UIデザインの副業は既存アプリの作り直しを1本出すと動き出す

長谷川 奈津
長谷川 奈津
UIデザインの副業は既存アプリの作り直しを1本出すと動き出す

この記事のポイント

  • ✓UI/UXデザインの始め方に迷う人へ
  • ✓実務経験ゼロでも案件獲得につながる作品づくりの手順と
  • ✓契約時に確認すべき法律上の注意点を行政書士の視点で解説します

先日、あるデザイン未経験の会社員の方から相談を受けました。「UI/UXデザインを副業にしたいけれど、何から手をつければいいのか分からない」と。結論から言うと、最初にやるべきことは資格の勉強でもスクール選びでもありません。世の中にある使いにくいアプリを1本選んで、自分なりに作り直してみることです。これ、知らない人が本当に多いんですが、実務未経験の人が案件を取れるようになる最短ルートは、この「作り直し1本」から始まっています。

UI/UXデザインという仕事の現在地

UI(ユーザーインターフェース)とUX(ユーザーエクスペリエンス)は、混同されやすいものの本質的には別の概念です。UIは画面上のボタンや配色、文字の大きさといった「見た目と操作の接点」を指し、UXは「そのサービスを使い始めてから使い終わるまでの体験全体」を指します。つまり、UIはUXを構成する一つの要素という関係にあります。

この分野が副業として注目される背景には、スマートフォンアプリやWebサービスの数そのものが増え続けているという事情があります。新しいサービスが生まれるたびに、画面設計を担う人材が必要になります。一方で、企業側は正社員を新規採用するよりも、必要なタイミングで業務委託のデザイナーに依頼する方がコストを調整しやすいと考えるケースが増えています。この需給のズレが、副業デザイナーにとっての参入余地を生んでいます。

とはいえ、市場が拡大しているからといって、誰でもすぐに案件が取れるわけではありません。実際に発注する側の担当者に話を聞くと、応募してくる人の多くが「ポートフォリオが空っぽ」または「学習教材の模写だけ」という状態だそうです。これでは、実務で使えるかどうかの判断材料がありません。だからこそ、「何を作って見せるか」が始め方の最初の分岐点になります。

UI/UXデザインにお困りの方は問い合わせフォームよりお気軽にお問い合わせください。株式会社ペンタゴンではアプリ開発の経験が豊富なデザイナーが、貴社にとって最適なデザインの提案をさせていただきます。 出典: pentagon.tokyo

発注側の企業がこうした言葉で自社のデザイナーの経験値をアピールしているように、依頼する側は「この人は本当に作れるのか」を常に見ています。未経験者がここに割って入るには、経験の量ではなく提案の質で勝負するしかありません。

UIデザインとUXデザインの違いを体で理解する

始め方を考える前に、この2つの言葉の違いを整理しておく必要があります。混同したまま学習を始めると、後々ポートフォリオの説明で言葉が詰まってしまうからです。

UIデザインは「見た目」と「操作性」の設計です。ボタンの色、フォントサイズ、余白の取り方、アイコンの配置などが該当します。ユーザーが画面を見た瞬間に「何をすればいいか」が直感的に分かるようにすることが目的です。

UXデザインは「体験」の設計です。ユーザーがそのアプリやサービスを知ってから、実際に使い、目的を達成し、また使いたいと思うまでの一連の流れ全体を設計します。UIがどれだけ美しくても、そもそもの導線や情報設計が悪ければ、ユーザーは途中で離脱してしまいます。

実務では、この2つを完全に切り分けて仕事をするケースは多くありません。特に副業やフリーランスの案件では、「UIもUXも両方見てほしい」という依頼がほとんどです。したがって、始め方の学習段階から、この両方をセットで意識しておくことが重要になります。

独学ロードマップ|何から手をつけるか

多くの独学者が最初につまずくのは、「勉強する順番」です。ここでは、実務で通用する順番を示します。

ステップ1:ツールの操作を最低限覚える

現在のUI/UXデザイン実務では、FigmaというWebブラウザ上で動くデザインツールがほぼ標準になっています。無料プランでも十分に学習・制作が可能です。最初の2週間程度は、ツールの操作に慣れることだけに集中してください。フレームの作り方、テキストの配置、コンポーネントの複製といった基本操作を、公式のチュートリアルや動画教材でひと通りなぞるだけで構いません。

ステップ2:既存アプリを観察する

自分が普段使っているスマートフォンアプリを5つほど選び、それぞれの画面遷移をスクリーンショットに撮って並べてみます。「なぜこのボタンはここにあるのか」「なぜこの色が使われているのか」を1つずつ言語化する作業です。この段階では手を動かさず、観察と言語化に時間を使います。

ステップ3:ヒューマンインターフェースガイドラインを読む

AppleやGoogleは、自社プラットフォーム向けのデザインガイドラインを無料で公開しています。ボタンの最小タップ領域、文字サイズの基準、色のコントラスト比など、実務で必ず守るべきルールがまとめられています。独学者の多くがここを飛ばしてしまいますが、発注者から見ると、こうした基礎ルールを守っているかどうかは信頼性を判断する重要な材料になります。

ステップ4:既存アプリの作り直しに着手する

ここが最も重要な工程です。使いにくいと感じているアプリ、または改善の余地があると思うアプリを1つ選び、その一部を自分なりに作り直します。全画面を作る必要はありません。ログイン画面、検索画面、決済画面など、1つの機能に絞って構いません。

重要なのは「なぜこう変えたのか」を言語化することです。「ボタンの色を変えました」だけでは説得力がありません。「初回利用者が迷わずタップできるよう、主要な操作ボタンのコントラスト比を高め、視線誘導の順番を整理した」というように、理由と狙いをセットで説明できる状態を作ります。

ステップ5:ポートフォリオとしてまとめる

作り直した画面と、その意図をまとめたページを作成します。Figmaの共有リンクでも、簡易的なWebページでも構いません。発注者が数分で目を通せる分量に収めることがポイントです。

未経験からの案件獲得で重視されるポイント

ここまでのステップを踏んだうえで、実際に案件を探す段階に入ります。未経験者が案件を獲得する際に重視されるポイントは、資格の有無よりも「思考のプロセスが見えるかどうか」です。

完成した美しい画面だけを見せても、それが本人の実力によるものか、テンプレートを流用したものかは判断がつきません。一方で、「元の画面のどこに課題があると考え、どう改善したか」を説明できる資料があれば、発注者は「この人は自分の頭で考えて設計できる」と判断しやすくなります。

また、初期の案件選びでは、いきなり大規模なアプリのフルリニューアルを狙うのではなく、バナー1枚、LP(ランディングページ)の一部、既存アプリの1画面改善といった小さな範囲の案件から実績を積むのが現実的です。小さな案件でも、納品後に「なぜこの配色にしたのか」を丁寧に説明できると、次の案件につながりやすくなります。

独学と学習コミュニティ、どちらを選ぶべきか

独学のみで進める人と、オンラインのデザインコミュニティを併用する人がいます。どちらが正解ということはありませんが、それぞれに向き不向きがあります。

独学は費用を抑えられる一方、フィードバックを得る相手がいないという弱点があります。自分では「良い」と思って作った画面が、第三者から見ると分かりにくいということは珍しくありません。作品を客観的に見てもらう機会を、意識的に作る必要があります。

コミュニティやスクールを利用する場合は、費用がかかりますが、他の学習者や現役デザイナーからのフィードバックを受けられる点が大きな利点です。ただし、コミュニティに参加すること自体が目的化してしまい、実際の制作が進まない人も見受けられます。始め方として大切なのは、どちらを選ぶにしても「手を動かす時間」を最優先で確保することです。

案件を受ける際に確認しておきたい契約上の注意点

ここからは、行政書士としての視点も交えてお伝えします。未経験からUI/UXデザインの案件を受け始める際、多くの人がデザインスキルの習得にばかり意識を向け、契約面の確認をおろそかにしがちです。しかし、これは後々のトラブルにつながりやすい部分です。

まず確認すべきは、修正回数の上限です。「イメージに合うまで無制限に修正します」という条件で受けてしまうと、際限なく作業を求められるリスクがあります。契約や見積もりの段階で、修正は何回までかを明記しておくことが重要です。

次に、著作権や利用範囲の取り決めです。制作したデザインの著作権が誰に帰属するのか、また発注者がそのデザインをどの範囲まで自由に使えるのかは、案件によって条件が異なります。口頭のやり取りだけで進めず、メールやチャットなど記録に残る形で条件を確認しておくことをおすすめします。

そして、報酬の支払い時期です。フリーランス・事業者間取引適正化等法(いわゆるフリーランス保護新法)では、業務委託者が発注事業者に対して、成果物の受領後60日以内、かつできる限り短い期間内に報酬を支払うことが求められています。未経験のうちは「仕事をもらえるだけでありがたい」という気持ちが先に立ちがちですが、支払い条件があいまいなまま作業を始めるのは避けたほうが賢明です。

※この記事の内容は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の契約トラブルについては弁護士や最寄りの労働局、フリーランス・トラブル110番などの専門窓口にご相談ください。

こうした基本を押さえておくだけで、未経験期特有の「言われるがまま作業を続けてしまう」状況を避けやすくなります。

実務でよく使われる周辺スキル

UI/UXデザインの実務では、純粋なビジュアルデザインのスキルだけでなく、周辺スキルが求められる場面が多くあります。

まず、簡単なコーディングの知識です。HTML・CSSの基礎を理解していると、実装側のエンジニアとのコミュニケーションが格段にスムーズになります。「この余白はCSSでどう表現されるか」を理解しているデザイナーは、実装しやすいデザインを作れる傾向があります。

次に、ユーザーインタビューやアンケートの基礎的な考え方です。実務では、いきなり画面を作り始めるのではなく、「誰が」「どんな場面で」「何に困っているか」をヒアリングしてから設計に入ることが求められます。未経験のうちから、身近な人に簡単なインタビューをしてみる練習をしておくと、案件対応時の説得力が変わってきます。

最後に、プレゼンテーション能力です。作った画面を「なぜこの設計にしたのか」を筋道立てて説明できるかどうかは、案件の継続受注に直結します。デザインの技術以上に、この説明力が評価の分かれ目になることは珍しくありません。

デザイナーになるための具体的な独学ステップの落とし穴

独学ロードマップに沿って進めていても、途中でつまずくポイントがいくつかあります。

一つ目は、インプット過多に陥ることです。本や動画教材を次々と消費するものの、実際に手を動かす時間が少ないというパターンです。知識を得ることと、実際に作れることは別のスキルです。1つの教材を終えたら、必ず自分の手で何かを作る工程を挟むようにしてください。

二つ目は、完璧主義による停滞です。「もっと良い作品ができるまで公開しない」という考え方は、いつまで経っても案件獲得のスタートラインに立てません。60点の完成度でも、意図の説明がしっかりしていれば十分に評価されるケースがあります。まずは公開し、フィードバックを受けて改善するサイクルを回すことが、独学を続けるうえでのモチベーション維持にもつながります。

三つ目は、孤立です。独学は自分のペースで進められる反面、周囲に相談できる相手がいないと不安に押しつぶされやすくなります。SNSやオンラインコミュニティで、同じように学習している人とつながっておくことをおすすめします。

始めるためにかかる初期費用の目安

始め方を検討する段階で気になるのが、初期費用です。結論から言うと、UI/UXデザインは他の副業と比べて初期投資を抑えやすい分野です。

デザインツールについては、Figmaの無料プランでも個人利用の範囲であれば十分に学習・制作を進められます。有料プランへの移行が必要になるのは、共同編集の人数が増えたり、保存できるプロジェクト数の上限に達したりした段階であり、始めたばかりの時期に慌てて課金する必要はありません。

学習教材についても、無料の公式チュートリアルやYouTube動画で基礎を学べる範囲は広く、必ずしも有料スクールに通う必要はありません。一方で、体系的に学びたい、フィードバックを受けたいという場合は、有料のオンライン講座を利用する選択肢もあります。費用は講座の内容によって大きく幅がありますが、始める前に「独学で足りない部分は何か」を明確にしてから検討すると、無駄な出費を避けられます。

ハードウェア面では、多くの人がすでに持っているノートパソコンとマウスがあれば制作を始められます。タブレットペンなどの専用機材は、イラスト要素の強いUIを扱う場合に検討すればよく、始めの段階では必須ではありません。

よくある失敗パターンとその回避策

未経験からUI/UXデザインを始めた人が陥りやすい失敗パターンを、いくつか紹介します。

一つ目は、いきなり高単価の案件に応募してしまうことです。実績がゼロの状態で、企業の基幹サービスのリニューアルのような大規模案件に応募しても、書類選考の時点で通過しにくいのが実情です。まずは小規模な案件で実績と評価を積み、段階的にステップアップしていく方が結果的に近道になります。

二つ目は、デザインの「見た目」だけにこだわり、「なぜそうしたか」の説明を省略してしまうことです。発注者が見ているのは完成した画像そのものよりも、その背後にある思考プロセスです。作品を提出する際は、必ず設計意図をセットで伝える習慣をつけてください。

三つ目は、納期意識の甘さです。副業として始めたばかりの頃は、本業との両立に慣れておらず、納期直前になって作業が終わっていないという事態に陥りがちです。案件を受ける段階で、自分が実際に確保できる作業時間を現実的に見積もることが重要です。

四つ目は、価格交渉を避けてしまうことです。未経験のうちは「安くても仕事があるだけでありがたい」と考えがちですが、極端に低い単価で受け続けると、正当な相場感を身につける機会を失います。相場を把握したうえで、必要であれば根拠を示しながら交渉する姿勢も、長期的には重要になります。

案件獲得までの現実的なタイムライン

始め方のロードマップを実践した場合、どのくらいの期間で最初の案件獲得に至るのか、目安を示します。

最初の1〜2か月は、ツールの操作習得と既存アプリの観察・分析に充てる期間です。この段階では案件応募はまだ早く、基礎固めに専念することをおすすめします。

3か月目に入ったあたりから、既存アプリの作り直し作品を1〜2本仕上げ、ポートフォリオとして公開できる状態を目指します。この時点で、小規模な案件への応募を始めても問題ありません。

4か月目以降は、実際に案件へ応募しながら、選考に落ちた場合はその都度ポートフォリオを見直すサイクルを回します。デザインの技術は、実際の案件対応を通じて磨かれていく部分が大きいため、最初の案件が決まるまでの期間は人によって差が出やすいところです。焦らず、小さな実績を積み重ねる姿勢が結果的に近道になります。

独自データから見える案件動向の考察

在宅・業務委託の求人動向を見渡すと、UI/UXデザインの案件はUI/UX・アプリデザインのお仕事のカテゴリで継続的に募集が動いています。案件の傾向としては、既存アプリの改修や画面追加といった、フルリニューアルではない「部分的な改善案件」が一定数を占めるのが特徴です。これは、未経験からステップアップしたい人にとって、最初の実績を作りやすい領域だと言えます。

また、UI/UXデザインの周辺領域として、AIツールを活用したマーケティング業務や、セキュリティ関連の案件を扱うAI・マーケティング・セキュリティのお仕事も注目度が高まっています。デザインスキルに加えて、こうした周辺分野の知識を持っておくと、案件の幅を広げやすくなります。デザインの隣接分野として、作曲・編曲・効果音・ジングルのお仕事のように、アプリやサービスに音の要素を加える仕事も存在し、複数のクリエイティブスキルを組み合わせて活動している人も見受けられます。

20年この在宅ワーク市場を見てきた立場から言えば、UI/UXデザインで長く案件を継続できる人には共通点があります。それは、単発の作業を数多くこなすことよりも、「この人になら次も任せられる」という関係を1つひとつ丁寧に積み重ねていることです。修正のやり取りが丁寧であること、納期を守ること、意図をきちんと言語化できることは、デザインの技術力そのものと同じくらい評価されています。

また、報酬の受け取り方についても、運営者として見てきた実感があります。クラウドソーシングなど仲介手数料が発生するプラットフォームでは、発注者が支払った金額の一部が手数料として差し引かれます。一方、仲介手数料が発生しない直接取引の形であれば、同じ予算でも依頼者はより多くの作業を依頼でき、受け手はその分だけ手取りが厚くなります。この構造は、双方にとって無理のない取引関係を長く続けるうえで、実は見落とされがちな重要な要素です。

ポートフォリオの見せ方で差がつく要素

同じレベルの技術を持つ人でも、ポートフォリオの見せ方によって案件獲得の確率は大きく変わります。ここでは、発注者側の視点から見て評価されやすい構成を紹介します。

まず、ビフォーアフターの見せ方です。「元のアプリの画面はこうだった」「自分はこう変えた」という対比を明確に提示すると、改善の意図が一目で伝わります。改善後の画面だけを見せるよりも、説得力が格段に上がります。

次に、課題の発見から解決までのプロセスを時系列で見せることです。「ユーザーがどこでつまずいていると考えたか」「その課題に対してどんな仮説を立てたか」「その仮説をどう画面に反映したか」という流れを示すと、単なる作業者ではなく、考えて設計できる人材だと伝わります。

また、作品数は多ければ良いというものでもありません。中途半端な作品を10本並べるよりも、しっかりと意図を説明できる作品を2〜3本に絞って掲載するほうが、発注者にとって読みやすく、評価もしやすい傾向があります。

最後に、自己紹介文の書き方です。経歴を長々と書くよりも、「どんな課題に強みを持っているか」「どんな案件で力を発揮できるか」を簡潔に示すことが、発注者の判断を助けます。

案件と法律の関係を最初から意識しておく

未経験からUI/UXデザインを始める人の多くは、「まずスキルを身につけてから、法律や契約のことは後で考えればいい」と考えがちです。しかし、実際にトラブルに発展するケースを見てきた経験から言うと、最初の案件から契約条件をきちんと確認する習慣をつけておくことが、長く活動を続けるための土台になります。

例えば、口約束だけで「バナー3点をデザインして」という依頼を受けたとします。納品後に「もっと違うテイストで作り直してほしい」と言われ、際限なく修正を求められる、というのはよくある相談です。これは修正回数の上限を最初に取り決めていなかったことが原因です。つまり、スキルの高さとは無関係に、契約条件の詰め方一つでトラブルの発生率が変わってくるということです。

法律はあなたの味方です。フリーランス保護新法をはじめとする制度は、業務委託で働く個人を守るために存在します。制度の詳細や個別の適用については、厚生労働省や公正取引委員会の公表資料を確認しつつ、不明点があれば最寄りの相談窓口を活用することをおすすめします。

本業との両立で意識しておきたいこと

副業としてUI/UXデザインを始める場合、本業との両立も無視できない論点です。私が相談を受けるケースでは、副業に熱中しすぎて本業のパフォーマンスが落ち、結果的に両方が中途半端になってしまうという話をよく聞きます。

まず確認しておきたいのが、勤務先の就業規則です。副業を全面的に禁止している企業は減ってきているものの、事前の届け出や許可を必要とする会社は依然として存在します。案件を受ける前に、社内規定を確認しておくことをおすすめします。

次に、作業時間の管理です。平日夜や週末にまとまった時間を確保できる人もいれば、細切れの時間しか取れない人もいます。自分がどのくらいの時間を継続的に確保できるかを把握したうえで、案件の規模を選ぶことが、無理なく続けるコツです。

また、確定申告についても触れておきます。副業で得た所得が一定額を超える場合、確定申告が必要になることがあります。具体的な要件や控除の扱いは個人の状況によって異なるため、詳細は税務署や国税庁の案内を確認し、不明な点があれば税理士や税務署の窓口に相談することをおすすめします。

さらに、体調面への配慮も忘れないでください。本業の勤務時間に加えて副業の作業時間を積み重ねると、慢性的な睡眠不足に陥りやすくなります。私が相談を受けた中には、副業を始めて数か月で体調を崩し、結局どちらの仕事にも支障が出てしまった方もいました。継続できてこそ意味のある副業ですから、無理のないペース配分を最初から意識しておくことが、長く続けるための現実的な工夫になります。

始め方のまとめとして意識してほしいこと

UI/UXデザインの始め方について、資格取得やスクール選びから入りたくなる気持ちは理解できます。しかし、実務で評価されるのは「作った経験」であり、それを裏付ける「なぜそう作ったかの説明」です。既存アプリを1つ選んで作り直す、この地道な作業こそが、未経験者にとって最も確実な始め方になります。

同時に、契約条件や報酬の取り決めといった実務上の基本を、スキル習得と並行して身につけておくことも忘れないでください。技術と法律知識の両方を備えることが、副業として長く続けていくための土台になります。

よくある質問

Q. UI/UXデザインの副業は完全に未経験からでも始められますか?

可能です。重要なのはツールの操作より先に、既存アプリの課題を見つけて作り直す経験を積むことです。作品と一緒に「なぜそう設計したか」を説明できれば、未経験でも評価される可能性があります。

Q. 独学とスクール、どちらで始めるべきですか?

どちらでも構いませんが、独学の場合は第三者からのフィードバックを得る場を意識的に作ることが重要です。スクールを利用する場合も、学ぶだけで終わらせず、実際に手を動かす時間を優先してください。

Q. Figma以外のツールでも問題ありませんか?

問題ありません。ただし、現在の実務案件ではFigmaが標準的に使われる場面が多いため、案件対応の幅を広げたい場合はFigmaの基本操作を身につけておくと安心です。

Q. 修正回数の上限はどう決めればいいですか?

案件を受ける前の見積もりやチャットのやり取りで、修正は何回までかを明記しておくのが基本です。無制限の修正対応を口約束で受けてしまうと、後で作業量が際限なく膨らむリスクがあります。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年3月26日最終更新:2026年9月20日
長谷川 奈津

この記事を書いた人

長谷川 奈津@SOHO編集部

行政書士・元企業法務

企業法務で数多くのフリーランス契約を扱った経験を活かし、フリーランス向けの法律・契約・権利に関する記事を執筆。「法律はあなたの味方です」がモットー。

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