運転代行を副業にする|必要な免許と夜間の働き方

中西 直美
中西 直美
運転代行を副業にする|必要な免許と夜間の働き方

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この記事のポイント

  • ✓運転代行の副業を検討している方へ
  • ✓随伴車と客車で必要な免許が違う理由
  • ✓事業者に課された認定と保険の条件

運転代行の副業を考えている方から、「運転が好きだから向いていると思うのですが、夜中の仕事は体が持つでしょうか」というご相談をいただくことがあります。運転が好きかどうかは、実はそれほど大きな要素ではありません。分かれ目になるのは、必要な免許を持っているかと、夜に働いた後の生活を組み立てられるかの2点です。この記事では、随伴車と客車で必要な免許が違う理由、事業者に課されている条件、報酬の決まり方、そして夜間の働き方が体にどう響くかを順番にお話しします。大丈夫ですよ。先に知っておけば、始めてから困ることはかなり減ります。

運転代行という仕事の仕組みを、まず知っておく

運転代行は、お酒を飲んだお客様の代わりに、そのお客様の車を運転して自宅まで送る仕事です。ここで大事なのは、現場に2台の車が動くという点です。

1台は、お客様の車です。これを「代行運転自動車」あるいは「客車」と呼びます。もう1台は、代行業者の車で、客車の後ろをついていきます。こちらが「随伴車」です。

つまり、1件の依頼には2人の人手が必要になります。客車を運転する人と、随伴車を運転する人です。この2つの役割は、必要な免許が違います。ここを知らずに応募して、「その免許では客車に乗れません」と言われる方が少なくありません。

仕事の流れは、だいたいこうです。飲食店やお客様から連絡が入る。2人1組で向かう。到着したら、1人がお客様の車に乗り、お客様と一緒に目的地へ向かう。もう1人が随伴車でついていく。到着したら料金を受け取って、次の待機場所へ戻る。

稼働の時間帯は、お酒を飲む時間に合わせて夜になります。夕方から始まって深夜、地域によっては明け方まで。この時間帯が、副業として選べるかどうかの最大の判断材料になります。

必要な免許は、乗る車で変わる

ここが最も重要な部分です。ゆっくり説明します。

お客様の車を運転する場合、第二種運転免許が必要です。お客様を乗せて運転するため、道路交通法上、旅客を運送する形に当たると扱われるからです。普通第二種免許を持っていない方は、客車を運転できません。

一方、随伴車を運転するだけなら、普通第一種免許で足ります。随伴車に乗っているのは代行業者の従業員だけなので、旅客の運送には当たりません。

つまり、第一種免許しか持っていない方は「随伴車専門」という形で働くことになります。実際、現場の声としてもこの点は指摘されています。随伴車の運転は簡単そうに見えて、前を走る客車との連携が難しいという話です。夜間の走行で、信号や車線変更のタイミングを合わせながら離れずについていく。これは慣れが必要な作業です。

第二種免許の取得を検討する場合、条件があります。第二種免許を受けるには、原則として第一種免許を受けていた期間が通算3年以上(特別な教習を修了した場合の例外はあります)で、21歳以上であることが必要です。教習所に通う費用は、普通第二種免許でおよそ20万円から25万円程度が目安になります。

ここで焦らないでいただきたいのです。副業として始めるなら、まず随伴車の役割で入って、現場が自分に合うかを確かめてから免許を考える順番でも構いません。20万円を先に払ってから「夜の仕事が体に合わなかった」と分かるほうが、損失が大きいです。

なお、求人の中には免許取得の費用を支援する条件を出している事業者もあります。ただし、支援には「一定期間の勤務を続けること」といった条件が付くのが一般的です。副業として短期間だけ働くつもりなら、条件をよく読んでから判断してください。

事業者側に課されている条件も、確認しておく

働く側として知っておくと安心な部分です。

運転代行を営むには、自動車運転代行業の業務の適正化に関する法律に基づいて、営業所の所在地を管轄する都道府県公安委員会の認定を受ける必要があります。認定を受けずに営業する行為は罰則の対象です。

加えて、事業者には損害賠償の措置を講じる義務があります。お客様の車を運転して事故が起きた場合に備えた保険への加入です。客車は他人の車なので、通常の自動車保険ではカバーされません。代行業者専用の保険に入っていることが前提になります。

応募するときに確認していただきたいのは、この2点です。公安委員会の認定を受けているか、保険に加入しているか。認定を受けた事業者は、標識の掲示など決められた表示を行っています。

なぜここを確認するかというと、事故が起きたときの負担が自分に来る可能性があるからです。保険に入っていない事業者で客車を傷つけた場合、修理費の話がどこに向かうか分かりません。求人を見る段階で、会社の名前と所在地が明示されているかを見てください。

もう一つ、雇用の形も確認してください。運転代行の求人は、アルバイトとして雇用される形と、業務委託の形の両方があります。この違いで、労働基準法や最低賃金法の適用が変わります。次の項で詳しくお話しします。

報酬の決まり方と、時給の目安

報酬の形は、時給制、歩合制、その組み合わせの3通りが中心です。

時給制は、稼働した時間に対して支払われます。依頼が少ない日でも収入が確保されるため、副業として計算が立ちやすい形です。

歩合制は、1件あたりの売上に対して一定の割合が支払われます。依頼が多い日は増えますが、少ない日は下がります。

実際の求人に出ている時給の水準として、こういうデータがあります。

平均時給は、1,569円です。(適宜更新) 求人一覧ページでは時給の高い求人に絞って検索したり、時給の高い順に求人を見ることができます。 出典: baitoru.com

これは特定の地域の運転代行の求人を集計した平均値です。地域や時間帯、事業者によって幅がありますが、夜間の勤務になるため深夜の割増が加わり、日中のアルバイトより高い水準になりやすいという傾向は共通しています。

深夜の割増について、制度を確認しておきます。労働基準法では、午後10時から午前5時までの間に労働させた場合、通常の賃金の25%以上の割増賃金を支払う義務があります。これは雇用されている労働者に適用される規定です。運転代行の稼働はこの時間帯に集中するので、時給の見え方が高くなる理由の一つになっています。

歩合制でも、下回ってはいけない線がある

この話を、いちばんお伝えしたいです。

雇用されている労働者であれば、歩合制であっても最低賃金を下回る賃金は認められません。最低賃金法は、賃金の支払形態にかかわらず適用されます。加えて、労働基準法には出来高払制の保障給という規定があり、出来高払いで働かせる場合、使用者は労働時間に応じた一定額の賃金を保障しなければなりません。

つまり、「歩合制だから依頼がなければゼロです」という説明は、雇用契約であれば通りません。実際、こうしたご相談が寄せられることがあります。1日8時間から9時間、週6日働いているのに月の収入が6万円台にとどまり、面接で言われていた歩合制の意味が「完全歩合」だったというケースです。

このような状況になったら、一人で抱えないでください。労働基準監督署に相談できます。相談は無料で、事前の予約も要りません。※ 業務委託契約として結んでいる場合は労働基準法の適用が異なるため、契約の形がどちらかによって対応が変わります。契約書の写しを持って相談してください。

契約の形を確認する方法は簡単です。雇用契約なら、労働条件通知書または雇用契約書が交付されます。業務委託なら、業務委託契約書になります。何も書面を受け取っていない場合、それ自体が確認すべき点です。フリーランス・事業者間取引適正化等法により、業務委託であっても発注者には取引条件を明示する義務があります。

制度の内容は厚生労働省の案内で確認できます。難しく見えますが、読むのは自分に関係する部分だけで構いません。

夜間に働くことが体に与えること

ここは、カウンセリングの場でいちばん話す内容です。

人の体には、24時間周期のリズムがあります。夜に眠り、朝に活動するように調整されている仕組みです。夜間に働くと、このリズムと実際の生活がずれます。難しい言葉を使わずに言い換えると、「体は寝る時間だと思っているのに、起きて集中している状態」が続くということです。

このずれが続くと、いくつかのことが起きます。

一つめは、眠りの質が落ちることです。日中に寝ても、夜の睡眠と同じ回復にはなりません。明るさと音があるため、深い眠りに入りにくいからです。

二つめは、気分の波が大きくなることです。睡眠が足りない状態は、感情の調整を難しくします。些細なことでいらいらする、落ち込みやすくなる。これは性格の問題ではなく、体の反応です。

三つめは、判断力が落ちることです。運転を伴う仕事では、これが直接リスクになります。

対策をお伝えします。まず、日中に寝るときは部屋を暗くしてください。遮光のカーテンかアイマスクを使う。耳栓も効きます。これだけで眠りの深さが変わります。

次に、稼働が終わった後すぐに寝ないことです。緊張したまま横になっても眠れません。帰宅してから30分ほど、照明を落として過ごす時間を作る。湯船に入るのも効果があります。

三つめは、稼働する曜日を固定することです。毎週金曜と土曜の夜だけ、といった形にすると、体がその周期に合わせて調整を始めます。不規則に入れるほうが、負担が大きくなります。

四つめは、翌日の予定を空けておくことです。深夜まで働いた翌日に本業がある形は、いちばん危険です。週末の夜に稼働して、翌日の午前を睡眠に充てられる組み方をおすすめします。

本業と両立させる稼働の組み方

具体的なパターンを挙げます。

金曜と土曜の夜に寄せる形が、最も無理がありません。飲食の需要が高い曜日と一致しているため、依頼も多くなります。そして翌日が休みなので、睡眠を確保できます。

平日の夜に入る形は、慎重に考えてください。本業が終わった後に夜間の稼働を入れると、睡眠時間が削られます。週1回までに抑えて、翌日の本業の負荷が軽い曜日を選ぶ。これが守れないなら、平日は入れないほうがよいです。

もう一つ、休む週を作ってください。毎週稼働を入れ続けると、疲れが蓄積していることに気づけません。月に1週は稼働しない週を置く。カレンダーに先に書き入れてしまうのがいちばん確実です。

判断の目安をお伝えします。稼働の3日後になっても眠気が残っている、休みの日に何もする気が起きない、些細なことで感情が動く。このいずれかが続いているなら、稼働の頻度が体に合っていません。減らしてください。収入より先に、続けられる状態を守るほうが結果として長く稼げます。

在宅の作業を並行する方には、時間の区切り方が助けになります。集中が切れるタイミングを知る方法を比較した在宅ワークの集中力アップ|ポモドーロ以外に効く7つのテクニックに、複数のやり方が並べて書かれています。夜の稼働がある週は、日中の作業を短い単位に区切るほうが持ちやすくなります。

メリットとデメリットを、並べて見る

良い面から挙げます。

第一に、時給の水準が日中のアルバイトより高くなりやすいことです。深夜の割増が加わるためです。

第二に、本業と時間帯が重ならないことです。日中に働いている方が、勤務時間を調整せずに始められます。

第三に、人とのやり取りが短いことです。お客様と過ごす時間は移動の間だけで、接客の負担は限られます。

第四に、運転の技術が実務として身につくことです。夜間の走行、他人の車を扱う慎重さ、道を覚える力。転職で運送や送迎の仕事を考える段階なら、経験として説明できます。

次に、厳しい面です。

第一に、生活のリズムが崩れることです。これが最大のデメリットで、体調を崩して辞める方がいちばん多い理由です。

第二に、他人の車を運転する責任です。傷つけた場合の負担がどう扱われるかを、契約と保険で確認しておく必要があります。

第三に、収入が読めない場合があることです。歩合制の割合が大きい契約では、依頼の数に左右されます。

第四に、お客様の状態に左右されることです。飲酒している方が相手なので、やり取りが噛み合わない場面があります。ここで消耗する方は少なくありません。

第五に、スキルが単価に積み上がりにくい性質です。3年続けても、1件あたりの報酬は自分の熟練度ではなく事業者の設定で決まります。

かかる費用と、始めるまでの流れ

費用の話をします。

随伴車の役割で始める場合、必要なのは第一種免許だけなので、追加の費用はほとんどかかりません。動きやすい服装と靴、それだけです。

客車を運転する役割を目指す場合、第二種免許の取得費用がかかります。教習所に通う形でおよそ20万円から25万円程度が目安です。取得までの期間は、通う頻度によりますが数週間から2か月ほどを見込んでください。

始めるまでの流れは、応募、面接、採用、研修、初回の稼働という順番です。研修では、客車の扱い方、随伴車との連携、料金の受け取り方、事故が起きたときの連絡先を確認します。

初回の稼働で覚えることを絞っておくと、負担が軽くなります。随伴車の役割なら、客車との距離の取り方と、信号で離れたときの合流の仕方。この2つだけです。最初からすべてを把握しようとしなくて大丈夫ですよ。

求人を読むときに確かめておきたいこと

応募する前に見ておく項目を挙げます。ここを飛ばすと、働き始めてから条件が違うと気づくことになります。

一つめは、募集している役割です。客車の運転を含むのか、随伴車だけなのか。募集文に「二種免許必須」と書かれていれば客車の運転を含みます。書かれていない場合は、面接で確認してください。

二つめは、賃金の形です。時給制か、歩合制か、その組み合わせか。歩合の割合が大きい場合、依頼が少ない日の収入がどうなるかを具体的に聞いてください。「だいたいこれくらいです」ではなく、最低いくら保障されるのかを聞く。ここを曖昧にしたまま働き始めた方が、後で困っています。

三つめは、稼働の時間帯と最低の日数です。週1回から可能な事業者と、週3日以上を条件にする事業者があります。副業として続けるなら、この条件が生活に合うかを先に確かめてください。

四つめは、待機の扱いです。依頼が入るまでの待機時間が労働時間に含まれるのか、含まれないのか。雇用契約であれば、事業者の指示で待機している時間は原則として労働時間に当たります。ここは支払われる金額に直結します。

五つめは、移動と装備の負担です。営業所までの交通費が支給されるか、制服や靴の費用が自己負担かどうか。小さい金額ですが、月に何度も発生すると収支が変わります。

六つめは、事故が起きたときの負担の取り決めです。客車を傷つけた場合、修理費の一部を働いた側が負担する形になっている契約があります。金額の上限があるか、保険でどこまでカバーされるか。面接で聞きにくいと感じるかもしれませんが、これは聞いてよい質問です。答えを渋る事業者は、避けたほうが安全です。

七つめは、会社の情報です。会社名、所在地、公安委員会の認定の有無。求人サイトに掲載されているからといって、確認が済んでいるとは限りません。

現場で起きやすい場面と、その場での考え方

不安を減らすために、実際に起きる場面をいくつか挙げておきます。

お客様の車が、自分が慣れていない車種である場面。これはよくあります。シフトの操作方法、パーキングブレーキの位置、ライトの切り替え。乗る前に確認する時間を取ってください。焦って発進するほうが危険です。お客様に「操作を確認させてください」と言うことは、失礼ではありません。

お客様の荷物や車内の状態が気になる場面。写真を撮っておく、という対処があります。乗る前の状態を記録しておけば、後から「傷がついた」と言われたときの根拠になります。事業者の方針にもよるので、研修のときに確認してください。

お客様が話しかけてくる場面。飲酒している方が相手なので、会話の内容が繰り返しになることがあります。ここで無理に合わせなくて構いません。運転に集中していることは、相手にも伝わります。

お客様の言動に困る場面。道順を強く指示される、急ぐように言われる。安全を守る判断は、運転している自分にあります。速度を上げる指示に従う必要はありません。困ったときは随伴車と連絡を取る。一人で抱えないことが大事です。

道が分からなくなる場面。夜間で、初めて行く住宅地。これは誰にでも起きます。止まって確認する。それだけです。迷いながら走り続けるほうが、時間もかかり危険も増えます。

こうした場面に共通するのは、「その場で止まって確認してよい」ということです。急ぐことを求められる空気があっても、判断を急ぐ必要はありません。焦って起こした事故のほうが、結果としてすべてを失います。

税金と、会社の副業規程

収入が増えると、税の手続きが関わってきます。整理しておきます。

雇用されてアルバイトとして働く場合、収入は給与所得になります。本業の給与と合わせて年末調整では処理できないため、原則として確定申告が必要です。給与を2か所以上から受けている方は、2か所目の給与収入が年間20万円を超えると確定申告の対象になります。

業務委託の形で働く場合は、収入から経費を引いた所得が年間20万円を超えると所得税の確定申告が必要です。20万円以下でも住民税の申告は別に必要になります。この2つを混同している方が多いので、気をつけてください。制度の詳細は国税庁の案内で確認できます。

経費として記録できるものがあれば、レシートを月ごとにまとめておいてください。業務委託の場合、営業所までの交通費、業務で使った通信費の一部などが対象になり得ます。帳簿はfreeeやマネーフォワードのような会計サービスで作るのが現実的です。

会社の就業規則も確認してください。副業を許可制にしている会社は少なくありません。届け出が必要なら出しておく。それと、深夜の勤務が本業の安全に影響する業種では、規則で制限されている場合があります。運転や機械の操作を伴う本業の方は、特に確認しておいてください。

住民税の徴収方法について、「絶対に会社に知られない方法がある」という情報は信用しないでください。自分で納付する方法を選べる場合もありますが、自治体の運用によって給与からの徴収に一括されることがあります。制度上、言い切れるものではありません。

向いている方と、避けたほうがよい方

向いているのは、夜型の生活が元から苦にならない方です。もともと就寝が遅い方は、負担が小さく済みます。

もう一つ、単独で黙々と進める作業が好きな方にも合います。随伴車の運転は、基本的に一人で集中する時間です。

避けたほうがよいのは、次に当たる方です。睡眠が短くなると体調に出やすい方。本業で判断や運転を伴う仕事をしている方。そして、飲酒している相手とのやり取りに強いストレスを感じる方です。

どれも性格の欠点ではありません。合う仕事と合わない仕事があるだけです。自分がどちらかを、始める前に一度考えてみてください。

判断に使える簡単な方法があります。実際に働く予定の時間帯に、一度起きて過ごしてみることです。金曜の夜に稼働するつもりなら、その時間に起きていて、翌日の午前をどう過ごせるかを確かめる。稼働の予定がなくても試せますし、体の反応は頭で考えるより正確です。

それと、家族と同居している方は、先に話しておいてください。深夜に出かけて明け方に帰る生活は、同居している方の睡眠にも影響します。あとから摩擦になるより、始める前に伝えておくほうが穏やかに続けられます。

座ってできる仕事も、並べて持っておく

最後に、少し違う角度からお話しさせてください。

フリーランスと在宅ワークの市場を20年運営してきた立場から見ていると、体を使う副業を選んだ方の道は、途中で二つに分かれます。その仕事だけを続ける道と、そこで得た収入を次の収入源の助走に使う道です。

運営者として見てきた限りでは、後者を選んだ方のほうが数年後の状態が安定しています。理由は、体を使う仕事には必ず稼働できない日が来るからです。体調を崩した週、家族の事情が重なった週。そのとき収入が完全に止まる形しか持っていないと、生活の見通しが揺れます。

そしてもう一つ、単価の性質の違いがあります。運転代行の報酬は、経験を積んでも1件あたりの扱いが変わりません。一方、受託の仕事には積み上がる回路があります。長く続けている方を見ていると、成果物の出来そのものより、「この人に任せると楽だ」と思われる状態を作ることに時間を使っています。連絡が返る、期日を守る、前提の確認が早い。この3つが揃っている方に、次の依頼が届きます。関係が続いた時点で、単価の話ができるようになる。

額面と手取りの違いについても触れておきます。仲介の手数料が乗る取引では、依頼者が払った金額と受け手に届く金額の間に差が生まれます。手数料0%で直接やり取りできる形なら、同じ予算で依頼者はより多く頼めて、受け手の手元に残る額は厚くなります。金額の大小ではなく、残る質の話です。長く続けている方ほど、この差に早く気づいています。

座ってできる仕事を少しずつ育てるなら、需要が確認できている領域から入るのが確実です。企業が業務にAIを取り込む局面で外部の手を求めている内容についてはAIコンサル・業務活用支援のお仕事に、求められる役割と関わり方が整理されています。開発の受託で何が必要になるかはアプリケーション開発のお仕事に、経験の段階ごとの入り方が書かれています。

単価の水準を先に知っておきたい方には、公的統計と実際の受注単価を並べたソフトウェア作成者の年収・単価相場と著述家,記者,編集者の年収・単価相場が判断材料になります。資格から入る順路を考えるなら、在宅で通用する資格を横並びで比べた在宅ワークに強い資格10選|自宅で稼げるスキルを身につけるが入口になります。どれも「取れば稼げる」という話ではなく、そのあと何の仕事につながるかまで書かれている点が役に立ちます。

運転代行を否定しているのではありません。夜の時間を収入に変えられる手段を持っていることは、それ自体が心の余裕になります。実際、収入の見通しが立っただけで表情が変わる方をたくさん見てきました。

ただ、体を資本にする働き方には期限があります。いま動けるうちに、座ってできる収入の道も少しずつ育てておく。両方を持っている状態が、いちばん安心です。焦らなくて大丈夫ですよ。まず免許の種類を確認して、稼働する曜日を決めて、休む週をカレンダーに書き入れる。そこから始めてください。

よくある質問

Q. 普通免許だけで運転代行の副業はできますか?

できます。ただし役割が限られます。お客様の車(客車)を運転するには第二種運転免許が必要で、第一種免許しか持っていない場合は随伴車の運転を担当します。随伴車は前を走る客車との連携が必要で、夜間の走行では思っているより難しい作業です。まず随伴車で現場を確かめてから、第二種免許の取得を考える順番でも構いません。

Q. 第二種免許の取得にはいくらかかりますか?

教習所に通う形で、普通第二種免許はおよそ20万円から25万円程度が目安です。受験するには原則として第一種免許を受けていた期間が通算3年以上、かつ21歳以上という条件があります。求人の中には取得費用を支援する条件を出している事業者もありますが、一定期間の勤務が条件になるのが一般的なので内容をよく読んでください。

Q. 歩合制で依頼が少ない日は収入がゼロになりますか?

雇用契約であれば、歩合制でも最低賃金を下回ることは認められません。労働基準法には出来高払制の保障給の規定があり、使用者は労働時間に応じた一定額の賃金を保障する義務があります。収入が最低賃金を明らかに下回っている場合は、契約書を持って労働基準監督署に相談してください。相談は無料です。

Q. 夜勤と本業の両立で、気をつけることは何ですか?

稼働は翌日が休みの曜日、つまり金曜や土曜の夜に寄せてください。日中に寝るときは遮光のカーテンやアイマスクで部屋を暗くし、帰宅後すぐに横にならず照明を落として30分ほど過ごすと眠りが深くなります。稼働する曜日を固定し、月に1週は稼働しない週をカレンダーに先に書き入れておくと続けやすくなります。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年4月27日最終更新:2026年9月21日
中西 直美

この記事を書いた人

中西 直美@SOHO編集部

産業カウンセラー・キャリアコンサルタント

大手人材会社でキャリアカウンセラーとして15年間従事した後、フリーランスの産業カウンセラーとして独立。在宅ワーカーのメンタルヘルスケアを専門に活動しています。

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