加古川市のオンライン申請とマイナンバーカード予約 メールアドレス漏えいの可能性|アララ経由 2026


この記事のポイント
- ✓加古川市の不正アクセスについて
- ✓2026年11月6日更新の市の2つの発表をもとに整理
- ✓かこがわオンライン申請システムとマイナンバーカード予約サイトで
加古川市の不正アクセスについて、兵庫県加古川市は2026年11月6日更新の2つのページで、「かこがわオンライン申請システム」と「マイナンバーカード予約サイト」の提供事業者である株式会社TKCから、同社が使うアララ株式会社のメール配信サービスが第三者の不正アクセスを受け、個人情報が外部に漏えいした可能性があるとの報告を受けたと発表しました。 漏えいした情報はメールアドレスのみとされ、市の利用者のアドレスが対象に含まれるかは確認中です。件数は書かれていません。オンライン申請システムでは利用者登録やパスワードの再設定などが使えず、予約サイトでは予約完了と前日のリマインドのメールが届きません。 利用者がまずすることは、TKC、アララ、加古川市を名乗るメールのURLを開かず、ID、パスワード、カード情報を入力しないことです。
この記事は、2026年11月7日時点で加古川市のサイトに掲載されている2つのページと、株式会社TKCの発表、アララ株式会社の第2報・第3報を開き直し、その記載だけをもとに書いています。報道に出ている件数や、公式に書かれていない推測は入れていません。
加古川市の発表で何が起きたのか
「加古川市 不正アクセス」と検索した人の多くは、加古川市のオンライン申請で手続きをしたことがある人か、マイナンバーカードの受け取りや手続きの予約を市のサイトでした人でしょう。知りたいのは「自分のメールアドレスは入っているのか」「ほかの情報まで漏れたのか」「今は何が使えないのか」の3つだと思います。最初に、2つのページに共通する骨子を整理します。
- 加古川市が運用する「かこがわオンライン申請システム」と「マイナンバーカード予約サイト」は、どちらも株式会社TKCが提供している
- TKCが利用しているアララ株式会社のメール配信サービスが、第三者による不正アクセスを受けた
- 市は、個人情報が外部に漏えいした可能性があるとの報告を受けた
- 漏えいした情報はメールアドレスのみとされている
- 市の利用者のメールアドレスが漏えいの対象に含まれるかは、現在確認中
- 緊急メンテナンスで、2つの仕組みとも一部の機能が使えない
要するに、市が書いているのは「メールアドレスの漏えいの可能性」で、しかも加古川市の利用者が含まれるかどうか自体がまだ確認中という段階です。漏えいしたと確定したわけではありません。一方で、オンライン申請システムの一部の機能が止まっているため、手続きをしようとしている人には実際の影響が出ています。
2つの発表と公表の経緯
市は、仕組みごとに別のページで知らせています。どちらも更新日は2026年11月6日です。
| ページの題 | 担当の場所 | 仕組み |
|---|---|---|
| かこがわオンライン申請システムにおいて利用するメール配信サービスへの第三者不正アクセスについて | 企画部 デジタル改革推進課 オンライン手続き | かこがわオンライン申請システム |
| マイナンバーカード予約システムにおいて利用するメール配信サービスへの第三者不正アクセスについて | マイナンバーカードセンター | マイナンバーカード予約サイト |
オンライン申請のページでは、メール配信サービスを「アララメッセージ」(アララ株式会社)と書いています。予約サイトのページでは「外部メール送信サービス(アララ株式会社)」と書いています。同じアララ株式会社のサービスを指していますが、書き方が少し違います。
本市が運用する「かこがわオンライン申請システム」の提供事業者である株式会社TKCから、同社が利用するメール配信サービス「アララメッセージ」(アララ株式会社)が、第三者による不正アクセスを受けたとの報告がありました。 出典: 加古川市「かこがわオンライン申請システムにおいて利用するメール配信サービスへの第三者不正アクセスについて」
市が報告を受けた日や、不正アクセスが起きた日は、市の2つのページには書かれていません。市の報道発表資料の一覧(令和8年11月)にも、本件の資料は載っていません。日付の分かっている出来事を、出典ごとに並べると次のとおりです。
| 日付 | 出来事 | 出典 |
|---|---|---|
| 2026年10月28日から30日 | アララのサービスが不正に使われ、送信元「[email protected]」から不審メールが送られた | アララ株式会社の第2報 |
| 2026年10月31日 | アララが「アララメッセージ」の提供をすべて停止 | アララ株式会社の第2報 |
| 2026年11月2日 | アララが第2報を公表 | アララ株式会社の第2報 |
| 2026年11月6日 | アララが第3報を公表。TKCが第5報と、報道についての説明を公表 | アララ株式会社、株式会社TKC |
| 2026年11月6日 | 加古川市が2つのページを更新 | 加古川市 |
なお、加古川市は11月1日にも、職員向けのメール配信とNET119緊急通報システムの件を知らせていました。そちらは仕組みも対象者も違う別の事案で、加古川市の情報漏洩の可能性|職員メール配信の職員情報 約2,200件とNET119緊急通報システムの登録者 対象と確かめること 2026で整理しています。この記事では、オンライン申請システムとマイナンバーカード予約サイトの件だけを扱います。
漏えいした可能性のある情報と、まだ分かっていないこと
2つのページに書かれている内容を、表にまとめます。
| 区分 | かこがわオンライン申請システム | マイナンバーカード予約サイト |
|---|---|---|
| 漏えいした可能性のある情報 | メールアドレスのみとされている | メールアドレスのみとされている |
| 件数 | 記載なし | 記載なし |
| 市の利用者が含まれるか | 現在確認中 | 現在確認中 |
| 提供事業者 | 株式会社TKC | 株式会社TKC |
| メール配信サービス | 「アララメッセージ」(アララ株式会社) | 外部メール送信サービス(アララ株式会社) |
どちらのページも「漏えいした情報はメールアドレスのみとされており」と書いています。氏名、住所、申請の中身、個人番号については、漏えいした情報として挙げられていません。ただし、これはTKCからの報告をもとにした書き方で、市が項目を1つずつ挙げて「含まれない」と言い切ったものではありません。
もう1つ大事なのは、「本市の利用者のメールアドレスが漏えいの対象に含まれるかについては、現在確認中です」という一文です。アララのサービスはTKCのさまざまなシステムで使われていました。その中で加古川市の分が入っているかどうかは、まだ分かっていないということです。
件数は、2つのページのどちらにも書かれていません。報道では数字が出ているものもありますが、市の公式の発表で確かめられないので、この記事では書きません。市の利用者が含まれると分かれば、件数とあわせて市のサイトで知らされるはずです。
2つの仕組みはどんなものか
かこがわオンライン申請システムは、市役所の窓口に行かずに、インターネットで申請や届け出ができる仕組みです。使うには利用者登録をして、メールアドレスやパスワードを設定します。ログインするとき、メールに届く確認のコードを使う二段階認証を求められる場合もあります。二段階認証とは、パスワードに加えて、メールなどで届く使い捨てのコードを入力して本人を確かめる方法のことです。
マイナンバーカード予約サイトは、マイナンバーカードの受け取りや、カードに関わる手続きのために、市の窓口に行く日時を予約する仕組みです。予約をすると、予約完了のメールと、予約日の前日のリマインドのメールが届く仕組みでした。
どちらの仕組みも、画面や記録はTKCのシステムが受け持ち、メールの送信はアララのサービスが受け持っていた、という分担です。不正アクセスを受けたのは、メールの送信の側です。
TKCは11月6日の説明で、影響を受けているのはTKCが使っている外部のメール配信サービスで、TKCが提供する自治体向けオンライン申請システム自体への不正アクセスは確認されていないと書いています。
また、今回の不正アクセスによって影響を受けているのは、当社が利用している外部メール配信サービスであり、当社が提供する自治体向けオンライン申請システム自体への不正アクセスは確認されておりません。 出典: 株式会社TKC「当社のメール配信委託先における不正アクセスと一部報道について」
この分担を理解しておくと、なぜ漏えいの可能性がメールアドレスに限られるのかが見えてきます。メールを送る側に渡っていたのは、主に送り先のアドレスです。申請の中身や予約の記録は、受け付ける側のシステムにあります。
オンライン申請システムで今できないこと
利用者にとって最も影響が大きいのは、かこがわオンライン申請システムの一部の機能が止まっていることです。市のページは、不正アクセスに伴う緊急メンテナンスで、次の機能が使えないと書いています。
- 利用者登録
- メールアドレスの変更
- パスワードの再設定
- メールによる二段階認証が必要な場合のログイン
さらに、二段階認証が不要な場合でも、ログインに時間がかかる状況とされています。
これらに共通するのは、どれもメールの送信が欠かせないことです。利用者登録やパスワードの再設定では、確認のメールが届かないと手続きが進みません。メールで届くコードを使う二段階認証も同じです。メールを送る仕組みが止まっているので、メールに頼る機能がまとめて使えなくなっています。
実際の場面に当てはめると、次のようになります。
| やりたいこと | 今の状況 | 考えられる対応 |
|---|---|---|
| 初めてオンライン申請を使いたい | 利用者登録ができない | 期限が迫っている手続きは、担当の課に窓口や郵送での手続きを確かめる |
| パスワードを忘れた | 再設定ができない | 再開の知らせを待つか、担当の課に別の方法を確かめる |
| 登録したメールアドレスを変えたい | 変更ができない | 再開の知らせを待つ。今回の件を理由に急いで変える必要は書かれていない |
| ログインしたい(二段階認証あり) | ログインできない | 再開の知らせを待つか、担当の課に確かめる |
| ログインしたい(二段階認証なし) | 時間がかかる | 時間をおいて試す |
市のページには、メンテナンスがいつ終わるかは書かれていません。申請の期限が迫っている人は、待つだけにせず、その手続きを担当する課に、窓口や郵送など別の方法がないかを確かめてください。その際、電話番号は市のサイトで手続きのページを開いて確かめるようにしてください。
マイナンバーカード予約サイトで変わったこと
マイナンバーカード予約サイトについて、加古川市のマイナンバーカード予約システムのページが使えない機能として挙げているのは1つです。
- 予約完了時、予約日前日のリマインドメールが発信されない
予約そのものができなくなったとは書かれていません。違うのは、予約をしても確認のメールや前日のお知らせのメールが届かないことです。
確認のメールが届かないと、予約した日時を忘れたり、予約が本当に取れたのか不安になったりします。予約をしたら、画面に出た日時をその場で書き留めるか、画面を保存しておくと安心です。手帳やスマートフォンの予定表に、来庁の日時を入れておくのもよい方法です。前日のリマインドが来ない分、自分で予定表の通知を設定しておくと忘れにくくなります。
もう1つ大事なのは、確認のメールが止まっている今、「予約の確認」や「前日のお知らせ」をうたうメールが届いたら、まず疑うことです。市が送れないと書いているメールが届いたら、それは本物ではない可能性が高いと考えてください。
TKCは第5報で、地方公共団体向けのシステムのメール送信の再開予定を載せています。「マイナンバーカード交付予約・管理システム」は11月10日(火)予定、「スマート申請システム」は11月11日(水)予定、「申請管理システム」は未定とされています。ただ、加古川市のページは、市の仕組みがTKCのどの製品に当たるかを書いていません。そのため、これらの日付が加古川市の2つの仕組みにそのまま当てはまるかは分かりません。再開の知らせは、市のサイトで確かめてください。
原因について発表されていること
加古川市のページでは、原因は「同社が利用するメール配信サービス『アララメッセージ』(アララ株式会社)が、第三者による不正アクセスを受けた」と書かれています。いつ、どのような手口で侵入されたのかは、市のページには書かれていません。
TKCは11月6日の説明で、今回の情報漏えいはTKCがメール配信業務を委託しているアララのサービスが不正アクセスを受けたことで起きたもので、TKCのシステムとデータセンターが不正アクセスを受けた事実は、現時点で確認されていないとしています。
アララ株式会社の第2報では、共用の環境への不正アクセスについて、Webサーバーの脆弱性に加え、システム環境における問題も関係していたと書かれています。脆弱性とは、プログラムの欠陥や設定の穴のことで、外から入り込む入り口になりうるものです。侵入の開始時期や経路は、引き続き調査中とされています。
市の発表、TKCの説明、アララの報告のどれにも、加古川市のシステムが侵入されたという記載はありません。起きたのは、委託の先にあるメール配信サービスでの不正アクセスです。
TKCとアララの発表で分かっていること
ここからは、TKCとアララの全体の状況です。加古川市だけの話ではないことを踏まえて読んでください。
株式会社TKCは、2026年11月6日の第5報で、アララから、TKCのシステムを使う客のメールアドレスが漏えいしたとの報告を受けていると書いています。どの客の、どのシステムに関するメールアドレスが漏えいしたかは、アララの協力を得ながら分類する作業を続けていて、判明しだい知らせるとしています。加古川市が「確認中」と書いているのは、この分類がまだ終わっていないからだと読めます。
TKCは、アララのサービスが止まっているためメールを送れない状態が続いていたこと、新しいメール送信の基盤を作り、安全を確かめたうえでシステムごとに送信を再開していることも書いています。
アララ株式会社は、11月2日に第2報、11月6日に第3報を出しています。背景として知っておきたい点は次のとおりです。
- 10月31日に、アララメッセージの提供をすべて停止した。第3報の時点でも停止は続き、再開の時期は未定
- 10月28日から30日にかけて、サービスの一部が不正に使われ、送信元「[email protected]」から、件名「利用内容確認のご依頼」「ご利用明細確認のご依頼」等の不審メールが最大約713万通送られた
- 第3報では、別のクラウド環境からメールアドレス3,249,492件の持ち出しが分かったとされた
- 区分の間の重複を除いた、持ち出されたメールアドレスの件数は81,329,467件。これはメールアドレスの数で、人数ではない
第2報と第3報の本文は、アララ株式会社の第2報とアララ株式会社の第3報で確かめられます。
ここで気をつけたいのは、アララの数字はアララのサービス全体の数字で、加古川市の件数ではないということです。加古川市の件数は、市の2つのページに書かれていません。数字を混ぜて読まないようにしてください。
アララの件の全体像と、ほかに公表した企業や自治体の一覧は、アララの情報漏洩|アララメッセージへの不正アクセス 第2報でメールアドレス約77百万件(精査中)最大約380社 公表した企業と自治体 2026で整理しています。
自分が対象かを確かめる方法
自分のメールアドレスが対象に含まれるかは、市でもまだ確認中です。そのため、今の時点で確実に分かる方法はありません。手がかりとして、次の順で確かめてください。
- かこがわオンライン申請システムに利用者登録をしたことがあるかを思い出す。登録したなら、そのときのメールアドレスが関わりうる
- マイナンバーカード予約サイトで、メールアドレスを入力して予約したことがあるかを思い出す
- 受信箱で、オンライン申請の登録完了や申請受付のメール、予約完了やリマインドのメールを探す。見つかれば、そのアドレスが登録されていたことになる
- どちらかに当たる場合は、対象に含まれている前提で、この記事の後半の備えを進める
- 市の続報で、市の利用者が含まれるか、件数がどうかが知らされたら、そこで改めて確かめる
市の2つのページには、本件のための電話の窓口は書かれていません。ページの下に載っているのは市役所の代表の連絡先で、本件専用の窓口ではありません。問い合わせたいことがあるときは、市のサイトで手続きや予約を担当する課のページを自分で開き、その連絡先を確かめてください。
メールに書かれた番号には、かけないようにしてください。偽のメールの中には、本物らしい番号を書いて、電話口で個人の情報を聞き出そうとするものもあります。
利用者がすること
漏えいした可能性があるのはメールアドレスです。そのため、申請や予約をやり直す必要はありません。必要なのは、偽のメールに反応しないための準備と、止まっている機能への備えです。
すぐにすること
- 加古川市、TKC、アララ、オンライン申請、マイナンバーカードの予約を名乗るメールのURLを開かない
- メールの添付ファイルを開かない
- メールでID、パスワード、クレジットカード情報の入力を求められても応じない
- 送信元「[email protected]」からクレジットカード会社等を装ったメールが届いたら、URLを開かずに削除する
市のページも、この[email protected]からのメールについて、アララのサービスが不正に使われて送られていることが確認されているとして、受け取った場合は記載されたURLにアクセスせず削除するよう呼びかけています。
手続きの備え
- 期限のある申請は、オンライン申請が戻るのを待たず、担当の課に別の方法を確かめる
- マイナンバーカードの予約日時は、手帳や予定表に書き留め、通知を設定する
- メンテナンスが終わった知らせは、メールではなく市のサイトで確かめる
念のためにすること
- オンライン申請に使っているパスワードが、ほかのサービスと同じになっていないか見直す
- 同じなら、メンテナンスが終わってから、オンライン申請のパスワードを別のものに変える。今はパスワードの再設定が使えないので、ほかの大事なサービスのほうを先に変える
- 多要素認証、つまりパスワードに加えてスマートフォンなどもう1つの手段で本人を確かめる仕組みを、使えるサービスでは有効にしておく
多要素認証の考え方と、仕事のアカウントに導入するときの選び方は、MFA(多要素認証)導入のメリットと製品比較|2026年の認証セキュリティ決定版で詳しく解説しています。
市が呼びかけている注意の中身
市の2つのページは、同じ文面で不審なメールへの注意を呼びかけています。要点を整理すると、次の4つです。
| 市の呼びかけ | 具体的にすること |
|---|---|
| TKC、アララ、市などをかたる不審なメールに注意 | 心当たりのないメールのURLを開かない。ID、パスワード、カード情報を入力しない。添付ファイルを開かない |
| [email protected] からクレジットカード会社等を装ったメールが送られている | 受け取ったら、URLにアクセスせず削除する |
| 漏えいしたアドレスを悪用し、心当たりがあるかのように装ったメールが届く可能性 | 「オンライン申請」「予約」など、思い当たる言葉が入っていても、それだけで信じない |
| 公式を名乗るメールでも、メール内のリンクからではなく、公式サイトや正規の窓口から自分で確かめる | ブックマークや検索から市のサイトを自分で開いて確かめる |
3つ目の呼びかけは特に大事です。今回のアドレスは「加古川市のオンライン申請や予約を使った人のもの」である可能性があります。偽のメールを送る側がそれを知っていれば、「オンライン申請の手続きについて」「マイナンバーカードの予約について」といった、本当に心当たりのある件名を使ってくることが考えられます。心当たりがあることと、本物であることは別です。
加古川市を名乗る偽メールの型
今回の件で届きやすい偽メールの型を、確かめ方と一緒に整理します。
| 偽メールの型 | よくある文面の例 | 確かめ方 |
|---|---|---|
| パスワードの再設定 | 「パスワードの再設定が必要です。リンクから手続きを」 | 再設定の機能は止まっている。市のサイトで再開の知らせを確かめる |
| 二段階認証のコード | 「ログインのための確認コードはこちら」 | 自分でログインしていないのに届いたら無視する |
| 申請の不備 | 「申請に不備があります。再提出してください」 | 市のサイトを自分で開き、担当の課に確かめる |
| 予約の確認 | 「マイナンバーカードの予約を確認してください」 | 予約完了とリマインドのメールは止まっている。まず疑う |
| 今回の件に便乗 | 「情報漏えいのお詫びと本人確認のお願い」 | 市の発表に無い手続きや入力を求めるものは疑う |
特に注意したいのは、パスワードの再設定や二段階認証のコードをうたうメールです。今は、どちらも市のシステムから届かない状態です。それなのに届いたら、偽物を疑ってください。
マイナンバーカードの暗証番号や個人番号をメールで聞く手続きも、考えにくいものです。メールで暗証番号や個人番号を求められたら、その時点で疑ってください。
届いたメールが本物かを確かめる手順
加古川市を名乗るメールが届いたとき、本物かどうかを1通ずつ見極めるのは大変です。迷ったときは、次の順番で確かめると判断がぶれません。
- メールの中のリンクは押さない。開く前に止まる
- 加古川市の公式サイトを、検索やブックマークから自分で開く
- 市のサイトに、メールと同じ内容のお知らせが出ているかを見る
- 出ていなければ、そのメールには対応しない。気になるときは市のサイトに載った担当の課の番号へ電話する
- 判断に迷ったメールは、家族や身近な人にも見せて意見を聞く
送信元のアドレスや表示名は、偽物でもそれらしく作れます。差出人の名前が「加古川市」や「オンライン申請」になっていても、それだけで本物とは言えません。
もし偽のページにパスワードやカード情報を入力してしまったときは、入力したサービスの公式の窓口にすぐ連絡して、パスワードの変更や利用の停止を相談してください。クレジットカードの情報を入力した場合は、カードの裏面に書かれた番号でカード会社に連絡します。アララの第2報も、リンク先でカード情報などを入力した場合はすぐにカード発行会社に連絡するよう書いています。
メールアドレスだけの漏えいで起こりうること
「メールアドレスだけなら、たいしたことはない」と考える人もいるかもしれません。確かに、パスワードや個人番号が漏れた場合と比べれば、直接の被害は小さいと言えます。ただ、今回の件で気をつけたいのは、偽のメールの「入り口」として使われることです。
起こりうることとして、次のようなものが考えられます。
- 加古川市やオンライン申請を名乗る偽のメールが、本当に利用した人にまとめて届く
- パスワードの再設定を装って偽のページに誘い、オンライン申請やほかのサービスのパスワードを盗もうとする
- ほかのサービスで漏れたパスワードと組み合わせて、同じアドレスで登録しているサービスへのログインを試される
3つ目は、同じパスワードを使い回している場合に起こりやすいものです。今回の件でパスワードが漏れたという記載はありませんが、ほかの件で漏れたパスワードがあれば、それと今回のアドレスを組み合わせて試される可能性はあります。使い回しを避けるだけで、この危険は大きく下げられます。
逆に、今回の件だけで申請の中身が書き換えられたり、マイナンバーカードが勝手に使われたりすることは、市の発表の内容からは考えにくい状況です。慌てて登録を取り消したり、予約をやめたりする必要はありません。
家族や身近な人に伝えるとき
マイナンバーカードの予約は、家族の分をまとめて自分のスマートフォンから入れることもあるでしょう。子どもや高齢の親の予約を、自分のメールアドレスで入れた人もいるはずです。反対に、家族が自分のアドレスで予約やオンライン申請をしていることもあります。その場合、偽のメールは家族の受信箱に届きます。
家族に伝えるときは、次の3点に絞ると覚えてもらいやすくなります。
- 加古川市、TKC、アララを名乗るメールのリンクは押さない
- パスワードや暗証番号、カードの番号をメールで聞かれても答えない
- 迷ったら、開く前に家族に見せる
伝える文面は、「漏えいした」ではなく「漏えいした可能性がある」と、市のページの言葉のまま書くのが確実です。言葉を正確に選んで短く伝える力は、ビジネス文書の書き方そのものです。文書作成の力を確かめる資格の1つとして、ビジネス文書検定があります。
今後の続報で確かめたい点
11月7日時点の市のページでは、まだ分かっていないことがいくつかあります。続報が出たときは、次の点を確かめるとよいでしょう。
- 加古川市の利用者のメールアドレスが、漏えいの対象に含まれていたか
- 含まれていた場合、その件数と、オンライン申請と予約サイトのどちらの分か
- オンライン申請システムの緊急メンテナンスがいつ終わり、利用者登録やパスワードの再設定がいつ戻るか
- マイナンバーカード予約サイトの予約完了とリマインドのメールがいつ戻るか
- 対象となった人に、市から個別の連絡があるか
市のページは「今後、新たな事実が判明した場合は、市ホームページ等により速やかにお知らせいたします」と書いています。続報を追うときは、報道の見出しではなく、市のサイトに載るページそのものを見るようにしてください。報道では、公式に書かれていない件数が出たり、見出しの都合で「漏えいした」と言い切った書き方になったりします。市のページは「漏えいした可能性」と書き、市の利用者が含まれるかは「確認中」としています。
確かめた日付をメモに残しておくと、後から続報と見比べるときに役立ちます。
在宅で仕事をする人が気をつけること
在宅で仕事をする人の中には、加古川市のオンライン申請に、仕事でも使っているメールアドレスを登録した人もいるでしょう。個人事業主として事業に関する届け出をオンライン申請で出した人もいるかもしれません。その場合、偽のメールは取引先からの依頼や請求のメールと同じ受信箱に届きます。仕事のメールと紛れやすいので、普段より慎重に扱う必要があります。
仕事のアドレスに届いた偽メールのリンクを開いて端末がマルウエア(悪意のあるプログラム)に感染すると、取引先から預かったファイルや顧客の連絡先まで危険にさらすことがあります。個人情報保護法の第16条は、個人情報のデータベース等を事業に使っている人を「個人情報取扱事業者」と定めています。フリーランスや個人事業主でも、取引先の顧客名簿を扱っていれば当たる場合があります。
同じ法律の第26条は、個人データの漏えい等のうち、個人の権利利益を害するおそれが大きいものとして規則で定める事態が起きたときに、個人情報保護委員会への報告と本人への通知を求めています。第25条は、個人データの取り扱いを外部に任せるときに、任せた先を必要かつ適切に監督するよう求めています。条文はe-Govの個人情報の保護に関する法律で確かめられます。自分の仕事がこれに当たるかどうかは、扱う情報の種類や量で変わるので、気になる人は個人情報保護委員会の相談ダイヤル(03-6457-9849)で確かめると確実です。
今回の件では、市の仕組みが、メールの送信を外部のサービスに任せていたところで不正アクセスが起きました。自分の仕事でも、顧客へのお知らせや一斉配信を外部のサービスに任せている人は、どの会社のサービスに、どの項目を登録しているかを書き出しておくと安心です。メールで届くコードだけに頼る二段階認証は、メールの仕組みが止まるとログインそのものができなくなることも、今回の件で分かりました。大事な仕事のアカウントでは、認証アプリなど別の手段も登録しておくと、こうした時にも仕事を止めずに済みます。
中小の事業者がセキュリティの対策にかける費用を補う制度もあります。対策の進め方と補助金の使い方は、中小企業のサイバーセキュリティ対策2026|IT導入補助金で防御力を強化する方法で解説しています。
アカウントを守る力を仕事に生かす
今回のように、自治体の手続きで使われていたメール配信サービスの不正アクセスが、住民のメールアドレスや手続きの使い勝手に影響する例は、2026年の秋に入って各地で続いています。自分で防げる範囲は限られていますが、偽のメールに反応しない、パスワードを使い回さない、多要素認証を設定するという基本を押さえておけば、被害の多くは避けられます。
2004年から在宅ワークとフリーランスの仲介を続けてきた中で見えてきた傾向として、取引先から長く任される人ほど、預かった情報の扱い方や、不審な連絡の確かめ方を最初に決めています。セキュリティの知識は、それ自体を仕事にすることもできます。@SOHOのAI・マーケティング・セキュリティのお仕事では、在宅で受けられるセキュリティ関連の仕事の種類と探し方を紹介しています。
よくある質問
Q. 加古川市の件で、メールアドレス以外の情報も漏れたのですか?
2026年11月6日更新の市の2つのページでは、漏えいした情報はメールアドレスのみとされています。そのうえで、市の利用者のメールアドレスが漏えいの対象に含まれるかは、現在確認中と書かれています。氏名や申請の中身は、漏えいした情報として挙げられていません。最新の情報は加古川市のサイトで確かめてください。
Q. オンライン申請でパスワードを忘れました。どうすればいいですか?
市のページによると、緊急メンテナンスのため、利用者登録、メールアドレスの変更、パスワードの再設定、メールによる二段階認証が必要な場合のログインが使えません。期限が迫っている申請は、市のサイトで担当の課の連絡先を確かめ、窓口や郵送など別の方法がないかを相談してください。
Q. マイナンバーカードの予約はできますか?
市のページが使えない機能として挙げているのは、予約完了時と予約日前日のリマインドのメールが発信されないことです。予約ができなくなったとは書かれていません。予約した日時は手元に書き留め、予定表の通知などで忘れないようにしてください。
Q. 加古川市の件数は何件ですか?
市の2つのページには、件数が書かれていません。市の利用者のメールアドレスが対象に含まれるかも確認中です。アララ株式会社が第3報で示した81,329,467件は、アララのサービス全体で持ち出されたメールアドレスの数で、加古川市の件数ではありません。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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