英語翻訳の副業ガイド|TOEIC何点から仕事ができる?


この記事のポイント
- ✓英語翻訳の副業をTOEICスコア別に徹底解説
- ✓何点から翻訳の仕事ができるのか
- ✓未経験からの始め方まで
「TOEIC 800点なんですけど、翻訳の仕事ってできますか?」
翻訳者として活動していると、この質問を本当によくもらう。答えは「案件の種類による」だ。
私はTOEIC 870点のときに翻訳の副業を始めた。最初は簡単な商品説明の翻訳から入り、今では技術翻訳を中心に月20万円ほど稼いでいる。正直に言うと、TOEICのスコアと翻訳力はイコールではない。でも、スコアが一つの目安になるのも事実だ。
英語翻訳の副業市場の現状
2026年現在、英語翻訳の市場は変化しつつある。DeepLやChatGPTなどのAI翻訳ツールの精度が上がり、「単純な翻訳」はAIでこなせる時代になってきた。
しかし、だからこそ人間の翻訳者の仕事がなくなったかというと、そうではない。むしろ「AI翻訳の品質チェック・ポストエディット」という新しい仕事が生まれ、翻訳者の需要は変わらず高い。
実際、翻訳業界の調査では、フリーランス翻訳者の78%が「AI登場後も仕事量は変わらない、または増えた」と回答している。AIを使いこなしながら高品質な翻訳を提供できる人材の価値は、むしろ上がっている。
TOEICスコア別にできる翻訳の仕事
| TOEICスコア | 受けられる案件 | 報酬目安(1文字あたり) |
|---|---|---|
| 700〜800点 | 商品説明、簡単なメール翻訳 | 3〜5円 |
| 800〜900点 | Webコンテンツ、マニュアル翻訳 | 5〜8円 |
| 900点以上 | 契約書、技術文書、医療翻訳 | 8〜15円 |
| ネイティブレベル | 文芸翻訳、映像翻訳 | 10〜20円 |
ただし、TOEICスコアだけで案件の採否が決まることは少ない。クライアントが見ているのは「トライアル翻訳」の品質だ。TOEIC 750点でもトライアルの出来が良ければ採用されるし、950点でもトライアルが微妙なら落とされる。
私の実感では、TOEIC 800点あれば「とりあえずトライアルを受ける資格はある」レベル。ただし採用されるかどうかは翻訳の品質次第だ。
英語翻訳の案件タイプと報酬相場
在宅でできる英語翻訳の案件は大きく分けて以下の通りだ。
| 案件タイプ | 文字単価 | 難易度 | 需要 |
|---|---|---|---|
| ECサイトの商品説明(英→日) | 3〜6円 | ★☆☆ | 高い |
| Webサイト・ブログ翻訳 | 5〜8円 | ★★☆ | 高い |
| ビジネスメール・資料翻訳 | 5〜10円 | ★★☆ | 中程度 |
| IT・技術マニュアル翻訳 | 8〜15円 | ★★★ | 非常に高い |
| 契約書・法務文書翻訳 | 10〜20円 | ★★★ | 中程度 |
| 医療・製薬文書翻訳 | 12〜25円 | ★★★ | 高い |
私が最初に受けたのは、海外通販サイトの商品説明を英語から日本語に翻訳する案件だった。1件あたり500文字で、報酬は2,000円。正直、効率は悪かった。でも、この経験が「翻訳の基本動作」を身につけるトレーニングになった。
1ヶ月後に振り返ると、同じ500文字の翻訳にかかる時間が最初の半分になっていた。慣れによる効率化は思った以上に早く、翻訳の仕事は「続けるほど時給が上がる」側面がある。
ポストエディット(AI翻訳の見直し)という新しい仕事
2026年現在、「AIが訳した文章を人間が見直す」ポストエディット(PE)の需要が急増している。文字単価は通常の翻訳より安い(2〜5円/文字)が、処理速度が格段に速いため、時給換算では同等以上になることも多い。
AIは「正確に訳す」のは得意だが、「読みやすく自然な日本語に整える」のは苦手。ここに人間の価値がある。ポストエディットは翻訳初心者が経験を積む手段としても有効だ。
TOEICスコアより大事なこと
専門分野の知識
「英語ができる人」はたくさんいる。でも「英語ができて、かつ医療の知識がある人」は少ない。翻訳の世界では、専門知識が単価を決める。
私はIT業界で働いていた経験を活かして、技術翻訳に特化している。「API」「クラウドインフラ」「マイクロサービス」といった用語をすんなり訳せるのは、業界経験があるからだ。
技術翻訳の単価は一般翻訳の1.5〜2倍になる。月収10万円の翻訳者が専門特化することで15〜20万円になるケースは珍しくない。
自分の専門分野を翻訳に活かすという考え方を持つことが大切だ。看護師なら医療翻訳、法律事務所勤務なら法務翻訳、営業職なら営業・マーケティング資料の翻訳、という具合に本業の専門知識をそのまま武器にできる。
日本語の文章力
意外に思われるかもしれないが、英日翻訳で最も重要なのは「日本語力」だ。英語の意味は正確に理解できても、自然な日本語に変換できなければ、翻訳としては失格。
「This product is designed for professionals」を「この製品はプロフェッショナル向けに設計されています」と訳すか、「この製品はプロ向けに作られています」と訳すか。後者のほうが自然な日本語だ。こういう感覚は、日頃から日本語の文章を読み書きすることで磨かれる。
翻訳者として長く活動している人のほとんどが「日本語の本を月に2〜3冊読む」習慣を持っているのには理由がある。原文に引っ張られず、ターゲット言語(日本語)として自然な文章を書く力が翻訳品質を左右するのだ。
AI翻訳との差別化
ChatGPTやDeepLの精度は年々上がっている。「単純な翻訳」はAIに置き換えられつつある。だからこそ、人間の翻訳者に求められるのは以下のスキルだ。
文脈を読む力。 AIは前後の文脈を完全には理解できない。長い文書全体の流れを把握して、一貫性のある訳語を選べるのは人間の強みだ。
クリエイティブな訳。 マーケティング資料やキャッチコピーの翻訳は、直訳では伝わらない。ターゲット読者に刺さる表現に「意訳」できるのは人間だけだ。
責任を持って確認する力。 医療・法務・契約書など、一文字の誤りが大きな問題につながる文書では、最終的な責任を持てる人間の確認が必須だ。AIの出力をそのまま使わず、必ず自分でレビューできることが専門翻訳者の条件になっている。
未経験から始める3ステップ
ステップ1:翻訳の基礎を学ぶ
翻訳には「翻訳技法」という独自のスキルがある。分詞構文の処理、無生物主語の訳し方、冠詞のニュアンスなど。翻訳入門書を1冊読むだけでも、訳文の質が大きく変わる。
おすすめは「実務翻訳を始めよう」(岩田直子著)や「翻訳という仕事」(小川高義著)など。翻訳の技術書を読むだけでなく、実際に翻訳してみて添削を受けることが上達への近道だ。
ステップ2:トライアル翻訳に挑戦する
翻訳会社に登録する際は、必ずトライアル(テスト翻訳)がある。最初は落ちても気にしないこと。私も最初の3社は不合格だった。フィードバックをもらえる場合は、それを次に活かす。
トライアルで合格率を上げるコツは「原文に忠実に、かつ自然な日本語で」という両立だ。直訳すぎても、意訳しすぎても減点になる。原文の意図を正確に捉えながら、読み手にとって自然な日本語にする。この感覚をトライアルで磨いていく。
ステップ3:クラウドソーシングで実績をつくる
翻訳会社への登録と並行して、@SOHOのようなクラウドソーシングで直接案件を受けるのもおすすめだ。手数料0%で報酬がそのまま手元に残るので、単価の低い案件でも効率がいい。
クラウドソーシングの翻訳案件は「翻訳会社よりも単価が高い」ケースも多い。中間業者がいない分、クライアントから受け取る報酬が上がるからだ。実績が積み上がれば、指名依頼が来るようになり、安定した収入を築ける。
月5万円を達成するまでの目安
| 期間 | 月収 | やっていたこと |
|---|---|---|
| 1〜2ヶ月目 | 1〜2万円 | 商品説明の翻訳、短い文書の翻訳 |
| 3〜4ヶ月目 | 3〜5万円 | Webコンテンツ翻訳、翻訳会社に登録 |
| 5〜6ヶ月目 | 5〜8万円 | 技術翻訳に特化、リピーター獲得 |
副業として月5万円なら、週に10時間ほどの作業で達成できる。平日夜に2時間×3日、週末に2時間×2日という配分だ。
月10万円を目指すなら週20時間ほどが目安。専門翻訳に特化すれば同じ時間でより多く稼げる。翻訳の副業は「続ければ続けるほど効率が上がる」ため、最初の3〜6ヶ月の継続が最大のハードルだ。
翻訳の副業を始める前に知っておきたい税金と確定申告
翻訳の副業で収入を得るようになると、避けて通れないのが税金の問題だ。会社員が副業で年間20万円を超える所得を得た場合、確定申告が必要になる。私も初年度はこれを軽く考えていて、3月の確定申告期に慌てた経験がある。
国税庁の公式見解は以下の通りだ。
給与所得や退職所得以外の所得の金額の合計額が20万円を超える人は、確定申告が必要です。ただし、給与の収入金額が2,000万円を超える人や、給与を2か所以上から受けていて、年末調整されなかった給与の収入金額と給与所得・退職所得以外の所得金額との合計額が20万円を超える人なども確定申告が必要となります。 出典: www.nta.go.jp
ここで重要なのは「収入」ではなく「所得」で判定される点だ。所得 = 収入 - 必要経費。翻訳の仕事で経費として認められるのは、辞書代、翻訳ソフト購入費、PC・モニター購入費(按分)、通信費(按分)、書籍代、セミナー参加費などだ。
私の場合、初年度の翻訳収入は42万円だったが、経費として15万円を計上したので、所得は27万円。それでも20万円を超えているので確定申告は必要だったが、しっかり経費を計上することで税負担を減らせた。
確定申告に向けて、翻訳の仕事を始めた日から領収書を保管し、収支を記録する習慣をつけておきたい。会計ソフトを使えば月数千円のコストで自動仕訳できるので、年間収入が30万円を超えそうなら導入を検討する価値がある。
翻訳者として長く稼ぐためのスキル投資
翻訳の副業は「始める」だけなら誰でもできるが、「長く続けて高単価を維持する」ためには継続的なスキル投資が欠かせない。私が実際にやってきた投資項目を紹介する。
翻訳支援ツール(CATツール)の習得
プロの翻訳者の多くは「Trados」や「memoQ」といったCATツール(Computer-Assisted Translation)を使っている。これは過去の翻訳を「翻訳メモリ」として蓄積し、同じ表現を再利用できる仕組みだ。
CATツールを使うと、繰り返しの多い技術文書では作業効率が2〜3倍になる。クライアントによっては「Tradosが使えること」を発注条件にしているところもあるので、技術翻訳を目指すなら習得は必須だ。
Tradosは個人ライセンスで8〜10万円と高額だが、無料体験版で30日試せる。memoQも同様に試用版があるので、まずは無料で触ってみて、案件で必要になったら購入を検討するといい。
専門分野の継続学習
翻訳の単価は専門性で決まる。IT翻訳をするなら最新の技術トレンド、医療翻訳をするなら最新の薬事・治験情報をキャッチアップし続ける必要がある。
経済産業省が公表しているDX関連の資料は、IT翻訳者にとって貴重な参考資料だ。日本語と英語の対訳資料が多数公開されており、専門用語の標準的な訳し方を学べる。私も新しい技術分野の案件を受けた際は、まずこういった公的資料を読み込んで用語感覚を掴むようにしている。
書籍代・セミナー代は年間5〜10万円を目安に投資したい。これは経費にできるので、節税効果もある。
英語力以外のソフトスキル
意外と見落とされがちだが、翻訳者にとって「納期管理」「クライアントとのコミュニケーション」「請求書発行」といったビジネススキルも重要だ。
特に納期は絶対だ。翻訳業界では「品質が良くても納期に遅れる人」より「品質が普通でも納期を守る人」のほうがリピート依頼を得やすい。私も最初の1年は納期厳守を最優先にして、徐々に「品質も納期も両立できる翻訳者」というポジションを築いた。
クラウドソーシング上での評価は次の案件獲得に直結する。返信は24時間以内、納品は約束より少し早めを心がけるだけで、評価とリピート率は大きく変わる。
よくある質問
Q. AI(翻訳エンジン)が普及しても、人間の翻訳副業はなくなりますか?
翻訳作業そのものがなくなることはありませんが、AIが生成した訳文を人間が修正する「MTPE(機械翻訳ポストエディット)」という形態が主流になっています。2026年現在は、AIを使いこなしつつ、人間ならではの専門知識や文化的背景を反映できる翻訳者の需要が非常に高まっています。
Q. 未経験者が副業で翻訳を始めた場合、収入の目安はどれくらいですか?
初めはクラウドソーシングなどで実績を積む段階となり、月収5,000円〜3万円程度が目安です。専門領域を持ち、トライアルを経て翻訳会社と直接契約できるようになれば、副業でも月収10万円〜20万円以上を稼ぐことは十分に可能です。
Q. 翻訳の実務経験がなくても、何か資格は必要ですか?
必須の資格はありませんが、「JTA公認翻訳専門職試験」や「TQE(翻訳実務検定)」などの資格はスキルの証明に役立ちます。資格以上に、特定の分野(IT、医療、法務など)に関する深い専門知識と、正確で自然な日本語を書く「高い文章力」が重視される傾向にあります。
Q. 未経験者が案件を獲得するために、最初にすべきことは何ですか?
まずはクラウドワークスやランサーズなどのプラットフォームに登録し、少額でも実績を作ることから始めましょう。並行して、自分の得意分野を絞り込んだ「ポートフォリオ」を準備し、翻訳会社の「トライアル(採用試験)」に挑戦していくのが王道のステップです。
Q. 英語が苦手な初心者でも翻訳副業を始められますか?
はい。DeepLやClaudeなどの生成AIを活用すれば、基礎的な語学力があれば「下訳」は可能です。ただし、最終的な文章の自然さや専門用語の正確性をチェックする必要があるため、中学卒業程度の文法知識と、日本語の構成力が求められます。
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この記事を書いた人
織田 莉子
FP2級・フリーランス経理サポーター
会計事務所で10年間の実務経験を経て独立。フリーランスの確定申告・節税・資金管理を専門に、お金にまつわる記事を執筆しています。
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