kintoneで業務アプリを作る副業|案件と受注までの準備


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この記事のポイント
- ✓kintone 副業の実情を
- ✓学ぶ順番から整理しました
- ✓3つの案件獲得ルートと手数料の違い
「会社でkintoneを触っていて、社内では頼られている。これで副業ができないだろうか」。こういうご相談が、この1年でぐっと増えました。
でも、そのあとに続く言葉はたいてい同じです。「でも、私はプログラマーじゃないので」。
大丈夫ですよ。kintoneの案件で求められているのは、コードを書く力そのものではありません。困っている業務の話を聞いて、それをアプリの形に落とす力です。社内で頼られているなら、その力はすでにあります。
この記事では、kintoneを使う副業にどんな案件があるのか、単価はどのあたりに落ち着くのか、資格は必要なのか、そして最初の1件をどう取るのかを順番に整理します。焦らずに読んでください。
kintoneの副業は、いま市場のどこに需要があるのか
まず、なぜ需要があるのかを整理します。
kintoneはサイボウズが提供している業務アプリのプラットフォームです。表計算ソフトで管理していた顧客名簿や案件の進捗、経費の申請といったものを、プログラムを書かずにアプリとして作れます。導入している会社はすでに多く、増え続けています。
ここで何が起きているか。導入したけれど、使いこなせていない会社がとても多いんです。
「とりあえず契約したけれど、何をアプリにすればいいかわからない」「表計算ソフトから移したけれど、前より不便になった」「作った人が退職して、誰も直せなくなった」。これが副業の需要の正体です。
案件の種類を4つに分けます。
1つ目は、アプリの新規作成。 「顧客管理をkintoneでやりたい」という依頼に対して、必要な項目を決めて、一覧の見え方を整えて、権限を設定するところまで。作業時間は5時間から30時間程度の幅です。
2つ目は、既存アプリの改修。 すでに動いているアプリに項目を足す、集計の見え方を変える、他のアプリと連携させる。範囲が小さく、初めての案件に向いています。
3つ目は、JavaScriptやプラグインによるカスタマイズ。 標準の機能では届かない部分を、コードやプラグインで補う仕事です。ここから単価が上がります。
4つ目は、導入の支援と社内研修。 「どの業務からアプリ化すべきか」を一緒に考える、使い方の研修を行う、運用のルールを整える。技術よりも、聞く力と説明する力が問われる仕事です。
4つ目が、いちばん見落とされている層です。そして、会社員が本業の経験をそのまま活かせる層でもあります。経理を長くやってきた方、総務にいた方、営業事務をしていた方。「その業務がどう回っているか」を知っている人がアプリを設計すると、外部のエンジニアが作ったものよりも現場で使われるものになります。
報酬の水準を考えるときは、開発系の職種の年収データを一度見ておくと基準ができます。ソフトウェア作成者の年収・単価相場では、公的な統計に基づいた年収の分布と、そこから逆算した時間単価の目安を載せています。自分の本業の時間単価を数字で言えるようになると、案件の金額を判断しやすくなります。
案件の単価相場と、その幅が生まれる理由
金額の話をします。ただし、ここに挙げる数字はすべて「条件つきの目安」として読んでください。
既存アプリの小さな改修。 1件5,000円から3万円程度。時間あたりに直すと2,000円から3,500円のあたりです。
アプリの新規作成を単発で。 1アプリ3万円から20万円程度。項目の数ではなく、業務の複雑さで変わります。
JavaScriptのカスタマイズを含む案件。 1件5万円から50万円程度。プラグインの開発まで含むと、さらに上に伸びます。
導入支援や研修を継続で。 月3万円から15万円程度。月に数回のオンライン打ち合わせと、その間の質問対応という形が多いです。
業務の設計から関わる案件。 時間あたり5,000円を超えることがあります。ここは技術ではなく、業務をどう変えるかを一緒に決める仕事です。
幅が生まれる理由を3つに整理します。
1つ目は、要件がどこまで決まっているか。 「この項目でアプリを作って」と言われる案件と、「うちの受発注をなんとかしたい」と言われる案件では、かかる時間が何倍も違います。後者は、まず業務を聞き取る時間が必要です。この時間を見積もりに入れ忘れると、ほぼ確実に赤字になります。
2つ目は、関わる人の数。 依頼者が1人なら話は早い。ところが「営業部と経理部の両方が使うアプリ」になると、意見の調整という仕事が発生します。これは技術と無関係に時間を食います。
3つ目は、中間に何社入っているか。 同じ予算が出ていても、仲介の段が増えるほど手元に残る額は薄くなります。ここは自分の技術では変えられない部分ですが、どのルートで案件を取るかで選べる部分です。
そして手数料の話をしておきます。クラウドソーシングのサービスでは、報酬から10%から20%程度の手数料が引かれる仕組みが一般的です。月に5万円の報酬なら、5,000円から1万円が引かれます。年単位で見ると無視できない額です。実績を作る場としては有効なので、否定はしません。ただ、同じ仕事をして手元に残る額が違うということは、知っておいてください。
案件の取り方は3つ。それぞれの向き不向き
取り方を3つに分けます。どれが正しいというより、いまの自分の状況に合うかどうかで選んでください。
クラウドソーシングで探す
いちばん敷居が低いルートです。実績がゼロでも登録できて、案件の数も見えます。
ただし、実情はやさしくありません。kintoneの案件は、他の言語やツールに比べると数が少なく、募集が出るとすぐに提案が集まります。単価も低めのものから並びます。この領域を実際に確かめた記録として、こういう指摘があります。
私も今回の調査にあたって、実際にココナラでkintone副業の出品を1ヶ月ほどしてみました。そのあたりの私の体験談も交えながら、ここからはクラウドソーシングの主要3社のリアルなkintoneの副業事情を解説していきます。 出典: note.com
自分で出品して確かめる、という姿勢は参考になります。見るだけではわからないことが、実際に1件動かすと見えてきます。
このルートが向いているのは、実績をまず1つ作りたい人です。単価は割り切って、次につながる納品物と評価を得る場として使う。ここで得た「作ったもの」を、あとで他のルートで見せられる形にしておくと、投資として回収できます。
エージェントや専門のマッチングを通す
kintoneに特化した案件を扱う事業者も出てきています。経歴を登録して紹介を受ける形です。
向いているのは、すでに業務でkintoneの構築経験がある人です。逆に、実務経験がない段階では紹介が来にくい。そして、週の稼働時間の下限が設定されていることが多いので、本業がフルタイムの方には条件が厳しくなりがちです。登録しておく価値はありますが、ここだけに頼ると動けません。
業務委託のマッチングサイトや、知り合いから直接
いちばん成約率が高いのが、実はこのルートです。前職の同僚、取引先、知り合いの会社。「kintoneで困っていることはないか」と聞くだけです。
相手があなたの仕事ぶりを知っているので、実績の証明が要りません。そして、仲介が入らないので手元に残る額が厚くなります。
このルートについての整理は、こう書かれています。
・2026年最新のkintone副業のリアルな実情・3つの案件の獲得方法と、そのメリットデメリットの解説・kintoneで副業を始めたい方が、"最初の1件"を取るための具体的ステップ 出典: note.com
ルートが3つあるという整理の仕方は、私も同じ見方をしています。大事なのは、3つを同時にやろうとしないことです。まず1つ選んで、1件納品する。それだけで次の選択肢が増えます。
案件の種類を広く眺めておきたい方は、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事を見てみてください。業務の効率化やデータの整理といった依頼は、kintoneという名前ではなく困りごとの言葉で出てくることが多いので、隣の領域の言葉を知っておくと案件が見つかりやすくなります。
資格は必要か。kintone関連の認定の位置づけ
「認定を取ったほうがいいですか」。これもよく聞かれます。
先に結論を書きます。取れば案件が来るわけではありません。ただし、自分の理解の穴を埋める道具としては役に立ちます。
kintoneには、サイボウズが提供する認定資格の体系があります。基礎的な知識を確認するものから、アプリの設計やカスタマイズ、システムの設計に関するものまで段階が分かれています。試験の範囲と日程は、公式のサイトで最新の情報を確認してください。制度の改定があるので、ここに書いた内容を鵜呑みにせず、必ず一次情報を見てから申し込んでください。
認定が効く場面と、効かない場面を分けます。
効く場面。 実務経験がない段階で、「まったく知らない人ではない」と示したいとき。企業の案件で、発注側が社内の承認を得るために肩書きを必要とするとき。そして、自分の知識に体系的な抜けがあるかを確かめたいとき。
効かない場面。 クラウドソーシングで個人から受注するとき。ここで見られるのは、過去の評価と「作ったもの」です。資格の有無はほとんど関係しません。
つまり、認定を取ることを目的にするより、「作ったものを見せられる状態」を先に作るほうが実利があります。自分の家計の管理でも、趣味の記録でも構いません。実際に動くアプリを2つか3つ作って、画面のスクリーンショットを残しておく。これが最初の名刺になります。
他の分野でも、資格が案件の入口になるかどうかは領域によって違います。たとえば書類を扱う仕事なら行政書士のように資格そのものが業務の前提になるものがありますし、制作寄りの仕事ならAdobe認定プロフェッショナル Adobe Expressのようにツールの習熟を示す形もあります。kintoneの認定はどちらかというと後者に近く、「入口の証明」ではなく「理解の確認」として使うのが現実的です。
学ぶ順番。どこまで覚えれば案件になるのか
範囲を区切ってお答えします。
第1段階。アプリを1つ作れる
フィールドの種類を選ぶ、一覧の表示を整える、絞り込みの条件を作る。まずはここだけです。表計算ソフトで管理していた名簿を、そのままアプリに移してみてください。半日で通過できます。
第2段階。複数のアプリをつなぐ
ルックアップ(他のアプリから値を引っ張る機能)と関連レコードの表示。「顧客アプリと案件アプリを紐づける」という操作ができると、業務アプリとして形になります。ここが最初の山です。
第3段階。集計とグラフ
クロス集計、条件ごとの件数や合計、グラフの表示。依頼者がいちばん喜ぶ部分がここです。「毎月手作業で作っていた資料が自動で出る」という体験が、そのまま評価につながります。
第4段階。プロセス管理と権限
申請から承認までの流れをアプリで管理する、部署ごとに見える範囲を分ける。ここまで来ると、企業の業務にそのまま使えるアプリが作れます。権限の設計を間違えると、見えてはいけない情報が見えてしまうので、慎重さが必要な範囲です。
第5段階。他のサービスと連携する
外部の表計算ソフトや会計ソフト、通知の仕組みとつなぐ段階です。会計ソフト側の仕様を知る必要があるので、freeeやマネーフォワードといったサービスの公式な案内で、連携の仕組みを確認しながら進めてください。
第6段階。JavaScriptでのカスタマイズ
標準の機能では届かない部分を補う段階です。ここから単価が上がりますが、急ぐ必要はありません。第4段階までで受けられる案件は充分にあります。
並行して身につけたいこと
技術の順番とは別に、もう1つ必要なものがあります。業務を聞き取る力です。
「どんなアプリが欲しいですか」と聞いても、答えは返ってきません。返ってくるのは「なんとなく便利にしたい」です。そこで聞くべきなのは、「いまその作業を、誰が、いつ、何を使ってやっていますか」「どこでいちばん時間がかかっていますか」「間違いが起きるのはどの場面ですか」。この3つです。
第2段階と第3段階のあいだで手が止まる方が多い、というのが相談を受けてきた実感です。原因はたいてい、自分の業務ではないものを作ろうとしていること。まずは自分が意味を知っている業務から作ってください。理解している対象なら、迷ったときに自分で判断できます。
私自身、カウンセリングの記録を整理するために、遅れてこの種のツールを使い始めた側です。最初に作ったアプリは、項目を詰め込みすぎて自分でも入力が面倒になり、1週間で使わなくなりました。そこで学んだのは、「必要な項目を足す」より「いらない項目を消す」ほうが難しいということです。この失敗は、あとで人のアプリを設計するときにずっと役に立ちました。遠回りに見えても、大丈夫です。
受注してから納品までの進め方
最初の1件は、技術よりも段取りで差がつきます。順番に書きます。
着手の前に、業務を見せてもらう。 できればオンラインで画面を共有してもらい、いまの作業を実際にやってもらいます。口で聞くのと、見るのとでは、得られる情報の量が違います。
アプリの形を先に絵にして確認する。 いきなり作り始めないでください。フィールドの一覧と、一覧画面の見え方を簡単な表にして、「この形で合っていますか」と1往復します。この10分で、作り直しの数時間が消えます。
範囲を文書に残す。 「作るアプリは3つ」「JavaScriptのカスタマイズは含まない」「研修は1回」。メールでもチャットでも構いませんが、文字で残してください。口頭だけで進めると、あとで「これも含まれていると思っていた」という話になります。
テスト用の環境で作る。 本番の環境に直接作ると、途中の状態が他の人に見えてしまいます。可能なら開発用の環境を用意してもらってください。
引き渡しのときに、簡単な手順書を付ける。 1ページで構いません。「項目を足したいときはここを触る」だけでも、依頼者の安心感がまるで変わります。そして、この手順書があると次の相談が来ます。
運用が始まって2週間後に、一度だけ声をかける。 「使ってみてどうですか」。これだけです。ここで出てくる小さな不満が、次の案件になります。
段取りの面では、確定申告の準備も忘れないでください。給与以外の所得が年間20万円を超えると確定申告が必要です。売上ではなく、経費を引いた後の所得で判断します。制度の詳細は国税庁のサイトで確認できます。記録の付け方は副業 確定申告 売上管理 スプレッドシート!2026年最新の時短術に整理してあるので、始める前に仕組みを作っておくと後が楽です。
つまずきやすい5つの場面と、その手前でできること
相談として持ち込まれる困りごとは、だいたい同じ5つに集まります。先に知っておくだけで、かなり避けられます。
1つ目は、見積もりの根拠がなくて安く受けてしまう場面。 「相場がわからないので、言われた額で受けました」。これがいちばん多いです。対策は単純で、作業を「業務の聞き取り」「アプリの作成」「確認と修正」「説明と引き渡し」の4つに分けて時間を出すこと。依頼者は聞き取りと説明の時間を想像していないので、分けて示すと納得が得られます。
2つ目は、要望が途中でふくらむ場面。 作っている途中で「これも入れてほしい」が始まります。断るのが気まずくて全部受けてしまい、気づくと当初の倍の時間になっている。対策は、着手前に「追加のご要望は、いったん一覧に集めて、あとでまとめて見積もらせてください」と伝えておくことです。断るのではなく、後回しにするだけ。これなら関係も壊れません。
3つ目は、権限の設計を後回しにしてしまう場面。 作るときは自分の管理者権限で見ているので、全部見えます。運用が始まってから「部長にしか見せたくない情報が全員に見えていた」と発覚するのが、この領域でいちばん怖い事故です。対策は、作りながら一般の利用者の権限で必ず一度ログインして確かめること。手間は5分です。
4つ目は、引き渡したあとに連絡が続く場面。 「使い方がわからない」という質問が、契約が終わったあとも来ます。これを無償で受け続けると、時間がじわじわ削られていきます。対策は、引き渡しのときに「今後のご質問は、月あたり何回までを保守として承ります」と形を提示すること。無償で全部受けるか、一切断るか、の二択にしないことが大事です。
5つ目は、自分の本業と繁忙期がぶつかる場面。 引き受けた時点では余裕があっても、本業の決算や異動と重なると一気に苦しくなります。対策は、契約のときに「この時期は稼働を落とします」と先に伝えておくこと。あとから言うと言い訳に聞こえますが、先に言えば条件になります。
どの場面も、共通しているのは「言いにくいことを先に言っておく」だけで避けられるという点です。言いにくいことを後回しにすると、必ず自分の時間と気力から支払うことになります。こういう相談を何度も受けてきて、これだけは確かだと感じています。
続けるための、時間と気力の使い方
ここは、私がふだんカウンセリングでお話ししている部分です。
副業が止まる理由は、スキル不足よりも、時間と気力の設計ミスであることが多いんです。とくにkintoneの案件は、依頼者とのやりとりが多い分、心の消耗が起きやすい領域です。
返信の時間帯を先に決めて伝える。 「平日の日中は返せません。翌朝までに必ず返します」。これを契約の前に伝えておきます。曖昧にしたままだと、本業中もスマートフォンが気になって、どちらの集中力も削られます。
受ける量を時間で決める。 「月20時間まで」と先に決めてしまいます。金額で決めると、単価の低い案件を大量に抱えることになりがちです。
作業の終了時刻を決める。 22時になったら、途中でも閉じる。翌朝15分だけ見る。単純な方法ですが、これだけで体調を崩す方がかなり減ります。
最初の3か月は、収入を期待しない。 ここがいちばん大事なところです。1件目は相場より安くなることが普通です。それは失敗ではありません。「3か月で月10万円」といった目標を立てると、届かなかったときに自分を責めてしまいます。目標は「1件納品して、次につながる関係を1つ作る」で充分です。
疲れのサインを1つだけ言葉にしておく。 「朝起きるのがつらくなる」「同じ資料を何度も読み直す」「家族への言葉が短くなる」。人によって違います。そのサインが出たら、翌週の稼働をゼロにする。疲れているときには正しい判断ができないので、ルールを先に決めておくんです。
副業で得られるものは収入だけではありません。本業に依存しない足場ができる、という効果もあります。そのあたりは副業 メリット: 収入アップ、スキルアップ、そして心の余裕を手に入れる方法に整理しています。独立まで考えている方は副業 フリーランスの始め方!本業と両立して年収を最大化する戦略を、人の相談に関わる仕事に興味が出た方はキャリア・副業・人生相談のお仕事も見てみてください。
独自データから見えること。長く続く人の共通点
ここからは、在宅ワークと業務委託の市場を20年運営してきた立場からの観察です。
まず、案件の見つかり方について。運営者として見てきた限りでは、この種の依頼は「kintone構築できる方募集」という形では出てきません。出てくるのは「エクセルの管理をやめたい」「毎月の集計が終わらない」「社内の申請が紙のままで困っている」という困りごとの言葉です。依頼者は、自分の困りごとがkintoneで解決できることを知りません。
だから、ツールの名前で案件を探している人の視界から、この層がまるごと抜け落ちます。探すときは「業務効率化」「社内システム」「集計」「申請フロー」といった業務の言葉で探してください。見える棚が変わります。
もうひとつ。長く続く人ほど、単発の作業ではなく「この人に任せると楽」という関係づくりに時間を使っています。アプリを納品するときに、完成品だけ渡す人と、「今回の作りでは、将来こういう変更が来たときにここを触ることになります」と1行添える人がいます。かかる時間は5分の差ですが、次の依頼が来る確率は段違いです。技術で差をつけるより、こちらのほうが投資効率がいい。
そして手取りの話をします。額面と手取りは別ものです。中間にマージンが乗らない直接の取引では、依頼者は同じ予算でより多くを頼めて、受け手は手元に残る額が厚くなります。手数料0%の意味は「単価が高くなる」ことではなく、「同じ仕事をして手元に残る額の質が変わる」ことです。月に数万円の規模でも、年単位で見ると生活の余裕の差になって現れます。
運営者として20年見てきて、もうひとつ確かなことがあります。業務アプリの領域は、年齢や前職の業界による不利を受けにくい場所です。文章を書く仕事や、流行の技術を追う仕事に比べて、「その業務を知っているか」が評価の多くを占めます。経理を20年やってきた方が作った経費申請のアプリは、エンジニアが作ったものより現場で使われます。この「業務を知っていること」は、ツールの操作より習得に時間がかかる資産です。すでに持っているなら、それを入口にしてください。
最後にお伝えしたいことを書きます。kintoneの副業は、短期間で大きく稼ぐ入口ではありません。そのかわり、聞く力と業務の理解が積み上がる領域で、続けるほど依頼が減りにくい。焦らずに、第3段階の集計まで手を動かして、身近な誰かの「毎月の集計が終わらない」を1つ引き受けてみてください。そこから先は、思っているより自然に広がっていきます。あなたは一人ではありません。
よくある質問
Q. プログラミングができなくてもkintoneの副業はできますか?
できます。アプリの新規作成、既存アプリの改修、集計やグラフの設定、権限の設計までは、コードを書かずに対応できる範囲です。JavaScriptによるカスタマイズは単価が上がる領域ですが、そこに進まなくても受けられる案件はあります。むしろ求められているのは、業務を聞き取ってアプリの形に落とす力です。
Q. kintoneの副業の単価はどのくらいですか?
既存アプリの小さな改修は1件5,000円から3万円程度、アプリの新規作成は1件3万円から20万円程度、JavaScriptのカスタマイズを含むと1件5万円から50万円程度が目安です。導入支援や研修を継続で請ける形は月3万円から15万円程度です。要件がどこまで決まっているか、関わる人が何人いるかで幅が出ます。
Q. kintoneの認定資格は取ったほうがいいですか?
資格があれば案件が来るわけではありません。企業案件で発注側が社内の承認を得たいときや、自分の知識の抜けを確かめたいときには役立ちます。一方、個人から受注する場面で見られるのは過去の評価と作ったものです。資格より先に、実際に動くアプリを2つか3つ作って画面を見せられる状態にするほうが実利があります。
Q. 会社員が始めるときの注意点は何ですか?
本業の就業規則で副業の扱いを先に確認してください。あわせて、返信できる時間帯を契約前に伝える、受ける量を月あたりの時間で決める、作業の終了時刻を決めるという3点を守ると続けやすくなります。給与以外の所得が年間20万円を超えると確定申告が必要になるため、売上と経費の記録も最初から付けておいてください。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
中西 直美@SOHO編集部
産業カウンセラー・キャリアコンサルタント
大手人材会社でキャリアカウンセラーとして15年間従事した後、フリーランスの産業カウンセラーとして独立。在宅ワーカーのメンタルヘルスケアを専門に活動しています。
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