Canvaで作ったデザインの販売|使える素材の範囲と出品先の選び方


この記事のポイント
- ✓Canvaでデザイン販売を始める前に
- ✓コンテンツライセンス契約が許している範囲と禁じている範囲を条文どおりに整理し
- ✓無料素材だけで組む設計
Canvaでデザイン販売を始めたいと調べると、「テンプレートを作って売るだけ」という手順の記事と、「規約違反になるからやめたほうがいい」という警告の記事が同じ検索結果に並びます。どちらも間違いではありません。同じ「Canvaで作ったデザインを売る」という行為が、使った素材の種類と売り方の組み合わせで、はっきり許される側と明確に禁じられる側に分かれるからです。
結論を先に書きます。Canvaのコンテンツライセンス契約は、無料素材だけで組んだデザインなら、テンプレートとして第三者に配布したり販売したりすることを明文で認めています。一方で、Pro素材が1つでも混ざった時点で、その用途は使えなくなります。この線をどこで引くかを知らないまま出品すると、売れてから取り下げることになります。この記事では、契約の条文を順番に開いて、何が許され何が禁じられているのかを噛み砕き、そのうえで出品先の選び方と手数料、表示の義務、税金の扱いまでを並べます。
デザイン販売という市場が立ち上がった理由
デザインを売るという発想自体は新しくありません。変わったのは、売る側に求められる設備と技能の量です。かつて名刺やチラシのテンプレートを商品として売るには、デザインソフトの購入、印刷所とのやりとり、そして納品形式の知識が必要でした。いまは無料の編集環境と、クレジットカードを登録すれば開ける販売窓口の2つがそろえば、その日に商品を並べられます。
同時に、買う側も変わりました。個人で店を開く人、教室を開く人、小さな会社の担当者が、デザイナーに発注せずに「自分で少し直せる完成形」を探すようになりました。だから売れているのは完成した1枚の画像ではなく、買った人が文字と写真を差し替えられる状態のテンプレートです。この需要の形が、Canvaというツールの仕組みとよく合っています。
ただし、この市場の入口が広いことには裏側があります。参入が簡単な領域は、規約を読まずに始める人の割合も高くなります。実際に発生している相談のうち、作ったものの質ではなく「使ってよい素材の範囲を勘違いしていた」ことが原因のものは少なくありません。これ、知らない人が本当に多いところです。Canvaのライブラリに入っている写真やイラストは、Canvaが権利を持っているわけではなく、多くは外部の制作者から提供されたものです。だから使い方の条件が細かく分かれていて、その条件は利用者が同意した契約の中に書かれています。
「Canvaでデザイン販売」には3つの型がある
まず、売り方を3つに分けます。適用される条文が違うので、ここを混ぜたまま考えると話が進みません。
1つめは、テンプレートリンクを売る型です。Canvaで作ったデザインの編集用リンクを買った人に渡し、買った人はそれを自分のCanvaアカウントで複製して文字や写真を差し替えます。商品として渡すのはリンクとデータで、印刷物ではありません。
2つめは、書き出した完成物を売る型です。PDFやPNG、JPEGとして書き出したファイル、あるいは印刷した紙そのものを商品にします。ポスター、ステッカー、招待状、名入れのカードなどが当たります。
3つめは、受託して作る型です。依頼された内容に沿ってデザインを作り、完成物をその依頼者に納品します。商品を並べて待つのではなく、案件ごとに対価を受け取る形です。
この3つは、契約上の扱いがきれいに分かれます。2つめと3つめは、契約が最初から広く認めている用途です。契約の許諾範囲を定めた条項には、招待状、広告や販促の制作物、商品パッケージ、プレゼンテーション、カタログ、パンフレット、そして「販促または再販のためのグリーティングカードやポストカード」が、複製数の上限なしで並んでいます。書籍や雑誌、ウェブページやブログ、電子書籍、動画も含まれます。つまり、Canvaで作った完成物を売ることは、原則として認められています。
問題になるのは1つめ、テンプレートを商品として渡す型です。ここだけ、使った素材の種類で結論が変わります。
コンテンツライセンス契約の構造を押さえる
Canvaのライブラリにある素材は、契約上4つのカテゴリーに分かれています。制限の強い順に、Education Content(教育向け素材)、Branded Content(ブランド提供素材)、Pro Content(有料素材)、Free Content(無料素材)です。
重要なのは、1つのデザインに複数のカテゴリーの素材が入った場合の扱いです。契約は「最も制限の強いカテゴリーの条件がデザイン全体に適用される」と定めています。つまり、無料素材を19個、Pro素材を1個使ったデザインは、全体がPro素材の条件で縛られます。デザインの中で「この部分だけ無料素材だから自由」という切り分けはできません。
素材がどのカテゴリーに属するかは、編集画面で確かめられます。素材パネルで対象にカーソルを合わせ、右上の点が3つ並んだ印から素材の出所情報を開くと、Free Content なのか Pro Content なのか、CC0やパブリックドメインなのか、Branded Content なのかが表示されます。売るためのデザインを作るなら、この確認を素材を入れるたびに行う習慣が要ります。
Pro素材の扱いも押さえます。Pro Content のライセンスは「One Design Use License」と呼ばれ、1つのデザインについて1つのライセンスが発行されます。同じ素材を別のデザインで使いたいときは、そのたびに新しいライセンスが必要です。サブスクリプションに加入していれば、その素材を含む新しいデザインを書き出すたびに自動で新しいライセンスが発行されます。加えて、Pro素材を単体でコピーしたりダウンロードしたり配布したりすることは認められていません。
オンライン出版物でPro素材を使うときは、解像度にも条件があります。未編集のまま使う場合、1つの素材ファイルあたり合計480,000ピクセルまで(例えば600ピクセル×800ピクセル)という上限が設けられています。ただし、Canvaのウェブサイト公開機能で公開したサイト上、またはCanvaが提供する形で第三者サイトに埋め込んだデザインでは、このピクセル上限は適用されないと明記されています。
無料素材だけで組めば、テンプレート販売の道が開く
ここが、テンプレートを売りたい人にとって決定的な条項です。契約には、無料素材だけに認められる追加の用途がまとめられています。原文はこう書かれています。
you can use it in the following additional ways: Use the Free Content in more than one Canva Design without obtaining an additional license; Download the Free Content on a standalone basis; and Use the Free Content in templates for websites, social networking websites, documents, projects or otherwise for distribution and/or sale to third parties; Use the Free Content in design template applications intended for resale, whether online or not, including, without limitation, website templates, Flash templates, business card templates, electronic greeting card templates, and brochure design templates; and Install and use the Free Content in more than one location or post a copy of the content on a network server or web server for use by people employed by or performing services for you. If your Canva Design contains any Pro Content, you can’t use it for these purposes. 出典: canva.com
つまり、無料素材については次の4つが追加で認められています。追加のライセンスを取らずに複数のデザインで使い回すこと、素材を単体でダウンロードすること、ウェブサイトやSNS、文書、プロジェクト向けのテンプレートに使って第三者へ配布または販売すること、そして再販を目的としたデザインテンプレートに使うこと。再販目的の例として、ウェブサイトのテンプレート、名刺のテンプレート、電子グリーティングカードのテンプレート、パンフレットのデザインテンプレートが具体的に挙げられています。
そして最後の1文が要です。デザインにPro素材が含まれていると、これらの用途には使えません。
したがって、テンプレート販売を安全側で組み立てる手順はこうなります。第1に、新しいデザインを開いたら、素材はすべて無料素材から選ぶか、自分で作ったものだけを使います。第2に、素材を入れるたびに出所情報を開いて Free Content であることを確かめます。第3に、CC0やパブリックドメインと表示されたものは、Canvaの契約ではなくその表示されたライセンスに従う必要があるため、出所の条件を読みます。第4に、Branded Content と表示されたものは商用も販促も禁じられているので外します。第5に、フォントは後述する別の条項で縛られているため、テンプレートの指定フォントには注意します。
素材選びを無料に限ると表現の幅が狭くなると感じるかもしれません。ただ、テンプレートという商品で買う側が評価しているのは素材の豪華さではなく、差し替えやすさと版組みの整い方です。写真を差し替える前提の商品なら、そもそも写真はプレースホルダーで足ります。
契約が明確に禁じていること
許される範囲と同じくらい大事なのが、禁じられている範囲です。禁止事項の条項に並んでいるものを、実務で当たりやすい順に日本語で整理します。
第1に、素材そのものをサブライセンス、再販、賃貸、貸与、譲渡、贈与、またはその他の方法で移転したり配布したりすることは禁止されています。クライアントにデザインを渡す場合の例外は別に定められていますが、素材を素材として渡す形は認められません。
第2に、素材を商標、デザインマーク、商号、社名、サービスマークの一部として使うことは禁止です。フォントはこの禁止から除かれています。ロゴをCanvaで作って商標登録を目指す計画がある場合、この条項は直接効いてきます。
第3に、「Editorial Use Only」と表示された素材は、商用、販促、推奨、広告、商品化のいずれの用途にも使えません。この表示は、報道価値のある出来事や一般的関心事に関する素材に付きます。
第4に、著作権表示や商標表示、その他の権利表示を素材やデザインから削除することは禁止です。
第5に、ポストカード、マグカップ、Tシャツ、ポスターといった「オンデマンド商品」の販売や配布を誘引する場や、それに関わる場で、素材を単体で使ったり表示したりすることは禁止されています。ここは注意が必要です。Canvaで作ったデザイン全体をTシャツにして売ることは許諾範囲に入りますが、素材を素材として単体で見せる形は別扱いになります。
第6に、Canvaの事業と競合する形で素材を使うことは禁止されています。条文は具体例として、サムネイルを含むあらゆる形式で素材をダウンロードまたは書き出せる状態でウェブサイトに表示すること、そして素材を販売のために提供することを挙げています。
第7に、報道や論説といったエディトリアル用途で素材を使う場合は、素材の近く、または映像作品のクレジット部分に「©[制作者名]via Canva.com」というクレジットを入れることが求められています。
第8に、購入者が素材を電子ファイルとして取り出したり、アクセスしたり、複製したりできる形の製品に素材を組み込むことは禁止されています。テンプレート販売でPro素材を使えない実質的な理由は、ここにもあります。
第9に、素材を自分が作ったように見せる形での使用や表示は禁止です。素材の所有権や独占的権利を主張する行為も含まれます。
第10に、機械学習や人工知能の目的で素材を使うこと、および個人を識別する技術に使うことは禁止されています。
なお、Pixabay、Pexels、CC0 のライセンスでは、これらのうち一部が許される場合があると条文に注記があります。だから出所情報を開く手間が意味を持ちます。
フォントだけは別の条項で縛られている
フォントには、上記の禁止事項に加えて専用の規定が置かれています。禁じられているのは4つです。適切にライセンスされたCanvaにアクセスしている端末以外にフォントソフトウェアをインストールしたり使用したりすること。Canva上での使用、またはCanvaから書き出したデザインの構成要素としての使用以外の使い方。フォントソフトウェアの改変や変換。そしてフォントソフトウェアのソースコードへのアクセスを目的とする行為です。
実務に落とすと、次のことが言えます。Canvaで使っているフォントを自分のパソコンにインストールして別のソフトで使うことはできません。テンプレート商品の説明に「このフォントをダウンロードしてお使いください」と書いてフォントファイルを同梱することもできません。買った人がCanva上でそのテンプレートを開いて使う形なら、フォントはCanvaの中にあるので問題が起きません。テンプレートリンクという売り方が理にかなっているのは、この点でもあります。
出品先の選び方と、実際にかかる手数料
売る場所を決めるときに見るのは、集客の規模と手数料の2つです。2026年9月時点で公式に掲載されている条件を確認しました。数字は改定されるので、出品前に必ず公式ページを開いてください。
ハンドメイドマーケットのminneは、初期費用と月額費用が0円で、販売手数料が税込10.659%です。対象は作品価格に送料とオプション価格を含めた金額です。サブスクリプションの「minne PLUS」に加入すると手数料が下がり、ライトは月額880円で10.615%、スタンダードは年払い16,500円(税込)で10.505%、アドバンスは年払い33,000円(税込)で10.45%という段階になっています。条件はminneの販売案内ページに掲載されています。
Creemaは出店料と出品料がかからず、成約手数料だけがかかります。公式ヘルプの記載は次のとおりです。
出店や出品に対して、費用はかかりません。成約手数料のみいただきます。1.作品・素材の売買が成立した場合 成約時に決済総額の10.67%(税込)がかかります。2.フードの売買が成立した場合 成約時に決済総額の一律15.4%(税込)がかかります。 出典: help.creema.jp
台湾と香港のサイトで成立した場合は、決済総額の一律21%(税込)に加えて1取引あたり42円の決済手数料(税込)がかかると同じページに書かれています。
自分の店を持つ形ならBASEがあります。スタンダードプランは月額0円で、売れたときだけ決済手数料3.6%+40円とサービス手数料3%がかかります。売上が増えたときのグロースプランは、年払いの場合1か月あたり16,580円(月払いなら1か月あたり19,980円)で、決済手数料2.9%、サービス手数料0円という構成です。決済方法がPayPay、Amazon Pay、PayPalの場合は決済手数料にシステム手数料相当額1%が加算されます。条件はBASEの料金プランのページにあります。
手数料のほかに、見落としやすい費用が2つあります。1つは振込手数料です。売上はいったん運営会社に入り、申請してから自分の口座に移ります。この移すときの手数料は1回ごとにかかるので、少額で何度も引き出すほど目減りします。月に1度まとめて申請する形にすると、この負担が下がります。もう1つは返金や取り消しが起きたときの扱いです。データの商品は返品という概念が合いにくいため、購入者の操作ミスや二重購入への対応方針を、商品説明にあらかじめ書いておくほうが早く片づきます。どちらも公式のヘルプに条件が載っているので、出品前に読んでおいてください。
数字を並べると、手数料率だけで選びたくなります。ただ、テンプレートという商品では、率より「その場に探している人がいるか」のほうが結果を左右します。ハンドメイド市場に来ている人は物を探しているので、データだけの商品は回りにくいことがあります。逆に自分の店を持つ形は手数料が低い代わりに、集客を全部自分で行います。始めるときは複数に並べて、どこに問い合わせが来るかを見てから絞るのが現実的です。
売れない期間を設計に組み込む
出品してすぐ売れることは、まずありません。テンプレート販売を始めた人の記録には、その最初の時期がこう書かれています。
正直に言うと、この1週間で売上はゼロです。でも、「売れなかった=無駄」ではありません。得たものもたくさんあると思っています。・販売までの流れを一通り経験できた・SNS発信の第一歩を踏み出せた・自分のデザインを「商品」として見られるようになったこの3つの変化が、今の私にとって大きな一歩でした。売れなくても、動いたことで確実に見えてきたこともあります。 出典: note.com
この期間をどう使うかで、続くかどうかが分かれます。やることは3つです。第1に、商品の点数を増やします。1点だけ並べた店は検索にも回遊にも乗りません。第2に、商品ページの説明文を整えます。テンプレートという商品で買う側が不安なのは、買ったあと自分で直せるかどうかです。差し替えられる箇所、必要なCanvaのアカウント種別、書き出せる形式を明記します。第3に、同じテンプレートを別のサイズに展開します。SNS投稿用と印刷用では必要な寸法が違うので、同じ版組みから複数の商品が作れます。
作業環境も設計の一部です。テンプレートを書き出したり動画を確認したりする作業は通信量を食うので、回線が細いと作業時間そのものが伸びます。在宅ワークに最適なネット回線|光回線vsホームルーターの選び方で光回線とホームルーターの向き不向きが整理されているので、作業量が増える前に一度見直しておく価値があります。
表示と広告のルール。レビュー依頼は特に注意
商品を売る立場になると、広告の表示にもルールがかかります。購入者にレビューを依頼したり、知人に紹介を頼んだりする場面で効いてきます。
消費者庁は、広告であるにもかかわらず広告であることを隠す表示、いわゆるステルスマーケティングを景品表示法違反としています。同庁のページには、令和5年10月1日からこの規制が適用されていると明記されています。つまり、自分の商品について第三者に投稿を依頼する場合、その投稿が事業者の依頼によるものだと分かる表示が必要になります。報酬が金銭でなく商品の無償提供であっても同じ考え方が当てはまります。
規制の理由も書かれています。消費者は企業による広告や宣伝であれば、ある程度の誇張が含まれているものと考えて商品を選んでいます。広告であることが分からないと、企業ではない第三者の感想だと誤って受け取ってしまい、自主的で合理的な選択ができなくなる。だから広告であることを隠す表示を規制する、という構造です。詳しくは消費者庁のステルスマーケティングに関するページに説明があります。
あわせて、商品説明で断定してはいけない表現も押さえます。「誰でも簡単に作れます」「必ず売上が上がります」といった書き方は、根拠がなければ優良誤認や有利誤認と評価される余地があります。テンプレート商品であれば、何が含まれ、何が含まれないかを事実として書くのが最も安全で、しかも返品や問い合わせが減ります。表示について判断に迷う内容があるときは、消費者庁の窓口や弁護士に相談してください。
税金の扱い。雑所得と事業所得の分かれ目
売上が立ったら、税金の話が出てきます。金額や事情で扱いが変わる部分なので、一般的な整理として読んでください。
国税庁のタックスアンサーNo.1500は、雑所得を「利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得および一時所得のいずれにも当たらない所得」と定義し、例として副業に係る所得を挙げています。デザイン販売の収入は、規模と継続性によって雑所得か事業所得に分かれます。
会社に勤めながら売る場合の申告の線を確認します。国税庁のタックスアンサーNo.1900は、給与を1か所から受けていて全部が源泉徴収の対象である場合、給与所得と退職所得を除く各種の所得金額の合計額が20万円を超える人は確定申告をしなければならないとしています。ここでいう20万円は所得です。売上から素材代、サブスクリプション料、通信費といった必要経費を引いた後の金額で判断します。
帳簿の保存についても条件があります。同じNo.1500によると、業務に係る雑所得がある人で、その年の前々年分の業務に係る雑所得の収入金額が300万円を超える場合は、現金預金取引等関係書類を保存する必要があります。前々年分の収入金額が1,000万円を超える人が確定申告書を提出する場合には、総収入金額や必要経費の内容を記載した書類の添付が必要になります。
もうひとつ知っておきたいのが、雑所得の損失は他の所得と損益通算ができないという点です。初年度に機材やサブスクリプションで支出が先行して赤字になっても、給与から差し引くことはできません。逆に事業所得として認められる規模になれば扱いが変わります。どちらに当たるかは収入の額だけでは決まらず、継続性や記帳の状況も見られます。※この区分は個別の事情で判断が変わるところなので、迷ったら税務署か税理士に確認してください。
販売から受託へ。市場を長く見てきた立場からの観察
在宅で働く人の市場を20年見てきた立場から言えば、デザインを商品として並べる形だけで生活を組み立てている人は、実際にはごく少数です。長く続いている人のほとんどは、テンプレート販売を「自分の作ったものを見せる棚」として使い、収入の中心は受託の仕事に置いています。
理由は単純です。商品を並べる形は、売れる数が自分の努力と直結しません。検索の順位、季節、競合の増減で上下します。一方、受託の仕事は依頼主と条件を決めてから作るので、作った分が収入になります。そして、テンプレートを並べている人には「この人はこういう版組みができる」という証拠が公開されているため、受託の依頼が来やすくなります。並べる側と受ける側が、そういう関係で結びついています。
もうひとつ見てきた傾向があります。続く人ほど、単発の納品ではなく「この人に頼むと楽だ」という関係づくりに時間を使っています。修正の回数を先に決める、納品形式をそろえる、次に使う素材の置き場所を共有しておく。こうした地味な整えが、2回目以降の発注につながります。
金額の面でも、仲介の段が少ないほうが双方に効きます。プラットフォームを通すと売上の1割前後が手数料として引かれますが、依頼主と直接つながる形なら、依頼主は同じ予算でより多く頼めて、受ける側の手取りは厚くなります。手数料0%で直接つながる形の強さは、単価の高さではなく、この「手取りが厚い」という質のほうにあります。法律はあなたの味方ですが、契約の形を決めるのは自分です。
次に何を確かめるか
デザイン販売から仕事の幅を広げるなら、どの分野にどれだけの相場があるのかを先に見ておくと迷いません。文章と組み合わせて売る形なら著述家,記者,編集者の年収・単価相場に水準がまとまっていて、画面やアプリの設計に踏み込むならソフトウェア作成者の年収・単価相場が参考になります。同じ在宅の仕事でも、分野で単価の桁が変わることが分かります。
実際に募集が出ている領域も確認します。企業の業務にAIを組み込む支援は発注が増えており、AIコンサル・業務活用支援のお仕事に仕事の中身と求められる経験が整理されています。広告や販促の側から入るならAI・マーケティング・セキュリティのお仕事が近く、ツールそのものを作る側へ進むならアプリケーション開発のお仕事が対応します。
資格については、Canvaでデザインを売るために必要なものはありません。ただ、依頼主とのやりとりで見積書や納品書、契約書を扱う場面は必ず来ます。書類の型と文面の作法を体系的に押さえるならビジネス文書検定の範囲が実務にそのまま重なります。在宅の仕事全体からどこに進むかを決めたい段階なら在宅でできる仕事おすすめ【2026年版】|スキル別ランキングで分野の見取り図を作ってから選ぶと、始めてから方向を変える手戻りを減らせます。テンプレート販売そのものの進め方をもう少し具体的に追いたい場合はテンプレート販売で副業|Canvaで作って月5万円稼ぐ方法【2026年版】に手順がまとまっています。
最後に一度戻ります。Canvaでデザイン販売を安全に続けるための要点は、たった2つです。テンプレートとして渡す商品は無料素材と自作素材だけで組むこと。そして素材を入れるたびに出所情報を開いて確かめること。この2つを習慣にすれば、残りは商品を増やす作業になります。契約の全文は改定されるので、出品の前にCanvaのコンテンツライセンス契約を自分の目で確認してください。仕事の幅を広げる段ではAIコンサル・業務活用支援のお仕事のように実際に発注が動いている領域を見て、棚に並べる時間と受託に使う時間の割り振りを決めていくことになります。
よくある質問
Q. Canvaで作ったテンプレートを他の人に販売してもよいのですか?
無料素材と自作素材だけで組んだデザインであれば、コンテンツライセンス契約が第三者への配布と販売を明文で認めています。再販目的のデザインテンプレートも対象に挙げられています。ただしPro素材が1つでも含まれると、これらの用途には使えません。素材を入れるたびに出所情報を開いて種別を確かめてください。
Q. Pro素材を使ったデザインは何ができて何ができませんか?
Pro素材は1つのデザインにつき1ライセンスという扱いで、別のデザインに使うには新しいライセンスが必要です。完成物として売ることは許諾範囲に入りますが、素材を単体でコピーやダウンロードや配布することはできません。オンライン出版物で未編集のまま使う場合は1ファイルあたり合計480,000ピクセルまでという上限もあります。
Q. 出品先はどこを選ぶとよいですか?手数料はどれくらいですか?
2026年9月時点の公式表示では、minneは初期費用と月額費用0円で販売手数料が税込10.659%、Creemaは出店料と出品料が無料で成約手数料が決済総額の10.67%(税込)、BASEのスタンダードプランは月額0円で決済手数料3.6%+40円とサービス手数料3%です。率だけでなく、探している人がいる場かどうかで選んでください。
Q. Canvaのフォントをテンプレート商品に同梱してもよいですか?
できません。フォントには専用の規定があり、Canvaにアクセスしている端末以外へのインストール、Canva外での使用、改変が禁じられています。買った人がCanva上でテンプレートを開いて使う形であればフォントはCanvaの中にあるため問題が起きません。テンプレートリンクという売り方がこの点でも理にかなっています。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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