キンドルで電子書籍を出版する手順を、原稿の準備から販売開始まで


この記事のポイント
- ✓キンドルで電子書籍を出版する手順を
- ✓Kindleダイレクト・パブリッシング(KDP)の公式ヘルプに沿って整理しました
- ✓原稿のファイル形式と書き方
自分の知識や体験をまとめた本を、キンドルで電子書籍として出版したい。そう考える人が増えています。キンドルの電子書籍は、AmazonのKindleダイレクト・パブリッシング(KDP)というサービスを使えば、出版社を通さずに個人で出版できます。費用をかけずに始められる一方で、原稿の作り方、表紙の用意、価格とロイヤリティの選び方など、事前に知っておきたい決まりがいくつもあります。とくに、日本の読者への販売で高いロイヤリティを受け取るには条件があり、知らずに設定すると思っていた額を受け取れないことがあります。この記事では、KDPの公式ヘルプの記載に沿って、原稿の準備から販売開始までの手順を順番に説明します。
KDPとはどんなサービスか
KDPは、Amazonが提供する個人向けの出版サービスです。公式ヘルプでは、次のように説明されています。
KDP では、電子書籍とペーパーバックを無料でセルフ出版できます。お客様は Amazon の本に直接アクセスして、本の商品詳細ページを作成できます。また、本の販売を世界的規模で拡大して、世界中の読者が購入可能にできます。 出典: KDP ヘルプ KDP で出版を始める
出版の費用はかからず、本が売れたときに、売上の一部がロイヤリティとして著者に支払われる仕組みです。KDPで出版できるのは、電子書籍(Kindle本)とペーパーバック(紙の本)で、小説、シリーズ、絵本、マンガ、料理本、詩集、教科書など、さまざまな種類の本が出版されています。雑誌や定期刊行物、カレンダーは作れません。
すでにほかの場所で出版した本でも、自分が権利を持っていれば、KDPで出版できます。
出版までの全体の流れ
キンドルで電子書籍を出版するまでの流れを、先に整理しておきます。
- KDPのアカウントを作る。支払いの受け取りや税に関する情報も登録する
- 原稿を準備する。KDPが対応するファイル形式で作る
- 表紙を準備する。推奨のサイズと形式で作る
- 本の設定をする。詳細、コンテンツ、権利と価格設定の3つのページに入力する
- 出版を申請する。審査を経て、販売が始まる
- 販売を始めたあと、読者に知ってもらう
以下で、それぞれの手順を詳しく説明します。
本のテーマの決め方
原稿を書き始める前に、何について書くかを決めます。テーマの決め方で、本の読まれ方は大きく変わります。
まず考えたいのは、自分が人より詳しく書けることです。仕事で長く続けてきたこと、趣味で深く調べてきたこと、苦労して乗り越えた経験など、自分ならではの知識や体験がある分野は、読者にとって価値のある本になりやすくなります。
次に考えたいのは、そのテーマを知りたい人がいるかどうかです。Amazonのストアで、同じテーマの本がどのくらい出ているか、どんな内容の本が読まれているかを調べます。同じテーマの本が多い場合は、対象とする読者を絞る、扱う範囲を狭くする、といった工夫で、自分の本ならではの特徴を出します。
最後に、そのテーマで最後まで書き切れるかどうかです。はじめての本は、書き始めてから途中で止まってしまうことがよくあります。書きたいことの目次を先に作ってみて、各章に書く中身が思い浮かぶかを確かめると、書き切れるかどうかの見通しが立ちます。
原稿の構成の作り方
テーマが決まったら、原稿の構成を作ります。構成を先に決めておくと、書いている途中で迷うことが減り、読者にとっても読みやすい本になります。
- 本の対象とする読者を1人に絞って思い浮かべる。年齢、仕事、悩み、知っていることと知らないこと
- その読者が本を読み終えたときに、何ができるようになっていてほしいかを決める
- そこに至るまでに必要な内容を書き出し、順番に並べて章にする
- 各章の中を、見出しで小さく分ける
- 章ごとの分量の目安を決める
電子書籍は、スマートフォンで少しずつ読まれることも多いので、1つの見出しの中の文章を長くしすぎないことがこつです。見出しごとに話が区切れていると、読者は空いた時間に少しずつ読み進められます。
書き始めたら、毎日少しずつでも書き続けることが大切です。書く時間を決めて、集中して書く習慣をつけると、最後まで書き切りやすくなります。
手順1:KDPのアカウントを作る
KDPで出版するには、まずKDPのアカウントを作ります。Amazonのアカウントでサインインし、著者や出版者としての情報、ロイヤリティを受け取る銀行口座、税に関する情報を登録します。
税に関する情報の登録は、ロイヤリティの支払いを受けるために必要な手続きです。画面の案内に沿って入力しますが、内容が分からないときは、KDPのヘルプの「税に関する情報」の項目で確かめてください。入力した情報は支払いに関わるので、名前や住所に誤りがないよう注意します。
アカウントの設定が済んでいないと、本を出版できないことがあります。原稿を作り始める前に、アカウントの設定を終えておくと、出版の段階で慌てずに済みます。
手順2:原稿を準備する
対応しているファイル形式
KDPの公式ヘルプでは、電子書籍の原稿として、Microsoft Word(DOC/DOCX)、Kindle Package Format(KPF)、EPUBなどの形式が推奨されています。
| 形式 | 特徴 | 作り方 |
|---|---|---|
| Word(DOC/DOCX) | ほとんどのファイルは問題なく変換されるが、複雑な書式は崩れることがある | Wordで作る |
| KPF | Kindleの端末に合った書式に整えやすい | Kindle Createで作る |
| EPUB | KDPのガイドラインの仕様を満たす必要がある | 外部のツールで作る |
ここで注意したいのは、日本語の本の場合です。公式ヘルプには、Kindle Createでは日本語のリフロー型の本と、プリント・レプリカの本はサポートされていないと書かれています(マンガの形式は日本語で使えます)。リフロー型とは、読む端末の画面の大きさや文字の大きさに合わせて、文章の折り返しが変わる形式のことです。文章が中心の日本語の本は、Wordで原稿を作るか、EPUBの形式で作るのが一般的です。
Wordで原稿を作るときのこつ
Wordで原稿を作る場合、書式の使い方によって、電子書籍にしたときの見た目が大きく変わります。次の点を守ると、崩れにくい原稿になります。
- 見出しには、Wordの「スタイル」の見出しの機能を使う。文字を大きくしただけの見出しは、電子書籍で見出しとして扱われない
- 本文は「標準」などのスタイルにそろえる
- 改ページは、改行を重ねるのではなく、改ページの機能を使う
- 目次は、Wordの目次の機能で自動で作る
- 文字の大きさや行の間隔を細かく指定しすぎない。読者が端末で調整できるため、指定しすぎると読みにくくなることがある
- 画像は、本文の流れの中に入れ、文字の回り込みの設定を使わない
原稿ができたら、Kindle Previewerというツールで、電子書籍にしたときの見え方を確かめます。スマートフォン、タブレット、電子書籍リーダーなど、端末ごとの見え方を確かめられるので、出版の前に必ず確かめておきます。
画像の多い本、マンガや絵本の場合
マンガや絵本、写真集のように画像が中心の本は、文章の本とは作り方が違います。画像が中心の本は、ページの見た目を固定した形式(固定レイアウト)で作るのが一般的です。公式ヘルプでは、Kindle Createのマンガの形式は日本語でも使えるとされています。
画像の多い本は、ファイルの大きさが大きくなりやすい点にも注意します。後の節で説明するとおり、70%のオプションでは、ファイルの大きさに応じた配信コストがロイヤリティから差し引かれます。画像の画質を保ちながら、必要以上に大きなファイルにしないよう、画像の大きさを整えてから原稿に入れます。
また、2025年3月からは、固定レイアウトの電子書籍をMOBIのファイルで出版することはできなくなったと公式ヘルプに書かれています。古い作り方の解説を見て作業する場合は、形式が今も使えるかを確かめてください。
原稿の中身を整える
ファイルの形式と同じくらい大切なのが、原稿の中身です。誤字や脱字、事実の誤りがあると、読者の評価に響きます。書き終えたら、時間を置いて読み返す、声に出して読む、ほかの人に読んでもらう、といった方法で見直します。文章を正確に整える力を体系的に身につけたい人は、ビジネス文書検定のように文書の書き方を問う検定も参考になります。
ほかの人の文章や画像を使う場合は、権利の扱いに注意します。KDPのコンテンツガイドラインでは、Webで無料で手に入る著作権で保護されたコンテンツは、著作権を持つ人から提出される場合を除いて扱えないとしています。引用する場合は、引用のルールを守り、出典をはっきり書きます。
手順3:表紙を準備する
電子書籍には、Amazonの商品ページに表示される表紙の画像が必要です。表紙は、読者が本を選ぶときに最初に目にするもので、売れ行きに大きく関わります。
KDPの公式ヘルプでは、表紙の画像について次のような仕様を推奨しています。
- 寸法:高さ2,560ピクセル×幅1,600ピクセル
- 解像度:300 DPI以上
- ファイルサイズ:5MB以下
- ファイル形式:JPEGを推奨
- 色:RGB(CMYKはサポートされていない)
推奨のサイズより小さい場合はアップロードのときに警告が表示され、短い辺が500ピクセル以下の画像は、アップロードはできてもWebサイトには表示されないとされています。小さい画像を拡大しても品質は上がらないので、最初から推奨のサイズで作ります。
表紙の背景が白やごく薄い色の場合、Amazonの白い背景と区別がつかなくなることがあります。公式ヘルプでは、3から4ピクセルの細い薄灰色の枠線を加えることを勧めています。
表紙に入れてはいけない内容もあります。ほかの出版者やアーティストの著作権を侵害するもの、価格やキャンペーンなど一時的な販売の情報に触れるものは使えません。表紙にタイトルと著者名が入っているか、商品ページの情報と食い違いがないか、誤字がないかも確かめます。
表紙を自分で作るのが難しい場合は、デザイナーに依頼する方法もあります。依頼するときの単価の目安は、デザイナーの年収・単価相場で職種ごとに確かめられます。
手順4:本の設定をする
原稿と表紙ができたら、KDPの「本棚」から本の設定をします。本の設定は、「詳細」「コンテンツ」「権利と価格設定」の3つのページに分かれています。
詳細のページ
タイトル、著者名、内容紹介、カテゴリー、キーワードなどを入力します。ここで入力した情報は、Amazonの商品ページに使われます。公式ヘルプでは、本が出版されると、設定時に入力した詳細の多くは変更できないとされています。とくにタイトルと著者名は、出版の前に何度も確かめてください。
内容紹介は、読者が本を買うかどうかを決める大切な文章です。誰に向けた本か、読むと何が分かるか、どんな構成かを、具体的に書きます。
内容紹介の書き方の例を示します。
「はじめて在宅で仕事を始める人に向けて、仕事の探し方から、契約、納品、確定申告までの流れを1冊にまとめました。第1章では在宅でできる仕事の種類を、第2章では仕事の探し方と応募の文章の書き方を、第3章では契約と報酬の確かめ方を、第4章では税金の手続きを説明します。各章の終わりに、すぐに使える確認の表を付けています。」
このように、対象とする読者、本で分かること、章ごとの中身を具体的に書くと、読者は自分に合う本かどうかを判断しやすくなります。「誰でも簡単に」「必ず」のような大げさな言葉は、読者の期待とのずれを生み、読んだあとの評価を下げる原因になるので避けます。
コンテンツのページ
原稿のファイルと表紙の画像をアップロードします。アップロードは、スマートフォンではなく、パソコンから行うことが勧められています。アップロードしたら、プレビューの機能で、電子書籍としての見え方を確かめます。
AIで作った内容の申告
KDPでは、新しく本を出版するときや、出版した本を編集して再出版するときに、AIで生成した内容(文章、画像、翻訳)を申告する必要があります。公式のコンテンツガイドラインでは、AIのツールで内容そのものを作った場合は、あとで大きく編集しても「AI生成」とみなされると説明しています。一方、自分で作った内容をAIのツールで編集したり、誤りを確かめたりした場合は「AIアシスト」とされ、申告は不要とされています。表紙の画像をAIで作った場合も、AI生成の内容に含まれます。
権利と価格設定のページ
ロイヤリティのオプション、販売する地域、価格を設定します。この設定が、受け取るロイヤリティの額を大きく左右します。次の節で詳しく説明します。
ロイヤリティの仕組みと、日本での70%の条件
KDPでは、電子書籍ごとに、35%と70%の2つのロイヤリティのオプションから選べます。
35% のロイヤリティ オプションと 70% のロイヤリティ オプションのどちらにするかを電子書籍ごとに選択できます。 出典: KDP ヘルプ 電子書籍のロイヤリティ
35%のオプションでは、税を除いた希望小売価格の35%がロイヤリティになります。70%のオプションでは、税を除いた希望小売価格から配信コストを差し引いた額の70%がロイヤリティになります。配信コストはファイルの大きさで決まり、Amazon.co.jpでは1MBあたり1円です。画像の多い本はファイルが大きくなり、配信コストも増える点に注意してください。
日本の読者への販売で70%を受け取る条件
ここが最も大切な点です。KDPの価格設定のページには、日本、インド、メキシコ、ブラジルの読者への販売で70%のロイヤリティを受け取るには、電子書籍がKDPセレクトに登録されていることが必要だと書かれています。KDPセレクトに登録していない場合や、70%の価格の要件を満たしていない場合は、35%のロイヤリティが適用されます。
つまり、70%のオプションを選んでも、KDPセレクトに登録していなければ、日本の読者に売れた分は35%になります。日本の読者を中心に売る本で70%を受け取りたいなら、KDPセレクトへの登録が前提になります。
70%の価格の要件
70%のオプションには、価格についての要件もあります。公式ヘルプでは、70%のオプションを選んだ場合、Amazonで販売されている印刷版の希望小売価格より少なくとも20%低い価格に設定することが求められています。また、70%のオプションを使える希望小売価格には、最低と最高の価格帯が決められています。価格帯は変わることがあるので、設定の前に価格設定のページで確かめてください。
パブリックドメインの作品(著作権の保護期間が終わった作品)が大部分を占める本は、35%のオプションしか選べません。
KDPセレクトとは
KDPセレクトは、Kindle本のための90日間の無料のプログラムです。KDPセレクトに登録すると、本は自動的に読み放題のサービスであるKindle Unlimitedの対象になり、読まれたページ数に応じたロイヤリティも受け取れるようになります。無料キャンペーンなどの販売促進の機能も使えます。
一方で、KDPセレクトに登録した電子書籍は、ほかのプラットフォームでは販売できません。公式ヘルプでも、KDPセレクトに登録された本はAmazonでのみ販売可能になると書かれています。ほかの電子書籍のストアや、自分のWebサイトでも同じ本を電子書籍として販売したい人は、KDPセレクトに登録できません。
登録の期間は90日間です。登録を続けたくないときは、「本棚」で本の横の「...」ボタンから「KDP セレクトを管理」を選び、「この本の KDP セレクトへの登録を継続する」のチェックを外します。公式ヘルプでは、登録期間の開始から3日以内なら登録を取り消せ、3日を過ぎた場合はAmazonへの問い合わせが必要とされています。登録を取り消すと、日本などでの売上のロイヤリティは35%に戻ります。
KDPセレクトに登録するかどうかは、次のように考えると決めやすくなります。
| 考えること | 登録が向いている | 登録が向いていない |
|---|---|---|
| 販売する場所 | Amazonだけで売る | ほかのストアや自分のサイトでも売る |
| 主な読者 | 日本の読者が中心 | 海外の読者が中心で、日本の売上は少ない |
| 読まれ方 | 読み放題で多くの人に読んでほしい | 1冊ずつ購入してもらいたい |
価格の決め方
電子書籍の価格は、ロイヤリティのオプションの要件と、読者が手に取りやすい価格の両方から考えます。
まず、70%のオプションを使いたい場合は、価格を70%の価格の要件の範囲に収める必要があります。範囲の外の価格に設定すると、35%のロイヤリティになります。
次に、同じテーマの本がいくらで売られているかを調べます。ページ数が同じくらいの本と比べて、極端に高い価格にすると手に取ってもらいにくくなります。反対に、安すぎる価格にすると、受け取るロイヤリティが少なくなり、本の価値も低く見られることがあります。
KDPセレクトに登録してKindle Unlimitedの対象にした場合は、購入だけでなく、読み放題で読まれたページ数に応じたロイヤリティも受け取れます。読み放題で多くの人に読んでもらい、次の本や続編につなげる、という考え方もあります。
価格は出版したあとでも変更できます。最初の価格で売れ行きを見ながら、必要に応じて見直してください。
ペーパーバックも出版するか
KDPでは、電子書籍のほかに、ペーパーバック(紙の本)も出版できます。注文を受けてから1冊ずつ印刷して届ける仕組みなので、在庫を持つ必要はありません。公式ヘルプによると、kdp.amazon.co.jpではハードカバーの出版は現在サポートされていません。
紙の本で読みたい読者もいるので、電子書籍とペーパーバックの両方を用意すると、読者の選択肢が広がります。ただし、ペーパーバックは、紙の大きさに合わせた原稿の作り方や、背表紙と裏表紙を含めた表紙の作り方が電子書籍と違います。はじめての人は、まず電子書籍を出版して流れに慣れてから、ペーパーバックに取り組むと進めやすくなります。
本の詳細が一致していれば、電子書籍とペーパーバックは同じ商品ページにまとめて表示されます。
出版を申請する前の最終確認
出版を申請すると、審査中は本を変更できず、出版後もタイトルなど変更できない項目があります。申請の前に、次の点を確かめておくと安心です。
- タイトルと著者名に誤字がないか。表紙と商品ページで表記がそろっているか
- 内容紹介に、本の中身と違うことや、誇大な表現が入っていないか
- 目次が正しく作られ、各章に移動できるか
- Kindle Previewerで、スマートフォン、タブレット、電子書籍リーダーのそれぞれの見え方を確かめたか
- 画像がぼやけていないか、はみ出していないか
- 引用した文章や画像の出典が書かれているか。使ってよい権利があるか
- AIで生成した内容がある場合、正しく申告したか
- ロイヤリティのオプションと価格が、意図したとおりに設定されているか
- KDPセレクトに登録するかどうかを決めたか
1つでも気になる点があれば、申請を急がず、直してから申請します。出版したあとに直すこともできますが、最初に読んだ読者の評価は残ります。
書く時間をつくる工夫
会社勤めや家事と並行して本を書く人にとって、いちばんの課題は書く時間をつくることです。まとまった時間を待っていると、なかなか書き進められません。
続けている人がしている工夫には、次のようなものがあります。
- 毎日決まった時間に、短くても書く。朝の30分、寝る前の30分など、生活の中に書く時間を組み込む
- 書く日と見直す日を分ける。書いている途中で何度も直すと進まないので、まず最後まで書き、見直しは別の日に行う
- 書く場所を決める。決まった場所に座ると書く気持ちに切り替わりやすくなる
- 締め切りを自分で決める。章ごとに書き終える日を決め、予定表に書き込む
原稿のデータは、パソコンの故障に備えて、クラウドなどに控えを保存しておきます。何か月もかけて書いた原稿を失うと、取り返しがつきません。
手順5:出版を申請して審査を待つ
本の設定がすべて終わったら、出版を申請します。申請した本は、Amazonのフォーマットとコンテンツのガイドラインを満たしているかどうかの審査を受けます。
KDPの公式ヘルプでは、審査の完了にかかる時間は本の種類によって異なり、通常は3から10営業日とされています。権利の確認のために追加の情報が必要になった場合は、さらに時間がかかることがあります。審査中は本を変更できないので、申請の前に内容をよく確かめておきます。
本が購入できるようになっても、Amazonの検索結果に表示されるまでに最大で72時間かかるとされています。販売開始の直後に検索しても見つからないことがありますが、しばらく待ってから確かめてください。
販売を始めたあとにすること
本が販売されても、読者に知ってもらわなければ売れません。販売を始めたあとにできることを紹介します。
内容紹介とキーワードを見直す
販売を始めてしばらくたったら、内容紹介とキーワードを見直します。読者がどんな言葉で探しているかを考え、内容紹介に本の中身が具体的に伝わる言葉を入れます。
SNSやブログで紹介する
自分のSNSやブログで、本を書いたきっかけや、本の中身の一部を紹介します。本の中で扱った内容に関心のある人に届くよう、本のテーマに合った発信を続けることが大切です。
続編やシリーズを出す
1冊目を読んだ人が、次の本も読んでくれることがあります。同じテーマで続編やシリーズを出すと、1冊目の読者が2冊目の読者になり、2冊目から入った読者が1冊目を読む、という流れが生まれます。
本を更新する
出版したあとに誤りが見つかったときは、原稿を直して更新できます。情報が古くなりやすいテーマの本は、定期的に内容を見直して更新すると、読者の信頼を保てます。
副業で電子書籍を出版したときの税金
会社に勤めながら副業で電子書籍を出版した人は、ロイヤリティの収入の税金の扱いも知っておく必要があります。
国税庁の案内では、給与をもらっている人で、給与以外の所得が年間20万円を超える場合は、原則として確定申告が必要とされています。所得は、ロイヤリティの収入から、本を作るためにかかった経費(表紙のデザインの依頼の費用、資料の購入費など)を引いた金額です。20万円以下で所得税の確定申告が要らない場合でも、住民税の申告は必要です。
電子書籍の出版を事業として続けるなら、開業届を出し、事業所得として申告する道もあります。どの所得に当たるか、どこまで経費にできるかは、続け方や金額で変わるので、税務署で確かめてください。会社に勤めている人は、副業を始める前に勤め先の就業規則も確かめておきます。
電子書籍の出版でつまずきやすい点
はじめて出版する人がつまずきやすい点を整理します。
- 70%のオプションを選んだのに、日本の売上が35%で計算されている。日本の読者への販売で70%を受け取るには、KDPセレクトへの登録が必要
- Kindle Createで日本語の文章の本を作ろうとして、作れない。日本語のリフロー型の本は、WordやEPUBで作る
- 見出しをスタイルで設定しておらず、目次が正しく作られない。Wordの見出しのスタイルを使う
- 表紙が推奨のサイズより小さく、商品ページでぼやける。最初から推奨のサイズで作る
- KDPセレクトに登録したあと、ほかのストアでも販売してしまう。KDPセレクトの本はAmazonでのみ販売できる
- AIで作った文章や画像を申告していない。出版の設定で正しく申告する
どれも、公式ヘルプの決まりを事前に確かめておけば避けられるものです。KDPの仕組みは改定されることがあるので、出版の前に、必ず最新のヘルプで確かめてください。
書く力を仕事に広げる考察
20年にわたって在宅ワークとフリーランスの仲介を続けてきた運営者として見てきた限りでは、電子書籍を出版した経験は、本の売上そのもの以上に、書き手の仕事の広がりにつながることがあります。1冊の本を最後まで書き上げた経験は、構成を考える力、読者に合わせて言葉を選ぶ力、締め切りを自分で決めて守る力の証明になるからです。
実際に、自分の専門分野について本を出した人が、その本をきっかけに記事の執筆や講師の依頼を受けるようになる、といった広がり方は珍しくありません。本は、自分の知識をまとめて見せられる、名刺のような役割を果たします。
依頼を受けて書く仕事では、依頼する人と直接取引をする形なら、仲介の手数料が間に入らない分、同じ予算でも書き手の手取りが厚くなります。依頼する人は、その分を書き手が丁寧に取材や調べものをする時間に回せます。電子書籍の出版で磨いた書く力を、依頼を受ける仕事にも活かすと、収入の道が広がります。在宅で書く仕事を続けるなら、集中して書く時間をつくる工夫も欠かせません。その工夫は在宅ワークの集中力アップ|ポモドーロ以外に効く7つのテクニックで紹介しています。生成AIを使った文章づくりの支援の仕事に関心がある人は、AIコンサル・業務活用支援のお仕事も参考にしてください。
よくある質問
Q. キンドルで電子書籍を出版するのに費用はかかりますか?
KDPの公式ヘルプでは、電子書籍とペーパーバックを無料でセルフ出版できると説明されています。出版の費用はかからず、本が売れたときに売上の一部がロイヤリティとして支払われます。表紙のデザインを依頼する、校正を頼む、といった場合は、その費用が別にかかります。
Q. 日本で売れた電子書籍のロイヤリティを70%にするにはどうすればよいですか?
KDPの価格設定の案内では、日本の読者への販売で70%のロイヤリティを受け取るには、電子書籍がKDPセレクトに登録されていることが必要です。登録していない場合や、70%の価格の要件を満たしていない場合は35%が適用されます。KDPセレクトの本はAmazonでのみ販売できる点にも注意してください。
Q. 日本語の電子書籍の原稿はどの形式で作ればよいですか?
KDPではWord、KPF、EPUBなどの形式が推奨されています。ただしKindle Createは日本語のリフロー型の本に対応していないため、文章が中心の日本語の本は、WordかEPUBで作るのが一般的です。Wordで作る場合は、見出しのスタイルや改ページの機能を正しく使い、Kindle Previewerで見え方を確かめます。
Q. 出版を申請してから販売が始まるまでどのくらいかかりますか?
KDPの公式ヘルプでは、審査の完了にかかる時間は本の種類によって異なり、通常は3から10営業日とされています。権利の確認に追加の情報が必要な場合は、さらに時間がかかることがあります。本が購入できるようになってから、検索結果に表示されるまでに最大で72時間かかるとされています。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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