レシピ記事の作成は1か月目に数より工程写真を貯めておく


この記事のポイント
- ✓レシピ記事の作成を最初の1か月で在宅から始める手順を
- ✓著作権と表示規制の注意点
- ✓実績の作り方までまとめました
レシピ記事の作成を在宅で始めたいけれど、最初の1か月に何をすればいいのか分からない。そう感じている方はとても多いです。これ、知らない人が本当に多いんですが、レシピ記事の仕事でつまずく理由の大半は「料理の腕」ではなく「記事の型」と「権利まわりの知識」にあります。この記事では、最初の1か月をどう配分し、何を練習し、何を実績として残すかを具体的な手順に落として書いていきます。あわせて、後から揉めやすい著作権と表示のルールについても、実際の相談事例をもとに整理します。
レシピ記事の作成とは何をする仕事か
まず用語の整理からです。「レシピ記事の作成」と一口に言っても、発注される中身は3つに分かれます。ここを取り違えたまま応募すると、想定と違う作業量で疲弊します。
型1:自分で考案したレシピを記事にする
材料の分量、手順、加熱時間、仕上がりの写真まで、すべて自分で用意する形です。単価は高くなりますが、実際に作って撮影する必要があるため、1本あたりの拘束時間が長くなります。撮影のための食材費も自分持ちになることが多く、報酬から差し引いて考える必要があります。
この型で気をつけたいのは、経費の扱いです。食材費や調理器具は業務のための支出として計上できる可能性がありますが、家庭用と兼用の場合は按分が必要になります。判断に迷ったら国税庁の案内を確認するか、確定申告の時期に税務署の相談窓口を使ってください。つまり、最初から領収書を残す習慣をつけておくと後が楽になります。
型2:クライアントが持っているレシピを記事の形に整える
企業や店舗が持っているレシピを渡され、それを読みやすい記事に構成する形です。調理も撮影も不要で、文章だけを書きます。単価は型1より下がりますが、1本あたり2時間から3時間で仕上げられるため、時間あたりで見ると悪くありません。未経験から入るなら、この型が最も現実的です。
型3:レシピを軸にした読み物を書く
「作り置きで平日の夕食を楽にする」「離乳食の進め方」といったテーマで、レシピを含みつつ読み物として成立させる形です。文章量が多く、3,000文字から5,000文字規模になります。SEOを意識した構成力が求められるため、ライティング経験がある人が移ってくることが多い領域です。
実際の募集要項を見ると、料理の専門知識より「興味があること」を前面に出しているものも珍しくありません。
クラウドソーシングとは、オンライン上でお仕事を受発注できるサービスです。初心者向けからプロ向けまで、あらゆるお仕事情報が掲載されています。 出典: lettuceclub.net
つまり、入口自体は開いています。問題は、入った後に続けられるかどうかです。
単価と市場の現状を正確に把握する
数字を先に見ておきましょう。レシピ記事の単価は、型と経験によって大きく開きます。
型2の記事構成のみであれば、1本あたり1,500円から5,000円が中心帯です。文字単価に直すと0.8円から1.5円あたりになります。型1で調理と撮影まで含む場合は、1本5,000円から1万5,000円程度。型3の読み物で、SEO設計まで任される場合は文字単価2円を超えることもあります。
最初の1か月の収入がどれくらいになるかを、現実的な数字で示した記録があります。
まず、私の在宅ワーク1ヶ月目の収入「9,031円」の内訳を公開しちゃいます!
(1)ココナラで出品した似顔絵作成のお仕事:3,900円 (2)クラウドソーシングで応募したライティングのお仕事:631円 (3)オンラインサロンで応募したカスタマーサポートのお仕事:4,500円
見てわかるように、最初はお仕事内容も、お仕事を獲得する場所もバラバラでした。 出典: lettuceclub.net
この記録の重要な点は、金額の少なさではありません。「最初は獲得場所もバラバラだった」という部分です。1か月目に安定した導線ができている人はまずいません。だから最初の1か月の目標を金額に置くと、ほぼ確実に落ち込みます。目標は「完成した記事が手元に何本あるか」に置いてください。
もう1つ、期間の感覚も正直な記録を見ておく価値があります。
先にお話ししておくと、僕は在宅ワークで月30万円を安定して稼げるようになるまでに3年かかりました。SNSでよく見るような「未経験から3ヶ月で月収30万円達成」みたいなタイプではありません。 出典: note.com
短期で大きな金額を約束する情報には、必ず何かの省略があります。この分野で最初の1か月にできるのは、土台づくりだけです。それでいいんです。
なお、文章を書く仕事全体の相場感を知っておくと、提示された単価が妥当かどうかを判断できます。著述家,記者,編集者の年収・単価相場に職種別の水準がまとまっているので、応募前に一度目を通しておくと交渉の材料になります。
最初の1か月の週別配分
1か月を4週に分け、週ごとに残す成果物を決めます。勉強だけで終わる週を作らないことが、続けるコツです。
1週目:型を分解し、模写を3本
最初の週にやるのは、既存のレシピ記事を分解することです。人気のあるレシピ記事を3本選び、見出しの順番、材料表の書き方、手順の1ステップあたりの文字数、写真の枚数と挿入位置を、表計算ソフトに書き出します。
これをやると、良い記事に共通する構造が見えてきます。たとえば手順は1ステップあたり40文字から60文字に収まっていること、火加減と時間が必ずセットで書かれていること、失敗しやすい工程の直後に補足が入っていること。こうした型は、読まずに書き出さないと身につきません。
分解が終わったら、模写を3本書きます。既存記事と同じ料理を、自分の言葉で書き直す練習です。これは公開しません。あくまで型を体に入れるための練習です。
2週目:自分で作って1本書く
2週目は、実際に自分で調理して1本書きます。題材は複雑な料理を選ばないでください。工程が多いと、書くべきことが増えすぎて、型の練習になりません。おすすめは、材料が5点以内、工程が6ステップ以内に収まる料理です。
撮影は、スマートフォンで構いません。ただし2点だけ守ってください。窓からの自然光を横から当てること、そして完成写真だけでなく工程写真を3枚以上撮ることです。工程写真があるかどうかで、記事の価値がまったく変わります。
3週目:読み物型を1本書く
3週目は型3、つまり読み物としてのレシピ記事に挑戦します。ここで必要になるのが検索意図の理解です。「鶏むね肉 パサパサ」で検索する人は、レシピが欲しいのではなく、パサつく理由と対策を知りたい。この違いを踏まえて構成を組みます。
構成は、悩みの言語化、原因の説明、対策の提示、対策を反映したレシピ、応用、の順が基本です。この週の成果物は3,000文字程度の記事1本です。
4週目:応募用の実績セットを整える
最終週は、ここまでに書いた記事から2本を選び、実績として提出できる形に整えます。同時に、応募文のテンプレートを作ります。あわせて、後述する契約面のチェックリストも用意しておきます。準備なしで最初の案件に飛び込むと、条件面で不利な契約を結んでしまいます。
押さえておくべき権利と表示のルール
ここからが、私が最も伝えたい部分です。法律はあなたの味方ですが、知らないままだと武器になりません。
レシピそのものに著作権はあるのか
これ、知らない人が本当に多いんですが、材料と分量、手順といった事実の羅列そのものには、著作権が認められにくいとされています。アイデアや調理法という「事実」は、著作権法が保護する「表現」にあたらないためです。
つまり、同じ料理を作る手順を自分の言葉で書き直したものは、原則として著作権侵害にはなりません。ただし、ここには重要な但し書きがあります。文章表現をそのまま写した場合、写真を無断で使った場合、独自の言い回しやコツの説明を丸ごと持ってきた場合は、表現の複製として問題になります。
さらに実務上は、著作権の問題がなくても、クライアントとの契約で「他サイトを参考にしないこと」が定められていることがあります。法的に問題がないことと、契約違反にならないことは別です。ここを混同しないでください。
※具体的な事案で侵害にあたるかどうかの判断が必要な場合は、弁護士に相談してください。
効能をうたうときの線引き
レシピ記事で最も事故が起きやすいのが、健康効果の表現です。「この食材を食べれば血圧が下がる」「免疫力が上がる」といった書き方は、健康増進法や医薬品医療機器等法の観点から問題になり得ます。食品について、医薬品のような効能効果を表示することは認められていません。
つまり、書いてよいのは「たんぱく質が豊富な食材です」といった成分の事実までで、「〜が治る」「〜が改善する」という結果の断定は避けるべきです。栄養や健康に関する公的な情報は厚生労働省のサイトで確認できます。記事に栄養の話を入れるなら、一次情報を確認する習慣をつけてください。
この線引きは、クライアントから「もっと効果を強調してほしい」と言われたときにも効きます。理由を説明して断れる人は、長期的に信頼されます。言われるままに書いて、後で記事が取り下げになるほうが、双方にとって損失が大きいからです。
契約で必ず確認する4点
先日、あるライターさんから相談を受けました。レシピ記事を10本納品した後で、クライアントが「イメージと違う」と言って報酬を払ってくれないという内容でした。結論から言うと、これは2024年11月に施行されたフリーランス保護新法(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)で明確に規制されている領域です。発注者は、給付を受領した日から60日以内のできる限り短い期間内に報酬支払期日を定め、支払う義務があります。つまり、「イメージと違う」は支払いを止める正当な理由にはなりません。
この法律の運用や相談窓口については公正取引委員会が情報を出しています。取引条件の明示義務についても定められているので、最初の1か月のうちに一度読んでおいてください。
契約時に確認すべきなのは次の4点です。1つ目は、著作権の扱い。譲渡なのか利用許諾なのかで、後から自分の実績として公開できるかが変わります。2つ目は、修正回数の上限。無制限だと際限なく作業が増えます。3つ目は、支払期日。4つ目は、撮影がある場合の食材費の負担者です。この4点を書面かメッセージ上で明確にしておけば、トラブルの大半は防げます。
契約書や取引条件の文書を正確に読み書きする力は、この仕事全体の土台になります。文書の基礎を体系的に押さえたい方はビジネス文書検定の出題範囲が実務に直結します。
最初の1か月でやりがちな失敗
失敗1:料理の腕を上げようとしてしまう
これが最も多い遠回りです。レシピ記事の仕事で評価されるのは、料理の完成度ではなく、読者が同じものを作れるかどうかです。プロ級の料理を作れる人が書いた記事が、初心者には再現できない、というケースを何度も見てきました。むしろ、料理が得意でない人のほうが「どこでつまずくか」が分かる分、良い記事を書けることがあります。
失敗2:材料表の書き方が雑
材料表は、記事の中で最も読まれる部分です。ここで「適量」を多用すると、読者は作れません。「塩 少々」も、可能なら「塩 小さじ4分の1」に置き換えます。分量の曖昧さは、そのまま記事の質として評価されます。
失敗3:写真を後回しにする
文章を全部書いてから撮影しようとすると、工程写真が撮れません。調理は一度きりだからです。書き始める前に、撮る予定のカットを紙に書き出しておく。これだけで撮り直しが激減します。
失敗4:単価の低い案件を大量に受ける
最初は経験のためにと低単価案件を受けるのは、1本か2本までなら合理的です。ただし、それを10本続けると、時間だけが消えて実績としての価値は増えません。同じ10本なら、単価を上げる交渉に使うほうが有効です。
失敗5:AIに全部書かせる
AIで下書きを作ること自体は、効率化として合理的です。問題は、加熱時間や分量までAIの出力をそのまま載せてしまうことです。食品を扱う記事で数値が間違っていると、健康被害につながる可能性があります。AIを業務のどの工程に入れるかという設計思想は、他業種の事例が参考になります。AIコンサル・業務活用支援のお仕事を見ると、企業がAIを検証工程の前に置いているのか後に置いているのかが分かります。
ツールと環境、かかる費用
最初の1か月で必要なものは驚くほど少ないです。文章を書くソフト、スマートフォン、そして自然光が入る窓辺。これだけです。
追加であると便利なのが、白いレフ板の代わりになる画用紙です。200円程度で、影を柔らかくできます。撮影ボックスや照明機材は、案件が安定してから検討すれば十分です。最初から機材に投資して、仕事が続かずに終わる人を何度も見てきました。
記事の入稿先がWordPressの場合、基本的な操作を覚えておくと単価交渉に使えます。入稿まで担当できるライターは、編集者の手間を減らすからです。Webサイトやアプリの仕組みそのものへの理解を深めたい場合はアプリケーション開発のお仕事で、制作側がどういう工程で動いているかを見ておくと、入稿時のやり取りがスムーズになります。技術寄りの案件に幅を広げたい方はソフトウェア作成者の年収・単価相場や、ネットワークの基礎を証明できるCCNA(シスコ技術者認定)も選択肢に入ります。
実績の作り方と、案件への出し方
1か月の終わりに手元にあるべきものは、自分で調理して書いた記事1本、読み物型の記事1本、そして材料表と手順の書き方をまとめた自分用のチェックリストです。
提出方法には注意点があります。他社のレシピを参考にした記事を実績として出すのは避けてください。オリジナルであることが明確な2本だけを選びます。公開場所は、無料のブログサービスでも、note のような発信プラットフォームでも構いません。重要なのは、URLで見せられる状態にあることです。
応募文には、次の3点を書きます。書いた記事の本数と種類、調理から撮影まで対応できるかどうか、そして納期の目安です。「頑張ります」「勉強します」は書かないでください。発注側が知りたいのは意欲ではなく、何がどこまでできるかです。
在宅で1人で書き続ける仕事には、独特のしんどさがあります。反応が返ってこない時期が続くと、自分の書いているものに意味があるのか分からなくなる。この感覚への備えについては在宅ワーカーのメンタルヘルスケア|孤独・燃え尽きを防ぐ5つの習慣【2026年版】にまとまっているので、始める前に読んでおくことをおすすめします。
レシピ記事の型を1枚に落としておく
毎回ゼロから構成を考えていると、1本に5時間かかります。型を1枚のチェックリストにしておけば、同じ品質のものを2時間で書けるようになります。私が相談を受けるライターさんに、最初の1か月で必ず作ってもらうのがこの1枚です。
上から順に並べると、こうなります。導入は150文字前後で、その料理を作りたくなる状況を1つだけ書く。「平日の夜に、洗い物を増やさずに1品足したいとき」といった具合です。ここで料理の歴史や豆知識を語り出すと、読者は離脱します。
次が材料表です。分量は2人分を基準にし、何人分かを必ず明記します。調味料はまとめて「合わせ調味料」とせず、個別に書きます。まとめると読者が計量の順番を間違えるからです。代用できる材料がある場合は、材料表の下に1行で添えます。
その次が下ごしらえです。ここを手順から分離しているかどうかで、記事の読みやすさが変わります。「玉ねぎは薄切り、鶏肉は一口大」といった作業を手順1に混ぜると、火にかけながら切ることになり、初心者が焦ります。
手順は1ステップ40文字から60文字。火加減と時間を必ずセットで書く。「中火で3分」までは書けても「ふちが白くなるまで」という見た目の目安を添えられる人は少ないです。時間は器具によってずれるので、見た目の目安があると再現性が上がります。
最後が補足です。保存期間、冷凍の可否、翌日の食べ方。この3点を書いておくと、読者が記事を保存する理由ができます。
つまり、型は「導入、材料、下ごしらえ、手順、補足」の5ブロックです。この順番を崩さなければ、どんな料理でも書けます。
案件の探し方と、最初の応募で気をつけること
1か月目の終盤で応募を始めるとき、探し方に迷う人が多いです。レシピ記事の募集が集まりやすいのは、大きく3つの経路です。
1つ目は、業務委託のマッチングサイトです。「レシピ 記事作成」「料理 ライター」といった語で検索すると、継続案件が見つかります。継続前提の募集は、テストライティングが1本入ることが多く、そこで単価が決まります。
2つ目は、レシピ投稿サイトや食品メーカーが直接出している募集です。企業サイトの採用ページや、公式SNSで告知されることがあります。数は少ないですが、単価が安定しています。
3つ目は、すでに稼働しているライターからの紹介です。1か月目には縁がないと思うかもしれませんが、SNSで書いたものを公開しておくと、半年後に効いてくることがあります。
応募で最も多い失敗は、応募文が長すぎることです。発注側は30秒で読めるものしか読みません。書くべきは、対応できる型(調理ありか、構成のみか)、1週間に納品できる本数、実績のURL、この3つだけです。志望動機は求められていません。
もう1つ、テストライティングの扱いには注意してください。無償のテストライティングを複数社ぶん受けてしまい、時間だけを失う人がいます。テストは有償か、無償なら1本までと決めておく。これも自分を守るためのルールです。取引条件の明示は法律上の義務として定められている領域なので、条件が曖昧なまま作業を始めないでください。
先日相談を受けた方は、条件を口頭のやり取りだけで進めた結果、修正が8回入っても報酬が変わらないという状況になっていました。つまり、最初のメッセージで「修正は2回まで、それ以降は追加料金」と書いておけば防げた話です。文面に残すこと。これだけで、防げるトラブルの大半は防げます。
写真と文章の分担を決めておく
レシピ記事の作業時間の内訳を計ってみると、初心者ほど撮影と写真整理に時間を取られています。実際に測ってもらったところ、1本あたりの合計5時間のうち、文章が1時間30分、調理が1時間、残りの2時間30分が撮影と写真の選別に消えていました。ここを削らないと、単価がいくら上がっても割に合いません。
削り方は単純です。撮る前にカット割りを決めること。完成写真を2枚、工程写真を4枚、材料の並べ撮りを1枚、合計7枚と決めておく。各カットで撮るのは3枚までとし、それ以上撮らない。撮る枚数が増えるほど、後で選ぶ時間が増えるからです。
もう1つ、撮影の時間帯を固定してください。自然光の色は時間帯で変わるため、朝と夕方の写真が同じ記事に混ざると、統一感がなくなります。私が見てきた中で、写真の質が安定している人は例外なく「午前中に撮る」と決めています。
なお、クライアントから写真も納品してほしいと言われた場合、写真の著作権が誰に帰属するかを必ず確認してください。譲渡と明記されていれば、その写真を自分のポートフォリオに使えなくなる可能性があります。つまり、実績として見せたい写真がある場合は、契約時点で「ポートフォリオへの掲載は可」という一文を入れてもらう。これは交渉として不自然なことではありません。むしろ、そこまで確認する人は仕事が丁寧だと評価されます。
味の説明を言葉にする練習
レシピ記事で差がつく最後の一点が、味の描写です。「おいしい」「絶品」は情報量がゼロなので、読者は作る判断ができません。代わりに使うのは、感覚を分解した言葉です。
分解の軸は4つあります。1つ目は温度と食感(外は香ばしく、中はとろりとしている)。2つ目は味の立ち方(最初に酸味がきて、後から出汁の甘みが残る)。3つ目は香り(ごま油の香りが立ちのぼる)。4つ目は食べる場面(冷めてもかたくならないので弁当に入れやすい)。この4軸のうち2つを書けば、読者は味を想像できます。
練習方法は簡単です。毎日の食事を1品選び、この4軸で3行書く。1か月続けると、書き出しに詰まらなくなります。私が相談を受けた方の中で、最も伸びが早かったのはこの練習を毎日続けた人でした。料理の腕ではなく、観察と言語化の反復が効いています。
20年この市場を見てきた立場からの考察
運営者として在宅ワークの受発注を20年見てきた立場から言えば、レシピ記事の分野で長く続く人には、はっきりした共通点があります。それは、1本ごとの品質より「次に何を書けばよいかを自分から提案していること」です。発注側は、毎回テーマを考える手間から解放されたい。だから、季節や検索需要を踏まえて次の3本を提案できる人には、継続して依頼が集まります。逆に、指示された分だけを丁寧に書く人は、品質が高くても入れ替えられやすい。この差は、20年見てきた中でかなり一貫しています。
もう1つ、運営者として見てきた限りでは、報酬の額面ではなく手取りの厚みで判断する人ほど、無理なく続いています。仲介の手数料が差し引かれる仕組みでは、発注側は同じ予算で頼める本数が減り、受け手の手元に残る額も薄くなる。中間マージンが乗らない直接取引は、手数料0%の分だけ発注側が依頼量を増やせて、受け手は同じ作業量でも手取りが厚くなります。この構造に早く気づいた人は、単価の数字だけで案件を選ばず、やり取りが楽な相手との関係を大事にします。結果として、月ごとの収入の振れ幅が小さくなる。これは現場でくり返し見てきた傾向です。
最後に、リスクも正直に書いておきます。レシピ記事の分野は、AIによる下書き生成の影響を強く受けています。手順を並べるだけの記事は、これから価値が下がり続けます。残るのは、実際に作った人しか書けない部分です。「この工程で失敗しやすい」「この食材はこのスーパーでは手に入りにくい」といった、体験に根ざした情報です。だから最初の1か月で、必ず自分の手で作ってください。作らずに書けるようになると、その先が細くなります。
記録の正確さと権利意識が問われるという点で、この仕事は法務系の在宅職と共通する部分があります。文書を正確に扱う在宅職の実態は法律事務所のパラリーガルの働き方|在宅・時短勤務の現状【2026年版】に詳しく、レシピ記事の分野でも同じ姿勢が信頼につながります。文章そのものの土台を固めたい方はビジネス文書検定で文書作成の副業力アップ|在宅ライティング案件も参考になります。マーケティング視点で記事を設計できるようになりたい場合はAI・マーケティング・セキュリティのお仕事で、企業側が記事に何を期待しているかを確認しておくとよいでしょう。
法律も、契約も、記事の型も、知っていれば自分を守る道具になります。最初の1か月は、その道具をそろえる期間だと考えてください。
よくある質問
Q. 料理が得意でなくてもレシピ記事の仕事はできますか?
できます。発注される仕事の多くは、クライアントが持っているレシピを読みやすい記事に整える形で、調理も撮影も不要です。むしろ料理に慣れていない人のほうが、初心者がどこでつまずくかを想像できるため、再現性の高い記事を書ける場合があります。まずは調理不要の型から始めるのが現実的です。
Q. 他サイトのレシピを参考にして書いてもよいですか?
材料と分量、手順といった事実の羅列そのものには著作権が認められにくいとされていますが、文章表現をそのまま写すことや写真の無断使用は問題になります。また法的に問題がなくても、契約で他サイトの参照が禁じられていることがあります。実績として公開する分は自分で考案したものに限るのが安全です。
Q. レシピ記事の単価はどれくらいですか?
記事構成のみなら1本1,500円から5,000円、文字単価では0.8円から1.5円が中心帯です。調理と撮影まで含む場合は1本5,000円から1万5,000円程度、SEO設計まで任される読み物型では文字単価2円を超えることもあります。撮影ありの案件は食材費の負担者を必ず契約前に確認してください。
Q. 健康効果を書いてもよいですか?
食品について医薬品のような効能効果を断定する表現は、健康増進法や医薬品医療機器等法の観点から問題になり得ます。書いてよいのは「たんぱく質が豊富」といった成分の事実までで、「血圧が下がる」「免疫力が上がる」といった結果の断定は避けてください。栄養情報は公的機関の一次情報で裏を取る習慣をつけましょう。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
長谷川 奈津@SOHO編集部
行政書士・元企業法務
企業法務で数多くのフリーランス契約を扱った経験を活かし、フリーランス向けの法律・契約・権利に関する記事を執筆。「法律はあなたの味方です」がモットー。
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