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退職届の書き方|書式と提出の流れ

@SOHO編集部
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退職届の書き方|書式と提出の流れ

この記事のポイント

  • ✓退職日と提出日の書き分け
  • ✓受け取ってもらえないときの対処
  • ✓退職後の健康保険と年金の手続きまで

退職届の書き方で手が止まっている人は、何を書けば失礼にならないのか、手書きでなければいけないのか、いつ誰に渡せばよいのか、という3つの点で迷っていることが多いはずです。結論から言うと、退職届は「退職届」という表題、決まった書き出しの1文、退職日、提出日、所属と氏名、会社の代表者の名前を、白い便せんかA4の用紙に書き、白い封筒に入れて直属の上司に渡せば足ります。退職理由は「一身上の都合」と書くのが一般的で、細かな事情を書く必要はありません。この記事では、退職届と退職願の違い、縦書きと横書きの文例、封筒の書き方、提出までの流れ、出したあとの手続きまでを、省略せずに順に説明します。

退職届とは何か。退職願・辞表との違い

退職届とは、会社に対して「この日で退職します」という意思を、確定したものとして伝える書類です。似た名前の書類に退職願と辞表があり、検索するとこの3つが混ざって説明されているため、まずここを整理します。

  • 退職願:会社に「退職させてください」とお願いする書類です。会社が承諾して初めて退職が決まる、という性格を持ちます。
  • 退職届:退職がすでに決まった、あるいは退職すると決めたことを会社に届け出る書類です。お願いではなく、通知です。
  • 辞表:会社の役員や、公務員が職を辞めるときに出す書類です。一般の会社員が使う書類ではありません。

実際の職場では、まず上司に口頭で退職の意思を伝え、話し合って退職日を決めたあとに、手続きの書類として退職届を出す流れがもっとも多く見られます。会社によっては、最初に退職願を出し、承諾されてから退職届を出すよう求めるところもあれば、決まった様式の「退職届」の用紙を総務や人事の担当が用意しているところもあります。会社の様式がある場合は、その様式を使うのが最優先です。この記事で紹介する書き方は、会社に決まった様式がない場合のものと考えてください。

退職願と退職届の違いは、出したあとに取り消せるかどうかにも関わります。退職願はお願いなので、会社が承諾する前であれば取り下げを相談できる余地があると一般に考えられています。一方、退職届は退職の意思を確定させて伝えるものなので、一度出すと取り消しが難しくなります。迷いが残っているうちは退職届を出さず、まず上司と話すことから始めるのが安全です。

辞表という言葉はドラマなどで耳にすることが多いため、会社員の退職でも「辞表を出す」と言う人がいます。ただ、書類の表題として「辞表」と書くのは、役員や公務員の場合に限るのが一般的です。会社員が書類を作るときは、退職願か退職届のどちらかにしてください。

退職届を出す前に確かめること

退職届を書き始める前に、確かめておきたいことが3つあります。就業規則の決まり、法律で定められた期間、そして自分の雇用契約の種類です。

1つ目は就業規則です。就業規則とは、会社が定めた働き方の決まりをまとめた文書のことで、多くの会社では「退職を希望する者は、退職日の1か月前までに申し出ること」のような決まりが書かれています。退職届の様式や提出先が書かれていることもあります。社内の共有フォルダや社員向けのサイトで見られることが多く、見当たらない場合は総務や人事の担当に尋ねれば見せてもらえます。

2つ目は法律の期間です。期間の定めのない雇用、つまり正社員のように契約の終わりの日が決まっていない働き方の場合、民法では次のように定められています。

当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。 この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。 出典: e-Gov法令検索「民法」第627条

つまり、法律の上では退職を申し出てから2週間で雇用が終わる、という決まりになっています。就業規則で「1か月前」と定められていても、法律の期間とどちらが優先されるかは、個別の事情で考え方が分かれます。ただ、円満に辞めることを考えるなら、引き継ぎの期間も含めて就業規則の期間に合わせて申し出るのが現実的です。

3つ目は雇用契約の種類です。契約社員や派遣社員のように、契約の期間が決まっている働き方では、原則として契約期間の途中で一方的に辞めることはできず、民法第628条で「やむを得ない事由」があるときに限って直ちに契約を解除できるとされています。契約の期間が決まっている人は、まず契約の満了日を確かめ、満了で辞めるのか、途中で辞める相談をするのかを決めてから動いてください。

この3つを確かめると、退職届に書く退職日の候補が見えてきます。有給休暇がどのくらい残っているかも、このタイミングで確かめておくと、最終出社日と退職日をいつにするかの計画が立てやすくなります。

退職届の書式。手書きかパソコンか、用紙とペン

退職届は手書きでなければいけない、という法律の決まりはありません。会社の様式がなければ、手書きでもパソコンで作っても構いません。ただ、年配の上司が多い職場や、昔からの慣習を大切にする業界では、手書きのほうが丁寧だと受け取られることが今も多くあります。迷ったら手書きにしておけば、失礼だと思われることはまずありません。

手書きにする場合の準備は次のとおりです。

  • 用紙:白い無地の便せん、またはB5かA4の白い用紙。縦書きなら縦の罫線が入った便せんが書きやすいです。キャラクターや柄の入った便せんは避けます。
  • ペン:黒のボールペンか万年筆。消せるボールペンや鉛筆は使いません。消せるボールペンは熱で文字が消えることがあり、正式な書類には向きません。
  • 封筒:白い無地の封筒。郵便番号の枠が印刷されていないものを選びます。サイズは用紙に合わせ、B5なら長形4号、A4なら長形3号が一般的です。

パソコンで作る場合は、A4の用紙に横書きで作るのが一般的です。文字の大きさは本文で10.5ポイントから12ポイント程度、氏名の横には印鑑を押すか、手書きで署名をします。パソコンで作った書類でも、署名だけは手書きにすると本人が書いた書類だと伝わりやすくなります。

書き間違えたときは、修正テープや二重線で直さず、新しい用紙に書き直してください。退職届は会社の記録として保管される書類なので、訂正の跡があると見栄えがよくありません。手書きの場合は、下書きを鉛筆で別の紙に書いてから清書すると、書き直しの回数を減らせます。

ビジネスの書類の書き方そのものに自信がない人は、文書の書式や敬語の使い方を体系的に学べる資格を調べてみるのも1つの方法です。ビジネス文書検定では、社内文書や社外文書の書式、表記の決まり、敬語の使い方などが出題範囲になっていて、退職届に限らず仕事の書類全般の書き方を身につける手がかりになります。

退職届の書き方。項目ごとの手順

縦書きの退職届を例に、上から順に書く項目を説明します。項目は全部で7つです。

  1. 表題:1行目の中央に「退職届」と書きます。本文より少し大きめの文字にすると見やすくなります。
  2. 書き出し:2行目の一番下に「私儀」と書きます。「わたくしぎ」と読み、「私ごとですが」という意味のへりくだった言い方です。「私事」と書く人もいますが、どちらでも構いません。
  3. 本文:3行目から、退職の理由と退職日を書きます。決まった言い方は「このたび、一身上の都合により、令和○年○月○日をもちまして退職いたします。」です。退職願の場合は最後を「退職いたしたく、ここにお願い申し上げます。」にします。
  4. 提出日:本文の次の行に、退職届を出す日付を書きます。和暦で書くのが一般的ですが、会社の書類が西暦で統一されているなら西暦でも構いません。
  5. 所属と氏名:提出日の次の行の下のほうに、部署名と氏名を書き、氏名の下に印鑑を押します。印鑑は朱肉を使うものにし、インク浸透式の印鑑は避けるのが無難です。
  6. 宛名:最後の行の上のほうに、会社の正式な名前と、代表者の役職と氏名を書きます。「株式会社」を「(株)」と略さず、代表者の名前には「殿」か「様」を付けます。
  7. 全体の見直し:日付の書き間違い、会社名や代表者名の漢字の誤り、退職日と提出日の取り違えがないかを確かめます。

いちばん多い間違いは、退職日と提出日の取り違えです。本文に書くのは「退職する日」、つまり会社に籍がある最後の日です。提出日は「この書類を出す日」です。有給休暇をまとめて取ってから辞める場合、最終出社日と退職日は違う日になります。本文に書くのは最終出社日ではなく退職日なので、総務の担当と日付をよく確かめてから書いてください。

宛名で迷いやすいのが、直属の上司の名前を書くのか、社長の名前を書くのかという点です。退職届は会社に対して出す書類なので、宛名は会社の代表者、つまり社長の名前にします。直属の上司は手渡す相手ではありますが、宛名には書きません。代表者の名前は、会社のサイトの会社概要や、名刺、社内の組織図で確かめられます。

そのまま使える退職届の文例(縦書き)

縦書きの退職届の文例です。実際に書くときは縦書きの便せんに、右の行から左へ順に書いてください。ここでは画面で読みやすいように、上から下へ1行ずつ並べています。

退職届

私儀

このたび、一身上の都合により、令和八年十二月三十一日をもちまして退職いたします。

令和八年十一月十六日

営業部 第二課
山田 花子 印

株式会社〇〇
代表取締役社長 〇〇 〇〇 殿

縦書きで書くときは、数字を漢数字にします。「12月31日」ではなく「十二月三十一日」です。本文の書き出しは、「私儀」の行より1文字下げて始めるときれいに見えます。氏名は用紙の下のほうに寄せ、宛名は用紙の上のほうに寄せて書くと、見る人に「誰から誰へ」の書類なのかが一目で伝わります。

本文に「誠に勝手ながら」や「これまでのご指導に感謝申し上げます」のような言葉を加えたくなる人もいますが、退職届は手続きの書類なので、感謝の言葉は書かないのが一般的です。お礼は書類ではなく、最終出社日のあいさつや、お世話になった人への言葉で伝えるほうが自然です。

1枚の用紙に収まらないほど長く書く必要はありません。表題から宛名まで、便せん1枚で終わる分量が標準です。

退職願の文例と、退職届との書き分け

会社から先に退職願を出すように言われた場合や、まだ退職日が決まっておらず相談の段階で書類を出したい場合は、退職願を書きます。書き方は退職届とほとんど同じで、違うのは表題と本文の終わり方だけです。

退職願

私儀

このたび、一身上の都合により、勝手ながら令和八年十二月三十一日をもちまして退職いたしたく、ここにお願い申し上げます。

令和八年十一月二日

営業部 第二課
山田 花子 印

株式会社〇〇
代表取締役社長 〇〇 〇〇 殿

退職願は「お願い」なので、本文の最後を「お願い申し上げます」で結びます。退職日は、上司と話し合う前であれば希望の日を書き、話し合いのあとで正式な日が決まったら、改めて退職届を出すのが丁寧な流れです。

どちらを出すべきか迷ったときの目安は次のとおりです。

  • まだ上司に話しておらず、相談から始めたい:口頭で相談し、求められたら退職願を出す
  • 上司と話し合って退職日が決まった:退職届を出す
  • 会社の様式がある:様式の表題がどちらであっても、その様式を使う
  • 引き止めが強く、話し合いが進まない:退職届を出して意思をはっきり伝える

退職願を出したあとに、会社から改めて退職届を求められることもあります。そのときは同じ内容で表題と結びの言葉だけを変え、退職日を話し合いで決まった日に直して出してください。

横書きで作るときの書き方と文例

パソコンで作る場合や、会社の書類が横書きで統一されている場合は、横書きでも問題ありません。横書きでは配置の順番が縦書きと少し変わります。

                                        令和8年11月16日
株式会社〇〇
代表取締役社長 〇〇 〇〇 殿

                                        営業部 第二課
                                        山田 花子 印

                    退職届

私儀
このたび、一身上の都合により、令和8年12月31日をもちまして退職いたします。

                                                以上

横書きでは、右上に提出日、その下の左側に宛名、右側に所属と氏名を書き、中央に表題、その下に本文を書くのが一般的な配置です。数字は算用数字で構いません。本文の最後に「以上」と書くと、文書がそこで終わることがはっきりします。

パソコンで作るときに気をつけたいのは、文字の大きさと余白です。表題は16ポイント程度、本文は10.5ポイントから12ポイント程度にし、上下左右に2センチから3センチの余白をとると、印刷したときに窮屈に見えません。用紙は普通のコピー用紙で構いませんが、しわや汚れのない新しい用紙に印刷してください。

印刷したら、氏名の横に印鑑を押すか、手書きで署名をします。データをメールで送るだけで済ませる会社もありますが、紙での提出を求められることも多いため、会社の決まりに合わせてください。

退職理由の書き方。自己都合と会社都合

退職届に書く退職理由は、自分の意思で辞める場合は「一身上の都合により」と書くのが一般的です。転職、家族の事情、体調、独立など、どんな理由であっても、退職届には細かく書く必要はありません。上司から理由を聞かれたら口頭で伝えれば足ります。

一方、会社の都合で辞める場合は、「一身上の都合」と書かないよう気をつけてください。会社の都合とは、たとえば会社が事業を縮小して人員を減らす、部署がなくなる、会社から退職を勧められた、といった場合です。こうした場合は、そもそも退職届を出す必要がないことも多く、出すとしても「貴社、事業縮小に伴う人員整理のため」のように、事実をそのまま書きます。

退職理由の書き方は、退職後に雇用保険の基本手当、いわゆる失業保険を受け取るときの扱いに関わることがあります。基本手当とは、雇用保険に入っていた人が離職して次の仕事を探す間に支給されるお金のことです。自己都合で辞めた場合と会社の都合で辞めた場合とでは、支給が始まるまでの期間や支給される日数が変わります。ただ、どちらの扱いになるかは、退職届の文言だけで決まるわけではなく、会社が作る離職証明書の内容と本人の申し立てをもとに、ハローワークが判断します。会社の都合なのに自己都合として扱われていると感じたときは、受給の手続きの際にハローワークの窓口でその事情を伝えてください。

退職勧奨、つまり会社から辞めるよう勧められて応じる場合は、自分から退職届を書く前に、どのような扱いの退職になるのかを会社に確かめておくと安心です。納得できない点があるときは、各都道府県の労働局や労働基準監督署にある総合労働相談コーナーで相談できます。厚生労働省は、この窓口について次のように案内しています。

解雇、雇止め、配置転換、賃金の引下げ、募集・採用、いじめ・嫌がらせ、パワハラなどのあらゆる分野の労働問題を対象としています。 専門の相談員が面談もしくは電話で対応致します。予約不要、ご利用は無料です。 出典: 厚生労働省「総合労働相談コーナーのご案内」

封筒の選び方と書き方、折り方と入れ方

退職届を入れる封筒は、白い無地のものを選びます。茶色の封筒は事務的な郵送に使うものなので避けます。郵便番号の枠が印刷された封筒も、手渡しする正式な書類には向きません。中身が透けにくい二重の封筒なら、なお安心です。

封筒の表には、中央に「退職届」と書きます。縦書きの封筒なら上下の中央に縦に、横長の封筒でも縦に書くのが一般的です。宛名は書きません。手渡しする書類なので、相手の名前を書く必要はありません。

封筒の裏には、左下に所属と氏名を書きます。縦書きの場合は、裏面の左側に部署名、その左に氏名を書きます。

用紙の折り方は「三つ折り」が基本です。手順は次のとおりです。

  1. 書いた面を上にして用紙を置きます。
  2. 下から3分の1を上に折ります。
  3. 上から3分の1を下に折り、重ねます。
  4. 折った用紙の書き出しの部分、つまり表題の側が封筒の裏側から見て右上に来るように入れます。

こうして入れると、受け取った人が封筒から取り出して開いたとき、すぐに表題が読める向きになります。

封は、手渡しする場合はのりで閉じなくても失礼にはあたりません。会社によっては、上司が中身を確かめてから人事に回すこともあるため、閉じずに渡すほうが手間をかけないという考え方もあります。郵送する場合は必ずのりで閉じ、閉じ目に「〆」と書きます。

封筒に入れたら、渡すまでの間にしわにならないよう、クリアファイルに挟んで持ち歩くとよいでしょう。カバンの中で折れ曲がった封筒を渡すと、せっかく丁寧に書いた書類の印象が下がってしまいます。

提出までの流れ。上司への相談から最終出社日まで

退職届を書いて出すまでの流れを、退職日の2か月前に動き出す場合を例に、時期ごとに並べます。

  • 退職日の2か月前:就業規則と有給休暇の残りを確かめ、直属の上司に面談の時間をもらって退職の意思を口頭で伝えます。
  • 退職日の1か月半前:上司と話し合い、退職日と最終出社日を決めます。会社によっては、ここで人事の担当との面談が入ります。
  • 退職日の1か月前:決まった退職日を書いた退職届を、直属の上司に手渡します。引き継ぎの計画を立て、後任と一緒に業務の確認を始めます。
  • 退職日の2週間前から最終出社日まで:引き継ぎを進め、取引先へのあいさつを上司と相談して行います。貸与された物の返却の準備をします。
  • 最終出社日:社内のあいさつをし、社員証やパソコンなど会社から借りていた物を返します。
  • 退職日:有給休暇を消化している場合は、出社しなくても在籍していることになり、この日で退職となります。

ここで大切なのは、退職届を最初に出すのではなく、まず口頭で伝える、という順番です。いきなり書類を出されると、上司は驚き、話し合いがこじれやすくなります。口頭で伝え、退職日を話し合いで決めてから、その日を書いた退職届を出す流れにすると、書き直しの手間もかかりません。

転職先が決まっている場合は、入社日から逆算して退職日を決めます。入社日の直前に退職日を置くと、引き継ぎが延びたときに余裕がなくなるため、少なくとも数日から1週間程度の間を空けておくと安心です。転職活動で使う職務経歴書をこれから整える人は、職務経歴書の書き方完全ガイド|転職成功率を上げるコツ【2026年版】で、職歴の並べ方や実績の書き方を詳しく説明しています。

渡し方と伝え方。そのまま使える言い方

退職届は、直属の上司に手渡しするのが基本です。上司を飛ばして、さらに上の役職者や人事の担当に直接渡すと、上司の立場がなくなり、残りの期間が気まずくなります。

渡す場所は、ほかの人に聞こえない会議室などを選びます。席で立ったまま渡したり、ほかの人がいる場所で切り出したりするのは避けてください。事前に「ご相談したいことがあるので、少しお時間をいただけますか」と声をかけ、時間をとってもらってから話すのが丁寧です。

退職の意思を口頭で伝えるときの言い方の例です。

  • 「お忙しいところ申し訳ありません。実は、一身上の都合で退職させていただきたいと考えております。」
  • 「よく考えた結果、新しい分野に挑戦したいと思い、退職を決めました。これまでご指導いただき、ありがとうございました。」
  • 「引き継ぎはしっかり行いますので、退職日についてご相談させてください。」

話し合いで退職日が決まり、退職届を渡すときの言い方の例です。

  • 「先日ご相談した件で、退職届を持ってまいりました。お受け取りいただけますでしょうか。」
  • 「退職日は、先日お話しした12月31日で書いております。引き継ぎの予定もあわせてご相談させてください。」

退職の理由を詳しく聞かれたときは、会社や職場への不満を並べるのではなく、自分の今後の方向に焦点を当てて話すのがおすすめです。不満を伝えると、改善を約束されて引き止めの話になりやすく、話し合いが長引きます。会社員からフリーランスへの独立を理由に辞める人は、会社員からフリーランスへ|転職理由の伝え方と独立の判断基準で、伝え方と独立を決める前の判断の材料を整理しています。

郵送で出すときと、受け取ってもらえないとき

体調を崩して出社できない、上司と顔を合わせるのがつらい、といった事情で、退職届を手渡しできないこともあります。その場合は郵送でも出せます。

郵送するときは、退職届を入れた白い封筒を、さらに一回り大きな封筒に入れて送ります。外側の封筒には会社の住所と、宛先として人事部や総務部の担当者、または直属の上司の名前を書き、表の左下に赤い字で「退職届在中」と書きます。送り状として、退職届を送る理由と、手渡しできないことへのおわびを簡単に書いた手紙を添えると丁寧です。

郵送の方法は、相手に届いた日が記録に残るものを選ぶと安心です。郵便局の簡易書留や特定記録郵便を使えば、いつ届いたかを確かめられます。会社に受け取ってもらえない心配があるときは、郵便局の内容証明郵便を使う方法もあります。内容証明郵便とは、いつ、どんな内容の文書を、誰から誰に送ったかを郵便局が証明してくれる送り方のことです。

上司が退職届を受け取ってくれない、話を聞いてくれないという相談は少なくありません。期間の定めのない雇用であれば、先に紹介した民法の決まりにより、退職の申し入れから2週間で雇用は終わるとされています。手渡しを断られた場合は、その上の役職者や人事の担当に相談し、それでも受け取ってもらえない場合は、郵送で送って記録を残す方法があります。

それでも退職日や未払いの給料をめぐって話がこじれた場合は、総合労働相談コーナーや労働基準監督署に相談してください。ここで紹介した対応で必ず解決するとは限らず、個別の事情で取るべき方法は変わるため、早めに専門の窓口に事情を話すのが確実です。

引き止めにあったとき、出したあとに取り消したいとき

退職の意思を伝えると、上司から引き止められることがあります。「後任が決まるまで待ってほしい」「給料を上げるから残ってほしい」「今辞められると困る」などの言葉は、よく聞かれるものです。

引き止めにあったときに大切なのは、退職の意思が固まっているなら、それをはっきり伝え続けることです。あいまいな返事をすると、まだ迷っていると受け取られ、話し合いが長引きます。「ありがたいお話ですが、気持ちは変わりません」と、感謝を伝えつつ意思を示すのが基本です。

後任が決まるまで待ってほしいと言われた場合は、引き継ぎの資料を早めに作り、誰が引き継いでも困らない状態にしておくと、退職日を延ばさずに済むことが多くなります。業務の手順書、取引先の一覧と連絡先、進行中の仕事の状況などを1つの資料に整理しておけば、後任が決まっていなくても上司が状況を把握できます。

反対に、退職届を出したあとに気持ちが変わり、取り消したくなることもあります。退職願であれば、会社が承諾する前なら取り下げを相談できる余地があると一般に考えられています。退職届は意思を確定させて伝える書類なので、取り消せるかどうかは会社の判断によるところが大きくなります。取り消したいと思ったら、できるだけ早く上司に相談してください。時間がたつほど後任の手配や手続きが進み、取り消しは難しくなります。

こうした事態を避けるためにも、退職届を出すのは、退職の意思が固まり、退職日が話し合いで決まってからにするのがよいでしょう。

退職届を出したあとの手続き

退職届を出したら終わりではなく、退職日の前後に済ませる手続きがいくつかあります。会社が行うものと、自分で行うものがあるので、分けて確かめておきます。

会社から受け取るものは次のとおりです。

  • 離職票:雇用保険の基本手当を受け取る手続きに使う書類です。退職後に会社から届きます。転職先が決まっていて基本手当を受け取らない場合は、不要だと伝えておくこともできます。
  • 源泉徴収票:その年に会社から支払われた給料と、差し引かれた所得税が書かれた書類です。転職先での年末調整や、自分で行う確定申告に使います。
  • 年金手帳または基礎年金番号の分かる書類:会社に預けている場合は返してもらいます。

会社から借りている物は、最終出社日までに返します。健康保険の資格確認書や保険証、社員証、名刺、制服、パソコンや携帯電話、社内の資料などです。

退職理由や在籍していた期間を証明する書類が必要なときは、会社に退職証明書を求められます。労働基準法第22条では、労働者が退職の際に、使用期間、業務の種類、地位、賃金、退職の事由について証明書を求めたときは、会社は遅滞なく交付しなければならないと定めています。

自分で行う手続きは、主に健康保険と年金です。退職の翌日から次の会社に入るまでに間が空く場合は、次のどれかで健康保険に入ります。

  • 退職した会社の健康保険を続ける任意継続
  • 住んでいる市区町村の国民健康保険に入る
  • 家族の健康保険の扶養に入る

任意継続は、全国健康保険協会、いわゆる協会けんぽの場合、退職日までに被保険者の期間が継続して2か月以上あることが条件で、退職日の翌日から20日以内に手続きをする必要があると案内されています。続けられる期間は2年間です。詳しくは全国健康保険協会「任意継続」で確かめてください。

年金は、次の会社にすぐ入らない場合や自営業者になる場合、国民年金の第1号被保険者への切り替えの手続きが必要です。手続きの区分や窓口は日本年金機構「会社を退職したときの国民年金の手続き」に整理されています。

転職先が決まっている人と、フリーランスになる人の注意点

退職届の書き方そのものは、次の働き方が会社員でもフリーランスでも変わりません。ただ、退職日の決め方と、退職後に必要な準備は少しずつ違います。

転職先が決まっている人は、入社日と退職日の間に1日でも空白ができると、その期間の健康保険と年金の手続きが必要になることがあります。たとえば月末の1日前に退職し、翌月1日に入社する場合、その月の末日に会社に在籍していないため、国民年金の手続きが必要になる場合があります。退職日を月末にするか、入社日の前日にするかは、転職先の入社日と合わせて総務の担当に相談しておくと、手続きの抜けを防げます。

フリーランスとして独立する人は、退職後の健康保険を任意継続にするか国民健康保険にするか、どちらの保険料が安くなるかを、退職前に市区町村と協会けんぽの両方で見積もってもらうと判断しやすくなります。また、会社員のうちにクレジットカードや賃貸住宅の審査を済ませておく、仕事用の口座を用意しておく、といった準備も、退職届を出す前後にまとめて進めておくと後で困りません。

独立後に会社員時代の経歴を取引先に説明する場面は意外と多く、職務経歴書が必要になることもあります。会社員の期間とフリーランスの期間をどう並べて書くかは、フリーランス期間の職務経歴書の書き方|評価される3つのポイントで具体的に説明しています。退職前に職務の内容を書き出しておくと、記憶が新しいうちに実績を整理できます。

どちらの場合も、退職届に書く内容は「一身上の都合」と退職日で足ります。次の行き先を退職届に書く必要はなく、上司に聞かれても、話したくなければ「まだ詳しくはお話しできません」と答えて構いません。

運営者の目から見た、次につながる辞め方

在宅ワークとフリーランスの仲介を2004年から続けてきた運営者として見てきた限りでは、会社を辞めてから仕事を軌道に乗せる人には、辞め方そのものが丁寧だという共通点があります。退職届を正しい書式で出し、引き継ぎの資料を残し、取引先にあいさつをしてから辞めた人は、退職後に元の職場や取引先から仕事の相談が来ることが少なくありません。辞めた会社が、独立後の最初の発注者になる例もあります。

反対に、急に辞めて引き継ぎをしなかった人は、同じ業界で働き続ける限り、その評判がついて回ることがあります。業界が狭い分野ほど、人の評判は思っている以上に早く伝わります。退職届の書き方1つで次の仕事が決まるわけではありませんが、最後の数週間の振る舞いは、思っている以上に長く記憶されます。

独立後の仕事を探す段階では、自分の経験がどの分野の仕事に生かせるかを、具体的な仕事の中身から考えると方向が定まりやすくなります。業務の効率化やAIの活用を支援する仕事に関心がある人はAIコンサル・業務活用支援のお仕事で仕事の内容と求められる経験を、システム開発の経験がある人はアプリケーション開発のお仕事で案件の種類を確かめられます。デザインの経験がある人は、デザイナーの年収・単価相場で公的な統計をもとにした収入の目安を見ておくと、独立後の売上の計画を立てる材料になります。

また、仲介の手数料がかからない直接の取引では、依頼する側は同じ予算でより多くの仕事を頼め、受ける側は受け取る額が手数料0%のまま手元に残ります。退職届を出して次の一歩を踏み出すときは、退職の手続きと並行して、どのような形で仕事を受けていくかも考えておくと、退職後の数か月を落ち着いて過ごせます。

よくある質問

Q. 退職届は手書きでなければいけませんか?

手書きでなければいけないという法律の決まりはなく、パソコンで作っても構いません。会社に決まった様式があればそれを使います。様式がなく迷う場合は、白い便せんに黒のボールペンで手書きにしておけば失礼にあたることはありません。パソコンで作る場合も、氏名の横は印鑑を押すか手書きで署名をすると丁寧です。

Q. 退職届に書く日付は退職日と提出日のどちらですか?

両方を書きます。本文には会社に在籍する最後の日である退職日を書き、本文の次の行には書類を出す日である提出日を書きます。有給休暇をまとめて取ってから辞める場合は、最終出社日と退職日が違う日になるため、本文には最終出社日ではなく退職日を書くよう気をつけてください。

Q. 退職届はいつまでに出せばよいですか?

期間の定めのない雇用では、民法で退職の申し入れから2週間で雇用が終わると定められています。ただし多くの会社は就業規則で1か月前までの申し出を求めているため、引き継ぎも考えて就業規則の期間に合わせるのが現実的です。まず上司に口頭で伝え、退職日を話し合って決めてから退職届を出す流れが一般的です。

Q. 上司が退職届を受け取ってくれないときはどうすればよいですか?

まずその上の役職者や人事の担当に相談します。それでも受け取ってもらえない場合は、簡易書留や内容証明郵便など、届いた日が記録に残る方法で会社に郵送する方法があります。話がこじれたときは、都道府県の労働局や労働基準監督署にある総合労働相談コーナーに無料で相談できます。

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年10月21日最終更新:2026年10月29日
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