会社員が副業を始める完全ガイド|就業規則の確認から確定申告まで【2026年版】

前田 壮一
前田 壮一
会社員が副業を始める完全ガイド|就業規則の確認から確定申告まで【2026年版】

この記事のポイント

  • 会社員が副業を始めるための完全ガイド
  • 会社にバレない方法まで具体的に解説します

私が副業を始めたのは38歳のとき。メーカーの営業職として15年働いた後、「このまま定年まで1つの会社に頼っていていいのか」という不安がきっかけだった。

最初は土日にWebライティングの仕事を始めた。月2万円程度の収入だったが、5年後にフリーランスとして独立するまでの布石になった。今振り返ると、会社員のうちに副業を始めたのは人生で最も賢い判断の一つだったと思う。

この記事では、会社員が副業を始めるにあたって知っておくべきことを、就業規則の確認から確定申告まで網羅的に解説する。

まずは就業規則を確認する

副業解禁の流れ

2018年に厚生労働省がモデル就業規則を改定し、「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと」という規定が削除された。これを受けて副業を解禁する企業が増えている。

企業規模 副業を認めている割合(2025年時点)
大企業(1,000人以上) 約55%
中堅企業(300〜999人) 約45%
中小企業(300人未満) 約40%

就業規則のチェックポイント

確認事項 内容
副業の許可/届出 完全禁止 or 届出制 or 許可制
競業避止義務 同業他社での副業は禁止の場合がある
情報漏洩の規定 会社の機密情報を副業で利用しないこと
勤務時間の制限 本業に支障が出ない範囲の規定

就業規則を確認せずに副業を始めるのは危険。懲戒処分の対象になる可能性がある。まずは人事部に確認するか、社内イントラネットで就業規則を確認しよう。

副業が禁止されている場合

就業規則で副業が禁止されている場合でも、以下は「副業」に該当しないケースが多い。

  • 不動産投資(資産運用として)
  • 株式・FX投資
  • フリマアプリでの不用品販売
  • ブログ・アフィリエイト(事業規模でない場合)

ただし、判断が難しいケースもあるので、不安なら社労士や弁護士に相談するのが安全だ。

会社員におすすめの副業

本業との両立がしやすい副業

副業 月収目安 必要時間/週 本業との両立 おすすめ度
Webライティング 2万〜8万円 5〜10時間 しやすい ★★★★★
プログラミング 5万〜20万円 10〜15時間 普通 ★★★★☆
動画編集 3万〜10万円 8〜12時間 普通 ★★★★☆
コンサルティング 5万〜15万円 5〜8時間 しやすい ★★★★☆
オンライン家庭教師 2万〜5万円 4〜8時間 しやすい ★★★☆☆
ブログ・アフィリエイト 0〜5万円 5〜10時間 しやすい ★★★☆☆
SNS運用代行 3万〜5万円 5〜8時間 しやすい ★★★★☆

本業のスキルを活かす副業

最も効率がいいのは、本業で培ったスキルを副業に活かすこと。新しいスキルを学ぶ時間を省ける。

本業 活かせる副業 具体例
営業職 セールスライティング、コンサル 提案書の書き方、営業戦略の助言
経理・財務 記帳代行、確定申告サポート 個人事業主の経理代行
エンジニア Web制作、アプリ開発 LP制作、ツール開発
デザイナー バナー制作、ロゴ制作 企業のSNS画像制作
人事 採用コンサル、面接対策 転職希望者への助言
マーケター SNS運用代行、広告運用 中小企業のWeb集客支援

私の場合、営業で身につけた「提案書の書き方」を活かしてWebライティングを始めた。クライアントに対する提案の仕方も営業経験がそのまま役に立った。

時間管理のコツ

平日のスケジュール例

時間帯 活動
6:00〜7:00 副業(朝の1時間)
7:00〜8:30 朝食・通勤
9:00〜18:00 本業
19:00〜20:00 夕食・リラックス
20:00〜22:00 副業(夜の2時間)

週末のスケジュール例

時間帯 活動
9:00〜12:00 副業(集中作業)
12:00〜17:00 プライベート・家族との時間
21:00〜23:00 副業(翌週の準備)

平日3時間×5日+週末5時間=週20時間。これだけ確保できれば、Webライティングなら月5万〜8万円は十分に狙える。

体調管理の重要性

40代以降は、無理をすると本業にも影響が出る。私は副業を始めた最初の半年、夜中の2時まで作業していたことがある。結果、日中の仕事のパフォーマンスが落ちて上司に注意された。

睡眠時間は最低6時間確保する。これは絶対のルールだ。副業の収入より、本業の信頼を失うほうがダメージが大きい。

確定申告のやり方

確定申告が必要になる条件

条件 確定申告
副業所得が年間20万円以下 不要(所得税のみ。住民税は別途申告必要)
副業所得が年間20万円超 必要

※所得=収入−経費

確定申告の流れ

ステップ 内容 時期
1 収入と経費の記録 毎月
2 年間の収支を集計 12月〜1月
3 確定申告書の作成 1月〜2月
4 税務署に提出 2月16日〜3月15日

会計ソフト(freeeマネーフォワード等)を使えば、確定申告は自分でできる。年間1万円程度の出費だが、税理士に依頼する費用(5万〜10万円)を考えれば十分に元が取れる。

経費として計上できるもの

  • パソコン・周辺機器の購入費
  • インターネット回線費(按分)
  • 書籍・教材費
  • コワーキングスペースの利用料
  • クラウドソーシングの手数料
  • 交通費(打ち合わせ等)

会社にバレない方法

副業が会社にバレるパターン

パターン 対策
住民税の増加 確定申告で「自分で納付」を選択
SNSでの発信 実名での発信を避ける
同僚への口外 副業のことは話さない
体調不良・パフォーマンス低下 体調管理を徹底する

最も多いのが住民税でバレるケース。確定申告の際に「住民税の徴収方法」で「自分で納付(普通徴収)」を選択することで、副業分の住民税が会社に通知されなくなる。

ただし、自治体によっては普通徴収に対応していない場合もある。事前に市区町村の税務課に確認しておこう。

そもそも「バレたくない」なら

副業が就業規則で禁止されている場合は、バレた場合のリスクを十分に理解したうえで判断すべき。最悪のケースでは懲戒解雇もありえる。

副業OKの会社に転職するのも一つの選択肢だ。最近は副業を推奨する企業も増えている。

副業を始める前に押さえておきたい法的・社会保険の論点

副業を始める際、就業規則の確認と並んで重要なのが「労働時間の通算」と「社会保険」の問題だ。私が副業を始めた当初、ここを軽く考えていて、後から焦った経験がある。

労働時間は通算される

労働基準法第38条では、複数の事業場で働く場合、労働時間は通算されると定められている。本業で8時間働き、副業でさらに3時間働いた場合、合計11時間となり、本業の所定労働時間を超えた3時間分は時間外労働として扱われる。

労働者が、事業場を異にして労働する場合においても、労働時間に関する規定の適用については、その労働時間を通算する。 出典: mhlw.go.jp

ただしこの規定が適用されるのは、副業先と「雇用契約」を結んでいる場合に限られる。業務委託契約(フリーランスとしての受託)の場合は労働時間の通算対象外となる。

副業の契約形態 労働時間通算 割増賃金
アルバイト・パート(雇用契約) 対象 発生する
業務委託(フリーランス) 対象外 発生しない
不動産・株式投資 対象外 発生しない

会社員が副業をするなら、業務委託契約のクラウドソーシングや個人事業を選んだほうが、本業の会社にも迷惑がかからない。

社会保険の扱い

会社員が業務委託で副業をする場合、社会保険(健康保険・厚生年金)は本業の会社で加入したまま継続される。副業の収入に対しては社会保険料はかからない。

ただし、副業先でも雇用契約を結び、週20時間以上働く場合は、副業先でも社会保険の加入対象となる可能性がある。この場合、両方の事業所で按分して保険料を負担することになり、手続きが煩雑だ。

雇用保険は「主たる賃金を受ける事業所」でのみ加入となる。原則は本業側だけなので、副業を始めても雇用保険上の変更手続きは不要だ。

副業で失敗しないための契約書とトラブル対策

会社員時代、初めて受注したWebライティング案件で報酬未払いを経験した。3万円の小さな案件だったが、契約書を交わさず口約束で進めた結果、納品後に連絡が途絶えた。それ以降、私はどんなに小さな案件でも契約書か発注書を必ず取り交わすようにしている。

フリーランス新法(2026年最新)

2024年11月から施行された「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」(通称フリーランス新法)により、業務委託で仕事を発注する側に書面交付義務が課されている。

特定業務委託事業者は、特定受託事業者に対し業務委託をした場合は、直ちに、特定受託事業者の給付の内容、報酬の額、支払期日その他の事項を書面又は電磁的方法により明示しなければならない。 出典: jftc.go.jp

副業として業務委託で仕事を受ける場合、発注者から必ず以下の書面(メールやチャットでも可)を受け取る権利がある。

明示事項 内容
業務内容 何をするか具体的な作業範囲
報酬額 税込・税抜の別を含む金額
支払期日 納品後60日以内が原則
納期 いつまでに何を納品するか
検収条件 検収の方法と期間

書面交付がない発注は違法になる。トラブル時には公正取引委員会や中小企業庁の「フリーランス・トラブル110番」に相談できる。

報酬未払いへの対策

報酬未払いが発生した場合の対応手順を整理しておく。

ステップ 対応 タイミング
1 期日後の支払い催促(メール) 期日翌日〜1週間
2 内容証明郵便での督促 2週間後
3 フリーランス・トラブル110番へ相談 1ヶ月経過後
4 少額訴訟(60万円以下) 2ヶ月経過後

クラウドソーシングサイト経由の案件であれば、エスクロー(仮払い)制度が機能するため未払いリスクは大幅に下がる。副業初心者はまずクラウドソーシング経由で実績を積み、直接契約は信頼関係ができてからにしたほうが安全だ。

副業から事業化・独立を目指すロードマップ

私が会社員時代の副業から独立まで5年かかった経験から、段階的なロードマップを提示する。いきなり辞めるのではなく、副業を「事業」として育てていく視点が重要だ。

月収ステージごとの戦略

ステージ 月収目安 取るべき行動
第1段階 0〜3万円 案件をこなして実績を作る
第2段階 3万〜10万円 単価交渉・直接契約への移行
第3段階 10万〜20万円 開業届を提出・青色申告へ
第4段階 20万〜30万円 法人化を検討・本業との両立限界
第5段階 30万円超 独立準備(生活防衛資金の確保)

開業届と青色申告のタイミング

副業所得が安定して月10万円を超えるようになったら、税務署に「個人事業の開業・廃業等届出書」を提出し、合わせて「青色申告承認申請書」も提出するのがおすすめだ。

青色申告者には、所得金額の計算などについて有利な取扱いが受けられる特典がある。最高55万円(電子申告又は電子帳簿保存を行う場合は65万円)の青色申告特別控除が受けられる。 出典: nta.go.jp

青色申告にすると最大65万円の特別控除が使えるため、所得税・住民税合わせて年間10万円以上の節税効果がある。会計ソフトを使えば複式簿記の知識がなくても対応可能だ。

独立前に確保すべき生活防衛資金

副業の月収が本業の手取りを超えたら独立を検討するタイミングだが、安易に辞めてはいけない。最低でも生活費の12ヶ月分を貯金として確保しておくこと。フリーランスは収入が不安定で、特に独立直後は案件が途切れることもある。

私の場合、独立時点で500万円の貯金を確保していた。それでも独立後半年は売上が安定せず、貯金を切り崩す月もあった。会社員の信用力を使って住宅ローンや車のローンを組むなら、独立前に済ませておくのも一つの戦略だ。

よくある質問

Q. 副業が会社に絶対バレない方法はありますか?

「絶対にバレない」と保証する方法はありません。しかし、住民税を普通徴収にし、SNSで副業を公開せず、同僚に話さなければ、バレるリスクは大幅に低減できます。最もバレやすいのは住民税の経路と、人づてに広まるパターンです。

Q. 普通徴収に切り替えれば絶対にバレませんか?

住民税経由のバレは大幅に減りますが、SNS・口コミ・副業現場での遭遇といった物理的ルートは別途警戒が必要です。完全に隠せると過信せず、複合的な対策を組み合わせてください。

Q. 副業所得が年20万円以下なら住民税も申告不要ですか?

いいえ、住民税は金額に関係なく申告が必要です。所得税は20万円以下なら不要ですが、住民税の申告書を自治体に提出してください。

Q. 副業で個人事業主をしている場合も確定申告は必要ですか?

本業の所得以外に、副業の所得(売上から経費を引いた金額)が年間20万円を超える場合は、原則として確定申告が必要です。20万円以下の場合は所得税の申告は不要ですが、住民税の申告が必要になる場合があります。

Q. 確定申告が不安です。?

最近は「freee」や「マネーフォワード」などのクラウド会計ソフトを使えば、専門知識がなくても1〜2時間程度で申告書類が作成できます。怖がる必要はありません。

@SOHOでキャリアを加速させよう

@SOHOなら、あなたのスキルを求めているクライアントと手数料無料で直接つながれます。

@SOHOで関連情報をチェック

お仕事ガイド

年収データベース

資格ガイド

前田 壮一

この記事を書いた人

前田 壮一

元メーカー管理職・43歳でフリーランス転身

大手電機メーカーで品質管理を20年間担当した後、42歳でフリーランスに転身。中高年のキャリアチェンジや副業の始め方を、自身の経験をもとに発信しています。

@SOHOで仕事を探してみませんか?

手数料0%・登録無料のクラウドソーシング。フリーランスの方も企業の方も、今すぐ始められます。

関連記事

カテゴリから探す

クラウドソーシング入門

クラウドソーシング入門

クラウドソーシングの基礎知識・始め方・サイト比較

職種別ガイド

職種別ガイド

職種・スキル別の案件獲得方法と単価相場

フリーランス

フリーランス

フリーランスの独立・営業・実務ノウハウ

お金・税金

お金・税金

確定申告・節税・経費・ローンなどお金の知識

スキルアップ

スキルアップ

プロフィール・提案文・単価交渉などのテクニック

比較・ランキング

比較・ランキング

サービス比較・おすすめランキング

最新トレンド

最新トレンド

市場動向・法改正・AIなど最新情報

発注者向けガイド

発注者向けガイド

クラウドソーシングで外注・人材探しをする企業・個人向け

転職・キャリア

転職・キャリア

転職エージェント・転職サイト比較・キャリアチェンジ

看護師

看護師

看護師の転職・副業・フリーランス・キャリアガイド

薬剤師

薬剤師

薬剤師の転職・副業・キャリアパスガイド

保険

保険

生命保険・医療保険・フリーランスの保険設計

採用・求人

採用・求人

無料求人掲載・採用コスト削減・人材募集の方法

オフィス・ワークスペース

オフィス・ワークスペース

バーチャルオフィス・コワーキング・レンタルオフィス

法律・士業

法律・士業

契約トラブル・士業独立開業・フリーランス新法

シニア・50代

シニア・50代

シニア世代のキャリアチェンジ・副業・年金

セキュリティ

セキュリティ

サイバーセキュリティ・脆弱性対策・情報保護

金融・フィンテック

金融・フィンテック

暗号資産・決済・ブロックチェーン・金融テクノロジー

経営・ビジネス

経営・ビジネス

経営戦略・ガバナンス・事業承継・知財

ガジェット・機材

ガジェット・機材

フリーランスに役立つPC・デバイス・周辺機器

子育て×働き方

子育て×働き方

子育てと在宅ワークの両立・保育園・時間管理