派遣とダブルワークで週40時間を超えたときの契約と保険の扱い

長谷川 奈津
長谷川 奈津
派遣とダブルワークで週40時間を超えたときの契約と保険の扱い

この記事のポイント

  • ✓派遣でダブルワークをして週40時間以上働くとどうなるのか
  • ✓割増賃金を誰が払うのか
  • ✓社会保険と雇用保険の扱い

先日、ある派遣社員の方から相談を受けました。「平日は派遣で週30時間働いていて、土日に別のアルバイトを入れたら週45時間になった。これって違法ですか。給料が減ったりしませんか」と。結論から言うと、派遣でダブルワークをして週40時間以上働くこと自体は違法ではありません。ただし、労働基準法第38条の「労働時間の通算」というルールが働くため、超過分の割増賃金を誰が払うのか、社会保険はどちらの会社で入るのか、という論点が必ず発生します。これ、知らない人が本当に多いんです。

そして厄介なのは、あなたが違法になるのではなく、雇っている側が法令違反のリスクを負うという点です。だからこそバイト先の面接で「週40時間を超えるなら採用できません」と断られるケースが起きます。この記事では、派遣でのダブルワークで週40時間を超えたときに実際に何が起きるのか、契約書のどこを見ればいいのか、社会保険と雇用保険はどう扱われるのかを、条文に沿って順番に整理していきます。読み終えたときに、自分のケースで何を確認すればいいかがはっきり分かる状態を目指します。

派遣のダブルワークで週40時間を超えると何が起きるのか

まず、この検索をしている方の多くが本当に知りたいのは「違法かどうか」ではなく、「働けるのか、そして損をしないのか」だと思います。順番に答えます。

法律は副業そのものを禁止していない

日本の法律に「副業禁止」という条文はありません。労働基準法にも、労働契約法にも、派遣法にもそんな規定はない。就業時間外に何をするかは、原則として労働者の自由です。裁判例でも、勤務時間外の労働は労働者の私生活の範囲であり、会社が包括的に制限することはできないという考え方が繰り返し示されてきました。

つまり、派遣で働きながら別の仕事をすること自体は、法律上まったく問題ありません。制限がかかるとすれば、それは法律ではなく契約、具体的には派遣元との雇用契約書や就業規則です。ここが第一の分かれ目になります。

問題になるのは「労働時間の通算」

法律上の論点はここに集約されます。労働基準法第38条第1項はこう定めています。事業場を異にする場合においても、労働時間に関する規定の適用については通算する、と。

「事業場を異にする場合」には、同じ会社の別の支店だけでなく、別の会社で働く場合も含まれるというのが行政解釈です。つまり、A社で週30時間、B社で週15時間働いたら、法律上は「週45時間働いた」と扱われます。別会社だからリセットされる、ということにはならない。

法定労働時間は1日8時間、週40時間です(労働基準法第32条)。これを超えた分は時間外労働となり、25%以上の割増賃金の対象になります。ここまでは正社員でもパートでも派遣でも同じ扱いです。

派遣社員がWワーク(ダブルワーク)で週40時間以上働くこと自体は法律上可能ですが、労働基準法の割増賃金や社会保険の適用条件など、知っておくべきルールがあります。知らずに働くと、契約トラブルや体調不良につながるリスクもあります。 出典: career.medi-site.co.jp

違反するのはあなたではなく会社側

ここが最も誤解されているところです。週40時間を超えて働いた労働者が罰せられることはありません。労働基準法は使用者に義務を課す法律であって、労働者を取り締まる法律ではないからです。

責任を負うのは、時間外労働をさせた側の会社です。36協定を結ばずに法定時間を超えて働かせれば労働基準法第32条違反、割増賃金を払わなければ第37条違反。どちらも使用者側の罰則対象です。

だから、後から入る側の会社は慎重になります。「もう週40時間働いている人を雇うと、うちが最初の1時間から割増賃金を払う立場になる」と分かっているからです。バイトの面接で断られた経験がある方は、まさにこれが理由です。

現在正社員として週40時間働いておりますが、生活のためダブルワーク(アルバイト)を考えております。 そこで質問なのですが、バイト先の履歴書、面接には正直に言った方がいいのでしょうか。以前バイト先に電話で確認した際、40時間以上はお受けできないと断わられたことがあるため、どうしたらいいかと考えております。 出典: detail.chiebukuro.yahoo.co.jp

この質問、本当によく見ます。そして結論としては、隠すのは得策ではありません。理由は後半で詳しく説明しますが、隠したまま働くと、割増賃金を請求できなくなるだけでなく、労災や社会保険の手続きで必ず露見するからです。

あなたが実際に受ける影響は3つ

法律違反にならないとして、では何が変わるのか。実務的な影響は次の3点に整理できます。

第一に、割増賃金の取り扱いが変わります。後から契約した側の会社が、通算して40時間を超える部分について25%増しの賃金を払う義務を負います。これは本来あなたにとって有利な話です。

第二に、採用のハードルが上がります。割増賃金を払いたくない会社は、ダブルワーク希望者の採用を避けるか、週の上限時間を厳しく設定してきます。

第三に、社会保険と雇用保険の扱いが複雑になります。二以上事業所勤務届が必要になったり、逆に条件を満たさず片方でしか加入できなかったりします。ここは後ほど1つのセクションを使って解説します。

労働時間の通算ルールを正確に理解する

ここが記事の核心です。少し細かい話になりますが、実務でトラブルになるのは必ずこの部分なので、丁寧に読んでください。

通算されるもの、されないもの

労働基準法第38条の通算は、すべての働き方に適用されるわけではありません。通算されるのは「雇用契約に基づく労働時間」だけです。

通算されるのは、正社員、契約社員、パート、アルバイト、派遣社員としての労働時間。これらはすべて労働基準法上の「労働者」として働く形態なので、事業場が違っても通算されます。

通算されないのは、業務委託契約や請負契約に基づく仕事、いわゆるフリーランスとしての稼働です。自営業も同じです。これらは雇用ではないため、労働基準法の労働時間規制の対象外になります。株式投資や不動産賃貸のような資産運用も当然対象外です。

この違いは実務上とても大きな意味を持ちます。派遣で週30時間働いている人が、さらに週15時間分の在宅の仕事を「業務委託」で受けた場合、労働時間は通算されません。割増賃金の問題も、後から契約する側が採用をためらう理由も発生しないわけです。

在宅の業務委託でどんな仕事があるかを知りたい方は、在宅ワークの求人の探し方5選|初心者でも安心な方法と注意点を徹底解説が参考になります。求人の探し方だけでなく、契約形態を見分けるポイントや避けるべき募集の特徴もまとめられています。

ただし注意点があります。契約書のタイトルが「業務委託契約書」でも、実態が指揮命令を受けた労働であれば、労働契約と判断される可能性があります。時間や場所を細かく指定され、業務の進め方まで指示されるなら、それは実質的に雇用です。名前ではなく実態で判断されると覚えておいてください。

どちらの会社が割増賃金を払うのか

もっとも質問が多いのがここです。原則は「後から労働契約を結んだ側」が払います。

具体例で説明します。派遣会社Aと先に契約して週30時間働いている人が、後からアルバイト先Bと契約して週15時間働くとします。通算すると週45時間なので、5時間分が時間外労働になります。この5時間分の割増賃金は、後から契約したB社が負担します。

なぜかというと、B社は採用時点で「この人はすでに週30時間働いている」と知り得る立場にあり、その上で契約したからです。逆にA社は、後からB社と契約したことを知り得ないため、責任を問われません。

ただし例外があります。契約の前後ではなく、実際に働いた順番で判断されるケースもあります。所定労働時間を超える残業が発生した場合、その残業を発生させた側が責任を負うという考え方です。

たとえば、先に契約したA社で所定30時間、後から契約したB社で所定10時間なら通算40時間でセーフ。しかしA社で臨時に5時間残業して35時間になった場合、通算45時間の超過5時間分は、残業を発生させたA社が負担します。この整理は、副業と兼業に関する行政のガイドラインで示されている考え方です。詳しい資料は厚生労働省のサイトで公開されています。

管理モデルという簡便な方法

実務では、毎日お互いの労働時間を報告し合うのは現実的ではありません。そこで用意されているのが「管理モデル」と呼ばれる簡便な運用方法です。

仕組みはシンプルです。先に契約したA社と後から契約したB社があらかじめ上限枠を決めておきます。A社は自社の労働時間の上限を、B社は自社の労働時間の上限をそれぞれ設定し、その合計が法定の上限を超えないようにする。そしてB社は、自社の労働時間すべてについて割増賃金を払う。こうしておけば、日々の相互報告が不要になります。

この方式を採用している会社は増えています。求人票に「副業の場合は週◯時間まで」と上限が書いてあるのは、多くがこの管理モデルを念頭に置いているためです。応募前に上限時間を確認しておくと、面接でのすれ違いを避けられます。

1日8時間の壁も忘れない

週40時間ばかり注目されますが、1日8時間の規制も同時に働きます。労働基準法第32条は、1日8時間かつ週40時間の両方を法定労働時間としているからです。

たとえば、午前中に派遣先で5時間働き、夕方から別の職場で4時間働くと、その日は合計9時間。週の合計が40時間以内でも、その日は1時間の時間外労働が発生します。

1日単位のダブルワーク、いわゆる掛け持ちシフトをしている方は、週合計だけでなく日ごとの合計時間も確認してください。ここを見落として「週40時間以内だから大丈夫」と思い込んでいるケースを実際に何度も見てきました。

派遣特有の注意点|契約書のどこを見るべきか

派遣という働き方には、正社員やアルバイトとは違う独自の構造があります。ここを理解しておかないと、思わぬところでつまずきます。

雇用主は派遣先ではなく派遣元

大前提として、派遣社員の雇用主は派遣元、つまり派遣会社です。派遣先の会社は指揮命令をする立場ではありますが、雇用契約の相手方ではありません。

したがって、副業の可否を決めるのも派遣元の就業規則であり、報告する相手も派遣元です。派遣先の担当者に「副業してもいいですか」と聞いても、正式な回答は得られません。逆に、派遣先が独自に副業を禁止することもできません。

これ、意外と混乱している方が多いポイントです。派遣先で仲良くなった社員から「うちの会社は副業禁止だよ」と言われて不安になる方がいますが、それは派遣先の社員に適用される就業規則の話であって、あなたには関係ありません。

就業規則の副業条項を確認する

派遣元の就業規則に副業に関する規定があるかどうかを、まず確認してください。多くの派遣会社は、次のいずれかのパターンで規定しています。

完全に自由としているパターン。副業について何も定めがない、または明示的に自由としている会社です。近年はこの形が増えています。

届出制のパターン。副業を始める前に届け出ることを求める形です。禁止ではなく把握が目的で、労働時間の通算や社会保険の手続きのために必要な情報を集めています。実務上、これが最も多い形式です。

許可制のパターン。事前の許可を必要とする形です。ただし、許可制であっても会社が自由に不許可にできるわけではありません。合理的な理由なく不許可とすることは、裁判で無効と判断される可能性があります。

原則禁止のパターン。かなり減りましたが、まだ残っています。この場合でも、就業時間外の私生活まで会社が支配できるわけではないため、規定そのものの有効性が争われる余地があります。ただ、規則違反として処分を受けるリスクは現実に存在するので、まずは会社と話をするのが現実的な対応です。

就業規則で不許可にできる4つの類型

許可制や届出制の場合、会社が正当に制限できるケースは限られています。裁判例で認められてきたのは、おおむね次の4つの類型です。

労務提供に支障が生じる場合。深夜まで働いて本業で居眠りをする、遅刻や欠勤が増えるといった具体的な支障が出ているケースです。

企業秘密が漏洩する場合。守秘義務との関係で問題が生じるケース。派遣先で知り得た情報を扱う副業などが該当します。

会社の名誉や信用を損なう場合。会社の社会的評価を下げる行為があった場合です。

競業により会社の利益を害する場合。同業他社で働いて顧客や情報を持ち出すようなケースです。

逆に言えば、これらに該当しない副業を、会社が一方的に禁止する法的根拠は弱いということです。※ただし、実際に不許可とされて争うかどうかは個別の事情によります。処分を受けそうな段階になったら、労働問題に詳しい弁護士か、お住まいの地域の労働局に相談してください。

派遣契約書で確認すべき5項目

派遣元との雇用契約書を手元に出して、次の5項目を確認してみてください。

1つ目、所定労働時間と就業日。週何時間の契約になっているかを正確に把握します。「週5日、1日7時間」なら週35時間です。ここが計算の出発点になります。

2つ目、時間外労働の有無。契約上、残業がある前提かどうか。残業が発生する契約なら、週の実労働時間が変動するため、副業側の時間設計に余裕を持たせる必要があります。

3つ目、副業に関する条項。届出制か許可制か、あるいは規定がないか。就業規則を別途取り寄せる必要がある場合もあります。

4つ目、社会保険の加入状況。健康保険と厚生年金に加入しているか、雇用保険に加入しているか。ここは後半のセクションで詳しく扱います。

5つ目、契約更新の条件。派遣契約は有期であることが多く、更新のたびに条件が変わる可能性があります。副業を続ける前提なら、更新時に労働時間が増えないかを確認しておくべきです。

私が現場で見てきた失敗パターン

実務で相談を受ける中で、繰り返し見てきた失敗があります。それは、契約書を読まずに「大丈夫だろう」と始めてしまうケースです。

以前、ある方から相談を受けたときのことです。派遣で週35時間働きながら、週末に飲食店で週12時間のアルバイトを始めた。合計47時間ですが、飲食店側には派遣の仕事を伝えていなかった。半年ほど経って、体調を崩して労災申請をしようとしたところ、労働時間の実態が明らかになり、飲食店側が「聞いていなかった」と主張して話がこじれました。

このケースで問題だったのは、飲食店が支払うべきだった7時間分の割増賃金が、半年間まったく支払われていなかったことです。本来なら請求できた金額を、伝えなかったことで受け取り損ねていた。

隠すことのデメリットは、会社に怒られることではありません。あなた自身が受け取れるはずの割増賃金を失うことです。ここは強調しておきたい点です。

割増賃金と収入の実際|週40時間超で本当に得なのか

法律の話が続いたので、ここからはお金の話をします。週40時間を超えて働くことが、収入面で実際にどうなのかを冷静に見ていきましょう。

割増賃金の計算方法

時間外労働の割増率は25%以上と定められています(労働基準法第37条)。時給1,200円の仕事なら、時間外部分は1,500円以上になります。

さらに、月60時間を超える時間外労働については割増率が50%以上になります。以前は中小企業に猶予がありましたが、2023年4月から全企業に適用されています。

深夜労働(22時から翌5時)はさらに25%の割増が加算されます。時間外かつ深夜なら合計50%増しです。夜間のアルバイトを副業にする場合、この点は収入面でプラスに働きます。

収入シミュレーションの考え方

具体的に数字を置いてみます。派遣で時給1,500円、週30時間働いている方が、副業で時給1,200円の仕事を週15時間追加するケースを考えます。

派遣側は週30時間で45,000円。副業側は週15時間ですが、通算40時間を超える5時間分は割増対象です。40時間までの10時間分が12,000円、超過5時間分が1,500円(1,200円の1.25倍)で7,500円。副業側の週の収入は19,500円になります。

合計は週64,500円、月にすると約27万9,000円です。もし割増賃金が正しく支払われていなければ、超過5時間分で週1,500円、月にして約6,500円の差が出ます。年間なら7万8,000円です。決して小さくない金額です。

手取りは額面通りには増えない

ここで冷静に見ておくべきなのが、税金と社会保険料です。

所得税は累進課税なので、収入が増えれば税率も上がります。課税所得195万円以下なら5%、195万円超330万円以下なら10%、330万円超695万円以下なら20%と段階的に上がります。ボーダーをまたぐと、増えた分にかかる税率が変わります。

住民税は所得の10%が目安です。副業分も含めた前年所得に基づいて翌年課税されるので、翌年の負担が増えることを見込んでおく必要があります。税制の詳細は国税庁のサイトで確認できます。

社会保険料も収入に応じて増えます。健康保険と厚生年金を合わせると、労使折半後でおおむね収入の15%前後になります。

これらを合計すると、増えた収入のうち手元に残るのは70%から80%程度というのが現実的な見立てです。週15時間を追加して月8万円増やしたつもりが、実際の手取り増加は6万円前後、というイメージになります。

確定申告が必要になるケース

副業の所得が年間20万円を超える場合、確定申告が必要です。ここでよくある誤解を2つ指摘しておきます。

1つ目の誤解は、20万円という基準を「収入」だと思っていることです。正しくは「所得」、つまり収入から必要経費を引いた後の金額です。ただし、アルバイトのような給与所得の場合は経費を引けないため、収入がそのまま基準になります。

2つ目の誤解は、20万円以下なら何もしなくていいと思っていることです。所得税の確定申告は不要でも、住民税の申告は必要です。この点を見落として、後から市区町村から問い合わせが来るケースがあります。

給与を2か所以上から受けている場合は、原則として確定申告が必要になります。派遣とアルバイトの両方が給与なら、年末調整は片方でしかできないため、自分で申告して精算する形になります。

時間を切り売りする働き方の限界

ここで、少し視点を変えた話をします。週40時間を超えて働くという選択は、収入を増やす手段としては確実です。ただ、上限が明確に存在します。

1週間は168時間しかありません。睡眠と生活時間を差し引くと、労働に充てられるのは現実的に60時間程度が限界です。時給ベースの仕事を積み上げていく方法では、この時間の壁を超えられません。

しかも、時間を増やすほど疲労が蓄積し、本業のパフォーマンスが落ちるリスクが高まります。長時間労働と健康障害の関連についてはさまざまな指摘があり、月80時間を超える時間外労働は健康リスクの目安として扱われています。

だからこそ、時間単価を上げる方向、あるいは時間に比例しない収入源を持つ方向を、並行して考える価値があります。この点は後半で改めて触れます。

社会保険と雇用保険はどうなるのか

ここが最も複雑で、かつ実害が出やすいところです。順を追って整理します。

健康保険と厚生年金の加入条件

社会保険(健康保険と厚生年金)の加入条件は、次のいずれかを満たす場合です。

週の所定労働時間が正社員の4分の3以上、かつ月の所定労働日数が正社員の4分の3以上である場合。一般的な週40時間勤務の会社なら、週30時間以上が目安になります。

または、短時間労働者の適用拡大の要件を満たす場合。従業員数51人以上の企業で、週の所定労働時間が20時間以上、月額賃金8万8,000円以上、雇用期間が2か月を超える見込み、学生ではない、という条件をすべて満たす場合です。この企業規模要件は段階的に引き下げられてきており、対象者は年々広がっています。

ここで重要なのは、社会保険の加入判定では労働時間が通算されないという点です。労働基準法の通算ルールとは扱いが違います。A社で週25時間、B社で週20時間なら、合計45時間でも、それぞれの会社で個別に判定されます。

2か所とも条件を満たしたら

両方の勤務先で加入条件を満たした場合、「二以上事業所勤務届」を年金事務所に提出する必要があります。提出期限は、該当することになった日から10日以内です。

この届出では、どちらの会社を主たる事業所とするかを自分で選択します。選んだ方の会社を管轄する年金事務所や健康保険組合が、事務手続きの窓口になります。

保険料は、両方の会社の報酬月額を合算して標準報酬月額が決まり、それを各社の報酬額に応じて按分して負担します。つまり、両方の会社が保険料を天引きする形になります。二重に払うわけではなく、合算額に対する保険料を分担する仕組みです。

手続きの詳細は日本年金機構のサイトで確認できます。届出を怠ると、後から遡って保険料を請求されるケースがあるので、条件を満たしたら早めに手続きしてください。

片方でしか条件を満たさない場合

こちらのほうが実際には多いパターンです。派遣で週30時間働いて社会保険に加入し、副業のアルバイトは週10時間で条件を満たさない、というケースです。

この場合、社会保険は派遣元でのみ加入し、副業側では加入しません。副業分の収入は標準報酬月額の計算にも入りません。手続き上はシンプルです。

ただし、注意点が1つあります。副業側で労働時間が増えて条件を満たすようになった場合、届出義務が発生します。シフトが増えて気づかないうちに週20時間を超えていた、というケースは実際にあるので、定期的に確認してください。

雇用保険は原則1か所のみ

雇用保険は社会保険とは扱いが異なります。原則として、主たる賃金を受ける1つの事業所でのみ加入します。

加入条件は、週の所定労働時間が20時間以上で、31日以上の雇用見込みがあること。両方の勤務先でこの条件を満たしても、賃金が多いほうの1か所でのみ加入するのが原則です。

なお、65歳以上の労働者については、2つの事業所の労働時間を合算して週20時間以上になる場合に加入できる「マルチジョブホルダー制度」があります。65歳未満にはこの制度は適用されません。

雇用保険で気をつけたいのは、失業給付の扱いです。片方の仕事を辞めても、もう片方で働き続けている場合、失業状態とは認められないため給付を受けられません。両方辞めた場合に限って受給資格の判定が行われます。

労災保険は両方でカバーされる

労災保険は、雇用形態や労働時間にかかわらず、すべての労働者に適用されます。派遣でもアルバイトでも、加入手続きの有無に関係なく保護されます。

2020年9月の法改正により、複数事業労働者については、すべての勤務先の賃金を合算して給付額が算定されるようになりました。それ以前は、事故が起きた勤務先の賃金だけで計算されていたため、副業先で事故に遭うと給付額が極端に低くなる問題がありました。

さらに、複数の勤務先の負荷を総合的に評価して労災認定する仕組みも導入されています。1社だけでは基準に達しない長時間労働でも、合算して評価されるようになりました。

ただし、この制度の恩恵を受けるには、両方の勤務先で働いていることを申告する必要があります。隠していると合算されません。前述の相談事例で問題になったのも、まさにこの点でした。

通勤中の事故はどう扱われるか

もう1つ、実務でよく問題になるのが通勤災害の扱いです。

A社での勤務を終えてB社へ直接移動する途中で事故に遭った場合、これは通勤災害として認められます。事業場間の移動は、移動先の事業場での勤務のための通勤とみなされ、移動先であるB社の労災保険が適用されます。

一方、自宅に一度戻ってから改めて出勤した場合は、通常の通勤として扱われます。どちらにしても保護されますが、どちらの会社の保険が適用されるかが変わるため、事故が起きたときは移動経路を正確に説明できるようにしておいてください。

週40時間を超える働き方のリスクと対策

制度の説明が続きましたが、ここからは実際に働き続けるうえでの現実的な話をします。

健康リスクを軽視しない

ダブルワークで最も多いトラブルは、法律問題ではなく健康問題です。週50時間、60時間と積み上げていくと、休息時間が確実に削られます。

厚生労働省は、時間外労働が月45時間を超えると健康障害のリスクが徐々に高まり、月100時間または2か月から6か月平均で月80時間を超えるとリスクが高まるという医学的知見を示しています。ダブルワークの場合、この時間は両方を合算して考えるべきです。

対策としては、まず週の総労働時間に自分なりの上限を設定することです。週50時間を超えない、月の時間外を45時間以内に収める、といった基準を先に決めておく。始めてから調整するのは難しいので、始める前に決めるのがポイントです。

もう1つは、完全に休む日を週1日は確保することです。労働基準法は週1日または4週4日の休日を義務づけていますが、これも通算では考えられていません。両方の仕事を合わせて休日ゼロという状態が制度上は起こり得るため、自分で管理する必要があります。

スケジュール管理の具体的な方法

時間管理については、実際に在宅ワークとほかの仕事を両立している人の事例が参考になります。在宅ワーク主婦の1日のタイムスケジュール公開では、限られた時間の中でどう作業時間を確保しているか、時間帯ごとの配分が具体的に紹介されています。ダブルワークの時間設計を考えるときの下敷きになるはずです。

集中して短時間で成果を出す工夫も重要です。在宅ワークの集中力アップ|ポモドーロ以外に効く7つのテクニックには、作業効率を上げるための実践的な手法がまとめられています。労働時間を増やさずに収入を維持する方向を考えるなら、こうした生産性の改善は避けて通れないテーマです。

副業先に伝えるべきか

冒頭で触れた「バイト先に正直に言うべきか」という問題に、ここで正面から答えます。

結論として、伝えるべきです。理由は3つあります。

1つ目、割増賃金を受け取るためです。伝えていなければ、相手は通算して40時間を超えることを知り得ないため、割増賃金を計算できません。あなたが受け取れるはずの金額を放棄することになります。

2つ目、労災の合算給付を受けるためです。前述の通り、複数事業労働者としての給付を受けるには申告が必要です。

3つ目、社会保険の手続きのためです。両方で加入条件を満たすなら届出が必要で、その際にどちらにも知られることになります。隠し続けることは実務上できません。

伝え方としては、応募の段階で「現在、派遣で週◯時間働いています」と事実を伝えるのが最もトラブルが少ない方法です。断られる可能性はありますが、それは相手が割増賃金の負担を避けたいという経営判断であって、あなたに落ち度があるわけではありません。隠して採用され、後から発覚するほうがはるかにダメージが大きくなります。

断られたときの選択肢

正直に伝えて断られた場合、どうするか。現実的な選択肢は次の通りです。

副業側の時間を減らして、通算40時間以内に収める。派遣が週30時間なら副業は週10時間まで。割増賃金は発生しませんが、相手は採用しやすくなります。

派遣側の契約時間を減らす。週30時間の契約を週25時間に変更できないか、派遣元に相談してみる。可能なら副業側の枠が広がります。

割増賃金を払う前提で受け入れてくれる会社を探す。人手不足の業種では、割増を払ってでも採用したいというケースがあります。

雇用ではなく業務委託の仕事を選ぶ。前述の通り、業務委託は労働時間の通算対象外です。この選択肢は、時間の制約を根本的に外せるという意味で最も自由度が高くなります。

業務委託という選択肢を検討する

4つ目の選択肢について、もう少し掘り下げます。

業務委託で仕事を受ける場合、労働時間の通算がないだけでなく、成果に対して報酬が支払われる仕組みになるため、作業効率を上げれば時間単価が上がります。時間の切り売りとは構造が違います。

たとえばライティングの仕事なら、著述家,記者,編集者の年収・単価相場で職種ごとの報酬水準を確認できます。経験を積むほど単価が上がる構造になっているため、同じ作業時間でも収入が変わっていく職種です。

技術寄りの仕事ならソフトウェア作成者の年収・単価相場が参考になります。開発案件は単価水準が高く、副業として週末だけ稼働するケースも珍しくありません。

具体的な仕事内容を知りたい場合、アプリケーション開発のお仕事には開発系案件で求められるスキルや業務の流れがまとめられています。AI関連の需要が伸びている領域では、AIコンサル・業務活用支援のお仕事やAI・マーケティング・セキュリティのお仕事が、どんな業務が発注されているかを把握するのに役立ちます。

ただし、業務委託には注意点もあります。社会保険は自分で国民健康保険と国民年金に入る必要がある(他方で雇用されていればそちらで加入)、労災保険の対象外になる(特別加入制度はある)、収入が不安定になりやすい、といった点です。雇用の安定性と引き換えに自由度を得る選択だと理解しておいてください。

スキルを証明する手段を持つ

業務委託で単価を上げていくには、スキルの証明が必要になります。実績がない段階では、資格が入口として機能する場面があります。

事務系の仕事を狙うならビジネス文書検定が、文書作成の基礎力を示す材料になります。ネットワーク技術者を目指すならCCNA(シスコ技術者認定)が業界標準の資格として広く認知されています。

資格そのものが仕事を運んでくるわけではありませんが、実績ゼロの状態で選考に残るための材料としては機能します。時間を追加投入する前に、こうした準備に時間を使う選択も検討する価値があります。

市場データから見た副業とダブルワークの現在地

ここからは、個別のケースを離れて、市場全体の動きを見ていきます。

副業を認める企業は増え続けている

副業を容認する企業の割合は、この10年で大きく変わりました。2018年に副業と兼業に関するガイドラインが策定され、モデル就業規則から副業禁止規定が削除されたことが転換点になりました。

現在では、副業を認める企業が過半数を超えているという調査結果が複数出ています。特に大企業では、人材の確保と定着を目的として、積極的に副業を推奨する動きも見られます。

一方で、認めているとはいえ届出制や許可制を採用している企業が多く、完全に自由としている企業は少数派です。この構造は、労働時間の通算という法的な義務が企業側にあることを考えれば、当然の帰結です。

副業をしている人の実像

副業を実際に行っている人の割合は、就業者全体で見ると1割前後という調査が多くなっています。希望者はもっと多く、実行に移せていない人との差が大きいのが特徴です。

副業の内容としては、アルバイトやパートといった雇用型と、業務委託やフリーランスといった非雇用型に分かれます。近年は非雇用型の比率が高まっており、オンラインで完結する仕事の増加がこの傾向を支えています。

理由としては、収入の補完が最も多く、次いでスキルの習得や将来への備えが挙がります。物価上昇が続く局面では、収入補完の動機がさらに強まる傾向があります。

派遣で働く人の副業ニーズ

派遣という働き方は、契約期間が有期であることが多く、更新のたびに次の契約があるかどうかが不確定になります。この構造的な不安定さが、副業ニーズの背景にあります。

また、派遣の契約は時間が固定されていることが多く、残業が少ない職場では、労働時間に余裕が生まれやすい。週30時間の契約なら、法定の40時間まで10時間の枠があります。この枠を活かしたいと考えるのは自然な発想です。

同時に、派遣元が副業を把握しやすい立場にあるため、届出制が機能しやすいという特徴もあります。派遣会社によっては、副業の相談窓口を設けているところもあります。

フリーランス保護新法が変えたこと

2024年11月に施行されたフリーランス保護新法(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)は、業務委託で働く人の環境を大きく変えました。

この法律により、発注者には取引条件の明示義務、受領日から60日以内の報酬支払義務、募集情報の正確な表示義務などが課されました。買いたたきや受領拒否といった行為も禁止されています。

つまり、業務委託で副業をする場合の法的な保護が、以前よりはるかに厚くなったということです。「報酬が支払われない」「後から一方的に条件を変えられた」といったトラブルに対して、法律上の根拠を持って対応できるようになりました。

これは、雇用によるダブルワークではなく業務委託を選ぶ際の、判断材料の1つになります。以前は「業務委託は保護がないから怖い」という認識が一般的でしたが、状況は変わってきています。法律の詳細は公正取引委員会のサイトで公開されています。

労働時間規制の今後

労働時間の通算ルールについては、見直しの議論が継続的に行われています。現行の仕組みは、副業を推進する政策方向と、労働者保護のための労働時間規制が、部分的に矛盾する構造になっているためです。

後から契約する側が割増賃金を負担するという仕組みが、結果として副業希望者の採用を妨げているという指摘は以前からあります。管理モデルはその緩和策ですが、根本的な解決には至っていません。

議論の方向性としては、健康確保のための総労働時間の把握は維持しつつ、割増賃金の通算については見直すという案が検討されています。ただし、2026年時点では現行ルールが有効であり、実務は現行法に沿って対応する必要があります。※制度は変わる可能性があるため、実際の手続きの際は最新の情報を確認してください。

在宅ワーク市場を長く見てきた立場からの観察

ここで、フリーランスと在宅ワークの市場を20年運営してきた立場から、データには表れにくい部分をお伝えします。

運営者として見てきた限りでは、ダブルワークで長く続く人と、半年で消耗して辞めてしまう人の間には、はっきりした違いがあります。それは能力でも体力でもなく、収入の増やし方の設計にあります。

消耗する人は、時間を足すことだけで収入を増やそうとします。週40時間を45時間に、45時間を50時間に。この方向は確実に効きますが、線形にしか伸びません。そして必ず上限に当たります。上限に当たったときに残るのは、疲労と、もう増やせないという行き詰まり感です。

続く人は、途中で単価の方向に舵を切ります。最初は時間で稼ぎながら、その中で単価が上がりそうな仕事を見つけて、そちらに時間を移していく。同じ10時間でも、時給1,200円の仕事と、成果報酬で実質時給3,000円になる仕事では、3年後の景色がまったく違います。

もう1つ、20年見てきて確信していることがあります。長く続く人ほど、単発の作業を数多くこなすのではなく、「この人に任せると楽だ」と思ってもらえる関係づくりに時間を使っている。新規の案件を1件取るコストと、既存の取引先から2件目をもらうコストは、比べものになりません。前者は営業と選考で数時間かかりますが、後者はメール1本で決まることがあります。

この関係づくりが効いてくる構造として、中間マージンの有無は無視できません。仲介手数料が乗る取引では、依頼者が10万円出しても受け手には7万円台しか届かないことがあります。差額は仲介に消えます。手数料0%の直接取引では、同じ10万円がそのまま受け手に届きます。

これが意味するのは、単に受け手の手取りが厚くなるという話だけではありません。依頼者から見ても、同じ予算でより多くの仕事を頼めるということです。10万円で7万円分の仕事しか頼めなかったのが、10万円分頼めるようになる。双方が得をする構造なので、関係が続きやすい。

運営者として見てきた実感として、この「続きやすさ」が、時間あたりの収益性に効いてきます。毎回新規の相手を探して条件交渉から始める働き方と、決まった相手から継続的に依頼が来る働き方では、同じ稼働時間でも実質的な収入がまったく変わります。ダブルワークで週40時間を超える働き方を考えるとき、この視点を持っているかどうかで、1年後の状況は相当違ってくるはずです。

職種別のデータから見る選択の判断材料

最後に、実際にどんな仕事を選ぶかを考えるための材料を整理します。

時給型と成果報酬型の構造的な違い

雇用されて時給で働く場合、収入は労働時間に正比例します。予測しやすく安定していますが、上限が時間で決まります。

業務委託で成果報酬を受ける場合、収入は成果物の量と単価で決まります。習熟すれば同じ時間でより多く生産できるため、実質時給が上がっていきます。ただし、始めたばかりの段階では時給換算で最低賃金を下回ることも珍しくありません。

この2つは、どちらが優れているという話ではなく、時間軸の違いです。今月の収入を確実に増やしたいなら時給型、1年後を見据えるなら成果報酬型。ダブルワークの目的によって選ぶべき方向が変わります。

職種ごとの単価水準を確認する

判断材料として、職種ごとの報酬水準を知っておくことは重要です。

ソフトウェア作成者の年収・単価相場を見ると、開発職の報酬水準がスキルレベルによってどう変わるかが分かります。副業として週末に稼働する場合の単価感も掴めます。

著述家,記者,編集者の年収・単価相場は、文章を書く仕事の報酬レンジを示しています。参入障壁が比較的低い分、初期の単価は抑えめですが、専門分野を持つことで単価が変わっていく職種です。

求められるスキルを事前に把握する

未経験の分野に飛び込む前に、その仕事で何が求められるかを知っておくと、無駄な回り道を減らせます。

アプリケーション開発のお仕事には、開発案件で必要とされる技術要素や、案件の進め方がまとめられています。

AI関連の業務は、この2年で発注が急増している領域です。AIコンサル・業務活用支援のお仕事では、企業がAI導入で外部に何を依頼しているかが具体的に整理されています。AI・マーケティング・セキュリティのお仕事は、より広い範囲の業務内容をカバーしており、自分の経験がどこに接続できるかを考える材料になります。

資格を入口として使う

実績がない段階では、スキルを客観的に示す手段が限られます。資格はその1つです。

ビジネス文書検定は、事務職やライティング系の仕事で、文書作成の基礎があることを示せます。派遣で事務職に就いている方なら、日常業務の延長で取得しやすい資格です。

CCNA(シスコ技術者認定)は、ネットワーク分野の入門資格として広く認知されています。IT系への転向を考えている方には、学習の道筋がはっきりしている点でメリットがあります。

資格取得には時間がかかります。週40時間を超えて働きながら学習時間を確保するのは現実的に難しい。だからこそ、労働時間を増やす前に、その時間を学習に充てるという選択肢も検討に値します。

求人を探すときの確認事項

実際に副業先を探す段階では、次の点を確認してください。

契約形態が雇用か業務委託か。これによって労働時間の通算の有無が変わります。求人票に「業務委託」と書いてあっても、実態が雇用に近ければ通算対象になる可能性があります。

労働時間の上限設定があるか。「副業の方は週◯時間まで」という記載がある場合、管理モデルを採用している可能性が高い。この範囲内なら手続きがスムーズです。

社会保険の加入条件を満たすか。週20時間以上かつ月額8万8,000円以上なら、企業規模によっては加入対象になります。二以上事業所勤務届が必要かどうかの判断材料になります。

求人の探し方全般については、在宅ワークの求人の探し方5選|初心者でも安心な方法と注意点を徹底解説に、探し方の手順と避けるべき募集の見分け方がまとめられています。特に、身元がはっきりしない発注者や、前払いを求めてくる案件への注意点は、初めて副業を探す方に読んでおいてほしい内容です。

時間の使い方を設計してから始める

最後に、実務的なアドバイスを1つ。始める前に、1週間のスケジュールを紙に書き出してみてください。

派遣の勤務時間、通勤時間、副業の勤務時間、通勤時間、睡眠時間、食事と入浴の時間。これらを全部埋めていくと、実際に何時間残るかが見えます。多くの場合、思っていたより余裕がありません。

その上で、休息日を先に確保する。週1日は完全に休む日を決めて、そこには何も入れない。この設計をしてから仕事を入れると、続く可能性が大きく上がります。

時間管理の具体的な手法については、在宅ワークの集中力アップ|ポモドーロ以外に効く7つのテクニックが参考になります。限られた時間で成果を出すための工夫が、実践しやすい形で整理されています。

派遣でダブルワークをして週40時間を超えることは、法律上まったく問題ありません。ただし、労働時間の通算、割増賃金の負担者、社会保険と雇用保険の扱いという3つの論点が必ず発生します。この3点を正しく理解して、副業先に事実を伝えた上で始めれば、受け取れるはずのものを取りこぼすことはありません。※個別の契約内容によって判断が変わるケースもあるため、契約書の解釈で迷ったら、労働問題に詳しい専門家か、お住まいの地域の労働局に相談してください。法律はあなたの味方です。

よくある質問

Q. 派遣でダブルワークをして週40時間を超えると違法になりますか?

労働者側が違法になることはありません。労働基準法は使用者に義務を課す法律だからです。ただし労働時間は事業場が違っても通算されるため、40時間を超える部分については、後から労働契約を結んだ側の会社が25%以上の割増賃金を支払う義務を負います。責任を負うのは会社側です。

Q. 副業先の面接で、派遣の仕事をしていることを伝えるべきですか?

伝えるべきです。伝えないと相手は通算時間を把握できず、本来受け取れる割増賃金が計算されません。また労災の給付額を複数の勤務先で合算するには申告が必要ですし、社会保険の加入条件を満たせば届出が発生して必ず判明します。隠すデメリットのほうが大きくなります。

Q. 副業を業務委託にすれば労働時間は通算されませんか?

されません。労働基準法第38条の通算は雇用契約に基づく労働時間だけが対象で、業務委託や請負は対象外です。ただし契約書のタイトルが業務委託でも、時間や進め方を細かく指示される実態があれば労働契約と判断される可能性があります。名称ではなく実態で判定されます。

Q. 2か所で働くと社会保険はどうなりますか?

社会保険の加入判定では労働時間は通算されず、勤務先ごとに個別判定されます。両方で条件を満たした場合は10日以内に二以上事業所勤務届を提出し、主たる事業所を選択します。保険料は両社の報酬を合算して算定した額を、各社の報酬に応じて按分して負担する形になります。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年4月5日最終更新:2026年9月6日
長谷川 奈津

この記事を書いた人

長谷川 奈津@SOHO編集部

行政書士・元企業法務

企業法務で数多くのフリーランス契約を扱った経験を活かし、フリーランス向けの法律・契約・権利に関する記事を執筆。「法律はあなたの味方です」がモットー。

@SOHOで仕事を探してみませんか?

手数料0%・登録無料のクラウドソーシング。フリーランスの方も企業の方も、今すぐ始められます。

関連記事

カテゴリから探す

クラウドソーシング入門

クラウドソーシング入門

クラウドソーシングの基礎知識・始め方・サイト比較

職種別ガイド

職種別ガイド

職種・スキル別の案件獲得方法と単価相場

フリーランス

フリーランス

フリーランスの独立・営業・実務ノウハウ

お金・税金

お金・税金

確定申告・節税・経費・ローンなどお金の知識

スキルアップ

スキルアップ

プロフィール・提案文・単価交渉などのテクニック

比較・ランキング

比較・ランキング

サービス比較・おすすめランキング

AI活用

AI活用

職種別にChatGPT・生成AIを活用して業務効率化・収益化するノウハウ

最新トレンド

最新トレンド

市場動向・法改正・AIなど最新情報

発注者向けガイド

発注者向けガイド

クラウドソーシングで外注・人材探しをする企業・個人向け

転職・キャリア

転職・キャリア

転職エージェント・転職サイト比較・キャリアチェンジ

看護師の転職・求人

看護師の転職・求人

看護師の転職・派遣・単発バイト・副業など働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

薬剤師の転職・求人

薬剤師の転職・求人

薬剤師・登録販売者の転職・派遣・パートなど働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

介護職の転職・求人

介護職の転職・求人

介護職・介護福祉士・ケアマネジャー・訪問介護員の転職・派遣・夜勤など働き方のガイド

保育士の転職・求人

保育士の転職・求人

保育士・保育補助・幼稚園教諭の転職・派遣・パートなど働き方のガイド

医療職の転職・求人

医療職の転職・求人

医師・産業医・リハビリ職・歯科衛生士・管理栄養士・医療事務の転職や働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

保険

保険

生命保険・医療保険・フリーランスの保険設計

採用・求人

採用・求人

無料求人掲載・採用コスト削減・人材募集の方法

オフィス・ワークスペース

オフィス・ワークスペース

バーチャルオフィス・コワーキング・レンタルオフィス

法律・士業

法律・士業

契約トラブル・士業独立開業・フリーランス新法

シニア・50代

シニア・50代

シニア世代のキャリアチェンジ・副業・年金

セキュリティ

セキュリティ

サイバーセキュリティ・脆弱性対策・情報保護

金融・フィンテック

金融・フィンテック

暗号資産・決済・ブロックチェーン・金融テクノロジー

経営・ビジネス

経営・ビジネス

経営戦略・ガバナンス・事業承継・知財

ガジェット・機材

ガジェット・機材

フリーランスに役立つPC・デバイス・周辺機器

子育て×働き方

子育て×働き方

子育てと在宅ワークの両立・保育園・時間管理

補助金・助成金

補助金・助成金

個人事業主・フリーランスが使える公的補助金・助成金・給付金の申請ガイド

アウトソーシング・外注ガイド

アウトソーシング・外注ガイド

SNS運用・経理・広告など、業務のアウトソーシング(外注)を検討する企業・個人向け。費用相場・依頼の流れ・失敗しない選び方