惣菜の販売の許可|営業許可と表示の決まり


この記事のポイント
- ✓惣菜の販売に必要な許可を
- ✓そうざい製造業と飲食店営業の違い
- ✓仕入れた惣菜を売るときの営業届出
惣菜の販売の許可を調べている人は、家庭の味の煮物や揚げ物を直売所やネットで売ってみたい人、お弁当や惣菜のお店を小さく始めたい人、飲食店でテイクアウトを始めたい人など、立場がさまざまです。結論から言うと、自分で作った惣菜を売るには、保健所の営業許可が必要です。許可には施設の基準があり、自宅の台所をそのまま使うことはできません。一方、他の店が作って包装した惣菜を仕入れて売るだけなら、許可ではなく届出で済む場合があります。この記事では、どの売り方にどの手続きが要るのかを、施設、表示、段取りの順に説明します。
惣菜の販売に関わる決まりの全体像
惣菜を売るときに関わる決まりは、主に次の2つです。
- 食品衛生法:食品を作ったり売ったりする仕事の衛生を守る法律。保健所の許可や届出は、この法律に基づきます
- 食品表示法:売る食品の名前、原材料、期限、アレルギーの原因になる物などを正しく表示させる法律
ネットで売るなら特定商取引法の表示、会社員の副業なら税金と勤め先の規則も関わります。この記事では、許可と表示を中心に、ほかの決まりにも触れます。
2021年6月に許可の区分が整理された
食品衛生法は2021年6月に大きく改正され、営業の許可が必要な業種が32に整理されました。同時に、許可の対象ではない食品の仕事の多くに、保健所への届出が求められるようになりました。改正前は「そうざい製造業」の範囲や、そうざいの半製品(揚げる前のとんかつのような、仕上げの前の段階の食品)の扱いが地域によって違っていましたが、改正後は国の政令と通知で範囲が示されています。2021年より前の情報を見たときは、今の区分と合っているかを確かめてください。
許可と届出の違い
営業許可とは、保健所が施設を実際に見て、決められた設備の基準を満たしているかを審査し、合格したら営業を認める仕組みのことです。手数料がかかり、許可には有効期間があって、期間が切れる前に更新します。手数料の額や有効期間は、都道府県や市の条例で決められています。
営業届出とは、どこで、誰が、どんな食品を扱う仕事をするかを保健所に知らせる仕組みで、施設の審査はありません。惣菜は作るときに加熱や調理をし、傷みやすい食品なので、作る側は許可、包装された物を仕入れて売る側は届出、という形になることが多くなります。
惣菜を作って売るなら「そうざい製造業」の許可
自分で作った惣菜を、容器に詰めて直売所や店頭、ネットで売る場合に必要になるのが、「そうざい製造業」の営業許可です。そうざい製造業は、食品衛生法施行令で次のように定められています。
そうざい製造業(通常副食物として供される煮物(つくだ煮を含む。)、焼物(いため物を含む。)、揚物、蒸し物、酢の物若しくはあえ物又はこれらの食品と米飯その他の通常主食と認められる食品を組み合わせた食品を製造する営業をいい、(中略)に該当するものを除く。) 出典: e-Gov法令検索「食品衛生法施行令」第35条
つまり、煮物、焼き物、炒め物、揚げ物、蒸し物、酢の物、あえ物といった、おかずになる食品と、それらとご飯などを組み合わせたお弁当を作る営業が、そうざい製造業にあたります。
惣菜の種類と必要な許可の目安
惣菜といっても、品目によっては別の業種の許可になることがあります。よくある品目の目安は次のとおりです。最終的な判断は保健所が行います。
| 作る物 | 必要な許可の目安 |
|---|---|
| 煮物、きんぴら、揚げ物、焼き魚、お弁当 | そうざい製造業 |
| ハム、ソーセージ、ベーコンと、それを使った惣菜 | 食肉製品製造業 |
| かまぼこ、魚の干物などの水産加工品と、それを使った惣菜 | 水産製品製造業 |
| 漬物 | 漬物製造業 |
| パン、ケーキ、クッキー、まんじゅう | 菓子製造業 |
| 豆腐と、豆腐やおからを主原料にした惣菜 | 豆腐製造業 |
| 惣菜を冷凍して売る | 冷凍食品製造業 |
厚生労働省は、1つの施設には営業の形に最も合う1つの許可を取る「一施設一許可」の考え方を示しています。たとえば豆腐店がおからの惣菜を作る場合は、豆腐製造業の範囲で作れるとされています。作りたい品目が複数ある人は、全部の品目を書き出してから保健所に相談すると、どの許可でまかなえるかを判断してもらいやすくなります。
複合型そうざい製造業とは
そうざい製造業の許可に加えて、食肉の処理、菓子、水産製品、麺類の製造も1つの許可で行える「複合型そうざい製造業」という業種もあります。こちらは、HACCPに基づく重点的な工程管理を行うことが条件です。HACCP(ハサップ)とは、作る工程のどこで危険が生じるかを先に考え、特に大事な工程を決めて管理する方法のことです。副業や小さな店の段階では、まずは通常のそうざい製造業を考えるのが一般的です。
飲食店営業の許可でテイクアウトはできるのか
すでに飲食店を営んでいる人や、キッチンカーで料理を出している人にとって大事なのが、飲食店営業の許可で惣菜を売れるかどうかです。
厚生労働省は、飲食店営業の対象になる「調理」について、その場で客に食べさせるか、短い期間のうちに食べられることを前提に、食品を食べるのに適した状態に仕上げることだと説明しています。短期間で食べられることの判断の目安として、調理した人から消費者に直接売る場合や、食品表示法で表示が免除される対面販売であることを挙げています。
短期間のうちに消費されることの判断基準としては、調理した者から消費者に直接販売されるか又は食品表示法上、表示義務が免除される対面販売であることなどが想定される。 出典: 厚生労働省「営業許可制度の見直し及び営業届出制度の創設に関するQ&A」
このため、飲食店の店頭で作った惣菜やお弁当を、その店でお客様に直接売るテイクアウトは、飲食店営業の範囲で行えると考えられています。一方で、作った惣菜を容器に詰めてラベルを貼り、直売所やスーパーに卸したり、ネットで全国に発送したりする場合は、短期間に消費される前提から外れるため、そうざい製造業の許可が求められるのが一般的です。
売り方ごとの許可の目安
| 売り方 | 許可の目安 |
|---|---|
| 飲食店の店頭で、作った惣菜をその場で売る | 飲食店営業の範囲で行えることが多い |
| キッチンカーで作った料理をその場で売る | 飲食店営業(自動車での営業) |
| 作った惣菜を直売所やスーパーに卸す | そうざい製造業 |
| 作った惣菜をネットで売って発送する | そうざい製造業(冷凍で送るなら冷凍食品製造業) |
| 他の店が作って包装した惣菜を仕入れて売る | 営業届出(温度管理が要る包装食品の販売) |
最後の行は、作る人と売る人が違う場合です。東京都の案内では、牛乳、肉、魚、弁当、そうざいのように温度管理が要る包装食品を売る営業は、届出の対象とされています。一方、カップ麺や瓶詰のように常温で長く保存できる包装食品だけを売る場合は、届出も要りません。
許可を取るための施設の基準
そうざい製造業の許可を取るには、施設が基準を満たしている必要があります。基準には、すべての業種に共通するものと、業種ごとのものがあり、厚生労働省の省令で示された内容をもとに、都道府県や市が条例で定めています。主な内容は次のようなものです。
- 作業をする場所が、住居や他の用途の場所と区画されている
- 床や壁は、清掃しやすく水がしみこまない材料になっている
- 手を洗う設備があり、洗浄剤や消毒剤を備えている
- 器具や食器を洗う流し(シンク)が、作業に合った数と大きさである
- 原材料や製品を保管する冷蔵設備や冷凍設備がある
- 飲用に適した水が使える(井戸水などの場合は水質検査が要る)
- 換気の設備があり、虫やねずみが入りにくい構造になっている
流しの数や手洗いの設置場所などは、自治体によって細かな違いがあります。施設を作る前、改装する前に図面を持って保健所に相談するのが、許可を取るまでの一番の近道です。
自宅の台所では許可が取れない
よくある質問が、「自宅の台所で惣菜を作って売れないか」というものです。厚生労働省は、住居の台所と営業施設の関係について、次のように示しています。
住居の台所と営業施設は、工程の配慮や時間設定による区画ではなく、物理的に区画されていることが必要です。 出典: 厚生労働省「営業許可制度の見直し及び営業届出制度の創設に関するQ&A」
家族の食事を作る台所を、営業の時間だけ惣菜づくりに使う、という形では許可は取れません。自宅で始めたい場合は、住居とは壁や扉で分けた別の作業室を作り、その部屋に営業用の設備をそろえる必要があります。費用がかかるため、最初はシェアキッチンを使う人も増えています。
シェアキッチンやレンタルキッチンを使う方法
シェアキッチンとは、営業許可を取った調理施設を、複数の事業者が時間単位や月単位で借りて使う仕組みのことです。自分で施設を作らなくても、許可のある施設で惣菜を作れる点が利点です。
ただし、シェアキッチンを使えば手続きが何も要らないわけではありません。施設の許可を誰が持つか、借りる人ごとに許可を取る必要があるかは、施設の運営の形と自治体の運用で変わります。借りる人がそれぞれ自分の名前で許可を取る形もあれば、運営者の許可の範囲で作る形もあります。契約の前に、次の点を運営者に確認しておきましょう。
- 施設が持っている許可の業種(そうざい製造業か、飲食店営業か、菓子製造業か)
- 借りる人が自分で許可を取る必要があるか
- 食品衛生責任者を借りる人の側で決める必要があるか
- 作った惣菜を施設の外に卸したり、発送したりしてよいか
- 冷蔵庫や冷凍庫を使えるか、使える容量はどれくらいか
特に4は大事です。施設の許可が飲食店営業だけの場合、作った惣菜を卸やネット販売に回せないことがあります。売り方が決まっているなら、その売り方ができる許可の施設を選んでください。
許可を取るまでの手順
そうざい製造業の許可を取る一般的な流れは、次のとおりです。
- 作業場所を決め、図面を持って管轄の保健所に事前に相談する
- 食品衛生責任者を決める(自分がなる場合は講習会を受ける)
- 施設の工事や設備の準備をする
- 保健所に許可申請書と図面を出し、手数料を納める
- 保健所の担当者が施設を確認する
- 基準を満たしていれば許可が出る(許可証が交付される)
- 営業を始める
申請から許可が出るまでには、施設の確認の日程を調整する時間がかかります。開業日を決めている場合は、余裕をもって相談を始めてください。厚生労働省の「食品衛生申請等システム」を使えば、申請をオンラインで行える自治体もあります。
食品衛生責任者とは
食品衛生責任者とは、施設で衛生管理の中心になる人のことで、許可を取る施設ごとに1人を置きます。調理師、栄養士、製菓衛生師などの資格を持つ人はそのままなれる場合があり、持っていない人は、都道府県の食品衛生協会などが開く養成講習会を受けて資格を得ます。講習会は1日で修了する形が多く、日程と受講料は地域ごとに違います。
仕入れた惣菜を売るときに確かめること
自分では作らず、他の店が作った惣菜を仕入れて売る形もあります。たとえば、地域の惣菜店のお弁当を自分の店の一角で売る、農家が作った惣菜を移動販売で売るといった形です。この場合、作る側が許可を持ち、売る側は温度管理が要る包装食品の販売として届出をするのが一般的です。
仕入れて売る側が確かめておきたい点は次のとおりです。
- 仕入れ先が、その惣菜を作るための許可を持っているか
- ラベルに必要な表示がそろっているか(特に消費期限とアレルゲン)
- 売り場まで運ぶ間と、売り場での保管の温度を守れるか
- 消費期限を過ぎた商品を下げる手順が決まっているか
- 問題があったときに、仕入れ先とどう連絡を取り合うか
仕入れた惣菜を容器から出して小分けにしたり、盛り付け直したりすると、売る側が作る側と同じ扱いになり、許可が必要になることがあります。袋や容器のまま売る、という線を守るのが、届出で売るときの基本です。
許可を取ったあとに続ける手続き
許可を取ったあとも、いくつかの手続きが続きます。許可には有効期間があり、期間が切れる前に更新の申請をします。期間の長さは自治体の条例で決まっていて、施設の状態によって長さが変わる自治体もあります。屋号、作業場所の設備、食品衛生責任者などが変わったときは、変更の届出が必要です。設備を大きく変える工事や、作業場所の移転をするときは、新しく許可を取り直すことになる場合もあるので、工事の前に保健所に相談してください。
営業をやめるときは、廃業の届出をします。シェアキッチンから自分の作業場に移るときなど、使う施設が変わる場面では、どちらの許可で何を作るのかが途切れないよう、切り替えの時期を保健所と相談しておくと安心です。
惣菜の衛生管理で気をつけること
2021年の改正で、原則としてすべての食品事業者に「HACCPに沿った衛生管理」が求められるようになりました。小さな事業者は、業界団体が作った手引書をもとに、衛生管理の計画を作り、実行し、記録を残す形で取り組みます。
惣菜は、加熱したあとに冷ます、詰める、保管するという工程があり、その間に菌が増えやすい食品です。とくに気をつけたい場面は次のとおりです。
- 加熱:中心まで十分に火を通す。揚げ物や肉の惣菜は、中心の温度を測って記録する
- 冷却:加熱したあとは、菌が増えやすい温度帯を早く通り過ぎるように冷ます
- 詰め合わせ:手洗いをし、清潔な器具や使い捨て手袋で詰める
- 保管と運搬:冷蔵が必要な惣菜は、作ったあとから売り場まで温度を保つ
大量に作ったカレーや煮物を鍋のまま常温で置いておくと、ウエルシュ菌という熱に強い菌が増えて食中毒の原因になることが知られています。大きな鍋の料理は小分けにして早く冷ますなど、量が増えたときほど冷ます工程に気を配ってください。
記録の付け方の例
| 記録する項目 | 例 |
|---|---|
| 作った日と品目 | 10月20日、筑前煮、鶏の唐揚げ |
| 加熱の確認 | 唐揚げ中心温度を測定し記録 |
| 冷却の時間 | 鍋から小分けにし、冷蔵庫へ |
| 詰めた数と消費期限 | 20パック、10月21日 |
| 冷蔵庫の温度 | 朝と夕方に確認 |
| 体調の確認 | 作業者に下痢や発熱がないか |
作業する人の体調の確認も、衛生管理の大事な項目です。下痢や発熱、手の傷があるときは、調理や詰める作業から外れるルールを決めておきましょう。手の傷は、黄色ブドウ球菌という菌が食品に移る原因になることが知られています。小さな傷でも、耐水性の絆創膏と使い捨て手袋で覆ってから作業するなど、家族や手伝いの人とも同じルールを共有しておくと安心です。記録用紙は、作業場の目につく場所に貼っておくと、書き忘れを防げます。
惣菜のラベルに書くこと
容器に入れて売る惣菜は、食品表示基準でいう加工食品にあたり、原則として次の項目を表示します。
| 表示項目 | 書き方の例 |
|---|---|
| 名称 | 惣菜(筑前煮) |
| 原材料名 | 重さの割合の多い順に書く |
| 添加物 | 使った物を書く |
| 内容量 | 200g |
| 消費期限 | 年月日で書く |
| 保存方法 | 要冷蔵(10℃以下) |
| 製造者の氏名と住所 | 屋号ではなく、氏名か法人名と住所 |
| アレルゲン | 特定原材料を含む旨 |
| 栄養成分表示 | 熱量・たんぱく質・脂質・炭水化物・食塩相当量 |
| 原料原産地 | 一番多い原材料の産地 |
惣菜は傷みやすいので、多くの場合「消費期限」を表示します。消費期限とは、その日までに食べるべき期限のことで、品質が急に悪くなる食品に使います。日持ちのする食品に使う「賞味期限」とは意味が違います。
アレルゲンの表示
アレルゲンとは、食物アレルギーの原因になる物のことです。食品表示基準では、えび、かに、くるみ、小麦、そば、卵、乳、落花生の8品目を「特定原材料」として、含む場合の表示を義務づけています。惣菜は多くの原材料を使うので、調味料に含まれる小麦や乳を見落としやすい点に注意してください。しょうゆや市販のたれ、パン粉などは、原材料の表示を見て、特定原材料が入っていないかを確かめます。
表示を省略できる場合
作った場所でそのまま売る場合は、原材料名、製造者などの表示を省略できる特例があります。飲食店の店頭で、作った惣菜をその場で対面で売るような形がこれにあたります。ただし、アレルギーについて聞かれたときに答えられるよう、店の中で原材料の一覧を用意しておくのが望ましいとされています。
栄養成分表示は、消費税を納める義務が免除されている事業者や、中小企業基本法でいう小規模企業者が売る場合などには、省略できると基準に書かれています。ただし、「低カロリー」「たんぱく質たっぷり」など栄養に関わる言葉を書くと、栄養成分表示が必要になります。表示の全体像は、消費者庁の食品表示法のページにまとまっています。
お弁当や冷凍の惣菜を売るときの注意
惣菜の中でも、お弁当と冷凍の惣菜は、売り方の幅が広がる一方で、気をつける点が増えます。始める前に、それぞれの特徴を押さえておきましょう。
お弁当を売る場合
お弁当は、ご飯と複数のおかずを組み合わせた食品で、そうざい製造業の定義に含まれています。おかずの種類が多い分、原材料とアレルゲンの表示が長くなりやすく、表示の確認に時間がかかります。食品表示基準では、お弁当に入っている副食物は、外から見て原材料が明らかなものに限って「おかず」とまとめて書けるとされていますが、アレルゲンは省略できません。卵焼き、揚げ物の衣、ソースなど、どのおかずにどの特定原材料が入っているかを一覧にしておくと、表示を作るときもお客様に聞かれたときも答えやすくなります。
お弁当は作ってから食べるまでの時間が短いことを前提にしていますが、配達や売り場での陳列の時間を考えると、気温の高い時期は特に傷みやすくなります。揚げ物や焼き物は十分に冷ましてから詰め、ご飯とおかずの温度差で容器の中に水滴がたまらないようにします。配達するなら保冷の箱や保冷剤を使い、配達の時刻と温度を記録しておくと、問い合わせへの答えにもなります。
冷凍の惣菜をネットで売る場合
ネットで全国に惣菜を売りたいとき、多くの人が考えるのが冷凍です。ただし、そうざいを作って冷凍した物を売る営業は、食品衛生法施行令で「冷凍食品製造業」という別の業種に整理されています。そうざい製造業の許可だけでは、冷凍の惣菜を製品として売れない場合があるので、冷凍で売る予定があるなら、最初の相談の段階で保健所に伝えてください。
冷凍食品には、表示の項目も加わります。凍結する直前に加熱されたものかどうか、食べるときに加熱が必要かどうかの別などを書く決まりがあり、保存方法には冷凍の温度を書きます。冷凍で送る場合は、配送の業者の冷凍便を使い、受け取ったお客様にすぐ冷凍庫へ入れてもらうよう案内します。解凍したあとの扱いと、再冷凍をしないでほしいことも、同梱の案内に書いておくと安心です。
万一のときの備えと値付け
惣菜は、作り方と保管に気を配っていても、食中毒や異物の混入が起きる可能性をゼロにはできない食品です。万一のときに備えて、次のような準備をしておくと、被害を最小限にとどめられます。
- 記録を残す:作った日、品目、加熱の確認、保管の温度、作業者の体調を記録しておけば、原因を早く絞り込めます
- 連絡先を表示する:ラベルや販売ページに、問い合わせ先をはっきり書いておきます
- 保険を検討する:作った食品が原因で他人に損害を与えたときに備える、生産物賠償責任保険(PL保険)などがあります。補償の範囲と保険料は保険会社ごとに違うので、見積もりを取って比べてください
- 保健所への連絡:お客様から体調不良の連絡を受けたら、自己判断せず保健所に相談します
値付けの考え方
惣菜の値段を決めるときは、材料費だけでなく、容器、ラベル、光熱費、シェアキッチンの利用料、売り場の手数料、売れ残りで廃棄になる分を、1パックあたりに直して考えます。とくに廃棄の分は見落としがちで、作った数の何割が売れ残るかによって、利益が大きく変わります。最初の数週間は、品目ごとに作った数、売れた数、廃棄した数を記録し、売れ方に合わせて作る量と品目を見直していくのが確実です。
同じ品目でも、量を変えた2種類のパックを用意すると、1人分を求めるお客様と家族向けのお客様の両方に選んでもらいやすくなります。値札とラベルの内容量が食い違わないよう、量を変えたら表示も必ず作り直してください。
惣菜を売る場所と販売方法
許可と表示がそろったら、売り先を選びます。主な販売方法は次のとおりです。
| 販売方法 | 向いている人 | 気をつけること |
|---|---|---|
| 自分の店の店頭 | 地域のお客様に毎日売りたい人 | 売れ残りを見込んだ作る量の調整が要る |
| 農産物直売所・道の駅 | 地元の食材を使った惣菜を出したい人 | 冷蔵の売り場があるか、持ち込みの時間を確認する |
| 地域のイベント・マルシェ | 試しに売ってみたい人 | 開催地の保健所への届出や臨時営業の扱いを確認する |
| ネット販売 | 冷凍や日持ちのする惣菜を全国に売りたい人 | 冷凍で送るなら冷凍食品製造業の許可が要る場合がある |
| 企業や施設へのお弁当の配達 | 決まった数を毎日作れる人 | 配達中の温度管理と、消費期限の設定が要る |
ネットで売る場合は、特定商取引法の「通信販売」の表示が必要です。販売ページに事業者の氏名、住所、電話番号、代金の支払い方法、引き渡しの時期、返品の条件などを表示します。個人で売る場合も対象です。詳しくは消費者庁の特定商取引法のページで確認できます。
イベントで売るときの扱い
お祭りやマルシェなどで惣菜を売る場合は、開催地の都道府県や市の決まりに従います。イベントの期間だけの臨時の営業について、独自の届出や許可の決まりを設けている自治体もあります。主催者がまとめて保健所に相談している場合もあるので、出店の申し込みのときに、どの手続きが要るかを確認してください。屋外のイベントでは、気温が高い日の保管と、手洗いの設備の確保が特に問われます。保冷の箱と温度計、手洗い用の水のタンク、ごみ袋を持ち込むなど、出店の準備の一覧を作っておくと当日に慌てません。
副業で始めるときの段取りと費用の考え方
会社員が副業で惣菜を売る場合、自分で施設を作るとまとまった費用がかかります。そこで、次のような段階を踏む人が多く見られます。
- シェアキッチンや、許可を持つ店の空き時間を借りて、少量を作って売ってみる
- 売れる品目と量、売り場の手応えを確かめる
- 続ける見込みが立ったら、自分の作業場を作り、そうざい製造業の許可を取る
費用を考えるときは、施設の工事費だけでなく、冷蔵庫や冷凍庫、容器、ラベル、売り場の手数料、廃棄になる分も入れて見積もります。惣菜は消費期限が短いので、売れ残りはそのまま損失になります。作る量を少なめから始め、売れ方を見て増やすのが安全です。
売る曜日と時間帯を絞るのも、副業で続けるための工夫です。たとえば週末だけ直売所に出す、平日は近くの事業所への昼のお弁当だけを受ける、といった形にすると、仕事と両立しながら作る量を読みやすくなります。注文を前日までに受ける予約制にすれば、作った数と売れる数の差を小さくでき、廃棄も減らせます。予約の受け付けと受け渡しの時刻を決めておくと、作ってから食べるまでの時間も短くなり、衛生の面でも有利です。
税金と勤め先の規則
売上から経費を引いて所得が出れば、所得税の申告が必要になる場合があります。会社員なら、給与以外の所得が年間20万円を超えると確定申告が必要になるのが原則ですが、住民税の申告は金額にかかわらず必要になるなど、扱いは人によって違います。事業として続けるなら、税務署に開業届を出し、青色申告を選ぶかどうかも考えることになります。具体的な扱いは、税務署か税理士に確認してください。勤め先の就業規則で副業に届出が要る場合もあるので、始める前に確認しておきましょう。
つまずきやすい点の確認
惣菜の販売を始めた人がつまずきやすい点は、次のとおりです。
- 飲食店営業の許可のまま、惣菜を卸やネット販売に回してしまう:売り方に合った許可か、保健所に確かめます
- 自宅の台所で作れると思って準備を進めてしまう:住居と物理的に区画された作業場が必要です
- シェアキッチンの許可の範囲を確かめずに契約してしまう:施設の業種と、外に売ってよいかを先に聞きます
- 調味料に含まれる小麦や乳の表示が抜ける:原材料の表示を1つずつ確認します
- 大きな鍋の煮物を常温で冷ましてしまう:小分けにして早く冷まします
どれも、始める前に保健所に相談しておけば防げるものです。相談では、作りたい品目、作る場所、売る場所、売り方を具体的に伝えると、必要な許可と施設の条件を一度に教えてもらいやすくなります。
仲介の現場から見た食品販売の副業
在宅ワークとフリーランスの仲介を2004年から続けてきた運営者として見ると、食品を扱う副業で続いている人は、作ることと同じくらい、伝えることに力を入れています。惣菜は見た目で味が想像できる分、写真と短い説明で選ばれ方が大きく変わります。メニュー表、ラベル、店頭の案内、販売ページを整える作業は、在宅でデザインや文章の仕事をしている人に頼む方法もあります。
デザインを頼むときの相場は、デザイナーの年収・単価相場が参考になります。仲介の手数料がかからない直接のやり取りなら、同じ予算でも頼める範囲が広がり、受ける側の手取りも厚くなります。取引先への連絡文や、イベントの主催者への申込書など、正確な文章を書く場面も増えるので、ビジネス文書検定の内容に目を通しておくと役立ちます。家で取れる資格を広く比べたい人は、在宅ワークに強い資格10選|自宅で稼げるスキルを身につけるも参考にしてください。
惣菜の販売は、作るならそうざい製造業などの営業許可、仕入れて売るなら届出、という区分を押さえれば、何を準備すればよいかが見えてきます。施設の基準と売り方の範囲は自治体と許可の業種で変わるので、作りたい物と売りたい場所が決まったら、最初に保健所に相談してください。
よくある質問
Q. 自宅の台所で作った惣菜を売ることはできますか?
自宅の台所をそのまま使って惣菜を売ることはできません。そうざい製造業などの営業許可には施設の基準があり、厚生労働省は住居の台所と営業施設は物理的に区画されている必要があると示しています。自宅で始めるなら住居と分けた作業室を作るか、営業許可のあるシェアキッチンを使う方法があります。
Q. 飲食店営業の許可があれば惣菜を売れますか?
飲食店の店頭で作った惣菜をその場でお客様に直接売るテイクアウトは、飲食店営業の範囲で行えると考えられています。一方、容器に詰めて直売所やスーパーに卸したり、ネットで発送したりする場合は、そうざい製造業の許可が求められるのが一般的です。売り方に合った許可か保健所に確認してください。
Q. 他の店が作った惣菜を仕入れて売る場合も許可は必要ですか?
他の店が作って包装した惣菜を仕入れてそのまま売る場合は、作る許可ではなく、温度管理が要る包装食品の販売として営業届出の対象になるのが一般的です。容器から出して小分けにしたり、盛り付け直したりすると扱いが変わることがあります。仕入れ先が許可を持っているかも確認しておきましょう。
Q. 惣菜のラベルで特に注意する表示は何ですか?
消費期限とアレルゲンの表示です。惣菜は傷みやすいので多くの場合消費期限を表示します。アレルゲンは、えび、かに、くるみ、小麦、そば、卵、乳、落花生の8品目が表示の義務の対象です。しょうゆやたれ、パン粉など調味料や副材料に含まれる小麦や乳を見落としやすいので注意してください。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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