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フリーランスの案件の探し方|経路ごとの特徴

@SOHO編集部
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フリーランスの案件の探し方|経路ごとの特徴

この記事のポイント

  • ✓フリーランスの案件探しの経路を
  • ✓地域のつながりに分けて特徴と向いている人を整理し
  • ✓プロフィールと提案文の書き方

フリーランスとして独立したばかりの人や、これから独立を考えている人にとって、最初の大きな壁は案件探しです。どこで探せば自分に合う仕事が見つかるのか、エージェントと仲介サイトは何が違うのか、知り合いからの紹介だけで続けられるのか、と迷う人は多いでしょう。結論から言うと、フリーランスの案件探しには複数の経路があり、それぞれ見つかる案件の種類、報酬の受け取り方、手間のかかり方が違うため、1つの経路に頼らず、自分の職種と経験に合った経路を2〜3つ組み合わせるのが安定への近道です。

この記事では、案件を探す主な経路ごとの特徴と向いている人、経路の選び方、プロフィールと提案文の書き方、契約の前に確かめること、トラブルのときの相談先までを順に説明します。

フリーランスの案件探しの全体像

フリーランスの案件探しの経路は、大きく次の8つに分けられます。

  1. フリーランスエージェント
  2. 案件検索サイト
  3. 仕事の仲介サイト(クラウドソーシング)
  4. 企業への直接の営業
  5. 知人や取引先からの紹介
  6. SNSや自分のWebサイトからの問い合わせ
  7. 元の勤め先からの依頼
  8. 地域や業界の団体、勉強会でのつながり

このうち、1〜3は「サービスを使って探す」経路、4〜8は「自分のつながりから探す」経路と言えます。サービスを使う経路は案件の数が多く、独立したばかりでも始めやすい一方、手数料やマージンがかかることがあります。つながりから探す経路は、手数料がかからず条件を直接話し合える一方、案件が見つかるまでに時間がかかります。

職種によって中心になる経路が違う

ITエンジニアは、エージェントや案件検索サイトに高単価の長期案件が多く掲載されています。ある案件検索サイトは、自社の掲載数を次のように紹介しています。

62万件のフリーランス案件から、希望条件に合う案件・求人を検索して応募できます。スタートアップから上場企業まで、幅広い企業の案件が見つかります。 出典: freelance-board.com

一方で、ライター、翻訳者、デザイナー、イラストレーターなどは、仲介サイトや直接の取引、紹介が中心になりやすい職種です。自分の職種の案件がどの経路に多いかを知ることが、案件探しの最初の一歩です。

フリーランスエージェント

フリーランスエージェントとは、企業とフリーランスの間に入り、案件の紹介から条件の交渉、契約の手続きまでを代わりに行うサービスです。ITエンジニアやWebのディレクターなど、企業の中に入って数か月単位で働く案件が多いのが特徴です。

特徴

  • 担当者がスキルや希望を聞いたうえで案件を紹介してくれる
  • 単価の交渉や契約の手続きを任せられる
  • 週3〜5日の稼働で数か月続く案件が多く、収入の見通しが立てやすい
  • 企業がエージェントに払う金額の一部がエージェントの取り分(マージン)になる

向いている人

実務の経験が数年以上あり、企業の中で継続的に働く形を望む人に向いています。営業や交渉が苦手な人にとっては、案件探しの手間を大きく減らせます。

注意点

マージンの率は、エージェントごとに違い、公開していないところもあります。紹介された案件の単価が自分の市場価値に見合っているかを判断するには、複数のエージェントに登録して比べるのが現実的です。また、エージェント経由の案件は、企業の勤務時間に合わせて働くものが多く、働き方の自由度は自分で探した案件より低くなることがあります。

案件検索サイト

案件検索サイトは、複数のエージェントや企業が持つ案件をまとめて検索できるサービスです。ある案件検索サイトは、全国のエージェントの案件を一か所で探せることを特徴にしており、条件を保存して新着の案件のお知らせを受け取れる仕組みもあります。

特徴

  • 多くの案件を一度に比べられる
  • 単価、稼働日数、リモートの可否などの条件で絞り込める
  • 応募すると、その案件を持つエージェントや企業につながる

向いている人

自分の希望の条件がはっきりしていて、相場を知りたい人に向いています。同じ職種の案件の単価をいくつも見比べることで、自分の経験でどのくらいの報酬が見込めるかの目安がつかめます。

注意点

掲載されている案件の多くは、実際にはエージェントを通した案件です。応募すると、そのエージェントへの登録を求められることがあります。同じ案件が複数のエージェントから掲載されていることもあるので、応募の前にどのエージェントの案件かを確かめておくと、重複した応募を避けられます。

仕事の仲介サイト(クラウドソーシング)

仕事の仲介サイトは、企業や個人が仕事を掲載し、受けたい人が応募したり提案したりする仕組みのサービスです。クラウドソーシングと呼ばれることもあります。

特徴

  • 記事の執筆、デザイン、翻訳、データ入力、プログラミングなど、職種の幅が広い
  • 1件数千円の小さな仕事から、数十万円の大きな仕事まである
  • 評価やレビューが積み重なり、次の仕事を受けやすくなる
  • 報酬から一定の率の手数料が差し引かれるサイトが多い

向いている人

実績が少なく、まず仕事の経験を積みたい人に向いています。在宅で完結する仕事が多く、本業の合間の副業として始める人も多い経路です。

注意点

応募する人が多い仕事は競争が激しく、報酬が低めに設定されがちです。手数料の率はサイトや報酬の額によって違うので、登録の前に必ず確かめます。仕事の仲介サイトの中には、手数料をとらずに依頼する側と受ける側が直接やり取りできる形のものもあり、同じ報酬でも手取りが変わります。

企業への直接の営業

自分から企業に連絡をとり、仕事を提案する方法です。Webサイトの問い合わせフォームやメールで連絡する、展示会や交流会で名刺を交換する、といった形があります。

特徴

  • 手数料やマージンがかからず、報酬の全額を受け取れる
  • 自分の得意な分野の企業を選んで提案できる
  • 返事が来る割合は高くなく、手間と時間がかかる

向いている人

自分の得意な分野がはっきりしていて、相手の課題に合わせた提案ができる人に向いています。ある程度の実績と、見せられる作品や事例があると、相手に検討してもらいやすくなります。

進め方のコツ

いきなり「仕事をください」と連絡するのではなく、相手の会社のWebサイトや発信を読み、「御社のこの部分を、こう改善できます」と具体的に提案するほうが、返事をもらえる可能性が高まります。連絡する相手の数と返事の数を記録しておくと、提案の内容を見直す材料になります。

知人や取引先からの紹介

すでに仕事をした相手や、知り合いから新しい案件を紹介してもらう方法です。独立して数年たったフリーランスの多くが、紹介を主な案件の経路にしています。

特徴

  • 信頼関係のある相手からの紹介なので、話が進みやすい
  • 手数料がかからない
  • 条件が口約束になりがちで、行き違いが起こりやすい

紹介を生むための日ごろの行動

紹介は、待っているだけでは生まれません。仕事を丁寧に仕上げることはもちろん、仕事が終わったあとに「同じような仕事でお困りの方がいれば、ご紹介いただけるとうれしいです」と一言伝えておくだけでも、相手の頭に残ります。何ができる人なのかを相手が説明しやすいように、自分の得意分野を短い言葉で伝えておくことも大切です。

紹介の仕事でも条件は文書に残す

知人からの紹介の仕事ほど、報酬や納期、修正の範囲を口頭で決めてしまいがちです。関係を壊さないためにも、条件はメールなどの文書で確かめ合ってから作業を始めます。

SNSや自分のWebサイトからの問い合わせ

SNSで仕事の内容や考え方を発信したり、自分のWebサイトに実績を載せたりして、見た人から問い合わせを受ける方法です。

特徴

  • 自分の考え方や作風に共感した相手から依頼が来るため、条件が合いやすい
  • 発信を続ける時間と根気が必要で、成果が出るまでに時間がかかる
  • 問い合わせの中には、条件の合わない依頼や不審な依頼も混ざる

向いている人

デザイナー、イラストレーター、ライター、写真家など、作品を見せられる職種の人に向いています。仕事の進め方や、どんな工夫をしたかを発信すると、作品だけを載せるより依頼につながりやすくなります。

注意点

SNSで受けた依頼は、相手が会社なのか個人なのか、連絡先や所在地が確かなのかを確かめてから進めます。報酬の前払いを求められたり、個人情報を先に送るよう言われたりした場合は、すぐに応じないことが大切です。

元の勤め先と地域のつながり

元の勤め先からの依頼

会社を辞めて独立した人の中には、元の勤め先から業務委託で仕事を受ける人も多くいます。仕事の内容や相手の事情をよく知っているため、始めやすい経路です。ただし、元の勤め先だけに頼ると、その会社の方針が変わったときに収入が大きく落ちます。独立後の最初の収入源として活用しながら、ほかの経路も育てていくのが安全です。

地域や業界の団体、勉強会

商工会議所や業界団体の集まり、勉強会や交流会でのつながりから仕事が生まれることもあります。地域の中小企業は、ITやデザイン、翻訳などの専門の人材を探していても、どこに頼めばよいか分からないことがあります。顔を合わせて話した相手からの依頼は、長く続く関係になりやすいのが特徴です。

同業のフリーランスとのつながり

同じ職種や近い職種のフリーランス同士で、手が回らない仕事を紹介し合うこともあります。自分の得意分野と違う仕事の相談が来たときに紹介できる相手がいると、相手からも仕事を紹介してもらえる関係が生まれます。

経路の選び方と組み合わせ方

ここまで紹介した経路を、どう選び、どう組み合わせればよいかを整理します。

独立したばかりの時期

実績がまだ少ない時期は、エージェントや仲介サイトなど、サービスを使う経路を中心にすると、仕事が途切れにくくなります。同時に、元の勤め先や知人に独立したことを知らせておくと、紹介の芽が育ちます。

実績が増えてきた時期

取引先が増え、実績を見せられるようになったら、直接の営業や紹介、SNSでの発信の比重を少しずつ高めていきます。手数料やマージンがかからない取引が増えると、同じ仕事量でも手取りが厚くなります。

1つの取引先に頼りすぎない

どの時期でも、収入の大部分を1つの取引先に頼る状態は避けたいものです。取引先の事情で契約が終わると、すぐに収入がなくなるからです。目安として、1つの取引先の売上が全体の半分を超えるようになったら、ほかの経路での案件探しを意識して増やします。

経路ごとの記録をつける

どの経路から、どんな案件が、どのくらいの単価で来たかを記録しておくと、自分にとって効率のよい経路が見えてきます。応募や提案に使った時間も記録しておくと、経路ごとの手間を比べられます。

プロフィールと提案文の書き方

どの経路で案件を探す場合も、プロフィールと提案文の出来が結果を左右します。

プロフィールに書くこと

  • できる仕事と得意な分野:「BtoBのIT企業向けの記事の執筆」「飲食店のWebサイトのデザイン」のように具体的に
  • 経験の年数と主な実績:守秘義務に触れない範囲で
  • 使えるツールや言語
  • 稼働できる日数と時間帯、連絡のとりやすい方法
  • 作品や実績を見られる場所

「何でもできます」と書くより、得意な分野を絞って書くほうが、依頼する側は「この人に頼みたい」と判断しやすくなります。

提案文で伝えること

提案文は、相手の募集内容を読んだうえで書いていることが伝わる内容にします。

  1. 募集のどの部分に自分の経験が役立つか
  2. 仕事の進め方と、完成までの日数の見込み
  3. 似た仕事の実績(あれば見本へのリンク)
  4. 確かめておきたい点の質問

文書の書き方の基本を体系的に身につけておくと、提案文やメールのやり取りで信頼されやすくなります。ビジネスの文書を正しく書く力を測る資格として、ビジネス文書検定の内容が紹介されています。

単価を決める考え方

提案で報酬の額を示すときは、作業にかかる時間を見積もり、自分が必要とする1時間あたりの金額を掛けて考えます。文字単価や件数で報酬が決まる仕事の単価の上げ方は、Webライターが文字単価を上げる方法【2026年版】|1円→5円のステップで、実績の見せ方と交渉の順序として整理されています。

職種ごとに中心になる経路

同じフリーランスでも、職種によって案件が多く集まる経路は違います。ここでは代表的な職種ごとに、案件探しの中心になりやすい経路を整理します。

ITエンジニア

システムの開発や運用、インフラの構築などの案件は、エージェントと案件検索サイトに多く集まっています。企業の開発チームに加わって数か月から1年以上続く案件が多く、週3〜5日の稼働が一般的です。リモートで働ける案件も増えていますが、最初の数週間だけ出社を求める案件や、月に数回の出社がある案件もあるので、条件をよく確かめます。経験の年数と、使える言語や技術の組み合わせで単価が大きく変わるため、案件検索サイトで同じ条件の案件を見比べておくと、交渉のときの目安になります。

Webデザイナー・UIデザイナー

Webサイトやアプリの画面のデザインは、エージェント経由の常駐型の案件と、仲介サイトや直接取引の在宅の案件の両方があります。作品の見本が評価の中心になるため、ポートフォリオを整え、SNSや自分のWebサイトで公開しておくと問い合わせにつながります。

ライター・編集者

記事の執筆や編集は、仲介サイトから始める人が多い職種です。実績が増えてくると、メディアの運営会社や制作会社と直接取引するようになり、紹介で仕事が広がっていきます。得意な分野(金融、医療、IT、旅行など)を持つと、単価の高い案件を受けやすくなります。

翻訳者

翻訳は、翻訳会社への登録が中心の経路です。トライアル(試し訳)に合格すると、分野に合った案件の打診が来るようになります。実績が増えると、企業から直接依頼を受ける形や、同業の翻訳者からの紹介も増えていきます。

コンサルタント・マーケター

業務の改善やマーケティングの支援は、紹介と直接の営業が中心になりやすい職種です。過去の実績や考え方を発信して信頼を得ることが、案件につながります。

単価の交渉の進め方

案件探しと切り離せないのが、単価の交渉です。経路によって交渉のしかたも変わります。

エージェント経由の場合

エージェント経由の案件では、担当者が企業と単価を交渉します。希望の単価を伝えるときは、「このくらいほしい」だけでなく、同じ条件の案件の相場や、自分の経験の強みを添えると、担当者も交渉しやすくなります。契約の更新の時期は、単価の見直しを相談しやすいタイミングです。

直接取引の場合

直接取引では、自分で単価を示し、相手と話し合います。作業にかかる時間の見積もりを示し、「この作業にこのくらいの時間がかかるので、この金額になります」と根拠を添えると、相手は納得しやすくなります。値下げを求められたときは、金額だけを下げるのではなく、作業の範囲を減らす、納期を延ばす、といった条件の調整で応じる方法もあります。

単価を上げたいとき

同じ相手から続けて仕事を受けていて、仕事の量や求められる質が上がってきたときは、単価の見直しを相談する機会です。これまでの実績と、相手にとっての成果(記事の閲覧数が増えた、作業の時間が短くなった、など)を示すと、話が進みやすくなります。

案件が途切れたときの動き方

フリーランスとして働いていると、契約の終了や取引先の事情で、案件が途切れる時期が必ず来ます。そのときに慌てないための動き方を整理します。

途切れる前から準備する

案件が途切れてから探し始めると、次の仕事が決まるまでに時間がかかり、その間の収入がなくなります。契約の終わりが見えてきたら、1〜2か月前から次の案件を探し始めます。エージェントを使っている場合は、担当者に契約の終わりの時期を早めに伝えておくと、次の案件を紹介してもらいやすくなります。

生活費の蓄えを持つ

案件が途切れても慌てずに次の仕事を選べるように、数か月分の生活費を蓄えておくと安心です。蓄えがないと、条件の合わない案件でも受けざるをえなくなり、結果として働き方の質が下がります。

空いた時間を投資に使う

案件が途切れた時期は、新しい技術や知識を学ぶ、ポートフォリオを作り直す、発信を増やす、といった将来の案件探しに向けた準備に使えます。これまで取引した相手に近況を伝える連絡を送るのも、仕事の相談につながることがあります。

案件探しでよくある失敗

案件探しでつまずきやすい点を知っておくと、同じ失敗を避けられます。

単価だけで選んでしまう

単価が高い案件でも、作業の範囲が広すぎたり、修正が多かったりすると、実質の時給は低くなります。単価に加えて、作業の範囲、納期、修正の条件、支払いの時期を合わせて判断します。

条件の確認をしないまま始める

急ぎの依頼に応えようとして、条件を確かめないまま作業を始めると、あとで「頼んだ内容と違う」と言われることがあります。少なくとも、仕事の内容、報酬、納期、修正の範囲は、作業の前にメールなどで確かめ合います。

応募の文章を使い回す

同じ提案文を多くの募集に送ると、相手には「募集をよく読んでいない」と受け取られがちです。募集の内容に合わせて、どの経験が役立つかを書き分けるほうが、少ない応募数でも結果が出やすくなります。

先にお金を払わせる話に乗ってしまう

「登録料を払えば案件を紹介する」「教材を買えば仕事を回す」といった話には注意が必要です。仕事をもらう条件として先にお金を払わせる取引は、特定商取引法で業務提供誘引販売取引として規制されています。支払いの前に、消費者ホットライン「188」で相談できます。

会社員が副業で案件を探す場合

独立の前に、会社員のまま副業としてフリーランスの案件を受ける人も増えています。副業で案件を探すときには、会社員ならではの確かめておきたい点があります。

勤め先のルールを確かめる

まず、勤め先の就業規則で副業がどう扱われているかを確かめます。厚生労働省は、企業も働く人も安心して副業に取り組めるように「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を作り、モデル就業規則にも副業・兼業の規定を設けています。モデル就業規則では、副業を禁止したり制限したりできる場合として、本業の仕事に支障がある場合、会社の秘密がもれる場合、会社の名誉や信用を傷つける場合、競業で会社の利益を害する場合が挙げられています。届け出が必要な会社もあるので、案件を受ける前に手続きを確かめます。詳しくは厚生労働省の副業・兼業のページで、ガイドラインとリーフレットを読めます。

使える時間から案件を選ぶ

副業では、平日の夜や週末など、使える時間が限られます。週に何時間使えるかを先に決め、その範囲で納期を守れる案件を選びます。エージェントの案件には週3日以上の稼働を求めるものが多いため、副業では、在宅で時間の自由がきく仲介サイトの仕事や、週1日程度から受けられる案件が中心になります。

本業と競合しない案件を選ぶ

本業の取引先と同じ業界の案件や、本業で知った情報を使う案件は、トラブルになりやすいものです。本業の会社の利益と重ならない分野を選ぶと、安心して続けられます。

税金の申告

国税庁の説明では、給与を1か所から受けて年末調整を受けている人でも、給与と退職所得以外の所得の合計が20万円を超えると確定申告が必要です。所得は、受け取った報酬から必要経費を引いた金額です。20万円以下でも住民税の申告は別に必要になることがあるので、住んでいる市区町村の案内を確かめます。

契約の前に確かめること

案件が決まったら、作業を始める前に契約の条件を確かめます。ここをあいまいにすると、報酬の未払いや、終わりの見えない修正といったトラブルにつながります。

契約の形を確かめる

フリーランスの契約は、主に「請負」と「準委任」の2つの形があります。民法では、請負を次のように定めています。

請負は、当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。 出典: laws.e-gov.go.jp

請負は、仕事を完成させることに対して報酬が払われる形で、記事やデザインの納品などが当てはまります。準委任は、決められた業務を行うこと自体に対して報酬が払われる形で、エージェント経由の常駐型のIT案件などで多く使われます。どちらの形かによって、何をすれば報酬を受け取れるのかが変わるので、契約書でどちらの形かを確かめます。

確かめておきたい項目

  • 仕事の内容と範囲
  • 報酬の額、税込か税抜きか、支払日
  • 納期と納品の方法
  • 修正の回数と範囲
  • 作ったものの権利をどちらが持つか
  • 秘密の扱い
  • 契約を途中で終えるときの扱い

フリーランス法で守られること

2024年11月1日に施行されたフリーランス法では、会社などがフリーランスに仕事を頼むとき、取引の条件をはっきり示すこと、成果物を受け取った日から原則60日以内に報酬を払うこと、ハラスメントの対策の体制を整えることなどが義務づけられています。厚生労働省の説明では、会社員が副業で業務委託を受ける場合も、この法律で守られる対象になります。

トラブルのときの相談先

報酬が払われない、一方的に契約を打ち切られた、嫌がらせを受けた、といったトラブルに困ったときに相談できる窓口があります。

フリーランス・トラブル110番

厚生労働省の委託を受けて第二東京弁護士会が運営する、フリーランスのための相談窓口です。電話とメールで相談でき、弁護士が対応します。

フリーランス・トラブル110番では、フリーランスの皆さまが 発注事業者からお仕事の委託を受けた際に発生したトラブルに関するご相談ができます。 出典: freelance110.mhlw.go.jp

電話番号は0120-532-110で、受付時間は平日の9時30分から16時30分です(土日祝日を除く)。フリーランス法に違反していると考えられる場合に、国の機関へ申し出るときの助言も受けられます。

身近な相談先

契約やお金のトラブルのほかにも、仕事の進め方や働き方について相談したいときは、地域の商工会議所や商工会の相談窓口、同業のフリーランスの集まりも頼りになります。1人で抱え込まず、早めに相談することが、問題を大きくしないための近道です。

トラブルを防ぐための記録

相談するときに役立つのが、やり取りの記録です。契約の条件を確かめたメール、納品した日時、修正の依頼の内容などを保存しておくと、何が起きたのかを相談先に正確に伝えられます。

独立したときの手続き

案件探しと並行して、独立したときに必要な手続きも済ませておきます。

開業の届出

国税庁の案内では、新たに事業を始めたときは「個人事業の開廃業等届出書」を税務署に出します。提出の期限は、事業を始めた日の属する年分の確定申告期限までとされています。青色申告をする場合は「所得税の青色申告承認申請書」も出します。青色申告とは、帳簿をつけることで税金の控除などの特典を受けられる申告の方法です。申請の期限は原則として青色申告をしたい年の3月15日まで、1月16日以後に新たに事業を始めた場合は事業を始めた日から2か月以内です。

健康保険と年金

会社を辞めて独立した場合は、会社の健康保険と厚生年金から、国民健康保険と国民年金などに切り替える手続きが必要です。手続きの窓口や期限は住んでいる市区町村の案内で確かめます。

お金の管理

仕事の売上と生活費を分けて管理するために、仕事用の口座を作っておくと、帳簿をつけるときに楽になります。報酬から所得税が差し引かれて振り込まれる仕事もあるので、支払明細は捨てずに保存しておきます。

請求書と見積書のひな形を用意する

案件が決まると、見積書を出し、納品後に請求書を出す流れになることが多くあります。名前(屋号があれば屋号も)、住所、連絡先、振込先、支払いの期日、作業の内容と金額を書いたひな形を最初に作っておくと、案件ごとに慌てずに済みます。消費税の扱いや、請求書に書くべき項目は、取引先から指定されることもあるので、初めての取引では先に確かめておきます。請求書を出した日と入金を確かめた日を記録しておくと、支払いの遅れにすぐ気づけます。

運営者として見てきたフリーランスの案件探しの傾向

在宅ワークとフリーランスの仲介を2004年から続けてきた運営者として見てきた限りでは、案件探しで長く苦労しない人には共通点があります。

1つは、単発の仕事を数多くこなすことより、「この人に任せると楽だ」と思ってもらえる関係づくりに時間を使っていることです。納期より少し早めに納める、相手が判断しやすいように選択肢を添えて質問する、終わったあとに改善点を短く報告する、といった積み重ねが、次の依頼や紹介を生んでいます。もう1つは、得意な分野をはっきりさせていることです。「何でもできる人」より「この分野ならこの人」と覚えてもらえる人のほうが、紹介されやすくなります。

報酬の受け取り方にも違いが出ます。仲介の手数料が差し引かれない手数料0%の直接取引では、同じ予算でも依頼する側はより多くの仕事を頼めて、受ける側の手取りは厚くなります。双方が得をするこの形は、信頼関係ができた相手とほど続きやすいものです。

職種ごとの案件の内容や求められる力を知っておくと、どの経路で探すべきかも見えてきます。AIの導入を支援する仕事はAIコンサル・業務活用支援のお仕事、マーケティングやセキュリティの仕事はAI・マーケティング・セキュリティのお仕事、アプリを作る仕事はアプリケーション開発のお仕事で、それぞれ仕事の内容と案件の傾向が紹介されています。デザインの職種の報酬の目安はデザイナーの年収・単価相場で確かめられます。

よくある質問

Q. フリーランスになったばかりで実績がありません。どこで案件を探せばよいですか?

実績が少ない時期は、仕事の仲介サイトやエージェントなど、サービスを使う経路から始めると仕事が途切れにくくなります。小さな仕事でも評価や実績を積み重ね、見せられる作品や事例を増やしていきます。同時に、元の勤め先や知人に独立したことを伝えておくと、紹介の芽が育ちます。

Q. フリーランスエージェントと仲介サイトは何が違いますか?

エージェントは担当者が案件の紹介から単価の交渉、契約の手続きまでを代わりに行い、企業の中に入って数か月続く案件が中心です。仲介サイトは自分で仕事を探して応募や提案をする仕組みで、在宅で完結する小さな仕事から大きな仕事まで幅広くあります。エージェントはマージン、仲介サイトは手数料がかかることが多い点も違います。

Q. 報酬が払われないときはどこに相談すればよいですか?

厚生労働省の委託を受けて第二東京弁護士会が運営するフリーランス・トラブル110番に、電話(0120-532-110、平日9時30分から16時30分)やメールで相談できます。弁護士が対応し、フリーランス法に違反していると考えられる場合の申し出についても助言を受けられます。契約のメールや納品の記録を保存しておくと相談がスムーズです。

Q. 案件探しの経路はいくつ持てばよいですか?

1つの経路や1つの取引先に頼ると、相手の事情で契約が終わったときに収入が大きく落ちます。サービスを使う経路と、紹介や直接の取引など自分のつながりから探す経路を、2〜3つ組み合わせるのが現実的です。どの経路からどんな案件が来たかを記録しておくと、自分に合った組み合わせが見えてきます。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年10月24日最終更新:2026年10月25日
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