盆栽の販売|値付けと売る場所


この記事のポイント
- ✓盆栽の価格は何で決まるのか
- ✓フリマアプリで実際に売れた価格の分布
- ✓樹種・樹齢・樹形・鉢から考える値付けの手順
盆栽の価格を調べると、数百円の苗から数十万円の古木まで幅が広く、自分で育てた鉢にいくらを付ければよいのか迷う人が多いはずです。盆栽の値段は、樹種、樹齢と幹の太さ、樹形、鉢、そして手入れにかけた年月で決まり、売る場所によって手元に残る額も変わります。
この記事では、盆栽を副業として売りたい人に向けて、価格が決まる仕組み、フリマアプリで実際に売れた価格の分布、値付けの計算の手順、売る場所の選び方と手数料、写真と説明文の作り方、梱包と発送、税金と法律の注意点までを、始める順番に沿って整理します。
盆栽の価格はどう決まっているか
盆栽の価格を左右する要素は、大きく分けると5つあります。買う側は、この5つを無意識に見比べて「この値段なら納得できる」と判断しています。売る側も同じ物差しを持っておくと、値付けで迷う時間が減ります。
1つ目は樹種です。黒松、五葉松、真柏(しんぱく)といった松柏類(しょうはくるい)は、盆栽の代表格として需要が安定しています。松柏類とは、一年中葉が緑のままの針葉樹のことです。もみじ、けやき、長寿梅などの雑木類(ぞうきるい)は、季節ごとの葉の色や花、実を楽しむもので、松柏類より手頃な価格で出回ることが多い分野です。
2つ目は樹齢と幹の太さです。盆栽は年月をかけて幹を太らせ、枝を作り込んでいくものなので、幹が太く古びた風合いのある木ほど価格が上がります。同じ樹種でも、挿し木から2年の苗と、20年以上かけて作られた木とでは、まったく別の商品として扱われます。
3つ目は樹形です。幹がまっすぐ立つ直幹(ちょっかん)、曲がりながら立ち上がる模様木(もようぎ)、鉢の縁より下に垂れる懸崖(けんがい)、細くすらりとした文人木(ぶんじんぎ)などの形があり、形の完成度が価格に直結します。枝の配置に無理がなく、正面から見て幹の流れが美しい木は高く評価されます。
4つ目は鉢です。盆栽は木と鉢を合わせて1つの作品と考えるため、作家ものの鉢や古い鉢に植えられていると、それだけで価値が加わります。反対に、木は良くてもプラスチックの育成用の鉢のままだと、素材として安く扱われることがあります。
5つ目は手入れの状態です。針金掛け(枝に針金を巻いて形を整える作業)の跡が幹に食い込んでいないか、根の張り方が整っているか、病害虫の痕がないかなど、管理の丁寧さが見られます。買う人にとって、手入れが行き届いた木は「すぐ飾れる」「枯らす心配が少ない」という安心につながります。
市場全体で見ると、盆栽は園芸店やホームセンターで売られる手頃な入門用、専門の盆栽園で売られる仕立てのしっかりした中級品、展示会や競り市で取引される名品に大きく分かれます。副業で個人が売る場合、主に競うのは入門用から中級品の手前までの価格帯です。
フリマアプリで実際に売れた盆栽の価格
値付けの手がかりとして最も役に立つのは、実際に売れた価格です。出品中の価格は売り手の希望にすぎず、売れずに残っているものも含まれるため、相場より高く見えがちです。
編集部は2026年10月25日に、フリマアプリのメルカリで「売り切れ」に絞った検索を行い、表示された商品の価格を集計しました。各キーワードで表示された40件から45件ほどの商品が対象で、件数は多くないため、目安として読んでください。
| 検索した語 | 集計した件数 | 下から4分の1の価格 | 真ん中の価格 | 上から4分の1の価格 |
|---|---|---|---|---|
| 盆栽 | 45件 | 2,800円 | 5,480円 | 13,000円 |
| ミニ盆栽 | 40件 | 1,900円 | 2,600円 | 4,980円 |
| 黒松 盆栽 | 40件 | 3,300円 | 9,500円 | 14,000円 |
| 真柏 盆栽 | 40件 | 5,200円 | 8,600円 | 15,000円 |
表から読み取れることは3つあります。
まず、ミニ盆栽は真ん中の価格が2,600円前後で、1万円を超えるものは少数でした。手のひらに乗る大きさの木は、気軽に買える価格帯で動いています。2点セットにして5,000円前後で売れているものもありました。
次に、黒松や真柏といった松柏類は、真ん中の価格が9,000円前後と、ミニ盆栽の3倍ほどでした。樹高が20センチを超え、幹に舎利(しゃり、幹の一部が白く枯れて骨のように見える部分)や捻転(ねんてん、幹がねじれた模様)がある木は、4万円前後で売れている例も見られました。
最後に、同じ「盆栽」の検索でも、300円から15万円までの幅がありました。価格を決めているのは「盆栽かどうか」ではなく、先に挙げた5つの要素だということが、売れた価格からも確かめられます。
売れた商品の題名を見ると、「小品盆栽」「樹高15cm」「針金整姿」「素材」のように、大きさと仕立ての段階を書き込んでいるものが目立ちました。素材とは、これから形を作っていく途中の木のことで、完成した盆栽より安く売られます。買う人が自分で仕立てを楽しむために探しているので、素材として出すか、完成品として出すかで、付けられる価格と買う人が変わります。
副業で売りやすい盆栽の種類
盆栽を売る副業では、何を主力にするかで、必要な場所、手間、売れるまでの年月が大きく変わります。始める前に、自分の暮らしで続けられる種類を選んでおくことが大切です。
ミニ盆栽・豆盆栽
樹高10センチ前後の小さな盆栽です。ベランダの限られた場所でも数多く育てられ、挿し木や実生(みしょう、種から育てること)から1年から2年で形になるものもあります。価格は手頃ですが、売れる数が多く、贈り物や初めて盆栽を買う人に選ばれます。小さな鉢は水切れしやすいので、夏場の水やりの手間は覚悟しておく必要があります。
素材木
これから仕立てる前提の木を、手頃な価格で売る形です。挿し木で増やした真柏や、実生の黒松などを、ある程度の太さまで育てて出します。完成した盆栽を作るには何年もかかりますが、素材として売るなら、育てる期間を短くできます。買う人は盆栽の経験者が多く、幹の太さや根の張り方を細かく見るので、写真と寸法の記載が欠かせません。
実もの・花もの
長寿梅、姫りんご、ピラカンサ、老爺柿(ろうやがき)など、花や実を楽しむ盆栽です。花の時期や実が付いた時期に写真を撮って出すと、見栄えが良く選ばれやすくなります。季節によって売れ行きが変わるので、出品の時期を合わせることが大切です。
鉢と道具
木を育てる時間がない人は、盆栽鉢や道具を扱う方法もあります。ただし、中古の盆栽鉢を仕入れて売る場合は、古物商の許可が関わることがあります。古物商許可とは、中古品を仕入れて売る商売をするときに、都道府県の公安委員会から受ける許可のことです。自分で使っていた鉢を手放す程度なら当たらないことが多いものの、仕入れて売るときは、事前に住まいの地域を管轄する警察署で確かめてください。
どの種類から始める場合も、最初の1年は2種類程度に絞ると、増やし方と売れ方の両方を確かめやすくなります。たとえば「真柏の挿し木素材」と「長寿梅のミニ盆栽」のように、育て方の違うものを組み合わせると、どちらが自分の環境で無理なく続けられるかが見えてきます。
値付けの手順と計算の例
盆栽の値付けは、売れた価格の相場から始め、自分の木の条件で上下させ、最後に手数料と送料を引いた手取りを確かめる、という順番で考えると迷いにくくなります。
手順1:同じ条件の売れた価格を集める
まず、自分の木と同じ樹種、同じくらいの樹高、同じ仕立ての段階のものが、いくらで売れたかを調べます。フリマアプリなら売り切れに絞って検索し、少なくとも10件ほど価格を書き出します。真ん中あたりの価格が、最初の目安になります。
手順2:自分の木の強みと弱みで上下させる
次に、先に挙げた5つの要素で、自分の木を相場と比べます。幹が相場より太い、作家ものの鉢に植えている、花や実が付いているといった強みがあれば上げ、育成用の鉢のまま、枝が未完成、根が浅いといった弱みがあれば下げます。
手順3:手数料と送料を引いて手取りを確かめる
最後に、売る場所の手数料と送料を引いて、手元に残る額を計算します。メルカリの公式ガイドでは、出品した商品が売れて取引が完了したときに、販売価格の10%が販売手数料として差し引かれ、売上を引き出す振込手数料は一律200円とされています(メルカリの手数料、2026年10月25日に確認)。
たとえば、真柏の小品盆栽を8,000円で売る場合を考えます。
- 販売価格:8,000円
- 販売手数料(10%):800円
- 送料(自分で負担する場合):1,000円前後(大きさと配送方法で変わる)
- 鉢と用土、肥料、針金などの材料費:1,500円
- 手元に残る額:およそ4,700円
送料は、盆栽の大きさと梱包の箱の大きさで大きく変わります。鉢ごと送ると重さも加わるため、出品前に実際に箱に入れて大きさを測り、配送方法ごとの料金を確かめてから価格を決めます。送料を引いた後に手元にほとんど残らない場合は、価格を上げるか、近隣で手渡しできる売り場を選ぶほうが良い場合もあります。
手順4:育てた年月を価格に入れるかを決める
盆栽は、材料費だけでなく、育てた年月が価値になります。挿し木から3年育てた木なら、その間の水やりや植え替え、針金掛けの手間がかかっています。ただし、買う人は手間ではなく木の姿で判断するので、年月をそのまま価格に乗せることはできません。年月の分を価格に反映できるのは、幹の太さや枝の作り込みとして、写真から伝わる場合だけです。
価格の段階を作っておく
出品する木を、手頃な苗や素材、仕立て途中の木、完成に近い木、の3つほどの段階に分けておくと、買う人が予算に合わせて選びやすくなります。初めて買う人は手頃な価格の木から入り、育てるのに慣れると、次はもう少し仕立ての進んだ木を探します。段階がそろっている売り手は、同じ人に次の木も買ってもらいやすくなります。
ミニ盆栽を2点から3点組み合わせたセットも、1点あたりの送料を抑えられるので選ばれやすい出し方です。樹種や花の色の違うものを組み合わせると、飾ったときの見栄えも良くなります。
値付けで迷ったら、最初は相場の真ん中より少し低めで出し、反応を見て次の出品で調整します。何週間も売れないときは、価格よりも写真や説明文に原因があることも多いので、次の節の内容も見直してください。
盆栽を売る場所の選び方と手数料
盆栽を売る場所は、ネットと対面に大きく分けられます。それぞれに向いている木と、手元に残る額の違いがあります。
フリマアプリ
メルカリは、出品料がかからず、売れたときに販売価格の10%の手数料がかかる仕組みです。盆栽や観葉植物を探す人も多く、ミニ盆栽から中品盆栽まで幅広く売れています。売れた価格の履歴を見られるので、値付けの練習にもなります。
フリマアプリに出すときは、そのサービスで禁止されている出品物を確認しておきます。メルカリのガイドでは、法令などに基づいて取引を禁止しているものの1つに「農薬、肥料」が挙げられています(禁止されている出品物)。盆栽と一緒に肥料をおまけで付ける出し方は避けてください。
ネットオークション
Yahoo!オークションは、出品した商品が落札されると、落札金額に対して落札システム利用料10%(税込)がかかります(出品者にかかる利用料、2026年10月25日に確認)。古木や珍しい樹種のように、欲しい人が競り合う木では、オークション形式が向いています。一方で、入札が集まらないと想定より安く終わることもあるので、開始価格の設定に注意が必要です。
自分のネットショップ
継続して売るなら、自分のネットショップを開く方法もあります。手数料の体系はサービスごとに違い、決済にかかる手数料を差し引かれるのが一般的です。自分の店なら、育て方の説明や季節ごとの手入れの記事を一緒に載せられ、同じ人に繰り返し買ってもらいやすくなります。その分、集客は自分で行う必要があります。
対面の売り場
地域のマルシェ、手作り市、園芸のイベント、盆栽の愛好会が開く即売会などがあります。対面なら送料がかからず、大きな木や鉢の重い木も売りやすくなります。実物を手に取って見てもらえるので、写真では伝わりにくい幹の質感や葉の色も確かめてもらえます。出店料は会場ごとに違うので、申し込みの前に確かめます。
売る場所の組み合わせ方
最初は、ミニ盆栽や素材をフリマアプリで売り、大きな木は対面の売り場に回す、という組み合わせが無理のない始め方です。ネットで売れた価格と、対面で反応が良かった木を比べると、自分の木がどこで評価されやすいかが見えてきます。
ハンドメイドの作品を扱うマーケットにも植物の出品先がありますが、生きた植物の扱いはサービスごとの規約で決まっています。出品前に規約を確認してください。
写真と説明文の作り方
盆栽は、写真で価格の半分が決まると言ってよいほど、見せ方で売れ行きが変わります。買う人は写真から樹形と幹の質感を読み取り、説明文で大きさと状態を確かめています。
写真の撮り方
- 正面、左右の斜め、真横、真上、根元の寄りの6枚を基本にする
- 背景は無地の布や壁にし、木の輪郭が分かるようにする
- 曇りの日の屋外か、窓際の明るい日陰で撮り、強い日差しの影を避ける
- 定規やメジャーを一緒に写した写真を1枚入れ、大きさを伝える
- 鉢の裏側(作家の印や水抜き穴)も撮っておく
特に大切なのは、幹の立ち上がりと根元の写真です。盆栽の経験者は、根が四方に張っているか、幹が鉢から自然に立ち上がっているかを必ず見ます。この写真が無いと、問い合わせが増えたり、購入をためらわれたりします。
説明文に書くこと
説明文は、買う人が比べているところに順番に答える形で書くと、問い合わせが減ります。
- 樹種と仕立ての段階(完成品か、素材か)
- 樹高、幅、幹の太さ(根元の直径)
- 鉢の寸法と、作家ものかどうか
- 最後に植え替えた時期と、使っている用土
- 針金を掛けているかどうか、掛けている場合は外す目安の時期
- 置き場所と水やりの目安(屋外か室内か、日当たり)
- 発送の形(鉢ごとか、根を包んで送るか)
「室内で育てられますか」という質問は特に多いので、先に書いておきます。松柏類の多くは屋外で育てる木で、室内に置いたままにすると弱ることがあります。この点を正直に書いておくと、買った人の期待とのずれが減り、評価も安定します。
説明文を書くときは、伝わる文章の基本を身につけておくと役に立ちます。ビジネス文書検定では、相手に正確に伝わる文書の書き方を体系的に学べます。商品説明だけでなく、買う人とのやり取りの文面を整えるのにも生かせます。
梱包と発送で傷めないための工夫
盆栽の発送で最も多いトラブルは、輸送中に鉢が割れる、土がこぼれる、枝が折れる、の3つです。出品前に梱包の方法を決めておくと、送料の見積もりも正確になります。
鉢ごと送る場合
鉢の表面の土を水苔(みずごけ)やラップで覆い、鉢と幹を紐で固定して、土がこぼれないようにします。鉢は緩衝材で包み、箱の中で動かないように隙間を詰めます。枝先が箱の内側に当たらないよう、箱は木より一回り大きいものを選びます。箱の外には「天地無用」「植物」と書いておきます。
根を包んで送る場合
鉢を外し、根を湿らせた水苔で包んでから、ビニールで覆って送る方法です。鉢の割れる心配がなく、重さも軽くなるため送料を抑えられます。素材木や苗はこの形で送られることが多く、買う人が自分の好きな鉢に植え付けられます。説明文には「鉢は付きません」と明記しておきます。
季節と発送の時期
真夏と真冬の発送は、木に負担がかかります。夏は箱の中が高温になり、冬は寒さで根が傷むことがあります。暑さが厳しい時期は発送の曜日を選び、届くまでの日数が短い配送方法を使うなどの工夫が必要です。植え替えの直後は根が弱っているので、少なくとも数週間は発送を避けるのが無難です。
届いた後の案内を添える
届いた木をどこに置き、いつ水をやればよいかを書いた紙を同封すると、買った人が安心して育て始められます。「到着後はすぐに日陰で水をたっぷり与え、2日から3日は直射日光を避ける」といった具体的な手順を書いておくと、枯れたという連絡を防ぎやすくなります。
税金と法律で確かめておくこと
盆栽を売って収入を得るなら、税金と、植物にかかわる法律を確かめておく必要があります。どちらも個別の事情で扱いが変わるので、ここでは一般的な考え方を整理します。
副業の所得と確定申告
会社員が盆栽の販売で収入を得た場合、収入から材料費や送料、手数料などの経費を引いた所得が、確定申告の対象になるかどうかの判断の基準になります。国税庁は、給与所得者で確定申告が必要な人について、次のように示しています。
給与を1か所から受けていて、かつ、その給与の全部が源泉徴収の対象となる場合において、各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く。)の合計額が20万円を超える人 出典: nta.go.jp
所得とは、売上から経費を引いた残りのことです。たとえば年間の売上が30万円でも、鉢や用土、送料、手数料などの経費が12万円かかっていれば、所得は18万円です。この20万円の基準は所得税の確定申告の話で、住民税は所得が20万円以下でも申告が必要になります。住民税の申告は、住まいの市区町村で受け付けています。
フリマアプリでの個人取引による所得は、一般的に雑所得に当たるとされています。ただし、自分の生活で使っていた物を手放した場合とは扱いが違い、販売を目的に育てた盆栽の売上は課税の対象として考えます。継続して規模が大きくなれば事業所得として扱われることもあるので、金額や事情によって迷うときは、税務署に確認してください。
種苗法と品種登録
種苗法は、新しく育成された植物の品種を「品種登録」によって守る法律です。登録された品種を、権利を持つ人の許可なく増やして売ると、権利の侵害になります。盆栽で使われる樹種にも、園芸品種として登録されているものがあります。挿し木や接ぎ木で増やして売る前に、農林水産省の品種登録ホームページで、その品種が登録されていないかを確かめておくと安心です。
ネットで売るときの表示
ネットで継続して売る場合、特定商取引法で、販売価格、送料、支払いの時期と方法、引き渡しの時期、返品の決まりなどを表示することが求められます(消費者庁 特定商取引法)。フリマアプリでは取引の仕組みの中で多くが表示されますが、自分のネットショップを開く場合は、表示の欄を自分で整える必要があります。
海外に売る場合
盆栽は海外でも人気がありますが、生きた植物を海外に送るには、相手の国が求める植物検疫の条件を満たす必要があります。植物防疫所は、日本から輸出される植物が輸入国の要求に合っているかを検査しています(植物防疫所 輸出植物検疫)。国によっては栽培中の検査が必要になるなど、準備に長い期間がかかります。副業で始めたばかりのうちは、国内の販売に絞るのが現実的です。
売る木を確保する方法:仕入れと増やし方
盆栽の販売を続けるには、売る木を途切れずに用意する仕組みが必要です。木を確保する方法は、仕入れる、増やす、仕立て直す、の3つに分けられます。
盆栽園や生産者から仕入れる
盆栽園や生産者から、手頃な素材木や苗をまとめて仕入れる方法です。自分で育てるより早く売る木をそろえられますが、仕入れ値と売値の差が小さいと、手数料と送料を引いた後に手元にほとんど残りません。仕入れる前に、同じ条件の木がいくらで売れているかを調べ、仕入れ値が売れた価格の半分以下に収まるかを目安に考えます。
仕入れた木をすぐに売るより、1年ほど手を入れて枝を整え、鉢を替えてから売るほうが、価格を上げやすくなります。仕入れの段階で「この木はどこを直せば良くなるか」を見極められるようになると、利益の出る木を選べるようになります。
挿し木と実生で増やす
真柏、長寿梅、もみじなどは、挿し木で増やしやすい樹種です。春から初夏に、元気な枝を切って用土に挿し、根が出るまで乾かさないように管理します。黒松などの松類は、種から育てる実生もよく行われます。どちらも費用はほとんどかかりませんが、売れる大きさに育つまで数年かかります。
増やした苗は、すべてを売りに出す必要はありません。育ちの良いものを残して手元で仕立て、残りを苗や素材として売ると、毎年少しずつ売るものが用意できます。ただし、品種登録された園芸品種を増やして売るのは種苗法に触れることがあるので、増やす前に品種を確かめてください。
手持ちの木を仕立て直す
長く育てている木の植え替えや枝の整理をして、形を整え直してから売る方法もあります。伸びすぎた枝を切り詰め、針金で枝の向きを直し、木に合う鉢に替えるだけで、見違えるほど評価が上がることがあります。仕立て直しの前後の写真を残しておくと、作品の説明に使え、手入れの技術を伝える材料にもなります。
売れないときに見直すこと
出品してから何週間も反応がないときは、価格を下げる前に、ほかの原因がないかを順番に確かめます。
- 写真:正面の1枚だけで、幹の立ち上がりや根元が写っていない。背景がごちゃごちゃしていて、木の輪郭が分からない
- 題名:樹種と大きさが入っていない。「盆栽」だけで、何の木か検索から見つけてもらえない
- 説明文:樹高や鉢の寸法が無い。完成品か素材かが書かれていない
- 時期:花や実が無い時期に、実ものを出している。落葉した雑木を冬に出している
- 送料:送料込みの価格にした結果、相場より高く見えている
特に見落としやすいのが季節です。もみじは紅葉の時期、長寿梅は花の時期、実ものは実が色づいた時期に、検索する人が増えます。冬の落葉した雑木は、枝ぶりを好む経験者には評価されますが、初めて買う人には寂しく見えます。売れにくい時期の木は無理に安く出さず、良い時期まで育てて待つのも1つの方法です。
問い合わせへの返答も、売れ行きに影響します。「室内でも育ちますか」「初心者でも枯らさずに育てられますか」といった質問には、置き場所と水やりの頻度を具体的に答えます。返事が早く丁寧な出品者は、評価欄にそのことが書かれ、次の出品でも選ばれやすくなります。
会社員が盆栽の販売を始める前に
会社に勤めながら盆栽を売る場合は、まず勤め先の就業規則で副業の扱いを確かめます。厚生労働省は、副業・兼業について会社と働く人が気をつけることを、ガイドラインとモデル就業規則で示しています(厚生労働省 副業・兼業)。モデル就業規則では、副業を原則として認めつつ、事前の届け出を求める形が示されています。会社によって決まりは違うので、規則を読み、必要なら担当の部署に相談してから始めます。
次に、育てる場所と時間を確かめます。盆栽は毎日の水やりが欠かせず、夏場は朝と夕方の2回必要になることもあります。出張や旅行が多い人は、自動の水やり装置を使うか、家族に頼めるかを先に考えておきます。数日水を切らすだけで枯れてしまう木もあるため、続けられる体制を作ることが、売る以前の前提になります。
最初の1年は、次のような順番で進めると無理がありません。
- 春に挿し木や実生で苗を作り、同時に手頃な素材木をいくつか仕入れる
- 夏までに、フリマアプリで売れた価格を10件以上書き出し、相場の表を作る
- 秋に、仕立ての途中の素材木を数点出品し、写真と説明文の反応を見る
- 冬に、売れた木と売れなかった木を比べ、価格と見せ方を見直す
- 翌年の春から、売れた種類を中心に育てる数を調整する
盆栽は、1年で結果が出る副業ではありません。木が育つ年月がそのまま商品の価値になるので、最初の数年は「育てながら少しずつ売る」形になります。焦って未熟な木を安く売るより、売れ筋の種類を見極めて、育てる計画を立てるほうが長く続けられます。
盆栽を売る力をほかの仕事に広げる
盆栽の販売で身につく力は、木を育てる技術だけではありません。売れた価格を調べて相場をつかむ力、写真で魅力を伝える力、買う人の疑問に先回りして答える説明文を書く力は、ほかの仕事にもそのまま生かせます。
商品の写真を撮り、見せ方を工夫する作業は、デザインの仕事に通じます。デザイナーの年収・単価相場では、デザイン職の収入の目安を確かめられます。商品ページの作り込みやバナー制作など、ネットショップの運営を手伝う仕事は、在宅でも受けられる分野です。
SNSでの発信やネットでの集客も、盆栽の販売と相性の良い技術です。季節ごとの木の変化や、植え替えの様子を投稿していると、作品の背景が伝わり、購入につながることがあります。AI・マーケティング・セキュリティのお仕事では、マーケティング系の仕事の内容を紹介しています。販売で覚えた集客の考え方を、ほかの店の運営を手伝う仕事に広げる道もあります。
在宅で続けられる仕事の幅を広げたい人は、在宅ワークに強い資格10選|自宅で稼げるスキルを身につけるも参考になります。盆栽の世話は毎日の短い時間で行えるので、在宅の仕事と組み合わせると、水やりの時間を確保しやすくなります。
運営者の立場から見えること
在宅ワークとフリーランスの仲介を2004年から続けてきた運営者として見てきた限りでは、手作りのものや育てたものを売って長く続けている人ほど、1回の売上の大きさより、同じ人に繰り返し買ってもらえる関係を大事にしている傾向があります。盆栽でも、届いた後の育て方を丁寧に案内し、季節の手入れについての質問に答えている売り手には、次の木を買う人が戻ってきます。
もう1つは、手数料の仕組みを理解している人ほど、手元に残る額を正確に把握しているということです。販売サイトの手数料は、価格が上がるほど差し引かれる額も大きくなります。仲介の手数料がかからない直接の取引であれば、同じ金額の仕事でも受け手の手取りが厚くなり、依頼する側も同じ予算でより多くを頼めます。盆栽の販売で身につけた値付けと手取りの考え方は、在宅の仕事を受けるときにも役立ちます。在宅でできる仕事の種類と内容は、AIコンサル・業務活用支援のお仕事のように、分野ごとのお仕事ガイドで確かめられます。
よくある質問
Q. 盆栽の価格の相場はどのくらいですか?
2026年10月25日にメルカリの売り切れ商品を集計したところ、ミニ盆栽は真ん中の価格が2,600円前後、黒松や真柏の小品盆栽は9,000円前後でした。樹種、樹齢と幹の太さ、樹形、鉢、手入れの状態で価格は大きく変わり、仕立ての完成度が高い木は数万円で売れる例もあります。
Q. 盆栽を売るのに許可や資格は必要ですか?
自分で育てた盆栽を売るのに、特別な資格は一般に求められません。ただし、中古の盆栽鉢を仕入れて売る場合は古物商許可が関わることがあり、登録品種を増やして売ると種苗法に触れることがあります。扱う品によって変わるので、警察署や農林水産省の品種登録のページで確かめてください。
Q. 盆栽はどこで売るのがよいですか?
小さな盆栽や素材木はフリマアプリが売りやすく、販売価格の10%が手数料としてかかります。古木や珍しい樹種はネットオークション、大きく重い木は送料のかからないマルシェや即売会が向いています。最初はネットと対面を1つずつ試し、自分の木が評価されやすい場所を見極めると無理がありません。
Q. 盆栽の販売で確定申告は必要ですか?
会社員の場合、盆栽の売上から経費を引いた所得と、ほかの副業の所得の合計が年間20万円を超えると、所得税の確定申告が必要になります。20万円以下でも住民税の申告は必要です。所得の区分は金額や続け方で変わることがあるので、迷うときは税務署や市区町村の窓口で確認してください。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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