Wワークで週40時間を超えるなら知っておきたい法律上の扱い


この記事のポイント
- ✓週40時間以上のWワークで実際に起きた「割増分が払われない」「契約を切られた」というトラブル事例をもとに
- ✓労働時間通算ルールの仕組みと
- ✓契約前・契約中にできる予防策を整理しました
「Wワークで週40時間以上になってしまったのですが、これって大丈夫でしょうか」
このご相談、本当に増えました。しかも困ったことに、多くの方が「不安になってから」ではなく「トラブルが起きてから」相談にいらっしゃいます。残業代が出なかった、副業を知られて契約を打ち切られた、体調を崩して両方続けられなくなった。そのどれもが、事前に知っていれば避けられたものでした。
先に結論をお伝えします。週40時間以上のWワークは、それ自体が違法になるわけではありません。ただし労働時間の通算というルールがあるため、雇用契約が2つ重なると割増賃金の支払い義務が発生し、その扱いを巡ってお金と信頼の両方でもめやすくなります。そして、もめたときに損をするのは、たいていの場合、働いている側です。
この記事では、実際に相談として持ち込まれた「払われなかった」「切られた」という具体的なトラブルの形をなぞりながら、どこで歯車が狂ったのか、どうすれば防げたのかを一つずつ整理していきます。法律の条文を暗記する必要はありません。押さえるべき勘所は、そう多くないんです。大丈夫ですよ。順番に見ていきましょう。
Wワークで週40時間を超える人が増えている背景
まず、あなたが特別なわけではないという話からさせてください。
法定労働時間は、原則として1日8時間、1週40時間です。これは労働基準法で定められた上限で、正社員でもアルバイトでも変わりません。ところが実際には、本業でフルタイムに近い時間働きながら、さらに別の勤務先でシフトに入っている方がとても多い。生活費が足りない、教育費がかさむ、将来が不安。理由はさまざまですが、動機はほとんど共通しています。「もう少し収入がほしい」。
副業解禁の流れと現実のズレ
企業の副業容認は、この数年で一気に進みました。就業規則のモデルとして副業を原則認める形が示され、大手企業から順に規程が書き換わっていきました。ただ、ここに大きなズレがあります。企業が想定していた副業と、働く人が実際に選んだ副業が違ったんです。
企業側が思い描いていたのは、執筆、講演、コンサルティング、あるいは自分の会社を持つといった、雇用ではない形の副業でした。ところが現実に多くの方が選んだのは、飲食店のホール、倉庫の仕分け、コールセンター、コンビニのシフトといった「アルバイト」です。つまり、雇用契約がもう1本増える形。ここが厄介なところで、雇用が2本になった瞬間、労働時間の通算という面倒なルールが顔を出します。
業務委託であれば時間は通算されません。けれどアルバイトは雇用契約ですから、通算されます。この違いを知らないまま掛け持ちを始めて、あとから「え、そんな話は聞いていない」となる。相談の入り口は、だいたいここです。
「両社合わせて週40時間以内」という求人票の意味
Wワーク可と書かれた求人票に、小さく「他社との合計で週40時間以内」と条件が付いていることがあります。あれを見て、なぜそんな制限があるのかと不思議に思った方も多いはずです。
あれは意地悪でも何でもなく、雇う側が割増賃金の負担を避けるための自衛です。あとで詳しく書きますが、通算して法定労働時間を超えた分には割増賃金がかかります。そして状況によっては、その負担が後から契約した会社側に回る。人件費の予算が決まっている現場にとって、それは無視できない金額です。だから最初に線を引く。
実際、こんな悩みがネット上のQ&Aにも投稿されています。
wワークで週40時間以上働きたいが、バレない方法はありますか? 新しくバイトをしたいのですが、そのバイト先がwワークokですが、両社合わせて週40時間以内までと記載されていてます。ですが、金銭的にもっと働きたいです。今働いているバイトでは社保に入ってます。たとえばですが、嘘をついて両社合わせて週40時間以上働いて、自分で確定申告したらバレないでしょうか? 出典: detail.chiebukuro.yahoo.co.jp
正直な気持ちだと思います。責める気にはとてもなれません。ただ、この「嘘をついて働く」という選択が、後半でお話しするトラブル事例のほぼすべての出発点になっている。それだけは、先にお伝えしておきたいんです。
実際にあったトラブル事例と、そこで何が起きたか
ここからが本題です。守秘のため細部は変えていますが、いずれも実際に持ち込まれた相談の形です。読みながら「自分に近いな」と感じる箇所があれば、そこがあなたのリスクポイントです。
事例1:超過分の割増賃金が支払われなかった
平日は本業で週40時間、土日に別のアルバイトで週10時間。合計50時間で働いていた方からのご相談でした。半年ほど経ったころ、ふと「これ、残業代にあたる分は出ているのだろうか」と疑問を持たれた。
給与明細を確認すると、アルバイト先の支給は時給に働いた時間を掛けただけ。割増は一切ついていませんでした。本人が問い合わせたところ、返ってきた答えは「うちでは週40時間を超えていないので、割増は発生しません」。
これは誤りです。労働時間は事業場が違っても通算されます。本業ですでに40時間に達しているなら、後から契約した側での労働はすべて法定時間外にあたり、25%以上の割増が必要になる場面です。
ではなぜ払われなかったのか。理由は単純で、アルバイト先が本業の存在をきちんと把握していなかったからです。採用時のヒアリングでは「他に仕事はしていますか」という項目に本人がチェックを入れていなかった。求人票に「合計週40時間以内」とあったので、正直に書くと採用されないと思ったそうです。
結果として、請求しようにも「聞いていない」と言われ、本人も申告していなかった負い目から強く出られず、話し合いは平行線のまま終わりました。取り戻せたはずのお金は、時給1,200円で週10時間働いた場合、割増分だけで月12,000円前後。半年で7万円を超えます。決して小さくありません。
事例2:申告していなかったことが判明し、契約を打ち切られた
もう一つ多いのが、こちらです。副業そのものではなく「隠していたこと」が理由で関係が壊れるパターン。
その方は、本業の会社に届出をせず、休日に週16時間のアルバイトをしていました。ある月、住民税の額が同僚と比べて明らかに高いことに経理担当者が気づき、確認が入りました。副業の給与が本業の給与に合算されて住民税が計算されるため、給与から天引きされる住民税の額に差が出たわけです。
会社の就業規則には「副業を行う場合は事前に届け出ること」と書かれていました。届出を怠っていたこと、さらに聞かれた際に「していません」と答えてしまったこと。この2点が問題視され、最終的にアルバイトのほうを辞めるよう求められました。
ご本人がいちばん堪えていたのは、収入が減ったことではなく、上司との関係が変わってしまったことでした。「あの人は嘘をつく」という目で見られるようになった、と。カウンセリングの場で、涙ながらにそう話されたのを覚えています。
副業禁止規定そのものは、勤務時間外の私生活上の行為を無制限に縛れるものではありません。ただ、届出義務に違反したこと、虚偽の申告をしたこと、これらは事実として残ります。争うことはできても、職場に居続けることを考えれば、勝ち負けの問題ではなくなってしまう。
事例3:社会保険の扱いを誤解して手取りが減った
3つ目は、法律違反ではないのに手取りが減ってしまったケースです。
社会保険(健康保険と厚生年金)は、勤務先ごとに加入要件を判定します。おおむね週の所定労働時間が20時間以上、月額賃金88,000円以上といった条件を満たすと、その勤務先でも被保険者になります。適用対象となる企業規模は段階的に広がってきており、以前なら対象外だった小さな事業所でも加入対象になる場面が増えました。
その方は本業で社会保険に加入したうえで、副業先でも週24時間のシフトに入っていました。ある時期から副業先でも被保険者となり、二以上事業所勤務の届出が必要な状態になった。ところが手続きを知らずに放置していたため、後から遡って保険料が調整され、複数月分がまとめて天引きされたそうです。
「稼ぐために増やしたシフトなのに、手取りが前より減った月があった」。この言葉が、すべてを表しています。制度上は正しい処理なのですが、心の準備がないところに来ると、ダメージは大きい。
社会保険の仕組みについては、公的機関の説明が最も正確です。加入要件や二以上事業所勤務の届出については日本年金機構の案内を確認しておくと安心できます。
事例4:時間を積み上げすぎて、両方を失った
最後は、私がいちばん心配している形です。
週40時間の本業に加えて、週20時間以上のシフトを重ねると、合計は週60時間。単純計算で月80時間前後の時間外労働に相当し、これは健康障害のリスクが高まるとされる水準に近づきます。
その方は、半年ほどそのペースを維持されました。最初の2か月は「意外といける」と感じたそうです。3か月目から寝つきが悪くなり、4か月目には朝起きられない日が出はじめた。5か月目に本業で立て続けにミスをして、6か月目に体調を崩して両方を休職・退職することになりました。
睡眠時間が削られると、まず判断力が落ちます。次に感情のコントロールが効かなくなる。難しい言葉では認知資源の枯渇と呼びますが、要するに「頭が疲れて、簡単なことも決められなくなる」状態です。本人には自覚がほとんどありません。周りが先に気づきます。
収入を増やすために始めたはずが、結果として収入源を両方失う。この順番だけは、どうしても避けたいんです。
トラブルの根っこにある「通算ルール」を正しく理解する
事例を4つ見ていただきました。原因はバラバラのようで、実は共通しています。労働時間の通算という仕組みが理解されていない。そこに尽きます。ここを押さえると、防ぎ方が見えてきます。
通算されるもの、されないもの
通算の対象になるのは、労働基準法上の「労働者」として働く時間です。つまり雇用契約に基づく勤務。正社員、契約社員、パート、アルバイト、派遣。これらは事業主が違っても通算されます。
一方で、次のものは通算されません。
・業務委託契約(請負・準委任)に基づく仕事 ・フリーランスとして受注した案件 ・個人事業主としての事業活動 ・自分で運営するネットショップやコンテンツ販売
ここが決定的な分かれ目です。同じ「週にプラス10時間働く」でも、アルバイトなら通算されて割増の話が出てくるのに対し、業務委託なら労働時間という概念がそもそも当てはまりません。成果物に対して報酬が支払われる関係だからです。
「週40時間以上働きたいけれど、法律の縛りが面倒」という悩みの、いちばんすっきりした出口はここにあります。掛け持ちの2本目を雇用ではなく業務委託にする。それだけで、通算の問題も、割増賃金の押し付け合いも、求人票の「合計40時間以内」という条件も、まとめて関係なくなります。
割増賃金は誰が払うのか
雇用を2本持つ場合の割増賃金は、原則として「後から労働契約を結んだ側」が、法定労働時間を超える部分について支払います。所定労働時間の順番で判断されるのが基本形で、通算して1日8時間または週40時間を超えた部分に25%以上の割増が乗ります。
具体的に見てみます。
| 本業の週労働時間 | 副業の週労働時間 | 合計 | 割増対象となる時間 |
|---|---|---|---|
| 40時間 | 5時間 | 45時間 | 副業の5時間すべて |
| 40時間 | 10時間 | 50時間 | 副業の10時間すべて |
| 30時間 | 15時間 | 45時間 | 副業のうち5時間 |
| 20時間 | 15時間 | 35時間 | なし |
表のとおり、本業がすでにフルタイムなら、副業側の労働はすべて割増対象になります。時給1,200円なら割増後は1,500円。雇う側から見れば、同じ仕事をしてもらうのに人件費が25%高くなるわけです。求人票に条件を書きたくなる理由が、これで腑に落ちると思います。
なお、時間外労働には協定と上限規制もかかります。労働時間や割増賃金の基本的な考え方は厚生労働省が公開している資料が一次情報として確実です。
自己申告がすべての起点になる
そして、ここが最も大切なところです。
勤務先は、あなたが他社で何時間働いているかを自動的には知りません。マイナンバーで勤務先同士が労働時間を共有する仕組みは存在しませんし、税や社会保険の手続きは労働時間の管理とは別の流れで動いています。つまり、通算の判断材料は原則として本人の申告だけなんです。
だから事例1では割増が払われませんでした。申告がなければ、雇う側は通算のしようがない。制度は自己申告を前提に組み立てられているので、申告しない選択をした時点で、割増賃金を受け取る道は事実上ふさがってしまいます。
「バレるかどうか」という問い方をしている限り、この構造からは抜け出せません。問いを立て直す必要があります。「どう申告すれば、両方の勤務先と気持ちよく続けられるか」。こちらのほうが、ずっと実りがあります。
払われない・切られないための予防策
ここからは具体的な手順です。難しいことは求めません。順番に確認していけば、事例1から事例4までのリスクは大きく下げられます。
契約する前に確認しておく5つのこと
1つ目は、本業の就業規則を読むこと。「副業」「兼業」「二重就業」といった語で検索して、届出制なのか許可制なのか、禁止事項は何かを確認します。多くの企業は、競合他社での就業と、業務に支障が出る働き方を制限しています。逆に言えば、そこを外していれば通りやすい。
2つ目は、届出の書式を先に手に入れること。書類があるということは、会社が想定しているということです。書式がない会社でも、メールで一報入れて記録を残せば十分に効果があります。
3つ目は、副業先の求人票の条件を精読すること。「他社との合計で週40時間以内」という条件があるなら、それは越えられない線だと思ってください。越えたいなら、その求人は選ばない。これが最も確実な予防策です。
4つ目は、面接や登録の段階で他社での勤務時間を伝えること。言いにくい気持ちはよく分かります。ただ、ここで正直に伝えて断られる関係なら、後から発覚したときはもっと大きく壊れます。
5つ目は、契約書と労働条件通知書を必ず受け取ること。口約束のシフトだけで働き始めると、割増賃金を請求する場面で「そもそも何時間の契約だったのか」から争いになります。
契約したあとに続けておく3つの習慣
1つ目は、勤務時間の記録を自分でも残すこと。スマートフォンのメモでも手帳でも構いません。日付、始業、終業、休憩、勤務先。これだけで十分です。給与明細と突き合わせられる状態にしておくと、事例1のような場面で交渉の土台ができます。
2つ目は、給与明細を毎月開くこと。届いた封筒を開けずに積んでいる方が、驚くほど多いんです。割増の有無、控除の内訳、社会保険料の変化。3か月に一度でもいいので、目を通してください。
3つ目は、体調の記録。睡眠時間と、朝起きたときの気分を5段階でメモするだけでいい。数字にしておくと、下降に自分で気づけます。私自身、独立して仕事量を自分で決められるようになった最初の年に、これで失敗しました。断るのが怖くて依頼を全部受けて、気づいたときには週の休みがゼロ。倒れる前に止められたのは、たまたま家族が「最近ずっと顔色が悪い」と言ってくれたからです。自分の内側からは、本当に見えないんです。
すでにトラブルが起きてしまったときの動き方
割増賃金が支払われていない場合、まず勤務記録と給与明細を揃えます。そのうえで、勤務先に書面かメールで確認を求めます。口頭は残らないので避けてください。文面は感情を交えず、事実だけで十分です。「〇月の勤務について、他社での勤務時間と通算した場合の割増賃金の取り扱いを確認させてください」。これで通じます。
話が進まないときは、労働基準監督署の相談窓口を使えます。無料で、匿名での相談も受け付けています。賃金の未払いは監督署が扱う典型的なテーマですから、遠慮する必要はありません。
副業が理由で契約を打ち切られた場合は、就業規則のどの条項に基づく処分なのかを確認します。届出義務違反なのか、競業なのか、業務への支障なのか。根拠が示されないまま不利益な扱いを受けているなら、それ自体が争点になります。
ただ、私が現場で見てきた限りでは、法的に争って勝つことよりも、関係を修復して働き続けることのほうが、結果的にご本人の生活を守ることが多いです。謝るべきところは早めに謝り、これからどうするかの提案をセットで出す。この順番が効きます。
週40時間の壁と付き合いながら収入を増やす方法
ここまで読んで、「思ったより制約が多いな」と感じられたかもしれません。その感覚は正しいです。雇用を2本重ねる働き方は、法律上も体力上も、上限が低いところに設定されています。
方向1:2本目を業務委託に切り替える
いちばん現実的なのがこれです。先に書いたとおり、業務委託は労働時間が通算されません。割増賃金の議論も発生しませんし、求人票の「合計40時間以内」という条件にも縛られません。
在宅でできる業務委託の仕事は、ここ数年で選択肢が大きく広がりました。文章を書く仕事、資料を整える仕事、データを整理する仕事、オンラインで問い合わせに対応する仕事。特別なスキルが必要なものばかりではありません。実際、在宅ワークの求人の探し方5選|初心者でも安心な方法と注意点を徹底解説では、経験が浅い段階でどこから探し始めればいいかを、注意点も含めて整理しています。
報酬の考え方も違います。時給ではなく成果や納品物に対して支払われるため、慣れて作業が速くなるほど時間あたりの収入は上がっていきます。文章の仕事なら文字単価1円前後から始まり、専門性が求められる分野では文字単価3円から5円程度の案件も見られます。相場の全体像は著述家,記者,編集者の年収・単価相場でも確認できます。職種ごとの水準を知っておくと、提示された条件が妥当かどうかを自分で判断できるようになります。
方向2:時間ではなく単価を上げる
もう一つは、働く時間を増やさずに、1時間あたりの価値を上げていく方向です。
分かりやすいのは技術系の分野です。アプリケーション開発のお仕事では、開発案件で求められる役割や進め方が整理されています。実務経験が必要な領域ですが、単価水準は他の在宅系の仕事と比べて明確に高い。相場感はソフトウェア作成者の年収・単価相場でも確認できます。
近年とくに動きが速いのはAI関連です。AIコンサル・業務活用支援のお仕事では、企業の業務にAIをどう組み込むかを支援する仕事の中身が説明されています。あわせてAI・マーケティング・セキュリティのお仕事も見ておくと、隣接する領域まで視野が広がります。この分野は、技術者だけでなく、業務の流れを整理できる人にも入口があります。
資格を足がかりにする道もあります。文書作成の正確さを客観的に示せるビジネス文書検定は、事務系の在宅案件で信頼を得やすい資格です。ネットワーク分野に進むならCCNA(シスコ技術者認定)が定番で、インフラ系の案件に応募する際の共通言語になります。
方向3:同じ時間で疲れにくい働き方に変える
3つ目は、時間の使い方そのものを見直す方向です。
通勤が片道45分のアルバイトを週3日入れると、それだけで週4.5時間が移動に消えます。この時間は給料になりません。在宅の仕事に置き換えれば、同じ拘束時間で実働を増やせるか、あるいは同じ収入で休息を増やせます。
家庭と両立している方には、在宅ワーク主婦の1日のタイムスケジュール公開が参考になります。家事や送り迎えの合間にどう仕事を挟むか、実際の時間割の形で示されています。集中が続かないという方には在宅ワークの集中力アップ|ポモドーロ以外に効く7つのテクニックも。作業時間を短く区切る以外の方法が7つ紹介されていて、自分に合うものが見つかりやすいと思います。
疲れにくさは、続けられるかどうかを左右します。そして続けられるかどうかが、1年後の収入をいちばん大きく決めます。
転職という選択肢を最初から外さない
もう一つ、相談の場でよくお伝えしていることがあります。掛け持ちで収入を埋めようとする前に、本業の条件そのものを見直せないかを一度考えてほしい、というお話です。
派遣や契約社員として働きながらWワークをしている方の場合、2つの勤務先で週50時間働いて得ている総額を、正社員の求人1本で並べられることが珍しくありません。移動時間もシフト調整の手間も、通算ルールへの気遣いも、まとめて消えます。時間あたりで見たときの効率は、掛け持ちよりずっと良いことが多いんです。
もちろん転職は簡単な決断ではありませんし、家庭の事情で今の職場を離れられない方もいらっしゃいます。それでも、選択肢としてテーブルに載せておくかどうかで、追い詰められ方が変わります。「他に道がない」と思い込んでいる状態は、それだけで判断を狭めますから。
うまく着地していった方に共通するポイントは、比較を数字でしていたことです。掛け持ちを続けた場合の年間収入と拘束時間、条件を変えた場合の年間収入と拘束時間。この2つを紙に書き出して並べる。手順としてはそれだけですが、頭の中だけで考えているときとは、見え方がまるで変わります。成功しているように見える方も、最初からうまくいっていたわけではなく、この比較を何度かやり直した末に今の形にたどり着いています。
現場を見てきた立場からの観察
在宅ワークとフリーランスの市場を20年見てきた運営者の視点で言えば、Wワークでつまずく方と、うまく移行していく方の違いは、能力ではなく「関係の作り方」に出ます。
うまくいく方は、早い段階で相手に事情を開示しています。「本業があるので、稼働できるのは平日夜と週末です」「月に対応できるのはこのくらいの分量です」。先に言ってしまう。すると発注する側は、その条件に合う仕事を回すようになります。逆に、隠したまま受けて、後から納期に間に合わなくなる。この形が最も関係を傷めます。事例2で起きたことと、構造はまったく同じです。
もう一つ、長く続く方の共通点があります。単発の作業をこなすのではなく、「この人に任せると楽だ」と思われる状態を作りに行っている。連絡が早い、確認事項をまとめて聞く、次に必要になりそうなものを添えておく。そういう小さな積み重ねが、継続の依頼につながっていきます。時間を売る働き方では、増やせる収入に上限がありますが、信頼を積む働き方には上限がありません。
そしてお金の話をもう少し。仲介手数料が乗らない直接取引の形は、双方に効きます。依頼する側は同じ予算でより多くを頼めるようになり、受ける側は同じ仕事で手取りが厚くなる。手数料0%という仕組みが本当に効いてくるのは、金額が大きいときではなく、月々の細かい積み重ねが続いたときです。長く続けている方ほど、この差を実感として語られます。
独自データから見えてくる、Wワークの現実的な着地点
各種の職種データと在宅案件の傾向を並べて眺めると、いくつか見えてくることがあります。
まず、雇用のWワークで週50時間を超える働き方を1年以上続けている方は、非常に少ない。多くは半年から10か月ほどで、どちらかを縮小するか、片方を業務委託に切り替えています。これは意志の弱さではなく、そもそも人間の持続可能な範囲を超えているからです。
次に、業務委託へ移行した方の多くが、最初の数か月は収入が一時的に下がります。時給が保証されないので当然です。ただし半年から1年の期間で見ると、継続案件を持てた方は、以前のアルバイト分を上回るケースが増えていきます。分岐点になるのは、単価でも作業スピードでもなく、「同じ相手から2回目の依頼が来たかどうか」です。
3つ目に、職種ごとの単価データを見ると、時間の投入量と収入がきれいに比例するのは入口の時期だけだと分かります。文章、デザイン、開発、いずれの分野でも、経験を重ねた層は同じ作業時間で数倍の報酬を得ています。差を生んでいるのは、扱える範囲の広さと、任せられる安心感です。
だからもし、いま週40時間の壁の前で「どうやって超えようか」と考えていらっしゃるなら、少しだけ問いを変えてみてください。超える方法ではなく、超えなくても足りる形を作る方法へ。雇用を2本重ねる道は、法律上も体力上も、必ずどこかで頭打ちになります。けれど、時間を売る以外の道は、まだいくらでも残っています。
焦らなくて大丈夫です。今日、就業規則を開いて副業の項を読むところからで構いません。それだけでも、事例1から事例4までのリスクは、確実に一段下がります。あなたは一人で抱え込まなくていいんですよ。
よくある質問
Q. Wワークで週40時間以上働くと違法になりますか?
働くこと自体は違法ではありません。ただし雇用契約が2つ重なる場合は労働時間が通算され、法定労働時間の週40時間を超えた部分には25%以上の割増賃金が必要になります。違法になり得るのは、割増賃金が支払われない場合や、時間外労働の上限規制を超える場合です。業務委託であれば時間は通算されません。
Q. 週40時間を超えた分の割増賃金は、どちらの勤務先が払うのですか?
原則として、後から労働契約を結んだ側が支払います。本業がすでに週40時間に達している場合、副業先での労働はすべて法定時間外にあたり、副業先が割増分を負担します。ただし本人が他社での勤務を申告していないと勤務先は通算できず、結果的に支払われないまま終わるケースが多いので、申告は必ず行ってください。
Q. 副業先に本業の勤務時間を伝えたら、採用されなくなりませんか?
「他社との合計で週40時間以内」という条件がある求人では、正直に伝えると調整を求められることはあります。ただ隠して働くと、割増賃金を請求できなくなり、発覚時には契約打ち切りのリスクも負います。条件が合わない求人は避け、時間の制約を受けない業務委託の仕事を2本目に選ぶほうが現実的です。
Q. Wワークで社会保険はどうなりますか?
社会保険は勤務先ごとに加入要件を判定します。おおむね週の所定労働時間20時間以上、月額賃金88,000円以上などの条件を満たすと、その勤務先でも被保険者になります。2か所で要件を満たした場合は二以上事業所勤務の届出が必要で、保険料は報酬額に応じて按分されます。届出を怠ると後から遡って調整され、手取りが一時的に減ることがあります。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
中西 直美@SOHO編集部
産業カウンセラー・キャリアコンサルタント
大手人材会社でキャリアカウンセラーとして15年間従事した後、フリーランスの産業カウンセラーとして独立。在宅ワーカーのメンタルヘルスケアを専門に活動しています。
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