切り抜き動画で収益を得るときの決まり|権利者の許可と収益の仕組み


この記事のポイント
- ✓TikTokやYouTubeで切り抜き動画から収益を得たい人に向けて
- ✓権利者の許可の確かめ方
- ✓TikTokのCreator Rewards ProgramとYouTubeパートナープログラムの条件
切り抜き動画とは、配信者や番組の長い動画から、見どころの場面を短く切り出して編集した動画のことです。TikTokやYouTubeのショート動画で多く見られ、編集の腕を生かした副業として関心を持つ人も増えています。一方で、切り抜き動画は他人が作った動画をもとにしているため、権利者の許可がないまま投稿すると著作権の侵害になるおそれがあり、収益化のプログラムでもオリジナルの動画とみなされないことがあります。この記事では、ティックトックの切り抜きで収益を得たいと考えている人に向けて、著作権法の考え方、権利者の許可の確かめ方、TikTokとYouTubeの収益化の条件、オリジナルとみなされない動画の例、切り抜きの編集を仕事として受ける形を、法令と各社の公式の案内に基づいて整理します。
切り抜き動画の収益化は2つの形に分かれる
切り抜き動画で収益を得る方法は、大きく分けて2つあります。どちらの形かによって、確かめるべきことが変わります。
- 自分のアカウントに投稿して収益を得る形:切り抜き動画を自分のTikTokやYouTubeのアカウントに投稿し、各社の収益化のプログラムなどから報酬を受け取る
- 編集を仕事として受ける形:配信者や事務所から依頼を受けて切り抜き動画を編集し、依頼者から報酬を受け取る。投稿は依頼者のアカウントで行うことが多い
1つ目の形では、もとの動画の権利者の許可があるかどうかに加えて、TikTokやYouTubeの収益化のプログラムの条件を満たすかどうかが問題になります。権利者の許可があっても、プラットフォームの側で、他人の動画を使った動画はオリジナルとみなされず、収益化の対象にならないことがあります。
2つ目の形では、依頼者自身が権利者であるか、権利者から許可を得ていることが多いため、権利の面の問題は小さくなります。その代わりに、編集の品質、納期、報酬の決め方、権利の扱いを、依頼者との契約で決めることが大切になります。
どちらの形でも共通するのは、もとの動画を作った人の権利を尊重することです。切り抜き動画は、もとの動画があって初めて成り立つものであり、権利者の意向に反した投稿は、法律の問題だけでなく、配信者のファンや視聴者からの信頼も失うことになります。次の節から、法律、権利者の許可、プラットフォームの条件の順に説明します。
著作権法から見た切り抜き動画
切り抜き動画を考えるうえで、まず押さえておきたいのが著作権法の考え方です。配信や番組の動画は、多くの場合、著作権法で守られる著作物に当たります。著作権法第23条は、インターネットで動画を配信するような行為について、著作者の権利を次のように定めています。
著作者は、その著作物について、公衆送信(自動公衆送信の場合にあつては、送信可能化を含む。)を行う権利を専有する。 出典: e-Gov法令検索
公衆送信とは、インターネットなどを通じて、多くの人が見られる状態で送ることです。送信可能化とは、動画をインターネットに投稿して、誰でも見られる状態にすることを指します。つまり、他人の動画を切り出してTikTokやYouTubeに投稿する行為は、もとの動画の著作者が持つ権利に関わる行為であり、原則として著作者の許可が必要です。
また、動画を切り出して字幕や効果音を加え、編集し直すことは、もとの著作物に手を加えて新しいものを作ることにも当たりえます。著作権法では、著作物を翻案する権利も著作者が持つとされていて、この面でも許可が必要になります。
著作権法には、許可がなくても著作物を使える例外もあります。その一つが第32条の引用です。第32条では、公表された著作物は引用して利用できるとしたうえで、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行われなければならないと定めています。
ただし、切り抜き動画の多くは、もとの動画の面白い場面を見せることが目的で、批評や研究のために必要な範囲だけを使っているわけではありません。一般には、見どころを切り出して並べただけの動画を引用と考えるのは難しいとされています。引用に当たるかどうかは、使い方や分量によって個別に判断されるため、引用に当たると自分で判断して投稿するのは避け、権利者の許可を得るのが基本です。
権利者の許可を確かめる方法
切り抜き動画を投稿する前に、もとの動画の権利者が切り抜きを認めているかを確かめます。配信者や事務所の中には、切り抜き動画についての決まり(ガイドライン)を公開しているところがあります。
権利者の許可を確かめるときに見ておきたいことを整理します。
- 切り抜きを認めているか:切り抜き動画そのものを認めているか、禁止しているかを確かめる
- 収益化を認めているか:切り抜きは認めていても、切り抜き動画での収益化は認めていない場合や、収益化には別に申請が必要な場合がある
- 対象の動画の範囲:すべての配信が対象か、一部の配信や有料の配信は対象外かを確かめる
- 表示の決まり:動画の説明欄にもとの動画へのリンクを載せる、切り抜きであることを明記する、といった決まりがあることがある
- 禁止されている編集:発言の意図を変える編集、誤解を招く題名、他の配信者の動画との組み合わせなどが禁止されていることがある
- 申請や登録の手続き:切り抜きの投稿者として登録や申請を求めている場合がある
ガイドラインが見つからない場合は、許可があるとは考えず、配信者や事務所に問い合わせます。問い合わせても返事がない場合は、投稿を控えるのが安全です。
ガイドラインは変更されることがあります。以前は収益化を認めていた配信者が、途中で方針を変えることもあります。投稿を続けている間も、定期的にガイドラインを確かめ、変更があれば従います。
また、配信の中に別の人の作品が含まれている場合にも注意が必要です。配信で流れている音楽、ゲームの画面、テレビ番組の映像などは、配信者とは別の権利者がいることがあります。配信者が切り抜きを認めていても、その中に含まれる別の権利者の作品まで使ってよいとは限りません。ゲームの映像であれば、ゲームの会社が公開している動画の投稿についての決まりも確かめます。
TikTokのCreator Rewards Programの条件
TikTokで動画から報酬を得る仕組みの一つが、Creator Rewards Programです。TikTokのヘルプセンターでは、このプログラムを、クリエイターが質の高いオリジナルのコンテンツを投稿することで、多くの収益を得られる機会を作る報酬のプログラムと説明しています。
TikTokのクリエイターアカデミーでは、このプログラムの対象国として、米国、英国、ドイツ、日本、韓国、フランス、メキシコ、ブラジルが挙げられています。TikTokのヘルプセンターでは、参加して報酬を得るための条件として、次の項目が挙げられています。
- 対象国のいずれかに居住している
- アカウントが良好な状態である
- 個人のアカウントを持っている(ビジネスのアカウントなどは対象外)
- 氏名、生年月日など、本物のアカウントの情報がある
- 18歳以上である(韓国では19歳以上)
- フォロワーが1万人以上いる
- 過去30日間の動画の視聴数が10万回以上である
- 報酬の対象となるオリジナルのコンテンツを投稿している
- 長さが1分以上の動画を投稿している
報酬の計算については、同じヘルプセンターで、有効視聴数と、有効視聴数1,000回あたりの収益額(RPM)に基づいて計算されると説明されています。有効視聴数とは、おすすめのフィードでの重複しない視聴の数のことで、5秒未満の視聴や、不正な視聴、宣伝による視聴などは除かれます。報酬は、動画のおすすめのフィードでの有効視聴数が1,000回に達してから発生し始めるとされています。
ここで注目したいのは、条件の中に「オリジナルのコンテンツ」と「長さが1分以上」が含まれている点です。短く切り出した数十秒の切り抜き動画は、長さの条件を満たしません。そして、次の節で説明するとおり、他人の動画を切り出しただけの動画は、オリジナルのコンテンツとみなされない可能性が高いことに注意が必要です。
TikTokでオリジナルとみなされない動画
TikTokのヘルプセンターでは、Creator Rewards Programにおけるオリジナルのコンテンツを、TikTokの利用規約とコミュニティガイドラインに準拠し、自分の専門知識、才能、創造性を生かして、自分で設計、撮影、制作したコンテンツと説明しています。そのうえで、オリジナルとはみなされないコンテンツの例として、次のものを挙げています。
他者のコンテンツをわずかに変更(速度を速める、フィルター、固定テキスト、ステッカーを追加するなど)して複製されたコンテンツ。 他のユーザー、クリエイター、情報源による複数の動画または写真を含み、新しいアイデアやあなた個人のアイデアが含まれていないコンテンツ。 出典: TikTokヘルプセンター
同じヘルプセンターでは、ほかにも、デュエットやリミックスの動画、他者のコンテンツを完全に複製したもの、他者のウォーターマークが付いたもの、ループ再生される動画や写真やテキストだけのもの、著作権で保護された楽曲が1分以上流れるものが、オリジナルとはみなされない例として挙げられています。
また、アカウントの情報や投稿するコンテンツに含めてはいけないものとして、他のユーザーからコピーされたアカウントの情報やコンテンツも挙げられています。
切り抜き動画は、もとになる配信者の動画を使って作るものです。字幕を加える、場面をつなぎ直す、といった編集をしても、他者の動画をわずかに変えて複製したものとみなされれば、報酬の対象にはなりません。権利者の許可を得ていることと、TikTokのプログラムでオリジナルとみなされることは、別の問題です。
TikTokは、プログラムに参加しているアカウントを定期的に審査していると説明しています。審査に通らなかった場合は報酬の対象にならず、すでに報酬が支払われていた動画が削除されたときは、その分が残高から差し引かれるとされています。切り抜き動画で報酬を得られるかどうかは、TikTokのプログラムの決まりを読んだうえで、慎重に考える必要があります。
YouTubeパートナープログラムの条件と再利用の考え方
YouTubeで切り抜き動画を投稿する場合は、YouTubeパートナープログラムの条件を確かめます。YouTubeパートナープログラムは、YouTubeで広告などから収益を得るための仕組みです。YouTubeのヘルプでは、参加の基準として次の2つのどちらかを満たすことが挙げられています。
- チャンネル登録者数が1,000人以上で、直近12か月間の対象となる動画の総再生時間が4,000時間以上である
- チャンネル登録者数が1,000人以上で、直近90日間の対象となるショート動画の視聴回数が1,000万回以上である
基準を満たして申し込んだあとも、チャンネルがYouTubeのポリシーとガイドラインに準拠しているかが審査されます。YouTubeのチャンネル収益化ポリシーでは、収益を得るためのコンテンツについて、次のように説明しています。
クリエイターが自ら制作した著作物であること。他者のコンテンツを借用する場合は、大幅に変更して独自性をもたせる必要があります。 出典: YouTubeヘルプ
同じポリシーでは、大量生産されたコンテンツ、一般的なコンテンツ、繰り返しの多いコンテンツでないことも求められています。切り抜き動画は、他者の動画を借りて作るものなので、YouTubeで収益化するには、大幅な変更を加えて独自性を持たせることが求められます。
YouTubeには、著作権者が自分の作品を含む動画を見つけて管理する仕組みもあります。権利者がこの仕組みを使っている場合、切り抜き動画に権利者の動画が含まれていると、動画の収益が権利者に回ったり、動画が見られなくなったりすることがあります。権利者の許可を得ている場合でも、どのような扱いになるかは権利者との取り決めによって変わるため、許可を得るときに確かめておきます。
権利者と収益を分け合う仕組み
切り抜き動画の中には、配信者が公式に切り抜きを認め、切り抜き動画の収益の一部を配信者に分配する決まりを設けているものもあります。権利者の側から見ると、切り抜き動画が増えることで自分の配信を知ってもらう機会が増え、切り抜き動画の収益の一部も受け取れるという利点があります。
権利者と収益を分け合う形で切り抜きを行う場合に確かめておきたいことを挙げます。
- 分配の割合と計算のしかた:収益のうち、どの部分を何割分配するのかを確かめる
- 分配の対象となる収益:広告の収益だけか、ほかの収益も含むかを確かめる
- 支払いの方法と時期:毎月か、一定の額に達したときかを確かめる
- 報告の方法:自分のチャンネルの収益をどのように権利者に報告するかを確かめる
- 契約の終了:権利者の方針が変わったときや、決まりに違反したときの扱いを確かめる
こうした取り決めは、口頭やメッセージのやりとりだけで済ませず、書面やメールで残しておくと安心です。後から分配の割合や対象をめぐって行き違いが起きることを防げます。
ただし、権利者と取り決めを結んでいても、前の節で説明したとおり、TikTokやYouTubeのプログラムで収益化の対象になるかどうかは、各社の決まりで判断されます。権利者の許可があることと、プラットフォームで収益化できることは別の問題であることを、あらためて押さえておきます。
切り抜きの編集を仕事として受ける
切り抜き動画で収益を得るもう一つの形が、配信者や事務所から依頼を受けて、切り抜き動画を編集する仕事です。配信の数が多い配信者は、自分で全部の配信を見返して切り抜きを作る時間がないため、編集を外に頼むことがあります。
切り抜きの編集の仕事で求められる作業を整理します。
- 配信を見返して見どころを選ぶ:長い配信の中から、視聴者に伝わりやすい場面を見つける
- 動画を切り出して編集する:場面をつなぎ、不要な部分を削り、見やすい長さにする
- 字幕や効果音を加える:発言の要点を字幕にし、場面に合った効果音を加える
- サムネイルや題名を考える:動画の内容が伝わる画像と題名を作る
- 納品する:決められた形式で動画を書き出し、依頼者に渡す
この形の仕事では、依頼者が権利者本人か、権利者から許可を得た事務所であることが多いため、権利の面の問題は小さくなります。ただし、配信の中に別の権利者の音楽やゲームの映像が含まれている場合は、依頼者と相談して扱いを決めます。
依頼を受けるときは、報酬の決め方を最初に決めておきます。1本あたりの料金にするか、月に何本と決めた定額にするか、動画の長さや字幕の量で料金を変えるかなどを話し合います。修正の回数、納期、急ぎの依頼の扱い、作った動画の権利がどちらのものになるかも、あらかじめ決めておきます。個人で仕事を受けるフリーランスと事業者との取引では、事業者が業務の内容や報酬の額、支払期日を書面やメールで示すことが法律で定められていて、条件がはっきりしない依頼は、条件を示してもらうようお願いします。
音楽と効果音の扱い
切り抜き動画で見落としやすいのが、動画の中で流れる音楽と、編集で加える効果音の権利です。配信者が切り抜きを認めていても、配信の中で流れている音楽は、配信者とは別の作曲者やレコード会社が権利を持っていることがほとんどです。
TikTokのヘルプセンターでは、Creator Rewards Programでオリジナルとはみなされない例として、口パクや、著作権で保護された楽曲が1分以上再生されるコンテンツを挙げ、著作権で保護された楽曲が1分以上流れる動画は、このプログラムではミュートされるおそれがあると説明しています。ミュートとは、動画の音声が消されることです。配信の中で音楽が流れている場面を長く切り出すと、収益の対象にならないだけでなく、動画そのものの音が消されることがあります。
音楽の扱いで確かめておきたいことを整理します。
- 配信の中で流れている音楽:配信の背景で流れている音楽が、配信者が権利を持つものか、別の権利者のものかを確かめる。分からない場合は、その場面を避けるか、音を差し替える
- 編集で加える音楽:TikTokやYouTubeが用意している音源のうち、使える範囲が決められたものを使うか、利用の条件で動画への使用が認められている音源を使う
- 効果音:無料で配布されている効果音にも利用の条件がある。商用の利用、動画の投稿サイトでの利用、収益化した動画での利用が認められているかを確かめる
音源の利用の条件は、提供するサイトやサービスごとに違い、変更されることもあります。使う前に利用規約を読み、どの音源をどこから入手したかを記録しておくと、あとで問い合わせを受けたときにも説明できます。
映り込みと肖像の扱い
配信や番組には、配信者本人のほかに、共演者、ゲスト、通りがかりの一般の人などが映り込むことがあります。切り抜き動画を作るときは、こうした人の扱いにも注意が必要です。
人の顔や姿を、その人の了解なく公開されない利益は、一般に肖像権と呼ばれ、法律の条文ではなく裁判の積み重ねで認められてきた考え方です。配信者が切り抜きを認めていても、共演者やゲストが同じように認めているとは限りません。共演者が別の事務所に所属している場合、その事務所の決まりが別にあることもあります。
屋外での配信では、一般の人が映り込むことがあります。もとの配信でぼかしが入っていない場面でも、切り抜いて拡散されることで、映り込んだ人に迷惑がかかることがあります。一般の人の顔がはっきり分かる場面は使わない、使う場合はぼかしを入れる、といった配慮が必要です。
配信中に、配信者や共演者の住所や通っている場所が分かってしまう情報が映ることもあります。こうした場面を切り抜いて広めると、配信者の身の安全に関わることがあります。配信者のガイドラインで禁止されていなくても、個人の情報につながる場面は切り抜きに使わないことを自分の決まりにしておくと安心です。
投稿を始めるまでの手順
ここまでの内容を踏まえて、切り抜き動画の投稿を始めるまでの手順を順に整理します。
- 切り抜きたい配信者や番組を決める
- 権利者のガイドラインを探して読む:切り抜きを認めているか、収益化を認めているか、対象の動画、表示の決まり、禁止されている編集を確かめる
- ガイドラインが見つからない場合は問い合わせる:返事がなければ投稿しない
- 投稿するプラットフォームの決まりを読む:TikTokのCreator Rewards ProgramやYouTubeパートナープログラムで、切り抜き動画がどう扱われるかを確かめる
- 動画に含まれる別の権利を確かめる:音楽、ゲームの映像、共演者、映り込みの扱いを確かめる
- 編集する:発言の意図を変えない、誤解を招く題名にしない、もとの配信へのリンクを載せる
- 投稿後も決まりの変更を確かめる:権利者のガイドラインやプラットフォームの決まりが変わったら従う
この手順のうち、2から5までは、動画を1本も作る前に終わらせておくことです。動画を作り込んだあとで、収益化が認められていない、音楽が使えない、と分かると、作業が無駄になります。
手順を踏んでも、自分のアカウントで収益を得られる見込みが小さいと分かった場合は、編集の力を磨く練習として続け、依頼を受けて作る仕事に切り替えるという考え方もあります。
切り抜き動画を作るときに守りたい編集の決まり
権利者の許可を得ている場合でも、編集のしかたによっては、もとの配信者や視聴者に迷惑をかけることがあります。切り抜き動画を作るときに守りたい点を挙げます。
- 発言の意図を変えない:前後の文脈を切り落として、発言者が言っていない意味に受け取られるような編集をしない
- 誤解を招く題名やサムネイルにしない:動画の内容と違う題名や、大げさな言葉で視聴者を引きつけない
- 他の人の権利に配慮する:配信に映り込んだ一般の人の顔や、共演者の発言を使う場合は、配信者の決まりに従う
- 切り抜きであることを明記する:もとの配信へのリンクを載せ、切り抜き動画であることを説明欄などに書く
- 炎上をあおる編集をしない:配信者や共演者への批判を集めるような切り抜きは、配信者のガイドラインで禁止されていることが多い
TikTokやYouTubeのコミュニティガイドラインでも、誤解を招くコンテンツや、他者への嫌がらせにつながるコンテンツは禁止されています。視聴数を伸ばすことだけを考えて過激な編集をすると、動画の削除やアカウントの停止につながるおそれがあります。
切り抜き動画は、配信者の魅力を新しい視聴者に届ける役割を持っています。配信者のファンが見ても納得できる編集を心がけることが、長く続けるための基本です。
副業として続けるときの税金と勤め先の決まり
切り抜き動画で得た収益や、編集の仕事の報酬は、所得税の対象になります。会社員の場合、給与を1か所から受けていて、その給与の全部が源泉徴収の対象となる人は、給与所得と退職所得を除く所得の合計額が20万円を超えると、確定申告が必要です。この決まりは、国税庁の給与所得者で確定申告が必要な人の案内で説明されています。
ここでいう所得は、収益から必要経費を差し引いた金額です。動画の編集のソフトの利用料、パソコンや周辺の機器のうち仕事に使った分などは、必要経費にできる場合があります。所得税の確定申告が不要な場合でも、住民税の申告は別に必要になることがあります。税金の扱いは収入の額や事情で変わるため、住所地の市区町村や税務署で確かめてください。
会社員が副業として始める場合は、勤め先の就業規則で副業が認められているかも確かめます。動画の投稿は自宅でできるため副業に当たらないと考える人もいますが、継続して収益を得ている以上、勤め先によっては副業として扱われることがあります。
また、TikTokのCreator Rewards Programは18歳以上が条件とされています。18歳未満の人が切り抜き動画で収益を得ることはこのプログラムではできないため、年齢の条件もあらかじめ確かめておきます。
動画編集の力を生かせる仕事
切り抜き動画を作る中で身につけた動画の編集の力は、切り抜き以外の仕事にも生かせます。企業の宣伝の動画、商品の紹介の動画、セミナーの記録の動画、SNSの広告の動画など、短い動画の編集を求める依頼は少なくありません。
切り抜きの経験を仕事につなげるときに役立つ準備を挙げます。
- 作品の見本を用意する:権利者の許可を得て作った切り抜き動画や、自分で撮影した素材を編集した動画を、見本として見せられるようにする
- 使える道具と作業の範囲を整理する:字幕、効果音、色の調整、サムネイルの作成など、自分が対応できる作業を書き出す
- 権利の確認の進め方を説明できるようにする:音楽や素材の権利を確かめながら編集できることは、依頼者にとって安心材料になる
動画の編集は、パソコンの性能と通信の環境にも左右されます。大きな動画のファイルを送受信する仕事では、回線の速さと安定も大切です。在宅で作業するための回線の選び方は、在宅ワークに最適なネット回線|光回線vsホームルーターの選び方で、回線の種類ごとの違いが説明されています。長い配信を見返す作業は集中力を使うため、作業の区切り方を工夫することも大切です。数時間の配信を一度に見返そうとすると、途中で見どころを見落としやすくなります。30分ごとに区切って見どころの時刻だけを書き出し、編集はあとでまとめて行う、といった分け方をすると、作業の質を保ちやすくなります。在宅で作業するときの集中の保ち方は、在宅ワークの集中力アップ|ポモドーロ以外に効く7つのテクニックで、作業の区切り方や環境の整え方が紹介されています。
在宅の仕事の仲介を続けてきた立場から見えること
フリーランスと在宅ワークの仲介を2004年から続けてきた運営者として見てきた限りでは、動画の編集の仕事を長く続けている人は、編集の技術だけでなく、権利の扱いを丁寧に確かめる姿勢を持っています。依頼者にとって、素材の権利を確かめずに使ってしまう編集者は、後から大きな問題を起こしかねない存在です。権利の確認を当たり前に行える人ほど、継続して仕事を任されやすい傾向があります。
切り抜き動画は、権利者の許可とプラットフォームの決まりという2つの壁があり、自分のアカウントで収益を得る道は簡単ではありません。一方で、編集の力そのものは、依頼を受けて作る仕事で十分に生かせます。依頼者と受け手が直接やりとりできる取引では、間に入る会社の取り分がないため、受け手の手元に残る金額が厚くなります。手数料0%で直接取引できる仲介サイトを使えば、編集の力をそのまま収入につなげやすくなります。
動画やSNSを使ったマーケティングの仕事の種類と始め方は、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事で紹介されています。デザインや映像の仕事の収入の考え方は、デザイナーの年収・単価相場で整理されているので、編集の力を生かせる仕事を探す参考にしてください。
よくある質問
Q. 切り抜き動画は権利者の許可なく投稿してもよいですか?
原則として許可が必要です。配信や番組の動画は著作物に当たることが多く、著作権法では、インターネットに投稿して誰でも見られる状態にする権利は著作者が持つとされています。配信者や事務所が切り抜きのガイドラインを公開していれば、その内容を確かめ、見つからない場合は問い合わせます。返事がない場合は投稿を控えるのが安全です。
Q. 権利者の許可があればTikTokで報酬を得られますか?
許可があっても、報酬の対象になるとは限りません。TikTokのCreator Rewards Programでは、オリジナルのコンテンツであること、1分以上の動画であることなどが条件とされ、他者のコンテンツをわずかに変えて複製したものなどはオリジナルとみなされない例として挙げられています。許可とプログラムの決まりは別の問題として確かめてください。
Q. YouTubeで切り抜き動画を収益化する条件は何ですか?
YouTubeパートナープログラムでは、チャンネル登録者数1,000人以上に加えて、直近12か月間の総再生時間4,000時間以上か、直近90日間のショート動画の視聴回数1,000万回以上のどちらかが参加の基準です。さらに、収益化ポリシーでは、他者のコンテンツを借用する場合は大幅に変更して独自性を持たせることが求められています。
Q. 切り抜きの編集を仕事として受けるときは何を決めればよいですか?
1本あたりか月額かといった報酬の決め方、修正の回数、納期、急ぎの依頼の扱い、作った動画の権利がどちらのものになるかを、最初に決めておきます。配信の中に別の権利者の音楽やゲームの映像が含まれている場合の扱いも、依頼者と相談しておきます。条件は書面やメールで残しておくと、行き違いを防げます。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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