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還付金詐欺とは|役所や税務署を名乗る電話の手口とATMに行く前に確かめること 2026

@SOHO編集部
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還付金詐欺とは|役所や税務署を名乗る電話の手口とATMに行く前に確かめること 2026

この記事のポイント

  • ✓年金事務所の職員を名乗り「お金が戻る」と言ってATMを操作させ
  • ✓犯人の口座にお金を送らせる手口です
  • ✓2026年11月1日時点の警察庁・国税庁・日本年金機構の公式の記載をもとに

還付金詐欺とは、市区町村や税務署、年金事務所の職員を名乗って「医療費や保険料の払い戻しがある」「未払いの年金がある」と電話をかけ、ATMに行かせて操作を指示し、実際には犯人の口座にお金を振り込ませる手口です。警察庁は特殊詐欺の対策ページで「ATMでお金が返ってくることは、絶対にありません」と明言しています。国税庁も、還付金の受け取りや納付のためにATMの操作を求めることはないと公式に案内しています。

つまり、「還付金がある」という電話のあとに「ATMへ行ってください」と言われたら、その時点で詐欺です。警察庁の集計では、2026年1月から8月末までの還付金詐欺の認知件数は2,058件、被害額は46.5億円(暫定値)にのぼります。2026年11月1日時点の公式の記載をもとに、手口の流れ、見分け方、ATMに行く前に確かめること、お金を送ってしまったときの連絡先を順に整理します。

還付金詐欺の手口を公式の記載で確かめる

還付金詐欺の流れは、警察庁の特殊詐欺対策のページ「還付金詐欺」に詳しく書かれています。

自治体、税務署、年金事務所の職員などと名乗り、医療費・保険料の過払い金や、一部未払いの年金があるなど、お金を受け取れるという内容の電話をかけてきます。被害者が犯人の指示通りにATMを操作すると、実際には犯人側の口座にお金が振り込まれるという詐欺です。 払い戻しには期限があると焦らせた上で、今すぐ携帯電話を持って近くのATMに向かうように指示をしてきます。 出典: 警察庁 SOS47 還付金詐欺

警察庁は還付金詐欺を「税金還付等に必要な手続きを装って被害者にATMを操作させ、口座間送金により財産上の不法の利益を得る手口」と定義しています。口座間送金とは、ある口座から別の口座にお金を移すことです。被害者は「お金を受け取る操作」をしているつもりで、実際には「自分の口座から犯人の口座へ送金する操作」をさせられています。

この手口の特徴を整理すると、次のようになります。

段階 犯人がすること 公式の記載で確かめたこと
名乗る 自治体、税務署、年金事務所の職員などを名乗る 警察庁の手口の説明
期待させる 医療費や保険料の過払い金、未払いの年金があると伝える 警察庁の手口の説明
焦らせる 払い戻しには期限がある、今日までだと言う 警察庁の電話の例
動かす 携帯電話を持って近くのATMに行くよう指示する 警察庁の手口の説明
操作させる ATMに着いたら電話をかけさせ、ボタンを指示どおりに押させる 警察庁の電話の例

警察庁が紹介している電話の例では、犯人が「以前に青色の封筒を送りましたが、確認されていないですか」「払い戻し期限が今日までとなっているので電話しています」と言い、本当に通知を見落としたのではと思わせています。検索で「還付金詐欺 封筒」という語が調べられているのは、こうした言葉に不安を感じた人が多いためと考えられます。封筒の話をされても、ATMでお金が受け取れないことに変わりはありません。

役所や税務署、年金機構が「しない」と明言していること

還付金詐欺を見抜く一番の手がかりは、名乗られた組織が公式に「しない」と書いていることを知っておくことです。国税庁、日本年金機構、警察庁のページで確かめた内容を表にします。

組織 公式に「しない」と書かれていること
国税庁(国税局、税務署を含む) 国税の還付金の受け取りや納付のために、ATMの操作を求めること
国税庁 国税の納付のために、金融機関の口座を指定して振込みを求めること
国税庁 AI・自動音声による電話で国税の納付を求めること
国税庁 アンケート等と称して電話すること
日本年金機構 銀行の口座番号や振込先などを聞くこと、ATMの操作や現金の振り込みを指示すること
日本年金機構 自動音声ガイダンスで、年金の支給停止や差し止めなどを案内すること
警察庁 「ATMでお金が返ってくることは、絶対にありません」

国税庁の「国税庁をかたった偽メールにご注意ください」のページには、次のように書かれています。

国税庁(国税局、税務署を含みます)では、国税の還付金受取や納付のために金融機関等の現金自動預け払い機(ATM)の操作を求めることはありません。また、国税の納付のために金融機関の口座を指定して振込みを求めることはありません。 出典: 国税庁 国税庁をかたった偽メールにご注意ください

日本年金機構も「日本年金機構の職員や委託事業者などと称して、現金を詐取する「不審な電話や訪問」にご注意ください」のページで、「保険料の納めすぎによる還付金があります」「給付金が戻るので手続きするように」とATMに行くよう指示された事例を挙げ、口座番号や振込先を聞くことも、ATMの操作や振り込みを指示することもないと書いています。

市区町村の名前を使った電話も多くあります。医療費や保険料の払い戻しは、それぞれの市区町村や健康保険の窓口の手続きで行われるもので、ATMの操作で受け取る仕組みではありません。「市役所の保険課」を名乗る電話であっても、ATMへの誘導があれば詐欺と判断してください。

ATMでお金を受け取れない理由

「還付金がある」と言われたとき、多くの人は「お金が戻ってくるのだから損はしない」と考えます。この思い込みが、還付金詐欺の入り口です。

ATMは、現金を引き出す、預ける、振り込む、という操作をする機械です。他人から自分の口座にお金を送ってもらうために、自分がATMを操作する必要はありません。役所や税務署が本当に還付金を払う場合は、あらかじめ届け出た口座にお金を振り込むなど、受け取る側がATMで何かを入力しなくても済む方法がとられます。

それでも被害が起きるのは、犯人がATMの画面の言葉を言い換えて指示するからです。警察庁の電話の例では、犯人が「操作方法を説明しますので、言ったとおりにボタンを押してください」と言い、被害者は言われたとおりに入力して、実際には犯人にお金を振り込む手続きをしてしまっています。画面に表示される言葉の意味を確かめる間もなく、電話の声に合わせて入力を進めてしまうのです。

ATMの前で携帯電話を耳に当てたまま操作をしている状況そのものが、還付金詐欺の典型的な場面です。警察庁も、還付金詐欺の被害を防ぐ対策として「ATMではお金は受け取れないと知っておく」ことを挙げています。

還付金詐欺の発生状況

警察庁は特殊詐欺の認知件数と被害額を毎月公表しています。2026年10月2日に公表された「令和8年8月末における特殊詐欺の認知・検挙状況等について(暫定値)」から、還付金詐欺に関わる数字を抜き出します。

項目 令和8年1月から8月末まで(暫定値)
特殊詐欺全体の認知件数 29,687件(前年同期比 3,732件増)
特殊詐欺全体の被害額 2,360.7億円(前年同期比 588.4億円増)
還付金詐欺の認知件数 2,058件(前年同期比 229件減、10.0%減)
還付金詐欺の被害額 46.5億円(前年同期比 3.1億円増、7.2%増)

還付金詐欺は、件数は前の年の同じ時期より減っている一方で、被害額は増えています。1件あたりの被害が大きくなっている可能性があると読めます。特殊詐欺全体の中では、SNS型投資詐欺やニセ警察詐欺の件数が多いものの、還付金詐欺も月に平均250件前後の認知件数がある計算になり、身近な手口であることに変わりはありません。

警察庁の国際電話の対策のページには、2025年中に特殊詐欺に使われた電話番号のうち約75.5%が国際電話番号だったと書かれています。国際電話番号とは、電話番号の先頭の「+」のあとに国の番号がつくもので、日本の番号は「+81」です。それ以外の国の番号で、役所や税務署を名乗る電話がかかってきたら、まず疑ってください。

還付金詐欺の電話を見分ける手がかり

公式の記載をもとに、電話を受けたときに気づける手がかりを並べます。どれか1つでも当てはまれば、詐欺を疑ってよい内容です。

  • 医療費、保険料、税金の払い戻しや、未払いの年金があると言われる
  • 「期限が今日まで」「すぐに手続きしないと受け取れない」と急がされる
  • 携帯電話を持ってATMに行くよう言われる
  • 銀行の口座番号、暗証番号、預金の額を聞かれる
  • 自動音声で「年金が止まる」「手続きが済んでいない」と流れ、番号を押すよう促される
  • 「+」から始まる国際電話番号からかかってくる
  • 「国民年金機構」「日本年金機構特別窓口」「保険年金事務所」「国民年金センター」「給付センター」など、本物に似た名前を名乗る

最後の名前の一覧は、日本年金機構が「日本年金機構を装った不審電話等で使用が確認されている名称」として公表しているものです。本物の組織名は「日本年金機構」と「年金事務所」です。似た名前を聞いたら、本物と取り違えさせる狙いがあると考えてください。

国税庁は、税務職員が電話で問い合わせる場合は、提出された申告書などをもとに、その内容を本人に確かめることを原則としていると書いています。申告書を出した覚えのない人に、突然「還付金がある」と電話がかかってくる理由は、公式の説明からは見当たりません。また、申告書を出した人であっても、税務署からの電話で口座番号や暗証番号を答える必要がある場面は、国税庁の案内には出てきません。名乗りが本物らしいかどうかではなく、何を求められているかで判断することが大切です。

国税庁が公表している税務署をかたる電話や文書の事例

国税庁は、税務署や国税局をかたった電話、文書、訪問の事例を公式のページで公表しています。還付金に関するものだけでなく、個人情報を聞き出す入り口になる電話も含まれるので、まとめて知っておくと役に立ちます。

種類 国税庁が公表している事例
電話 「税務署からのアンケートの協力依頼です」などと切り出し、個人情報を聞き出そうとする
電話 ATMを操作させ、振り込みを行わせる(振り込め詐欺)
電話 株取引などに関連して、銀行の口座情報を聞き出したり、手数料の支払いを求めたりする
電話 「定額減税の関係で還付を受けられるので」と切り出し、口座番号や暗証番号を聞き出そうとする
電話 「国税局査察部です。税金の未納があります」と切り出し、住所、氏名、口座番号などを聞き出そうとする
文書 国税局を名乗る依頼主名を手書きしたゆうパックで照会文書を送り、生命保険の契約内容などを聞き出そうとする
訪問 自宅などを訪れ、帳簿や金庫を見たり、現金やカードを持ち去ったりする

国税庁は、税務職員が文書で問い合わせる場合は、原則として国税局や税務署、業務センターの名前が印字された封筒を使っていると書いています。印字のない封筒やゆうパックで届いた文書、心当たりのない文書は、最寄りの税務署の総務課か国税局の納税者支援調整官に問い合わせるよう案内されています。

訪問については、調査の職員は質問検査章と顔写真つきの身分証明書を、徴収の職員は徴収職員証票と顔写真つきの身分証明書を必ず持っているとされています。国税庁は、滞納の整理を外部の業者に任せることはなく、職員が会報の購読や有料の講習会を勧めたり、手数料を求めたりすることもないと書いています。

年金事務所を名乗る電話や訪問の見分け方

還付金詐欺では、年金事務所や日本年金機構の名前もよく使われます。日本年金機構の注意喚起のページに書かれている、見分けるための公式の記載を整理します。

  • 電話や訪問で、預貯金の額、口座番号、職業、家族構成などの個人情報を聞くことはない
  • 公的年金について電話や訪問をするのは、日本年金機構と、業務を委託している事業者だけ。訪問するときは、日本年金機構が発行した写真つきの身分証明書を必ず見せる
  • 委託事業者など職員以外の人が、訪問で現金を預かることはない。職員が現金を預かる場合は、その場で「領収証書」を出す
  • 職員が行う公的年金の手続きや、年金証書などの再発行に手数料は一切かからない
  • 電話や訪問で質問に答えなかったことを理由に、年金の支給を差し止めることはない

日本年金機構が公表している事例には、運送会社を名乗って「年金関係の荷物を預かっているが配達できないので、職業や会社名を教えてほしい」と聞き出そうとしたものもあります。日本年金機構は、文書を届けるときに職業や会社名を聞くことはないとしています。名乗る組織を変えて、少しずつ個人情報を集めようとする手口があるということです。

怪しいと感じたときは、即答を避け、相手の名前、所属、電話番号を確かめていったん電話を切り、口座番号などを話したり、お金を払ったりせずに、近くの年金事務所に問い合わせるよう案内されています。

自動音声やLINEを使う形にも注意する

還付金詐欺の入り口は、人が話す電話だけではありません。日本年金機構は、自動音声のガイダンスで日本年金機構や年金事務所を名乗り、「書類の提出が確認できないため、手続きしないと年金の支給が止まる」などと流して、番号の操作や折り返しの電話を促す事例を公表しています。日本年金機構は、自動音声で年金の支給停止や差し止めを案内することはないとしたうえで、見覚えのない国際電話の番号などには出ない、折り返さないよう呼びかけています。

国税庁も、AI・自動音声による電話で国税の納付を求めることはないと明記しています。自動音声で「1を押してください」「オペレーターにつなぎます」と案内される電話は、税や年金に関するものであれば、その時点で切って構いません。

LINEを使った形もあります。デジタル庁は2024年3月26日のお知らせで、年金事務所を名乗る電話から、偽の年金機構というLINEのIDに登録させ、LINEの電話で偽のマイナポータルのURLから手続きさせ、さらにアプリのファイルを入れさせた事案を公表しています。ATMに行かせる代わりに、スマートフォンの中で手続きさせる形です。

形が変わっても、「年金や税金のお金が戻るので、電話で言われたとおりに操作してほしい」という骨組みは同じです。ATMでもスマートフォンでも、電話の相手の指示どおりに操作してお金を受け取る手続きは、公式の案内には出てきません。

ATMに行く前に確かめること

電話で「還付金がある」と言われ、少しでも迷いがあるときは、ATMに向かう前に次の順で確かめてください。

  1. 「ATMで手続き」と言われた時点で、詐欺と判断して電話を切る
  2. 相手の所属、名前、電話番号を聞くだけ聞いて、いったん電話を切る(国税庁と日本年金機構が案内している方法)
  3. 電話で言われた番号ではなく、自分で調べた番号にかけ直す。税務署なら国税庁のサイトの「税務署の所在地などを知りたい方」、年金なら近くの年金事務所、市区町村なら役所の代表番号
  4. 迷ったら、警察相談専用電話「#9110」か最寄りの警察署に相談する

警察庁は、還付金詐欺の対策として「最寄りの警察署にかけ直して本物かを確認」することを挙げています。国税庁も、税務職員を名乗る人からの電話で不審に思ったときは、即答を避け、相手の所属部署、氏名、電話番号を確かめてからいったん切り、最寄りの税務署の総務課か国税局の納税者支援調整官に問い合わせるよう案内しています。

大事なのは、相手から教えられた番号にかけ直さないことです。犯人が用意した番号にかけても、犯人の仲間が「本物の窓口」を名乗って出るだけです。

家族にATMへ行くと言われたときに止める合言葉として、「電話でATMと言われたら詐欺」と決めておくのも効果があります。

電話を切ったあとにすること

怪しい電話を切ることができたら、それで終わりにせず、次のことをしておくと被害の広がりを防げます。

1つ目は、かかってきた日時、相手の番号、名乗った組織と名前、言われた内容をメモしておくことです。同じ相手から再びかかってきたときに、すぐに気づけます。警察や役所に相談するときにも、話が伝わりやすくなります。

2つ目は、警察相談専用電話「#9110」か最寄りの警察署に知らせることです。お金を送っていなくても、地域で同じ電話が続いている場合、警察が注意を呼びかける材料になります。警察庁の特殊詐欺の対策のページでも、不安を感じたら「#9110」に相談するよう案内されています。

3つ目は、家族や近所の知り合いに伝えることです。「市役所の保険課を名乗って医療費の払い戻しの電話がきた」と具体的に伝えれば、次に受けた人が気づけます。

4つ目は、電話番号を着信拒否に登録することです。ただし、別の番号からかけ直してくることも考えられるので、拒否の登録だけで安心せず、次の節で紹介する国際電話の利用休止や番号表示のサービスとあわせて使ってください。

電話そのものを受けない工夫

警察庁は、特殊詐欺の対策で何より大切なのは「犯人と話をしない」ことだとしています。還付金詐欺の対策として警察庁が挙げているものを整理します。

対策 公式に書かれている内容
固定電話の番号表示・非通知拒否サービス 相手の番号が分かるサービスと、非通知の電話に音声メッセージで応じるサービスを電話会社が提供している
外国からの電話の利用休止 海外と固定電話で話すことがない人は、電話かWebで国際電話の利用休止を申し込める
携帯電話の着信設定 知らない番号を着信拒否に設定する。国際電話番号や知らない番号からの着信は無視する
ATMの利用限度額 ATMの利用限度額を低く設定しておく
防犯機能付き電話 自動で通話を録音する機能や、鳴る前に「この電話は防犯のために録音されます」と流す機能を備えた電話がある

固定電話への国際電話の着信を止める手続きについて、警察庁の「みんなでとめよう!!国際電話詐欺」のページには、国際電話不取扱受付センター(0120-210-364)に電話で申し込めると書かれています。オペレーターの案内は平日の午前9時から午後5時まで、自動音声の案内は平日と土日祝日の24時間です。手続きが難しいと感じる人は、最寄りの警察署に連絡するよう案内されています。

離れて住む親の固定電話にこうした設定をしておくことは、還付金詐欺に限らず、多くの特殊詐欺を防ぐことにつながります。電話番号が漏れて詐欺の電話が増えたと感じる人は、電話番号の流出チェックの方法|流出したらどうなるかと迷惑電話・SMSへの備え 2026も参考になります。

メールやSMSの還付金詐欺

還付金詐欺は電話が中心ですが、メールやSMSで「還付金がある」と知らせる手口もあります。国税庁は、未納の国税を払わなければ財産を差し押さえるというメールや、還付金の振込先などを入力させるメールから、国税庁のサイトになりすました偽のサイトに誘導する事例を公表しています。

国税庁のページに書かれている、メールとSMSについての公式の記載は次のとおりです。

  • 国税庁(国税局、税務署を含む)は、ショートメッセージにURLを書いた案内を送ることはない
  • 国税の納付の求めや差押えに関して、ショートメッセージやメール、LINEのメッセージを送ることはない
  • e-Taxでは、メールアドレスを登録した人に、メッセージボックスにお知らせが届いたことを知らせるメールを、公開しているパターンのものだけ送っている
  • e-Taxから送るメールにファイルを添付することはなく、原則として本文にURLも書いていない

e-Taxとは、税の申告や納税をネットで行う国税庁の仕組みです。e-Taxを使っている人には本物のお知らせのメールが届くことがありますが、本文のURLから還付金の振込先を入力させるような作りにはなっていません。メールで「還付金の受け取り手続き」を求められたら、リンクは開かずに削除してください。フィッシングメール全般の見分け方は、フィッシング詐欺メールの見分け方|5秒で振り分ける手順と開いた後の対処で整理しています。

確定申告や年末調整の時期に気をつけること

税の還付が話題になる時期は、還付金詐欺の言葉が信じられやすくなります。会社員は年末調整で、個人事業主や医療費控除を使う人は確定申告で、払いすぎた税金が戻ることがあります。

ここで押さえておきたいのは、本物の還付がどう行われるかです。確定申告で還付を受ける人は、申告書に還付金の振込先の口座を書いて出します。年末調整の還付は、勤め先の給与と一緒に精算されるのが一般的です。どちらの場合も、税務署から電話がかかってきて、ATMで受け取る手続きをさせられることはありません。

申告の内容について税務署から電話で問い合わせがあることはありますが、国税庁の説明では、提出された申告書などをもとに、その内容を本人に確かめるのが原則です。口座番号や暗証番号を聞かれたり、ATMへの誘導があったりすれば、名乗りがどれほど本物らしくても詐欺です。

国税庁は、定額減税の関係で還付を受けられると切り出し、銀行の口座番号や暗証番号を聞き出そうとする電話の事例も公表しています。制度が変わった時期や、給付金の話題が出ている時期は、その話題に便乗した電話が増えると考えておくと身構えられます。

国税庁は、定額減税や給付金をかたった不審な電話、ショートメッセージ、メールについてのリーフレットも出しています。新しい制度の名前が出てきても、「ATMの操作」「口座番号や暗証番号を電話で伝える」「メールやSMSのリンク先で振込先を入力する」のどれかを求められたら詐欺、という見分け方は変わりません。制度の中身を確かめたいときは、国税庁のサイトや、勤め先の担当者、税務署の窓口で確かめてください。

お金を送ってしまったときにすること

ATMで操作したあとに詐欺だと気づいた場合は、時間との勝負になります。次の順で、すぐに動いてください。

  1. 振り込んだ先の口座がある銀行に、すぐに電話で連絡する
  2. 自分の口座がある銀行にも連絡し、カードや口座の扱いを相談する
  3. 最寄りの警察署に被害を届け出る
  4. ATMから出た振込の明細票、通話の記録、相手が名乗った名前や番号を残しておく

1番目の連絡先には注意が必要です。全国銀行協会の「金融犯罪に遭った場合のご相談・連絡先」のページは、振り込め詐欺などの被害にあったときは、振り込みを頼んだ銀行ではなく、振り込んだ先の口座がある銀行に連絡するよう案内しています。そのうえで「振り込め詐欺等の被害を受け、そちらの銀行の口座に資金を振り込んだ」と伝え、必ず警察にも被害を届け出るよう書かれています。同じページには、各銀行の連絡先の一覧が載っています。振込の明細票に振込先の銀行名が書かれているので、捨てずに手元に残してください。

電話で口座番号や暗証番号を話してしまった場合も、すぐに自分の銀行に連絡し、カードの利用停止や暗証番号の変更を相談してください。

相談先は、内容で使い分けます。

  • 被害にあった、または被害が心配なとき:警察相談専用電話「#9110」か最寄りの警察署
  • 契約やお金のトラブル全般:消費者ホットライン「188」(近くの消費生活センターなどを案内してもらえる)
  • 年金に関する電話かどうか確かめたいとき:近くの年金事務所
  • 税務署を名乗る電話かどうか確かめたいとき:最寄りの税務署の総務課か国税局の納税者支援調整官

振り込んだお金が戻る仕組みと限界

犯人の口座に振り込んでしまったお金については、振り込め詐欺救済法という法律で、被害者に支払う仕組みが定められています。正式な名前は「犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払等に関する法律」で、全国銀行協会の「振り込め詐欺救済法とは」のページによると、平成20年6月21日に施行されました。

全国銀行協会の説明をもとに、仕組みの要点を整理します。

項目 全国銀行協会の説明
対象 振り込め詐欺などの犯罪で振込先になり、お金が残っている口座
口座の公告 対象の口座は、預金保険機構のホームページで順に公告される
支払われる額 口座の残高や被害者の数によって変わる。残高が被害の総額より少なければ、残高を超えて支払われることはない
被害者が複数のとき 振り込んだ金額に応じて分ける
対象外 口座の残高が1,000円未満の場合
かかる期間 口座名義人の権利を失わせる手続きに60日以上、支払いの手続きに30日以上の申し出の期間があり、少なくとも90日以上かかる

この仕組みから分かるのは、戻るお金は「犯人の口座にまだ残っているお金」が上限だということです。犯人は振り込まれたお金をすぐに引き出したり、別の口座に移したりします。銀行に早く連絡し、口座を止めてもらうほど、残っているお金が多い段階で押さえられる可能性が高まります。被害に気づいたら、恥ずかしさや迷いで連絡を遅らせないことが、結果として戻るお金を左右します。

全国銀行協会は、振り込め詐欺の被害にあった可能性がある人も、迷わず金融機関に相談するよう呼びかけています。

還付金詐欺は何罪にあたるのか

検索では「還付金詐欺 罪名」「還付金詐欺 何罪」という語も調べられています。警察庁の還付金詐欺の定義には「ATMを操作させ、口座間送金により財産上の不法の利益を得る」とあり、これは刑法の「電子計算機使用詐欺」の条文と同じ言葉を使っています。電子計算機使用詐欺とは、コンピューターに虚偽の情報や不正な指令を与えて、財産上の不法な利益を得る行為を罰する決まりです。

e-Govの刑法の第246条の2を見ると、電子計算機使用詐欺は「十年以下の拘禁刑に処する」とされています。拘禁刑とは、刑法の改正で、それまでの懲役と禁錮を一本化した刑罰の名前です。

ただし、実際の事件でどの罪に問われるかは、行為の中身や関わり方で変わり、警察や検察、裁判所が個別に判断するものです。ここで紹介したのは、公式の定義と条文の言葉の対応にとどまります。被害にあった人が考えるべきことは罪名ではなく、前の節までに説明した金融機関と警察への連絡です。

家族や離れて住む親に伝えておきたいこと

警察庁の電話の例が示すとおり、還付金詐欺の電話は、受け取った人の「見落としたかもしれない」という不安につけ込みます。郵便物の整理が追いつかない人ほど、「封筒を送ったはず」と言われると信じてしまいがちです。

長い説明より、次の3つだけを決まりとして伝えておくと効果があります。

  • 電話で「還付金がある」「ATMで手続きできる」と言われたら、それは詐欺
  • 役所、税務署、年金事務所が、口座番号や暗証番号を電話で聞くことはない
  • 迷ったら、家族か警察相談専用電話「#9110」に電話してから動く

固定電話の国際電話の利用休止や、番号表示・非通知拒否のサービスの申し込みを、帰省のときに一緒に済ませておくのも1つの方法です。犯人と話す機会そのものを減らすことが、最も確実な対策です。

もう1つ、警察庁が還付金詐欺の対策として挙げているのが、ATMの利用限度額を低く設定しておくことです。ATMで1日に振り込める金額の上限を下げておけば、仮に電話の指示どおりに操作してしまっても、送られてしまう金額を小さく抑えられます。限度額の変え方や、変えられる範囲は金融機関ごとに違うので、取引している銀行の窓口や公式サイトで確かめてください。年金を受け取っている口座を持つ親と一緒に、窓口で相談しておくと安心です。

在宅で働く人が還付金詐欺で気をつけること

在宅で働く個人事業主やフリーランスは、確定申告で還付を受けることが多く、税務署や市区町村とのやり取りも会社員より多くなります。そのため「税務署から電話がかかってきてもおかしくない」と感じやすく、還付金という言葉にも反応しやすい立場にあります。

2004年から在宅ワークとフリーランスの仲介を続けてきた@SOHOの運営で見てきた限りでは、お金のトラブルを避けられている人ほど、「お金が戻る話も、払う話も、電話では決めない。自分で調べた窓口にかけ直してから動く」という決まりを持っています。税務署の電話番号は国税庁のサイトで、年金事務所の番号は日本年金機構のサイトで、自分で調べる。この習慣は、還付金詐欺以外の特殊詐欺にもそのまま効きます。取引先や役所とのやり取りを文書で正確に残す力をつけたい人には、ビジネス文書検定の資格ガイドが入り口になります。

小さな事業をしていて、従業員や外注先を含めたセキュリティの対策を考えたい人には、中小企業のサイバーセキュリティ対策2026|IT導入補助金で防御力を強化する方法が参考になります。セキュリティの知識を仕事に生かしたい人は、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事で、どのような依頼があるかを紹介しています。

よくある質問

Q. 還付金詐欺とはどのような詐欺ですか?

警察庁によると、自治体や税務署、年金事務所の職員などを名乗り、医療費や保険料の過払い金、未払いの年金があると電話をかけてATMに行かせ、操作を指示して犯人の口座にお金を振り込ませる手口です。警察庁は「ATMでお金が返ってくることは、絶対にありません」と明言しています。

Q. 税務署から還付金の電話がかかってくることはありますか?

国税庁は、還付金の受け取りや納付のためにATMの操作を求めることはないと公式に案内しています。税務職員の電話は、提出された申告書などの内容を本人に確かめることが原則です。不審に思ったら、相手の所属と名前を聞いていったん切り、自分で調べた税務署の番号にかけ直してください。

Q. 市役所を名乗る人から「医療費の払い戻しがある」と電話がありました。本物ですか?

警察庁が還付金詐欺の典型として挙げている内容です。ATMに行くよう言われたら詐欺と判断して電話を切ってください。確かめたいときは、電話で言われた番号ではなく、自分で調べた市区町村の代表番号にかけ直すか、警察相談専用電話「#9110」に相談してください。

Q. ATMで言われたとおりに操作してお金を送ってしまったら、どうすればいいですか?

すぐに振り込みに使った金融機関に電話で連絡し、あわせて最寄りの警察署に被害を届け出てください。ATMから出た明細票や通話の記録は残しておきます。犯人の口座を止めて残高を分配する仕組みがありますが、戻るかどうかは個別の事情で変わるため、早い連絡が大切です。

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年11月1日
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