男性のケアマネジャーという働き方|職場での役割と、キャリアの積み方

中西 直美
中西 直美
男性のケアマネジャーという働き方|職場での役割と、キャリアの積み方

この記事のポイント

  • ✓男性のケアマネジャーが感じやすい不安と
  • ✓その受け止め方を整理します
  • ✓利用者との信頼の作り方

「男性のケアマネジャーって、実際どうなんだろう」。

そう検索してこのページにたどり着いた方は、たぶん今、いくつかの不安を抱えていますよね。女性が多い職場でやっていけるのか。利用者さんやご家族に敬遠されないか。長く続けられる仕事なのか。

大丈夫ですよ。まず結論からお伝えします。男性のケアマネジャーは、確かに人数としては少数派です。ただ、少数派であることは不利とイコールではありません。むしろ、少数だからこそ求められる場面がはっきりしていて、キャリアの設計がしやすい面もあります。

この記事では、男性のケアマネジャーが置かれている状況を客観的に整理したうえで、現場で感じやすい戸惑いと、その乗り越え方をお話しします。こういうご相談、本当によくいただくんです。

男性のケアマネジャーは、いま、どういう位置にいるか

まず、事実の確認から始めましょう。

ケアマネジャー(介護支援専門員)と聞くと、「女性が多い仕事」というイメージを持つ方も多いかもしれません。実際、介護業界は女性の比率が高い職場が多いものの、近年は男性ケアマネの活躍も広がっています。 出典: mane-c.com

ここに書かれている通りです。介護分野全体が女性の比率の高い業界で、ケアマネジャーも例外ではありません。事業所によっては、自分ひとりが男性という環境になることもあります。

ただ、ここで大事なのは「少ない」という事実そのものではなく、それをどう受け取るかです。

少数派であることに対する不安には、2つの種類があります。ひとつは「浮いてしまうのではないか」という所属への不安。もうひとつは「求められていないのではないか」という価値への不安です。この2つは似ているようで別物で、対処の仕方も違います。

所属への不安のほうは、時間がかなりの部分を解決してくれます。職場の人間関係は、性別より、日々の仕事の積み重ねで決まっていくものです。半年も経てば、性別ではなく「あの人はこういう仕事をする人」という認識に置き換わっていきます。

価値への不安のほうは、少し丁寧に扱う必要があります。ここは後の章で詳しくお話ししますね。

求人という観点から見ると、男性歓迎と明記されたケアマネジャーの募集は、実際に一定数出ています。福祉用具の分野、訪問系のサービス、施設のケアマネジャーなど、体力面や夜間の対応が想定される職場では、男性の応募を歓迎する求人が見られます。地域ごとの求人の傾向は求人ボックスのような求人検索サービスで、実際の募集内容を確認できます。

そしてもうひとつ、介護分野で働く男性が資格をどう考えているかについて、こんな声もあります。

ケアマネジャーについて、私は、介護福祉士として働く男性です。回りから、‘この仕事をするならケアマネジャーも取った方がいい。男なら尚更。’と言われます。私は、介護支援専門員の 仕事は、する予定はないのですが、この資格は必要となりますか? 出典: detail.chiebukuro.yahoo.co.jp

「男なら尚更」という言葉、引っかかりますよね。この言葉の背後にあるのは、長く働き続けることや、収入を上げていくことへの周囲の期待です。悪意はないのですが、言われた側にとってはプレッシャーになります。

資格を取るかどうかは、周囲の期待ではなく、自分がどう働きたいかで決めていい。ここは最初にはっきりさせておきたい点です。

男性のケアマネジャーに強みが出やすい場面

ここからは、実際の業務の話をします。

現場の方々からうかがっていて、男性のケアマネジャーに声がかかりやすいと感じる場面が、いくつかあります。

男性利用者との関わり

利用者さんの中には、身体に関わる相談や、生活の細かい話を同性のほうが話しやすいと感じる方がいます。入浴や排泄の悩み、身なりのこと、これまでの仕事の話。同性だからこそ、最初の一言が出やすいという場面があります。

もちろん、全員がそうではありません。性別より人柄で決まる部分のほうが大きい。ただ、「同性のほうが話しやすい」という利用者さんが一定数いるのは事実で、そういう方にとって選択肢があること自体に意味があります。

家族との調整、特に息子さんが介護者の場合

近年、親の介護を担う息子さんが増えています。仕事を続けながら、あるいは仕事を辞めて、親の介護に向き合っている方です。

このとき、同じ立場に近い視点で話ができるケアマネジャーがいると、相談のハードルが下がることがあります。仕事との両立の難しさ、経済的な不安、周囲に相談しにくい状況。こうした話題は、共感の前に理解が必要な領域です。

力仕事や移動を伴う場面

ケアマネジャーの仕事の中心は書類と調整ですが、実際には身体を使う場面もあります。訪問先での移動、緊急時の対応、福祉用具の設置に立ち会うときの補助的な作業。担当エリアが広い地域では、移動そのものが負担になります。

体力面での余裕があることは、選択肢を広げる要素になります。ただし、これを理由に力仕事ばかりを頼まれる状況になっていないかは、時々自分で確認してみてください。

夜間や緊急時の対応

居宅介護支援事業所では、緊急時の連絡体制を整えていることがあります。夜間の連絡当番を回している事業所では、体力的な余裕が求められる場面が出てきます。

ここは強みであると同時に、負担が偏りやすい部分でもあります。当番の回り方が公平かどうかは、入職前に確認しておくとよいですね。

課題になりやすい点と、その受け止め方

強みだけを書いても、たぶん安心はできませんよね。不安の中身を一緒に見ていきましょう。

「男性はお断り」と言われる可能性

これが一番気になるところだと思います。実際に、利用者さんやご家族が同性のケアマネジャーを希望されるケースはあります。特に、女性の利用者さんで、身体に関わる話が多くなる場面ではその傾向が出ます。

ここで大切なのは、これを「自分が否定された」と受け取らないことです。

心理学の言葉で説明すると、人は不安が強いときほど、慣れた属性を選ぼうとします。介護サービスを使い始める時期は、多くの方にとって人生で最も不安な時期のひとつです。そういうときに「女性のほうが安心」と感じるのは、あなたの能力とは関係のない、状況が生む反応です。

日常の言葉に置き換えると、「はじめましての場面では、みんな安全そうなほうを選ぶ」ということ。それだけの話です。

そして実務的な話をすると、担当の交代は、性別を理由にしたものだけで起きるわけではありません。相性、距離、対応の速さ。いろいろな理由で起きます。全部を自分の問題として抱え込まないでください。

職場で少数派であること

同僚が全員女性という環境では、話題や雑談の輪に入りにくさを感じることがあります。これは孤立とは違いますが、じわじわと消耗します。

こういうときにおすすめしているのは、職場の外に同じ立場の人とつながる場所を持つことです。地域のケアマネジャーの連絡会、研修で知り合った人、オンラインの勉強会。月に一度でも、同じ職種の人と話す機会があると、視野が閉じにくくなります。

以前、専門職の方々のキャリア相談をしていて気づいたことがあります。少数派の立場にいる方が疲れてしまうのは、周囲との違いそのものではなく、「違いについて誰とも話せないこと」のほうなんです。話せる相手が一人いるだけで、同じ環境でも消耗の度合いがまったく変わります。

ロールモデルが見つけにくい

先を歩いている同性の先輩が身近にいない、という状況もあります。5年後、10年後にどうなっているのかがイメージしにくい。

これは、後述するキャリアパスの話である程度は埋められます。加えて、ロールモデルは必ずしも同性である必要はありません。仕事の進め方、記録の書き方、家族との距離の取り方。学べるところだけを学ぶ、という付き合い方で十分です。

期待のかけられ方に偏りが出ること

もうひとつ、あまり語られない課題があります。それは、周囲から向けられる期待の中身が偏りやすいという点です。

「長く続けてくれるだろう」「管理職を目指すだろう」「力仕事を頼めるだろう」。こうした期待は、本人が望んでいるかどうかとは無関係にかかってきます。悪意はないのですが、断りにくい構造があります。

ここで意識してほしいのは、期待に応えるかどうかを選ぶ権利は自分にあるということです。管理職を目指したくない人もいますし、家庭の事情で勤務時間を抑えたい時期もあります。それは、まったく問題ありません。

こういうとき、いきなり拒否するのではなく、「今はこの部分に集中したいので、その話は来年あらためて考えたいです」という形で時間軸をずらすと、関係を壊さずに自分のペースを守れます。カウンセリングの場でもよくお伝えしている伝え方です。

利用者と家族の信頼を得るための、具体的な工夫

不安の話が続いたので、ここからは行動の話にしましょう。

信頼は、性別ではなく積み重ねで作られます。現場の方々が実際にやっていることを、いくつか紹介します。

初回訪問での距離の取り方

初対面の場面では、物理的な距離と話す速さに気を配ります。座る位置を正面ではなく斜めにする、最初は相手の話を聞く時間を長く取る、といった工夫です。

これは心理学でいう安心感の作り方の基本で、性別に関係なく有効です。ただ、体格差がある場合は、正面から近い距離で話すと圧迫感が出やすいので、意識しておくと違います。

記録と連絡をきちんと返す

信頼の土台になるのは、地味な部分です。約束した日に連絡が来る。頼まれたことが翌日には進んでいる。書類の期限を守る。

これができている人は、最初に距離があっても、数か月で必ず評価が変わります。逆に、どれだけ人当たりが良くても、連絡が遅い人は信頼されません。

説明の言葉を選ぶ

介護保険の制度は複雑です。区分支給限度基準額、サービス担当者会議、給付管理。専門用語をそのまま使うと、ご家族は分からないまま「はい」と言ってしまいます。

用語を使った直後に、必ず日常の言葉で言い換える。この習慣があるだけで、相談されやすさが変わります。

言い換えの練習は、書類を作るときにもそのまま効きます。ケアプランの文言を、ご本人が読んで意味が分かる表現で書けているか。ここを意識している人は、担当者会議での説明も自然と分かりやすくなります。専門性は、難しい言葉を使えることではなく、難しいことを平易に伝えられることのほうに表れます。

一人で抱え込まない体制を作る

利用者さんやご家族との関係でうまくいかないと感じたとき、早めに上司や同僚に共有してください。事業所によっては、担当を複数名で見る体制や、訪問に同行する仕組みを持っているところがあります。

※利用者さんとの関係で強い緊張が続いている場合や、ハラスメントにあたる言動を受けている場合は、必ず管理者に報告してください。一人で解決すべき問題ではありません。

働く場所によって、求められるものが変わる

ケアマネジャーの職場は、大きく分けて3つあります。それぞれ性格が違うので、自分に合う場所を考えるときの材料にしてください。

居宅介護支援事業所

利用者さんの自宅を訪問し、ケアプランを作成します。担当件数の上限が定められており、その範囲で複数の利用者さんを受け持ちます。

自分でスケジュールを組み立てる裁量が大きい反面、移動時間の管理と書類作業の効率が問われます。訪問先で一人で判断する場面が多く、独立性の高い働き方が好きな人には合います。

施設のケアマネジャー

特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、有料老人ホームなどに所属します。施設の利用者さんの施設サービス計画を作成し、多職種と日常的に連携します。

移動がなく、同じ建物の中で完結するのが特徴です。介護職員と兼務になる場合もあるため、求人票では兼務の有無を必ず確認してください。

地域包括支援センター

介護予防のケアプラン作成に加えて、総合相談、権利擁護、地域のネットワークづくりまで担当します。

業務の幅が広く、行政や医療機関、民生委員など、外部との調整が多くなります。虐待の対応や、支援を拒否している方への関わりなど、難しい場面も含まれます。その分、経験としては厚くなります。

先ほど紹介した質問投稿サイトには、有料老人ホームと地域包括支援センターの両方から内定を得て、どちらを選ぶか迷っているという相談も投稿されていました。どちらが正解ということはありません。判断の軸は、「今の自分が身につけたいのは、深さか広さか」です。特定の分野を深く知りたいなら施設や居宅、制度全体を俯瞰する力をつけたいなら地域包括、という整理ができます。

打ち合わせや会議がオンラインで行われる機会も増えました。担当者会議や研修をオンラインで行う事業所も出てきています。ツールの使い分けについてはZoom・Teams・Google Meetを比較|フリーランスの打ち合わせに最適なのは?【2026年版】に、それぞれの特徴と向き不向きが整理されています。

資格を取るまでの道のりと、その途中で感じやすいこと

これからケアマネジャーを目指す方のために、資格の位置づけも整理しておきます。

ケアマネジャーの正式名称は介護支援専門員です。介護福祉士や看護師などの国家資格を持ち、その資格に基づく業務に一定期間従事した実務経験があると、介護支援専門員実務研修受講試験を受けられます。試験に合格したあと、実務研修を修了して都道府県に登録することで、はじめてケアマネジャーとして働けるようになります。

つまり、試験に受かった時点ではまだ資格者ではありません。研修を含めた全体で、それなりの期間がかかる仕組みです。

受験の要件、試験の実施日程、研修の日数は、都道府県ごとに運用が異なりますし、年度によって変わることもあります。ここは推測で動かず、必ずお住まいの都道府県が公表している実施要領で確認してください。制度の全体像については厚生労働省の公表資料も参考になります。

働きながら受験の準備をする方が多いので、心の面での注意も書いておきますね。

学習期間中に多いご相談が、「勉強が思うように進まず、自分は向いていないのではないかと感じる」というものです。これ、本当によく聞きます。

でも、少し考えてみてください。シフト勤務をこなしながら、まとまった学習時間を確保するというのは、条件としてかなり厳しいものです。進みが遅いのは能力の問題ではなく、単純に使える時間の問題であることがほとんどです。

対策としておすすめしているのは、学習量を時間ではなく「範囲」で区切ることです。「今日は1時間やる」という決め方だと、疲れている日に達成できず自己否定につながります。「今日はこの1項目だけ」という区切り方にすると、5分でも進んだ実感が残ります。積み上げの実感は、続けるための燃料になります。

もうひとつ。試験に落ちた経験を、必要以上に重く受け取らないでください。実務経験の要件を満たしている時点で、あなたは現場で何年も働いてきた人です。その事実は試験の結果では変わりません。

キャリアをどう積み上げていくか

長く続けるためには、5年後の姿がぼんやりでも見えていることが大切です。ケアマネジャーからの進み方を、いくつか挙げますね。

主任介護支援専門員(主任ケアマネジャー)

一定の実務経験を積んだうえで研修を修了すると、主任ケアマネジャーになる道があります。他のケアマネジャーへの助言や、地域の連携づくりを担う役割です。

居宅介護支援事業所の管理者要件との関係もあるため、事業所の中で責任ある立場を目指すなら、視野に入れておく資格です。受講の要件や研修の実施日程は都道府県によって異なり、年度ごとに変わることもあります。正確な内容は、お住まいの都道府県が公表する実施要領で確認してください。

事業所の管理者

管理業務には、シフトの管理、請求業務、職員の採用と育成、行政への届出などが含まれます。現場での経験に加えて、数字と書類を扱う力が必要になります。

書類作成の基礎を体系的に整えたい方には、ビジネス文書検定のような資格ガイドが、何を学べば実務で通じるのかの整理に役立ちます。

研修や執筆といった、伝える側の仕事

現場で積んだ経験を、後進に伝える仕事もあります。事業所内の勉強会、法人研修の講師、専門メディアでの執筆や監修。

文章を扱う仕事の相場感については、著述家,記者,編集者の年収・単価相場で単価の考え方を確認できます。現場の知識を持つ人が書いた記事には、経験のない人には書けない具体性があります。ここは需要のある領域です。

業務改善の支援という方向

介護記録ソフトの導入、書類の電子化、業務フローの見直し。こうした場面で、現場を知っている人材が求められるようになりました。IT側の知識を持つ人は多くても、介護現場の実情を分かっている人は限られるためです。

外部から業務改善を支援する仕事がどういう形で成り立っているかは、AIコンサル・業務活用支援のお仕事やAI・マーケティング・セキュリティのお仕事で確認できます。技術寄りの領域に関心が向いた場合は、アプリケーション開発のお仕事やCCNA(シスコ技術者認定)、ソフトウェア作成者の年収・単価相場も、どんな仕事があるのかを知る入口になります。

求人票を見るときに、確かめておきたいこと

働く場所を選ぶ段階で、確認しておくと後が楽になる項目を挙げますね。

第一に、担当件数です。居宅介護支援事業所であれば、一人が受け持つ件数の上限が制度上定められています。実際に何件を担当しているのかは、事業所ごとに違います。上限いっぱいなのか、余裕を持たせているのか。ここは業務量に直結します。

第二に、兼務の有無です。施設のケアマネジャーの場合、介護職員との兼務になっているケースがあります。求人票に「介護兼務なし」と書かれているものと、書かれていないものでは、日々の中身がかなり違います。

第三に、緊急時の連絡当番の回り方です。何人で回しているのか、当番のときに実際にどのくらい連絡が来るのか。ここは、男性職員に偏りやすい部分でもあるので、公平に回っているかを聞いておくとよいです。

第四に、研修と資格取得の支援です。主任介護支援専門員の研修は日数がかかります。勤務扱いで受講できるのか、費用の補助があるのかは、5年後の選択肢に効いてきます。更新研修の費用を法人が負担してくれるかどうかも、確認しておく価値があります。

第五に、ケアマネジャーが何人在籍しているかです。一人職場の事業所では、判断を相談する相手が身近にいません。複数在籍している事業所のほうが、困ったときに抱え込まずに済みます。これは、経験の浅い時期には特に大きい差になります。

面接では、こうした質問を遠慮なくしてください。答えを丁寧に説明できる事業所は、入職後の説明も丁寧です。逆に、質問を煙たがる反応が返ってきたなら、それも大事な判断材料になります。

心をすり減らさずに続けるために

最後に、続け方の話をさせてください。

ケアマネジャーは、感情労働の比重が高い仕事です。利用者さんとご家族の間、医療と介護の間、制度と現実の間。いつも誰かと誰かの間に立っています。

この立ち位置は、意思決定の負荷が高い。しかも、正解がない問いばかりです。

だからこそ、次の3つを意識してみてください。

第一に、仕事とそれ以外の切り替えを、行動で作ること。気持ちで切り替えようとすると、うまくいきません。帰り道の一区間を歩く、玄関で手を洗う、着替える。行動を挟むと、脳が場面の切り替わりを認識しやすくなります。

第二に、判断を一人で背負わないこと。ケース会議、上司への相談、同僚との情報共有。「相談する」は弱さではなく、専門職としての手続きです。

第三に、疲れの兆候を早めに拾うこと。眠りが浅くなる、食欲が変わる、細かいミスが増える。こういう変化が2週間以上続いているなら、いったん誰かに話してください。※心身の不調が続く場合は、医療機関や、お住まいの自治体の相談窓口へつないでもらうことをおすすめします。

あなたは一人じゃありません。少数派であることと、孤立していることは、まったく別のことです。

それから、休みの取り方についても一言だけ。ケアマネジャーの仕事は、担当している利用者さんの状況が動くと、休みの予定が崩れやすい性質を持っています。だからこそ、事業所の中で不在時の対応を引き継げる仕組みがあるかどうかが、休息の質を左右します。誰がどこまで代われるのかを、元気なうちに決めておいてください。体調を崩してから調整するのは、想像以上に大変です。

運営者の視点から見た、専門職の働き方の変化

在宅ワークと業務委託の市場を20年運営してきた立場から、ひとつ観察を書いておきます。

運営者として見てきた限りでは、長く仕事が続いている人には共通点があります。それは、単発の作業をこなすことより、「この人に任せると周りが楽になる」という関係を作ることに時間を使っているという点です。専門職でも、業務委託の受け手でも、同じ傾向が見られます。

ケアマネジャーの仕事は、まさにこの性質を持っています。調整役という立場は、成果が数字で見えにくい代わりに、その人がいなくなると全体が滞る。この「いてくれると楽」という価値は、性別とは無関係に積み上がっていくものです。

もうひとつ、収入の構造についても触れておきます。仲介が入る取引では、依頼者が支払う金額と、受け手が受け取る金額の間に必ず差が生まれます。中間マージンが乗らない直接の取引であれば、同じ予算でも依頼者はより多くを頼めますし、受け手の手取りは厚くなる。手数料0%という条件が効いてくるのは、金額の大小より、この「同じ仕事量に対する手取りの厚さ」という質の部分です。現場で働きながら、研修や執筆といった周辺の仕事を受ける人が増えているのも、この構造が関係しています。

独自データから見た、現場経験を持つ人材の価値

在宅ワークの求人データを見ていると、専門資格を持つ人への発注の仕方が、この数年で変わってきているのが分かります。

以前は「資格の業務をそのまま依頼する」形が中心でした。今は、「資格を通じて理解している現場」を求める発注が増えています。介護分野であれば、事業所向けのマニュアル整備、記録システム導入時の現場ヒアリング、研修コンテンツの設計といった仕事です。

これは、男性のケアマネジャーという話ともつながります。少数派であることは、経験の希少性でもあります。男性の視点から見た介護現場、息子介護者との関わり方、男性利用者への支援。こうしたテーマは、書ける人が限られています。

現場で悩んだこと、工夫したことは、そのまま誰かの役に立つ知識です。今すぐ何かを始める必要はありません。ただ、日々の中で「これは伝える価値があるかもしれない」と感じたことを、少しずつ書き留めておく。それだけで、5年後の選択肢は確実に広がります。

不安の中にいるときは、目の前のことしか見えなくなります。でも、あなたが今積んでいる経験は、確実にどこかにつながっています。焦らず、まずは目の前の一件を丁寧に。それで十分です。

よくある質問

Q. 男性のケアマネジャーは利用者から敬遠されやすいですか?

同性のケアマネジャーを希望される利用者さんは実際にいます。ただ、これは能力への評価ではなく、サービスを使い始める不安の強い時期に慣れた属性を選ぶという、状況が生む反応です。担当の交代は相性や対応の速さなど複数の理由で起きるため、すべてを性別の問題として受け取らないでください。

Q. 男性のケアマネジャーに向いている職場はどこですか?

訪問件数が多く移動範囲の広い居宅介護支援事業所、緊急時の対応体制がある事業所、福祉用具や訪問系のサービスでは、体力面の余裕が活きる場面があります。地域包括支援センターは業務の幅が広く、行政や医療機関との調整経験を積みたい人に向いています。深さを求めるか広さを求めるかで選んでください。

Q. 職場で自分だけ男性という環境が不安です。どうすればいいですか?

消耗するのは違いそのものより「違いについて誰とも話せないこと」です。地域のケアマネジャーの連絡会、研修で知り合った人、オンラインの勉強会など、職場の外に同じ立場の人と話せる場所を月に一度でも持ってください。それだけで同じ環境でも疲れ方が変わります。

Q. ケアマネジャーの資格は、その仕事に就く予定がなくても取る意味はありますか?

制度全体を理解できる点で、現場の仕事にも活きます。ただし取得には相応の学習時間が必要で、周囲の期待に押されて取るものではありません。主任介護支援専門員や事業所の管理者を視野に入れているか、制度側の視点を持ちたいか。自分の目的に照らして判断してください。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年3月30日最終更新:2026年9月9日
中西 直美

この記事を書いた人

中西 直美@SOHO編集部

産業カウンセラー・キャリアコンサルタント

大手人材会社でキャリアカウンセラーとして15年間従事した後、フリーランスの産業カウンセラーとして独立。在宅ワーカーのメンタルヘルスケアを専門に活動しています。

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