イラストレーターが原画を販売する方法と、展示即売や通販の売り場の選び方

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イラストレーターが原画を販売する方法と、展示即売や通販の売り場の選び方

この記事のポイント

  • ✓イラストレーターの原画販売を
  • ✓ハンドメイドのマーケット
  • ✓自分のネットショップの3つの売り場に分けて整理しました

イラストレーターが原画販売を考えるとき、最初に迷うのは「どこで、いくらで売ればよいのか」です。デジタルで仕事をすることが多くなった今、紙やキャンバスに手で描いた1点ものの原画は、それ自体が特別な価値を持つ作品になります。一方で、原画は1枚しかないため、値段の付け方、売り場の選び方、届け方を間違えると、手放したことを後悔することにもなりかねません。

この記事では、イラストレーターが原画を販売する方法を、展示即売、ハンドメイドのマーケット、自分のネットショップの3つの売り場に分けて整理します。原画を売っても著作権は移らないこと、値段の付け方、額装と梱包、写真の撮り方、手数料、守るべき表示の決まり、確定申告まで、売り始める前に確かめておきたいことを順に説明します。

イラストレーターの原画販売をめぐる現状

イラストの仕事は、ここ十数年でデジタルの制作が主流になりました。書籍の装画、広告、ゲームやアプリの絵の多くは、パソコンやタブレットで描かれ、データで納品されます。デジタルの絵は何度でも複製でき、修正もしやすい一方で、「1枚しかない絵」という形を持ちません。

その反動のように、手で描いた原画への関心は根強くあります。好きなイラストレーターの絵を、印刷ではなく本物の筆の跡や紙の質感ごと手元に持ちたいという人は少なくありません。ギャラリーでの個展やグループ展、創作の即売会、ハンドメイドのマーケットでは、イラストレーターの原画が並び、買い手を見つけています。

売り場も広がりました。ギャラリーや即売会のように対面で売る場に加えて、minneやCreemaのようなハンドメイドのマーケット、BASEのように個人でネットショップを開ける仕組みが整い、全国の人に原画を見てもらえるようになりました。SNSで作品を発信し、そこからネットショップに案内する流れも一般的になっています。

一方で、原画の販売には、印刷物やグッズの販売とは違う難しさがあります。1点しかないので、売れたらその作品は手元からなくなります。値段が高くなりやすく、買い手は慎重に選びます。破損や汚れのリスクがあり、梱包と発送にも気をつかいます。こうした特徴を踏まえて、売り方を考えることが大切です。

原画を売っても著作権は移らない

原画の販売で最初に理解しておきたいのが、原画という「物」の所有権と、絵の「著作権」は別のものだということです。原画を買った人は、その原画を所有し、飾ることができますが、絵を複製したり、グッズにしたり、インターネットで配信したりする権利(著作権)は、契約で譲らない限り、描いた人に残ります。

著作権法には、美術の著作物の原作品の所有者による展示についての決まりがあります。

美術の著作物若しくは写真の著作物の原作品の所有者又はその同意を得た者は、これらの著作物をその原作品により公に展示することができる。 出典: laws.e-gov.go.jp

この条文は、原画を買った人が、その原画を公に展示できることを定めています。裏を返せば、所有者に認められているのは原画そのものを展示することで、絵を複製する権利までが自動的に移るわけではない、ということです。原画を売った後も、イラストレーターは、その絵を画集に載せる、ポストカードにする、といった形で使い続けられます。

ただし、買い手が誤解しないよう、販売のときに著作権の扱いを書いておくことが大切です。「原画の販売であり、著作権は作者に残ります」「購入した原画をもとに複製やグッズの制作はできません」と商品の説明に書き添えておくと、後のトラブルを防げます。

逆に、企業から原画と一緒に著作権の譲渡を求められることもあります。その場合は、原画の代金とは別に、著作権の対価を決める必要があります。著作権の譲渡や利用の許諾の契約は、内容によって作者のその後の活動に大きく影響するので、契約書の内容をよく確かめ、必要に応じて専門家に相談します。

売るための原画の画材と保管

原画として売る作品は、買い手の手元で長く飾られることを前提に描きます。普段の練習やデジタルの下描きとは違い、画材と紙の選び方が、作品の持ちを左右します。

紙は、酸性の紙だと年月とともに黄ばんだりもろくなったりすることがあるため、長く保存することを考えた紙を選ぶ作家が多くいます。絵の具やペンも、光に当たると色があせやすいものがあります。画材のメーカーが示している耐光性の目安を確かめ、長く飾られる作品には、色があせにくい画材を選びます。

作品の説明には、使った画材と、飾るときの注意を書いておくと親切です。例えば「直射日光の当たる場所や湿気の多い場所を避けて飾ってください」と一言添えるだけで、買い手が作品を長く楽しめるようになります。

売れるまでの保管にも気をつけます。完成した原画は、1枚ずつ透明の袋や薄紙で挟み、平らな状態で、湿気の少ない場所に保管します。重ねて保管するときは、絵の具がこすれたり、紙どうしがくっついたりしないよう、間に紙を挟みます。展示や撮影のたびに出し入れするので、取り出しやすく、傷みにくい保管の方法を決めておきます。

原画を売る3つの売り場

イラストレーターが原画を売る場は、大きく次の3つに分けられます。

売り場 主な形 向いている作品と人
展示即売 ギャラリーの個展やグループ展、創作の即売会 実物を見てほしい作品、ファンと直接会いたい人
ハンドメイドのマーケット minne、Creemaなど 小さめの作品、集客の仕組みに乗りたい人
自分のネットショップ BASEなどで開くショップ SNSで発信している人、世界観を伝えたい人

どれか1つに絞る必要はありません。多くのイラストレーターは、展示で実物を見てもらい、売れ残った作品や小さな作品をネットで売る、というように組み合わせています。以下で、それぞれの特徴と始め方を説明します。

展示即売で売る

展示即売は、ギャラリーでの個展やグループ展、創作の即売会などで、実物を見てもらいながら原画を売る方法です。原画の質感、色、大きさは、写真ではどうしても伝わりきらないので、実物を見てもらえることは大きな利点です。来場した人と直接話し、作品に込めた思いを伝えられることも、ファンを作るうえで力になります。

ギャラリーでの展示には、いくつかの形があります。会場を借りて自分で展示を開く貸しギャラリー、ギャラリーが作家を選んで展示を企画する企画展、複数の作家が参加するグループ展などです。貸しギャラリーは会場の使用料がかかり、企画展やグループ展では、売れた作品の代金からギャラリーの手数料が引かれる形が多くあります。費用や手数料の割合はギャラリーによって大きく違うので、申し込む前に、使用料、販売の手数料、搬入と搬出の方法、案内状の扱い、作品の保険などを確かめます。

初めて展示をするなら、グループ展から始めるのが負担の少ない方法です。他の作家と費用や準備を分け合え、他の作家のファンにも作品を見てもらえます。展示の経験を重ねると、ギャラリーとの関係ができ、企画展に声がかかることもあります。

展示即売では、売れた作品を会期の終わりまで展示し、会期の後に買い手に渡す形が一般的です。会期中に作品がなくなると、展示を見に来た人ががっかりするからです。売れた作品には、売約済みの印を付けておきます。会期の後の受け渡しの方法(引き取りか発送か)、代金の支払いの方法と時期は、販売のときに決めて、書面で買い手と確かめておきます。

ギャラリーやお店に販売を任せるとき

原画の販売を、ギャラリーや雑貨店、書店などに任せる方法もあります。委託販売と呼ばれる形で、作品をお店に預け、売れたらお店の手数料を差し引いた代金を受け取ります。自分で売り場に立たなくても、お店の客に作品を見てもらえる利点があります。

委託販売を始める前には、次の点をお店と確かめておきます。

  • 販売の手数料の割合と、代金の支払いの時期
  • 作品を預ける期間と、期間が終わった後の返却の方法
  • 展示中の作品の破損や盗難があったときの扱い
  • 値段を決めるのは誰か、値引きをしてよいか
  • 売れた作品の買い手の情報を、作家に伝えてもらえるか

特に大切なのが、破損や盗難の扱いです。1点ものの原画は、代わりがありません。お店が保険をかけているか、どこまで責任を持つかを、預ける前に書面で確かめます。預けた作品の一覧と、それぞれの値段を記した書類を作り、お店と作家の両方で控えを持っておくと、後で行き違いが起きたときに確かめられます。

創作の即売会で売るときの準備

ギャラリーの展示とは別に、創作の即売会やクラフトのイベントで原画を売る方法もあります。机1つ分の売り場で、多くの来場者に作品を見てもらえる場です。ギャラリーに比べて参加の費用が抑えられることが多く、初めて実物を売る場としても選ばれています。

即売会で原画を売るときは、限られた机の広さで、原画の魅力をどう見せるかを考えます。卓上に立てられる小さなイーゼル、作品を立てかける台、背面に作品を掲げる什器などを使い、通りがかった人の目線の高さに作品が来るように並べます。値段は、作品ごとに見やすく表示しておきます。値段が書いていないと、来場者は聞くのをためらって通り過ぎてしまいます。

当日の持ち物としては、作品、値札、作品の保護の袋や台紙、持ち帰り用の袋、釣り銭、名刺や案内のカードなどを用意します。最近は、キャッシュレスの決済に対応する出店者も増えています。原画は値段が高くなりやすいので、現金だけでなく、決済の方法を用意しておくと、買い手が購入を決めやすくなります。

即売会では、原画が売れなくても、名刺や案内のカードを手に取ってもらうことが、次の販売につながります。SNSやネットショップの案内を載せたカードを用意しておきます。

ハンドメイドのマーケットで売る

minneやCreemaのようなハンドメイドのマーケットは、原画を手軽にネットで売り始められる場です。どちらも出品は無料で、作品が売れたときに手数料がかかる仕組みです。2026年10月時点の各社の公式の案内では、手数料は次のとおりです。

サービス 売れたときの手数料(税込) 手数料がかかる金額
minne 10.659% 作品価格+購入オプション価格+送料
Creema 10.67% 決済総額

minneには、手数料が下がる有料の仕組み(minne PLUS)もあります。詳しくはminneの販売の案内で確かめられます。Creemaの手数料は、Creemaのヘルプで、作品と素材の売買なら決済総額の10.67%と案内されています。

ハンドメイドのマーケットの利点は、すでに多くの利用者がいて、作品を探しに来る人の目に触れやすいことです。SNSでの発信がまだ少ない人でも、カテゴリや検索から作品を見つけてもらえる可能性があります。

一方で、ハンドメイドのマーケットでは、手頃な値段の作品が多く並んでいるため、高い値段の原画は比べられて見送られやすい面があります。小さめの原画や、ポストカードサイズの作品から出品を始め、反応を見ながら大きな作品を出していく方法が取り組みやすいでしょう。

自分のネットショップで売る

自分のネットショップを開く方法もあります。BASEのようなサービスを使えば、専門の知識がなくても、決済の仕組みを備えたショップを作れます。BASEの公式の料金のページでは、スタンダードプランは月額0円で、商品が売れたときに決済手数料3.6%+40円とサービス手数料3%がかかり、グロースプランは年払いの1か月あたり16,580円で、決済手数料2.9%、サービス手数料0円とされています。決済の方法によっては手数料が加算される場合もあるので、詳しくはBASEの料金のページで確かめてください。

自分のショップの利点は、作品の見せ方を自由に決められることです。ショップのデザイン、作品の並べ方、説明の書き方を自分の世界観に合わせて作り込めます。ハンドメイドのマーケットのように他の作家の作品と並ばないので、値段で比べられにくいことも利点です。

一方で、ショップを開いただけでは、誰にも見つけてもらえません。集客は自分で行う必要があります。SNSで制作の過程や新作を発信し、販売の日時を予告して、ショップに案内する流れを作ります。1点ものの原画は、販売の日時を決めて一斉に公開する形にすると、発信を見ている人が集まりやすくなります。

値段の付け方

原画の値段の付け方は、多くのイラストレーターが悩むところです。安すぎると、時間をかけて描いた作品の価値を自分で下げることになり、高すぎると売れません。

値段を考えるときの材料を挙げます。

  • 作品のサイズと、使った画材や紙の費用
  • 制作にかかった時間
  • 額装をする場合はその費用
  • 売り場の手数料と、発送の費用
  • これまでに売れた自分の作品の値段
  • 似た作風、似た活動の規模の作家の原画の値段

最初のうちは、似た活動の規模の作家の値段を参考にしながら、サイズごとの値段の基準を作っておくと、作品ごとに迷わずに済みます。例えば、はがきサイズ、A5、A4、それより大きいもの、というように区切り、それぞれの値段の幅を決めておきます。

一度付けた値段を大きく下げることは、すでに買ってくれた人の気持ちを考えると避けたいところです。値段は、最初はやや控えめに付け、作品が安定して売れるようになったら少しずつ上げていくほうが、信頼を損ないにくくなります。

原画と別に、印刷のポストカードや複製の版画(ジクレーなど)を売る方法もあります。原画は高くて手が届かない人にも、作品を手元に持ってもらえます。原画と複製の値段の差を明確にしておくと、原画の価値も伝わりやすくなります。

額装と梱包

原画を売るときは、額装をするかどうかも決めます。額装をした作品は、そのまま飾れるので買い手の手間が省け、作品が引き立ちます。一方で、額の費用がかかり、重くなって送料も上がります。額の好みは人によって違うので、額なしで売り、額装を希望する人には別料金で対応する、という形もあります。

額装をしない場合でも、作品を守るための工夫が要ります。紙の作品なら、厚紙の台紙に固定し、透明の袋に入れて、汚れや折れを防ぎます。作品の裏には、作品の題名、制作年、サインを書いておくと、買い手にとっての記録になります。

発送の梱包では、折れと水濡れと衝撃を防ぐことが大切です。作品を透明の袋に入れて水濡れを防ぎ、作品より大きい厚紙や板で両面を挟んで折れを防ぎ、箱に入れて隙間に緩衝材を詰めます。額装した作品は、ガラスやアクリルの面を保護し、角を守る緩衝材を使います。

梱包の材料は、作品のサイズごとに決まったものをそろえておくと、売れるたびに材料を探す手間が省けます。梱包を終えたら、箱を軽く振って中で作品が動かないか、角を押して作品まで力が伝わらないかを確かめます。梱包の手順を写真で記録しておくと、毎回同じ品質で送れるようになり、万一の破損のときに、どう梱包したかを説明する材料にもなります。

配送の方法は、追跡ができ、補償が付く方法を選びます。1点ものの原画は、紛失や破損があっても代わりがありません。補償の上限額は配送の方法によって違うので、作品の値段に見合った補償が付くかを確かめます。

写真の撮り方と作品の説明

ネットで原画を売るときは、写真が作品の印象を決めます。原画の色や質感が正しく伝わる写真を撮ることが、売れるかどうか、そして届いた後に「思っていた色と違う」と言われないかを左右します。

写真を撮るときのポイントは次のとおりです。

  • 自然光の入る明るい場所で、直射日光を避けて撮る
  • 作品の正面から、ゆがみが出ないように撮る
  • 全体の写真に加えて、筆の跡や紙の質感が分かる部分の写真を撮る
  • 額装した様子や、部屋に飾った様子の写真で、サイズ感を伝える
  • 色の補正はしすぎない(実物と違う色になると、届いた後の不満につながる)

作品の説明には、題名、サイズ(作品そのもののサイズと、額装した場合は額のサイズ)、画材、紙や支持体の種類、制作年、額装の有無、サインの有無、著作権の扱いを書きます。作品に込めた思いや、描いたときのエピソードを短く添えると、買い手が作品に親しみを持ちやすくなります。

作品の説明の文章は、正確で読みやすいことが大切です。作品の証明書や添え状を付ける場合も、整った文章で書くと、作品の価値を支えます。文書を分かりやすく書く力を確かめる試験としてはビジネス文書検定があります。

売れた後の連絡と受け渡し

原画が売れた後の対応は、買い手の満足を大きく左右します。高い買い物をした買い手は、作品が無事に届くまで不安を感じています。売れた後の連絡を丁寧に行うことで、その不安を和らげられます。

ネットで売れた場合は、注文を受けたらすぐにお礼の連絡を送り、発送の予定日を伝えます。発送したら、配送の追跡の番号を知らせます。届いた頃に、無事に届いたかを尋ねる一言を送ると、買い手は作家とのつながりを感じます。

展示即売で売れた場合は、会期の終わりまで作品を展示することを伝え、受け渡しの方法(会場での引き取りか、発送か)と時期を決めます。代金の受け取りの方法も、販売のときに確かめておきます。

作品に添えるものとして、作品の題名やサイン、制作年を記したカードや証明書を用意する作家もいます。作品の証明書は、作品が本物であることを示し、買い手にとって作品の価値を支えるものになります。買い手に向けた手書きのメッセージを添えるのも、原画ならではの体験として喜ばれます。

ネットで売るときに守る表示の決まり

インターネットで原画を売る場合は、通信販売として特定商取引法の決まりが関わります。事業として継続的に売る場合は、販売する人の名前や住所、連絡先、代金の支払いの方法と時期、商品の引き渡しの時期、返品の条件などを表示することが求められます。

ハンドメイドのマーケットでは、サイト側が表示の仕組みを用意していることが多く、各サイトの案内に従って設定します。自分のネットショップでは、自分で表示のページを作る必要があります。BASEなどのサービスには、表示のページを作るための入力の欄が用意されています。

自宅の住所を公開することに抵抗がある人は多いはずです。特定商取引法では、請求があれば記載した書面や電子データを遅滞なく提供する旨を広告に表示する場合に、表示する事項の一部を省略できるとされています。自分の場合にどうすればよいかは、消費者庁の特定商取引法のページや、利用するサービスの案内で確かめてください。

返品の条件は、1点ものの原画の場合、特に大切です。「お客様のご都合による返品はお受けできません」「破損があった場合は、到着から○日以内にご連絡ください」のように、条件をはっきり書いておきます。

ファンを作る発信のしかた

原画を売り続けるためには、作品を気に入ってくれるファンの存在が欠かせません。1点ものの原画は、作品を見て一目で買うというより、作家の活動を見続けてきた人が、思い切って買うことが多いからです。

ファンを作るための発信の例を挙げます。

  • 制作の過程を、下描きから完成まで少しずつ見せる
  • 作品に込めた思いや、題材を選んだ理由を書く
  • 展示や販売の予定を、早めに知らせる
  • 買ってくれた人の飾った様子を、許可を得て紹介する
  • 画材や道具、制作の工夫を紹介する

発信で大切なのは、続けることです。毎日でなくてもよいので、決まった頻度で発信を続けると、見ている人に作家の存在を覚えてもらえます。発信の作業に時間を取られすぎて、描く時間が減ってしまうと本末転倒なので、発信の曜日と時間を決めておくと続けやすくなります。SNSを使った発信や販促の考え方は、マーケティングの分野の仕事にも通じます。こうした分野の仕事の広がりはAI・マーケティング・セキュリティのお仕事で紹介しています。

売れなかったときの見直し

原画を出品しても、なかなか売れないことはよくあります。そのときは、すぐに値段を下げるのではなく、売れない理由を1つずつ確かめます。

まず、作品が見られているかを確かめます。ハンドメイドのマーケットや自分のショップでは、作品のページが何回見られたかを確かめられることがあります。見られていないなら、集客の問題です。発信の量を増やす、作品名や説明に、探している人が使う言葉を入れる、販売の日時を予告して見に来てもらう、といった工夫をします。

見られているのに売れないなら、写真や説明、値段の問題が考えられます。写真で作品の魅力が伝わっているか、サイズ感が分かるか、説明に必要な情報がそろっているかを見直します。似た作品と比べて値段が高すぎないかも確かめます。

それでも売れない作品は、展示の場に持って行って実物を見てもらう、ポストカードなどの複製で反応を見る、といった方法で、作品の受け止められ方を確かめます。原画として売れなかった作品も、複製のもとになる絵として生かすことができます。

制作と販売の時間の使い方

原画の販売を副業として続けるには、制作と販売の作業の時間をどう配分するかを考えておく必要があります。原画の販売では、描く時間のほかに、写真の撮影、説明の作成、出品、問い合わせへの対応、梱包と発送、発信と、多くの作業が発生します。

本業がある人なら、平日は発信と問い合わせへの対応、週末にまとめて制作と撮影、というように、作業の種類で曜日を分けると、切り替えの負担が減ります。販売は月に1回、決まった日に新作をまとめて公開する、という形にすると、準備の計画が立てやすく、見ている人も販売の日を覚えやすくなります。

長時間の制作は、集中力と体力を使います。作業の区切り方や集中の保ち方は、在宅ワークの集中力アップ|ポモドーロ以外に効く7つのテクニックで紹介している方法が参考になります。

作品の一覧と在庫の管理

原画の販売を続けていると、どの作品をどこに出しているのかが分からなくなることがあります。同じ作品をギャラリーに預けながら、ネットショップにも出品していて、両方で同時に売れてしまう、といった事態は避けなければなりません。

これを防ぐために、作品の一覧を作っておきます。作品ごとに、題名、サイズ、画材、制作年、値段、今どこにあるか(手元、ギャラリー、ネットに出品中)、売れた日と売り場を記録します。作品を移動したり、出品したりするたびに更新します。

1点ものの原画は、ある売り場で売れたら、他の売り場の出品をすぐに取り下げます。複数の売り場に同時に出す場合は、どこで売れても他の出品を取り下げる手順を決めておき、売り場の数を管理できる範囲にとどめます。

確定申告と記録

原画の販売で収入を得たら、税金の手続きが必要になることがあります。国税庁の案内では、給与を1か所から受けていて、その全部が源泉徴収の対象となる会社員は、給与所得と退職所得以外の所得の合計が20万円を超える場合に確定申告が必要です。ここでいう所得は、売上から画材や額、手数料、送料などの経費を引いた額です。20万円以下で所得税の確定申告が要らない場合でも、住民税の申告は別に必要なので、住んでいる市区町村の窓口で確かめます。

経費にできるものの範囲や、事業所得と雑所得のどちらになるかは、売上の規模や続け方によって変わります。個別の判断は、税務署や税理士に確かめてください。

確定申告に備えて、作品ごとに、題名、制作日、売れた日、売れた値段、売り場、手数料、送料、買い手への発送の記録を表にしておきます。この記録は、税金の手続きに使えるだけでなく、どのサイズの作品が、どの売り場で、いくらで売れたかを振り返る材料になり、次の値段付けや売り場選びに役立ちます。

会社員が副業として原画を売る場合は、勤め先の就業規則で副業が認められているか、届出が必要かも確かめておきます。

イラストの力を広げる道

原画の販売で作品を発表し続けると、その先にいくつかの道が開けます。

1つは、イラストの依頼の仕事に広げる道です。原画を見て作風を気に入った人や企業から、書籍の装画、広告、商品のパッケージなどの依頼が来ることがあります。デザインの分野の仕事の報酬の目安はデザイナーの年収・単価相場で確かめられます。

2つ目は、教える仕事です。画材の使い方や描き方を、教室やオンラインの講座で教える形です。原画を描く技術を言葉で説明する力が求められます。

3つ目は、他の在宅の仕事と組み合わせる道です。原画の販売は、売れる時期に波があり、収入が安定しにくい面があります。他の在宅の仕事と組み合わせると、制作を続けやすくなります。在宅で生かせる資格については在宅ワークに強い資格10選|自宅で稼げるスキルを身につけるで紹介しています。

運営者として見てきた、続く人の共通点

2004年から在宅ワークとフリーランスの仲介を続けてきた運営者として見てきた限りでは、作品を売る活動を長く続けている人には共通点があります。それは、作品そのものだけでなく、作品が届くまでの体験を大切にしていることです。丁寧な梱包、作品に添えた一言、問い合わせへの誠実な返事。こうした細やかな対応が、次の作品を楽しみに待つファンを育てていきます。

作り手と買い手が直接つながる取引では、間に仲介の手数料が入らない分、同じ値段でも作り手の手取りが厚くなり、買い手も作り手に直接思いを伝えられます。原画は1枚しかないからこそ、誰の手に渡るのかが作り手にとっても大切です。作品を気に入ってくれた人と直接やり取りし、信頼関係を積み重ねていくことが、原画の販売を長く続けるいちばんの土台になります。

よくある質問

Q. 原画を売ったら著作権も買い手に移りますか?

原画という物の所有権と、絵の著作権は別のものです。原画を買った人は原画を所有して飾れますが、契約で譲らない限り、複製やグッズにする権利は描いた人に残ります。誤解を防ぐため、商品の説明に「著作権は作者に残り、複製やグッズの制作はできません」と書いておくと安心です。

Q. イラストの原画はどこで売るのがよいですか?

実物を見てほしい作品やファンと直接会いたい場合はギャラリーの展示や即売会、手軽に始めたい場合はminneやCreemaなどのハンドメイドのマーケット、SNSで発信していて世界観を伝えたい場合は自分のネットショップが向いています。展示で実物を見てもらい、ネットでも売る、という組み合わせも一般的です。

Q. 原画の値段はどう決めればよいですか?

作品のサイズ、画材や額の費用、制作にかかった時間、売り場の手数料と送料、これまでに売れた自分の作品の値段、似た活動の規模の作家の値段を材料にします。サイズごとに値段の幅を決めておくと迷いません。一度付けた値段を大きく下げるのは避け、最初は控えめにして、安定して売れるようになったら少しずつ上げていきます。

Q. 原画を発送するときの注意点は?

作品を透明の袋に入れて水濡れを防ぎ、厚紙や板で両面を挟んで折れを防ぎ、箱に入れて隙間に緩衝材を詰めます。額装した作品はガラスやアクリルの面と角を保護します。1点ものなので、追跡ができて補償が付く配送の方法を選び、補償の上限額が作品の値段に見合っているかを確かめてください。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年9月23日最終更新:2026年10月16日
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@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。

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