保育士が自宅で開業するには|ベビーシッターと家庭的保育の届け出の違い

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保育士が自宅で開業するには|ベビーシッターと家庭的保育の届け出の違い

この記事のポイント

  • ✓家庭的保育事業の3つで手続きが大きく違います
  • ✓1人でも必要な都道府県への届出
  • ✓始める前に確かめることを整理します

保育士の資格を生かして、自宅で開業したい。園の勤務から離れて、少人数の子どもとじっくり向き合いたい。そう考えて調べ始めると、ベビーシッター、自宅での一時預かり、保育ママなど似た言葉が次々に出てきて、どれに当たるのかが分からなくなります。結論から言うと、保育士の自宅開業には大きく3つの形があり、それぞれ「都道府県への届出」で始められるものと、「市町村の認可」が必要なものに分かれます。しかも、預かる子どもが1人だけでも届出は必要です。この記事では、3つの形の違いと、始める前に確かめる手続き、保険や契約書の整え方までを順に整理します。

保育士が自宅で子どもを預かる仕事が注目される背景

保育士の働き方は、長いあいだ保育所に勤めることがほとんどでした。ところが、共働き世帯が増え、保護者の働く時間も多様になったことで、保育所の開所時間だけでは足りない家庭が増えています。夜間や休日の預かり、病み上がりの子どもの見守り、きょうだいの送迎の合間の預かりなど、少人数で柔軟に応じる保育への需要が広がりました。

国も、こうした多様な保育を制度の中に取り込んできました。2015年に始まった子ども・子育て支援新制度では、定員の少ない保育を「地域型保育事業」として市町村の認可事業に位置づけ、その1つに家庭的保育事業が入っています。一方で、認可を受けずに行うベビーシッターや小規模な預かりも、届出と指導監督の仕組みのもとで認められています。さらに、2019年に始まった幼児教育・保育の無償化では、届出をして国の基準を満たした認可外保育施設やベビーシッターも、上限額の範囲内で無償化の対象になりました。

保育士にとっては、資格と経験をそのまま生かせる選択肢が増えたことになります。ただ、選択肢が増えた分、どの形を選ぶかで必要な手続きがまったく変わります。届出をしないまま預かりを始めてしまう、認可が必要な形を届出だけで始められると思い込む、といった誤解は、子どもの安全にも自分の責任にも直結します。

編集部に届く相談の中にも、「知り合いの子を数人預かるだけなら手続きはいらないと思っていた」という声がありました。親族の子どもだけを預かる場合などは届出の対象外ですが、知人の紹介で有料で預かる形になれば、たとえ1人でも届出の対象になります。つまり、どこまでが「お手伝い」で、どこからが「事業」なのかを、制度の言葉で整理しておくことが最初の一歩です。

自宅開業の3つの形:ベビーシッター、自宅での預かり、家庭的保育事業

保育士が自宅を拠点に始められる仕事は、法律上、次の3つに分けて考えると整理しやすくなります。

1つ目は、ベビーシッターです。こども家庭庁のガイドラインによれば、法律上のベビーシッターは「認可外の居宅訪問型保育事業」のことで、子どもの家に出向いて保育を行うものを指します。自宅を拠点にしながら、実際の保育は利用者の家で行う形です。認可外保育施設の一種として扱われ、始めるには都道府県などへの届出が必要です。

2つ目は、自宅に子どもを迎えて預かる形です。認可を受けずに自宅で預かる場合、これは認可外保育施設に当たり、やはり都道府県などへの届出が必要になります。1日に預かる子どもが5人以下の小さな施設も、この届出の対象に含まれます。

3つ目は、家庭的保育事業です。一般に「保育ママ」と呼ばれる形で、保育士などが自宅などで少人数の子どもを保育します。児童福祉法では、保育を必要とする3歳未満の子どもについて、市町村長が行う研修を修了した保育士などが、家庭的保育者の居宅その他の場所で保育を行う事業で、利用定員が5人以下のものと定められています。こちらは届出ではなく市町村長の認可が必要で、利用者は市町村を通じて決まります。

3つの違いを一言でまとめると、ベビーシッターと自宅での預かりは「自分で利用者を集め、自分で料金を決める認可外の事業」、家庭的保育事業は「市町村の保育の一部を担い、市町村から運営費を受け取る認可の事業」です。自由度の高さを選ぶか、制度の中での安定を選ぶかで、向いている形が変わります。

ベビーシッターとして始めるときの届出

ベビーシッターは、3つの中で最も始めやすい形です。とはいえ、届出は必ず必要です。こども家庭庁のガイドラインは、届出の義務を次のように説明しています。

ベビーシッターは、事業開始から1カ月以内に都道府県知事等への届出が義務づけられています。届出に必要な書類等について都道府県等の届出窓口に提出しましょう。事業者としておこなう場合も個人でおこなう場合もいずれの場合も届出が必要です。 出典: こども家庭庁

届出先は、個人のベビーシッターならお住まいの都道府県です。ただし、指定都市や中核市に住んでいる場合は、その市が届出先になります。こども家庭庁の案内では、2016年4月から、1日に保育する子どもの数が1人以上であれば届出が必要になりました。それまでは6人以上が届出の目安だったので、古い情報を見て「少人数なら不要」と判断しないよう注意してください。

届出のあとにも続く手続きがあります。毎年の運営状況を都道府県に報告すること、届け出た内容が変わったときや事業を休止・廃止したときにも1か月以内に届け出ることが求められます。マッチングサイトを通じて仕事を受ける場合は、使っているサイトのURLも届出事項です。届出をしなかったり、うその届出をしたりすると、児童福祉法により50万円以下の過料の対象になります。

保育に従事する人の資格も決まっています。ガイドラインによれば、居宅訪問型の保育では、従事する全員が保育士か看護師、または都道府県知事などが行う研修を修了した人であることが求められます。保育士資格を持っていればこの条件は満たしますが、保育士として名乗るには保育士登録をして保育士証を受けている必要があります。児童福祉法は、保育士でない人が保育士やそれに紛らわしい名称を使うことを禁じています。資格を取っただけで登録をしていない人は、開業前に登録の手続きを済ませておきましょう。

また、2026年4月からは、マッチングサイトの運営者がベビーシッターと委託契約を結んで保育を提供する場合、運営者の側も届出の対象になるよう基準が改められました。個人で届出をしたうえで、どのサイトを使うかを選ぶときには、運営者がこうした制度に対応しているかも確かめておくと安心です。

自宅で子どもを預かる認可外保育施設として始めるとき

自宅に子どもを迎えて預かる形は、ベビーシッターよりも準備が多くなります。認可外保育施設として、事業を始めた日から1か月以内に、施設の名称と所在地、設置者の氏名と住所、建物や設備の規模と構造、事業を始めた日、管理者の氏名と住所などを都道府県知事などに届け出る必要があります。これは児童福祉法59条の2に定められた義務です。

届出が不要になるのは、法律の施行規則で決められた限られた場合だけです。たとえば、設置者の4親等以内の親族の子どもだけを預かる場合、親族やそれに準じる親しい関係の人の子どもだけを預かる場合、半年を限度として臨時に設置する場合などです。知人の紹介や地域の掲示板で利用者を募り、料金を受け取って預かるなら、届出の対象になると考えてください。

届出をした施設は、国が定める認可外保育施設指導監督基準に沿って、都道府県などの指導監督を受けます。立入調査で改善が必要と判断されれば、改善指導や改善勧告、公表、事業停止命令などの措置がとられることがあります。基準には、保育に従事する人の資格や人数、部屋の広さや設備、非常災害への備え、保育内容、健康管理、乳幼児突然死症候群への注意、安全計画の策定などが並びます。1日に預かる子どもが5人以下の施設では、従事者の研修受講状況も届出事項です。

指導監督基準を満たすことには、もう1つ意味があります。こども家庭庁の無償化の案内によれば、届出を行い国の基準を満たした認可外保育施設は、3歳から5歳の子どもは月額3.7万円まで、0歳から2歳の住民税非課税世帯の子どもは月額4.2万円まで、無償化の対象になります。利用する家庭にとって費用の負担が軽くなるため、基準を満たしていることは利用者を集めるうえでも大切な要素です。

自宅で預かる場合は、建物や消防の決まりも関わってきます。預かる人数や部屋の使い方によって、消防設備や避難経路について求められることが変わるので、届出の前に都道府県などの窓口と、地域の消防署に相談しておくと安心です。賃貸住宅の場合は、事業での使用が契約で認められているかも、大家さんや管理会社に確かめておきましょう。

家庭的保育事業は市町村の認可が必要な事業

家庭的保育事業は、届出だけで始められる2つの形とは性格がまったく違います。児童福祉法34条の15は、国や自治体以外の人が家庭的保育事業を行うには、市町村長の認可を得なければならないと定めています。認可の審査では、運営に必要な経済的な基礎があること、社会的な信望があること、社会福祉事業に関する知識や経験があることなどが確かめられます。

設備と職員の基準は、国の省令「家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準」をもとに、各市町村が条例で定めています。省令の主な内容は次のとおりです。

  • 保育を行う専用の部屋を設け、その広さは9.9平方メートル以上(預かる子どもが3人を超える場合は、1人増えるごとに3.3平方メートルを加える)
  • 採光・照明・換気の設備、衛生的な調理設備とトイレを備える
  • 屋外で遊べる庭(近くの代わりになる場所を含む)を確保し、2歳以上の子ども1人につき3.3平方メートル以上
  • 火災報知器と消火器を備え、消火訓練と避難訓練を定期的に行う
  • 家庭的保育者、嘱託医、調理員を配置する(調理を委託する場合などは調理員を配置しないことができる)

家庭的保育者1人が保育できる子どもの数は3人以下で、市町村長が行う研修を修了した家庭的保育補助者と一緒に保育する場合は5人以下までです。家庭的保育者になるには、保育士であるだけでなく、市町村長が行う研修を修了し、市町村長から適当と認められる必要があります。

家庭的保育事業のよいところは、利用者を自分で集めなくてよい点です。保育を必要とする家庭の利用は市町村を通じて決まり、運営にかかる費用も公的な仕組みの中で支払われます。そのかわり、市町村が家庭的保育者を募集していなければ始められません。募集の有無や時期、研修の日程は市町村ごとに違うので、まずは住んでいる市区町村の保育課などの窓口に問い合わせるのが近道です。

少人数の保育では、保護者との距離が近くなります。保育士の求人情報を扱うサイトでも、家庭的保育者の仕事について次のように書かれています。

保護者と二人三脚で子育てのサポートをしてることから相談にのること多く、精神的支えにもなる保育ママは保護者と上手なコミュニケーションを図っていかなければなりません。一度でも信頼を失ってしまうとやりにくく感じしまう可能性があります。 出典: hoiku-job.net

1人で保育を担う時間が長いため、体調を崩したときの代わりの保育者をどう確保するかも、認可の段階で市町村と相談しておく大切な点です。

開業の前に地域の子育て支援で経験を積む道

いきなり自分で事業を始めるのが不安な人には、地域の子育て支援の仕組みの中で経験を積む道もあります。

1つは、ファミリー・サポート・センターです。これは、子育ての手助けをしてほしい人と、手助けをしたい人が会員になり、送迎や短時間の預かりを助け合う市区町村の事業です。こども家庭庁の無償化の案内でも、ファミリー・サポート・センター事業は、認可外保育施設や一時預かり事業と並んで無償化の対象に挙げられています。提供会員として登録すると、地域の保護者がどんな場面で預かりを必要としているのかを、事業を始める前に肌で知ることができます。報酬の額や活動の範囲は市区町村ごとに決まっているので、登録の前に窓口で確かめてください。

もう1つは、自治体が行う研修を受けておくことです。こども家庭庁の案内では、ベビーシッターや小規模な認可外保育施設の従事者に、定期的な研修の受講が求められており、研修の例として居宅訪問型保育研修や子育て支援員研修が挙げられています。保育士資格を持っていても、園での集団保育と、家庭に入って1人で見る保育とでは、気をつける点が違います。研修で家庭での保育の進め方を学んでおくと、開業後の判断に自信が持てます。

こうした経験は、開業してからの利用者集めにも生きてきます。地域の保護者や自治体の担当者とのつながりができていれば、口コミや紹介で最初の利用者が見つかることも少なくありません。

3つの形を並べて比べる

ここまでの内容を、始めるときの手続きと運営の特徴で並べると次のようになります。

項目 ベビーシッター 自宅での預かり(認可外) 家庭的保育事業
保育する場所 利用者の家 自分の家など 自分の家など
始める手続き 都道府県などへの届出 都道府県などへの届出 市町村長の認可
手続きの期限 事業開始から1か月以内 事業開始から1か月以内 認可を受けてから開始
子どもの数 利用者の家庭の子ども 施設の規模と基準による 1人で3人まで、補助者と5人まで
利用者の集め方 自分で集める、マッチングサイトなど 自分で集める 市町村を通じて決まる
料金 自分で決める 自分で決める 公的な仕組みで決まる
部屋の基準 利用者宅で必要な区画を確保 指導監督基準による 専用室9.9平方メートル以上など

自由に始めたい人、まずは小さく試したい人には、ベビーシッターが向いています。自宅の環境を整えられ、決まった利用者を継続して預かりたい人は、認可外の自宅での預かりが候補になります。安定した運営と公的な位置づけを重視する人は、家庭的保育事業の募集を市町村に問い合わせてみるとよいでしょう。

どの形を選んでも、子どもの命を預かる責任の重さは変わりません。届出や認可は、その責任を社会に対して引き受けることを示す手続きでもあります。

開業までの手順を順番に整理する

ここまでの内容を、実際に動き出す順番に並べ直すと、次の6つの段階になります。

  1. 形を決める。ベビーシッター、自宅での預かり、家庭的保育事業のどれで始めるかを決めます。迷う場合は、まずベビーシッターとして小さく始め、利用者の反応や自分の働き方の相性を見てから、自宅での預かりや家庭的保育事業を検討する順番が現実的です。
  2. 資格と研修を確かめる。保育士登録が済んでいるか、保育士証が手元にあるかを確認します。家庭的保育事業を目指すなら、市町村が行う研修の日程を問い合わせます。
  3. 窓口に相談する。届出先の都道府県や市、家庭的保育事業なら市町村の保育担当に、必要な書類と基準を聞きます。自宅で預かるなら、消防署にも部屋の使い方を相談します。
  4. 保険と書類を整える。保育中の事故に備える保険に加入し、利用契約書、重要事項の説明書、緊急連絡票、連絡帳の様式を用意します。
  5. 安全計画を作る。避難経路、救命の手順、移動時の確認、感染予防の方法を書き出し、自分で訓練しておきます。
  6. 届出をして始める。認可外の形なら、事業を始めた日から1か月以内に届け出ます。家庭的保育事業なら、認可を受けてから利用が始まります。

この順番で進めると、届出の段階で慌てて書類を作り直すことがなくなります。とくに3の窓口への相談は、早いほど得をします。自治体によっては独自の指針や研修を設けていたり、届出の様式に記入例を用意していたりするので、事前に聞いておけば、書類のやり直しが減ります。

届出の書類には、施設や事業の名称、所在地、建物の構造、保育に従事する人の資格、研修の受講状況など、事業の中身を具体的に書く欄が並びます。書きながら自分の事業の形がはっきりしていくので、届出を「面倒な手続き」ではなく、事業計画を整理する機会として使うのがおすすめです。

開業前に整えておく保険・契約書・安全計画

手続きと並んで、開業前に必ず整えておきたいのが、保険、利用契約書、安全計画の3つです。

保険は、保育中の事故に備えるものです。こども家庭庁のガイドラインも、万が一の事故に備えて、保育中の事故に関する保険に加入するよう求めています。子どもがけがをした場合の補償と、預かり先の家の物を壊してしまった場合の賠償の両方をカバーできるかを確かめてください。マッチングサイト経由で仕事を受ける場合は、サイト側の保険で何が補償され、何が補償されないかも読んでおきましょう。

利用契約書は、トラブルを防ぐための土台です。ガイドラインでは、利用予定者には契約内容を説明し、契約が成立したら契約内容を書いた書面などを渡すことが求められています。最低限、次の項目を書いておきましょう。

  • 保育の時間と場所、料金の計算方法(延長料金を含む)
  • キャンセルの期限とキャンセル料
  • 子どもの発熱や体調不良のときの対応(預かりを断る基準、迎えの依頼)
  • 緊急時の連絡先と、救急車を呼ぶ判断を誰がするか
  • 食事やおやつ、アレルギーの扱い
  • 写真の撮影やSNSへの掲載をしないこと

編集部が以前受けた相談では、当日の朝に子どもが発熱して預かりを断ったところ、保護者から「預かってもらえないなら料金は払わない」と言われ、準備にかけた時間の分が支払われなかったという例がありました。体調不良のときの扱いとキャンセル料を事前に書面で決めていれば、避けられた行き違いです。法律で決まっていないことは、契約で決めておくしかありません。

安全計画は、事故を防ぎ、起きたときに慌てないための計画です。ガイドラインは、屋内外の危険防止、不審者対策、感染予防、移動時の子どもの所在確認、救命対応の訓練などを盛り込んだ計画を作り、定期的に見直すよう求めています。睡眠中は顔色や呼吸を細かく観察し、乳児は仰向けに寝かせることも明記されています。事故が起きた場合は、記録をとって速やかに報告することも欠かせません。

料金の決め方と、税金・お金の基本

認可外で始める場合、料金は自分で決めます。地域の相場を調べるには、同じ地域のベビーシッターや認可外保育施設が公開している料金表や、マッチングサイトに掲載された料金を見比べるのが現実的です。時間単価だけでなく、交通費、早朝・夜間の割増、きょうだいの追加料金をどう設定するかも決めておきます。

料金を決めるときに忘れやすいのが、保険料、研修の受講費、おもちゃや衛生用品の購入費、自宅で預かる場合の設備費です。これらは事業を続けるための経費なので、料金に織り込んでおかないと、働くほど手元に残る額が減っていきます。

税金の面では、ベビーシッターや自宅での預かりで得た収入は、雇われて受け取る給与ではなく、事業の収入として扱われるのが一般的です。事業として始めたら、税務署に開業届を出し、1年分の収入と経費を整理して確定申告をします。帳簿のつけ方や青色申告を使うかどうかで納める税額が変わるので、詳しくは税務署や税理士に相談してください。会社員として働きながら副業で始める場合は、勤め先の就業規則で副業が認められているかも、先に確かめておく必要があります。

料金の未払いに備えて、支払いの方法とタイミングも契約書に書いておきましょう。前払いや当日精算にしておけば、未払いの心配は大きく減ります。それでも支払いが滞ったときの対応は、未払い報酬を回収する!弁護士の着手金・成功報酬と支払督促の流れ【2026年最新】で、支払督促の流れと弁護士費用の目安をまとめています。金額が小さいうちに、書面で請求する習慣をつけておくことが大切です。

自宅開業で起こりやすいトラブルと防ぎ方

少人数の保育は、保護者との距離が近い分、行き違いも起こりやすくなります。よくあるのは、次の3つです。

1つ目は、預かりの範囲をめぐる行き違いです。保育の合間に「ついでに洗濯もしてほしい」「上の子の宿題も見てほしい」と頼まれることがあります。保育以外の家事や、預かっていない子どもの世話は、契約の範囲に入っていなければ引き受けないのが原則です。どうしても引き受けるなら、追加の料金と範囲を事前に書面で決めておきましょう。

2つ目は、子どもの体調や様子の伝え方です。ガイドラインは、保育を始めるときに体温、排便、食事、睡眠、表情、皮膚の異常、機嫌などを観察し、保護者から子どもの状態をよく聞き取ることを求めています。連絡帳や連絡アプリを使って、預かった時間の様子を毎回記録して渡すと、保護者の安心につながり、後で「聞いていない」という行き違いも防げます。

3つ目は、虐待や不適切な養育が疑われる場面に出会ったときの対応です。少人数で家庭に入り込む仕事だからこそ、気づくことがあります。ガイドラインは、子どもの身体や家族の様子から不適切な養育が疑われる場合は、児童相談所などの専門機関と連携する体制をとるよう求めています。1人で抱え込まず、届出先の自治体にも相談できる関係をつくっておきましょう。

いずれの場合も、自分の身を守るのは記録です。いつ、誰と、どんな約束をしたかをメールや連絡アプリで残しておけば、トラブルになっても冷静に話し合えます。保護者に送る案内文や契約内容の説明文を分かりやすく書く力は、こうした場面でも役に立ちます。ビジネス文書検定のページでは、ビジネス文書の書き方を体系的に学べる検定の概要を紹介しています。

開業後に続く報告と指導監督への備え

届出をして事業を始めたら終わり、ではありません。認可外で保育を行う人には、開業後も続く義務があります。

まず、毎年の運営状況の報告です。こども家庭庁のガイドラインは、ベビーシッターについて、毎年の運営状況を都道府県知事に報告することになっていると説明しています。預かった子どもの数や保育の時間、従事する人の状況などを報告するので、日々の記録をつけておかないと、報告の時期に困ることになります。

次に、立入調査への対応です。都道府県などは、指導監督基準に沿って保育が行われているかを確かめるため、立入調査を行います。自宅で預かる場合は、部屋の様子や記録の整い方を見られることになります。日誌、連絡帳の控え、事故やヒヤリとした出来事の記録、避難訓練の記録を、すぐに見せられる状態で保管しておきましょう。

さらに、事故が起きたときの報告です。ガイドラインは、事故が起きたら記録をとって速やかに報告し、重大な事故では再発防止策を講じるよう求めています。報告の方法や様式は、こども家庭庁の「教育・保育施設等における事故の報告等について」に沿って届出先の自治体が案内しています。どこに、どの順番で連絡するかを、開業前にメモにしておくと安心です。

こうした義務は手間に感じるかもしれません。しかし、記録が整っていることは、保護者に対しても自分の保育の質を示す材料になります。「この人は毎回きちんと記録を残してくれる」という評価は、少人数の保育で信頼を得るいちばんの近道です。

自宅開業が向いている人、向いていない人

最後に、自宅開業が向いている人と、慎重に考えたほうがよい人を整理しておきます。

向いているのは、1人で判断する場面に強い人です。園では同僚や主任に相談できた場面でも、自宅開業では自分で判断しなければなりません。子どもの体調の変化に気づき、保護者に連絡するかどうかを決め、必要なら救急車を呼ぶ。その判断を落ち着いて下せる経験がある人は、少人数の保育で力を発揮できます。

保護者との連絡をこまめにとれる人も向いています。少人数の保育では、保護者は保育の様子を細かく知りたがります。連絡帳や写真で様子を伝え、気になることがあれば早めに相談する。こうした積み重ねが、継続の利用につながります。

一方で、慎重に考えたいのは、収入の安定を最優先にしたい人です。認可外の形では、利用者が見つかるまで収入がなく、季節や地域の事情で利用が減ることもあります。生活費をすべて保育の収入でまかなう計画なら、数か月分の生活費の備えを用意するか、勤務の仕事と並行して始めるほうが安全です。

自宅の環境を変えにくい人も注意が必要です。家族と暮らしている場合、日中に子どもを預かることで、家族の生活にも影響が出ます。専用の部屋を確保できるか、家族の理解を得られるかを、始める前に話し合っておきましょう。

保育士資格を生かす働き方を組み合わせる

自宅での開業は、保育士資格の生かし方の1つです。ただ、子どもを預かる仕事は時間帯が利用者の都合に左右されやすく、収入が月によって大きく変わることも珍しくありません。そこで、保育の仕事と、在宅でできる別の仕事を組み合わせる人も増えています。

フリーランス・在宅ワーク市場を20年見てきた立場から言えば、長く続けている人ほど、1つの収入源に頼りきらない形をつくっています。保育の現場で得た知識を、子育て情報の記事執筆や、保育施設向けの資料作り、オンラインでの育児相談などに広げる人もいます。現場の経験を言葉にできる人は少ないので、保育士の視点で書かれた文章には一定の需要があります。書く仕事の相場は著述家,記者,編集者の年収・単価相場で、公的統計をもとにした年収の目安を確認できます。

もう1つ、運営者として見てきた実感があります。仲介の手数料が乗らない直接のやり取りでは、利用する家庭は同じ予算でより長い時間を頼めて、保育をする側の手取りも厚くなります。ただし、仲介の会社が間に入らない分、届出や保険、契約書を整える責任はすべて自分に返ってきます。直接取引で働く人ほど、この記事で整理した手続きを自分で確かめる力が欠かせません。

始める前の確認を整理すると、まず3つの形のどれで始めるかを決め、ベビーシッターや自宅での預かりなら開始から1か月以内に都道府県などへ届け出る、家庭的保育事業なら市町村に募集と研修を問い合わせる、という流れです。そのうえで保険、契約書、安全計画を整えれば、保護者が安心して子どもを預けられる土台ができます。届出の様式や必要な書類は自治体によって違うので、迷ったときは、届出先の窓口に早めに相談してください。

よくある質問

Q. 知り合いの子どもを1人だけ預かる場合も届出は必要ですか?

料金を受け取って事業として預かるなら、1人でも届出が必要です。2016年4月から、1日に保育する子どもが1人以上の場合は都道府県などへの届出の対象になりました。ただし、自分の4親等以内の親族の子どもだけを預かる場合や、半年を限度に臨時で設置する場合などは対象外です。迷うときは、届出先の都道府県や市の窓口に確認してください。

Q. ベビーシッターの届出はどこに出せばよいですか?

個人のベビーシッターは、お住まいの都道府県に届け出ます。指定都市や中核市にお住まいの場合は、その市が届出先です。事業を始めた日から1か月以内に届け出る必要があり、届出をしなかった場合は50万円以下の過料の対象になります。届出の様式や必要書類は自治体ごとに違うので、窓口のページで確かめてください。

Q. 保育ママ(家庭的保育事業)は誰でも始められますか?

家庭的保育事業は市町村長の認可が必要な事業で、市町村が家庭的保育者を募集していなければ始められません。保育士であることに加えて、市町村長が行う研修を修了し、適当と認められる必要があります。専用の部屋の広さや庭、消防設備などの基準もあるので、まず住んでいる市区町村の保育担当の窓口に問い合わせてください。

Q. 保育士資格がなくてもベビーシッターはできますか?

居宅訪問型の保育では、従事する人が保育士か看護師、または都道府県知事などが行う研修を修了した人であることが求められています。研修には、子育て支援員研修の地域保育コースや、居宅訪問型保育の基礎研修などがあります。どの研修が認められるかは届出先の都道府県などに確認してください。保育士でない人が保育士と名乗ることは禁じられています。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年1月29日最終更新:2026年10月6日
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