准看護師の収入をどう上げるか|働き方を変えたときに動くもの【2026年版】

中西 直美
中西 直美
准看護師の収入をどう上げるか|働き方を変えたときに動くもの【2026年版】

この記事のポイント

  • ✓准看護師の年収がどのあたりにあるのか
  • ✓正看護師との差はどこから生まれるのかを整理しました
  • ✓地域を変えたときに収入がどう動くのか

「准看護師の年収って、これ以上は上がらないんでしょうか」。このご相談、本当によくいただきます。同じ職場で同じ業務をしているのに、給与テーブルが違う。その事実を知ったときのしんどさは、数字の問題だけではないですよね。

先に結論をお伝えします。准看護師の収入は、資格そのものよりも「どこで、どんな勤務形態で働くか」で大きく動きます。そして、動かせる要素は思っているより多い。この記事では、まず現在地としての年収の目安を整理し、そのうえで勤務先の種類、夜勤の有無、雇用形態、地域という4つのレバーを1つずつ見ていきます。進学して正看護師を目指す道についても、費用と期間の目安を含めて書きます。

焦らなくて大丈夫です。順番に見ていきましょう。

准看護師の年収は今どのあたりにあるのか

平均の目安と、その数字の読み方

まず全体の位置を確認します。公的な統計をもとにした解説では、次のように整理されています。

厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」によると准看護師の平均年収は約427.5万円です。内訳は、月収30.3万円・ボーナス63.6万円です。 出典: co-medical.com

数字を見て、ご自分の年収と比べて落ち込んだ方もいるかもしれません。でも、この平均値の読み方には注意が必要です。

平均年収というのは、全国のあらゆる年齢・勤務先・勤務形態を混ぜた値です。夜勤を月4回こなす50代の常勤も、日勤のみのクリニック勤務の20代も、同じ袋に入っています。だから「平均より低い」ことが、そのまま「損をしている」ことにはなりません。比べるべきは、同じ年齢・同じ勤務形態・同じ施設種別の人たちです。

なお、統計の正確な数値と調査年については、所管である厚生労働省の公表資料をご確認ください(2026年8月時点。賃金構造基本統計調査は毎年更新されます)。

出典: 厚生労働省

年齢とともにどう上がっていくか

准看護師の給与は、経験年数に沿って上がっていく形が一般的です。同じ解説では、次のように述べられています。

准看護師の年収は、経験年数や年齢とともに上昇していく傾向にあります。厚生労働省の調査では、一般的に50代後半が年収のピークとなり、約473.9万円程度に達します。 出典: co-medical.com

ここで見ておきたいのは、ピークの金額そのものではなく、「上がり幅」です。20代から50代後半までの伸びは、数十万円の幅にとどまります。つまり、同じ職場で年数を重ねるだけでは、収入は緩やかにしか動きません。

これは、頑張りが足りないという話ではまったくありません。給与テーブルの設計がそうなっているだけです。だから、収入を大きく変えたいのであれば、時間をかけて昇給を待つのではなく、別のレバーに手をかける必要がある。そういうことです。

正看護師との差はどこから生まれるのか

准看護師と正看護師の年収差は、一般に年間50万円から100万円程度と言われます。ただ、この差は「同じ仕事をしているのに評価が違う」という単純な話ではなく、いくつかの要素が積み重なってできています。

1つ目は基本給のテーブルです。多くの医療機関では、資格ごとに初任給と昇給幅が分けて設計されています。基本給が低いと、それに連動する賞与も退職金も低く出ます。ここが差の土台になります。

2つ目は役職です。看護主任や看護師長といったポジションの要件が正看護師に限られている職場が多く、役職手当が付く道が狭くなります。

3つ目は配置です。認定看護師や特定行為研修といった上位資格の受講要件が正看護師を前提としているため、手当の付く専門領域に進みにくい構造があります。

こう並べると絶望的に見えるかもしれませんが、逆に言えば、差の原因がはっきりしているということです。原因が分かれば、どこに手を打てば動くのかも見えてきます。

准看護師と正看護師の違いや、資格取得までのルートについては准看護師の転職ガイド|正看護師との年収差と資格取得ルートで詳しく整理していますので、進学を検討している方はあわせて読んでみてください。

働き方を変えたときに動くもの

ここからが本題です。収入を動かせるレバーを4つ、順番に見ていきます。

勤務先の種類を変える

いちばん影響が大きいのが、どの種類の施設で働くかです。

一般病院、療養型病院、介護老人保健施設、特別養護老人ホーム、デイサービス、クリニック、訪問看護ステーション、美容クリニック。同じ准看護師という資格でも、施設の種類によって給与水準は明確に違います。

傾向としては、夜勤があり急性期に近い職場ほど月収が高く、日勤のみで身体的負担が軽い職場ほど低くなります。ただし、これは単純な優劣ではありません。夜勤のある職場は手当で稼いでいるので、時間あたりの単価で見ると差が縮まることもあります。

比較のときは、必ず「年収」ではなく「1時間あたりの収入」と「拘束時間」の2つで見てください。年収が30万円高くても、年間の労働時間が300時間多ければ、時給換算では負けています。

クリニックへの転職を考えている方は、病棟との働き方の違いを整理した看護師のクリニック転職ガイド|病棟との年収・働き方の違いが参考になります。給与だけでなく、日々の業務内容がどう変わるかまで書いてあります。

夜勤とオンコールの有無

夜勤手当は、収入に対する影響が最も直接的な要素です。1回あたりの手当額は施設によって幅がありますが、二交代で1万円前後から2万円前後という水準が一般的な相場とされています。月4回入れば、年間で50万円から100万円近くの差になります。

ここで、ひとつだけ立ち止まってほしいことがあります。夜勤を増やすかどうかを、収入だけで決めないでください。

こういうご相談をよくいただきます。「収入を上げたくて夜勤を増やしたら、日中がずっとぼんやりして、家族との時間が減った」。そして半年後、体調を崩して結局夜勤を外れることになる。これは意志が弱いからではありません。生活のリズムを変えるというのは、それだけ大きな変更だということです。

夜勤を増やすなら、増やした分の収入を何に使うのかを先に決めてください。目的があると、期間を区切れます。期間が区切れると、無理が続きません。

常勤とパート、どちらが有利か

これは一概には言えません。ただ、判断の軸ははっきりしています。

常勤の強みは、賞与、退職金、そして社会保険です。特に社会保険は見落とされがちです。厚生年金に加入していれば将来の受給額に反映されますし、傷病手当金や出産手当金といった給付も使えます。時給の高さだけで比べると、この部分が見えません。

パートの強みは、時給単価の高さと時間の自由度です。准看護師のパート時給は、地域や施設によって幅がありますが、時給1,300円から1,800円程度のレンジで募集されているケースが多く見られます。日勤のみで働きやすい代わりに、賞与がない、または少ないのが一般的です。

短時間勤務で社会保険に加入できるかどうかは、労働時間や賃金などの要件によって変わります。2026年8月時点の適用要件については、日本年金機構の案内をご確認ください。

出典: 日本年金機構

地域を変える

同じ資格・同じ経験でも、都道府県によって給与水準は違います。都市部のほうが高い傾向はありますが、家賃や生活費も上がるので、手元に残る額で比べる必要があります。

現実的に効くのは、住む場所を変えることではなく、通勤圏内の少し広い範囲で求人を見ることです。隣の市、隣の路線。通勤時間が15分伸びるだけで、月2万円変わることは珍しくありません。検索の範囲を少し広げてみてください。

施設の種類ごとの傾向を並べてみる

4つのレバーを整理したところで、施設の種類による違いをもう少し具体的に見ておきましょう。あくまで一般的な傾向ですが、比較の出発点にはなります。

施設の種類 給与水準の傾向 夜勤 身体的な負担 向いている状況
一般病院(急性期) 高め あり 大きい 収入を優先し、体力に余裕がある
療養型病院 中 あり 中 夜勤手当は欲しいが急性期は避けたい
介護老人保健施設 中 あり(施設による) 中 生活支援の視点で関わりたい
クリニック やや低め なし 小さい 日勤のみで生活リズムを守りたい
デイサービス 低め なし 小さい 短時間勤務や扶養内で働きたい
訪問看護 高め オンコールあり 中 1人で判断できる裁量が欲しい
美容クリニック 幅が広い なし 小さい 接遇や自費診療の分野に関心がある

この表を見るときのコツをお伝えします。「給与水準が高め」の列だけを追わないでください。夜勤の有無と身体的な負担は、続けられるかどうかに直結します。3年で辞めることになる高給の職場より、10年続けられる中程度の職場のほうが、生涯で受け取る総額は大きくなることがあります。

求人票の給与欄を分解して読む

もうひとつ、実務的な話をします。求人票の給与欄は、そのまま比べても意味がありません。分解してから比べてください。

見るべきは4つです。1つ目は基本給。賞与と退職金の計算基礎になるので、ここが低いと総額が伸びません。2つ目は毎月固定で付く手当(資格手当、住宅手当、通勤手当)。3つ目は変動する手当(夜勤手当、オンコール手当、時間外手当)。4つ目は賞与の月数が規定なのか前年実績なのかという点です。

たとえば「月給28万円」と書かれていても、そこに夜勤4回分が含まれているのかいないのかで、実質はまったく違います。含まれている場合、夜勤に入れない月は収入が落ちます。求人票に書かれていなければ、面接で必ず聞いてください。「この月給には夜勤手当が何回分含まれていますか」。この一言で、比較の土台がそろいます。

賞与についても同じです。「賞与年2回」とだけ書いてある求人は、金額の約束をしていません。「前年度実績3.5か月」のように実績が書かれている求人のほうが、見通しが立ちます。

正看護師を目指すという選択

2年課程という進路

准看護師として実務経験を積んだうえで、看護師学校養成所の2年課程に進み、看護師国家試験の受験資格を得るルートがあります。全日制、定時制、通信制といった形態があり、働きながら学べる課程も用意されています。

進学の要件、通信制を利用できる実務経験年数などの制度の詳細は年度によって見直されることがあります。2026年8月時点の制度内容は、所管の厚生労働省が公表している看護師等養成所の情報でご確認ください。

出典: 厚生労働省

費用と期間の目安

気になるのが費用ですよね。学校の設置主体によって差が大きく、2年間の総額で50万円程度から300万円程度まで開きがあります。公立や医師会立の養成所は比較的抑えられ、私立の専門学校は高くなる傾向があります。正確な金額は各校の募集要項でしか分からないので、候補を3校ほど並べて比べてください。

費用の負担を軽くする仕組みもあります。都道府県が実施している看護師等修学資金の貸与制度は、卒業後に指定された施設で一定期間勤務すると返還が免除される形が一般的です。また、雇用保険の被保険者期間などの要件を満たす場合、教育訓練給付の対象となる講座もあります。いずれも2026年8月時点の情報であり、自治体や年度によって運用が異なるため、お住まいの都道府県と厚生労働省の案内で必ず確認してください。

出典: 厚生労働省

進学を考えるときの注意点

ここは正直にお伝えしておきます。働きながらの進学は、想像よりずっと大変です。

授業、実習、レポート、そして仕事。実習期間は勤務を減らさざるを得ないので、収入も一時的に下がります。2年間、生活の余白がほとんどなくなると考えておいたほうがいい。

それでも進学する価値があるのは、基本給のテーブルが変わるからです。差が年間50万円だとすれば、残りの就業年数が20年ある方にとっては、生涯で1,000万円規模の違いになります。判断の基準は「あと何年働くか」です。

もし今、進学に踏み切れないとしても、それは間違った判断ではありません。生活を壊してまで取る資格はないですから。今は先に、勤務先や勤務形態を動かして収入を整える。落ち着いてから進学を考える。その順番でも大丈夫です。

転職で収入を上げるときの進め方

転職は、収入を動かすレバーの中で最も即効性があります。ただ、闇雲に動くと逆に下がることもあるので、手順を整理しておきます。

まず、現在の年収を正確に把握してください。源泉徴収票の支払金額です。月給の額面ではありません。ここが曖昧なまま面接に行くと、提示された条件が上なのか下なのか判断できません。

次に、譲れない条件を3つだけ決めます。3つです。5つ以上並べると、どの求人も条件を満たさなくなって動けなくなります。よくあるのは「日勤のみ」「自宅から30分以内」「年収450万円以上」といった組み合わせですね。この3つのうち、どれを一番優先するかも決めておいてください。

そして、条件交渉です。ここが苦手な方が本当に多い。給与の話を切り出すのは気が引ける、と。でも、聞かないと分かりません。具体的な交渉の言い方や、どのタイミングで切り出すかは看護師が転職で年収アップする方法|給料交渉のコツに手順としてまとめてあります。読んでおくと、面接の場で言葉に詰まらずにすみます。

私自身、キャリア相談の場でよく感じるのですが、条件交渉ができない方の多くは「交渉が下手」なのではなく、「自分の市場価値を言語化できていない」だけです。経験年数、経験してきた診療科、対応できる処置、夜勤の可否。これを紙に書き出すだけで、話せるようになります。

交渉の前に、手取りの計算をしておく

もうひとつ、地味ですが効くことをお伝えします。年収の比較をするとき、額面ではなく手取りで考える習慣をつけてください。

額面から引かれるのは、健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料、所得税、住民税です。社会保険料は標準報酬月額に応じて決まるため、月給が上がると保険料も上がります。つまり、額面が3万円増えても、手元に残るのはその75%から80%程度というのが一般的な感覚です。

さらに、扶養の範囲で働いている方は、収入が一定の水準を超えると配偶者の扶養から外れて、自分で社会保険料を負担することになります。この境目の前後では、額面が増えたのに手取りが減る局面が生じます。境目の具体的な金額と要件は制度改正で動くため、2026年8月時点の内容を日本年金機構や国税庁の案内で確認してください。

出典: 国税庁

「手取りで考える」と言われても面倒に感じるかもしれませんが、やることは単純です。求人の提示額から、ざっくり2割引いた数字をメモしておく。それだけで、比較の精度が上がります。

焦って動かないための目安

最後にひとつ、お守りのような話をさせてください。

収入を上げたいという気持ちが強いときほど、判断が急ぎになります。求人を見た当日に応募して、翌週に面接、その場で内定を受ける。この速さ自体は悪くありませんが、条件を1つも確認していない状態で決めてしまうと、半年後にまた同じ悩みに戻ります。

目安として、内定を受けてから返事をするまでに3日は置いてください。その3日で、労働条件通知書を読み、夜勤の回数を確認し、手取りを計算する。急かされて即答を求められる職場は、その時点で1つ情報を与えてくれています。

大丈夫です。3日待って消える求人なら、それは最初からあなたに合う職場ではありません。

いまの職場のままで動かせる部分もある

転職や進学の前に、確認しておくと良いことがあります。いまの職場で取りこぼしている収入がないか、という点です。

まず、給与規程を読んでください。就業規則と一緒に事業所内で閲覧できる形になっているのが通常です。資格手当がいくらか、夜勤手当の単価はいくらか、扶養手当や住宅手当の支給要件を満たしていないか。要件を満たしているのに申請していないために付いていない手当は、意外とあります。

次に、時間外の申請です。始業前の情報収集、終業後の記録の入力。これらが常態化しているのに申請していない職場は少なくありません。まとまった額になることもあるので、勤務時間の実態と申請の運用を一度確認してみてください。

パートで働いている方は、常勤への切り替えができるかも聞いてみる価値があります。同じ勤務時間でも、雇用区分が変わることで賞与と退職金の対象になることがあります。逆に、常勤からパートに移ると単価は上がっても総額は下がるのが一般的です。

それから、勤務時間帯です。早出や遅出に手当が設定されている職場では、シフトの組み方を相談するだけで月の収入が変わります。夜勤ほど生活への影響が大きくないので、まず試してみる価値があります。

面接と職場見学で聞いておくこと

条件を確かめる場は、面接と職場見学です。聞きにくいと感じる項目ほど、入職後に効いてきます。

准看護師が何人在籍しているか。これは最初に聞いてください。人数が多い職場は、准看護師を前提とした業務の組み方ができています。1人だけという職場は、正看護師の欠員を埋める形で採用している可能性があり、業務の期待値がずれやすい。

資格による業務の線引きをどうしているか。准看護師の業務は医師や看護師の指示のもとで行うと法令で定められており、この前提を職場がどう運用しているかは施設ごとに違います。指示の出し方、記録の扱い、判断が必要な場面での相談先。ここが曖昧な職場は、責任だけが個人に寄ります。

※資格ごとの業務の範囲は法令で定められており、内容は改正されることがあります。この記載は2026年8月時点のものです。詳細は厚生労働省(https://www.mhlw.go.jp/ )が公表している情報を確認してください。

夜勤の人数体制も確認事項です。何人で何床を見るのか、急変時に誰を呼べるのか。手当の額だけを見て決めると、負担の重さで続かなくなります。

進学支援の有無も聞いておいてください。2年課程への進学を将来考えているなら、勤務の調整に応じてくれるか、修学資金の制度があるかで選択肢が変わります。制度がなくても「過去に進学した方はいますか」と聞けば、実態が分かります。

資格以外で収入に効くもの

准看護師の収入を考えるとき、資格の話に寄りすぎると視野が狭くなります。実務のスキルも、確実に評価に効きます。

具体的には、記録の正確さ、多職種との連携、新人への指導、家族対応。特に在宅や介護分野では、家族とのコミュニケーションが業務の質を左右するので、ここが得意な方は重宝されます。面接では「できる処置」だけでなく、こうした部分も伝えてください。

もうひとつ、事務的な文書作成の力も意外と効きます。報告書、申し送り、家族への説明文書。これらを正確に短く書ける人は、どの職場でも重宝されます。文書の型を体系的に学びたい方にはビジネス文書検定のような検定が入口になります。医療の記録とは別種の作法ですが、覚えておくと役職に就いたときに楽になります。

臨床以外に収入源を持つという考え方

収入を上げる方法は、勤務先を変えることだけではありません。臨床の外に、小さな収入源を持つという選択肢もあります。

たとえば、医療や介護の分野の記事を書く仕事です。現場を知っている人が書いた文章は、そうでない人が書いたものと明確に違います。文章の仕事の一般的な報酬水準は著述家,記者,編集者の年収・単価相場で確認できます。副業として始めるなら、勤務先の就業規則で副業が認められているかを先に確認してくださいね。

医療現場のIT化が進んだことで、現場を知る人が業務改善の側に回る需要も出てきました。この領域の仕事の中身はAIコンサル・業務活用支援のお仕事やAI・マーケティング・セキュリティのお仕事で紹介しています。もっと技術寄りに進む道としてはアプリケーション開発のお仕事があり、その分野の報酬水準はソフトウェア作成者の年収・単価相場で確認できます。基礎から学ぶならCCNA(シスコ技術者認定)のような資格が入口になることもあります。

もちろん、全員がこの道に進む必要はありません。ただ、「臨床の給与テーブルの中でしか収入は変わらない」と思い込んでいると、選択肢が実際より狭く見えてしまいます。知っているだけで、気持ちが少し楽になることもあります。

市場を長く見てきた立場からの観察

フリーランスと在宅ワークの市場を20年運営してきた立場から、ひとつ感じていることがあります。

収入が安定して伸びていく人には、共通点があります。単発の作業を数多くこなすのではなく、「この人に任せると楽だ」という関係を作ることに時間を使っている。医療の現場でも同じで、指名される人、頼りにされる人は、処置の速さより段取りの安心感で選ばれています。この安心感は資格の種類では測れないので、准看護師でも十分に築けます。

もうひとつ、額面と手取りの話をさせてください。人材の仲介が入ると、その分の手数料が誰かの取り分から出ています。仲介が薄いほど、依頼する側は同じ予算でより多く頼めて、受ける側の手取りは厚くなる。手数料0%の直接取引が意味を持つのは、金額そのものではなく、この「手取りが厚い」という質の部分です。20年見てきて、長く続いている人ほど、間に何が挟まっているかを気にしています。

これは臨床の転職にも当てはまります。紹介手数料が乗る採用と、直接応募の採用では、同じ採用予算でも職場側の余裕が違う。だからどちらが正しいという話ではなく、両方の入口があることを知っておくと、選び方が変わります。

データから見えてくること

求人の情報を横断して眺めていると、准看護師の求人には、はっきりした傾向が見えます。

まず、募集の中心が病院から在宅・介護分野に移っています。訪問看護、デイサービス、介護老人保健施設。これらの分野では、准看護師と正看護師を区別せずに募集している求人が相当な割合を占めます。資格による給与差が相対的に小さくなる領域だということです。

次に、給与レンジの幅が広がっています。同じ地域・同じ職種でも、下は年収300万円台から、上は450万円を超えるものまで並びます。この幅が意味するのは、探し方次第で結果が変わるということです。今の職場の給与が世の中の標準だと思い込まないでください。

そして、求人票の書き方にも差があります。仕事内容が数行で終わっている求人と、1日の流れや教育体制まで丁寧に書いてある求人。後者のほうが、入職後に「話が違う」となりにくい傾向があります。書けるということは、整理されているということですから。

収入の話は、どうしても焦りを生みます。でも、焦って決めた転職ほど続きません。まずは今の年収を正確に把握して、動かせるレバーを1つずつ確認する。その順番で進めれば大丈夫です。

よくある質問

Q. 准看護師の平均年収はどのくらいですか?

公的統計をもとにした解説では、平均年収は約427.5万円(月収30.3万円、賞与63.6万円)と整理されています。ただしこれは全年齢・全勤務形態を混ぜた値です。夜勤の有無や施設の種類で大きく変わるので、比べるときは同じ年齢帯・同じ勤務形態の人と比較してください。

Q. 正看護師との年収差はどのくらいありますか?

一般に年間50万円から100万円程度と言われます。差の原因は3つで、資格ごとに基本給のテーブルが分かれていること、役職の要件が正看護師に限られる職場が多いこと、認定看護師などの上位資格に進みにくいことです。原因が明確なので、どこに手を打つかも決めやすくなります。

Q. 進学して正看護師になる費用はどのくらいかかりますか?

学校の設置主体によって幅が大きく、2年間の総額で50万円程度から300万円程度まで開きがあります。都道府県の看護師等修学資金の貸与制度や教育訓練給付の対象講座もありますが、2026年8月時点の運用は自治体や年度で異なるため、各校の募集要項と自治体の案内で必ず確認してください。

Q. 収入を上げるのに、いちばん即効性があるのはどれですか?

勤務先の種類を変えることです。同じ資格でも施設の種別によって給与水準がはっきり違い、夜勤の有無を含めると年間で数十万円の差が出ます。ただし比べるときは年収だけでなく、1時間あたりの収入と拘束時間の2つで見てください。年収が高くても時給換算で負けている場合があります。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年6月7日最終更新:2026年8月31日
中西 直美

この記事を書いた人

中西 直美@SOHO編集部

産業カウンセラー・キャリアコンサルタント

大手人材会社でキャリアカウンセラーとして15年間従事した後、フリーランスの産業カウンセラーとして独立。在宅ワーカーのメンタルヘルスケアを専門に活動しています。

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