日本語会話パートナーを夜だけで続けるなら予約の枠を絞っておく

中西 直美
中西 直美
日本語会話パートナーを夜だけで続けるなら予約の枠を絞っておく

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この記事のポイント

  • ✓夜だけ 日本語会話パートナー 在宅で働きたい方へ
  • ✓実は夜こそ需要が集中する時間帯です
  • ✓1晩に受けられるコマ数の決め方

「日中は仕事があるので、夜だけ在宅で日本語会話パートナーができないか」。このご相談、ここ2年で本当に増えました。そして最初にお伝えしたいのは、大丈夫ですよ、ということです。この仕事に関しては、夜は「仕方なく空いている時間」ではありません。むしろ学習者の側から見て、いちばん需要の集まる時間帯なんです。ただし、夜だけという条件で長く続けるには、受注量と予約枠の決め方に少しコツが要ります。この記事では、夜だけ 日本語会話パートナー 在宅という働き方を、資格の話から相場、1晩に何コマまでなら無理がないか、そして予定を相談するときの伝え方まで、順を追ってお話ししていきます。

夜こそ需要が集まる時間帯である理由

学習者の生活時間から逆算すると、答えは夜になる

まず、この仕事の需要がいつ発生しているかを見ていきます。ここが分かると、夜だけという条件が不利ではないと腹落ちします。

日本語会話パートナーの相手は、大きく2種類に分かれます。日本国内に住んでいる外国籍の方と、海外に住んでいる日本語学習者です。

国内に住んでいる方の多くは、平日の日中は働いています。技能実習や特定技能で就労している方、日本企業に勤務している方、留学生でアルバイトをしている方。この人たちが日本語を話す練習に使える時間は、必然的に平日の夜か週末になります。

海外の学習者はどうでしょうか。日本と時差の小さい国、たとえば韓国は時差なし、中国・台湾・香港は1時間、東南アジアの一部は1時間から2時間の差です。日本の21時は、中国では20時。相手にとっても夕食後のちょうどいい時間です。

つまり、日本時間の夜19時から23時という枠は、国内の就労者にとっても、東アジア・東南アジアの学習者にとっても、同時に都合がいい時間帯なんです。

逆に、日本時間の平日昼間に空いている学習者は限られます。この時間に稼働できる講師は多いのに、需要は薄い。夜だけしか動けないことを引け目に感じている方が多いのですが、需要と供給のバランスでいえば、夜のほうが有利です。

在留外国人の増加が、市場そのものを押し上げている

背景として、日本で暮らす外国籍の方が増え続けているという事実があります。人手不足を受けた在留資格制度の見直しが続き、就労を目的として来日する人が各分野で増えました。この人たちは日本語学校に通う時間が取りにくく、業務に必要な日本語を実務の中で身につけていくことになります。

そこで生まれるのが「教科書の勉強ではなく、話す練習がしたい」というニーズです。文法は学んだけれど口から出てこない、職場で敬語がうまく使えない、電話が怖い。こうした課題は、テキストを読むだけでは解決しません。相手をしてくれる日本語話者が必要になります。

実際の募集内容を見ると、この構造がはっきり分かります。

完全在宅で活躍できるオンラインビジネス日本語会話講師を募集します。外国籍の方が日本企業で活躍するために必要な日本語やビジネス文化の習得を、独自の教材を用いてサポートしていただきます。受講生の多くは日常会話レベルの日本語力を持ち、必要に応じて英語などを用いて指導することもあります。1コマ25分のレッスン対応、時間枠管理、準備、フィードバック入力などが主な業務です。業界職種問わず3年以上の日本企業勤務経験があり、Microsoft Teamsのビデオ通話が使用でき... 出典: 求人ボックス

ここで注目してほしいのは、応募条件が「日本語教育の資格」ではなく「日本企業での勤務経験3年以上」になっている点です。求められているのは、日本語を教える技術というより、日本の職場で通じる言い回しや文化を知っていることです。

会社員として働いてきた経験そのものが要件になる。これは、日本語教育のバックグラウンドがない方にとって、大きな入口です。

会話パートナーと日本語教師は、まったく別の仕事

役割の違いを最初に理解しておく

ここを混同したまま応募すると、あとで苦しくなります。よく相談を受けるのも、まさにこのズレからです。

日本語教師は、体系立てた指導を行う専門職です。文型の導入、活用の説明、誤用の訂正、レベル別のカリキュラム運用。教える技術と、日本語を外国語として説明できる知識が求められます。

会話パートナーは、学習者が日本語を「使う」場を提供する役割です。話題を振り、相槌を打ち、詰まったところを助け、自然な言い方に言い換えてあげる。文法の理屈を説明することは必ずしも求められません。

この違いは、募集要件にそのまま表れます。日本語教師の求人は要件が明確に厳しい。

オンライン日本語教師(在宅・非常勤)を募集します。グループ・1対1のオンライン日本語レッスンを担当していただきます。初級から上級まで、いずれかのレベルを担当します。応募資格は、大学での日本語教育主専攻・副専攻、日本語教師養成講座420時間以上修了、日本語教育能力検定試験合格、登録日本語教員資格取得のいずれかに該当し、日本語教師経験3年以上、オンライン授業に適した環境がある方です。学習者増加に伴う募集で、責任感があり、向上心を持って長く続けられる方を求めています。 出典: 求人ボックス

420時間の養成講座、検定試験合格、経験3年以上。夜だけ副業で始めたい方が、いきなりここを目指す必要はありません。

会話パートナーは、この要件の外側にある市場です。同じ「日本語を教える」という括りに見えて、入口の高さがまったく違います。

資格は必要か。位置づけを整理します

結論から言うと、会話パートナーとして始めるなら資格は必須ではありません。ただし、あると選ばれやすくなるのは事実です。

日本語教育に関する主な資格・修了要件は次の通りです。

名称 位置づけ 会話パートナーへの効き方
登録日本語教員 2024年に始まった国家資格 日本語教師求人では必須級。会話パートナーでは任意
日本語教育能力検定試験 民間の検定として長い歴史がある プロフィールの信頼性が上がる
日本語教師養成講座420時間 修了で教師要件を満たす講座 時間と費用の投資が大きい
日本語教育の主専攻・副専攻 大学での履修 学生時代の履修があれば書いておく

夜だけの副業として始める段階では、これらを取ってから応募する必要はありません。まず始めて、続けられそうだと分かってから検討すれば十分です。

むしろ現場で効いているのは、次のような「日本語教育以外の経歴」です。

・日本企業での勤務経験(ビジネス日本語のニーズに直結) ・接客・販売の経験(相手の反応を見て話す訓練になっている) ・子育てや人材育成の経験(相手のペースに合わせる力) ・特定分野の実務知識(介護、建設、IT、飲食など)

3つ目の「人育て」については、募集文にはっきり書かれているものもあります。

外国人材と企業を日本語教育でつなぐ、在宅で活躍できる日本語教師を募集しています。人育てや子育ての経験を活かし、自立したレッスンができるよう丁寧にサポートします。ビジネス日本語教育の経験を積み、意欲やスキルに応じて新しい取り組みにも参画可能です。学習者の成長や社会とのつながりに貢献したい方、実践的な日本語運用力の育成に取り組める方を求めています。オンラインでの指導が可能なITリテラシーをお持ちの方を歓迎します。 出典: 求人ボックス

あなたがこれまで積んできたものが、そのまま価値になる仕事です。ここは自信を持ってください。

報酬の相場と、手数料という見えないコスト

レッスン単価の考え方

報酬体系は大きく2種類です。

1つ目は、プラットフォーム型。自分でレッスン料金を設定し、予約が入った分だけ収入になります。25分や50分を1コマとする設定が一般的で、会話中心のレッスンは初心者の設定価格として1コマ数百円から始まり、実績と評価が積み上がるにつれて上げていく形になります。

2つ目は、業務委託型。運営会社が学習者を集め、決められた単価でコマを割り当てる形です。1コマあたりの報酬は固定で、募集要件も明確。予約営業をしなくていい代わりに、単価の上限は決まっています。

夜だけの副業として始めるなら、最初は業務委託型のほうが計算しやすいです。集客の労力がかからず、稼働した分がそのまま収入になるからです。慣れてきて、指名でリピートしてくれる学習者がついてきたら、プラットフォーム型を並行させる。この順番が現実的です。

手数料の話を、正面から

ここは大事なところなので、はっきり書きます。

プラットフォーム型では、レッスン料金の一部が運営手数料として差し引かれます。手数料率はサービスによって幅がありますが、決して小さい数字ではありません。学習者が支払った金額と、あなたの口座に入る金額には差があります。

たとえば学習者が1コマ2,000円を支払っていて、手数料が30%なら、手元に残るのは1,400円です。夜に3コマ入れても、この差は積み上がると無視できません。

だからこそ、収入を増やす方法は「コマ数を増やす」だけではないんです。同じ稼働時間でも、間に乗る手数料が薄い経路を持てば、手取りは変わります。この視点を持っている人は、稼働時間を無理に延ばさずに収入を安定させています。

夜だけという限られた時間で働く方にとって、これはとても重要です。時間を増やせないなら、1時間あたりの手取りを上げるしかありません。

夜だけで組むなら、受注量を先に決める

1晩に何コマまでが無理のない範囲か

ここからが、この記事の核心です。

会話レッスンは、頭を使う仕事です。相手の日本語を聞き取り、意図を推測し、自然な言い方に直し、話題を切らさないように運ぶ。25分のコマでも、終わったあとに疲労感があるのが普通です。

そのうえで、夜という時間帯は本業のあとです。すでに一日分の集中力を使ったあとに、さらに人と向き合う仕事をすることになります。

私がお話を聞いてきた範囲では、平日の夜に無理なく続けられているのは、25分コマなら2コマから3コマ、50分コマなら1コマから2コマという方が多いです。

もちろん個人差があります。ただ、最初から上限いっぱいに入れないでください。1週間目に無理をして、2週間目に予約を全部閉じてしまう。この流れが、いちばんもったいないんです。

おすすめは、こういう段階の踏み方です。

・1週目:平日2日、1日1コマだけ開ける ・2週目:平日3日、1日1コマ ・3週目:疲労感を確認して、増やすか維持かを判断 ・4週目以降:無理のなかった量を基準に固定する

「増やせる」と分かってから増やすほうが、心はずっと楽です。

予約枠の出し方に、ひと工夫を

夜だけで稼働する人が絶対にやっておくべきなのが、予約枠の終了時刻を早めに切ることです。

たとえば23時まで対応可能だと思っていても、公開する枠は22時30分開始までにしておく。レッスンは時間通りに終わらないことがあります。接続トラブル、話が盛り上がる、質問が最後に来る。そのバッファを最初から確保しておかないと、毎回終わりが遅くなります。

もう1つ。枠を全部の曜日に散らさないこと。月火水木金と毎日1コマずつ入れるより、火・木・土に2コマずつ入れるほうが、体感の負担は軽くなります。稼働しない日があると、心が回復する余地ができるからです。

予定を相談するときの、具体的な伝え方

これは多くの方が苦手とするところです。「断ったら次から仕事が来ないのでは」と不安になりますよね。

でも実際は逆です。運営側にとって、いちばん困るのは「直前のキャンセル」です。事前に条件を伝えてくれる人のほうが、ずっと扱いやすい。

具体的には、こういう伝え方をおすすめしています。

受注前に伝えること

「平日は21時から22時30分開始の枠で、1日2コマまで対応可能です。土日は日中も調整できます。翌日の業務があるため、23時以降の開始枠はお受けできません。」

条件を先に出すと、合わない依頼が来なくなります。断る回数が減るので、結果として関係が良くなります。

やむを得ず調整をお願いするとき

「今週は本業の都合で夜の対応が難しい日があります。木曜と金曜の枠を閉じさせてください。来週は通常通り対応できます。」

理由を細かく説明する必要はありません。「いつまで」「いつから戻るか」を添えるだけで、相手は次の手配ができます。

体調が優れないとき

無理をしないでください。会話の仕事は、こちらの状態がそのまま相手に伝わります。ぼんやりした受け答えを1回するより、休んで次回に万全で臨むほうが、結果的に評価は下がりません。

睡眠を削って枠を増やすやり方は、続きません。夜だけで働くという選択は、本来「日中の生活を守るため」のものです。その前提を壊してまで量を追うと、いちばん大事なところが崩れます。

必要なスキルと、夜ならではの環境づくり

資格より効く3つの素養

現場で長く続いている方には、共通する素養があります。

1つ目は、待てること。 学習者が言葉に詰まったとき、すぐに正解を出してしまう人は、実は伸ばせていません。3秒から5秒待つ。この間に相手が自分で言葉を探せたら、それが定着します。心理学では「自己効力感」という言い方をしますが、要するに「自分でできた」という感覚が、次の学習意欲を作るということです。

2つ目は、訂正しすぎないこと。 間違いを全部直すと、相手は話さなくなります。会話パートナーの目的は正確さより流暢さ。「今の言い方でも通じますよ。もっと自然に言うなら、こうです」という順番で伝えると、相手は萎縮しません。

3つ目は、話題の引き出しがあること。 沈黙が続くと、両方が疲れます。天気、食べ物、週末の予定、出身地の話、仕事の話。相手のレベルに合わせて選べる話題を、いくつか用意しておくと安心です。

機材と通信環境

・安定したインターネット回線。会話レッスンでは映像より音声の途切れが致命的です ・ヘッドセットまたはイヤホンマイク。パソコン内蔵マイクは環境音を拾いやすい ・手元灯。夜は顔が暗く映りがちで、表情が読み取れないと相手は不安になります ・ビデオ会議ツール。Microsoft Teams、Zoom、Google Meetなど、募集ごとに指定があります

夜の在宅ならではの配慮

夜に自宅から話す仕事なので、生活音との折り合いが要ります。

・家族が寝ている時間帯なら、声量を抑えられる部屋を確保する ・レッスン中は洗濯機や食洗機を回さない。マイクが低周波を拾います ・背景に生活空間が映らない位置にカメラを置く。バーチャル背景でも構いません ・玄関チャイムやスマホの通知音を切っておく

これは相手への配慮であると同時に、自分が集中するための準備でもあります。夜の限られた時間を使い切る工夫としては、在宅ワークの集中力アップ|ポモドーロ以外に効く7つのテクニックで紹介されている時間の区切り方が応用できます。レッスンとレッスンの間に短い休憩を挟むだけで、2コマ目の質がまったく変わります。

始め方の5ステップ

ステップ1:自分の売りになる経歴を書き出す

日本語教育の経験がなくても構いません。勤務してきた業界、担当してきた業務、接客経験、方言、趣味。学習者の目的が「介護現場で使う日本語」なら介護経験者が強いですし、「IT企業での会議」ならIT業界経験者が選ばれます。

ステップ2:稼働できる曜日と時間を確定する

前章の通りです。ここを曖昧にしたまま次に進まないでください。

ステップ3:募集を探す

求人サイトで「日本語 オンライン 在宅」といった条件で検索すると、業務委託型の募集がまとまって見つかります。求人ボックスのような横断型の検索サービスは、複数媒体の募集を一度に確認できるので、条件と単価の相場観をつかむのに向いています。あわせて、在宅で成立する仕事全体を見比べたい方は在宅でできる仕事おすすめ【2026年版】|スキル別ランキングにスキル別の一覧がまとまっているので、他の選択肢と並べて検討できます。

ステップ4:プロフィールとトライアルの準備

プロフィールは「教えられること」より「一緒に話せること」を書きます。学習者は先生を探しているのではなく、安心して話せる相手を探しています。

トライアルレッスンでは、完璧に進めようとしないでください。相手の日本語レベルを確認し、何に困っているかを聞き、次回の方向性を一緒に決める。これができれば十分です。

ステップ5:最初の1か月は記録を取る

各レッスンのあとに、所要時間、疲労度、うまくいった話題を短くメモしておきます。1か月後に見返すと、自分にとって無理のない稼働量が数字で分かります。感覚ではなく記録で判断することが、続けるための一番の近道です。

夜に人と話す仕事だからこそ、心の負担に目を向ける

この仕事には、他の在宅ワークにない特徴があります。人と直接向き合うということです。

これは大きな利点です。「フリーランスになって、急に人と話さなくなった」というご相談は本当に多く、在宅で一人作業を続けていると、誰とも話さない日が続くことがあります。会話パートナーの仕事は、収入を得ながら人とのつながりを保てる、珍しい形です。

一方で、負担もあります。相手の感情を受け取る仕事なので、疲れ方がデータ入力のような作業とは違います。

こういうご相談をよく受けます。「レッスンが終わったあと、しばらく何もできない」。これは特別なことではありません。人の話を集中して聞くという行為自体が、エネルギーを使うからです。

対処法をいくつかお伝えします。

・レッスン後に5分、何もしない時間を作る。すぐ家事に戻らない ・最後のコマの後に、必ず切り替えの行動を置く。パソコンを閉じる、部屋の照明を落とす、白湯を飲む。「終わった」という合図を体に与えます ・うまくいかなかった回を引きずらない。相手の理解が進まないのは、あなたの力不足ではなく、単に相性や体調の問題であることがほとんどです ・相手の人生の問題を背負い込まない。悩みを打ち明けられることがありますが、あなたは話し相手であってカウンセラーではありません

これは私自身の失敗でもあります。相談業務を始めたころ、対応した方のことを夜まで考え続けてしまい、翌日の集中力を落としていました。切り替えの儀式を決めてから、ようやく持ち帰らなくなりました。技術ではなく、習慣の問題です。

あなたは一人じゃありません。同じことで疲れている人は、たくさんいます。

報酬の扱いと、税金の基本

副業として収入を得る以上、税務の話は避けて通れません。

会話パートナーの報酬は、多くの場合が業務委託契約による報酬になります。給与ではないため源泉徴収も年末調整もなく、自分で申告するかどうかを判断することになります。

・給与所得がある方が副業で得た所得が一定額を超えると、確定申告が必要になります ・経費として計上できるものがあります。通信費、機材費、教材費のうち業務に使った割合分 ・扶養の範囲内で働きたい方は、税法上の扶養と社会保険の扶養で基準が違う点に注意してください

制度の詳細は国税庁のタックスアンサーで確認できます。社会保険や年金の扱いについては日本年金機構の情報が基準になります。

※ 配偶者の健康保険の扶養に入っている場合、判定基準は健康保険組合ごとに運用が異なることがあります。年度が始まる前に、配偶者の勤務先で基準を確認しておくと安心です。

会計処理を自分でやるなら、クラウド会計ツールを使うと負担が減ります。freeeやマネーフォワードのようなサービスは、副業規模の記帳にも対応しています。

在宅ワーク市場を長く見てきた立場からの観察

20年この市場を見てきた立場から言えば、在宅で長く続いている人には、はっきりした共通点があります。それは、スキルの高さではなく、「この人に任せると楽だ」と依頼側に思わせる関係を作っていることです。

会話パートナーの仕事でいえば、こういうことです。予約枠を安定して出す。直前キャンセルをしない。連絡が返ってくる。無理な依頼は理由を添えて断る。この4つができている人は、繁忙期にも仕事が途切れません。逆に、レッスンの内容は素晴らしいのに連絡が取りづらい人は、次の案件を任せにくい。

夜だけという条件は、この観点ではむしろ有利です。時間が限られているから、受けられる量を正直に伝えざるを得ない。結果として「約束を守る人」という評価が積み上がります。運営者として見てきた限り、たくさん受けて崩れる人より、少なく受けて必ず守る人のほうが、長く仕事が続いています。

もう1つ、手取りの話をしておきます。在宅で働く人の収入を実際に押し下げているのは、単価そのものより中間に乗る手数料です。同じ金額を依頼側が払っても、間に何段階も入れば、実際に手元に残る額は目減りします。逆に、中間マージンの乗らない直接の取引なら、依頼側は同じ予算でより多く頼めて、受け手の手取りは厚くなる。この構造は、業界を長く見ていると数字ではなく実感として分かります。手数料0%で直接つながる形が支持されているのは、金額の大小の話ではなく、同じ働きに対して手元に残るものの質が変わるからです。

夜だけで働く方にこそ、この視点を持ってほしいと思っています。稼働時間を増やせない人が収入を伸ばす方法は、1時間あたりの手取りを上げることしかありませんから。

在宅ワークの職種データから見た、会話パートナーの位置づけ

在宅で成立する職種を横並びで見ると、日本語会話パートナーには3つの特徴があります。

1つ目は、初期投資がほぼゼロであること。 多くの在宅職種は、参入前にスキル習得の期間が必要です。開発系の仕事は単価水準こそ高いものの、そこに至るまでの学習期間が長い。実際の水準はソフトウェア作成者の年収・単価相場に職種別のデータがまとまっていますが、到達までの投資が前提になります。文章系も同様で、著述家,記者,編集者の年収・単価相場を見ると幅が広く、実績の積み上げが単価を決める構造です。

会話パートナーは、パソコンとイヤホンマイクと回線があれば、今週から始められます。この即応性は、他の在宅職種にはあまりありません。

2つ目は、時間単価が読みやすいこと。 コマ制なので、稼働時間と収入の関係が明確です。作業量が読めない受託仕事と違い、「今週は2時間だけ」と決めたらその通りに収まります。夜だけという制約がある方にとって、これは大きな安心材料です。

3つ目は、スキルの横展開先が意外に広いこと。 会話パートナーで身につくのは、相手の理解度に合わせて説明を調整する力です。これは対人業務全般に応用が利きます。ビジネス文書の基礎を体系的に押さえたい方にはビジネス文書検定が入口になりますし、IT分野の支援業務に興味が出たらCCNA(シスコ技術者認定)のような技術系資格から入る道もあります。

現在の在宅ワーク市場で伸びている領域を見ると、AIコンサル・業務活用支援のお仕事やAI・マーケティング・セキュリティのお仕事のように、専門知識を持つ人が非専門家に説明する形の業務が増えています。アプリケーション開発のお仕事のような技術職も在宅化が進んでいますが、いずれの分野でも「相手に合わせて伝える力」は共通の土台です。会話パートナーの経験は、決して閉じた技能ではありません。

家事や育児と組み合わせて在宅ワークを回している方の実例は、在宅ワーク主婦の1日のタイムスケジュール公開に具体的な時間割としてまとまっています。夜の枠をどこに置くかを考えるときの参考になります。

最後にお伝えしたいのは、この仕事は「量を積む」より「続ける」ほうが効いてくる仕事だということです。同じ学習者と3か月続けると、相手の日本語が変わっていくのが見えます。その手応えが、次の予約につながります。

夜という限られた時間だからこそ、無理のない量で、長く続けられる形を最初に作ってください。焦らなくて大丈夫ですよ。

よくある質問

Q. 日本語教師の資格がなくても、会話パートナーはできますか?

できます。会話パートナーは体系的な文法指導ではなく、話す練習の相手をする役割なので、資格を必須としない募集が多くあります。むしろ日本企業での勤務経験3年以上を条件にしている求人もあり、社会人経験そのものが要件になります。日本語教育能力検定などの資格は、あれば選ばれやすくなる加点要素と考えてください。

Q. 夜だけの稼働で、1晩に何コマまで入れるのが現実的ですか?

25分コマなら2コマから3コマ、50分コマなら1コマから2コマが、本業のあとに無理なく続けられる目安です。最初の週は1日1コマから始めて、疲労の度合いを見ながら増やしてください。予約枠の終了時刻は希望より30分早めに切っておくと、レッスンが延びても翌日に響きません。

Q. 報酬の相場と、手数料はどのくらいかかりますか?

業務委託型は1コマ単価が固定で、集客の手間がない代わりに上限も決まっています。プラットフォーム型は自分で料金を設定できますが、レッスン料金から運営手数料が差し引かれます。学習者の支払額と手元に残る額には差が出るため、稼働時間を増やせない方は1時間あたりの手取りが厚い経路を選ぶことが重要になります。

Q. 予約を断ったり枠を減らしたりすると、次の仕事に影響しますか?

事前に伝えるなら、むしろ評価は下がりません。運営側が最も困るのは直前のキャンセルなので、条件を先に出して合わない依頼を減らす人のほうが扱いやすいのです。「今週は木金の枠を閉じます。来週は通常通りです」のように、いつまでといつから戻るかを添えて伝えれば十分です。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年4月3日最終更新:2026年9月12日
中西 直美

この記事を書いた人

中西 直美@SOHO編集部

産業カウンセラー・キャリアコンサルタント

大手人材会社でキャリアカウンセラーとして15年間従事した後、フリーランスの産業カウンセラーとして独立。在宅ワーカーのメンタルヘルスケアを専門に活動しています。

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