする

正直にお伝えしておきます。最初のうちは、時間あたりの効率がかなり悪いです。

慣れた人であれば、10分の動画の字幕を1時間ほどで仕上げます。始めたばかりだと、同じ作業に3時間から4時間かかることも普通です。ソフトの操作を調べながら、表記を確認しながら進めるので、当然そうなります。

ここで多くの方が「自分には向いていない」と感じてしまいます。でも、これは向き不向きの問題ではありません。単に、手順が体に入っていないだけです。5本ほど納品するころには、作業時間は目に見えて短くなります。この「最初の5本は練習期間」という前提を持っておくと、心が折れにくくなります。

こういうご相談、本当に多いんです。「1件目で心が折れました」と。折れた理由を伺うと、ほぼ全員が「思ったより時間がかかったから」とおっしゃいます。時間がかかるのは当たり前だと最初に知っていれば、折れずに済んだ方がたくさんいます。

ブランクがあっても始められる、7つの手順

ここからが実務の話です。順番どおりに進めれば、特別な準備なしに最初の一件まで届きます。

手順1:使う道具を確認する

必要なのは、パソコンとインターネット環境、そしてイヤホンかヘッドホンです。これだけです。

パソコンは、ここ数年以内に買ったものであれば性能は足ります。文字起こしと字幕入力は重い処理ではありません。テロップ入りの動画編集まで手を広げるなら性能が要りますが、最初は不要です。

イヤホンは必ず用意してください。スピーカーで聞くと、細かい音が聞き取れず誤字が増えます。家族がいる時間帯でも作業できるという実用的な理由もあります。

タブレットやスマートフォンだけで完結する案件もありますが、効率を考えるとパソコンのほうが圧倒的に速いです。

手順2:無料のツールで練習する

いきなり有料ソフトを買う必要はありません。無料で使える文字起こしツールと、無料の字幕編集ソフトがあります。

練習の題材は、身近な動画で構いません。5分程度のニュース動画や解説動画をひとつ選び、字幕をつけてみる。これを3本やれば、工程の全体像が体で分かります。

このとき大事なのは、完璧を目指さないことです。まず最後まで通すこと。途中で「うまくできない」と感じても、とにかく最後まで仕上げてください。最後まで到達した経験が、次の一歩を軽くします。

手順3:作業の型を作る

3本ほど練習すると、自分なりの順番が見えてきます。それを紙に書き出して、手順書にしてください。

たとえば、動画を通しで一度見る、自動文字起こしにかける、固有名詞をリストアップして表記を確認する、頭から修正する、タイムコードを合わせる、通しで再生して確認する、書き出す。この順番を固定します。

型があると、細切れの時間でも作業を再開できます。「どこまでやったか分からない」という状態が減るので、家事の合間に進めやすくなります。

作業を細切れで進めるコツについては在宅ワークの集中力アップ|ポモドーロ以外に効く7つのテクニックに、短い時間で仕事を進めるための具体的な方法がまとまっています。字幕づくりは工程が分かれている分、細切れ作業と相性がいい仕事です。

手順4:作業実績のサンプルを用意する

応募のときに見せるものを作ります。著作権の関係で、他人の動画に字幕をつけたものをそのまま公開するのは避けてください。

現実的な方法は2つあります。ひとつは、フリー素材の動画に字幕をつけて、それをサンプルとして提示する方法。もうひとつは、字幕データそのもの(SRTファイルなど)を見せる方法です。

字幕データには、タイムコードと本文が並んでいます。これを見れば、発注者は「区切り方が適切か」「表記が整っているか」を判断できます。動画そのものがなくても評価してもらえるので、こちらのほうが手軽です。

手順5:プロフィールを整える

在宅ワークの求人サイトや業務委託マッチングサービスに登録します。

プロフィールに書くのは、対応できる工程(文字起こしのみか、タイムコード合わせまでか)、使えるツール、納品形式、1週間に対応できる分数、連絡が取れる時間帯です。

ここで、大事なお願いがあります。ブランクを謝らないでください。「8年のブランクがあり、ご迷惑をおかけするかもしれませんが」と書く必要はまったくありません。

発注者が知りたいのは、何がいつ返ってくるかだけです。ブランクは、その判断に一切関係しません。書かなくていいことを書くと、自分で自分の評価を下げてしまいます。

一方で、これまでの生活で身についたことは書いていい情報です。家計簿をつけていた、PTAの資料を作っていた、子どもの学校の連絡係をしていた。こうした経験は、「決められた形式を守れる」「期限を守れる」という信号として読まれます。

手順6:最初の案件を選ぶ

応募先を選ぶときの基準を3つお伝えします。

ひとつ、作業範囲が明記されていること。「字幕をつけてください」だけの募集は避けてください。文字起こしのみなのか、タイムコードまでなのか、テロップのデザインまで含むのかで、作業量が何倍も違います。

ふたつ、動画の分数と本数が事前に分かること。「たくさんあります」という表現は危険信号です。

三つ、修正対応の範囲が書かれていること。納品後の直しがどこまで含まれるかを確認します。

最初は、報酬より条件の明確さを優先してください。条件がはっきりしている案件は、進め方も丁寧なことが多いです。

手順7:納品して、次につなげる

初回の納品では、指定の形式を守ることが最優先です。ファイル形式、ファイル名の付け方、送り先。ここを外すと、内容がよくても手間をかけさせてしまいます。

納品のときに一言添えると、次につながりやすくなります。「固有名詞は御社サイトの表記に合わせました。表記ルールがあればお送りいただければ次回から反映します」。この一文があるだけで、継続を検討してもらえる確率が変わります。

在宅ワーク全体の始め方を体系的に確認したい方は在宅でできる仕事おすすめ【2026年版】|スキル別ランキングに、スキル別の仕事の種類と難易度が整理されています。字幕づくり以外の選択肢も並べて比べると、自分に合う方向が見えやすくなります。

契約と受け取り方で、先に確認しておくこと

作業の話が中心になりましたが、始める前に確認しておくと安心なことがいくつかあります。

作業範囲を、着手前に文字で決める

字幕づくりでもっとも多いトラブルが、作業範囲の食い違いです。「字幕をつけてください」という依頼で受けたのに、実際には不要部分のカットや効果音の追加まで期待されていた、という行き違いが起こります。

防ぎ方は簡単です。受ける前に、次の4点をテキストでやりとりして残しておきます。全発言を文字にするのか、要点だけでいいのか。焼き込みか、字幕ファイルでの納品か。修正は何回まで含まれるのか。納期はいつか。

この4点を確認するだけで、行き違いのほとんどは消えます。口頭やビデオ通話だけで決めた内容は、後から確認できません。必ず文字で残してください。

修正の回数を決めておく

修正依頼そのものは、悪いことではありません。むしろ最初のうちは、修正のやりとりから学ぶことが多くあります。

問題になるのは、回数に制限がない場合です。「もう少し自然に」といった主観的な理由で何度も戻されると、実質の時給が下がり続けます。契約時に「修正は2回まで、それ以降は追加費用」と決めておけば、お互いに気持ちよく進められます。

断ることに抵抗を感じる方が多いのですが、これは断る行為ではありません。最初に条件を決めておくという、当たり前の段取りです。

報酬の受け取り方を確認する

いつ、どういう形で支払われるかも先に確認しておきます。納品後すぐなのか、月末締めの翌月払いなのか。振込手数料はどちらが負担するのか。

小さなことに見えますが、月に何件も受けるようになると、この差が積み重なります。

収入が増えてきたら、記録を残す

作業を始めたら、日付、依頼者、作業内容、報酬額を1行ずつ記録しておいてください。表計算ソフトで十分です。

この記録があると、確定申告が必要になったときに慌てずに済みます。また、次の案件で単価を提示するときの根拠にもなります。「10分の動画なら2時間で仕上げています」と言えるかどうかで、交渉の説得力が変わります。

記録は、あとから作れません。最初の1件目から始めておいてください。

心が折れそうになったときのための、いくつかの視点

ここからは、私の本来の専門領域の話をさせてください。技術より、こちらのほうが継続を左右することがあります。

「自分にはできない」という感覚の正体

ブランクの長い方が最初にぶつかるのは、技術の壁ではなく、自己評価の壁です。

長く現場を離れていると、自分の能力を実際より低く見積もる状態になります。これは能力が落ちたからではなく、「できた経験」を最近積んでいないからです。人は直近の成功体験を材料にして自信を組み立てるので、その材料が切れていると、自信も薄くなります。

つまり、必要なのは自信を奮い立たせることではなく、小さくできた経験を積み直すことです。5分の動画に字幕をつけられた。これで十分です。この小さな一件が、次の一件を可能にします。

私自身、会社を離れて独立したとき、最初の数ヶ月はまったく動けませんでした。資格も経験もあるのに、「私に相談する人なんているだろうか」と思い込んでいました。実際に一件目のご相談を受けてみると、相手が求めていたのは立派な肩書きではなく、話を聞いてくれる人でした。動けなかった数ヶ月は、能力の問題ではなく、材料が切れていただけでした。

一人で作業する時間が長いことへの備え

在宅の字幕づくりは、基本的に一人の作業です。動画を見て、文字を打ち、確認して、送る。誰とも話さない日が続くことがあります。

これは想像以上に効きます。会社員のときは、良くも悪くも毎日誰かと会話がありました。それが在宅になると、朝から晩まで一人。気づいたら3日間、家族以外の誰とも話していない。

対策は、意識的に外との接点を作ることです。週に一度は外で作業する、同じ仕事をしている人のコミュニティに入る、発注者とのやり取りをテキストだけでなく通話で行う。小さなことですが、効果があります。あなたは一人じゃありません。同じように在宅で働いている人は大勢います。

家族の理解を得ておく

在宅の仕事は、家族から「家にいるんだから手が空いている」と見なされやすいです。これも、よくあるご相談です。

先に伝えておくことをおすすめします。「この時間は仕事をしている」「この日は納品日だから集中したい」。作業時間を可視化して共有するだけで、摩擦がかなり減ります。

在宅で働く主婦の方が実際にどう時間を組んでいるかは在宅ワーク主婦の1日のタイムスケジュール公開に具体的な例が載っています。自分の生活に当てはめるときの土台になります。

字幕づくりから、どこへ広げられるか

最後に、この仕事を入り口にした先の話をします。ここを知っておくと、目の前の作業の意味が変わります。

字幕づくりで身につくのは、日本語を正確に扱う力と、指定された形式を守る力です。この2つは、在宅ワークのほぼ全領域で通用します。

まず近いのが、動画編集そのものです。字幕を触っているうちに編集ソフトに慣れるので、カット編集やBGM挿入へ自然に広がります。次に、文章の仕事。文字起こしから記事化する仕事は、字幕の経験がそのまま活きます。

もう少し先には、AIツールを使った業務支援の領域があります。自動文字起こしのツールを使いこなしているということは、AIを実務に組み込む感覚が身についているということです。この感覚は、いま企業が最も欲しがっている力のひとつです。AIコンサル・業務活用支援のお仕事には、AIを業務に取り入れる支援の仕事の中身がまとまっています。字幕づくりの延長線上に、こうした方向があります。

SNS運用や広告まわりの案件も隣接領域です。動画に字幕をつける作業は、そのままSNS投稿の制作フローの一部なので、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事にある案件群と接点があります。

技術寄りに進みたい方には、アプリケーション開発のお仕事やソフトウェア作成者の年収・単価相場が参考になります。字幕データはテキストファイルなので、扱いに慣れると自動化の発想が生まれてきます。この方向に興味が出たら、CCNA(シスコ技術者認定)のようなIT系の資格学習が土台になります。

もっと身近なところでは、ビジネス文書検定のような文書の基本を扱う資格が、整文の質を底上げしてくれます。字幕は短い文の連続なので、簡潔に書く訓練がそのまま成果になります。

在宅ワーク市場を見てきた立場からの観察

在宅ワーク・フリーランスのマッチング市場を長く運営してきた立場から、いくつか観察を共有します。

まず、字幕づくりのような「工程が明確で、成果物が確認しやすい仕事」は、ブランクのある方の再スタートに最も適しています。理由は、評価が納品物だけで完結するからです。面接で経歴を説明する必要も、職場の人間関係に馴染む必要もありません。納品したものが基準を満たしていれば、それが評価のすべてです。20年この市場を見てきた立場から言えば、長く続く方の多くが、こうした「成果が目に見える仕事」から入っています。

次に、継続する方の共通点です。運営者として見てきた限りでは、続く方は単発の案件をたくさん取ることより、「この人に頼むと楽だ」という状態を作ることに時間を使っています。表記ルールを自分でまとめて共有する、次回に使える形でファイルを整理する、修正の意図を先回りして確認する。こうした積み重ねが、募集を見なくても仕事が来る状態を作ります。字幕づくりは特にこの効果が出やすく、シリーズものの動画で一度採用されると、何ヶ月分かの作業が安定します。

もうひとつ、お金の見方についてです。同じ「1本3,000円」の案件でも、間に何社入っているかで受け取る額は変わります。中間マージンが乗らない直接取引の構造では、依頼する側は同じ予算でより多く頼め、受け手は手取りが厚くなります。手数料0%という条件が意味するのは、単価を叩けるということではなく、双方の手元に残るものが変わるということです。字幕づくりのように1件あたりの金額が小さく、本数を重ねる仕事では、この差は月単位で見ると無視できない大きさになります。

最後にもう一度お伝えします。ブランクを気にしているのは、ほとんどの場合あなただけです。発注する側が見ているのは、納品物と納期と連絡の丁寧さだけです。まずは5分の動画に字幕をつけてみるところから始めてください。それができたなら、あなたはもう始められています。

公的機関・関連参考情報

本記事の内容に関連する公的機関や信頼できる情報源は以下の通りです。最新情報は公式サイトで確認してください。

よくある質問

Q. パソコンの操作に自信がなくても字幕づくりは始められますか?

始められます。字幕づくりで必要なのは日本語入力と、字幕編集ツールの基本操作だけです。求人票でも「PC操作から丁寧な研修」と明記された募集が出ており、未経験を前提にした案件が一定数あります。まず無料のツールで5分程度の動画に字幕をつける練習を3本行えば、工程の全体像がつかめます。

Q. 字幕づくりの単価はどのくらいですか?

動画1分あたり200円から500円程度、または動画1本あたり1,000円から3,000円程度が一つの目安です。企業に業務委託で入る形だと時給1,200円から1,900円程度の募集も見られます。文字起こしのみか、タイムコード合わせやテロップ装飾まで含むかで作業量が大きく変わるため、応募前に範囲の確認が必須です。

Q. AIの自動字幕が普及しても仕事はなくなりませんか?

なくなりません。自動生成の字幕は固有名詞や専門用語を誤変換し、言い淀みがそのまま残り、改行位置も不自然です。そのまま公開できる品質にはならないため、AIが下書きを作って人が仕上げる分業が定着しています。むしろゼロから打ち込む必要が減った分、未経験者が参入しやすくなっています。

Q. 最初の案件はどのくらい時間がかかりますか?

慣れた人が10分の動画を1時間で仕上げるのに対し、始めたばかりだと3時間から4時間かかることが普通です。ソフトの操作や表記の確認に時間を取られるためで、能力の問題ではありません。5本ほど納品するころには作業時間が目に見えて短くなるので、最初の5本は練習期間と考えて取り組んでください。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年4月1日最終更新:2026年9月11日
中西 直美

この記事を書いた人

中西 直美@SOHO編集部

産業カウンセラー・キャリアコンサルタント

大手人材会社でキャリアカウンセラーとして15年間従事した後、フリーランスの産業カウンセラーとして独立。在宅ワーカーのメンタルヘルスケアを専門に活動しています。

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