韓国語の動画の字幕と翻訳


この記事のポイント
- ✓韓国語 字幕 翻訳 副業を検討している人向けに
- ✓尺と話速から作業時間を見積もる手順
- ✓納品形式と受注前の確認事項を実務ベースで整理しました
韓国語が読めて聞き取れる人が、動画の字幕という形で在宅の仕事にたどり着くまでに、いちばん多くつまずくのは語学力ではありません。「この動画、自分なら何時間で仕上がるのか」が読めないことです。結論から書くと、韓国語の字幕案件で継続的に依頼が来る人と来ない人を分けているのは、訳文の巧拙よりも、尺から作業時間を逆算できるかどうかです。見積もりが読めれば無理な納期を受けずに済み、無理な納期を受けなければ品質が落ちず、品質が落ちなければ次の依頼が来ます。この記事では、字幕制作がどんな工程に分かれているのか、尺と話速から作業時間をどう計算するのか、単価はどの単位で提示されるのか、納品形式は何を求められるのかを、韓国語という言語の特性に沿って整理します。
韓国語の映像翻訳が置かれている現状
配信の増加で「翻訳」の意味が変わった
韓国語の映像コンテンツは、地上波のドラマとバラエティだけだった時代から、配信プラットフォームのオリジナル作品、アイドルやアーティストの公式チャンネル、企業のブランドムービー、そして個人が運営するショート動画まで、供給元が一気に増えました。その結果、映像翻訳という言葉が指す範囲も広がっています。かつては映画やドラマの字幕、いわゆる劇場字幕と放送字幕がほぼすべてでしたが、いまは1本3分のインタビュー動画に日本語字幕を載せる仕事や、生配信のアーカイブに要約字幕を付ける仕事が、案件数としては圧倒的に多くなりました。
この変化は、参入のしかたにも影響しています。劇場字幕は限られた制作会社と限られた翻訳者のあいだで回っており、外から入るには養成講座や紹介の経路が必要です。一方、配信やSNS向けの動画字幕は、映像制作会社、広告代理店、EC事業者、個人のクリエイターなど、発注元が分散しています。分散しているということは、在宅ワーク求人サイトやクラウドソーシングの募集として表に出てくる案件が多いということでもあります。実際、韓国語の翻訳案件を扱うプラットフォームは、在宅前提での受発注を前面に出しています。
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「韓国語ができる」と「字幕が作れる」は別の技能
ここが最初の分岐点です。韓国語のセリフを聞いて意味が取れることと、それを字幕として成立させることのあいだには、はっきりした距離があります。字幕には、画面に表示できる文字数の上限、表示できる時間の下限、行の分け方、句読点の扱いといった制約が付きまといます。制約があるということは、意味を正しく訳しても、そのままでは納品できないということです。
たとえば韓国語の会話には、日本語に直訳すると長くなる言い回しが多くあります。敬語の階層が細かく、相手との関係を示す語尾が豊富で、それを日本語で再現しようとすると字数が膨らみます。字幕では、この膨らみを削って、なおかつ人物の関係性が伝わるように残す判断が必要です。逆に、韓国語では一語で済む親族呼称や職位呼称が、日本語では説明的にせざるを得ない場面もあります。この取捨選択は語学力の問題というより、映像の文法に合わせて情報を配分する技能です。
在宅で始める場合、最初にやるべきは韓国語の勉強の上積みではなく、字幕のルールを身につけることだと考えたほうが現実的です。語学力はすでに手元にあるものとして扱い、それを字幕という器に流し込む練習に時間を配ったほうが、案件に届くまでが早くなります。
字幕の仕事は3つの工程に分かれている
案件を受けるとき、自分がどの工程を担当するのかを最初に確認してください。ここが曖昧なまま単価だけで受けると、想定の2倍から3倍の時間がかかります。
スポッティング(ハコ切り)
映像のどこからどこまでを1枚の字幕として表示するかを決める作業です。業界ではハコ切り、あるいはタイムコードを打つ、といった言い方をします。発話の頭と終わりを波形と音で拾い、カット割りをまたがないように区切っていきます。
この工程は一見すると機械的ですが、実際には翻訳と不可分です。区切り方によって、その枠に入れられる文字数が決まり、文字数が決まれば訳し方が決まるからです。スポッティングを他の人がやってくれる案件と、自分でやる案件とでは、同じ尺でも作業量がまるで違います。募集要項に「タイムコード付きの原稿をお渡しします」と書いてあれば前者、「動画データのみお渡しします」と書いてあれば後者だと考えて見積もってください。
翻訳と字幕化
韓国語のセリフを、枠に収まる日本語にします。ここでの制約は案件ごとに指定されますが、日本語字幕の一般的な考え方として、視聴者が読み切れる速度を基準に文字数を決めます。放送や配信の現場では、1秒あたりに読める文字数を目安に上限を設ける運用が広く使われており、表示時間が2秒なら8文字前後、4秒なら16文字前後といった具合に、枠の長さから逆算します。1枚あたりの行数は2行までとする指定が多く、1行の文字数にも上限が付きます。
ただし、この数字は絶対のルールではありません。配信プラットフォーム向けの案件では発注元が独自のスタイルガイドを持っていることが多く、企業のPR動画では読みやすさより情報量を優先する指定が出ることもあります。ショート動画向けの縦型字幕では、そもそも横幅が狭いので1行の文字数がさらに絞られます。受注時にレギュレーションを必ず取り寄せてください。
チェックと書き出し
訳し終えたら、映像に載せた状態で通して確認します。誤字脱字だけでなく、話者が切り替わったときに字幕が前の話者のまま残っていないか、固有名詞の表記がぶれていないか、数字や単位が本文と一致しているかを見ます。韓国語案件で特に事故が多いのは、人名と地名のカタカナ表記です。同じ発音でも媒体によって表記の慣習が異なるため、発注元の指定がある場合はそれに従い、ない場合は作品内で統一したうえで表記リストを添えて納品すると信頼されます。
書き出しは、SRT形式やVTT形式のテキストファイルで渡す案件と、映像に焼き込んだ動画ファイルで渡す案件があります。前者は編集ソフトを持っていなくても対応できますが、後者は動画の書き出し環境が必要になります。募集の段階でどちらかを確認しておくと、受けてから慌てずに済みます。
尺と話速から作業時間を見積もる
ここが本題です。字幕の見積もりは、原稿用紙の枚数で測る文書翻訳とは考え方が違います。基準になるのは映像の尺と、そこに詰まっている発話の密度です。
手順1 尺あたりの字幕枚数を推定する
まず、動画の尺に対して字幕が何枚必要かを見積もります。発話が途切れなく続くドラマやインタビューでは、1分あたりおおよそ12枚から18枚。会話のテンポが速いバラエティや、複数人が同時に話す座談会では20枚を超えることもあります。逆に、映像主体で発話が少ない企業のブランドムービーや、ナレーションだけの商品紹介では6枚から10枚に収まります。
見積もりの前に、動画の冒頭3分だけを実際に区切ってみるのが確実です。3分で何枚になったかを数え、それを全体の尺に掛ければ、そこそこ精度の高い枚数が出ます。この試し切りに使う時間は15分ほどですが、受注可否の判断材料としては安い投資です。
手順2 話速を確認する
韓国語は、日本語に比べて単位時間あたりの音節数が多くなりやすい言語です。特にバラエティ番組の出演者や、若年層向けの配信では、発話速度がかなり速くなります。話速が速いということは、同じ2秒の枠に入っている情報量が多いということで、その情報を8文字前後の日本語に圧縮する作業が発生します。圧縮の判断は一枚ごとに考えることになるので、話速が速い素材は、尺が同じでも作業時間が伸びます。
実務的には、素材を3段階に分けておくと見積もりが安定します。落ち着いたナレーションやインタビューを標準、会話が重なるバラエティや口論のあるドラマを高速、映像主体で発話がまばらなものを低速とし、標準の作業時間に対して高速は1.5倍、低速は0.7倍といった係数を掛けます。
手順3 素材の状態で係数を足す
同じ尺、同じ話速でも、渡される素材によって作業量は倍近く変わります。判断材料は次の4つです。
第一に、韓国語の書き起こし原稿があるかどうか。原稿があれば聞き取りの負荷が消え、辞書引きも早くなります。第二に、タイムコードが付いているかどうか。付いていればスポッティングの工程がまるごと不要になります。第三に、話者が何人いるか。話者が4人を超えると、誰の発話かを判別する時間が積み上がります。第四に、音質です。屋外収録やライブ会場の素材は、聞き取りに何度も巻き戻すことになります。
原稿もタイムコードもない、話者が多い、音が悪い。この4つが重なった素材は、条件の良い素材の2倍以上の時間を見込んでください。
手順4 計算例で確かめる
具体的に置いてみます。尺10分のインタビュー動画、韓国語の書き起こし原稿なし、タイムコードなし、話者2人、音質は良好、話速は標準というケースです。
字幕枚数は1分あたり14枚として140枚。スポッティングは慣れた人で1分の尺あたり3分ほどかかるので30分。翻訳と字幕化は1枚あたり1分から2分が目安なので140分から280分。最後の通し確認と表記統一に40分。合計すると3.5時間から6時間という幅になります。
この幅の広さこそが、初回の見積もりを難しくしている正体です。だからこそ、最初の数本は自分の実測値を必ず記録してください。枚数、工程ごとの所要時間、素材の条件をメモに残していけば、5本もこなす頃には自分の係数が固まります。係数が固まった人は、案件を見た瞬間に受けるか断るかを判断できるようになり、この判断の速さがそのまま稼働の効率になります。
単価はどの単位で提示されるか
韓国語の字幕案件で見かける単価の単位は、おおむね次の3つです。
分単価は、映像の尺1分あたりいくら、という形です。映像翻訳ではもっとも一般的な単位で、見積もりの計算とも相性が良い方式です。ただし、工程の範囲が単価に含まれているかを必ず確認してください。スポッティング込みの分単価と、翻訳のみの分単価では、同じ金額でも実質的な時給がまるで違います。
枚数単価は、字幕1枚あたりいくら、という形です。発話密度に応じて報酬が増えるため、バラエティのような高密度素材では受け手に有利に働きます。逆に発話がまばらな素材では、拘束時間のわりに枚数が伸びません。
一式の固定額は、この動画1本でいくら、という形です。ショート動画やSNS向けの短尺案件でよく見られます。短い案件を数多くこなす前提なら扱いやすいのですが、修正が何回まで含まれるかを決めておかないと、修正のたびに実質の時給が下がっていきます。修正回数の上限は、受注時に文面で残してください。
どの単位で提示されても、最後は時給に換算して比較するのが現実的です。見積もった所要時間で報酬を割り、自分が納得できる水準に届いているかを見ます。映像や文章まわりの仕事の相場観をつかんでおきたいなら、職種別に賃金の統計をまとめた著述家,記者,編集者の年収・単価相場が比較の出発点になります。同じく制作系の水準を見るならソフトウェア作成者の年収・単価相場も参考になります。
道具と納品形式
字幕制作には専用ソフトがありますが、在宅で始める段階では高額な製品を買う必要はありません。無料または低価格の選択肢で、実務に耐える環境は作れます。
字幕ファイルを直接編集する形式としては、SRT形式がもっとも普及しています。テキストエディタでも開ける単純な構造で、番号、タイムコード、字幕本文が並んだだけのものです。Web向けにはVTT形式が使われます。どちらも仕様は公開されており、慣れれば手作業でも修正できます。
作業用のソフトとしては、波形を見ながらタイムコードを打てるものを選んでください。自動で音声を認識して下書きの字幕を作る機能を備えたソフトも増えており、韓国語の音声認識も実用域に入りつつあります。ただし、自動認識の結果をそのまま納品するのは避けるべきです。韓国語は固有名詞、外来語、方言、若者言葉で誤認識が起きやすく、しかも誤認識した箇所が文法的には自然に見えてしまうため、原文を聞かずに訳すと意味が反転することがあります。自動認識は下書き作成の時間短縮に使い、判断は必ず耳で行うのが安全です。
納品時には、字幕ファイル本体に加えて、固有名詞の表記リストと、判断に迷った箇所のメモを添えると評価されます。発注元にとっては、次回以降の指示が楽になるからです。この一手間が継続依頼につながる場面は多く、映像まわりの仕事の全体像を押さえたい人には映像翻訳・字幕・通訳のお仕事の解説が参考になります。文章寄りの仕事に幅を広げたい場合は翻訳・ライティングレッスンのお仕事も見ておくとよいでしょう。
案件の種類ごとの向き不向き
ドラマや映画は、作品全体のトーンを揃える力が問われます。1話だけを担当するのではなく、シリーズを通して担当する形が多く、長期の稼働が読めるのが利点です。反面、参入の間口は狭く、経験者の紹介や制作会社のトライアルを経由することがほとんどです。
バラエティやリアリティ番組は、テロップの再現が加わります。韓国のバラエティは画面に大量の文字が乗るため、セリフの字幕とは別に、画面上の文字を訳す作業が発生します。これを見落として尺だけで見積もると、作業時間が大きく超過します。募集要項に「テロップ訳含む」と書いてあるかどうかは必ず見てください。
企業のPR動画や商品紹介は、専門用語と表記ルールが厳しい一方、尺が短く発話も整理されているので、時間の読みが立てやすい分野です。ただし、化粧品や健康食品のように表現規制が関わる分野では、訳語の選び方に制約がかかります。効能や効果に触れる表現は、日本国内での広告表示に関する法令の対象になり得るため、直訳して問題ないかは発注元の確認を取るのが安全です。翻訳者の側で法令解釈を断定するのは避け、判断が要る箇所を明示して返すのが実務的な進め方になります。
ショート動画やSNS向けは、単価は低めですが本数が出ます。縦型の画面に合わせた文字数調整と、テンポの速さへの対応が求められます。継続案件として月ごとに本数が決まっている募集もあり、稼働を安定させたい人には向いています。
ライブ配信のアーカイブ字幕は、音質と発話の重なりが最大の難所です。見積もりの係数を高めに取り、初回は短い尺で受けて実測してから継続の可否を決めるのが安全です。
資格や試験をどう見せるか
韓国語の実力を客観的に示す手段としては、韓国政府系の試験であるTOPIK(韓国語能力試験)が広く知られています。字幕案件の募集でも、応募条件に級を書いている発注元は少なくありません。もっとも、字幕の現場で問われるのは語学の級そのものより、字幕として成立する日本語を書けるかどうかです。級は書類選考を通過するための鍵として扱い、選ばれる理由は別に用意しておくのが現実的です。
翻訳という職能の側から品質を担保する仕組みとしては、JTF翻訳品質認証のような業界団体の枠組みもあります。こうした認証や試験は、発注元が翻訳者を選ぶときの共通言語になります。ただし、持っているだけで案件が来ることはありません。実際に選考で効くのは、短い尺でよいので完成した字幕のサンプルを見せられるかどうかです。他言語での事情も似ており、英語翻訳の副業ガイド|TOEIC何点から仕事ができる?や中国語翻訳の副業ガイド|需要が高いジャンルと単価の目安を読むと、語学の証明と実務の証明が別物であることが分かります。
なお、映像制作会社や広告主に直接アプローチする場合、自分の存在を見つけてもらう導線も必要になります。案件の受け皿としての発信を整理するならSEO対策・MEO対策の副業で稼ぐ方法|必要なスキルと案件相場の考え方が応用できますし、働き方そのものを見直す段階ならキャリア・副業・人生相談のお仕事の領域も視野に入ります。
受注前に確認しておく項目
受注のたびに同じ項目を確認する習慣を作っておくと、事故が激減します。確認すべきは次のとおりです。
工程の範囲。スポッティングが含まれるか、テロップ訳が含まれるか、映像への焼き込みまで求められるか。納品形式。SRT形式かVTT形式か、動画ファイルか、発注元の指定するツール上での作業か。レギュレーション。1行の文字数上限、行数、句読点の扱い、固有名詞の表記ルール、話者表示の方法。素材の状態。書き起こし原稿の有無、タイムコードの有無、話者数、音質。納期と修正。初稿の期限、修正の回数上限、修正1回あたりの想定日数。
この6項目を、受注前に文面でやり取りしておくだけで、後から揉める余地はかなり減ります。特に修正回数は、口頭やチャットの流れで曖昧になりやすい部分です。無制限の修正を前提にした案件は、単価が高く見えても実質の時給が下がりますから、最初に線を引いてください。
稼働時間を守るための日々の運用
在宅で字幕を扱うとき、最後に効いてくるのは日々の運用です。副業として動かす場合、まとまった時間を確保できる日は限られます。そこで、工程ごとに作業を分割して、細切れの時間に割り当てる運用が有効です。
スポッティングは、集中は要るものの判断の負荷が軽い作業です。平日の夜など、頭が疲れている時間帯に向いています。逆に、訳文を詰める工程は判断の連続なので、休日の午前など頭が冴えている時間に置くほうが効率が上がります。通し確認は、訳した直後よりも一晩あけたほうが誤りに気づけます。この3つを同じ日にまとめてやろうとすると、確認の精度が落ちて修正依頼が増え、結果として総作業時間が伸びます。
もう一つの工夫が、用語集を案件ごとに育てておくことです。人名、地名、番組名、商品名、専門用語を、韓国語の原表記と日本語の表記で対にして記録します。同じ発注元から継続で受ける場合、この用語集がそのまま次回の初速になります。3本目あたりから、辞書引きと表記確認にかかる時間が目に見えて減っていきます。
納期の伝え方にも運用の余地があります。初稿の期限を伝えるとき、実際に見積もった時間よりも1日分の余裕を足して提示しておくと、素材の音質が想定より悪かった、話者が想定より多かったといった誤差を吸収できます。前倒しで納品すれば評価は上がりますが、遅れれば信頼が落ちます。見積もりの精度が上がるまでは、余裕を含めて提示するほうが結果的に得です。
作業環境そのものも見直す価値があります。字幕は音を細かく聞き取る仕事なので、再生環境の質が作業速度に直結します。ノイズの多い素材を扱う機会が多いなら、密閉型のヘッドホンを一つ用意しておくだけで、巻き戻しの回数が減ります。画面の広さも効きます。映像のプレビューと字幕の編集画面を同時に表示できるかどうかで、視線の往復にかかる時間が変わってきます。高価な機材を揃える必要はありませんが、聞く環境と見る環境の二つは、投資に対する効果が分かりやすい部分です。
運営者として見てきた観察
在宅の仕事の受発注を長く見てきた立場から書くと、韓国語の字幕で長く続いている人には共通点があります。訳が上手いことではなく、依頼者から見て段取りが読める人だという点です。
具体的には、見積もりの根拠を最初に示す人です。「この尺で、この素材条件なので、初稿は何日後、修正込みで何日後になります」と最初のやり取りで書ける人は、発注側から見ると計画が立てられる相手になります。逆に、単価だけを見て受けてしまい、着手してから納期を延ばす人は、訳が良くても次の依頼が来ません。映像には公開日という動かせない締切があるからです。
もう一つの観察は、報酬の受け取り方についてです。同じ仕事でも、仲介の手数料がどれだけ差し引かれるかで手元に残る金額は変わります。手数料0%で直接やり取りできる経路を一つ持っておくと、依頼者は同じ予算でより多くの分量を頼めるようになり、受け手は同じ稼働でも手取りが厚くなります。金額の大小というより、双方の条件が同時に良くなる構造なので、稼働時間が限られている在宅の働き方とは相性が良いと感じています。
最後に、字幕という仕事の性質について。この仕事は、語学力を切り売りするのではなく、映像という制約の中で情報を配分する技能を売る仕事です。だからこそ、韓国語の学習に上限を感じている人でも、字幕のルールと見積もりの技術を身につけることで、仕事としての伸びしろを作れます。すでに韓国語が読めて聞き取れるという条件を満たしているなら、あとは尺と時間の関係を自分の数字で持つこと。そこから先は、案件をこなすほど精度が上がっていきます。
よくある質問
Q. 韓国語の字幕案件は、どのくらいの尺から受けるのが現実的ですか?
最初は5分から10分の短尺をおすすめします。自分の作業速度を実測できていない段階で長尺を受けると、納期の見込みが外れます。短尺を数本こなして、1分あたりの所要時間と字幕枚数の実測値を記録してから、尺を伸ばしていくのが安全です。
Q. スポッティングが含まれるかどうかで、作業時間はどれくらい変わりますか?
素材によりますが、スポッティングは尺1分あたり3分前後かかるのが目安です。10分の動画なら30分ほどの差になります。タイムコード付きの原稿が渡される案件と、動画だけ渡される案件は、同じ単価でも実質の報酬が変わるため、募集要項で必ず確認してください。
Q. 自動字幕生成の機能を使って納品してもよいのでしょうか?
下書きの作成に使うのは有効ですが、そのまま納品するのは避けてください。韓国語は固有名詞、外来語、方言で誤認識が起きやすく、しかも誤認識箇所が文法的に自然に見えるため、原文を聞かずに訳すと意味が変わります。認識結果は時間短縮の材料とし、判断は必ず音声で確認する運用が安全です。
Q. TOPIKの級は、字幕案件の受注にどのくらい効きますか?
書類選考を通過するための材料としては有効です。応募条件に級を明記している発注元もあります。ただし選ばれる決め手は、字幕として成立する日本語を書けるかどうかです。短い尺でよいので完成したサンプルを用意し、級と併せて提示するのが実務的な進め方になります。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
朝比奈 蒼@SOHO編集部
ITメディア編集者
IT系メディアで編集・ライティングを担当。クラウドソーシング業界の動向やサービス比較など、客観的な視点での記事を執筆しています。
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