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手作り市への出店|申し込みと準備の流れ

@SOHO編集部
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手作り市への出店|申し込みと準備の流れ

この記事のポイント

  • ✓手作り市に出店したい人向けに
  • ✓マルシェやフリマとの違い
  • ✓往復ハガキや先着順など申し込み方式ごとの注意点

手作り市に出店してみたいと思っても、「どこで開かれているのか」「どうやって申し込むのか」「作ったものなら何でも売ってよいのか」が分からず、調べ始めたところで手が止まる人は少なくありません。手作り市は、寺社の境内や公園で毎月決まった日に開かれることが多く、作り手が自分で作った品を自分で売る場です。この記事では、実際に開かれている手作り市の募集要項を読み解きながら、出店先の選び方、申し込みの方式ごとの注意点、出展料とキャンセルの決まり、許可が要る品物、当日の流れ、売上の申告までを、初めての人が順番に進められる形で整理します。

手作り市とは何か:マルシェやフリマとの違い

手作り市とは、作り手本人が、自分で作った品物を、自分のブースで直接売る市のことです。京都の寺社で始まったものが広く知られ、いまでは各地の寺社や公園、商店街で、毎月や隔月など決まった日に開かれています。名前は「手づくり市」「手創り市」「てづくり市」など表記がいろいろありますが、中身の考え方はほぼ共通しています。

似た催しにマルシェとフリーマーケットがあります。違いを先に押さえておくと、募集要項のどこを読めばよいかが分かります。

催し 売るもの 出店者 開かれ方
手作り市 自分で作った品だけ 作り手本人 寺社や公園で毎月の定例が多い
マルシェ 農産物、加工食品、雑貨など幅広い 生産者、店舗、作り手 単発のイベントから定例まで様々
フリーマーケット 家にある不用品、古着など 一般の個人 公園や施設で不定期

手作り市でいちばん大事なのは「自分で作ったものに限る」という決まりです。京都で毎月開かれている百万遍さんの手づくり市・梅小路公園手づくり市の応募要項には、出展できないものが具体的に書かれています。

古着、古本、ハギレ、仕入れ品、不用な贈答物、生き物、家庭用品・骨董などのリサイクル品は出展できません。 手作り品であっても仕入のもの、また委託製造されたものは出展できません。自らがおつくりいただいたものに限らせていただきます。 出典: tedukuri-ichi.com

つまり、家で使わなくなった品を売りたいならフリーマーケット、仕入れた雑貨を並べたいならマルシェや雑貨のイベントが向いていて、手作り市は「作品を見てもらい、買ってもらう場」と考えると選び間違えません。お客さんも作り手と話すことを楽しみに来ているので、作品の材料や作り方を聞かれる機会が多いのも手作り市の特徴です。

手作り市が副業の入り口に選ばれる理由

手作りの作品を売る方法には、minne や Creema のようなハンドメイドの販売サイトもあります。それでも手作り市から始める人が多いのは、出展料が1回数千円で済み、売れても売れなくてもお客さんの反応を直接見られるからです。販売サイトでは、作品ページを見た人がなぜ買わなかったのかは分かりません。手作り市では、手に取って戻した、値札を見て迷った、色違いを探していた、という反応が目の前で起きます。

また、毎月同じ場所で開かれる市に通うと、前回買ってくれた人が友人を連れて戻ってくることがあります。定例で開かれることが、手作り市ならではの強みです。単発のイベントで1回大きく売るより、同じ市に何度も出て顔を覚えてもらうほうが、作品の評判は積み上がりやすくなります。

全国の手作り市の開かれ方と出展料の目安

手作り市は主催者ごとに決まりが大きく違います。いくつかの市の公開されている募集の条件を並べると、違いが見えてきます。

市の例 開催 出展料 申し込み方
百万遍さんの手づくり市(京都) 毎月15日(8月は休み) 1ブース5,000円、学生4,000円 応募フォームか往復ハガキ。応募多数なら抽選・選考
梅小路公園手づくり市(京都) 毎月第1土曜日(1月・5月・8月は休み) 同じ事務局の要項による 前々月に申し込み
お薬師さんの手づくり市 毎月8日(年10回) 全ブース4,000円 先着順でブースを選んで決済

上の表は、各市の公式サイトに2026年10月時点で載っている内容です。同じ「手作り市」でも、抽選で選ばれる市と、先着順で決済した時点で確定する市があります。出展料は1回4,000円から5,000円ほどの市が多く、ここにテントの借り賃や交通費が加わります。

出展料の決まり方にも違いがあります。京都の百万遍さんの手づくり市は、1ブースを1.8m四方の1坪とし、テントを使う場合は2.0m四方までを1坪扱いにしています。テントの大きさが2.1mから2.5mなら出展料は1.5倍、2.6m以上なら2倍です。荷物がテントからはみ出すと、その分もブースの広さとして数えられます。大きなテントを持っている人ほど、出展料が上がる仕組みです。

お薬師さんの手づくり市は2025年4月に募集要項を見直し、出展料をそれまでの平日4,500円・土日祝日5,500円から、開催日を問わず一律4,000円にそろえ、ブース数を74から53に減らしました。手作り市の条件は、このように数年単位で変わります。古い情報をまとめたサイトの数字をそのまま信じず、申し込む前に必ず主催者の最新の募集要項を開いてください。

出店先を探す方法

出店先を探すときは、次の順で当たると効率よく見つかります。

  1. 住んでいる地域名と「手作り市」「クラフトフェア」で検索し、主催者の公式サイトを開く
  2. 市の公式 Instagram や Facebook を見て、最近の開催の様子と出展者の作品の傾向を確かめる
  3. 近くの市に一度お客さんとして行き、客層、通路の広さ、ブースの作り方を見る
  4. 募集要項を読み、申し込み時期と出展料、出展できない品物を確かめる

お客さんとして下見に行くことは、遠回りに見えていちばん確実な準備です。作品の価格帯が自分と合っているか、同じ種類の作品を出している人がどれくらいいるかは、行ってみないと分かりません。アクセサリーが多い市にアクセサリーで出ると比べられやすく、陶器や木工が多い市に布小物で出ると目立ちやすい、といった違いもあります。

申し込みの方式は3つ:抽選・選考、先着順、審査

手作り市の申し込みには、大きく分けて3つの方式があります。方式によって準備の仕方が変わるので、最初に見分けておきます。

抽選・選考の市

応募が多い市では、締め切りまでに集まった応募から抽選や選考で出展者を決めます。百万遍さんの手づくり市では、応募フォームの受付期間が毎月20日から25日と決まっていて、往復ハガキでも申し込めます。ハガキの場合は、名前とフリガナ、住所、当日連絡の取れる電話番号、出展品の詳しい説明、屋号、希望会場、ブース数を書いて、前月か前々月の20日から25日に届くように送ります。許可・不許可の返事は月末に投函され、月初めの7日までに届かなければ事務局に確認するよう案内されています。

抽選・選考の市で大切なのは、出展品の説明を具体的に書くことです。「アクセサリー」とだけ書くより、「真鍮と天然石を使ったピアスとイヤリング。すべて手作業で加工」のように、材料と作り方が伝わる書き方のほうが、市の趣旨に合っていると判断されやすくなります。市の主旨に合わない場合は出展を断ると要項に明記している市もあるので、「自分で作っていること」が伝わる説明にします。

先着順の市

先着順の市では、受付が始まった時点で希望のブースを選び、出展料を払った人から確定します。お薬師さんの手づくり市は、毎月9日の9時から翌月5日までを受付期間とし、ブースを選んで決済した時点で出展が確定します。前回と同じブースは選べないという決まりもあります。初めて出る人は、先に情報の登録を済ませてからブースを買う手順です。

先着順の市は、受付開始の日時を逃すと良いブースが埋まります。受付開始の日時をカレンダーに登録し、決済の方法を事前に確かめておくと、当日あわてずに済みます。

作品の審査がある市

クラフトフェアと呼ばれる規模の大きい催しでは、作品の写真を送って審査を受ける方式がよく使われます。審査がある市では、写真の出来が結果を大きく左右します。自然光で、作品だけが写る背景で、全体と細部の両方を撮って送ると、作品の質が伝わります。審査のある市は出展料が高めで、申し込みから開催まで数か月かかることもあるので、手作り市に何度か出て慣れてから挑戦する人が多い催しです。

出展料のほかにかかる費用とキャンセルの決まり

出展を決める前に、出展料以外にかかる費用と、休むときの決まりを確かめます。ここを見落とすと、当日売れても手元にほとんど残らないことがあります。

出展料以外にかかるもの

主な費用は次のとおりです。

  • テントや机、椅子などの道具。借りられる市と、自分で用意する市がある
  • 会場までの交通費と駐車場代
  • 包装の材料、値札、ショップカード
  • 作品の材料費

京都の手づくり市では、事務局が2m以下のテントを1張2,000円で貸し出しています(事前の申し込みが必要で、数に限りがあります)。机や椅子は貸し出しがなく、百万遍の会場ではレンタル業者から借りられると案内されています。会場の電源は使えないので、電気が要る照明やレジ機器は、発電機ではなく静かな携帯用の電源を用意するよう求められています。

駐車場にも注意が要ります。百万遍の会場では、お寺に来るお客さんの駐車場を確保するため、出展者は境内のコインパーキングを使えません。近くの一般の駐車場を自分で探す必要があります。車で行く人は、駐車場代を費用に入れて計算します。

赤字にならない売上の線を出す

1回の出展でかかる費用を合計すると、出展料4,000円から5,000円に、駐車場代と交通費、包装材が加わり、7,000円から1万円程度になることがよくあります。材料費が売値の3割の作品なら、費用を回収するには、その費用を0.7で割った額の売上が要ります。費用が7,000円なら、売上がおよそ1万円を超えて、ようやく赤字を抜ける計算です。

この線を出しておくと、作品の数と値付けを決めやすくなります。1点1,500円の作品なら7点前後売れて費用を回収できる、と分かれば、当日に並べる点数の目安も立ちます。初回は赤字でも、お客さんの反応を集める回と割り切る考え方もありますが、何回続けても赤字なら、値付けか出店先のどちらかを見直す合図です。

欠席するときのキャンセル料

抽選で出展許可を受けたのに休むと、キャンセル料がかかる市があります。百万遍さんの手づくり市では、許可を受けた人が欠席すると4,000円のキャンセル料がかかり、取り消しの連絡は開催月の前月末までに入れる決まりです。主催者が悪天候で中止を決めた場合はキャンセル料の対象になりませんが、雨天でも原則開催で、当日の急な天候の変化による中止では出展料を払い戻さないと書かれています。

屋外の手作り市は、雨が降っても開かれるのが基本です。雨の日の備えを持たずに申し込むと、当日に作品を濡らして売り物にならなくなります。テントの横幕、作品を覆う透明なシート、タオルは、雨予報でなくても持っていくと安心です。

許可や届出が要る品物を先に確かめる

手作り市に出す品物の多くは雑貨で、特別な許可は要りません。ただし、食べ物、肌に使う物、植物や野菜には、法律や市の決まりで条件がかかります。作ってから知ると申し込み自体ができないので、作り始める前に確かめます。

焼き菓子や飲み物などの食品

食べ物を売るには、食品衛生法にもとづく営業許可が必要です。営業許可とは、食品を作ったり売ったりする施設が衛生の基準を満たしていると、保健所が認めたことを示す許可のことです。家庭の台所は、そのままでは許可を受けられないのが一般的で、許可を受けた施設を借りて作る人が多くいます。厚生労働省は2021年6月に営業許可の業種を見直し、許可が要らない業種には届出の制度を設けました。

実態に応じた営業許可業種への見直しや、営業許可業種以外の事業者の届出制度の創設を行いました。 出典: mhlw.go.jp

手作り市の側でも、食品にはさらに細かい決まりがあります。京都の手づくり市では、保健所が出した製造許可証の写しと、名称・原材料名とアレルギー表示・内容量・賞味期限や消費期限・保存方法・製造者・電話番号を書いた表示ラベルの見本を、初回の申し込み時に出すよう求めています。ご飯類やお弁当、お惣菜、要冷蔵の食品、サンドイッチなどの調理パン、その場での調理は出せません。飲み物を出すには、製造の許可に加えて露店営業の許可も必要です。

どの業種の許可が要るか、どの施設なら許可が出るかは、作る品と自治体によって変わります。食品で出展を考えている人は、作る場所を決める前に、地域の保健所に相談してください。

石けん、アロマ、バスソルトなど肌に使う物

手作りの石けんは、体を洗う目的で売ると、医薬品医療機器等法でいう化粧品にあたります。神奈川県は、手作り石けんの扱いについて次のように注意を呼びかけています。

身体を清浄にすることを目的とする石けんを製造して販売する場合には、化粧品製造業と化粧品製造販売業の許可を取得する必要があります。 無許可で製造された石けんを販売することも禁止されています。 出典: pref.kanagawa.jp

化粧品の許可は個人が副業で取るには設備と人の条件が重く、手作り市に石けんを出している人の多くは、許可を持つ製造所に作ってもらうか、体に使わない雑貨として作っています。ただし、雑貨として売っても、説明の仕方や使い方によっては化粧品とみなされることがあります。肌に触れる物を出したいときは、都道府県の薬務の担当課に相談してから決めてください。

植物、野菜、キャラクターの入った作品

植物も注意が要ります。京都の手づくり市では、仕入れたままの植物は売れません。自分で育てた植物や、寄せ植えなど手を加えたものかどうかが問われます。野菜や果物、キノコは、出展者本人とその親族(三親等まで)が作ったものに限られ、当日に販売責任者の届けを出す決まりです。

キャラクターやブランドのロゴが入った作品は、手作りであっても、権利を持つ会社の許可なく売ってよいとは言えません。好きなアニメの柄の生地を使った小物や、有名ブランドのロゴをまねたアクセサリーは、市の側で出展を断ることもあります。自分で考えた図案で作るのが、いちばん安全です。

申し込みから当日までの準備の流れ

申し込みが済んだら、開催日までに準備を進めます。初めての出展なら、1か月前から逆算して進めると間に合います。

  1. 1か月前:出展品の点数と価格帯を決め、作り始める
  2. 3週間前:テントや机の手配、借りる場合は事務局に予約
  3. 2週間前:値札、ショップカード、屋号の看板を作る
  4. 1週間前:家でブースを組んで並べ方を試し、写真に撮る
  5. 前日:搬入の時間と駐車場、天気を確かめ、荷物を車に積む

出展品の点数と価格帯

初回は、作品の種類を絞り込みすぎず、価格帯に幅を持たせると売れ方の傾向がつかめます。気軽に手に取れる1,000円前後の小物と、作品の世界観が伝わる3,000円以上の品を両方並べると、立ち止まった人がまず小物を手に取り、そこから他の作品を見てくれる流れができます。点数は机の上が寂しく見えない程度が目安で、売り切れより売れ残りのほうが次に生かせる情報が多く残ります。

屋号の看板とショップカード

手作り市では、屋号を書いた出展プレートを掲げるよう求める市が多くあります。京都の手づくり市では、受付で受け取った領収書を出展プレートに挟み、お客さんから見える位置に出す決まりです。屋号は覚えやすく、検索したときに自分の Instagram が出てくる名前にすると、市の後にお客さんが見つけてくれます。

ショップカードには、屋号、SNS のアカウント、次に出る市の予定を書きます。手作り市では「次はいつ出ますか」と聞かれることが多いので、予定を書いたカードがそのまま次の来店のきっかけになります。

ブースを家で組んでみる

当日いきなりブースを組むと、机が足りない、作品が並びきらない、テントの重りを忘れた、といった問題が起きます。開催の1週間前に、家の床や庭で実際の広さ(1.8m四方など)を測ってテープで囲み、机と作品を並べてみます。並べた様子を写真に撮って見ると、目線の高さに何もない、値札が見えない、といった弱点に気づけます。高さのある棚や箱を使って、奥の作品を持ち上げると、通路から全体が見渡せるブースになります。

当日の流れ:搬入から搬出まで

手作り市の当日は、朝が早いのが特徴です。京都の百万遍さんの手づくり市を例に、当日の流れを見ていきます。

時刻 やること
午前4時30分から 会場への入場と、荷物の仮置きの搬入ができる
午前6時 場所が固定されていない人は、合図の後に出展場所を確保
午前7時 受付が始まり、出展料を納める
午前7時30分 搬入の車の進入はここまで
午前8時 販売開始
午後4時 販売終了。ここまでは退場不可
午後4時30分から 整理券に従って搬出の車が入場

この市には、午前6時の車の搬入より前に荷物だけを降ろし、車を早く周辺の駐車場に移したい人のための仮搬入の仕組みがあります。車は会場の近くに長く止められないため、荷物を先に降ろしてから駐車場に移動する流れが基本になります。

場所取りと設営

2026年1月から、百万遍の会場では長く出展している人に固定の場所を割り当てる仕組みが始まりました。初めての人や固定の場所がない人は、前日に公式 LINE で届く地図で空き場所を確かめ、当日の午前6時の合図の後に場所を決めます。事務局は、会場に入りきる数で出展を許可しているので場所がなくなることはない、と案内しています。早朝に慌てて場所を取りに行くより、地図を見て候補をいくつか決めておくと落ち着いて設営できます。

設営では、テントを立てて重りを付け、机を並べ、作品を出す順に進めます。屋外の市では、風でテントが飛ばされる事故がいちばん怖いので、重りは必ず付けます。水を入れて重りにするタンクを使う人もいて、京都の会場では水道を重り用の水に使えます。

販売中の過ごし方

販売中は、ずっと座って下を向いているより、立って作業をしているほうがお客さんが近づきやすくなります。作品の仕上げや包装の準備をしながら、目が合ったら「材料は真鍮です」「すべて手で叩いて形を作っています」と、作品の話を一言添えると会話が始まります。手作り市のお客さんは作り手の話を聞きに来ているので、押し売りではなく作品の説明をするつもりで話すと、自然に受け入れられます。

お昼の時間や手洗いに行くときのために、隣の出展者に一声かけておくか、共同出展者と交代できるようにしておきます。京都の手づくり市では、応募の時に共同出展者として申請して許可を受けた人なら、当日に代わりに販売できます。申請していない人に店番を頼むことはできない市もあるので、要項を確かめておきます。

片付けと搬出

販売は午後4時までで、それより前の退場はできません。売り切れても、テントと机は午後4時まで残しておく決まりです。体調不良など、やむを得ず途中で退場するときは、必ず本部のスタッフに伝えて指示を受けます。搬出の車は、受付で配られる整理券の順に入場します。早く帰りたいからと会場前の道路に車を止めて荷物を積むのは禁止されています。

会計の方法と売上の記録

手作り市の会計は、現金が中心で、キャッシュレス決済を併用する出展者が増えています。現金だけにすると、手持ちが少ないお客さんを逃すことがあり、キャッシュレスだけにすると、年配のお客さんや電波の悪い場所で困ることがあります。両方を用意しておくのが無難です。

現金の釣り銭は、作品の価格に合わせて用意します。1,500円や2,500円の作品が多いなら、500円玉と1,000円札を多めに持っていきます。価格を1,000円単位や500円単位にそろえておくと、釣り銭の準備が楽になり、会計も早くなります。

その日のうちに売上を記録する

売上は、その日のうちに記録します。記録する項目は、日付、市の名前、作品ごとの売れた数と金額、かかった費用(出展料、交通費、駐車場代、材料費)です。手書きのノートでも、表計算ソフトでも構いません。どの作品が何点売れたかを残しておくと、次の市に向けて作る作品の配分を決められます。

レシートや領収書は、市ごとに封筒に分けて保管します。出展料の領収書は、京都の手づくり市のように受付で受け取れる市が多いので、なくさないようにします。後で税金の申告をするときに、費用の根拠になります。

手作り市の売上と税金の申告

手作り市での売上は、作品を作って売っているので、所得税の対象になります。所得とは、売上からその売上を得るためにかかった費用を差し引いた、もうけのことです。会社員の場合、会社の年末調整で所得税の計算が終わりますが、副業の所得が一定の額を超えると、自分で確定申告をする必要があります。国税庁は、給与所得者の副収入について次のように説明しています。

年末調整が済んでいる給与所得者であっても、その給与所得以外に副収入等によって20万円を超える所得を得ている場合には、確定申告をすれば税金が還付される人を除いて、確定申告が必要となります 出典: nta.go.jp

この20万円は売上ではなく、売上から費用を引いた所得で判定します。出展料、交通費、材料費、包装材などは費用に入ります。たとえば年間の売上が30万円でも、費用が15万円なら所得は15万円で、所得税の確定申告は要りません。ただし、20万円以下でも住民税の申告は必要です。住民税とは、住んでいる市区町村に納める税金のことで、所得税の確定申告をしない場合は、市区町村に別に申告します。

手作り市での販売が、一般に雑所得として扱われるのか、事業所得として扱われるのかは、続け方や規模で変わります。開業届を出して本格的に続けるのか、趣味の延長として出るのかで扱いが分かれるので、売上が大きくなってきたら税務署や税理士に相談してください。会社員が確定申告をする必要がある条件の全体は、国税庁の給与所得者で確定申告が必要な人にまとまっています。

主婦(主夫)の人で配偶者の扶養に入っている場合は、手作り市の所得が配偶者控除や健康保険の扶養の判定にかかわることがあります。扶養の判定の基準は税金と健康保険で別々なので、所得が増えてきたら両方を確かめます。

出展を続けて作品を育てる

手作り市は、1回出て終わりにするより、続けて出ることで価値が上がる場です。続けるために、毎回の振り返りと次の出店先の選び方を決めておきます。

毎回の振り返りで見るところ

振り返りでは、売上の金額より、次の3つを見ます。

  • 立ち止まった人が最初に手に取った作品は何だったか
  • 手に取ったのに買わなかった作品は何で、その理由は何だったか
  • 「ほかの色はありますか」「次はいつ出ますか」など、聞かれたこと

手に取ったのに戻した作品は、値段か、大きさか、色のどこかに理由があります。聞かれたことの中には、次に作るべき作品の答えが入っています。2回、3回と同じ市に出ると、季節による売れ方の違いも見えてきます。

同じ市に通うか、別の市に出るか

同じ市に毎回出ると、常連のお客さんがつき、売上が安定しやすくなります。一方で、同じお客さんばかりになると新しい作品を出さないと飽きられます。年に数回は別の地域の市や、規模の大きいクラフトフェアに出て、新しいお客さんの反応を確かめると、作品の幅を広げるきっかけになります。

手作り市から仕事につなげる

手作り市で作品の評判ができると、店舗の委託販売や、ネットショップでの販売、ワークショップの講師などに声がかかることがあります。作品の写真をきれいに撮って SNS に載せ続けている人ほど、こうした声がかかりやすくなります。デザインの力を仕事にしたい人は、デザイナーの年収・単価相場で、デザインの仕事の報酬の幅を見ておくと、作品づくりの経験をどんな仕事に生かせるかが見えてきます。

ネットでの販売や告知を始めると、自宅の通信環境が作業の効率を左右します。写真のアップロードやオンラインでのやり取りが増える人は、在宅ワークに最適なネット回線|光回線vsホームルーターの選び方で、回線の選び方を確かめておくと安心です。

運営者として見てきた、続く作り手の共通点

在宅ワークとフリーランスの仲介を20年以上続けてきた運営者として見てきた限りでは、手作り市やハンドメイドの販売を長く続けている人には、共通する進め方があります。それは、売上の大きさより、お客さんとの関係を積み上げることに時間を使っている点です。作品を買ってくれた人の顔と好みを覚え、次の市で「前回のピアスの色違いを作りました」と声をかけられる人は、少ない来場者の市でも安定して売れています。

もう1つは、自分で値段を決め、その値段に責任を持つ姿勢です。手作り市は、間に入る業者がいない直接の取引の場です。売値がそのまま作り手の手取りになる分、作品の質と値段の釣り合いを、お客さんの反応から自分で判断し続ける必要があります。中間の手数料が乗らない取引は、お客さんは同じ予算で質の良い作品を買え、作り手は手取りが厚くなる、双方にとって得のある形です。この構造は、仕事の受発注でも同じで、直接取引を選べる場で実力をつけた人は、手作り市の外でも仕事を広げていきます。

作品を売る経験は、ほかの在宅の仕事にも生きます。お客さんの反応から改善点を見つける力、商品の説明を短く分かりやすく書く力、値付けを考える力は、ネットショップの運営や商品紹介の文章を書く仕事にもそのまま使えます。説明文や案内文の書き方を基礎から身につけたい人は、ビジネス文書検定の内容を見ておくと、ショップカードや作品説明の書き方を整える参考になります。手作り市への出店は、最初の1回は小さな挑戦ですが、続けることで作品と仕事の両方を育てる場になります。

よくある質問

Q. 手作り市の出展料はいくらくらいですか?

公開されている募集要項を見ると、1回1ブースあたり4,000円から5,000円ほどの市が多く、学生の割引を設けている市もあります。テントの大きさで出展料が変わる市や、テントの貸し出しに別料金がかかる市もあるので、申し込む前に主催者の最新の募集要項を確かめてください。交通費や駐車場代も合わせて費用を見積もると安心です。

Q. 仕入れた材料を組み合わせた作品も出展できますか?

材料を仕入れて自分で加工し、組み立てた作品は、多くの市で手作り品として扱われます。一方で、完成品を仕入れてそのまま売る、袋詰めし直すだけ、ほかの人に作ってもらう、といった形は出展できない市がほとんどです。判断に迷うときは、申し込みの前に事務局に作り方を伝えて確認してください。

Q. 手作りのお菓子を手作り市で売るには何が必要ですか?

食品を売るには、保健所の営業許可を受けた施設で作る必要があり、家庭の台所でそのまま作ったお菓子は売れないのが一般的です。市によっては許可証の写しや表示ラベルの見本の提出も求められます。必要な許可は品目と地域で変わるので、作る場所を決める前に地域の保健所に相談してください。

Q. 手作り市の売上は確定申告が必要ですか?

会社員の場合、副業の所得が年間20万円を超えると、原則として所得税の確定申告が必要です。所得は売上から材料費や出展料などの費用を引いた額で判定します。20万円以下でも住民税の申告は必要なので、売上と費用の記録を残しておき、詳しい扱いは税務署や市区町村の窓口で確認してください。

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年10月25日最終更新:2026年10月26日
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