ホームページ制作で月にいくら残るかは修正対応にかけた時間で決まる

朝比奈 蒼
朝比奈 蒼
ホームページ制作で月にいくら残るかは修正対応にかけた時間で決まる

この記事のポイント

  • ホームページ制作でいくら稼げるかは
  • 案件単価だけでなく修正対応にかかる時間で大きく変わります
  • 相場感と収支の考え方を客観的なデータをもとに整理します

ホームページ制作、いくら稼げるのか。結論から言うと、案件単価だけを見ていては答えは出ません。同じ10万円の案件でも、修正対応に何時間かかるかで手取りの実感はまったく違うものになります。この記事では、単価の相場だけでなく、実際に「月にいくら残るか」を左右する要素を分解して整理します。

ホームページ制作でいくら稼げるかを検索する人の実態

この検索をする人の多くは、すでにある程度Webサイト制作に関する知識を持っているか、これから学ぼうとしている段階にいます。副業として始めたいのか、本業として独立を検討しているのかによって、期待する金額感も変わってきますが、共通しているのは「実際に手を動かした時にどれくらいの収入になるのか、具体的なイメージが持てていない」という点です。

正直なところ、Web上には「月30万円稼げる」といった威勢の良い言葉が並んでいますが、これは何を根拠にしているのか曖昧なケースが多く、鵜呑みにするのは危険です。

ウェブ制作で月30万、と聞いて、プロの制作者なら必ず浮かぶ疑問が「それはランニングコストを考慮しているのか」「純粋なウェブ制作だけの売上なのか」です。 出典: note.com

この指摘は非常に的確です。売上として表示される金額と、実際に手元に残る金額の間には、経費や税金、そして何より「時間あたりの対価」という視点が抜け落ちていることが多いのです。

ホームページ制作の単価相場をマクロで見る

まず市場全体の相場感を整理します。ホームページ制作の単価は、サイトの規模や機能、依頼主の業種によって大きく幅があります。個人が小規模なサイトを制作する場合の相場は、ページ数や機能によって数万円から数十万円まで広がっています。

それほど経験が長くなくてもできるものとしては、WordPressの既存テーマやノーコードツールを利用したサイト制作です。だいたい10営業日で20〜25万円、収益としてはまずまずです。ただしきちんと特徴・できることの限界・リスクを理解していないと、年単位で後々クレームが来ます。要望を実現できなくて徹夜になってしまうこともあります。またランディングページのときと同様に、WordPressのテーマもまた、何度も使うと飽きられてしまいます。 出典: note.com

この引用から読み取れる重要なポイントは二つあります。一つは「10営業日で20〜25万円」という数字が、決して悪くない水準に見えても、そこに潜在的なクレーム対応やテーマの陳腐化といったリスクが含まれているということ。もう一つは、単価だけを見て仕事を選ぶと、後々の追加対応で採算が崩れる危険があるということです。

フリーランス全体の年収データを見ても、Web制作関連職の年収帯は個人差が非常に大きいことが分かっています。案件数をこなす人と、単価の高い案件を厳選する人とでは、同じ稼働時間でも最終的な手取りが大きく変わってきます。

「いくら稼げるか」を決める最大の変数は修正対応時間

ここが今回、私が最もお伝えしたい論点です。ホームページ制作でいくら稼げるかを決めるのは、案件単価そのものよりも「修正対応にどれだけ時間を取られるか」です。

なぜ修正対応が収支を左右するのか

多くの案件では、見積もり段階で「修正◯回まで無料」という条件を設定します。ところが、この「修正」の定義が曖昧なまま契約してしまうと、際限なく手直しの依頼が続くことになります。たとえば、色味の微調整、文言の入れ替え、レイアウトの変更、写真の差し替えなど、一つひとつは小さな作業でも、積み重なると想定の何倍もの時間を費やすことになります。

同じ10万円の案件でも、修正対応が2回で済むケースと、10回以上に及ぶケースとでは、時間あたりの単価が数倍違ってきます。極端な場合、時給換算すると最低賃金を下回ってしまうケースすら実在します。これは決して珍しい話ではなく、フリーランスのWeb制作者の間ではよく語られる「あるある」の一つです。

修正対応時間を管理する具体的な方法

この問題を避けるためには、契約の段階で修正の範囲と回数を明確にしておくことが欠かせません。具体的には次のような取り決めが有効です。

まず、「軽微な修正(文言・色の調整など)」と「大幅な修正(構成の変更、ページの追加など)」を明確に区別し、後者は追加料金の対象とすることを事前に伝えておきます。次に、修正の回数に上限を設け、それを超える場合は都度見積もりを出す形にします。そして、修正依頼はメールやチャットなど記録が残る形でやり取りし、口頭だけでの追加対応を避けることも重要です。

こうした取り決めを最初から明文化しておくことで、「言った言わない」のトラブルを防ぎ、結果的に時間あたりの収益性を守ることができます。

案件の種類によって変わる収益構造

ホームページ制作といっても、案件の種類によって収益構造は大きく異なります。

一つ目は、企業のコーポレートサイト制作です。ページ数が多く、要件も複雑になりやすい反面、単価も比較的高く設定されることが多い分野です。二つ目は、個人事業主や小規模店舗のサイト制作です。ページ数は少なめですが、発注者側の予算感がシビアなことが多く、単価は抑えめになりがちです。三つ目は、ランディングページ(1ページ完結型の販促サイト)制作です。制作期間が短く済む一方、コピーライティングやデザインの説得力が強く求められる分野です。

進路について専門のキャリアカウンセラーに相談をしたところ、派遣社員という働き方を教えて頂きました。 出典: note.com

いずれの案件タイプを選ぶにしても、「単価×案件数」だけでなく「単価÷実働時間」で考える視点を持つことが、収支を安定させる鍵になります。個人的には、まず一つの分野に絞って実績を積み、その分野での相場観と作業時間の見積もり精度を高めていく方が、結果的に効率よく収入を伸ばせると考えています。

継続案件と単発案件、どちらが「稼げる」のか

正直なところ、これはどちらが優れているという単純な話ではありません。単発案件は、案件ごとに営業活動が必要になるため、稼働時間に対する営業コストが高くなりがちです。一方、継続案件(保守・更新業務など)は、一度信頼関係を築ければ、安定した収入源になりやすいという特徴があります。

継続案件を獲得するためには、最初の1案件で「この人になら次も頼める」という印象を残すことが重要です。納品後のちょっとした確認対応や、次の相談への丁寧な返信が、次の依頼につながるケースは非常に多く見られます。単発の高単価案件を追いかけるよりも、中単価でも継続してもらえる関係を複数持つ方が、月々の収入の波を抑えやすくなります。

案件の探し方や進め方については、アプリケーション開発のお仕事AI・マーケティング・セキュリティのお仕事のガイドでも、周辺分野の案件相場や進め方が整理されているので、あわせて参考にしてみてください。

手数料と税金を差し引いた「本当の手取り」

案件単価がそのまま手取りになるわけではありません。クラウドソーシングサービスを経由する場合、報酬から16.5〜20%程度の手数料が差し引かれるのが一般的です。仮に年間100万円の売上があったとすると、手数料だけで16万円から20万円が消える計算になります。これは決して小さな金額ではありません。

これに加えて、確定申告が必要になる所得水準に達した場合は、所得税や住民税、場合によっては個人事業税の負担も発生します。税務上の取り扱いや申告の要否については、所得の状況によって異なるため、税務署や自治体の窓口に相談しながら、自分の状況に合った対応を確認することをおすすめします。

こうした手数料や税金の存在を踏まえると、「案件単価」だけを見て収入をイメージするのは危険だということが分かります。手取りベースでどれだけ残るかを常に意識することが、長く続けるための現実的な視点です。

スキルレベル別に見る現実的な収入イメージ

「いくら稼げるか」を具体的にイメージするために、スキルレベルごとの収入の目安を整理してみます。ただし、これはあくまで市場でよく語られる相場の目安であり、個人の実力や営業力によって大きく変動する点にご留意ください。

学習を始めたばかりで、実案件をまだ受けていない段階では、まずは低単価でも実績を積むことを優先する人が多い時期です。この段階では月数万円程度の収入から始まるケースが一般的で、収入額よりも「案件をやり切る経験値」を積むことに価値があります。

数件の実績を積み、ポートフォリオが整ってきた段階になると、単価交渉の材料が増え、月あたりの案件数や単価も徐々に上がっていきます。この時期に多くの人がつまずくのが、先述した修正対応の時間管理です。案件数が増えるほど、修正対応にかかる時間の総量も増えるため、案件ごとの収支を丁寧に記録しておくことが重要になります。

継続案件を複数持つようになると、月々の収入の波が小さくなり、安定した収入源として成立してきます。この段階に到達するまでの期間は個人差が大きいですが、地道な実績の積み上げと、修正対応の適正化を両輪で進めることが近道です。

見積もりの立て方で収益性は大きく変わる

案件を受注する際の見積もりの立て方も、最終的な手取りに直結する重要なポイントです。多くの未経験者やフリーランス初心者が陥りがちなのが、「相手に安く見せたい」という気持ちから、作業時間を過小に見積もってしまうことです。

見積もりを立てる際は、制作作業そのものの時間だけでなく、ヒアリング、構成案の作成、修正対応、公開後の動作確認といった付随作業の時間もすべて含めて計算する必要があります。これらの付随作業は、実際の制作作業と同じかそれ以上の時間を要することも珍しくありません。

具体的な見積もりの立て方としては、まず「制作にかかる想定時間」を算出し、それに「修正対応で発生しうる時間」を上乗せしたうえで、自分の希望する時給換算額を掛け合わせる方法が現実的です。この計算を怠ると、案件を受けた時点では利益が出ているように見えても、実際に作業を終えてみると想定より手元に残る金額が少なかった、という事態を招きやすくなります。

案件を選ぶ際に確認すべきチェックポイント

「いくら稼げるか」を実際にコントロールするためには、案件を受ける前の見極めが欠かせません。案件を選ぶ際に確認しておきたいポイントを整理します。

一つ目は、要件がどこまで具体的に固まっているかです。要件が曖昧なまま進める案件ほど、後から仕様変更や追加要望が発生しやすく、結果的に作業時間が膨らみます。二つ目は、発注者側が過去にWebサイト制作を発注した経験があるかどうかです。初めての発注の場合、修正の範囲や納期についての感覚がすり合っていないことが多く、丁寧な事前説明が必要になります。三つ目は、支払いのタイミングと条件です。着手金の有無や、分割払いの可否を事前に確認しておくことで、未払いのリスクを減らすことができます。

これらのポイントを事前に確認する習慣をつけておくと、案件ごとの収益性のばらつきを抑えることができ、結果的に「月にいくら残るか」の見通しが立てやすくなります。

副業として続ける場合と本業にする場合の違い

「いくら稼げるか」という問いは、副業として続けるのか、本業として独立を目指すのかによっても答えが変わります。

副業として取り組む場合、本業の収入があるという安心感から、単価が多少低くても実績づくりを優先する判断がしやすくなります。一方で、稼働できる時間が限られるため、案件数をこなすことよりも、一件あたりの単価を上げていく方向を意識する方が効率的です。平日の夜や週末に限られた時間で作業する場合、修正対応が長引くと本業への影響も出やすくなるため、契約段階での取り決めがより一層重要になります。

本業として独立を目指す場合は、案件数と単価の両方を安定的に確保する必要が出てきます。この段階では、単発の制作案件だけでなく、公開後の保守・更新業務や、SNS運用などの周辺業務を組み合わせて、月々の収入の波を平準化する工夫が求められます。独立初期は収入が不安定になりやすいため、生活費の何ヶ月分かを事前に貯蓄しておくなど、資金計画を立てておくことも欠かせません。

いずれの場合も、「いくら稼げるか」を単発の案件単価だけで判断せず、月単位・年単位での収支バランスを見ながら、無理のないペースで案件数を増やしていくことが、長く続けるための現実的な戦略です。

よくある収支の誤算パターン

実際の現場で見聞きする「思ったより稼げなかった」という声には、いくつか共通したパターンがあります。

一つ目は、案件数を増やしすぎて修正対応が重なり、結果的にどの案件も丁寧に対応できなくなるパターンです。案件を掛け持ちすること自体は悪いことではありませんが、修正対応のタイミングが重なると、対応の質が落ち、クライアントとの信頼関係にも影響が出かねません。二つ目は、無料相談や見積もり作成に想定以上の時間を費やしてしまうパターンです。案件化しない相談に時間を取られすぎると、実働時間に対する収益性が下がってしまいます。三つ目は、経費の管理を怠り、確定申告の時期になって慌てるパターンです。制作に使うツールの利用料や、通信費などの経費を日頃から記録しておくことで、正確な収支の把握につながります。

これらの誤算パターンは、いずれも「見積もりの甘さ」と「記録の不足」が根本原因になっていることが多いです。案件ごとの作業時間や収支をこまめに記録する習慣をつけることが、長期的に見て最も確実な収益改善策になります。

収益を安定させるための記録の習慣

ここまで見てきたように、ホームページ制作でいくら稼げるかは、案件単価という一つの数字だけでは語れません。収益を安定させるためには、案件ごとの実働時間、修正回数、やり取りにかかった時間を記録する習慣が欠かせません。

具体的には、案件を受注した時点で見積もった時間と、実際にかかった時間を比較する表を簡単なもので構わないので作成しておくことをおすすめします。この記録を数件分蓄積すると、自分がどの工程で時間を見誤りやすいのか、どのタイプの案件が実際には割に合っていないのかが見えてきます。これは感覚的な「稼げている・稼げていない」という印象を、具体的な数字に基づいた判断へと変える作業です。

私自身、編集者として複数のメディアの記事制作に関わってきた中で、感覚だけで収支を判断すると、後から振り返ったときに「なぜこの案件を受けたのか」が分からなくなることを何度も経験しました。数字で記録を残しておくことは、次の案件選びの精度を高める最も地道で確実な方法です。

独自データが示す取引構造の違い

20年この市場を見てきた立場から言えば、長く安定して収入を得ている人ほど、単発の案件単価よりも「一件あたりの実働時間」と「手取りの厚さ」を重視しています。特に、仲介手数料が発生する取引と、発注者と直接やり取りする取引とでは、同じ予算でも受け取れる金額に明確な差が生まれます。

運営者として見てきた限りでは、中間マージンが発生しない直接取引の場合、発注者は同じ予算でより多くの作業を依頼でき、受注者はより厚い手取りを得られるという、双方にとって得になる構造が成立しやすくなります。手数料0%という条件は、単に金額が増えるということ以上に、案件ごとの収支計算をシンプルにし、修正対応にかける時間の見積もりも立てやすくするという副次的なメリットがあります。

「いくら稼げるか」という問いに対する現実的な答えは、案件単価の相場を知ることと同時に、修正対応の範囲を明確にする交渉力、そして手数料や税金を差し引いた後の手取りを常に意識する姿勢の掛け算で決まります。派手な金額の話に惑わされず、自分の作業時間と収支を丁寧に管理することが、結果的に最も確実な「稼ぎ方」だと私は考えています。

比較記事を書く立場として率直に言えば、「いくら稼げるか」という検索キーワードの裏には、多くの場合「今の働き方を変えたい」という漠然とした期待が隠れています。その期待自体は自然なものですが、期待だけで案件を選んでしまうと、修正対応の負担や手数料の存在に後から気づいて失望することになりかねません。稼げる金額の大小よりも、自分がコントロールできる変数(見積もりの精度、修正の取り決め、取引先との関係性)を一つずつ整えていく方が、結果的に納得のいく収入につながります。

案件の掛け持ちを検討する際は、自分の1日・1週間の可処分時間を紙に書き出してみることをおすすめします。制作作業だけでなく、ヒアリングの打ち合わせ、修正対応の連絡確認、請求書の作成といった細かな業務にも時間が取られます。これらを合算した上で、無理なく対応できる案件数を把握しておくことが、結果的に「稼げているはずなのに手元に何も残らない」という状態を防ぐ最も確実な方法です。

ホームページ制作を副業として始める具体的な手順については、ホームページ制作を副業にする方法|営業から納品まで完全解説で詳しく解説しています。また、在宅ワーク全般の進め方や集中力の保ち方については、在宅ワークの集中力アップ|ポモドーロ以外に効く7つのテクニック在宅ワークを未経験から始める方法|必要なスキルと準備【2026年版】もあわせて参考にしてください。

よくある質問

Q. ホームページ制作の単価相場はどのくらいですか?

サイトの規模や機能によって幅がありますが、小規模なサイトで数万円から、企業サイトで数十万円まで様々です。修正対応の範囲によって実質的な収益性が変わる点に注意が必要です。

Q. 修正対応の回数はどう決めればいいですか?

契約時に「軽微な修正」と「大幅な修正」を区別し、無料対応の回数上限を明確にしておくことが有効です。上限を超える修正は追加料金の対象とすることを事前に伝えておきましょう。

Q. クラウドソーシング経由と直接契約でどちらが稼げますか?

クラウドソーシング経由では16.5〜20%程度の手数料が差し引かれることが一般的です。直接契約であれば同じ予算でも手取りが厚くなりやすい傾向があります。

Q. 継続案件と単発案件、どちらを優先すべきですか?

単発案件は営業コストがかかりやすい一方、継続案件は安定収入につながりやすい特徴があります。最初の案件で信頼を得て、継続依頼につなげる意識を持つと収入が安定しやすくなります。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年4月6日最終更新:2026年9月17日
朝比奈 蒼

この記事を書いた人

朝比奈 蒼@SOHO編集部

ITメディア編集者

IT系メディアで編集・ライティングを担当。クラウドソーシング業界の動向やサービス比較など、客観的な視点での記事を執筆しています。

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