スマホアプリの収益化|広告と課金の稼ぎ方


この記事のポイント
- ✓スマホアプリの収益化を
- ✓広告の4つの方法に分けて説明します
- ✓Apple Developer Program の年間登録料
スマホアプリの収益化は、自分で作ったアプリから収入を得る方法です。個人でもアプリを作って App Store や Google Play に出せるようになり、副業として取り組む人が増えています。ただ、アプリを公開しただけで収入が生まれるわけではありません。どの方法でお金を受け取るのか、ストアにどれだけの手数料を払うのか、広告の収益はいつ受け取れるのかを知らないまま始めると、思っていたより手元に残らないこともあります。この記事では、スマホアプリの収益化の主な方法と、ストアの登録料と手数料、広告の仕組み、収益を伸ばす考え方、そして税金の目安までを、各社の公式の案内をもとに順番に説明します。
スマホアプリで収益を得る仕組み
スマホアプリで収益を得る方法は、大きく分けて4つあります。
| 方法 | 収益の得方 | 向いているアプリ |
|---|---|---|
| 有料販売 | アプリをダウンロードするときに代金を受け取る | 機能がはっきりしていて、買う前に価値が伝わるアプリ |
| アプリ内課金 | アプリの中で、追加の機能やアイテムを販売する | ゲーム、機能を段階的に使えるアプリ |
| 定期購入 | 月額や年額で、機能やサービスを使えるようにする | 継続して使う道具のアプリ、コンテンツを配信するアプリ |
| 広告 | アプリの中に広告を表示し、広告の収益を受け取る | 無料で多くの人に使ってもらうアプリ |
組み合わせて使うことが多い
実際には、1つの方法だけでなく、組み合わせて使うことが多くあります。例えば、無料で使えて広告が表示され、広告を消したい人や追加の機能を使いたい人は課金する、という形です。どの組み合わせが合うかは、アプリの種類と、使う人の使い方によって変わります。
収益化の前に考えること
収益化の方法を決める前に、「誰が、どんな場面で、どれくらいの頻度で使うアプリなのか」を考えておくことが大切です。毎日開くアプリなら広告や定期購入が合い、必要なときだけ使うアプリなら有料販売や買い切りの課金が合うことが多くなります。
収益につながるアプリの題材の決め方
収益化の方法を考える前に、そもそもどんなアプリを作るかが、収益の大きさを左右します。
自分が困っていることから考える
個人で作るアプリの題材として選ばれやすいのは、自分自身が困っていることです。毎日の家計の記録、子どもの予定の管理、趣味の記録、仕事の小さな計算など、自分が欲しいと思った道具は、同じことで困っている人にも役立つ可能性があります。自分が使う人の1人なので、使い勝手を確かめながら改善しやすいのも利点です。
同じようなアプリを調べる
題材が決まったら、ストアで同じような目的のアプリを探し、どんなアプリがあるか、どんな評価やレビューが付いているかを調べます。レビューに書かれた不満は、新しいアプリが応えられる点のヒントになります。すでに多くのアプリがある分野でも、特定の使い方や、特定の人に絞ることで、選ばれる理由を作れます。
小さく作って出す
最初から多くの機能を詰め込もうとすると、完成までに時間がかかり、途中で手が止まりがちです。一番大切な機能だけを持つ小さなアプリを作って公開し、使う人の反応を見ながら機能を追加していくほうが、続けやすくなります。
続けて更新できるかを考える
アプリは、公開したあとも更新が必要です。題材を選ぶときは、自分が長く関心を持ち続けられるか、更新の手間を続けられるかも考えておきましょう。
ストアに出すまでにかかる費用
アプリを App Store や Google Play で公開するには、それぞれのストアに開発者として登録する必要があります。
Apple Developer Program
iPhone や iPad のアプリを App Store で公開するには、Apple Developer Program に登録します。Apple の公式の案内では、Apple Developer Program の年間登録料は99米ドルで、価格は地域によって異なる場合があり、登録の手続きの際は現地通貨で表示されます。登録は1年ごとで、続けて公開するには毎年の更新が必要です。
Google Play Console
Android のアプリを Google Play で公開するには、Google Play Console のデベロッパーアカウントに登録します。Google の公式のヘルプでは、登録には18歳以上である必要があり、1回限りの登録料として25米ドルがかかると案内しています。
そのほかにかかる費用
アプリを作るためのパソコン、テストに使うスマホ、アプリのアイコンや画像の素材、アプリの裏側で使うサーバーの費用などもかかります。iPhone のアプリを作るには、一般に Mac が必要になる点にも気をつけましょう。サーバーを使うアプリは、使う人が増えるほどサーバーの費用も増えることがあるため、収益と費用の釣り合いを考えておく必要があります。
公開までの流れ
アプリを作ってから、ストアで公開するまでの流れを整理しておきます。
- 開発者として登録する:Apple Developer Program や Google Play Console に登録する
- アプリを作る:開発の道具を使って、アプリを作る
- テストする:自分のスマホや、知り合いに頼んで、動作を確かめる
- ストアのページを用意する:アプリの名前、説明、画像、アイコン、価格、プライバシーポリシーなどを登録する
- 審査に出す:ストアの審査を受ける
- 公開する:審査に通ったら公開する
テストを丁寧に行う
公開したあとに大きな不具合が見つかると、評価が下がり、使う人が離れてしまいます。いろいろな機種や画面の大きさで動作を確かめ、知り合いに使ってもらって、分かりにくいところがないかを聞いておきましょう。
審査に時間がかかることがある
ストアの審査は、内容によって時間がかかったり、修正を求められたりすることがあります。公開したい日がある場合は、余裕を持って審査に出しましょう。修正を求められた場合は、指摘の内容をよく読み、決まりに合うように直してから出し直します。
課金を使う場合の準備
有料販売やアプリ内課金、定期購入で収益を得る場合は、ストアの管理画面で、売上の振込先の口座や、税に関する情報の登録が必要になります。登録が済んでいないと、売上を受け取れないことがあるので、公開の前に済ませておきましょう。
ストアの手数料の仕組み
有料販売やアプリ内課金、定期購入で収益を得る場合、売上の一部をストアに手数料として払います。
App Store の手数料
Apple には、小さな事業者のための App Store Small Business Program という制度があります。Apple の公式の案内では次のように説明しています。
このプログラムでは、有料アプリおよびAppleアプリ内購入の手数料率が15%に引き下げられるため、ユーザーに喜ばれる高品質なアプリの開発を継続する上で、より多くのリソースをビジネスに投資することができます。 出典: Apple Developer App Store Small Business Program
対象になるのは、App Store の新しい開発者と、前の暦年の全アプリの合計収益が100万米ドル以内の開発者です。その年の収益が100万米ドルを超えると、その後の売上には標準の手数料率がかかります。この制度は、登録の手続きをしないと適用されないため、アプリで収益を得る予定があるなら、早めに申し込んでおきましょう。
Google Play の手数料
Google Play のサービス手数料は、一律ではありません。Google の公式のヘルプでは、日本の利用者との取引について、2026年9月30日を基準として、利用者のインストールが新しいものか、それ以前からのものかによって手数料が決まる新しい体系が示されています。例えば、定期購入の自動更新には、10%のサービス手数料に、Google Play の請求サービスを使った場合の請求手数料5%が加わる形が示されています。ほかの取引の手数料は、インストールの時期や、開発者が参加するプログラム、年間の収益によって変わります。
Google Play の手数料の体系は、地域ごとに変わっている途中です。自分のアプリに当てはまる率は、Play Console のヘルプの最新の表で必ず確かめましょう。
手取りの考え方
ストアの手数料を差し引いた額が、開発者の受け取る売上になります。さらに、アプリの価格に含まれる消費税の扱いや、為替の動きによっても、受け取る額は変わります。価格を決めるときは、手数料を差し引いたあとの額で考えることが大切です。
有料販売の考え方
アプリそのものを有料で販売する方法は、仕組みが分かりやすい一方で、ダウンロードの前に価値を伝える必要があります。
向いているアプリ
有料販売が向いているのは、使う目的がはっきりしていて、説明と画像で価値が伝わるアプリです。仕事の道具のアプリや、特定の趣味のためのアプリなど、探している人が明確なものは、有料でも選ばれやすくなります。
ストアのページを整える
有料のアプリは、買う前に試せないため、ストアのページの説明と画像が判断の材料になります。アプリで何ができるか、どんな人に向いているかを、短い言葉と画像で分かりやすく伝えましょう。
無料版と有料版を分ける方法
無料で一部の機能を試せるようにして、気に入った人に有料の機能を買ってもらう方法もあります。この場合は、アプリ内課金の仕組みを使います。
アプリ内課金と定期購入の考え方
アプリ内課金と定期購入は、アプリを無料で使い始めてもらい、価値を感じた人から収益を得る方法です。
アプリ内課金
アプリ内課金は、アプリの中で、追加の機能やアイテム、広告の非表示などを販売する方法です。1回買えばずっと使える買い切りの形と、使うと減る消費の形があります。ゲームではアイテムの販売、道具のアプリでは機能の追加に使われることが多くあります。
定期購入
定期購入は、月額や年額で、機能やサービスを使えるようにする方法です。毎月の収益が安定しやすい一方で、使い続けてもらえなければ解約されます。新しい機能の追加や、コンテンツの更新を続けて、使い続ける理由を提供する必要があります。
解約のしやすさを示す
定期購入では、料金、更新の時期、解約の方法を分かりやすく示すことが大切です。解約の方法が分かりにくいと、使う人の不満につながり、評価が下がる原因にもなります。ストアの審査でも、定期購入の内容を正しく示すことが求められています。
広告で収益を得る仕組み
広告は、アプリを無料で多くの人に使ってもらい、アプリの中に表示する広告から収益を得る方法です。
広告の種類
アプリの広告には、画面の上や下に表示される帯の形の広告、画面の切り替わりに全画面で表示される広告、見ると特典がもらえる動画の広告などがあります。広告の種類によって、収益の大きさも、使う人の感じ方も変わります。
AdMob の支払い基準額
アプリの広告の代表的なサービスに、Google の AdMob があります。AdMob では、収益が一定の額に達するまで支払いは行われません。Google の公式のヘルプでは、レポートの通貨が日本円の場合、支払いを受け取るための基準額は8,000円と示されています。収益がこの額に届くまでは、翌月以降に繰り越されます。
広告の収益の現実
広告の収益は、広告が表示された回数や、押された回数によって決まります。使う人が少ないうちは、広告の収益は小さくなります。個人の開発者が公開している記録でも、広告の収益が小さい額にとどまっている例があります。
広告(Admob)に関しては、現在月500〜600円前後を推移しています。 出典: zenn.dev
これは1人の開発者の例で、アプリの種類や使う人の数によって大きく変わります。広告だけで大きな収益を得るには、多くの人に繰り返し使ってもらう必要があることを知っておきましょう。
広告の出しすぎに注意
広告を多く表示すれば、一時的に収益は増えるかもしれません。ただ、使う人の操作を邪魔するほどの広告は、評価を下げ、使う人が離れていく原因になります。広告を表示する場所と頻度は、使う人の体験を損なわない範囲にとどめましょう。
広告と課金を組み合わせるときの注意
広告と課金を組み合わせる形は、多くのアプリで使われています。ただ、組み合わせ方を誤ると、どちらの収益も伸びないことがあります。
広告を消す課金
よく使われるのが、無料版では広告を表示し、広告を消したい人に課金してもらう形です。この場合、広告が多すぎると評価が下がり、少なすぎると課金する理由が弱くなります。使う人の操作を邪魔しない範囲で広告を表示し、課金すると快適になることを分かりやすく伝えましょう。
見ると特典がもらえる広告
動画の広告を見ると、ゲームのアイテムや機能の一時的な解放がもらえる形もあります。使う人が自分で選んで広告を見るため、不満につながりにくい形です。特典の大きさと、課金で買える内容との釣り合いを考えておく必要があります。
広告以外の収益の道
アプリによっては、ストアの課金や広告のほかに、企業からの協賛を受ける、アプリに関連する講座や相談を提供する、といった収益の道もあります。アプリを入口にして、ほかの仕事につなげる考え方です。
収益化の方法の選び方
どの方法で収益化するかは、アプリの種類と使われ方で決めます。
毎日使うアプリ
毎日開くアプリは、広告が表示される回数が増えるため、広告と相性が良い傾向があります。習慣の記録、日記、天気、ニュースなどのアプリです。継続して使う価値があるなら、定期購入とも組み合わせられます。
必要なときだけ使うアプリ
特定の場面でだけ使うアプリは、表示の回数が少ないため、広告よりも有料販売や買い切りの課金が合うことが多くなります。計算や変換の道具、特定の作業を助けるアプリなどです。
仕事で使うアプリ
仕事で使う道具のアプリは、使う人が価値に対してお金を払うことに慣れているため、定期購入や有料販売が選ばれやすくなります。
価格の決め方
有料販売やアプリ内課金、定期購入の価格は、アプリの価値と、使う人がその価値にいくら払うかで決まります。
同じようなアプリの価格を調べる
まず、同じような目的のアプリが、どんな価格で売られているかを調べます。大きく外れた価格を付けると、比べられたときに選ばれにくくなります。ただし、安さだけで競うと、手数料を差し引いたあとの収益は小さくなります。
手数料を差し引いた額で考える
価格を決めるときは、ストアの手数料を差し引いた額で、開発と更新にかかる時間と費用をまかなえるかを考えます。例えば、手数料が15%なら、売上の85%が受け取る額の目安になります。
定期購入の価格
定期購入の場合は、月額と年額の両方を用意し、年額を少し割安にする形がよく使われます。年額を選んだ人は、長く使い続けてくれる可能性が高く、収益も安定しやすくなります。価格を変える場合の扱いは、ストアの決まりに従う必要があるので、変える前に確かめましょう。
無料で試せる期間
定期購入では、最初の一定の期間を無料で試せるようにする方法もあります。試した人が価値を感じれば、そのまま使い続けてもらえます。無料の期間が終わると課金が始まることを、分かりやすく伝えることが大切です。
収益の見込みを数字で考える
アプリの収益の見込みは、次のような式で考えると整理しやすくなります。
課金の収益の見込み
課金の収益は、「アプリを使う人の数 × 課金する人の割合 × 1人あたりの支払い額 × 手数料を差し引いた割合」で考えます。例えば、仮に1か月に1,000人が使い、そのうち2%が500円の課金をするとします。手数料を15%とすると、1,000人 × 2% × 500円 × 85%で、1か月の収益は8,500円になります。
広告の収益の見込み
広告の収益は、「広告が表示される回数 × 表示1回あたりの収益」で考えます。表示1回あたりの収益は、広告の種類や、使う人の地域、時期によって大きく変わります。最初は少ない人数で実際に広告を表示し、管理画面で表示1回あたりの収益を確かめてから、見込みを立てるのが確実です。
数字を使って判断する
こうした式で見込みを立てると、収益を伸ばすには、使う人の数を伸ばすのか、課金する人の割合を上げるのか、1人あたりの支払い額を上げるのか、どこに力を入れればよいかが見えてきます。式の中の数字は、公開したあとに実際の数字に置き換えて、見込みを更新していきましょう。
収益を伸ばすための考え方
アプリを公開したあと、収益を伸ばすには、使う人の数を伸ばし、使い続けてもらう工夫が必要です。
ストアで見つけてもらう
ストアの検索で見つけてもらうには、アプリの名前、説明、画像が大切です。探す人が使いそうな言葉を説明に入れ、アプリの使い方が一目で分かる画像を用意しましょう。
評価とレビューを大切にする
ストアの評価とレビューは、ダウンロードを考えている人の判断材料になります。レビューに書かれた不具合や要望には、更新で応え、返信できる場合は丁寧に返しましょう。
使い続けてもらう
ダウンロードされても、すぐに使われなくなるアプリは少なくありません。最初に開いたときに使い方が分かること、使うたびに便利さを感じられることが、使い続けてもらうための基本です。
SNS やブログで知ってもらう
ストアの検索だけでなく、SNS やブログで、アプリを作った理由や、使い方の例、更新の内容を発信すると、アプリを知ってもらうきっかけになります。開発の過程を発信すると、公開の前から関心を持ってくれる人が集まることもあります。
更新を続ける
スマホの基本のソフトは毎年のように更新されます。アプリも、それに合わせて更新しないと、動かなくなったり、ストアから外されたりすることがあります。更新にかかる時間も、アプリを続ける費用として考えておきましょう。
公開したあとに見る数字
アプリを公開したら、ストアの管理画面や、広告の管理画面で数字を確かめ、改善につなげます。
見ておきたい数字
- ストアのページが見られた回数と、ダウンロードされた回数
- ダウンロードした人のうち、続けて使っている人の割合
- 課金した人の数と、売上
- 広告が表示された回数と、広告の収益
- 評価の平均と、レビューの内容
- 不具合で止まった回数
数字から次の手を考える
ストアのページは見られているのにダウンロードが少ないなら、説明や画像を見直します。ダウンロードは多いのに続けて使う人が少ないなら、最初に開いたときの分かりやすさを見直します。続けて使う人は多いのに課金が少ないなら、課金の内容や価格を見直します。このように、どこで人が離れているかを数字で確かめると、直すべきところが分かります。
記録を残す
更新をしたら、その日付と内容を記録し、更新の前とあとで数字がどう変わったかを比べます。記録を続けると、どんな改善が効果を生むのかが分かるようになります。
開発の道具と学び方
これからアプリの開発を学ぶ人は、作りたいアプリに合わせて、使う道具と学び方を選びましょう。
作る方法の違い
iPhone のアプリだけを作るなら Apple の開発の道具を、Android のアプリだけを作るなら Google の開発の道具を使うのが基本です。両方のストアに同じアプリを出したい場合は、1つの作り方で両方のアプリを作れる仕組みを使う方法もあります。どの方法にも得意不得意があるため、作りたいアプリの種類に合わせて選びます。
学び方
開発の道具には、公式の解説や練習の教材が用意されていることが多く、まずはそれに沿って小さなアプリを作ってみると、全体の流れがつかめます。分からないところは、公式の資料や、開発者が集まる場で調べながら進めます。最初の1本は完成させることを目標にし、機能は少なくてかまいません。
AI の道具の使い方
最近は、プログラムを書く作業を AI の道具に手伝ってもらう開発者も増えています。作業の時間を短くできる一方で、出てきたプログラムが正しく動くか、安全かを自分で確かめる力は欠かせません。仕組みを理解しないまま使うと、不具合の原因を見つけられなくなることがあります。
続けるかどうかの判断
アプリを公開しても、思うような収益にならないことは珍しくありません。続けるか、方向を変えるかを判断する基準を、あらかじめ決めておきましょう。
期間と目標を決める
例えば、公開から半年の間に、続けて使う人の数や、月の収益がどこまで届けば続ける、という目標を決めておきます。目標に届かなかった場合は、題材や収益化の方法を見直すか、別のアプリに力を移すかを考えます。
費用が収益を上回っていないか
開発者の登録料、サーバーの費用、更新にかかる時間を合わせて、収益を上回っていないかを定期的に確かめます。収益が小さくても、学びや実績として価値があると判断して続ける選択もあります。大切なのは、何のために続けるのかを自分ではっきりさせておくことです。
個人で開発するときの注意点
個人でアプリを開発して公開するときは、次の点にも気を配りましょう。
個人情報の扱い
アプリで使う人の情報を集める場合は、何の情報を、何のために、どう扱うかを示すプライバシーポリシーを用意します。ストアに出すときにも、情報の扱いについての記載が求められます。必要のない情報は集めないようにしましょう。
ストアの審査の決まりを守る
App Store と Google Play には、それぞれアプリの審査の決まりがあります。決まりに合わないアプリは公開できなかったり、公開後に取り下げられたりします。課金の方法や、広告の表示の仕方にも決まりがあるので、公開の前に確かめておきましょう。
問い合わせの窓口を用意する
アプリを公開すると、使い方の質問や不具合の報告が届きます。ストアのページに問い合わせの窓口を示し、届いた連絡には決めた期間のうちに返事をするようにしましょう。個人で開発している場合は、問い合わせ用のメールアドレスを、ふだんの連絡に使っているものとは別に用意しておくと、連絡の見落としが減り、管理しやすくなります。よく届く質問は、アプリの中やストアの説明に答えを書いておくと、対応の時間を減らせます。
他人の権利を侵さない
アプリの中で使う画像や音楽、文字の書体は、利用が許されたものを使います。ほかのアプリの名前や見た目をまねることも、トラブルの原因になります。
会社員の副業として始めるときの注意
会社員がアプリの開発を副業にするときは、勤め先との関係にも気を配りましょう。
就業規則を確かめる
勤め先の就業規則で、副業が許されているか、届け出が必要かを確かめます。特に、本業でもソフトの開発をしている場合は、副業で作るアプリが本業の仕事と競合しないか、会社の秘密の情報を使っていないかにも気をつける必要があります。
作業の時間を決める
アプリの開発は、作業を始めると時間を忘れがちです。平日の夜に何時間、週末に何時間と決めておくと、本業と両立しやすくなります。集中して作業するための時間の使い方は、在宅ワークの集中力アップ|ポモドーロ以外に効く7つのテクニックも参考になります。
税金と確定申告の考え方
アプリの収益は、税金の上では所得として扱われます。
確定申告が必要になる目安
国税庁によると、給与を1か所から受け取り、年末調整を受けている会社員の場合、給与以外の所得の合計が年間20万円を超えると確定申告が必要です。所得は、ストアからの売上や広告の収益から、開発者の登録料、サーバーの費用、パソコンやスマホの購入費のうち開発に使った割合などの経費を差し引いた額です。20万円以下でも、住民税の申告は別に必要です。
雑所得と事業所得
アプリの収益の所得は、規模や続け方によって雑所得か事業所得に分かれます。国税庁は、副業に係る所得の例として、原稿料などを雑所得に挙げています。継続して事業として行い、帳簿を付けている場合は事業所得として扱われることもあります。どちらになるかは個別の事情で決まるため、迷う場合は税務署に相談しましょう。
記録を付ける
ストアの売上の明細、広告の収益の明細、経費の領収書は、月ごとにまとめて保存しておきます。登録料やサーバーの費用がドルで請求される場合は、支払った日と円の額を記録しておくと、確定申告のときに困りません。経費が売上を上回ってしまうことがないか、収支を定期的に確かめることも大切です。
アプリ開発の力をほかの仕事に生かす
自分でアプリを作って公開した経験は、ほかの仕事にも生かせます。
受託の開発の仕事
アプリを1本公開した経験は、企業や個人からアプリの開発を受ける仕事の実績になります。自分のアプリの収益が小さくても、開発の技術そのものに価値があります。アプリの開発の仕事の全体像は、アプリケーション開発のお仕事で紹介しています。
画面の設計とデザイン
使いやすい画面を考える力は、アプリやWebの画面の設計の仕事にもつながります。デザインの仕事の単価の目安は、デザイナーの年収・単価相場で紹介しています。
運営者として見てきたこと
在宅ワークとフリーランスの仲介を20年以上続けてきた運営者として見てきた限りでは、個人で作ったアプリを長く育てている人ほど、収益の額より「使ってくれる人の困りごと」を見ています。レビューや問い合わせに書かれた小さな不便を1つずつ直していくうちに、使い続ける人が増え、結果として収益も安定していく、という流れがよく見られます。
もう1つは、自分のアプリで身に付けた力が、受託の仕事で生きる場面が多いことです。仲介の手数料が間に入らない直接の取引では、同じ予算でも受け手の手取りが厚くなり、依頼する側もより多くの機能を頼めます。自分のアプリで収益を得ながら、開発の力を生かした仕事も受ける。この2つを組み合わせると、副業全体の収入が安定しやすくなります。開発の力を生かした業務の支援の仕事は、AIコンサル・業務活用支援のお仕事でも紹介しています。
よくある質問
Q. スマホアプリを公開するのにいくらかかりますか?
App Store で公開するには Apple Developer Program への登録が必要で、年間登録料は99米ドルです(登録時は現地通貨で表示されます)。Google Play で公開するには、1回限りの登録料25米ドルがかかります。このほかに、開発用のパソコンやテスト用のスマホ、サーバーを使うアプリならその費用もかかります。iPhone のアプリの開発には一般に Mac が必要です。
Q. ストアの手数料はどれくらいですか?
App Store では、App Store Small Business Program に登録し、前の暦年の合計収益が100万米ドル以内なら、有料アプリとアプリ内購入の手数料率が15%になります。Google Play の手数料は一律ではなく、日本の利用者との取引は2026年9月30日を基準とする新しい体系に変わっています。自分のアプリの率は、各社の公式のヘルプで確かめましょう。
Q. 広告の収益はいつ受け取れますか?
AdMob では、収益が支払いの基準額に達するまで支払いは行われず、翌月以降に繰り越されます。レポートの通貨が日本円の場合、支払いの基準額は8,000円と案内されています。使う人が少ないうちは広告の収益は小さくなりやすいため、広告だけに頼らず、課金や定期購入との組み合わせも考えておくと安心です。
Q. アプリの収益は確定申告が必要ですか?
年末調整を受けている会社員なら、ストアの売上や広告の収益から、登録料やサーバーの費用などの経費を差し引いた所得と、ほかの給与以外の所得の合計が年間20万円を超えると確定申告が必要です。20万円以下でも住民税の申告は別に必要です。ドルで支払った費用は、支払った日と円の額を記録しておくと申告のときに困りません。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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