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副業するなら何がよいか|目的別の選び方

@SOHO編集部
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副業するなら何がよいか|目的別の選び方

この記事のポイント

  • ✓副業するなら何を選べばよいかを
  • ✓収入の補い・スキルの伸ばし方・独立の準備・在宅で時間を選ぶという目的別に整理します
  • ✓雇われる副業と業務委託の違い

副業するなら何がよいのか。この問いに一つの正解はありません。答えは「副業で何を手に入れたいか」で変わります。毎月の家計を少し楽にしたい人と、数年後に独立したい人とでは、選ぶべき仕事も、働き方の形も、確かめておくべき手続きも違います。この記事では、国の統計で副業をする人の現状を確かめたうえで、目的別に向く副業の種類、雇われる働き方と業務委託の違い、会社の規則と税金の基本、避けたい募集の見分け方、最初の3か月の進め方までを順に整理します。

副業をする人はどれくらいいるか

最初に、副業がどのくらい広がっているかを数字で確かめておきます。総務省統計局が5年ごとに行っている就業構造基本調査(仕事の有無や働き方を全国規模で調べる国の統計)の2022年の結果では、副業がある人の数が大きく伸びています。

非農林業従事者のうち副業がある者は305万人で、5年前に比べ60万人増加 副業者比率は4.8%で、5年前に比べ0.9ポイントの上昇 出典: stat.go.jp

同じ調査では、いまの仕事を続けながら別の仕事もしたいと考えている「追加就業希望者」が493万人で、5年前より93万人多くなっています。実際に副業をしている人より、副業をしたいと考えている人のほうが多いということです。「副業するなら何がよいか」と調べている人は、まさにこの層にあたります。

雇用の形で見ると、正社員の副業者比率は2.5%、非正規の職員・従業員は7.2%でした。正社員の比率はまだ低いものの、5年前より0.6ポイント上がっています。正社員の副業が伸びている背景には、厚生労働省が2018年に副業・兼業の促進に関するガイドラインを出し、モデル就業規則(会社が就業規則を作るときのひな型)から「許可なく他の会社の業務に従事しないこと」という定めを外したことがあります。

ただし、副業をする人が増えたことは「誰でもすぐに稼げる」という意味ではありません。統計が示しているのは、本業の収入だけに頼らない働き方を選ぶ人が増えたという事実です。どの副業を選ぶかで、得られるものと手間は大きく変わります。次の節から、その選び方を具体的に見ていきます。

副業するなら、まず目的を1つに決める

副業選びで迷う人の多くは、「収入も欲しい、スキルも身につけたい、在宅がよい、将来は独立もしたい」と条件を全部並べてしまいます。条件を全部満たす仕事はほとんどありません。最初に目的を1つに絞り、残りは「あればうれしい」程度に下げると、選ぶべき仕事が見えてきます。

収入を補いたい

家計の足しにしたい、毎月の貯金を増やしたいという目的なら、すぐに報酬が発生し、成果が安定している仕事が向きます。アルバイトやパートのように時間で報酬が決まる働き方、データ入力や文字起こしのように作業量で報酬が決まる在宅の仕事が代表です。始めたその月から報酬が入る一方で、時間あたりの単価は大きくは伸びにくいという性格があります。

スキルを伸ばしたい

本業の評価を上げたい、転職の材料を作りたいという目的なら、報酬の額よりも「どんな経験が残るか」を重視します。Webライティング、デザイン、プログラミング、データ分析、マーケティングの運用など、成果物が残り、実績として人に見せられる仕事が向いています。最初の数か月は単価が低くても、経験を積むほど受けられる仕事の幅が広がります。

将来の独立に備えたい

数年後にフリーランスとして独立したい人は、会社員のうちに「自分の名前で仕事を受けて、請求して、入金を確かめる」流れを一通り経験しておくことに意味があります。業務委託で仕事を受け、取引先との連絡、見積もり、納品、請求、確定申告までを自分で回してみると、独立後に何が足りないかが具体的に分かります。

在宅で時間を選びたい

子育てや介護と両立したい、通勤の時間を使いたくないという目的なら、働く時間と場所を自分で決められるかどうかが最優先です。在宅でできる業務委託の仕事は、締め切りまでに納めればよく、作業する時間帯を選べるものが多くあります。反対に、決まった時間に会議に出る必要がある仕事は、在宅でも時間の自由はききません。

目的が決まると、次に確かめるべきことも決まります。収入が目的なら単価と支払いの時期、スキルが目的なら実績として公開できるか、独立が目的なら直接の取引先を作れるか、在宅が目的なら打ち合わせの頻度です。応募する前に、この1点だけは必ず確かめるようにしてください。

目的別に向く副業の種類

目的ごとに、向いている副業の種類を表に整理します。報酬の額は案件や地域、経験で大きく変わるため、ここでは始めやすさと注意点に絞っています。

目的 向く副業の例 始めやすさ 注意したい点
収入を補う アルバイト、データ入力、文字起こし、軽作業 高い 時間あたりの単価が伸びにくい
スキルを伸ばす Webライティング、デザイン、プログラミング、データ分析 中くらい 最初は単価が低く、学ぶ時間が要る
独立に備える 業務委託の制作・開発・コンサルティング 中くらい 契約、請求、申告を自分で行う
在宅で時間を選ぶ 在宅の業務委託、オンライン講師、翻訳 中くらい 打ち合わせの時間帯を確かめる
好きなことを形にする ハンドメイド販売、写真やイラストの販売 高い 売れるまでに時間がかかる

表のうち、スキルを伸ばす副業と独立に備える副業は重なる部分が大きく、本業で使っている技術をそのまま生かせる場合は特に始めやすくなります。たとえば、社内で生成AIの使い方を広めた経験がある人なら、他社の業務にAIを取り入れる手伝いをする仕事が選べます。どんな仕事があり、どんな人が受けているかは、AIコンサル・業務活用支援のお仕事で、仕事の中身と求められる経験がまとめられています。

ハンドメイドや作品の販売は、在庫や材料費がかかり、売れるまでの期間が読みにくいという点で、ほかの副業と性格が違います。収入を補う目的で始めると、思ったより手元に残らないと感じやすいので、「好きなことを形にする」目的と割り切って始めるほうが続きます。

目的は一度決めたら変えてはいけないものではありません。最初は収入を補う目的で始め、仕事に慣れてきたらスキルを伸ばす仕事に移る、という順番で進める人も多くいます。大切なのは、いまの時点で何を一番に求めているかをはっきりさせ、その目的に合わない仕事を選ばないことです。半年に1回ほど目的を見直し、受けている仕事がその目的に合っているかを確かめると、時間の使い方がぶれにくくなります。

雇われる副業と、業務委託で受ける副業の違い

同じ「副業」でも、働き方の形は大きく2つに分かれます。会社に雇われて働く形と、会社や個人から仕事を受けて成果物を納める業務委託の形です。この違いは、収入の安定、税金の扱い、本業の会社との関係に直接響きます。

雇われる副業は、アルバイトやパートのように雇用契約を結んで働く形です。報酬は「給与」になり、働いた時間に応じて支払われます。労働基準法が適用されるため、最低賃金や残業代のルールが守られます。一方で、本業と副業の労働時間は通算されます。厚生労働省の副業・兼業の促進に関するガイドラインでは、本業と副業の両方で雇われている場合、法定労働時間の判定に両方の時間を合わせて数えると書かれています。本業でフルタイム勤務をしている人が副業でもアルバイトをすると、副業先で割増賃金が発生したり、長時間労働を理由に断られたりすることがあります。

業務委託の副業は、仕事の完成や作業の遂行を約束して報酬を受け取る形です。報酬は事業所得または雑所得になります。働く時間を自分で決められる一方で、労働基準法は原則として適用されません。同じガイドラインには、労働時間が通算されない場合として「フリーランス、独立、起業、共同経営、アドバイザー、コンサルタント、顧問、理事、監事等」が挙げられています。本業の労働時間に縛られずに働けるのは、業務委託の大きな特徴です。

業務委託で働く人を守る法律として、2024年11月にフリーランス・事業者間取引適正化等法(いわゆるフリーランス法)が施行されました。発注する事業者に、取引の条件を書面やメールで示すこと、原則として成果物などを受け取った日から60日以内に報酬を支払うことなどを求める法律です。内容は厚生労働省のフリーランス向けの案内にまとまっていて、トラブルの相談窓口も載っています。

どちらが良い悪いではありません。収入を早く安定させたい人は雇われる副業、時間の自由とスキルの蓄積を重視する人は業務委託、と目的で選び分けると判断しやすくなります。

在宅でできる副業の具体例と必要なスキル

在宅でできる副業は、必要なスキルの段階で分けると選びやすくなります。最初から専門性の高い仕事を狙う必要はなく、いまの自分にできることから始めて、段階を上げていく考え方が現実的です。

特別なスキルがなくても始めやすい仕事

データ入力、文字起こし、商品説明文の作成、アンケートの集計などは、パソコンの基本操作ができれば始めやすい仕事です。単価は高くありませんが、締め切りを守る、指示を正確に読み取るといった基本を身につける練習になります。

文章のスキルを生かす仕事

Webライティングは在宅の副業の中でも人数が多い分野です。最初は文字単価が低くても、専門分野を持ち、取材や構成まで任されるようになると単価が上がります。単価を上げていく具体的な道筋は、Webライターが文字単価を上げる方法【2026年版】|1円→5円のステップで、段階ごとに整理されています。ビジネス文書の基本を固めたい人は、ビジネス文書検定で、試験の内容と学び方を確かめられます。

デザインやITのスキルを生かす仕事

デザイン、アプリやWebサイトの制作、ネットワークの設定などは、学ぶ時間がかかる分、受けられる仕事の単価が高めです。デザインの仕事の相場はデザイナーの年収・単価相場にまとまっていて、会社員と業務委託の違いも比べられます。開発の仕事を考えている人は、アプリケーション開発のお仕事で、仕事の種類と求められる技術が分かります。インフラの分野では、CCNA(シスコ技術者認定)のような資格が、技術を持っていることを示す材料になります。

本業の経験そのものを生かす仕事

経理、人事、営業、マーケティングなど、会社で積んだ経験を生かして、ほかの会社の仕事を手伝う形もあります。たとえば広告の運用やSNSの分析を本業で担当している人なら、小さな会社のマーケティングを外部から支える仕事が選べます。こうした仕事は、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事で、仕事の中身が分野ごとに紹介されています。

どの段階の仕事でも、最初の数件は「実績を作る期間」と考えるのが無理のない進め方です。実績がない状態で高い単価を狙うより、小さな仕事を丁寧に納めて評価を積み上げるほうが、結果として早く単価が上がります。

副業を選ぶときの5つのポイント

目的が決まり、候補の仕事が見えてきたら、最終的に選ぶ前に次の5つを確かめます。

  1. 本業に支障が出ない時間で終えられるか。平日の夜と週末に使える時間を書き出し、その範囲で納期を守れるかを確かめます。
  2. 報酬の決まり方と支払いの時期がはっきりしているか。時間給か、成果物ごとか、支払いは月末締めの翌月払いか、といった条件を事前に確かめます。
  3. 契約の内容が書面やメールで示されるか。業務委託なら、作業の範囲、納期、報酬、修正の回数、著作権の扱いが書かれているかを見ます。
  4. 初期費用がかからないか。パソコンや通信環境のほかに、登録料や教材費を求められる募集は慎重に判断します。
  5. 続けた先に何が残るか。半年続けたとき、実績、スキル、取引先のどれが残るかを想像してみます。

特に1つ目は見落とされやすい点です。副業を始めたばかりの時期は張り切って仕事を受けすぎ、本業の残業が重なった週に納期を落とすことがよくあります。最初の1か月は、使える時間の7割程度に収まる量だけを受け、残りは予備の時間として空けておくと安定します。

5つ目は、副業を長く続けるかどうかを分ける点です。同じ時間を使うなら、半年後に「次の仕事につながる何か」が残る仕事を選んだほうが、時間の使い方としての価値が高くなります。

始める前に会社のルールを確かめる

副業するなら、最初に確かめるべきなのは本業の会社の就業規則です。副業を認めている会社でも、事前の届け出が必要だったり、同業他社での仕事を禁じていたりすることがあります。

厚生労働省の副業・兼業の促進に関するガイドラインは、会社の対応について次のように書いています。

裁判例を踏まえれば、原則、副業・兼業を認める方向とすることが適当である。 副業・兼業を禁止、一律許可制にしている企業は、副業・兼業が自社での業務に支障をもたらすものかどうかを今一度精査したうえで、そのような事情がなければ、労働時間以外の時間については、労働者の希望に応じて、原則、副業・兼業を認める方向で検討することが求められる。 出典: mhlw.go.jp

同じガイドラインでは、会社が副業を禁止したり制限したりできる場合として、労務の提供に支障がある場合、業務上の秘密が漏れる場合、競業によって自社の利益が害される場合、自社の名誉や信用を損なう行為や信頼関係を壊す行為がある場合の4つを挙げています。厚生労働省のモデル就業規則(令和7年12月版)でも、副業・兼業は第70条に定められ、同じ4つの場合に制限できる形になっています。

つまり、多くの会社では「届け出をすれば副業できる」のが基本の形ですが、どの手続きが要るかは会社ごとに違います。就業規則に副業の定めがあるか、届け出の書式があるか、同業での仕事が禁じられていないかを確かめ、分からなければ人事の担当者に聞くのが確実です。公務員は法律で兼業が制限されているため、会社員と同じようには考えられません。

会社に知られないように副業を始めようとする人もいますが、届け出が必要な会社で無断で副業をすると、就業規則違反として扱われるおそれがあります。後から説明に困るより、最初に届け出ておくほうが、本業でも副業でも安心して働けます。

税金と申告の基本

副業で収入を得ると、税金の手続きが必要になることがあります。ここでは会社員が副業をする場合の基本を整理します。個別の判断は金額や事情で変わるため、迷ったら税務署や市区町村の窓口で確かめてください。

所得税の確定申告

国税庁のタックスアンサーによると、給与を1か所から受けている会社員で、給与以外の所得の合計が20万円を超える人は、所得税の確定申告が必要です。ここでいう所得は、収入から必要経費を引いた金額です。2か所以上から給与を受けている人は、年末調整されなかった給与と、給与以外の所得を合わせて判定します。詳しい条件は国税庁の「給与所得者で確定申告が必要な人」に載っています。

住民税の申告

20万円の基準は所得税だけの話です。所得税の確定申告が不要な場合でも、住民税は別に申告が必要です。住民税の申告は、その年の1月1日に住んでいる市区町村に、3月15日までに行います。確定申告をした人は、その情報が市区町村に送られるため、住民税の申告を別に行う必要はありません。

住民税の納め方

会社員の住民税は、通常は会社が毎月の給与から差し引いて納めます(特別徴収)。副業の所得がある場合、その分の住民税も本業の給与から差し引かれることがあります。地方税法第321条の3では、給与以外の所得にかかる住民税について、申告書に「普通徴収(自分で納める方法)を希望する」と書けば、給与からの差し引きに加えない扱いを定めています。ただし、この選択ができるのは給与以外の所得だけです。副業がアルバイトのように給与の場合は、本業の給与と合わせて特別徴収になるのが原則です。住民税の納め方は、東京都主税局の個人住民税の案内などで、仕組みを確かめられます。

開業届と青色申告

業務委託の副業を事業として続けるなら、税務署に個人事業の開業届を出す選択もあります。国税庁の案内では、提出期限は事業を始めた年分の確定申告期限までとされています。開業届とあわせて青色申告承認申請書を出し、帳簿をつけて期限内に申告すると、最高55万円(電子帳簿保存またはe-Taxによる申告なら最高65万円)の青色申告特別控除が受けられます。ただし、副業の規模や継続性によっては事業所得ではなく雑所得として扱われることもあるため、判断に迷うときは税務署に相談してください。

避けるべき副業と見分け方

副業を探す人が増えると、それを狙った募集も増えます。報酬の高さを前面に出し、仕事を始める前にお金を払わせる募集には注意が必要です。

特定商取引法(訪問販売や通信販売など、トラブルが起きやすい取引のルールを定めた法律)は、「仕事を紹介する」と言って、その仕事に必要だとして商品や教材を買わせる取引を「業務提供誘引販売取引」として規制しています。法律の定義では、取引料、登録料、保証金など、名目を問わず取引の際に払わせるお金も対象に含まれます。こうした契約は、法律で決められた書面を受け取った日から20日以内なら、書面や電子メールで解除できます(クーリング・オフ)。条文はe-Govの特定商取引法で読めます。

募集を見るときは、次の点を確かめます。

  • 仕事を始める前に、教材費、登録料、サポート費などの支払いを求められないか
  • 「誰でも簡単に」「スマホだけで」「すぐに高収入」など、仕事の中身より報酬の高さを強調していないか
  • 発注する会社の名前、所在地、連絡先がはっきりしているか
  • 仕事の中身、納期、報酬の決まり方が具体的に書かれているか
  • 連絡がSNSのメッセージだけで、契約の書面が出てこないということはないか

ひとつでも当てはまる募集は、応募する前に立ち止まります。困ったときは、消費者ホットライン(188)で最寄りの消費生活センターにつながります。特定商取引法の全体像は消費者庁の特定商取引法の案内で確かめられます。

在宅の副業そのものが危ないわけではありません。仕事の中身と報酬の決まり方がはっきりしていて、先にお金を払う必要がない募集を選べば、多くのトラブルは避けられます。

副業に使う時間と道具を整える

副業するなら、仕事を探す前に「使える時間」と「作業の環境」を整えておくと、受けた仕事を落ち着いて進められます。

使える時間を週単位で見積もる

会社員の副業は、平日の夜と週末が中心になります。平日に1日1時間、土日に3時間ずつ使えるとすると、1週間で使える時間は11時間ほどです。ここから家事や休息に充てたい時間を引くと、実際に仕事に回せるのは8時間前後になる人が多いはずです。この時間で納められる量を基準に、受ける仕事の数を決めます。本業の繁忙期が分かっている人は、その時期の仕事を最初から少なめにしておくと、納期を落とす心配が減ります。

作業の環境を本業と分ける

在宅の副業では、パソコン、通信回線、作業する場所が必要です。本業の会社から貸与されたパソコンを副業に使うことは、多くの会社で禁じられています。情報の持ち出しを疑われる原因にもなるため、副業には自分のパソコンとアカウントを使います。メールアドレスやチャットのアカウントも副業用に分けておくと、本業の連絡と混ざらず、取引先とのやり取りも整理しやすくなります。

お金の流れを分けておく

報酬を受け取る銀行口座を副業用に1つ作り、経費の支払いもそこから行うと、収入と経費の記録が自然に残ります。確定申告が必要になったとき、通帳の記録と請求書、領収書を突き合わせるだけで収支が分かるため、準備の手間が大きく減ります。表計算ソフトに月ごとの収入と経費を入力する簡単な記録でも、何もつけていない状態とは比べものにならないほど楽になります。

家族と本業への影響を先に考える

副業は自分だけの問題に見えて、実際には家族の時間や本業の働き方にも影響します。始める前に、次の点を考えておくと後で困りません。

家族の扶養に入っている人の注意

配偶者や親の扶養に入っている人が副業をすると、収入の額によっては税金の扶養控除や、健康保険の被扶養者の条件から外れることがあります。税金の扶養と健康保険の扶養は基準が別で、収入の数え方も違います。収入の見込みが立った段階で、家族の勤務先や税務署、加入している健康保険の窓口に確かめておくと安心です。

本業の評価に響かせない

副業を始めた直後は、睡眠時間を削って作業しがちです。本業で集中力が落ち、ミスが増えると、副業の届け出をしていても周りの見る目は厳しくなります。副業の作業は寝る2時間前までに終える、平日は1日1時間までにする、といった自分なりの上限を決めておくと、本業との両立が長続きします。

本業と利益がぶつからない仕事を選ぶ

本業の取引先から個人的に仕事を受ける、本業と同じ商品やサービスを個人で売る、といった副業は、競業として会社の規則に触れるおそれがあります。本業の知識や経験を生かすことと、本業の顧客や情報を使うことは別です。仕事を受ける前に、本業の会社と利益がぶつからないかを一度考えてから判断してください。

最初の3か月の進め方

副業するなら、最初の3か月は「続けられる形を作る期間」と考えると、無理なく軌道に乗せられます。月ごとの目安を示します。

1か月目は準備と小さな仕事

就業規則を確かめ、必要なら届け出を出します。そのうえで、使える時間を週単位で書き出し、その範囲に収まる小さな仕事を1件か2件受けます。この段階では報酬の額より、納期を守って納めること、取引先と気持ちよくやり取りすることを優先します。プロフィールには、本業で培った経験と、できる作業を具体的に書いておきます。

2か月目は記録をつけて見直す

受けた仕事ごとに、かかった時間と報酬を記録します。時間あたりの報酬を出してみると、思ったより時間がかかっている仕事や、意外に効率のよい仕事が見えてきます。収入と経費の記録は、そのまま確定申告の準備にもなります。領収書や請求書は、月ごとにまとめて保存しておくと後で困りません。

3か月目は続ける仕事を絞る

記録をもとに、続ける仕事と手放す仕事を決めます。時間あたりの報酬が低くても、スキルが伸びる仕事や、継続の依頼につながりそうな取引先は残す価値があります。反対に、手間の割に何も残らない仕事は、思い切って手放します。この時点で、半年後に受けたい仕事の姿を1つ決めておくと、次に学ぶことがはっきりします。

3か月たっても思うように進まない場合は、目的に立ち返って見直します。収入が目的なのにスキル重視の仕事を選んでいた、在宅が目的なのに打ち合わせの多い仕事を受けていた、というずれが見つかることがよくあります。目的と仕事を合わせ直すだけで、続けやすさは大きく変わります。

業務委託の報酬を決めるときの考え方

業務委託で副業を受けると、報酬の額を自分で提示する場面が出てきます。安く出しすぎると時間あたりの報酬が下がり、高く出しすぎると決まりません。目安の立て方を3つの段階で整理します。

かかる時間から逆算する

まず、その仕事にかかる時間を見積もります。打ち合わせ、作業、確認と修正、納品後のやり取りまで含めて数えるのがこつです。作業だけの時間で見積もると、修正のやり取りに思った以上の時間を取られ、結果として時間あたりの報酬が大きく下がります。見積もった時間に、自分が受け取りたい時間あたりの金額を掛けたものが、最初の目安になります。

相場と比べて調整する

次に、同じ種類の仕事の相場と比べます。相場より大きく高い場合は、実績や専門性で説明できるかを考えます。説明できなければ、最初の数件は相場の範囲で受け、実績を積んでから上げていくほうが現実的です。反対に相場よりかなり低い場合は、自分の時間を安く見積もりすぎていないかを見直します。

条件を文章で残す

金額が決まったら、作業の範囲、修正の回数、納期、支払いの時期を、メールや契約書で残します。「修正は2回まで、それ以上は追加の料金」のように、範囲を超えたときの扱いも書いておくと、後から作業が膨らんでも話し合いがしやすくなります。フリーランス法でも、発注する事業者が取引の条件を示すことが求められています。条件が示されないまま作業を始めないことが、副業を気持ちよく続けるための基本です。

運営の現場から見える、長く続く副業の共通点

在宅ワークとフリーランスの仲介を2004年から続けてきた運営者として、長く続いている人の副業には共通する傾向があります。

一つは、単発の作業をこなすより、「この人に頼むと進め方が楽になる」という関係を取引先と作っていることです。連絡が早い、納期の前に途中経過を見せる、指示があいまいなときに確かめてから作業に入る。こうした基本の積み重ねが、継続の依頼につながっています。報酬の額が高い人ほど特別な技術を持っているとは限らず、取引の進め方が丁寧な人に仕事が集まっていく様子を長く見てきました。

もう一つは、仲介の手数料が乗らない直接の取引を選んでいることです。依頼する側は同じ予算でより多くの仕事を頼め、受ける側は報酬がそのまま手元に残ります。手数料0%で直接取引できる形は、どちらか一方だけが得をする仕組みではなく、双方の手取りが厚くなる仕組みです。副業の時間が限られている会社員にとって、同じ時間で手元に残る額が変わることは、続けるかどうかの判断に直結します。

職種ごとの報酬の水準を知っておくことも、仕事を選ぶうえで役に立ちます。たとえば研究職の経験を生かして、調査やデータ分析を副業で受ける人もいます。研究職の報酬の水準は研究者の年収・単価相場で、会社員と業務委託の両方の数字を確かめられます。自分の経験が市場でどのくらいの値段で評価されているかを知ってから単価を決めると、安く受けすぎることも、高すぎて決まらないことも避けられます。

副業するなら、目的を1つに決め、会社の規則と税金の手続きを確かめ、続けた先に何が残るかで仕事を選ぶ。この順番で考えれば、自分に合った副業は必ず見つかります。

よくある質問

Q. 副業するなら、会社員でも確定申告は必要ですか?

給与を1か所から受けている会社員の場合、給与以外の所得(収入から必要経費を引いた金額)の合計が年間20万円を超えると、所得税の確定申告が必要です。20万円以下でも住民税の申告は別に必要で、1月1日に住んでいる市区町村に3月15日までに申告します。条件は国税庁のタックスアンサーで確かめられます。

Q. 副業をすると会社に知られますか?

住民税は通常、会社が給与から差し引いて納めるため、副業の所得があると住民税の額から会社が気づくことがあります。給与以外の所得なら、申告のときに普通徴収を選ぶ方法もありますが、副業が給与の場合は選べません。届け出が必要な会社では、最初に届け出て始めるほうが安心です。

Q. 在宅の副業で、初めに費用を払うよう求められました。大丈夫ですか?

仕事を紹介する条件として教材費や登録料を払わせる取引は、特定商取引法の業務提供誘引販売取引にあたる可能性があります。契約の書面を受け取った日から20日以内ならクーリング・オフができます。支払う前に立ち止まり、迷ったら消費者ホットライン188で消費生活センターに相談してください。

Q. 副業は雇われる形と業務委託のどちらがよいですか?

収入を早く安定させたいなら、時間で報酬が決まる雇われる形が向きます。ただし本業と労働時間が通算されます。働く時間を自分で決め、スキルや実績を積みたいなら業務委託が向きます。業務委託は労働時間が通算されない一方で、契約や請求、確定申告を自分で行う必要があります。

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年10月24日最終更新:2026年10月31日
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