加古川市の情報漏洩の可能性|職員メール配信の職員情報 約2,200件とNET119緊急通報システムの登録者 対象と確かめること 2026


この記事のポイント
- ✓加古川市の情報漏洩について
- ✓2026年10月13日と15日の市のお知らせと10月19日の委員会資料をもとに整理
- ✓職員メール配信システムの職員情報 約2,200件と
加古川市の情報漏洩について、加古川市は2026年10月13日、市の職員メール配信システムを運用する事業者が不正アクセスを受け、市職員の「氏名」「メールアドレス」などの職員情報約2,200件が外部へ漏えいした可能性があると発表しました。この件について市は、市民の氏名、住所、電話番号などが含まれるデータが漏えいした事実は確認されていないとしています。続いて10月15日には、別のお知らせで、文字で119番通報ができる「NET119」緊急通報システムの登録者の氏名、生年月日、性別、住所、電話番号、個人メールアドレス、ファックス番号が漏えいした可能性があると発表しました。 2026年11月1日時点で、市の2つのお知らせのページは10月13日と10月15日の更新のままで、続報は掲載されていません。10月19日の市議会の総務常任委員会の資料には、NET119の対象が登録者64件(加古川市61件、稲美町2件、播磨町1件。10月15日時点)と書かれています。補償についての記載はありません。 NET119の登録者がまずすることは、市や事業者を名乗るメールや郵便、FAXの連絡先に安易に応じないこと、そしてNET119はそのまま使い続けてよいと知っておくことです。市は、NET119が正常に動くことを確かめたと発表しています。
この記事では、加古川市の2つのお知らせと委員会資料、システムを運用する株式会社アルカディアの公式の報告をもとに、2つの件の違い、対象になる人、登録者が今日からできることを順に整理します。報道の件数や推測は使わず、公式に書かれている範囲だけを書きます。
加古川市が出した2つのお知らせの違い
「加古川市 情報漏洩」と調べた人が最初に迷いやすいのは、加古川市が10月に出したお知らせが2つあり、中身が違うことです。1つ目は10月13日の「事業者に対する不正アクセスに関するお知らせと、本市への影響について」で、市の防災対策課が出しました。2つ目は10月15日の「「NET119」緊急通報システムに対する不正アクセスに対するお知らせと、本市への影響について」で、消防本部指令課が出しました。
| 項目 | 職員メール配信システムの件 | NET119緊急通報システムの件 |
|---|---|---|
| お知らせの日 | 2026年10月13日 | 2026年10月15日 |
| 担当 | 防災安全部防災対策課 | 消防本部指令課 |
| 対象 | 市職員 約2,200件(6月5日時点の登録者2,216件) | NET119の登録者(委員会資料で64件、10月15日時点) |
| 漏えいした可能性のある項目 | 氏名、所属、職員番号、個人メールアドレス | 氏名、生年月日、性別、住所、電話番号、個人メールアドレス、ファックス番号 |
| 市民の情報 | 漏えいした事実は確認されていない | 登録者(市民など)の情報が漏えいした可能性がある |
| サービスの状態 | 運用事業者が10月13日にサービスを緊急停止 | 停止していない。正常に動くことを確認 |
10月13日のお知らせには「市民の皆さまの氏名、住所、電話番号などの個人情報が含まれるデータが漏えいした事実は確認されておりません」とあります。この一文は職員メール配信システムの件についての説明です。2日後の10月15日、市は別のお知らせで、NET119の登録者の情報が漏えいした可能性があると発表しました。2つを混ぜて「市民の情報は大丈夫だった」と読むのも、「市民全員の情報が漏れた」と読むのも、どちらも公式の発表と違います。
市民の多くにとって関係があるのは、NET119に登録している人と、その家族や支援者です。NET119に登録していない市民は、2つ目のお知らせの対象には入りません。
本件に関連し、「NET119」緊急通報システムの登録者の氏名、生年月日、性別、住所、電話番号、個人メールアドレス、ファックス番号が、外部へ漏えいした可能性があることが判明いたしました。 出典: 加古川市 「NET119」緊急通報システムに対する不正アクセスに対するお知らせ(2026年10月15日)
公表の経緯(10月11日から11月1日まで)
市の委員会資料に書かれた時系列と、市のお知らせ、アルカディアの公式の報告を、日付の順に並べます。
- 10月11日16時30分:運用事業者が、不正アクセスが疑われる不審な挙動を確認しました
- 10月12日3時ごろ:運用事業者が、侵入経路を塞ぐ応急措置をとりました
- 10月13日11時:運用事業者が、一部のサービスを緊急停止しました
- 10月13日14時15分:運用事業者から市の防災対策課に、不正アクセスが行われ個人情報が漏えいしている可能性があるとメールで連絡がありました。市は同じ日のうちに職員へ情報を共有し、不審なメールへの注意を呼びかけ、サービスが止まっている間の連絡の体制を確かめるよう頼みました。19時時点の状況として、市のホームページにお知らせを出しました
- 10月14日15時:運用事業者が、提供するすべてのシステムを調べた結果、NET119にも不正アクセスの形跡があり、個人情報が漏えいした可能性があることを確認しました
- 10月14日18時30分:消防本部指令課が、防災対策課からの情報でこの内容を知り、NET119の動作を確かめて、支障なく運用できることを確認しました
- 10月15日:市が登録者へ注意を呼びかけるメールを送り、ホームページにNET119のお知らせを出しました
- 10月16日:福祉部障がい者支援課と連名で、登録者へ注意を呼びかける文書を郵送し、加古川ろうあ協会などの関係団体を通じて登録者への周知を始めました
- 10月19日:市議会の総務常任委員会に、2つの件の資料が出されました
NET119の委員会資料では、10月13日14時15分の連絡は「株式会社アルカディア」が運用するシステムへの不正アクセスについてのものと書かれています。職員メール配信システムの資料に書かれた連絡の時刻と同じで、2つの件はどちらもアルカディアへの不正アクセスから始まっています。
2026年11月1日時点で、市の2つのお知らせのページに追加の更新はありません。市は10月15日のお知らせで「今後、新たにお知らせすべき事項が判明した場合は、市ホームページ等でお知らせします」と書いています。
漏えいした可能性のある項目と、含まれないもの
項目を、件ごとに分けて表にします。市の発表と委員会資料に書かれているとおりです。
| 区分 | 項目 |
|---|---|
| 市職員(職員メール配信システム) | 氏名、所属、職員番号、個人メールアドレス |
| NET119の登録者 | 氏名、生年月日、性別、住所、電話番号、個人メールアドレス、ファックス番号 |
| 職員メールの件で、漏えいした事実が確認されていないもの | 市民の氏名、住所、電話番号などの個人情報 |
| 影響がないと市が明記しているもの | 防災メールなどを配信する「防災ネットかこがわ」(別の事業者のサービス) |
NET119の登録者の項目は、氏名、生年月日、住所、電話番号がそろっていて、メールアドレスだけの件と比べると、なりすましに使われたときの影響が大きい組み合わせです。生年月日と住所がそろうと、役所や消防、福祉の窓口を名乗る連絡が本物らしく見えやすくなります。
アルカディアは10月16日の第11報で、全国のNET119について、漏えいした可能性があるのはメールアドレスにひもづく情報で、要配慮個人情報は漏えいしていないことを確認できていると書いています。要配慮個人情報とは、病歴や障がいがあることなど、不当な差別や偏見につながりうるとして法律で特に慎重な扱いが求められる情報のことです。同社の10月23日の報告書でも、NET119について「既往歴などはなし」とされています。ただし、加古川市のお知らせ自体には、この点の記載はありません。市の発表としては、表の項目が漏えいした可能性があると受け止めておくのが確実です。
クレジットカード番号や銀行口座の番号は、どちらの件の項目にも入っていません。NET119も職員メール配信システムも、料金の支払いに使うものではないためです。今回の件を理由に、カードや口座の手続きをする必要は示されていません。
原因:運用事業者アルカディアへの不正アクセス
市の発表では、原因は職員メール配信システムとNET119を運用する事業者が、外部から不正アクセスを受けたことです。市のシステムが直接攻撃を受けたという発表ではありません。NET119の委員会資料には、令和6年4月1日から株式会社アルカディアに業務を委託して運用していると書かれています。
アルカディアが10月23日に公表した報告書には、経過が詳しく書かれています。同社のメディアサーバーにある「ディレクトリパストラバーサル」という弱点を突かれて設定ファイルを取られ、サービスどうしのログインに使う秘密の鍵が流出し、アカウントIDへの総当たりでログインされて内部の情報を取られた、という説明です。ディレクトリパストラバーサルとは、Webサーバーの中の本来は見られないファイルを、URLの指定の仕方を工夫して読み出せてしまう弱点のことです。総当たりとは、多数のIDやパスワードを機械的に試してログインを突破しようとする攻撃のことです。
同じ報告書では、同社のすべてのサービスが漏えいの可能性の対象になったこと、NET119のデータベースにも痕跡があったことが書かれています。全国のNET119で漏えいの可能性がある件数は9,020件とされています。この9,020件は全国の自治体の登録者を合わせた数で、加古川市の数ではありません。加古川市と周辺の2町の分は、委員会資料の64件です。
アルカディアは、セキュリティ専門の第三者機関に詳しい調査を頼んでいるとしています。攻撃者の正体や目的は、公式の報告に書かれていないので、この記事では触れません。配信システムの側から見た全国の状況は、アルカディアの情報漏洩|SpeeCAN RAIDENの約313万件と偽メールの見分け方 2026で別にまとめています。
NET119とは何か、誰が登録しているか
NET119は、スマートフォンや携帯電話のWeb機能(チャット機能)を使って、文字で119番通報をする仕組みです。加古川市消防本部は平成28年11月から運用していて、ボタンの操作だけで通報の内容を伝え、救急車や消防車を呼べると案内しています。声による119番通報が難しい人のための緊急通報システムです。
市の「緊急通報システム(NET119)について」のページによると、使えるのは、音声による119番通報が難しい人で、加古川市、稲美町、播磨町に住んでいる人、勤めている人、学校に通っている人です。使うには事前の利用登録が必要で、スマートフォンや携帯電話を持って住んでいる地域の窓口へ行って登録します。
このため、今回の対象は加古川市の住民だけではありません。委員会資料の64件の内訳は、加古川市61件、稲美町2件、播磨町1件です。稲美町や播磨町で登録した人も、加古川市消防本部のNET119の登録者として対象に入っています。
登録の窓口は次のとおりです。
- 加古川市:福祉部障がい者支援課地域生活支援係(電話 079-427-9210、ファックス 079-422-8360)
- 稲美町:健康福祉部地域福祉課障がい福祉係(電話 079-492-9136、ファックス 079-492-8030)
- 播磨町:福祉保険部健康福祉課障害福祉係(電話 079-435-2361、ファックス 079-435-0831)
NET119の使い方そのものについての窓口は、加古川市消防本部指令課(電話 079-424-0119、ファックス 079-425-7587)です。
加古川市消防本部は、NET119のほかにも、声による通報が難しい人のための方法を案内しています。市の「ファックスでも119番通報ができます」のページでは、ファックスで「119」をダイヤルし、専用の「ファックス送信票」を送ると緊急通報ができると説明しています。あわせて、聴覚障がいのある人や音声言語障がいのある人には、緊急通報のときに手話通訳者や要約筆記者の派遣がスムーズにできるよう、障がい者支援課での緊急通報者登録を勧めています。今回の不正アクセスについて、市はこれらの方法に関する発表はしていません。NET119が使えることに変わりはありませんが、通報の手段を複数知っておくと、スマートフォンの電池が切れたときなどにも慌てずに済みます。
加古川市の対応
市の対応は、2つの件で違います。
職員メール配信システムの件では、市は10月13日のうちに職員へ情報を共有し、不審なメールに注意するよう呼びかけました。運用事業者がサービスを止めている間の職員の連絡の体制を確かめるよう頼んだと、委員会資料に書かれています。システムが止まっている間も、職員への連絡が別の方法で届くようにしておくための確認です。
NET119の件では、市はまず、NET119が正常に動くかを確かめました。そのうえで、10月15日に登録者へメールで注意を呼びかけ、10月16日には福祉部障がい者支援課と連名で文書を郵送しました。加古川ろうあ協会などの関係団体を通じた周知も進めています。市は、メールに加えて郵便と関係団体を通じても登録者に知らせています。
この記事で使った件数や時系列のうち、NET119の64件と郵送の日付は、市のお知らせのページではなく、10月19日の総務常任委員会の資料に書かれています。総務常任委員会とは、市議会の中で市の総務や防災、消防などの分野を受け持つ委員会のことです。資料は「緊急通報システム「NET119」における第三者不正アクセスについて」と「職員メール配信システムにおける第三者不正アクセスについて」の2つで、どちらも市のサイトで公開されています。お知らせのページより後の日付の資料なので、件数を確かめるときはこちらも見ておくと確実です。
どちらの件についても、市は事業者と連携して原因と影響の範囲を確かめていくとしています。補償やお詫びの品についての記載は、2026年11月1日時点の発表にはありません。
NET119の登録者がすること
NET119は使い続けてよい
最初に押さえておきたいのは、NET119を使うのをやめる必要はないということです。市は、事案が起きた後にNET119の動作を確かめ、正常に動くことを確認したと発表しています。「引き続き正常にご利用いただけます」と書かれています。急な病気やけがのときに、情報の漏えいを心配して通報をためらう必要はありません。
不審な連絡に応じない
漏えいした可能性のある項目は、氏名、生年月日、性別、住所、電話番号、個人メールアドレス、ファックス番号です。市は「自治体やシステム運営事業者を装った不審なメール等が送信されるおそれがあります」と書いています。次のことを守ります。
- 身に覚えのないメールのURLを開かない、添付ファイルを開かない
- メールやFAXで求められても、暗証番号、口座番号、カード番号を伝えない
- 「NET119の登録の更新が必要」「登録情報の確認」などと書かれた連絡は、書かれた連絡先ではなく、市の窓口に自分で確かめる
- 郵便で届いた案内も、書かれた電話番号やURLにすぐ連絡せず、市の代表番号(079-421-2000)や担当課の番号で確かめる
市の本物の郵便は、10月16日に障がい者支援課と連名で送ったものです。それとは別に、「NET119」「消防」「アルカディア」を名乗る郵便やFAXが届いて、手続きやお金を求めてきた場合は、市の窓口に確かめてから動きます。
住所が知られたときに起きやすいことと備え方は、個人情報が流出して住所が漏れたときの対応|起きることと防ぎ方の順番で順に解説しています。電話番号とファックス番号への備えは、電話番号の流出チェックの方法|流出したらどうなるかと迷惑電話・SMSへの備え 2026が参考になります。
家族や支援者と共有する
NET119の登録者には、耳が聞こえにくい人や、声を出しにくい人がいます。電話での確認が難しい場合は、家族や支援者が代わりに市へ問い合わせたり、届いた連絡が本物かを一緒に見たりすると安心です。市の窓口にはファックス番号もあるので、文字で問い合わせることもできます。
不審な連絡に応じてしまったとき
もし、偽のメールのリンクを開いて情報を入力してしまった、電話で番号を伝えてしまった、という場合は、早めに次のことをします。
- 入力したのがパスワードなら、そのサービスのパスワードをすぐに変えます。同じパスワードを他のサービスでも使っていれば、そちらも変えます
- カード番号を入力したなら、カードの裏面に書かれたカード会社の番号に連絡し、利用を止めるかを相談します
- 口座番号や暗証番号を伝えたなら、取引のある銀行に連絡します
- お金を払ってしまった、払うよう求められているという場合は、最寄りの警察署に相談します
- 市や消防を名乗る連絡だった場合は、どんな連絡だったかを市の窓口にも伝えます。同じ手口の連絡が他の登録者に届くのを防ぐ手がかりになります
耳が聞こえにくい人が電話で相談するのは難しいことがあります。カード会社や銀行の多くは、Webのフォームやチャット、ファックスでの受付も用意しているので、手元のカードや通帳の案内を確かめます。家族や支援者に代わりに連絡してもらうのも1つの方法です。
自分が対象かを確かめる方法
NET119の件の対象は、NET119の登録者です。登録したかどうかは、次の順で確かめます。
- NET119の利用登録をしたかを思い出します。登録は、スマートフォンや携帯電話を持って福祉の窓口へ行って手続きするので、窓口に行った覚えがあれば登録者の可能性が高いです
- 10月15日に市から届いた注意を呼びかけるメールがあるかを確かめます
- 10月16日に障がい者支援課と消防本部の連名で郵便が届いているかを確かめます
- それでも分からないときは、登録した地域の窓口(加古川市なら障がい者支援課)か、消防本部指令課に確かめます
確かめるとき、新しく届いたメールの中のリンクから登録状況を見ようとしないでください。市や事業者を装ったメールが送られるおそれがあると、市が注意を呼びかけているためです。
職員メール配信システムの件の対象は市職員です。市民が自分で確かめる必要はありません。市職員は、所属を通じて市の案内に従います。
職員メールの件で、市民が気をつけること
職員メールの件で漏えいした可能性があるのは、市職員の氏名、所属、職員番号、個人メールアドレスです。市民の情報は含まれていないと市は説明しています。それでも、市民が知っておくと役に立つことがあります。
職員の氏名と所属が組みで知られると、実在する職員の名前を使って、市役所の担当者を名乗るメールや電話が成り立ちやすくなります。「加古川市の◯◯課の△△です」という連絡で、聞き覚えのある課の名前が出てきても、それだけで本物と判断しないことが大切です。次のような連絡は、市の代表番号(079-421-2000)にかけ直して確かめます。
- メールで、還付金や給付金の手続きのためにURLから口座番号を入力するよう求める
- 電話で、ATMへ行くよう指示する
- 個人のメールアドレス(フリーメールなど)から、市の職員を名乗って連絡してくる
フィッシング詐欺の見分け方は、フィッシング詐欺メールの見分け方|5秒で振り分ける手順と開いた後の対処で、送信元の見方や開いてしまった後の対処を解説しています。フィッシング詐欺とは、実在する会社や役所を装ったメールで偽のサイトへ誘い、IDやパスワード、カード番号などを入力させて盗む手口のことです。
市職員と、その家族が気をつけること
職員メール配信システムの件で対象になったのは、市職員の氏名、所属、職員番号、個人メールアドレスです。ここで注意したいのは、漏えいした可能性があるのが職場のアドレスではなく「個人メールアドレス」だという点です。職員が自分のスマートフォンなどで受け取るために登録した、個人的に使っているアドレスが含まれている可能性があります。
個人のメールアドレスに、所属と職員番号まで知られていると、次のような偽の連絡が考えられます。
- 市の人事や総務を名乗り、「職員番号の確認」「給与の振込先の変更」などとしてURLへの入力を求めるメール
- 職員メール配信システムの再開や登録のし直しを装い、パスワードを入力させるメール
- 同じ職場の同僚や上司を名乗るメール
市は10月13日のうちに職員へ不審なメールへの注意を呼びかけたと、委員会資料に書かれています。職員本人は、職場の連絡を個人のアドレスで受けたときに、内容を職場の別の経路で確かめるようにします。家族が同じパソコンやメールソフトを使っている場合は、家族にも、加古川市を名乗るメールに安易に応じないよう伝えておくと安心です。
個人のメールアドレスを、ネット通販や銀行のアカウントのログインにも使っている場合は、パスワードが使い回しになっていないかを見直します。今回の件でパスワードが漏れたとは発表されていませんが、メールアドレスが知られると、他のサービスへのログインの試みに使われることがあります。
防災ネットかこがわは対象外
加古川市の10月13日のお知らせには、もう1つ大切な説明があります。多くの報道で「自治体からの防災メールに登録している個人情報の漏洩」とされていることについて、市が防災メールなどを配信している「防災ネットかこがわ」は今回の件とは別の事業者のサービスで、影響はないと明記しています。
本市が防災メール等を配信する「防災ネットかこがわ」は本案件とは異なる事業者のサービスであり、影響はありません。 出典: 加古川市 事業者に対する不正アクセスに関するお知らせ(2026年10月13日)
アルカディアの配信システムを使っていた自治体の中には、市民が登録する防災メールの登録者の情報が漏えいした可能性を発表したところもあります。加古川市は、10月13日のお知らせで、同じ事業者への不正アクセスでは他の自治体で市民の情報の漏えいの可能性が公表されているが、加古川市では市民のデータは対象外だったと確かめた、と書いています。ここでいう市民のデータは職員メールの件の話で、その後に発表されたNET119の登録者は別に扱われています。
防災ネットかこがわに登録している人は、今回の件を理由に登録を解除する必要はありません。災害の情報は、これまでどおり受け取れます。
これから分かること、市から知らせが来ること
2026年11月1日時点で、加古川市の発表は10月15日のお知らせと10月19日の委員会資料が最新です。市は、事業者と連携して原因と影響の範囲を確かめ、新たに知らせることが分かれば市のホームページなどで知らせるとしています。
運用事業者のアルカディアは、10月26日の第23報で、同意を得た契約者のリストとともに「行政機関の漏えい等事案報告書」を10月23日に個人情報保護委員会へ報告したと書いています。個人情報保護委員会とは、個人情報の扱いを監督する国の機関のことです。この代行の報告に加古川市の分が含まれるかどうかは、市の発表には書かれていません。
これから市や事業者の発表で分かる可能性があるのは、実際に情報が持ち出されたかどうか、持ち出されたならどの項目か、という点です。今の発表はどれも「漏えいした可能性」で、実際に漏えいしたと確定したものではありません。続報が出たときに読み違えないよう、次の点を見ておくと役に立ちます。
- 「可能性」が「漏えいした」に変わったか
- 件数が64件から変わったか
- 対象の項目が増えたり減ったりしたか
- 登録者に個別の連絡が来るか
続報は、市のNET119のお知らせのページか、消防本部の119番のページに出ると考えられます。届いたメールのリンクではなく、市の公式ページを自分で開いて確かめます。
問い合わせ窓口
市のお知らせに載っている窓口をまとめます。開庁時間は、市のサイトの共通の案内で、月曜日から金曜日の午前8時30分から午後5時15分(土曜日・日曜日、祝日、年末年始は閉庁)です。
| 内容 | 窓口 | 電話番号 | ファックス番号 |
|---|---|---|---|
| 職員メール配信システムの件、防災ネットかこがわ | 防災安全部防災対策課 | 079-427-9717 | 079-427-3623 |
| NET119の件 | 消防本部指令課 | 079-424-0119 | 079-425-7587 |
| NET119の登録(加古川市) | 福祉部障がい者支援課地域生活支援係 | 079-427-9210 | 079-422-8360 |
| 市の代表 | 加古川市役所 | 079-421-2000 | 079-422-1403 |
市の各ページには「問合せメール」の入り口もあります。メールで問い合わせるときは、届いたメールに返信するのではなく、市の公式ページの問い合わせの入り口から送ります。
運用事業者の不正アクセスそのものについては、アルカディアが同社の「SpeeCAN RAIDEN公式ブログ」で報告を続けていて、2026年10月30日の第24報まで更新されています。同社の第2報では、個人情報相談窓口として050-5830-0750(受付時間 午前9時から午後5時、土日祝・年末年始を除く)を案内しています。加古川市の登録についての質問は市へ、システムの経過についての質問は事業者へ、と分けると話が早く進みます。
在宅で仕事をする人が気をつけること
在宅で仕事をする人は、取引先から預かった顧客名簿や問い合わせの記録を、自分のパソコンやメールで扱うことがあります。今回のように、自分が登録したサービスの側で情報が漏えいした可能性があると、そのメールアドレスに届く偽のメールが増えることがあります。仕事のメールと同じアドレスなら、偽のメールを開いた影響が取引先の情報に及ぶこともありえます。
個人情報保護委員会は、事業者が個人データの漏えいやそのおそれに気づいたときの報告について、公式ページ「漏えい等の対応とお役立ち資料」で案内しています。そこでは、要配慮個人情報が含まれる場合や、不正アクセスなど不正な目的で行われたおそれがある場合などは報告が義務付けられていること、発覚したらまず速やかに報告すること、不正な目的で行われたおそれがある場合は発覚日から60日以内に報告することが示されています。個人で仕事を請けている人が取引先の名簿を扱う場合も、どこまでが自分の責任になるかは契約の内容で変わるので、取引先と確かめておくことが大切です。
日々の作業で気をつけたいのは次の点です。
- 仕事用と、行政のサービスや趣味の登録用で、メールアドレスを分ける
- 取引先から預かったファイルを開くパソコンでは、不審なメールの添付やリンクを開かない
- 仕事で使うクラウドサービスやメールには、2段階認証(パスワードに加えて確認コードなどでも本人を確かめる仕組み)を設定する
- メールアドレスが過去の別の漏えいに含まれていないかを、Have I Been Pwnedの使い方|メールアドレスとパスワードの漏洩を確認する方法と、大手クラウドの過去の漏洩の手順で調べておく
連絡の経路を1つに頼らないという備え
今回の加古川市の件で目を引くのは、市がNET119の登録者に、メールと郵便と関係団体という3つの経路で知らせたことです。登録者の中には、メールを見落としやすい人もいれば、郵便のほうが確かめやすい人もいます。1つの経路だけに頼らずに伝える工夫は、情報を受け取る側にも当てはまります。
職員メール配信システムが止まった間、市が職員に連絡の体制を確かめるよう頼んだのも同じ考え方です。ふだん使っている連絡の仕組みが止まったとき、別の手段で連絡が回るかどうかが、災害の対応でも仕事でも大きな差になります。
フリーランスや在宅ワークの仲介を長く運営してきた立場から見ても、仕事を長く続けている人ほど、連絡の経路を1つに頼らない工夫をしています。メールが届かない日に備えて電話やチャットの連絡先も取引先と交わしておく、仕事用と個人用のアカウントを分けて片方が止まっても仕事が回るようにしておく、といった備えです。サービスの側で起きる漏えいや停止は、自分では防げません。起きたときに慌てずに済む準備は、自分で整えられます。
不審なメールを見分け、アカウントを守る設定を整えられることは、在宅の仕事でも取引先から信頼される理由の1つです。セキュリティやマーケティングに関わる仕事の種類は、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事で紹介しています。在宅でできる仕事を実際に探すときは、@SOHO 求人一覧から条件に合う案件を確かめられます。
よくある質問
Q. 加古川市に住んでいれば、自分の情報も漏えいしたのですか?
いいえ、市民全員が対象ではありません。10月13日の職員メール配信システムの件は市職員の情報が対象で、市民の情報が漏えいした事実は確認されていないと市は発表しています。10月15日の件の対象は、文字で119番通報をするNET119の登録者で、10月19日の委員会資料では64件(加古川市61件、稲美町2件、播磨町1件)とされています。
Q. NET119はこれからも使えますか?
使えます。市は事案の後にNET119の動作を確かめ、正常に動くことを確認したと発表し、引き続き利用できると案内しています。急な病気やけがのときに、情報の漏えいを心配して通報をためらう必要はありません。不安な点は、消防本部指令課(電話 079-424-0119、ファックス 079-425-7587)に確かめてください。
Q. 防災ネットかこがわに登録していますが、影響はありますか?
市は10月13日のお知らせで、防災メールなどを配信する「防災ネットかこがわ」は今回の件とは別の事業者のサービスで、影響はないと明記しています。今回の件を理由に登録を解除する必要はなく、災害の情報はこれまでどおり受け取れます。ただし、防災情報を名乗る不審なメールが届いた場合は、URLを開かずに市の公式ページで確かめてください。
Q. 市や消防を名乗る郵便が届きました。本物か見分けるには?
市は10月16日に、福祉部障がい者支援課と連名で、NET119の登録者へ注意を呼びかける文書を郵送しています。それとは別に、手続きやお金、暗証番号などを求める郵便やFAXが届いた場合は、書かれた連絡先には連絡せず、市の代表番号(079-421-2000)や消防本部指令課に自分で電話をかけて確かめてください。
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