トランクルームの経営|始め方と収入の考え方


この記事のポイント
- ✓貸しトランクルームの経営の始め方を
- ✓倉庫業のトランクルームとレンタル収納の違い
- ✓コンテナの建築確認と用途地域の決まり
貸しトランクルームの経営は、空いている土地や建物の一室を、荷物を預ける場所として貸し出す事業です。人が住む部屋の賃貸に比べて設備が簡単で、日当たりの悪い土地や形の悪い土地でも始めやすいことから、土地の活用や副業の選択肢として関心を持つ人が増えています。一方で、屋外にコンテナを並べる形は建築基準法の建築物として扱われるなど、始める前に知っておくべき決まりもあります。
この記事では、貸しトランクルームの経営の始め方を、事業の種類の違い、屋外型と屋内型の特徴、運営の方式、守るべき決まり、収入の考え方、集客と契約の注意点の順に説明します。数字は地域や物件で大きく変わるため、ここでは計算の仕方と確かめる手順を中心にまとめました。
貸しトランクルームとはどんな事業か
貸しトランクルームは、家具や季節の衣類、趣味の道具、仕事の書類や在庫など、自宅や事務所に入りきらない荷物を預ける場所を、月ごとの料金で貸し出す事業です。利用する人は、契約した区画に自分で荷物を出し入れします。
住まいの広さに限りがある都市部では、季節ものの家電や衣類、アウトドアの道具を預けたいという需要があります。小さな会社や店では、書類や商品の在庫、備品を預ける場所として使われます。ネットで物を売る個人が、商品の保管に使う例もあります。
倉庫業のトランクルームと、レンタル収納の違い
「トランクルーム」と呼ばれるサービスには、実は2つの種類があります。この違いは、事業を始めるときの手続きに直結するため、最初に押さえておく必要があります。
実は「トランクルーム」と呼ばれるものには、寄託契約によって物品の保管を請け負う「倉庫事業者としてのサービス」と、賃貸借契約によって物品を預けるスペースを貸す「非倉庫事業者としてのサービス」がある。国が「トランクルーム」と定義しているのは前者の方で、そのうち一定の条件を満たしたものを国土交通大臣が「優良トランクルーム」として認定している。 出典: j-net21.smrj.go.jp
寄託契約とは、事業者が利用者から荷物を預かり、保管する責任を負う契約のことです。賃貸借契約とは、事業者が場所を貸すだけで、荷物は利用者が自分で管理する契約のことです。
1つ目の倉庫業としてのサービスは、倉庫業法にもとづく国の登録を受けた事業者が、利用者から荷物を預かって保管するものです。国土交通省の近畿運輸局の資料では、トランクルームを「倉庫業法の登録を受けた事業者(倉庫事業者)が、預け入れの依頼を受けて」個人の物品を保管する倉庫と説明し、一定の性能(定温、定湿、防塵、防虫など)をもつものを国土交通大臣が認定する仕組みも紹介しています。詳しくは近畿運輸局の認定トランクルームの資料で確かめられます。
2つ目のレンタル収納は、事業者が収納のための場所を貸し、利用者が自分で荷物を出し入れするものです。街でよく見る屋外のコンテナや、ビルの中の小さな個室の多くは、こちらの形です。J-Net21の解説では、この形で始める場合は特別な免許や資格は要らないとされています。
副業や土地の活用として始める人のほとんどは、2つ目のレンタル収納の形を選びます。この記事でも、以降は主にこの形を中心に説明します。なお、利用者の荷物を預かって保管の責任を負う形で事業をする場合は、倉庫業法の登録が必要になるかどうかを、地域の運輸局に必ず確かめてください。
屋外型と屋内型の違い
貸しトランクルームは、場所の形で大きく屋外型と屋内型に分かれます。
屋外型(コンテナ型)
空き地や駐車場の一角にコンテナを並べ、1台ずつ、または1台を区切って貸す形です。郊外に多く、車を横付けして大きな荷物を出し入れできるのが利点です。タイヤ、アウトドアの道具、家具、工具などが預けられることが多く、料金は屋内型より安めに設定されるのが一般的です。
一方で、夏は中が高温になり、湿気がこもりやすいため、衣類や書類、精密な機器の保管には向きません。設置には、後で説明する建築基準法の手続きが必要です。
屋内型
ビルやマンション、倉庫の中を区切って、個室として貸す形です。都市部に多く、空調や換気、防犯のカメラを備えた物件もあります。小さな区画が多く、衣類、書類、趣味の品など、比較的小さな荷物が預けられます。管理された環境で保管できるため、料金は屋外型より高めになります。
空いている事務所や店舗、空室の続く部屋を活用して始める方法もあります。ただし、建物の用途を変える場合は、建物の決まりや管理の規約で許されているかを確かめる必要があります。
| 項目 | 屋外型 | 屋内型 |
|---|---|---|
| 主な場所 | 郊外の空き地、駐車場の一角 | 都市部のビル、マンション、倉庫の中 |
| 荷物の出し入れ | 車を横付けしやすい | 台車で運ぶことが多い |
| 向いている荷物 | タイヤ、アウトドアの道具、家具、工具 | 衣類、書類、趣味の品、季節の家電 |
| 保管の環境 | 温度と湿気の影響を受けやすい | 空調を備えた物件もある |
| 料金の傾向 | 安め | 高め |
運営の3つの方式
貸しトランクルームの経営には、運営の仕方で3つの方式があります。どこまで自分で手がけるかで、手間と収入のバランスが変わります。
自営方式
集客、契約、料金の回収、清掃や点検など、運営のすべてを自分で行う方式です。管理の費用がかからず、収入をそのまま手元に残せる一方で、利用者を集める活動や、トラブルへの対応も自分で担うことになります。
一括借り上げ方式
トランクルームの運営会社に場所全体を貸し、運営会社が利用者を集めて運営する方式です。オーナーは運営会社から決まった賃料を受け取ります。空いている区画があっても賃料が変わらないため収入は安定しますが、満室になっても受け取る額は増えません。
管理委託方式
設備はオーナーが用意し、集客、契約、料金の回収などの管理の業務を、運営会社に委託する方式です。委託の料金を払う代わりに、運営の手間を減らせます。利用者が増えれば収入が増えますが、空きが多いと収入は下がります。
J-Net21の解説では、一括借り上げ方式は「収益は安定し、手間もかからないが、収益性は落ちる」、管理委託方式は「満室になれば一括借り上げ方式より収益性も高くなるが、集客の結果次第では収益が安定しない可能性もある」と整理されています。外部の運営会社を使う場合は、1社だけで決めずに、複数の会社に相談して条件を比べることが大切です。
| 方式 | 手間 | 収入の安定 | 収入の伸び |
|---|---|---|---|
| 自営 | 多い | 利用の状況しだい | 満室なら大きい |
| 一括借り上げ | 少ない | 安定 | 固定 |
| 管理委託 | 少なめ | 利用の状況しだい | 満室なら比較的大きい |
始める前に確かめる決まり
貸しトランクルームの経営で、もっとも注意が必要なのが、建物と土地の決まりです。とくに屋外にコンテナを並べる形は、知らずに始めると違反になるおそれがあります。
コンテナは建築物として扱われる
国土交通省は、コンテナを倉庫として設置し、継続して使うものは、建築基準法の「建築物」にあたると通知しています。
コンテナを倉庫として設置し、継続的に使用する物件等は、その形態及び使用の実態から建築基準法第2条第1号に規定する建築物に該当するため、新たにこれらのコンテナを利用する建築物を設置する場合には建築基準法に基づく建築確認申請が必要となること等について、ホームページに掲載すること等により広く周知すること。 出典: mlit.go.jp
建築確認とは、建物を建てる前に、その計画が建築基準法に合っているかを、役所や指定を受けた機関に確かめてもらう手続きのことです。通知では、主な違反の例として、適切な基礎が設けられていない、コンテナと基礎がしっかり固定されていない、複数を積み重ねたときにコンテナどうしが適切に接合されていない、といった構造の問題が挙げられています。地震のときに倒れて周りに危害を与えるおそれがあるためです。
建てられない場所がある
土地には、都市計画によって建てられる建物の種類が決められています。大阪府の案内では、市街化調整区域(市街化を抑える区域)のほか、第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域では、原則としてコンテナを倉庫として設置することはできないと説明しています。詳しくは大阪府のコンテナを利用した倉庫の案内で確かめられます。
自分の土地がどの地域に当たるかは、市区町村の都市計画の担当の窓口や、自治体が公開している都市計画の地図で調べられます。土地を買って始める場合は、契約の前に必ず確かめます。
屋内型の場合
建物の中を区切って貸す屋内型でも、建物の用途を変えたり、間仕切りを設けたりする場合は、建築基準法や消防法の決まりに関わることがあります。マンションの一室を使う場合は、管理の規約で事業としての利用が認められているかも確かめます。
決まりの判断は、土地や建物の条件によって変わります。計画の段階で、建築の担当の窓口(特定行政庁)や、建築士などの専門家に相談するのが確実です。
収入の考え方
貸しトランクルームの収入は、次の式で考えるのが基本です。
1か月の売り上げ = 区画の数 × 1区画あたりの月額の料金 × 稼働率
稼働率とは、全体の区画のうち、実際に貸せている区画の割合のことです。たとえば10区画のうち7区画が貸せていれば、稼働率は70%です。
ここから、次のような費用を差し引いたものが、手元に残る利益になります。
- 土地を借りている場合の地代
- 設備の費用を借入れでまかなった場合の返済
- 管理委託の場合の委託の料金
- 集客の広告の費用
- 電気代(照明や防犯のカメラ、空調)
- 清掃や点検、修繕の費用
- 保険料
- 固定資産税などの税金
計算の例
たとえば、屋外型で10区画を用意し、1区画を月額8,000円で貸す場合を考えます。稼働率が70%なら、1か月の売り上げは次のとおりです。
10区画 × 8,000円 × 70% = 56,000円
ここから費用を差し引きます。費用の合計が1か月あたり2万円なら、手元に残るのは36,000円です。1年では432,000円になります。
この計算から分かるように、収入を大きく左右するのは稼働率です。同じ10区画でも、稼働率が40%なら売り上げは32,000円にとどまり、費用を引くと残りはわずかになります。開業してすぐに満室になることは少なく、利用者が集まるまでに時間がかかることを前提に、資金の計画を立てておく必要があります。
初期の費用の目安
設備の費用は、規模、屋外か屋内か、新品か中古かによって大きく変わります。J-Net21の解説では、いずれの場合でも最低200万円〜300万円程度は見ておいたほうがよいとされています。屋外型では、コンテナの本体のほか、基礎の工事、建築確認の手続き、搬入と設置、照明や防犯の設備、看板などの費用がかかります。
初期の費用を何年で回収できるかは、次のように計算します。
回収の年数 = 初期の費用 ÷ 1年あたりの利益
先ほどの例で、初期の費用が300万円、1年あたりの利益が432,000円なら、回収にはおよそ7年かかる計算です。稼働率が上がれば年数は短くなり、下がれば長くなります。見積もりは複数の業者から取り、楽観的すぎない稼働率で計算しておくことが大切です。中古のコンテナを使うと初期の費用を抑えられますが、さびや傷みの程度によっては修繕の費用がかさみ、建築確認に合う基礎や固定の工事も別に必要になるため、本体の値段だけで比べないようにします。
貸しトランクルームの経営のメリット
貸しトランクルームの経営には、ほかの土地の活用と比べて次のような利点があります。
土地の条件を問いにくい
人が住む部屋を貸す場合、日当たり、駅からの距離、周りの環境が入居者を集めるうえで大きな意味を持ちます。トランクルームは荷物を預ける場所なので、日当たりの悪い土地や、形の悪い土地、住宅には向かない狭い土地でも始めやすいのが特徴です。
設備が比較的簡単
住まいのように、台所、浴室、トイレといった水回りの設備が要りません。建物を建てる場合に比べて、初期の費用を抑えやすく、工事の期間も短くて済みます。
管理の手間が少なめ
人が住む部屋に比べると、設備の故障や近所との問題が起きにくく、日々の管理の手間は少なめです。利用者が荷物を出し入れするだけなので、入居者の入れ替わりのたびに部屋を直す費用もかかりません。
撤退しやすい
コンテナや間仕切りは、建物を建てるのに比べて撤去しやすく、事業をやめる場合や、土地を別の用途に使いたくなった場合に、方向を変えやすいという面があります。
デメリットと気をつけたいリスク
一方で、次のようなデメリットやリスクもあります。
利用者が集まるまで時間がかかる
トランクルームは、必要になったときに探されるサービスです。開業してすぐに区画が埋まることは少なく、数か月から1年以上かけて少しずつ利用者が増えていくことも珍しくありません。その間の費用をまかなえる資金の計画が必要です。
1区画あたりの料金が低い
住まいの家賃に比べると、1区画あたりの料金は低くなります。そのため、区画の数が少ないと、満室でも収入はそれほど大きくなりません。規模と料金と稼働率の組み合わせで、事業として成り立つかを計算しておく必要があります。
決まりへの対応
屋外のコンテナは建築物として扱われるため、建築確認の手続きと、建築基準法に合った基礎の工事が必要です。手続きを省いて設置すると違反になり、是正を求められることがあります。
料金の滞納と荷物の放置
利用者が料金を払わなくなったり、連絡がつかなくなって荷物が残されたりすることがあります。荷物を勝手に処分することはできないため、対応に時間と費用がかかります。
防犯と災害
荷物の盗難、いたずら、大雨による浸水、台風による被害などのリスクがあります。防犯の設備や保険の加入で備えておきます。
開業までの手順
貸しトランクルームの経営を始めるまでの流れを、順番に整理します。
- 土地や建物の条件を確かめる:都市計画の地域、市街化調整区域かどうか、建物の用途の決まり、管理の規約
- 需要と競合を調べる:周りの住宅や事務所の数、近くのトランクルームの料金と空き
- 事業の形と運営の方式を決める:屋外型か屋内型か、自営か、一括借り上げか、管理委託か
- 収入と費用を計算する:区画の数、料金、稼働率の見込み、初期の費用、毎月の費用、回収の年数
- 業者から見積もりを取る:設備の購入、設置、工事の費用を複数の業者で比べる
- 建築確認などの手続きをする:屋外型の場合は、建築確認の申請と、確認済証の受け取り
- 設備を設置する:基礎の工事、コンテナの設置、照明や防犯の設備、看板
- 契約書と料金の仕組みを整える:利用の規約、契約書、料金の支払いの方法
- 集客を始める:探し物のサイトへの掲載、地図のアプリへの登録、看板やホームページ
- 開業の届け出をする:個人で事業として始める場合は、税務署への開業の届け出の要否を確かめる
運営会社に一括借り上げや管理委託を頼む場合は、3の段階から運営会社に相談すると、立地の判断や区画の設計について助言を受けられることがあります。
料金の決め方
区画の料金は、次の3つを見て決めます。
1つ目は、周りの相場です。近くのトランクルームが同じくらいの広さの区画をいくらで貸しているかを調べます。相場より大きく高いと選ばれにくく、大きく安いと収入が伸びません。
2つ目は、設備の違いです。空調、防犯のカメラ、24時間の出し入れ、車の横付けなど、ほかより便利な点があれば、その分を料金に反映できます。
3つ目は、費用からの逆算です。毎月の費用と、回収したい年数から、最低限必要な売り上げを出し、それを稼働率で割り戻して、1区画あたりの料金の下限を決めます。
開業のときに、最初の数か月の料金を割り引く、契約の手数料を無料にする、といった案内をする方法もあります。ただし割引を長く続けると収入が伸びないため、期間をはっきり決めて行います。
日々の運営でやること
自営方式で運営する場合、日々の仕事には次のようなものがあります。
- 問い合わせへの対応:空きの状況、料金、区画の大きさ、契約の方法についての質問に答える
- 契約の手続き:申込書の受け取り、本人の確認、契約書の取り交わし、鍵の受け渡し
- 料金の確認:毎月の入金を確かめ、遅れている利用者に連絡する
- 見回りと清掃:月に1〜2回は現地を見て、ごみの放置、照明の故障、扉の不具合がないかを確かめる
- 設備の点検:コンテナのさびや雨漏り、基礎の傷み、防犯のカメラの動作を確かめる
- 解約の対応:解約の申し出を受け付け、区画が空になったことを確かめ、次の利用者のために清掃する
雨漏りやさびは、預けた荷物の傷みにつながり、利用者の信頼を大きく損ないます。とくに台風や大雨の後は、早めに見回るようにします。問い合わせには、できるだけその日のうちに返事をすることが、利用者を逃さないための基本です。
どんな人がトランクルームを借りるのか
需要を見極めるには、どんな人がトランクルームを借りるのかを具体的に思い浮かべることが役立ちます。主な利用者は、次のような人たちです。
- 引っ越しや建て替えの間だけ、家具や家財を預けたい人
- 在宅勤務のための場所を家の中に作るため、使っていない物を外に出したい人
- 季節の衣類、ひな人形や五月人形、こたつや扇風機など、季節にしか使わない物を預けたい人
- キャンプやスキー、釣りなど、かさばる趣味の道具を預けたい人
- ネットで物を売っていて、商品の在庫を保管したい人
- 小さな会社や店で、書類、備品、販売の在庫を預けたい人
- 工事や修理の仕事をしていて、道具や資材を預けたい人
周りにマンションの多い地域では、家の中の収納の不足から、季節の物や趣味の道具を預けたい人が多く、屋内型の小さな区画が好まれます。郊外の住宅地や、工場や店の多い地域では、車で大きな荷物を運び込める屋外型の需要があります。自分が始めようとしている場所の周りに、どの利用者が多いかを考えて、区画の大きさと形を決めます。
保険と防犯の備え
トランクルームの経営では、事故や災害への備えも欠かせません。
まず、設備そのものへの保険です。火災、落雷、台風、大雨による被害に備えて、コンテナや建物を対象にした保険に入ることを検討します。次に、利用者や第三者にけがをさせたり、物を壊したりしたときの賠償に備える保険もあります。どの保険が必要かは事業の形によって違うため、保険の代理店に、トランクルームの経営であることを伝えて相談します。
利用者の荷物については、レンタル収納の形では利用者が自分で管理するのが一般的ですが、利用者向けに荷物の保険を案内している事業者もあります。どちらにしても、事業者の責任の範囲と、利用者が自分で備えるべきことを、契約の前に説明しておきます。
防犯の面では、照明、防犯のカメラ、頑丈な鍵、敷地を囲う柵などで、盗難やいたずらを防ぎます。防犯の設備があることを看板やホームページで伝えると、利用者の安心にもつながります。
ほかの土地の活用と比べるときの視点
空いている土地の使い道としては、貸しトランクルームのほかに、月極の駐車場やコインパーキングなどもよく比べられます。比べるときは、次の点を見ます。
- 周りの需要:車を停めたい人と、荷物を預けたい人のどちらが多いか
- 初期の費用:舗装と区画の線だけで始められる駐車場に比べ、トランクルームはコンテナや建築確認の費用がかかる
- 決まり:トランクルームのコンテナは建築物として扱われ、建てられる地域が限られる
- 1区画あたりの料金と、区画の数
どの使い道が合うかは、土地の場所と広さ、周りの需要によって変わります。1つの案だけで決めず、複数の使い道で収入と費用を計算して比べてから判断します。
区画の大きさと数の決め方
区画をどの大きさで、いくつ用意するかは、収入と稼働率の両方に関わる大切な判断です。
区画を小さく分けるほど、区画の数は増え、1区画あたりの料金は下がります。小さな区画は、季節の衣類や書類を預けたい個人に選ばれやすく、空きが出ても1区画あたりの損失は小さく済みます。一方で、区切るための間仕切りや扉の費用が増え、契約や鍵の管理の手間も増えます。
大きな区画は、家財をまるごと預けたい人や、会社の在庫や資材を預けたい人に向いています。1区画あたりの料金は高くなりますが、利用者が見つかるまでに時間がかかることがあります。
迷ったときは、周りのトランクルームでどの大きさの区画が埋まっていて、どの大きさに空きが多いかを調べます。空きの少ない大きさの区画を多めに用意し、いくつかの大きさを組み合わせておくと、さまざまな利用者に対応できます。屋内型であれば、需要を見ながら間仕切りを変えて区画の大きさを調整できる作りにしておくと、後から見直しがしやすくなります。
立地と需要の調べ方
貸しトランクルームの成否は、立地でほぼ決まります。利用者は荷物を出し入れするため、自宅や職場の近くの場所を選ぶからです。J-Net21の解説でも、利用者にとっては車で5分〜10分程度で行ける範囲の利用が多いとされています。
始める前には、次のことを調べます。
- 周りに住宅やマンション、事務所や店がどれくらいあるか
- 近くに、ほかのトランクルームがいくつあるか。料金はいくらか、空きはあるか
- 車で出入りしやすいか。前の道の幅、駐車できる場所
- 夜間の明るさや人通り。利用者が安心して出入りできるか
- 雨水がたまりやすい土地ではないか
近くのトランクルームの料金や空きの状況は、トランクルームを探せるサイトで調べられます。料金の相場を知っておくと、自分の区画の料金を決める材料になります。
集客と契約の注意点
貸しトランクルームは、駐車場や住まいに比べると、探している人がまだ多いとはいえない事業です。利用者を集めるための工夫が欠かせません。
集客の方法
- トランクルームを探せるサイトに掲載する
- 地図のアプリに場所と営業の情報を登録する
- 現地に分かりやすい看板を出す。電話番号と料金を大きく書く
- 近くの不動産会社や引っ越しの業者に、案内を頼む
- 自分のホームページで、区画の大きさと料金、空きの状況を公開する
契約で決めておくこと
利用者とのトラブルを防ぐため、契約書には次のことをはっきり書いておきます。
- 預けてはいけない物:危険物、燃えやすい物、腐る物、生き物、法律で禁止された物など
- 事業者が責任を負う範囲:荷物の盗難や破損、湿気による劣化への対応
- 料金の支払いの方法と期限、滞納したときの扱い
- 解約の申し出の時期と方法
- 鍵の管理と、紛失したときの対応
とくに、レンタル収納の形では事業者は場所を貸すだけで、荷物を預かる責任を負わないのが一般的です。その場合でも、利用者に誤解を与えないよう、責任の範囲を契約の前に説明しておくことが大切です。
料金の滞納は、トランクルームの運営でよく起きる問題です。滞納が続いたときの扱いを契約で決めておく必要がありますが、利用者の荷物を勝手に処分すると、法的な争いになるおそれがあります。対応に迷ったら、弁護士などの専門家に相談してください。
副業として始めるときに考えること
会社に勤めながら、副業として貸しトランクルームを始める人もいます。その場合は、次のことを考えておきます。
1つ目は、勤め先の就業規則です。副業が認められているか、届け出が必要かを確かめます。
2つ目は、運営の手間です。自営方式では、問い合わせへの返事、契約、料金の確認、現地の見回りなどの仕事が発生します。勤めながらでは対応しにくい場合は、管理委託や一括借り上げの方式を検討します。
3つ目は、税金です。トランクルームの収入は、契約の形や規模によって、所得の種類の扱いが変わることがあります。会社員が副業で得た所得が一定の額を超えると確定申告が必要になるため、始める前に税務署や税理士に確かめておくと安心です。
4つ目は、始める前に撤退の条件を決めておくことです。稼働率がいつまでにどこまで上がらなければ方式を変える、あるいはやめる、という目安を持っておくと、損失が大きくなる前に判断できます。
運営者の目から見た、小さな事業を続ける人の共通点
在宅ワークとフリーランスの仲介を2004年から続けてきた運営者として見てきた限りでは、小さな事業を長く続けている人は、始める前の調べ物にしっかり時間をかけています。決まりの確認、需要の調査、収入の計算を自分の手で行い、楽観的な見込みだけで大きなお金を動かしません。そして、自分でやる部分と人に任せる部分を早めに分け、任せる相手とは条件をはっきり決めて直接やり取りしています。中間の手数料が少ない形で専門の人に仕事を頼めれば、同じ予算でより多くのことを任せられ、受ける側の手取りも厚くなります。
トランクルームの経営では、ホームページの作成、地図や探し物のサイトへの掲載、広告の運用、予約や契約の受付の仕組みづくりなど、外部の専門の人に頼める仕事が多くあります。集客の方法を仕事として学びたい人、またはその道の人に頼みたい人は、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事で関わり方を紹介しています。空きの状況の表示や、契約の申し込みを受け付ける仕組みを作りたい場合は、アプリケーション開発のお仕事が参考になります。看板やチラシ、ホームページの見た目を整える仕事の報酬の傾向は、デザイナーの年収・単価相場で確かめられます。
在宅でできる仕事を組み合わせて収入の柱を増やしたい人は、在宅ワークに強い資格10選|自宅で稼げるスキルを身につけるで、自宅で生かせる資格を紹介しています。トランクルームの問い合わせへの対応や契約の事務は在宅でもこなせる仕事なので、こうした力と組み合わせて事業を回す人もいます。
貸しトランクルームの経営は、始めやすさの反面、立地と決まりと稼働率がすべてを左右する事業です。まずは自分の土地や建物がどの地域に当たるかを調べ、近くのトランクルームの料金と空きを確かめるところから始めてください。
よくある質問
Q. 貸しトランクルームを始めるのに資格は必要ですか?
場所を貸して利用者が自分で荷物を出し入れするレンタル収納の形なら、特別な免許や資格は一般に要りません。一方、利用者から荷物を預かって保管の責任を負う形で事業をする場合は、倉庫業法の登録が必要になることがあります。どちらに当たるかは、地域の運輸局に確かめてください。
Q. 自分の土地にコンテナを設置して貸してもよいですか?
コンテナを倉庫として継続して使う場合は、建築基準法の建築物にあたり、建築確認の手続きが必要です。また、低層の住宅のための地域などでは、原則として設置できないとする自治体の案内があります。土地がどの地域に当たるかを市区町村の窓口で確かめ、計画の段階で建築の担当の窓口や専門家に相談してください。
Q. 貸しトランクルームの収入はどう計算すればよいですか?
区画の数に1区画あたりの月額の料金と稼働率を掛けたものが1か月の売り上げで、そこから地代、返済、委託の料金、電気代、保険料、税金などの費用を差し引いたものが利益です。収入を大きく左右するのは稼働率なので、楽観的すぎない稼働率で計算し、初期の費用を何年で回収できるかを確かめておきます。
Q. 管理を運営会社に任せる場合、どの方式を選べばよいですか?
決まった賃料で収入を安定させたいなら一括借り上げ方式、手間を減らしつつ満室のときの収入も得たいなら管理委託方式が候補になります。どちらも契約の条件は会社によって違うため、複数の会社に相談して、賃料や委託の料金、契約の期間、途中で解約するときの条件を比べてから決めてください。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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