公務員がせどりをしてよいか|規則の読み方と届け出の手順 2026


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この記事のポイント
- ✓せどりは公務員に許されるのか
- ✓国家公務員法と地方公務員法のどの条文が効くのか
- ✓実際に処分された事例までを条文ベースで整理しました
結論から書きます。公務員がせどりを継続的に行うことは、多くの場合「自ら営利企業を営む」行為に当たり、任命権者の許可なしに続けると懲戒処分の対象になります。一方で、自宅の不要品を整理して売る行為は営利企業には当たりません。問題は、この2つの間にある線が条文に数字で書かれていないことです。
そして厄介なのが、その線の引き方が職場によって違うという点です。同じ行為でも、A市では「問題なし」と扱われ、B県では「許可が必要」と判断されることが実際にあります。
この記事では、どの条文が効いているのか、どこで線が引かれているのか、許可を取るなら何を書くのか、そして許可が通りにくい理由までを順に整理します。曖昧な「グレーゾーンです」で終わらせずに、判断材料を全部出します。
せどりが問題になる理由は「反復継続」と「営利目的」
せどりとは、安く仕入れた商品を別の市場で高く売って差益を得る行為です。書店で買った本をネット書店で売る、量販店の在庫処分品をフリマアプリで売る、といった形が典型です。
この行為の性質を分解すると、3つの特徴が出てきます。
1つめは、利益を得ることが目的であること。2つめは、仕入れと販売を繰り返すこと。3つめは、在庫を抱えて資金を回すこと。
この3つがそろうと、法律の世界では「事業」として扱われます。そして公務員法の世界では「営利企業を営む」に近づきます。逆に言えば、この3つのうち1つでも欠けていれば、判断は変わります。
たとえば自宅の押し入れにある読み終わった本を売る行為は、利益を目的とした仕入れがありません。子どもが使わなくなった衣類をまとめて出す行為も同じです。国税庁も、生活に通常必要な動産の譲渡による所得は課税されない扱いを示しています。ここは事業とは呼びません。
ところが「売れる本を探して古書店を回り、利益が出る本だけを買って出品する」になると、仕入れの目的が利益になります。ここから先が問題の領域です。
正直なところ、この境目をネット上の説明だけで判断するのは無理があります。行為の外形が同じでも、規模と継続性で評価が変わるからです。だから条文を自分で読む必要があります。
効いている条文を自分で読む
根拠になる条文は、国家公務員か地方公務員かで分かれます。
国家公務員の場合
国家公務員法第103条第1項が、営利企業の役員等を兼ねること、および自ら営利企業を営むことを禁じています。同条第2項で、人事院規則の定めるところにより所轄庁の長の申出によって人事院の承認を得た場合には、この禁止が適用されないと定められています。
もうひとつ、第104条があります。こちらは報酬を得て事業または事務に従事する場合に、内閣総理大臣および所轄庁の長の許可を要するという規定です。第103条が「営む」側、第104条が「従事する」側を押さえていると理解すると整理しやすいです。
地方公務員の場合
地方公務員法第38条第1項が該当します。任命権者の許可を受けなければ、営利を目的とする私企業を営むことを目的とする団体の役員等を兼ねること、自ら営利企業を営むこと、報酬を得て事業または事務に従事することができないと定められています。
つまり「絶対禁止」ではありません。許可の対象です。ここは誤解が多い部分なので、はっきり押さえてください。
同時に効いている3つの義務
第38条だけを見ていると足をすくわれます。実際の処分は、別の条文と組み合わせて判断されることが多いのです。
職務専念義務は地方公務員法第35条にあります。勤務時間中に出品や梱包の作業をしていれば、この義務に触れます。せどりの処分事例で職務専念義務違反が並ぶのは、勤務時間中にスマートフォンで価格を確認していた、庁舎で商品を受け取っていた、といった事情が出てくるからです。
信用失墜行為の禁止は第33条です。公務員としての信用を傷つける行為が対象で、取引先とのトラブルや、明らかに市民感覚と離れた規模の商売が報じられた場合に持ち出されます。
秘密を守る義務は第34条です。せどりでは直接関わりにくい条文ですが、職務上知り得た情報を仕入れの判断に使えば当然問題になります。
そして懲戒の種類は第29条にあり、免職、停職、減給、戒告の4種類です。国家公務員法第82条も同じ4種類を定めています。
判断の幅は職場ごとにある
条文を読んでも最後の線引きが分からないのは、条文が具体的な数量を定めていないからです。
実際に公務員をされている方であったとしても、各自治体や部署によって解釈の幅がありますので、100%正解の回答をするのは難しいと思います。 出典: sera-tax.jp
これは逃げの答えではなく、制度の設計どおりの状態です。任命権者に許可の判断を委ねている制度なので、判断は任命権者の手元にあります。したがって、最終的な答えを持っているのはネット上の記事ではなく、あなたの職場の人事担当部署です。
古物商許可の話を分けて考える
せどりを調べていると、古物商許可の話が必ず出てきます。ここで混乱する方が多いので、整理します。
古物商許可と兼業許可は、まったく別の制度です。
古物商許可とは何か
古物営業法第3条により、古物を売買する営業を行うには都道府県公安委員会の許可が必要です。古物の定義は同法第2条にあり、一度使用された物品、使用されない物品で使用のために取引されたもの、これらに幾分の手入れをしたものが含まれます。
ここで注意したいのは、「新品だから古物ではない」とは言い切れない点です。小売店の店頭で消費者として購入した未使用品は、使用のために取引されたものに当たると解される場面があります。自分の判断で「これは新品だから許可は不要」と決めるのは危険です。所轄の警察署の生活安全課が相談窓口ですので、扱う商品を具体的に説明して確認するのが確実です。
公務員は古物商許可を取れるのか
古物営業法第4条に欠格事由が列挙されています。破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者、一定の罪により罰金以上の刑に処せられて一定期間を経過しない者、暴力団員等、住居の定まらない者などです。
この列挙の中に「公務員」はありません。つまり、法律上、公務員だから古物商許可が取れないという規定は存在しません。
ただし、ここが肝心なところです。古物商許可を取れることと、勤務先の兼業許可が要らないことは別問題です。公安委員会の許可を得ても、地方公務員法第38条の制限は消えません。「古物商許可を取ったから合法になった」という理解は誤りです。
そして現実の運用では、許可申請の際に職業を記載します。手続き上の問題が生じるわけではありませんが、職場に伏せたまま進める前提で考えているなら、その前提自体を見直したほうがよいと申し上げます。理由は次の節で書きます。
許可を得たとしても残る実務の負担
規則の話とは別に、せどりという商売そのものが抱える負担があります。許可が取れた場合でも避けられない部分なので、事前に把握しておく価値があります。
古物商としての義務が発生する
古物商許可を得ると、許可を持っているだけでは終わりません。古物営業法は取引の記録を残す義務を課しています。取引の年月日、古物の品目と数量、特徴、相手方の住所と氏名と職業と年齢、確認の方法といった項目を帳簿または電磁的記録に残し、一定期間保存します。
さらに、営業所ごとに管理者を置く義務、標識を掲示する義務、届出事項に変更があったときの変更届の義務があります。本業を持っている方にとって、この事務の積み重ねは軽くありません。
帳簿と申告の作業が毎月発生する
税の側でも記録が必要です。仕入れの記録、売上の記録、経費の記録を継続的に残さなければなりません。在庫を抱える商売の場合、年末時点の在庫を棚卸しして評価する作業も加わります。これを怠ると、そもそも正しい所得が計算できません。
会計ソフトを使えば作業は軽くなりますが、月々のデータ入力からは逃れられません。freeeやマネーフォワードのようなサービスは個人事業主向けの機能を持っていますが、どのソフトを使っても仕入れと売上の記録そのものは自分で残す必要があります。
手元に残る割合を先に計算する
せどりの収支は、売上からいくつもの費用を引いた残りが利益になります。引かれるものを並べると次のようになります。
| 引かれるもの | 内容の例 |
|---|---|
| 仕入れ値 | 商品の購入代金 |
| 販売手数料 | 出品先のプラットフォームに支払う割合 |
| 送料 | 発送にかかる運賃 |
| 梱包材 | 段ボール、緩衝材、テープ |
| 返品や値下げ | 売れ残りの処分と返品対応 |
| 保管 | 在庫を置く場所のコスト |
売上30万円に対して手元に残るのがその2割程度というのは、珍しい話ではありません。そこからさらに所得税と住民税がかかります。
そして計算に入れにくいのが自分の時間です。仕入れに回る時間、出品の作業、問い合わせへの返信、梱包と発送。ここを時間あたりに換算すると、想定していた水準を下回ることが多いのです。正直なところ、この計算を先にしないまま始めるのは勧められません。
職場に把握される経路は、思っているより多い
「隠して続ければいい」という発想で始める方が一定数います。この発想の弱点を、感情ではなく経路で説明します。
税の手続きから
せどりの所得は、年間の所得が一定額を超えれば確定申告が必要です。給与を受け取っている方の場合、給与以外の所得が20万円を超えると申告が必要になります。事業として行うなら、税務署への開業届も本来必要です。
申告すれば住民税の計算に反映されます。住民税は勤務先が給与から差し引いて納める仕組み(特別徴収)が原則なので、税額の通知が勤務先に届きます。給与以外の所得について自分で納付する方法を選べる余地はありますが、自治体によって扱いが異なり、必ず選べるとは限りません。
一方で、申告しなければ所得税法上の義務を果たしていない状態になります。申告漏れが後から判明した場合、税の問題と服務の問題が同時に発生します。どちらの道も、隠し続けることを前提にすると詰みます。
人から
処分事例を読むと、これがいちばん多い経路です。
こちらはわずか21万円の利益なのに、停職処分です。所属する会計隊から情報提供があったということは、同僚に話をしてしまったのかもしれません。 出典: ecstarslab.com
利益21万円で停職という結果は、金額の大小で判断されていないことを示しています。ここは冷静に受け止めるべき点です。「少額だから大丈夫」という理屈は、処分の判断基準として機能していません。
記録から
出品アカウント、発送の記録、古物台帳、配送業者の伝票、SNSの投稿。これらは自分では消せない記録として残ります。趣味の延長でSNSに仕入れの写真を上げた、といったきっかけで把握される例もあります。
こうした経路をひとつずつ潰すことに労力を使うくらいなら、最初から許可を申請する道を検討したほうが、時間の使い方として合理的です。
処分の重さはどうやって決まるのか
「どのくらいやったらどのくらいの処分になるのか」を知りたい方が多いので、考え方を整理します。
処分の重さは、売上や利益の額だけで決まっていません。実際の事例を並べると、判断に使われている要素が見えてきます。
重く見られやすい要素
期間の長さです。数か月で終わっている事案と、数年続いていた事案では扱いが変わります。長期間続いていたということは、許可を取らないという判断を何度も繰り返したことになるからです。
規模も見られます。ただしこれは絶対額ではなく、公務との兼ね合いでの相対的な大きさです。本業の給与を上回る規模になっていれば、どちらが本業なのかという指摘を受けます。
勤務時間中の作業があったかどうかは、はっきり効きます。庁舎内で梱包していた、公用のパソコンで出品を確認していた、勤務時間中に配送業者と連絡を取っていた。こうした事情が加わると、営利企業の禁止違反に職務専念義務違反が重なります。
職務との利害関係があったかどうかも大きな要素です。所管する業者から仕入れていた、許認可の相手方と取引していた。これは職務の公正さに直接触れるため、扱いが重くなります。
発覚後の対応も見られます。事実を認めて速やかに整理したか、隠したり虚偽の説明をしたか。後者は上乗せの理由になります。
軽く扱われやすい要素
期間が短く、規模が小さく、勤務時間外に完結しており、職務との関係がなく、発覚後に自ら申し出た場合は、戒告など軽い処分にとどまる例があります。
ただし、ここで安心しないでいただきたいのです。軽い処分であっても懲戒処分は記録として残ります。昇任や異動の判断に影響する場面もあります。「軽く済むならやってみよう」という計算は、得るものと失うものの釣り合いが取れていません。
数字で判断できるものではない
利益21万円で停職という事例があるということは、逆に言えば同じ金額でも戒告で済む事案がありうるということです。要素の組み合わせで決まるので、金額の閾値を探しても答えは出ません。
判断材料を探すなら、金額ではなく「勤務時間外に完結しているか」「職務と利害関係がないか」「許可を取っているか」の3点を見てください。この3点がそろっていれば、そもそも処分の話にはなりません。
兼業許可を申請するときに書くこと
許可を取る道を選ぶなら、申請の中身を理解しておく必要があります。自治体や省庁によって書式は違いますが、審査されている観点はおおむね共通しています。
申請書に書く項目
兼業の内容(何を、どこで、どのように行うのか)、従事する時間帯と頻度、報酬の有無と見込み額、期間、勤務との関係、そして兼業先が職務上の利害関係者でないことの確認。この6つが中心です。
せどりのように自ら営む形の場合は、事業の内容と規模を説明する必要があります。取り扱う商品の種類、仕入れ先と販売先、想定する年間の売上、作業を行う時間帯と場所です。「ネットで物を売ります」では審査できません。
審査で見られている3つの観点
1つめは、職務専念義務に支障がないかです。勤務時間外に完結する設計になっているかを見られます。仕入れに平日昼間の外出が必要な形では説明がつきません。
2つめは、職務の公正さに疑いが生じないかです。許認可や入札に関わる部署の職員が、その相手方と取引する形になっていないか。ここは特に厳しく見られます。
3つめは、信用失墜のおそれがないかです。規模が大きすぎないか、公務との兼ね合いで市民の理解が得られるか、という観点です。
正直に書くほうが早い
規模を小さく見せて申請すると、後で実態と食い違ったときに不利になります。審査する側は判断材料が欲しいので、正確な情報を出したほうが結果的に早く結論が出ます。
申請書や照会への回答は、書き方の型を知っているかどうかで負担が大きく変わります。ビジネス文書検定の学習範囲には、照会文や報告文の構成が含まれています。資格を取る必要はありませんが、何を先に書き、何を根拠として添えるかの型を知っておくと、こうした書類の作成が楽になります。
許可が通りにくいなら、別の形を検討する
せどりの形で許可を得るのは、実務上ハードルが高い傾向があります。在庫を抱えて反復継続する形は、規模の説明が難しく、勤務時間外に完結するという証明も立てにくいからです。
そこで、判断の軸を「せどりをどう通すか」から「何のために収入を増やしたいのか」に戻して考えてみる価値があります。
許可の対象になりやすい形
執筆や講演は、公務員でも認められた例が積み上がっている領域です。
実際に、280万部の大ヒットとなった「サラダ記念日」の著者である俵万智氏は、当時公立高校の教師(地方公務員)を勤めていた事例もあります。 出典: sidejob.iid.co.jp
ただし、単発の原稿と継続的な受注では扱いが変わります。継続的に報酬を得るなら、第104条や第38条の対象として許可が必要になると考えるのが安全です。文章を扱う仕事の報酬水準は著述家,記者,編集者の年収・単価相場で職種単位に整理しているので、どのくらいの規模になるのかを事前に把握したうえで相談に行くと話が早く進みます。
資産の運用は性質が違う
株式や投資信託の売買は、労働の提供ではありません。したがって「営利企業を営む」や「事業に従事する」とは性質が異なり、原則として許可の対象外とされています。ただし、勤務時間中に売買を繰り返せば職務専念義務の問題になりますし、職務上知り得た情報を使えば別の問題になります。ここは前提条件つきの話です。
制度の枠組みで認められる兼業
地域貢献に関わる活動を制度として認める自治体が増えています。神戸市が平成29年4月に地域貢献応援制度を設けた例が代表的で、これに続く自治体も出ています。こうした制度は報酬を得る形も想定されているので、自分の自治体に同種の制度があるかを確認する価値があります。
会計や契約の知識は、どの道でも効く
どの形を選ぶにしても、報酬を受け取る立場になれば契約と帳簿の知識が必要になります。専門職の兼業の考え方を整理した会計士の副業ガイド|監査法人勤務でもできる高収入の稼ぎ方【2026年版】は、資格を持つ人が本業との線をどう引いているかの参考になります。取引条件を文字で残す実務についてはフリーランスを守る「下請法(取適法)」の知識|発注書・契約書の必須項目チェックリストに必要項目を整理しました。報酬が支払われない事態に備える手順は未払い報酬を回収する!弁護士の着手金・成功報酬と支払督促の流れ【2026年最新】にまとめています。
なお、企業が外部に切り出す業務の中身を知りたい場合は、AIコンサル・業務活用支援のお仕事のような職種ガイドを読んでおくと、自分の職務経験がどこに接続しうるかの見当がつきます。
始める前に確認しておく4つのこと
ここまでを踏まえて、実際に動く前に確認すべき項目を整理します。順番も含めて意味があります。
1つめ、自分の身分を正確に把握する
同じ「公務員」でも、適用される法律が違います。国の職員なら国家公務員法、自治体の職員なら地方公務員法です。教員には教育公務員特例法という別の法律も関わります。独立行政法人や外郭団体の職員は、みなし公務員として扱われる場合と、就業規則で規律される場合があります。
さらに、非常勤や会計年度任用職員は、常勤職員とは扱いが異なる部分があります。地方公務員法第38条の適用範囲も、任用の形態によって変わります。まず自分の身分と根拠法を確認することが出発点です。
2つめ、職場の規程を読む
法律の上に、各職場の規程と通知があります。兼業に関する内部の取扱要領、許可基準、様式が用意されている職場が増えています。イントラネットに掲載されている場合も多いので、探してみてください。
読むときは、許可が要らないと明記されている行為のリストに注目します。たとえば「不要品の処分」「資産の運用」「単発の講演」などが例示されていれば、それが職場の判断基準です。ネット上の一般論より、この文書のほうが優先します。
3つめ、人事担当に一般的な照会をする
ここを飛ばす方が多いのですが、実は最も費用対効果が高い手順です。
聞き方にコツがあります。「私がこれをやってよいか」ではなく、「この種の行為は許可の対象になるか」と制度の質問として聞くことです。前者は個別の判断を求める形になり、担当者も慎重になります。後者なら制度の説明として答えやすくなります。
そして、聞いた内容と回答をメモに残してください。日付、相手の部署、回答の内容です。後から解釈が問題になったときに、確認した記録があることは大きな違いを生みます。
4つめ、税の扱いを先に決めておく
始めてから慌てる方が多いのがここです。事業として行うなら開業届、帳簿、確定申告が必要になります。所得の区分が事業所得か雑所得かによって、経費の扱いや損失の取り扱いも変わります。
判断に迷う場合は、税務署の相談窓口を使うのが早いです。制度の説明は無料で受けられます。国税庁のサイトには申告の手引きも公開されているので、必要な書類の全体像は事前に把握できます。
この4つを済ませてから動くのと、動いてから調べるのでは、結果がまったく変わります。順番を守ってください。
20年この市場を見てきた立場からの観察
運営者として見てきた限りでは、公務員の方が副収入を考えるときに最初に浮かぶのがせどりであることには理由があります。仕入れて売るだけなので、必要な技能が少なく見えるからです。始めるまでの距離が短い。
ところが、続いている方は少ないという印象を持っています。理由は規則の問題だけではありません。在庫を抱える商売は、資金と場所と時間を同時に使います。売れなければ現金が戻らず、部屋が埋まり、値下げの判断に時間を取られる。本業を持っている人にとっては、この3つの負荷が重く効きます。
一方で、長く続いている方に共通するのは、単発の作業ではなく関係づくりに時間を使っている点です。「この人に任せると楽だ」と思われている人には、次の依頼が自然に来ます。仕入れ値と売値の差で稼ぐ形は、毎回ゼロから探し直す構造になっています。積み上がらないのです。
もうひとつ、額面と手取りの違いについて触れておきます。せどりの売上は、仕入れ値、送料、販売手数料、梱包材、そして自分が使った時間を引いた残りが手元に残る金額です。売上30万円でも、手元に残るのがその2割ということは珍しくありません。
対して、自分の職務経験を活かして直接依頼を受ける形では、中間のマージンが乗らない取引なら、依頼する側は同じ予算でより多く頼めますし、受ける側の手取りは厚くなります。手数料0%という条件が意味を持つのは、金額の大小の話ではなく、同じ労力に対して手元に残る割合が違うという質の話です。運営者として長く見てきて、この差が続けられるかどうかを分けていると感じています。
最後に、いちばん大事なことを書きます。規則の解釈を検索で確定させようとしないことです。あなたの職場の人事担当に、匿名でも一般的な照会としてでも構わないので聞いてください。制度の設計上、答えを持っているのはそこだけです。そして聞いたという記録が、後々あなたを守ります。
よくある質問
Q. 公務員がせどりをしたら必ず処分されますか?
継続的に仕入れと販売を繰り返す形は「自ら営利企業を営む」に当たりやすく、許可なしに続けた場合は懲戒処分の対象になります。処分の種類は免職、停職、減給、戒告の4つで、金額の大小だけで軽く扱われるわけではありません。利益が20万円ほどでも停職となった事例が報じられています。
Q. 自宅の不要品をフリマアプリで売るのも禁止ですか?
生活で使っていた不要品を整理して売る行為は、利益を目的とした仕入れがないため営利企業を営むことには当たりません。ただし、売るために仕入れる行為が始まると性質が変わります。判断の分かれ目は反復継続性と営利目的の有無です。迷う規模になったら職場の人事担当に確認してください。
Q. 古物商許可を取れば公務員でもせどりができますか?
できません。古物営業法第4条の欠格事由に公務員は含まれないため許可の申請自体は可能ですが、公安委員会の許可と勤務先の兼業許可は別の制度です。古物商許可を得ても地方公務員法第38条の制限は消えません。両方の手続きが必要になると理解してください。
Q. 兼業の許可を申請するとき、何を書けばよいですか?
兼業の内容、従事する時間帯と頻度、報酬の有無と見込み額、期間、勤務との関係、利害関係者でないことの確認が中心です。自ら営む形なら、取り扱う商品、仕入れ先と販売先、想定売上、作業する場所と時間まで具体的に書きます。規模を小さく見せて申請すると、実態と食い違ったときに不利になります。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
朝比奈 蒼@SOHO編集部
ITメディア編集者
IT系メディアで編集・ライティングを担当。クラウドソーシング業界の動向やサービス比較など、客観的な視点での記事を執筆しています。
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