会計年度任用職員の副業|公務員としての制限と許可の取り方 2026

朝比奈 蒼
朝比奈 蒼
会計年度任用職員の副業|公務員としての制限と許可の取り方 2026

この記事のポイント

  • ✓会計年度任用職員の副業は
  • ✓パートタイムとフルタイムで扱いが分かれます
  • ✓地方公務員法第38条ただし書と第22条の2を突き合わせて

結論から書きます。会計年度任用職員の副業は、パートタイムかフルタイムかで扱いが分かれます。パートタイムの会計年度任用職員は、地方公務員法第38条の許可を必要としません。フルタイムの会計年度任用職員は、常勤の職員と同じく任命権者の許可が必要です。

この違いは、条文のただし書と、会計年度任用職員を2種類に分けている規定を突き合わせると出てきます。「公務員だから副業禁止」でも「非正規だから自由」でもありません。条文の構造をたどれば、答えは一つに決まります。

正直なところ、この論点について書かれた記事には不正確なものが目立ちます。「会計年度任用職員は副業OK」と断言している記事も、「公務員なので禁止」と断言している記事も、どちらも条文を読んでいません。この記事では条文を分解して、自分がどちら側なのかを判定できる形にします。そのうえで、許可が要らない場合でも残る義務、届け出の実務、税の手続きまで整理します。

条文を分解する

まず、判定に使う条文を2つ並べます。1つめは地方公務員法第38条第1項です。

職員は、任命権者の許可を受けなければ、商業、工業又は金融業その他営利を目的とする私企業(以下この項及び次条第一項において「営利企業」という。)を営むことを目的とする会社その他の団体の役員その他人事委員会規則(人事委員会を置かない地方公共団体においては、地方公共団体の規則)で定める地位を兼ね、若しくは自ら営利企業を営み、又は報酬を得ていかなる事業若しくは事務にも従事してはならない。 ただし、非常勤職員(短時間勤務の職を占める職員及び第二十二条の二第一項第二号に掲げる職員を除く。)については、この限りでない。 出典: laws.e-gov.go.jp

注目するのは、ただし書です。非常勤職員については適用しない、と書かれています。ただし括弧の中で2種類の職員が除外されています。短時間勤務の職を占める職員と、第22条の2第1項第2号に掲げる職員です。

2つめが、その第22条の2第1項です。同項は会計年度任用職員を2つの号に分けています。第1号は、一会計年度を超えない範囲内で置かれる非常勤の職を占める職員であって、1週間当たりの通常の勤務時間が常時勤務を要する職を占める職員の1週間当たりの通常の勤務時間に比し短い時間であるもの。第2号は、同じ会計年度任用の職を占める職員であって、1週間当たりの通常の勤務時間が常時勤務を要する職を占める職員と同一の時間であるものです。

言い換えると、第1号がパートタイム、第2号がフルタイムです。

この2つを重ねると、結論が出ます。第38条のただし書が除外しているのは第2号、つまりフルタイムの会計年度任用職員です。第1号のパートタイムは除外リストに入っていないため、ただし書がそのまま働きます。したがってパートタイムの会計年度任用職員は、第38条の許可を必要としません。

条文を読まずに「公務員は副業禁止」と説明している記事は、このただし書を飛ばしています。逆に「会計年度任用職員は自由」と説明している記事は、フルタイムの除外を飛ばしています。どちらも片方しか見ていないのです。

自分がどちらなのかを確かめる方法

条文の構造が分かっても、自分がパートタイムなのかフルタイムなのかを間違えると結論が逆になります。判定の方法を書きます。

判定に使うのは、1週間当たりの通常の勤務時間です。同じ自治体の常勤職員の勤務時間と同一なら第2号のフルタイム、それより短ければ第1号のパートタイムです。常勤の勤務時間は多くの自治体で週38時間45分ですが、条例で定められているので自治体によって差があります。

ここで注意したい点が2つあります。

1つは、実際に働いている時間ではなく、任用の条件として定められた通常の勤務時間で判定するという点です。繁忙期に残業して常勤と同じだけ働いた週があっても、任用条件が短時間なら第1号です。

2つは、1日の勤務時間が常勤と同じでも、週の日数が少なければ短時間だという点です。1日7時間45分を週4日なら、週31時間なので第1号になります。

自分の条件は、任用の際に交付される条件明示の書面に書かれています。地方公務員法第22条の2第3項は、任命権者が会計年度任用職員を採用する場合に任期を明示しなければならないと定めており、実務では勤務時間や報酬も同じ書面で示されます。手元にない場合は、人事担当に写しを求めれば確認できます。

そして、最終的な確認は人事担当に聞くのが確実です。「自分は地方公務員法第38条の対象ですか」と聞けば、担当者は答えられます。これは判断を求める質問ではなく、事実の確認だからです。

許可が要らなくても残る4つの義務

ここが最も誤解されやすい部分です。第38条の適用が外れることは、「何をしてもよい」という意味ではありません。他の条文は普通に適用されます。

1つめは、服務の根本基準です。地方公務員法第30条は、すべて職員は全体の奉仕者として公共の利益のために勤務し、かつ職務の遂行に当たっては全力を挙げてこれに専念しなければならないと定めています。

2つめは、信用失墜行為の禁止です。第33条は、職員はその職の信用を傷つけ、または職員の職全体の不名誉となるような行為をしてはならないと定めています。業種によっては、ここで問題になります。

3つめは、守秘義務です。第34条は、職員は職務上知り得た秘密を漏らしてはならないと定めており、この義務は職を退いた後も続きます。副業先が所属先と取引関係にある場合、情報の扱いには特に注意が必要です。

4つめは、職務専念義務です。第35条は、職員は法律または条例に特別の定めがある場合を除き、勤務時間および職務上の注意力のすべてをその職責遂行のために用いなければならないと定めています。勤務時間中に副業の連絡や作業をすれば、これに触れます。

この4つは、パートタイムの会計年度任用職員にも適用されます。つまり、法律上の許可が不要というのは「第38条の許可の手続きを取らなくてよい」という意味に限られます。副業の内容や時間の使い方が自由になるわけではありません。

実務的にいちばん起きやすいのは、4つめです。勤務中にスマートフォンで副業先のメッセージに返信する。この一点で問題になります。通知をオフにしておくだけで防げるので、始める前に設定を変えておいてください。

自治体の内部規則で届け出を求められる場合

法律の許可が不要でも、自治体の内部規則や要綱で届け出を求めている場合があります。これを飛ばすと、規則違反として扱われます。

自治体が届け出を求める理由は、先の4つの義務を確認する必要があるからです。勤務時間と重なっていないか。所属先と取引関係のある先ではないか。信用に影響する業種ではないか。これを事前に把握しておきたいのです。

届け出の運用には幅があります。届け出を義務としている自治体、任意としている自治体、そもそも規定がない自治体があります。規定がない場合でも、口頭で相談しておくほうが安全です。後から「聞いていなかった」となる事態を避けられます。

実際に、非正規の立場で働きながら副業を検討する方は多くいます。

会計年度任用職員は副業はできますか?ちなみに週15時間の勤務をしています。副業をする場合配属している学校への報告や、申請などはいりますか?市役所に行って聞いたらいいんですか? 出典: detail.chiebukuro.yahoo.co.jp

この質問は、確認先が分からないという実務的な困りごとをよく表しています。答えを書きます。確認先は、自分を任用している主体の人事担当です。学校に配属されていても、任用しているのが市なら市の人事担当、県なら県の教育委員会が窓口になります。任用の条件明示の書面に、任命権者の名称が書かれているので、それが手がかりです。

分からない場合は、配属先の管理職に「兼業の届け出について、どこに確認すればよいですか」と聞くのが早いです。これは副業をするという宣言ではなく、手続きの確認なので、聞いた時点で問題になることはありません。

フルタイムの場合の許可の取り方

フルタイムの会計年度任用職員は第38条の対象なので、許可が必要です。手続きの流れを書きます。

第1段階は、所属先の規則を読むことです。人事委員会規則や兼業に関する要綱に、許可の基準が示されている場合があります。地方公務員法第38条第2項は、人事委員会が人事委員会規則により許可の基準を定めることができると規定しています。

第2段階は、人事担当への事前相談です。書式が決まっていることが多く、また業種によっては相談の段階で見通しを教えてもらえます。

第3段階は、申請書の作成です。書く項目は、従事先の名称と事業内容、従事する業務の内容、勤務する曜日と時間帯、1週間あたりの時間数、報酬の額と支払い方法、従事を希望する理由、そして本業との利害関係がないことの説明です。

このうち審査で重く見られるのは、時間帯と利害関係です。時間帯については、本業の勤務時間と重ならないことが一目で分かる形で書いてください。利害関係については、従事先が所属先の許認可や調達の相手でないことを明示します。

第4段階は、許可後の運用です。シフトや時間数、業務内容が変わったら変更の届け出が必要になります。許可を取ったあとに実態がずれていくのが、いちばん多い失敗です。

なお、フルタイムとパートタイムでは期末手当や勤勉手当の扱い、退職手当の有無なども異なります。副業の可否だけでなく、自分の任用条件全体を一度確認しておくと、判断の材料が増えます。

開業届を出してよいのか

業務委託で仕事を受ける場合、開業届を出すかどうかという論点が出てきます。ここは税の手続きの話で、服務の話とは別です。

開業届は、事業を開始したことを税務署に知らせる書類です。提出したからといって、地方公務員法の判断が変わるわけではありません。逆に、提出しなければ副業でないことになる、というものでもありません。

判断の基準は、その収入が事業所得なのか雑所得なのかです。継続して反復的に行い、独立した立場で行い、相当の時間と労力を費やしているなら事業所得に近づきます。年に数回の単発なら雑所得です。事業所得として申告するなら開業届の提出が想定されますし、青色申告の承認を受けるなら開業届が前提になります。

ただし、パートタイムの会計年度任用職員であっても、自ら営利企業を営む規模になれば話は変わります。第38条の適用が外れているのは非常勤職員だからですが、自治体の内部規則で届け出を求められる可能性は残りますし、職務専念義務の観点から時間の使い方を問われることもあります。開業届を出す規模に達したなら、所属先に一度報告しておくほうが安全だと考えています。

正直なところ、開業届を出すかどうかで悩む段階なら、まだ悩む必要はないと思います。収入が小さいうちは雑所得で申告すれば足りますし、規模が大きくなってから判断すれば間に合います。それより先に確かめるべきなのは、自分が第38条の対象かどうかです。

税金と確定申告の手続き

収入が出たら税の手続きが必要になります。会計年度任用職員の報酬は給与として支払われるので、給与所得者としての扱いになります。

国税庁が示す申告義務の条件のうち、関係するのは次の2つです。給与を1か所から受けていて、かつその給与の全部が源泉徴収の対象となる場合において、給与所得と退職所得を除く各種の所得金額の合計額が20万円を超える人。そして、給与を2か所以上から受けていて、年末調整されなかった給与の収入金額とそれ以外の所得金額の合計額が20万円を超える人です。

つまり、副業が業務委託なら前者、副業が別のパート勤務なら後者で判定します。業務委託の場合、20万円は収入ではなく所得、つまり収入から経費を引いた額で判定します。通信費、機材費、資料代、交通費は経費になります。領収書や明細を残しておかないと経費として引けません。

住民税についても書きます。所得税の確定申告が不要な場合でも、住民税の申告が必要になることがあります。所得税と住民税は別の制度で、20万円という基準は所得税側のものです。金額が小さくても、市区町村の税務担当に確認しておくのが確実です。

そして、会計年度任用職員の場合に特に気をつけたいのは、報酬の水準が住民税の非課税の範囲に近いことがある点です。本業の給与だけなら住民税がかからない水準でも、副業の所得が乗ると課税されることがあります。年間で数千円から1万円台の話ですが、想定していないと驚きます。

申告の手続き自体は、国税庁の確定申告に関する案内に必要書類と作成の流れがまとまっています。e-Taxを使えば自宅から完結します。

制度の成り立ちを押さえておくと理解が早い

なぜパートタイムとフルタイムで扱いが違うのか。制度の成り立ちを知っておくと、条文の読み方が腑に落ちます。

会計年度任用職員という区分は、それ以前の臨時職員や非常勤職員の任用が自治体ごとにばらばらだった状況を整理するために作られました。地方公務員法第22条の2は、この職を明確に位置づけ、採用の方法、任期、任期の更新について規定しています。第22条の2第1項は採用を競争試験または選考によるものとし、第3項は任期の明示を義務づけ、第7項は条件付採用の期間を1月に読み替えると定めています。

このとき、勤務時間が常勤と同一の職員を常勤に準じた扱いにし、短い職員を非常勤の扱いにする、という整理が行われました。フルタイムの職員には常勤に近い義務と待遇を、パートタイムの職員には非常勤としての扱いを、という設計です。第38条のただし書で第22条の2第1項第2号だけが除外されているのは、この整理の反映です。

つまり、パートタイムが許可を求められないのは特例ではなく、非常勤職員一般の扱いがそのまま適用されているだけです。もともと非常勤職員は第38条の対象外でした。会計年度任用職員の制度ができたときに、フルタイムだけを対象に引き上げたのです。

この理解があると、判断の軸がぶれません。問われているのは「非正規かどうか」ではなく「常勤と同じ勤務時間かどうか」です。週の勤務時間が常勤と同一なら、雇用の形が会計年度任用であっても、副業については常勤と同じ手続きが必要になります。

もう一つ、実務上の注意を書きます。年度の途中で勤務時間が変更されることがあります。パートタイムからフルタイムに変わった場合、その時点で第38条の対象になります。勤務時間の変更があったら、副業の扱いも見直してください。ここを放置していると、気づかないうちに無許可の状態になります。

副業先を決める前に確認する5つのこと

副業先を選ぶ段階で確認しておくべき点を5つ挙げます。制度の確認とは別に、実務として必要なものです。

1つめは、その先が所属先と取引関係にないかです。許可が不要な立場であっても、所属先と取引のある事業者で働く形は守秘義務や信用の観点で問題になり得ます。相手の取引先に自治体が含まれていないかは、会社の沿革やお知らせのページを見れば分かることが多いです。

2つめは、対応が必要な時間帯です。業務委託でも、急ぎの連絡が平日の日中に来る形なら職務専念義務と衝突します。契約の前に「連絡は何時までに返せばよいか」を確認しておいてください。24時間以内でよい仕事と、1時間以内を求められる仕事では、続けられるかどうかが変わります。

3つめは、作業範囲と修正の回数です。成果物を納める形の仕事では、修正が何回まで含まれるかを決めていないと実質の時間単価が下がります。回数を書面で決めるだけで防げます。

4つめは、報酬の支払い時期です。納品月の翌月末か、検収後か。ここが曖昧な相手は、後から遅れることがあります。契約の前に聞いておいて、答えを渋られるなら見送る判断もあります。

5つめは、契約の形です。業務委託なのか、雇用なのか。雇用なら給与になり、パート勤務と同じ扱いです。業務委託なら事業所得または雑所得です。税の手続きが変わるので、契約書の表題ではなく実態で確かめてください。

この5つを確認するだけで、始めてから困る場面がかなり減ります。制度の確認に時間をかけた分、実務の確認を省略してしまう方が多いのですが、後で効いてくるのは後者です。

もう一つ、募集の側から見た注意点を書きます。仕事を受けるために教材や登録料の支払いを求められる募集は、応募する前に立ち止まってください。業務委託は受ける側が費用を払う形にはなりません。正直なところ、非正規で収入を増やしたい人を狙った募集は実際に存在します。報酬の条件が相場から極端に離れている募集も、書かれていない条件が隠れていることがあります。相場は職種別のデータと見比べれば確かめられるので、判断に迷ったら数字で当たってください。

そして、最初の1件は金額で選ばないほうがよいと考えています。必要なのは、納期を守って納品し、修正依頼にきちんと応じた、という一往復の経験です。この1件があるかないかで、次の応募のときに書けることが変わります。2件目からは条件を上げる交渉をしてください。相手にとっても、途中で辞めてしまう人より続けてくれる人のほうが価値があります。

副業を選ぶときの基準を時間から逆算する

制度の確認が済んだら、次は何をするかです。会計年度任用職員という立場の制約から逆算して考えると、選ぶべき方向がはっきりします。

制約は3つあります。1つは、任期が会計年度で区切られていること。第22条の2第2項は、任期を採用の日からその年度の末日までの範囲内で任命権者が定めると規定しています。2つめは、勤務時間が決まっているため、副業に使える時間帯が固定されること。3つめは、職務専念義務があるため、勤務時間中に対応が必要な仕事は選べないことです。

この3つから導かれるのは、時間帯の縛りが弱く、成果物で納める形の仕事が向いているということです。夜間や休日にまとめて作業でき、相手と同期する必要が少ない形です。

逆に向いていないのは、平日の日中に電話や打ち合わせが発生する仕事、シフトで拘束される仕事、即時の対応を求められる仕事です。これらは職務専念義務と衝突します。

そのうえで、伸びる方向を選ぶ価値があります。いま需要が動いているのは、生成AIを業務にどう組み込むかという領域です。企業側に「導入したいが何から手を付けるか分からない」という状態が多く、業務を整理して伴走できる人が足りていません。どんな業務が発生するのかはAIコンサル・業務活用支援のお仕事に工程ごとにまとまっています。マーケティングやセキュリティと組み合わせた形ならAI・マーケティング・セキュリティのお仕事も見ておく価値があります。

収入水準を先に確かめたい方は、文章を書く仕事なら著述家,記者,編集者の年収・単価相場、技術寄りならソフトウェア作成者の年収・単価相場に公的統計をもとにした水準がまとまっています。学習にかける時間の回収期間を比べる材料になります。

資格を学習の地図として使う方法もあります。ビジネス文書検定は文書の型を体系的に押さえられるので、報告書やメールの書き方を独学で直すより早く形になります。

任期の切れ目をどう考えるか

会計年度任用職員に特有の論点として、任期の切れ目があります。ここは正直に書きます。

任期は会計年度で区切られ、更新は勤務実績を考慮したうえで任命権者が判断します。第22条の2第6項は、必要以上に短い任期を定めることにより採用または任期の更新を反復して行うことのないよう配慮しなければならないと規定していますが、更新が保証されているわけではありません。

この構造が意味するのは、収入の柱を1つに依存する形がリスクを持つということです。年度末に更新されなかった場合、収入がゼロになります。副業を「余裕があればやるもの」ではなく「もう一本の柱を作る作業」として位置づけるほうが、この立場には合っていると考えています。

そして、柱を作るには時間がかかります。1件受けて終わりではなく、同じ相手から継続して依頼を受ける関係ができるまで、半年から1年は見ておくのが現実的です。年度末に慌てて始めても間に合いません。任期がある立場だからこそ、早く始める意味があります。

契約や報酬でもめたときの備えも書いておきます。業務委託で仕事を受ける場合、発注書や契約書に何を書いておくべきかはフリーランスを守る「下請法(取適法)」の知識|発注書・契約書の必須項目チェックリストに項目ごとにまとまっています。支払いが止まったときの法的手段と費用の目安は未払い報酬を回収する!弁護士の着手金・成功報酬と支払督促の流れ【2026年最新】が参考になります。

市場を長く見てきた立場からの観察

フリーランスと在宅ワークの市場を20年運営してきた立場から、2点書いておきます。

1点目は、非正規の立場から移った方の伸び方についてです。運営者として見てきた限りでは、伸びるのは技術を先に積んだ方より、仕事の進め方を整えている方です。連絡が早い、締切より少し早く出す、次に必要になりそうな確認を先に済ませる。どれも技術ではありませんが、これがある人には次の依頼が自然に来ます。会計年度任用職員として事務を担ってきた方は、この部分がすでにできていることが多いのです。自分の強みを技術のなさで打ち消さないほうがいいと思います。

2点目は、額面と手取りの話です。仕事を仲介する仕組みには、報酬から手数料を引く形のものが少なくありません。仮に手数料が20%なら、年間100万円の仕事で20万円が引かれます。これが手数料0%の直接の契約なら、同じ100万円が手元に残ります。

この差は受け手だけの話ではありません。依頼する側から見ると、中間のマージンが乗らない分、同じ予算でより多くを頼めます。依頼側は同じ金額でより多く頼め、受け手は手取りが厚くなる。両方が得をする構造は、市場を長く見てきた中でもっとも健全に回っている形です。金額の大小ではなく、同じ働きで手元に残る量が変わるという質の違いとして受け取ってもらえればと思います。

最後に、手順だけまとめておきます。自分の1週間当たりの通常の勤務時間を確認する。常勤と同一ならフルタイム、短ければパートタイム。パートタイムなら第38条の許可は不要だが、内部規則で届け出が必要かを人事担当に確認する。フルタイムなら許可の基準を読んで申請する。どちらの場合も、職務専念義務と守秘義務と信用失墜行為の禁止は適用される。この5つを押さえれば、判断に迷う場面はほぼなくなります。

よくある質問

Q. 会計年度任用職員は副業をしてもよいのですか?

パートタイムの会計年度任用職員は、地方公務員法第38条第1項のただし書により同項の適用が外れるため、任命権者の許可を必要としません。フルタイムの会計年度任用職員は第22条の2第1項第2号に該当し、ただし書の除外リストに入るため許可が必要です。自分がどちらかは1週間当たりの通常の勤務時間で決まります。

Q. パートタイムとフルタイムはどう見分けますか?

1週間当たりの通常の勤務時間が、同じ自治体の常勤職員と同一ならフルタイム、それより短ければパートタイムです。実際に働いた時間ではなく任用の条件として定められた勤務時間で判定します。任用時に交付される条件明示の書面に記載があり、分からなければ人事担当に確認できます。

Q. 許可が不要なら届け出も要らないのですか?

自治体の内部規則や要綱で届け出を求めている場合があります。法律上の許可が不要でも、職務専念義務や信用失墜行為の禁止、守秘義務は適用されるため、自治体側は内容を把握しておく必要があります。規定の有無を任用元の人事担当に確認しておくと、後から問題になりません。

Q. 副業の収入で確定申告は必要ですか?

業務委託なら、収入から経費を引いた所得が20万円を超えると確定申告が必要です。別のパート勤務なら、年末調整されなかった給与とそれ以外の所得の合計が20万円を超えるかで判定します。所得税の申告が不要でも住民税の申告が必要な場合があるため、市区町村の税務担当に確認してください。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年5月4日最終更新:2026年9月20日
朝比奈 蒼

この記事を書いた人

朝比奈 蒼@SOHO編集部

ITメディア編集者

IT系メディアで編集・ライティングを担当。クラウドソーシング業界の動向やサービス比較など、客観的な視点での記事を執筆しています。

@SOHOで仕事を探してみませんか?

手数料0%・登録無料のクラウドソーシング。フリーランスの方も企業の方も、今すぐ始められます。

関連記事

カテゴリから探す

クラウドソーシング入門

クラウドソーシング入門

クラウドソーシングの基礎知識・始め方・サイト比較

職種別ガイド

職種別ガイド

職種・スキル別の案件獲得方法と単価相場

副業・在宅ワーク

副業・在宅ワーク

副業・在宅ワークの始め方と対象者別ガイド

フリーランス

フリーランス

フリーランスの独立・営業・実務ノウハウ

お金・税金

お金・税金

確定申告・節税・経費・ローンなどお金の知識

スキルアップ

スキルアップ

プロフィール・提案文・単価交渉などのテクニック

比較・ランキング

比較・ランキング

サービス比較・おすすめランキング

AI活用

AI活用

職種別にChatGPT・生成AIを活用して業務効率化・収益化するノウハウ

最新トレンド

最新トレンド

市場動向・法改正・AIなど最新情報

発注者向けガイド

発注者向けガイド

クラウドソーシングで外注・人材探しをする企業・個人向け

転職・キャリア

転職・キャリア

転職エージェント・転職サイト比較・キャリアチェンジ

看護師の転職・求人

看護師の転職・求人

看護師の転職・派遣・単発バイト・副業など働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

薬剤師の転職・求人

薬剤師の転職・求人

薬剤師・登録販売者の転職・派遣・パートなど働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

介護職の転職・求人

介護職の転職・求人

介護職・介護福祉士・ケアマネジャー・訪問介護員の転職・派遣・夜勤など働き方のガイド

保育士の転職・求人

保育士の転職・求人

保育士・保育補助・幼稚園教諭の転職・派遣・パートなど働き方のガイド

医療職の転職・求人

医療職の転職・求人

医師・産業医・リハビリ職・歯科衛生士・管理栄養士・医療事務の転職や働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

保険

保険

生命保険・医療保険・フリーランスの保険設計

採用・求人

採用・求人

無料求人掲載・採用コスト削減・人材募集の方法

オフィス・ワークスペース

オフィス・ワークスペース

バーチャルオフィス・コワーキング・レンタルオフィス

シニア・50代

シニア・50代

シニア世代のキャリアチェンジ・副業・年金

セキュリティ

セキュリティ

サイバーセキュリティ・脆弱性対策・情報保護

金融・フィンテック

金融・フィンテック

暗号資産・決済・ブロックチェーン・金融テクノロジー

経営・ビジネス

経営・ビジネス

経営戦略・ガバナンス・事業承継・知財

ガジェット・機材

ガジェット・機材

フリーランスに役立つPC・デバイス・周辺機器

子育て×働き方

子育て×働き方

子育てと在宅ワークの両立・保育園・時間管理

補助金・助成金

補助金・助成金

個人事業主・フリーランスが使える公的補助金・助成金・給付金の申請ガイド

アウトソーシング・外注ガイド

アウトソーシング・外注ガイド

SNS運用・経理・広告など、業務のアウトソーシング(外注)を検討する企業・個人向け。費用相場・依頼の流れ・失敗しない選び方