クラフトフェアの出店|申し込みと準備の流れ


この記事のポイント
- ✓クラフトフェアに出店したい人向けに
- ✓応募書類と選考の仕組み
- ✓主催者が公開している募集要項をもとに順を追って説明します
クラフトフェアに出店してみたいけれど、どこに申し込めばよいのか、選考はどう通るのか、費用はどれくらいかかるのかが分からない。手作りの器やアクセサリー、布小物を作っている人が最初にぶつかるのは、作品の出来よりも、こうした段取りの部分です。
この記事では、クラフトフェアの出店を考えている人に向けて、フェアの探し方、応募書類と選考の仕組み、出展料などの費用、ブースの作り方、当日の持ち物と売り方、食品を出すときの許可、売上が出たときの税金までを順に説明します。数字や手順は、主催者が公開している募集要項から確かめたものを使っています。
先に結論を書くと、クラフトフェアの出店で一番大事なのは、応募の締切が開催の半年近く前に来ることを知っておくことです。人気のフェアほど募集が早く、選考もあります。作品を作り始める前に、出たいフェアの日程と締切を手帳に書き込むところから始めてください。
クラフトフェアとはどんな場か
クラフトフェアは、陶磁器、木工、漆、ガラス、金属、染織、革などの手仕事の作り手が集まり、自分の作品を来場者に直接販売するイベントです。公園の芝生や駅前の広場、商業施設の中など、会場はさまざまです。入場は無料のことが多く、作り手と使い手が顔を合わせて話せることが最大の特徴です。
ハンドメイドの販売サイトやマルシェとの違い
ハンドメイドの販売サイトは、作品の写真と説明文で売る場所です。お客様は作品を手に取れないので、写真の良し悪しが売れ行きを大きく左右します。一方のクラフトフェアは、重さ、手触り、色の深さを実際に確かめてもらえます。器のように「持ってみて初めて良さが分かる」作品ほど、フェアとの相性が良いといえます。
マルシェや手作り市と比べると、クラフトフェアは作品の質を重視した選考を行うところが多いのが違いです。誰でも申し込めば出られる催しもありますが、名の知れたフェアは応募者が募集数を上回り、書類と写真で選考します。たとえば静岡県浜松市の浜名湖アート・クラフトフェアは、2026年の募集について、応募が予定数を上回ったため選考会を開くと案内しています。
主なクラフトフェアの開催時期
全国のクラフトフェアは、気候の良い春と秋に集中します。主催者が公開している2026年の開催日を3つ挙げます。
| フェア | 開催地 | 2026年の開催日 | 出展の規模・特徴 |
|---|---|---|---|
| クラフトフェアまつもと | 長野県松本市 あがたの森公園 | 5月30日・31日 | 第42回。屋外の公園で開催 |
| 浜名湖アート・クラフトフェア | 静岡県浜松市 浜名湖ガーデンパーク | 10月3日・4日 | 第20回。出展者数300名、雨天決行 |
| GIFUクラフトフェア | 岐阜県岐阜市 JR岐阜駅周辺の4会場 | 10月10日から12日 | 3日間。屋内の施設が中心 |
開催日は毎年変わるので、出たいフェアは公式サイトで最新の案内を確かめてください。浜名湖アート・クラフトフェアのように、次回の募集開始をメールで知らせる登録の仕組みを用意しているフェアもあります。
出たいフェアの探し方と選び方
クラフトフェアは全国で毎週のように開かれていますが、自分に合うフェアを選ばないと、出展料や交通費をかけても作品が動きません。探し方と、選ぶときに見る点を整理します。
探し方
探し方は主に3つあります。
- 全国のクラフトフェアの開催情報を集めた一覧サイトで、地域と月から探す
- 自分と同じ素材を扱う作り手のSNSを見て、どのフェアに出ているかを調べる
- 地元の自治体や商工会議所、商業施設の催し案内を確かめる
いきなり遠方の大きなフェアに応募するより、まずは来場者として足を運ぶのが確実です。会場の広さ、ブースの並び方、来場者の年齢層、売れている作品の価格帯は、実際に歩いてみないと分かりません。気になったブースの作り手に、どのような什器を使っているかを見せてもらうだけでも、自分の出展の準備が具体的になります。
選ぶときに見る5つの点
フェアを選ぶときは、次の5つを確かめます。
- 開催地までの距離と、搬入・搬出の手段。車で運べるか、宅配便の受付があるか
- 屋外か屋内か。屋外なら雨風と日差しへの備えが要る
- 出展料などの費用の総額。応募の時点でかかる費用と、出展が決まってからかかる費用に分かれていることが多い
- 出展できるジャンル。素材ごとに枠を決めているフェアや、食品を扱えないフェアがある
- 選考の有無と募集数。選考のあるフェアは、作品の写真と説明文の出来が結果を左右する
自分の作品の価格帯と、来場者が財布を開く価格帯が合っているかも重要です。1点数万円の工芸品が並ぶフェアに、数百円のアクセサリーだけで出ると、目当ての客層とずれてしまいます。逆もまた同じです。
申し込みから出展決定までの流れ
ここからは、主催者が公開している募集要項をもとに、申し込みの流れを具体的に見ていきます。フェアによって細かな違いはありますが、大まかな順番はどこも似ています。
応募の締切は開催の半年近く前
クラフトフェアまつもと2026の場合、開催は5月30日・31日ですが、応募の受付は2025年12月10日に始まり、締切は2026年1月10日(消印有効)でした。開催の4か月以上前に締切が来ます。GIFUクラフトフェアも、10月の開催に対して受付の締切は5月17日でした。浜名湖アート・クラフトフェアは10月の開催に対して、出展者の募集を6月10日までとしていました。
人気のフェアに出たいなら、作品の写真は前の年のうちに撮り終えておく必要があります。開催の直前に思い立っても、多くの場合は間に合いません。
応募の手順の例
クラフトフェアまつもと2026の応募手順は、次の4段階でした。
- ホームページの事前登録ページで必要事項を入力し、登録番号を受け取る
- 応募用紙を作り、登録番号を書き込む
- 応募申込料を郵便振込で支払う
- 応募用紙と振込明細のコピーを、折らずに角2型の封筒で郵送する
ここで注意したいのは、事前登録だけでは応募が完了しないことです。応募手順の案内には、登録だけでは応募は完了していないと太字で書かれています。応募用紙と申込料の振込明細のコピーが届いた時点で申し込みが完了します。オンラインで済むと思い込んで、郵送を忘れる人が出やすいところです。
一方、GIFUクラフトフェアのように、申請をすべてWebのフォームで受け付けるフェアもあります。紙で送るのか、Webで済むのかは、フェアごとに必ず確かめてください。
応募書類に書くこと
応募書類で求められるのは、おおむね次の内容です。
- 氏名、工房名、住所、電話番号、メールアドレス
- 出展するジャンル(陶磁、木工・漆、染織・布、ガラス、金属、皮革など)
- 応募経験と出展経験の有無
- 代表的な作品の写真と、出展時のブースの様子が分かる写真
- 展示のテーマや、日頃のものづくりへの思いを書いた文章
クラフトフェアまつもとの材料・道具・情報部門の応募要項では、展示のテーマや思いを書く用紙について、選考の対象になるので必ず書くように求めています。写真だけでなく、文章も審査されるということです。
選考と出展決定
選考のあるフェアでは、書類の到着後に審査があり、結果が通知されます。GIFUクラフトフェア2026では、1次選考の当選通知が6月下旬頃まで、2次選考の通知が7月下旬頃までという日程でした。浜名湖アート・クラフトフェアは選考結果の通知を7月1日頃の予定としていました。
選考に通ったら、出展料を指定の期日までに振り込み、入金の確認をもって出展が確定するのが一般的な流れです。期日までに振り込まないと、当選しても出展できません。
出展にかかる費用
クラフトフェアの出展で、最初に驚くのが費用の内訳です。主催者に払うお金だけでなく、移動や設営にもお金がかかります。
主催者に払う費用の例
主催者の募集要項に書かれている費用を並べます。
| フェア | 費用の名目 | 金額 |
|---|---|---|
| クラフトフェアまつもと2026 | 応募申込料 | 2,000円(返却なし) |
| クラフトフェアまつもと2026 | 有料テントの使用料(希望者のみ、3.6m×2.7m) | 30,000円 |
| クラフトフェアまつもと2025 材料・道具・情報部門 | 出展料 | 30,000円 |
| GIFUクラフトフェア2026 | 広告宣伝費の一部負担金(通常ブース1.8m×1.8mなど) | 15,000円(税込) |
| GIFUクラフトフェア2026 | 広告宣伝費の一部負担金(ミニブース1m×1.5m) | 13,000円(税込) |
ここから分かるのは、応募の時点で払うお金と、出展が決まってから払うお金が分かれているフェアがあることです。クラフトフェアまつもとの応募申込料は、選考に落ちても返ってきません。応募用紙を送らずに振込だけした場合も返却されないと要項に明記されています。
もう1つ大事なのが、自己都合でキャンセルしたときの扱いです。GIFUクラフトフェアの要項は、出店者の都合で辞退した場合、負担金は返金しないとしています。体調や家族の予定で出られなくなる可能性も考えて申し込んでください。
主催者に払う以外の費用
主催者に払う費用のほかに、次のような費用がかかります。
- 交通費と駐車場代。GIFUクラフトフェアは駐車料金を出展者の負担としている
- 遠方なら宿泊費
- テント、テーブル、棚、布などの什器と装飾の費用
- 値札、名刺、ショップカード、包装紙、紙袋
- 釣り銭、キャッシュレス決済の端末や手数料
- 雨や日差しへの備え(重し、雨よけのシート、日よけ)
初めての出展では、什器をそろえるだけで数万円かかることもあります。いきなり全部を買わず、家にある折りたたみテーブルや布で始め、出展を重ねながら少しずつそろえると、出費を抑えられます。
採算の考え方
出展の採算は、売上から作品の材料費を引いた額が、出展料と諸経費を上回るかで考えます。たとえば出展料などの費用の合計が3万円なら、材料費を引いた手元に残る額で3万円を超えないと赤字です。単価2,000円の作品で原価が500円なら、1点あたり1,500円が残る計算なので、20点売ってようやく費用と同じになります。
ただ、クラフトフェアの価値は当日の売上だけではありません。名刺を受け取ったお客様が後日ネットショップで買ってくれたり、ギャラリーやお店から取り扱いの声がかかったりすることがあります。最初の数回は、売上だけで判断しないほうがよいでしょう。
ブースの作り方
選考に通ったら、次はブースの準備です。ブースは、作品を並べる売り場であると同時に、作り手の世界観を伝える場でもあります。
区画の広さを先に確かめる
ブースの広さはフェアによって大きく違います。GIFUクラフトフェア2026の通常ブースは1.8m×1.8mまたは1.6m×2m、ミニブースは1m×1.5mでした。クラフトフェアまつもとの有料テントは3.6m×2.7mです。区画が決まったら、自宅の床にマスキングテープで同じ広さを区切り、什器と作品を実際に並べて試しておくと、当日あわてません。
GIFUクラフトフェアの要項では、ブースの引き渡しは床のマーキングだけで、壁や仕切りは無いとしています。什器は持ち込みで、主催者からの貸し出しはありません。こうした条件は要項に書かれているので、準備を始める前に必ず読み込んでください。
屋外の会場で気をつけること
屋外のフェアでは、テントを自分で用意する場合があります。クラフトフェアまつもとでは、有料テント以外のクラフト部門の出展者は、当日の朝に各自で出展場所を決める方式でした。場所決めのために公園に入る順番は、応募用紙の到着日時の順をもとに決まります。応募書類を早めに送ることが、良い場所を取ることにもつながるわけです。
屋外では、風でテントが飛ばないよう重しを必ず用意します。急な雨に備えて、作品を覆う透明のシートや、濡れても困らない箱も持っていきます。日差しで革や布が色あせることもあるので、日よけも考えておきましょう。
作品の見せ方
作品の並べ方には、いくつかのコツがあります。
- 高さを出す。テーブルの上に箱や棚を使って段をつけると、遠くからでも目に入る
- 主役の作品を決める。ブースの正面に、一番見てほしい作品を少し大きめに飾る
- 価格を見やすくする。値札がないと、お客様は声をかけにくい
- 触ってよいかを示す。「どうぞ手に取ってご覧ください」と書いた札があると、器や布小物は手に取ってもらいやすい
- 使っている場面を見せる。器に花を生けたり、バッグに小物を入れたりすると、暮らしの中での使い方が伝わる
ブースの見た目は、写真に撮ってSNSに載せたときの印象にもつながります。作品の写真の撮り方やブースのレイアウトは、デザインの考え方がそのまま役立つ分野です。デザインを仕事にしている人がどのくらいの収入を得ているかは、デザイナーの年収・単価相場で職種ごとの水準を確かめられます。
当日の持ち物と売り方
当日は、朝早くから搬入と設営があり、閉場後には撤収があります。体力と段取りの勝負です。
持ち物の一覧
忘れると困る持ち物を挙げます。
- 作品と在庫。人気の作品は多めに持っていく
- 什器、テーブル、布、テントと重し
- 値札、作品の説明カード、名刺やショップカード
- 釣り銭と小銭入れ、レジ代わりの記録用紙
- キャッシュレス決済の端末やQRコードの掲示物、スマートフォンの充電器
- 包装紙、緩衝材、紙袋
- 筆記用具、はさみ、ガムテープ、結束バンド
- 雨具、日よけ、防寒着、飲み物と軽食
クラフトフェアまつもとでは、宅急便を使った前日の荷物の預かりと、2日目の終了時の宅急便の受付を予定していると要項に書かれていました。一方、GIFUクラフトフェア2026は宅配便の預かりをしないとしていました。搬入の手段もフェアごとに違うので、出展者向けの案内を確かめてください。
火気と禁煙のルール
多くのフェアは、ブースでの火の使用を厳しく制限しています。クラフトフェアまつもとの要項では、個人的な用途での火の使用はできず、出展に関わる火の使用(発電機を含む)には届出が要るとしています。会場の公園には国の重要文化財の建物があり、周辺は防火の重点区域です。GIFUクラフトフェアもブース内での火の扱いを禁止しています。
キャンドルの実演販売や、ガラスのバーナーワークの実演をしたい人は、火を使えるかを応募の前に主催者へ確かめてください。
売り方のコツ
クラフトフェアのお客様は、作り手と話すことを楽しみにしている人が多いのが特徴です。いきなり売り込まず、まずは「こんにちは」「どうぞご覧ください」と声をかけ、お客様が作品を手に取ったら、素材や作り方を短く伝えます。
- 作り方の話をする。「この器は、釉薬を3回重ねています」のような一言があると、価格の理由が伝わる
- 使い方の提案をする。「電子レンジにも使えます」「洗うときは手洗いをおすすめします」など
- 名刺やショップカードを渡す。その場で買わなかった人が、後日ネットで買ってくれることがある
- 売れた作品と売れなかった作品を記録する。次の出展で作る数を決める材料になる
売上の記録は、作品名、価格、売れた時間帯くらいで十分です。2日間の開催なら、1日目の夕方に記録を見返し、2日目の並べ方を変えるだけでも売れ方が変わることがあります。
金銭トラブルへの備え
GIFUクラフトフェアの要項には、売買上の金銭トラブルについて主催者と事務局は責任を負わず、出店者と当事者間で解決するよう書かれています。作品や商品の破損・紛失についても、出店者自身で管理するよう求めています。
釣り銭の受け渡しは声に出して確かめ、高額の作品は手の届きにくい場所に並べるなど、基本の対策をとりましょう。作品の割れや欠けが後から見つかったときの対応(交換するか、返金するか)も、事前に決めておくと落ち着いて対応できます。
選考に通りやすい応募書類の作り方
選考のあるフェアでは、審査をする人は作品を手に取れません。見るのは写真と文章だけです。応募書類の出来が、そのまま結果を左右します。
写真は作品の良さが伝わるものを選ぶ
応募用紙に貼る写真は、作品の形、色、質感がはっきり分かるものを選びます。次の点を意識すると、同じ作品でも印象が大きく変わります。
- 自然光で撮る。窓辺の柔らかい光で撮ると、色が実物に近く写る
- 背景を無地にする。白や生成りの布、木の板などを背景にすると、作品が引き立つ
- 全体と細部の両方を見せる。器なら全体の形と、釉薬の表情が分かる寄りの写真を組み合わせる
- 使っている場面を1枚入れる。料理を盛った器、身につけたアクセサリーなど
- ブースの写真を入れる。出展経験がある人は、前回のブースの様子が分かる写真を添える
クラフトフェアまつもとの応募用紙は、写真を糊で貼るよう指定し、ホチキスやクリップ留めは不可としていました。こうした細かな指定を守ることも、審査する側への配慮になります。
文章は作品の背景を具体的に書く
展示のテーマや思いを書く欄では、「心を込めて作っています」のような誰にでも書ける言葉より、具体的な内容を書いたほうが伝わります。どの素材を、どの工程で、なぜその形にしているのか。使う人のどんな暮らしを思い浮かべて作っているのか。こうした点を、自分の言葉で短くまとまった文章にします。
書き上げたら、家族や友人に読んでもらい、作品を見たことのない人にも伝わるかを確かめると安心です。読み手が「この作品を実際に見てみたい」と感じる文章を目指してください。
落選しても次につなげる
人気のフェアでは、応募者が募集数を上回るため、落選することも珍しくありません。落選は作品の価値が低いという意味ではなく、募集の枠や会場全体のジャンルの釣り合いで決まる面もあります。写真や文章を見直し、翌年に再挑戦する人も多くいます。その間に小さなフェアや手作り市で出展の経験を積み、ブースの写真を撮りためておくと、次の応募書類が充実します。
値段の付け方と、出展後の振り返り
クラフトフェアで悩む人が多いのが、作品の値段の付け方です。安くしすぎると、続けるほど苦しくなります。
値段は材料費だけで決めない
値段を決めるときは、材料費に加えて、作るのにかかった時間、道具や窯などの設備にかかる費用、出展料や交通費といった販売にかかる費用も考えに入れます。材料費が500円の器でも、成形、乾燥、素焼き、釉掛け、本焼きと工程を重ねれば、相応の時間がかかっています。
同じ素材や技法の作り手が、どのくらいの値段で売っているかを見ておくことも大切です。フェアに来場者として行ったときに、気になる作品の価格をメモしておくと、相場の感覚がつかめます。値段の幅を持たせ、手に取りやすい小物と、じっくり選んでもらう主力の作品を組み合わせると、ブースに立ち寄る人が増えやすくなります。
出展後に振り返ること
フェアが終わったら、記憶が新しいうちに次の点を振り返ります。
- 売れた作品と売れなかった作品、それぞれの価格帯
- お客様から多かった質問や反応
- 足りなかった持ち物と、使わなかった持ち物
- 費用の合計と、手元に残った額
- 名刺やショップカードを渡した数と、その後の問い合わせ
この記録を続けると、どのフェアが自分の作品に合っているか、次にどのフェアへ応募するかを根拠を持って決められるようになります。出展の回数を重ねるほど、準備にかかる時間も短くなっていきます。
振り返りの記録は、ノートでも表計算ソフトでもかまいません。大切なのは、フェアごとに同じ項目で残すことです。同じ項目で比べると、屋外と屋内のどちらが売れたか、春と秋のどちらが動いたか、価格帯ごとの売れ方にどんな違いがあったかが見えてきます。感覚だけで次のフェアを選ぶより、記録をもとに選ぶほうが、出展料や交通費をかけた結果を確実に積み上げられます。
食品やコスメを出したいときの注意
手作りのお菓子やジャム、石けんやリップクリームをクラフトフェアで売りたい人は、作品とは別のルールがあることを知っておく必要があります。
食品は営業許可が要る
食品を売るには、保健所の営業許可が必要になるのが一般的です。家庭の台所で作ったものは、そのまま売ることができません。クラフトフェアまつもとの食品部門の応募要項には、次のように書かれています。
・長野県の露店営業の営業許可を持っている方。
・販売のみを考えている方は各県の販売物の製造の営業許可を持っている方。 なお、家庭等(許可施設ではない場所)で作ったもの、露店営業取扱要領で定めていない食品は販売できません。 出典: クラフトフェアまつもと「2025 食品部門 応募要項」
また、GIFUクラフトフェア2026は食品の取り扱い自体ができないと要項に明記していました。食品を出したいなら、食品部門のあるフェアを選び、開催地の保健所に必要な許可を確かめてください。許可の種類は扱う食品や会場の自治体によって変わるので、自己判断で「大丈夫だろう」と考えないことが大切です。
石けんやリップクリームなどのコスメ
手作りの石けん、リップクリーム、バスボムのように肌に使うものは、法律上「化粧品」にあたる場合があります。化粧品を作って売るには、製造販売業と製造業の許可が必要です。雑貨として売るつもりでも、肌に塗る、洗うといった使い方をうたうと化粧品とみなされることがあります。売る前に都道府県の薬務の担当窓口に確かめてください。
キャラクターやブランドのロゴが入った作品
人気のキャラクターやブランドのロゴを使った作品は、権利者の許可なく売ると、著作権や商標権の侵害になるおそれがあります。手作りであっても同じです。「みんな売っているから」は理由になりません。オリジナルの図柄で作るのが一番安全です。
売上が出たときの税金と申告
クラフトフェアの売上は、副業の所得として税金の申告が必要になることがあります。
会社員は所得20万円が1つの目安
会社に勤めていて年末調整を受けている人は、給与以外の所得の合計が20万円を超えると、確定申告が必要です。国税庁は、確定申告が必要な給与所得者の条件の1つとして次のように書いています。
給与を1か所から受けていて、かつ、その給与の全部が源泉徴収の対象となる場合において、各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く。)の合計額が20万円を超える人 出典: 国税庁 No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人
ここでいう「所得」は売上ではありません。売上から、材料費、出展料、交通費、什器の費用などの必要経費を引いた残りです。出展料や交通費は経費として扱えるので、領収書やレシートは必ず保管しておきましょう。
20万円以下でも住民税の申告は別
所得税の確定申告が要らない場合でも、住民税の申告は別に必要です。20万円の基準は所得税だけの話で、住民税にはこの基準がありません。お住まいの市区町村の窓口で、申告の方法を確かめてください。
開業届と青色申告
継続して作品を売る活動を事業として行うなら、税務署に開業届を出し、青色申告を選ぶこともできます。青色申告にすると、帳簿をつける手間は増えますが、特別控除を受けられる場合があります。どの所得区分で申告するか、開業届を出すべきかは、売上の規模や続け方によって変わります。迷ったら税務署か税理士に相談してください。
出展の経験を次の仕事につなげる
クラフトフェアの出展で身につくのは、作品を作る力だけではありません。売り場を作る力、お客様に伝える力、写真や文章で魅力を発信する力が自然と鍛えられます。こうした力は、ものづくり以外の仕事にもつながります。
SNSでの発信と、販売の支援
フェアの前に出展の告知をし、当日のブースの様子を写真で伝え、終わったあとにお礼の投稿をする。この流れを続けていると、SNSで人を集める感覚が身につきます。こうした経験は、他の作り手やお店のSNS運用を手伝う仕事にも生かせます。マーケティングやSNS運用の分野でどのような仕事があるかは、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事で、仕事の種類と求められる力を確かめられます。
文章を書く力
応募書類に書く「展示のテーマ」や、作品の説明カード、ネットショップの商品説明は、どれも短い文章で魅力を伝える練習になります。文章の基本を体系的に学びたい人には、ビジネス文書検定のような資格もあります。ビジネス文書の書き方や表現の基本を問う検定で、案内文や依頼文を書く力の目安になります。
在宅でできる仕事も組み合わせる
クラフトフェアは春と秋に集中するため、出展だけで1年を通じた収入を安定させるのは簡単ではありません。作品づくりとフェアの準備の合間に、在宅でできる仕事を組み合わせる人もいます。在宅の仕事で役立つ資格を知りたい人は、在宅ワークに強い資格10選|自宅で稼げるスキルを身につけるで、分野ごとの資格と取り方を確かめられます。
在宅の仕事を長く見てきた立場から
在宅ワークとフリーランスの仲介に2004年から携わってきた運営者として見てきた限りでは、手仕事を長く続けられる人には共通点があります。それは、作品の売上だけに頼らず、作る力や伝える力を別の形でも生かしていることです。
クラフトフェアで出会ったお客様から、オーダーメイドの依頼やワークショップの講師の依頼が来ることがあります。ブースの写真を見たお店から、取り扱いの相談が来ることもあります。こうした依頼は、作り手と相手が直接やりとりすることで生まれます。間に立つ業者の手数料がかからない直接の取引は、依頼する側は同じ予算で多く頼め、受ける側は手取りが厚くなるという、双方にとって得のある形です。
クラフトフェアは、作品を売る場であると同時に、こうした直接のつながりを作る場でもあります。出展料や準備の手間はかかりますが、1回の売上だけで判断せず、名刺を渡した人数や、後から届いた問い合わせの数も記録しておくと、出展の本当の価値が見えてきます。まずは来場者として気になるフェアに足を運び、来年の募集の締切を確かめるところから始めてみてください。作品づくりと並行して、発信や販売の支援を仕事にしたい人は、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事で、どのような依頼があるかを確かめておくと、次の一歩を考えやすくなります。
よくある質問
Q. クラフトフェアに初めて出店するには、何から始めればよいですか?
まずは出たいフェアに来場者として足を運び、会場の広さや客層、売れている作品の価格帯を見ておくことをおすすめします。そのうえで公式サイトの募集要項を読み、応募の締切を確かめます。人気のフェアは開催の4か月以上前に締切が来るため、作品の写真は早めに撮っておきましょう。
Q. クラフトフェアの出展料はどれくらいかかりますか?
フェアによって大きく違います。たとえばGIFUクラフトフェア2026の通常ブースは15,000円(税込)、クラフトフェアまつもと2026は応募申込料が2,000円で、有料テントを使うなら30,000円でした。ほかに交通費、駐車場代、什器や包装資材の費用もかかるので、総額で考えてください。
Q. 手作りのお菓子をクラフトフェアで売ってもよいですか?
食品を売るには、保健所の営業許可が必要になるのが一般的で、家庭の台所で作ったものはそのまま売れません。食品の取り扱いを認めていないフェアもあります。食品部門のあるフェアを選び、開催地の保健所に必要な許可を確かめてから申し込んでください。
Q. クラフトフェアの売上は確定申告が必要ですか?
会社員で年末調整を受けている人は、給与以外の所得の合計が20万円を超えると確定申告が必要です。所得は売上から材料費や出展料などの経費を引いた額です。20万円以下でも住民税の申告は別に必要なので、お住まいの市区町村で確かめてください。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
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@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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