ダブルワークOKの正社員求人の探し方


この記事のポイント
- ✓ダブルワークOKの正社員求人はどこにあるのか
- ✓求人票のどこを見れば本当に副業が認められているか判断できるのかを解説します
- ✓社会保険と税金の扱いまでまとめました
まず、安心してください。「ダブルワークOKの正社員」という働き方は、もう例外的なものではありません。求人サイトの検索条件に「副業OK」というチェックボックスが標準で用意されている時点で、企業側がそれを選ばれる条件だと認識しているということです。
ただし、求人票に「副業OK」と書いてあることと、入社後に何の制約もなく副業ができることは、まったく別の話です。ここを勘違いすると、入社してから「そういう意味だったのか」となります。この記事では、ダブルワークOKの正社員求人の探し方を、検索のやり方、求人票の読み方、面接での確認の仕方、入社後の手続きという順番で、皆さんと一緒に整理していきます。
ダブルワークOKの正社員求人は、どんな職種に多いのか
最初に市場の全体像を押さえます。求人検索サイトで「副業OK」「WワークOK」の条件をつけて正社員求人を絞り込むと、職種にはっきりした偏りが出ます。
実際の求人票の条件欄を見ると、副業の可否は他の働きやすさ条件とセットで並んでいることがわかります。
特徴[職種未経験OK][業種未経験OK][社会人未経験歓迎][第二新卒歓迎][学歴不問][ブランクOK]...[女性社員50%以上][平均年齢20代][20代の管理職登用実績あり][子育てママ在籍中][副業OK] 出典: 求人ボックス.com
この並びは示唆的です。「副業OK」は単独の制度ではなく、「未経験歓迎」「ブランクOK」「リモート可」といった、人材確保のために間口を広げている企業がまとめて掲げる条件群の一部として出てきます。つまり、副業OKの求人を探すということは、採用に苦労している企業や、働き方の柔軟性で人を集めようとしている企業を探すことと、ほぼ同義です。これは良い悪いの話ではなく、探すときの当たりの付け方に関わります。
職種で言うと、副業OKの正社員求人が多いのは次の領域です。1つ目が、Web系の職種。Webマーケター、SNS運用、Webデザイナー、エンジニアといった職種は、リモート勤務とセットで副業可を打ち出す求人が目立ちます。成果物で評価しやすく、勤務時間の管理がゆるい職種ほど副業を認めやすい、という構造があります。
2つ目が、シフト制の現場職です。介護、看護助手、調理、ドライバー、警備。これらは夜勤や早番など勤務時間が変則的で、もともと「空き時間に別の仕事をする」ことが前提になりやすい。求人票では「WワークOK」「Wワーク可」という表記で出てくることが多いです。
3つ目が、ベンチャー企業や中小企業の管理部門です。大企業より制度の運用が柔軟で、「本人が本業に支障を出さない範囲なら」という個別判断で認めているケースが多くあります。逆に言えば、制度として明文化されていないことも多いので、後述する確認が重要になります。
一方で、副業OKが極端に少ないのが、金融、保険、公務員に準じる職種、そして機密性の高い研究開発職です。これは利益相反や情報管理の都合であり、企業の姿勢というより業種の制約です。この分野で働きながら副業をしたい場合は、求人の絞り込みより先に、副業の内容が本業と競合しない形を考えたほうが早い。
求人票の「副業OK」には、3つの段階がある
ここが一番大事な話です。同じ「副業OK」でも、中身には段階があります。私が求人票と就業規則を突き合わせて見てきた限り、大きく3つに分かれます。
第1段階は「原則禁止だが、申請すれば許可する」型です。就業規則に「会社の許可なく他社に雇用されてはならない」と残したまま、運用で認めているパターン。求人票には副業OKと書いてあっても、入社後に申請書を出して上長の承認を得る必要があります。承認の基準が明文化されていない会社だと、上長によって判断が変わります。これが一番多い形です。
第2段階は「届出制」です。事前に届け出れば原則として認める。会社が把握したいのは、競合他社での就業でないか、長時間労働になっていないか、会社の信用を損なわないかの3点なので、この3つをクリアしていれば通ります。実務上はこれが一番動きやすい形です。
第3段階は「完全に自由」で、届出すら不要な会社です。数は少ないですが、採用広報で明確に打ち出しているベンチャーなどに見られます。
求人票からこの段階を読み分ける方法があります。まず、募集要項の「待遇・福利厚生」欄ではなく、「その他」や「備考」欄を見てください。第2段階以上の会社は「副業可(事前申請制)」「副業・兼業可能です」のように、条件まで書いていることが多い。一方、特徴タグに「副業OK」とあるだけで本文にまったく記述がない求人は、第1段階の可能性が高いと考えたほうがいいです。
もう一つの見分け方が、企業の採用ページや社員インタビューを見ることです。実際に副業をしている社員の話が載っていれば、運用されている証拠になります。載っていなければ、制度はあるが使われていない可能性があります。制度があることと、使える空気があることは別です。
そして、応募前に必ず確認してほしいのが、副業の範囲です。「雇用契約を結ぶ副業(アルバイト)」は認めないが「業務委託や個人事業としての副業」は認める、という会社が実は少なくありません。理由は労働時間の通算義務です。雇用契約を複数結ぶと、労働基準法上、労働時間が通算されて割増賃金の問題が発生します。会社としてはこれを避けたい。逆に業務委託であれば通算の対象外なので、こちらだけ認めるという判断は合理的です。この違いを知らずに「ダブルワークOKだからアルバイトを」と考えると、入社後にずれます。
会社員が副業を始めるときに踏むべき手順を体系的にまとめた会社員が副業を始める完全ガイド|就業規則の確認から確定申告まで【2026年版】には、就業規則のどの条文を見るかまで書かれているので、応募前に一度目を通しておくと判断が速くなります。
ダブルワークOKの正社員求人を探す、具体的な手順
探し方を手順で書きます。遠回りに見えますが、この順番でやると精度が上がります。
第1手順は、副業の内容を先に決めることです。順番が逆に見えるかもしれませんが、これが効きます。「何か副業をしたいから副業OKの会社を探す」と、求人が絞り込めません。「Webライティングを月20時間やりたい」「週末に介護施設で働きたい」と決まっていると、必要な条件が明確になります。前者なら業務委託が認められていれば十分で、後者なら雇用契約の副業が認められている会社でないと成立しません。
第2手順は、求人サイトでの絞り込みです。大手の求人検索サイトには「副業OK」「WワークOK」のフリーワードまたは条件チェックがあります。ここで重要なのは、複数のサイトを横断することです。サイトによって掲載企業層が違い、同じ会社でも掲載されている条件表記が違うことがあります。フリーワードで検索する場合は「副業OK」「副業可」「兼業可」「Wワーク」「ダブルワーク」の5パターンを試してください。表記ゆれで拾えない求人が必ず出ます。
第3手順は、条件の優先順位をつけることです。副業OKだけで選ぶと、給与や勤務地で妥協することになります。私が皆さんに勧めているのは、次の順番で見る方法です。まず年収の下限(本業だけで生活が成り立つ水準か)、次に残業時間(月20時間を超えると副業の時間が取れません)、次に通勤時間、そして副業の可否。副業OKでも毎日残業2時間の会社では、副業に使える時間がありません。ここは冷静に計算してください。
第4手順は、企業研究です。口コミサイトで「残業」「副業」のキーワードで社員の投稿を読みます。求人票の残業時間は平均値なので、部署によって大きく違うことがあります。
第5手順が、応募と面接での確認。ここは次の章で詳しく書きます。
なお、副業の側の準備も並行して進めてください。本業が決まってから副業を探すと、立ち上がりに数ヶ月かかります。在宅でできる仕事の中では、経験がなくても始めやすく、作業時間が読めるものから入るのが現実的です。仕事の流れと単価の考え方を扱ったデータ入力・文字起こし・分類のお仕事や、文章を書く方向に進みたい人向けのSEO記事・ブログ・コピーライティングのお仕事を見ておくと、自分に合う方向が絞れます。事務職としての基礎力を形にしておきたい場合は、表計算の実務スキルを証明できるMOS Excel(Microsoft Office Specialist)が、本業側の評価にも副業側の受注にも効きます。
面接で副業のことを、どう切り出すか
ここで悩む人が非常に多い。結論から言うと、隠さず聞いてください。ただし、聞き方と順番があります。
まず、面接の最初に副業の話を持ち出すのは避けてください。相手はまだあなたの能力を評価していないので、「入社前から副業の話をする人」という印象だけが残ります。適切なタイミングは、面接の終盤、逆質問の時間です。
聞き方は、自分の副業をしたい理由ではなく、会社の制度を確認する形にしてください。「御社では副業をされている社員の方はいらっしゃいますか」「副業について、申請の仕組みがあれば教えてください」。この聞き方だと、相手は制度の説明として答えられます。「私は副業をしたいのですが認められますか」と聞くと、相手は許可を出す立場に立たされるので、慎重な答えになりがちです。
もし理由を聞かれたら、正直に、ただし本業への影響がないことを添えて答えます。「本業に集中したうえで、空いた時間で技術文書を書く仕事を続けたいと考えています。土日と平日の夜に限定するつもりです」。時間帯を具体的に示すと、本業に支障が出ないことが伝わります。
ここで絶対に言わないほうがいいのが、「収入が不安なので」という理由です。悪い理由ではないのですが、面接官には「うちの給与に不満がある」あるいは「すぐ辞めるかもしれない」と聞こえます。スキルを維持したい、経験の幅を広げたい、という言い方のほうが通ります。
そして、内定が出たら、労働条件通知書を受け取る段階で就業規則の副業条項を見せてもらってください。入社前に見せてくれない会社もありますが、「副業の可否について書面で確認したい」と伝えれば、該当部分だけ教えてくれることが多いです。口頭の「大丈夫ですよ」は、担当者が変わると消えます。書面で確認する習慣をつけておくと、後で揉めません。
就業規則そのものがどう作られているかを知っておくと、確認する精度が上がります。副業解禁やリモートワークに対応した規則の作り方を扱ったリモートワーク・副業解禁に対応した就業規則の作成費用と注意点を読むと、会社側が何を気にして条文を書いているかが見えてきます。
副業を始めた後の、社会保険と税金の扱い
入社してダブルワークを始めたら、必ず押さえる点が3つあります。ここを知らないと、後から慌てます。
1つ目が社会保険です。本業で正社員として働いていれば、健康保険と厚生年金は本業の会社で加入しています。副業が業務委託や個人事業であれば、副業側で社会保険の手続きは発生しません。ここはシンプルです。問題は、副業も雇用契約の場合です。副業先でも週20時間以上かつ月額賃金88,000円以上などの条件を満たすと、そちらでも社会保険の加入要件に該当することがあります。この場合、2社以上で被保険者となり、「二以上事業所勤務届」を年金事務所に提出して、保険料を按分する手続きが必要になります。手続きの詳細は日本年金機構の公式サイトで確認してください。
2つ目が労働時間です。雇用契約を2つ結ぶ場合、労働基準法では労働時間が通算されます。本業で1日8時間働いた後に副業先で3時間働けば、その3時間は法定時間外となり、割増賃金の対象になります。この負担をどちらの会社が負うかで実務が複雑になるため、多くの会社が「雇用契約の副業は不可、業務委託なら可」としているわけです。
3つ目が税金です。給与を2ヶ所以上からもらっている場合、年末調整は主たる給与の会社でしか行えません。副業の給与や事業所得は、自分で確定申告する必要があります。副業の所得が年間20万円を超えたら所得税の確定申告が必要というのが基本ルールですが、ここには落とし穴があります。20万円以下でも住民税の申告は必要なのです。この20万円ルールの正確な理解については、住民税まで含めて整理した副業の確定申告20万円ルールを正しく理解する|住民税の落とし穴に注意【2026年版】に、判断の基準が詳しく書かれています。
会社に副業を知られたくない場合、住民税の徴収方法が鍵になります。確定申告書の第二表で、給与以外の所得にかかる住民税を「自分で納付」に丸をつけると、副業分の住民税が会社経由で引かれなくなります。ただし、これは副業が事業所得や雑所得の場合の話で、副業も給与所得だと自分で納付を選べない自治体が多い。ここでも、雇用契約か業務委託かの違いが効いてきます。制度の詳細は国税庁の公式サイトで確認できます。
なお、副業を隠すこと自体はおすすめしません。ダブルワークOKの会社を選んで入るという、この記事の趣旨に立ち返れば、隠す必要がないからです。堂々と届け出て、本業のパフォーマンスで示す。そのほうが長く続きます。
本業と副業を、どう組み合わせるか
制度の話が続いたので、実際の時間の使い方に移ります。
私自身の話を少しします。私は43歳でメーカーを辞めてフリーランスになりましたが、退職を決めてからいきなり辞めたわけではありません。辞める1年以上前から、勤務先の規則を確認したうえで技術文書のライティングを業務委託で受けていました。最初は月に数時間です。それでも、会社の外に自分の名前で受けた仕事がある、という事実が精神的にまったく違いました。皆さんに一番伝えたいのはここです。ダブルワークの価値は、収入の上乗せよりも、本業以外に足場を持っていることの安心感にあります。
失敗もしました。副業を始めて半年くらいの頃、本業が繁忙期に入っているのに副業の納期を重ねてしまい、2週間ほとんど寝られない時期がありました。そのとき学んだのは、副業の量を「使える時間」で決めてはいけないということです。使える時間で決めると、繁忙期にその時間が消えて破綻します。決めるべきは「一番忙しい月でもこなせる量」です。普段は余裕があるくらいでちょうどいい。
具体的な組み方として、3つの型を挙げます。
1つ目が、時間固定型です。平日の夜2時間と土曜の午前中、というように時間を先に決めて、その枠に入る仕事だけ受ける。作業量が読める仕事、たとえばデータ入力や文字起こし、定型的な事務代行に向いています。
2つ目が、案件単位型です。1件いくらの仕事を、月に何件までと決めて受ける。記事の執筆、デザインの制作、動画の編集などが該当します。時間ではなく成果物で契約するので、効率を上げれば時給が上がります。ただし、見積もりを誤ると地獄を見ます。最初の3件は、予想の1.5倍の時間がかかると思っておいてください。
3つ目が、シフト型です。副業先で週に1日か2日、雇用契約で働く。収入は読めますが、前述の労働時間通算と社会保険の問題が出るので、本業の規則を必ず確認してください。
どの型を選ぶにしても、月ごとの記録は必ずつけてください。作業時間と報酬を並べて記録すると、自分の実質時給が見えます。実質時給が本業の時給を大きく下回っている副業は、続ける意味を考え直したほうがいい。職種ごとの水準を知りたい場合は、全国平均と都道府県別の相場を掲載している総合事務員の年収・単価相場のようなデータと突き合わせると、自分の仕事の値段が適正かどうかが判断できます。
業界ごとに、ダブルワークOKの中身はかなり違う
同じ「副業OK」でも、業界が変わると実態が変わります。求人を見比べるときの前提として、主要な4つの領域の事情を書いておきます。
介護・医療の周辺職は、ダブルワークOKの求人がもっとも多い領域のひとつです。理由は、シフト制で勤務時間が変則的なこと、そして人手が慢性的に足りていることです。夜勤専従で週3日働き、残りの日を別の仕事に充てるという働き方が制度として成立しています。求人票では「WワークOK」「夜勤のみ」「週2日から」といった表記で出てきます。注意点は、体力の配分です。夜勤明けにそのまま別の仕事を入れる設計にすると、半年で続かなくなります。介護職の給与水準を全国平均と都道府県別で確認できる介護職員の年収・単価相場を見ると、本業側でどのくらいの収入が見込めるかの目安が立ちます。
運送・物流は、ドライバー不足が続いているため、Wワーク可の正社員求人が出やすい領域です。ただし、ここは労働時間の規制が特に厳しい業界です。自動車運転者については拘束時間や休息期間の基準が定められており、他社での運転業務を掛け持ちすると基準を超えてしまうことがあります。運転業務どうしの掛け持ちは、会社が認めないケースが多いと考えてください。運送会社に勤めながら在宅で事務や執筆をする、といった異業種の組み合わせなら問題になりにくい。
IT・Web系は、副業OKの求人の質が最も高い領域です。リモート勤務、フレックス、成果評価とセットで打ち出されることが多く、制度が実際に運用されています。加えて、本業と副業のスキルが相互に効きます。本業でWebサイトを運用している人が副業で他社のサイトを見ると、比較する視点が育つ。この相乗効果は、他の業界ではなかなか得られません。
小売・飲食は、アルバイトのWワークは一般的ですが、正社員となると話が変わります。正社員は店舗運営の責任を持つため、休日も呼び出しがかかる前提の会社があります。求人票で副業OKとあっても、実際の休日がどれだけ確保されているかを口コミで確認してから判断してください。
この4領域を見比べて分かるのは、「副業OKかどうか」より「勤務時間が読めるかどうか」のほうが、ダブルワークの成否を決めるということです。制度上は認められていても、毎週の勤務時間が直前まで決まらない職場では、副業の予定が組めません。求人を絞り込むときは、副業可の条件と一緒に「シフトが何日前に確定するか」を面接で聞いてみてください。この質問に即答できる会社は、運用がしっかりしています。
転職せずに、今の会社で副業を認めてもらう道もある
ここまで求人の探し方を書いてきましたが、選択肢はもう一つあります。今の会社で副業を認めてもらうことです。転職には時間もリスクもかかるので、先にこちらを検討する価値があります。
まず、自分の会社の就業規則を確認してください。副業について何も書かれていない会社が、実は相当数あります。書かれていないということは、禁止されていないということです。この場合、届け出て問題がなければ始められます。次に多いのが「会社の許可なく他の業務に従事してはならない」という条文です。これは全面禁止ではなく、許可を取れば可能という意味です。
許可を取りに行くときの手順があります。いきなり「副業をしたいです」と言うと、前例がない会社では判断に困って保留されます。効果的なのは、次の3点をまとめた紙を持っていくことです。1つ目、副業の内容と取引先の業種(本業と競合しないことを示す)。2つ目、稼働する曜日と時間帯(本業の勤務時間と重ならないことを示す)。3つ目、情報管理の扱い(本業で得た情報を使わないことを明記)。この3点が書いてあれば、上長は「認める理由」を自分の上に説明できます。
厚生労働省は副業・兼業の促進に関するガイドラインを公開しており、企業に対して原則として副業を認める方向を示しています。制度の考え方や留意点は厚生労働省の公式サイトで確認できます。交渉の場でガイドラインの存在に触れるのは有効ですが、圧をかける使い方はしないほうがいい。会社側が懸念しているのは労働時間管理と情報漏えいなので、そこを自分から潰す提案をしたほうが通ります。
もし断られたとしても、得るものがあります。断られた理由が「競合の懸念」なら副業の内容を変えれば通る可能性があり、「制度がないから」なら制度ができるまで待つか転職かの判断ができます。理由が分かるだけで、次の一手が決まります。
ダブルワークで体と生活を壊さないための管理
最後に、続けるための話をします。収入が増えても、体調を崩したら本末転倒です。
睡眠は削らないでください。これが最優先です。副業の時間を作るとき、真っ先に犠牲になるのが睡眠ですが、睡眠を削ると本業のパフォーマンスが落ちます。本業の評価が下がると、副業が原因だと見なされて、会社の副業に対する姿勢まで硬化します。削るなら、通勤時間の使い方、休日の過ごし方、動画を見る時間のほうです。
次に、月に最低2日は完全な休みを入れてください。本業も副業もやらない日です。予定に入れておかないと、この日は消えます。私の失敗談として、副業を始めた最初の年、休みを「余った時間」で取ろうとして、結局一日も完全休養日を作れなかった月がありました。その翌月に体調を崩して、副業の納期を落としました。先に休む日を決めて、そこに仕事を入れない。これだけで持続性が変わります。
確定申告に備えた記録も、後回しにしないでください。報酬の入金日、金額、源泉徴収の有無、経費として使った金額。これを月末に15分だけ整理する習慣をつけると、年明けの申告が数時間で終わります。溜めると丸2日かかります。会計ソフトを使うなら、無料プランでも取引の記録は十分にできます。
家族がいる場合は、始める前に必ず話してください。副業をすると、家にいる時間の使い方が変わります。黙って始めると「最近付き合いが悪い」という話になりがちです。目的と期間、使う時間帯を共有しておくと、協力が得られます。私の場合、妻に「月に何時間、どの時間帯」を伝えて始めました。これがなかったら続いていません。
額面ではなく手取りで見ると、選ぶ副業が変わる
最後に、収入の見方の話をします。
ダブルワークの目的が収入増なら、比べるべきは額面ではなく手取りです。副業の報酬には所得税と住民税がかかり、業務委託の場合は源泉徴収されているケースもあります。加えて、仲介するサービスを使えば手数料が引かれます。仲介手数料が20%の場合、月5万円の仕事を受けても手元に残るのは4万円です。年間では12万円が消える計算になります。
20年この市場を見てきた立場から言うと、長く続けている人ほど、この手数料の差を軽視していません。同じ作業をしていても、仲介が入る経路と、発注者と直接つながる経路では、5年続けたときの蓄積がまったく違ってきます。発注する側から見ても、中間マージンが乗らなければ同じ予算でより多く依頼できるので、実は双方が得をする構造になっています。手数料0%で直接取引できる経路を1本は確保しておく。これは副業を長く続けるうえでの基本装備だと考えています。
もう一つ、運営者として見てきた限りでは、ダブルワークが続く人には共通点があります。副業の相手と単発の取引で終わらせず、「この人に頼むと確認の手間がかからない」という関係を作っていることです。納期を守る、報告が早い、聞かれる前に状況を伝える。技術的にずば抜けている必要はありません。本業を持っている人は作業時間で勝負できないぶん、この信頼のところで勝負したほうが効率がいい。継続案件になれば営業の手間が消え、同じ時間でより多く稼げるようになります。
ダブルワークOKの正社員求人を探すという入り口は、突き詰めれば「本業を守りながら、外に足場を作れる環境を選ぶ」ということです。副業可という条件だけで飛びつかず、残業時間、給与、通勤時間まで含めて総合で判断してください。焦る必要はありません。良い求人は、探し続けていれば必ず出てきます。
よくある質問
Q. 求人票に「副業OK」とあれば、入社後すぐに副業を始められますか?
多くの場合は事前申請か届出が必要です。求人票の特徴タグに副業OKとあるだけで本文に記述がない求人は、就業規則上は原則禁止のまま運用で認めている可能性があります。内定後、労働条件通知書を受け取る段階で就業規則の副業条項を書面で確認してください。口頭の了承は担当者が変わると消えます。
Q. アルバイトの副業と、業務委託の副業では扱いが違いますか?
違います。雇用契約を複数結ぶと労働基準法で労働時間が通算され、割増賃金や社会保険の按分手続きが発生します。このため「雇用契約の副業は不可、業務委託なら可」とする会社が少なくありません。応募前に、どちらの形が認められているかを確認してください。
Q. 副業の収入が20万円以下なら、何も申告しなくてよいですか?
所得税の確定申告は不要ですが、住民税の申告は必要です。この点を見落とすと後から自治体に指摘されます。また、確定申告をしない場合は住民税の徴収方法を選べないため、会社に副業を知られたくない人ほど、確定申告をして「自分で納付」を選んだほうが確実です。
Q. 副業に使える時間は、どのくらいを目安にすればよいですか?
普段の空き時間ではなく、一番忙しい月でもこなせる量で決めてください。使える時間を基準にすると、本業が繁忙期に入った月に破綻します。残業が月20時間を超える会社だと副業の時間はほとんど取れないため、求人選びの段階で残業時間を確認しておくことが実質的な対策になります。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
前田 壮一@SOHO編集部
元メーカー管理職・43歳でフリーランス転身
大手電機メーカーで品質管理を20年間担当した後、42歳でフリーランスに転身。中高年のキャリアチェンジや副業の始め方を、自身の経験をもとに発信しています。
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